令和2(あ)124 詐欺、殺人、電磁的公正証書原本不実記録、同供用、有印私文書偽造、同行使、詐欺未遂被告事件

裁判年月日・裁判所
令和5年6月5日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所 平成29(う)1637
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判決文本文1,382 文字)

- 1 -令和2年(あ)第124号詐欺、殺人、電磁的公正証書原本不実記録、同供用、有印私文書偽造、同行使、詐欺未遂被告事件令和5年6月5日第一小法廷判決 主文 本件上告を棄却する。 理由 弁護人石橋有悟、同下村大気の上告趣意のうち、死刑に関して憲法9条、13条、31条、36条、98条2項違反をいう点は、死刑制度や刑法199条に死刑を定めたことが憲法のこれらの規定に違反しないことは当裁判所の判例(最高裁昭和22年(れ)第119号同23年3月12日大法廷判決・刑集2巻3号191頁、最高裁昭和24年新(れ)第335号同26年4月18日大法廷判決・刑集5巻5号923頁、最高裁昭和26年(あ)第3104号同27年1月23日大法廷判決・刑集6巻1号104頁)及びその趣旨に照らして明らかであるから、理由がなく、裁判体の構成に関して憲法37条1項違反をいう点は、原審で何ら主張、判断を経ていない事項に関する違憲の主張であり、その余は、憲法違反をいう点を含め、実質は単なる法令違反、事実誤認、量刑不当の主張であって、刑訴法405条の上告理由に当たらない。 なお、所論に鑑み記録を調査しても、刑訴法411条を適用すべきものとは認められない。 付言すると、本件は、被告人が、平成26年10月に、知人A、B及びCらと共謀の上、保険金目的で知人Dを殺害し、平成27年8月31日から同年9月1日までの間に、Aらと共謀の上、保険金目的でBを殺害した各殺人のほか、D殺害前に、A及びBと共謀の上、Dから金をだまし取った詐欺、D殺害後に、A及びBと共謀の上、Dの遺族から金をだまし取ろうとした詐欺未遂、A及びBと共謀の上、保険金目的でCの同意なく会社役員就任登記をし、単独で、Cが Bと共謀の上、Dから金をだまし取った詐欺、D殺害後に、A及びBと共謀の上、Dの遺族から金をだまし取ろうとした詐欺未遂、A及びBと共謀の上、保険金目的でCの同意なく会社役員就任登記をし、単独で、Cが死亡保険の被保険- 2 -者となることを同意する文書を偽造して行使した電磁的公正証書原本不実記録、同供用、有印私文書偽造、同行使等から成る事案である。 量刑判断の中心となる各殺人についてみると、その犯行はいずれも死亡保険を掛けた上で知人を海外に誘い出し、現地の実行役を雇って銃殺したというものであり、死亡保険金を目的とする計画的で利欲性の高い犯行であって人命軽視の態度が甚だしく、また、殺害態様は極めて冷酷である。被告人は犯行を発案し終始主導的に関与するなどした首謀者である。被害者2名の生命を奪った結果は重大であり、遺族らは厳しい処罰感情を示している。被告人は、他の犯行を含め、不合理な弁解に終始しており、反省の情もうかがわれない。 以上のような事情に照らせば、被告人の刑事責任は極めて重大であるといわざるを得ず、前科はないことなど、被告人のために酌むべき事情を十分に考慮しても、原判決が維持した第1審判決の死刑の科刑は、やむを得ないものとして、当裁判所もこれを是認せざるを得ない。 よって、刑訴法414条、396条、181条1項ただし書により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。 検察官石山宏樹、同勝山浩嗣、同岸毅公判出席(裁判長裁判官安浪亮介裁判官山口厚裁判官深山卓也裁判官岡正晶)

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