- 1 -主文 原告の被告都教委及び被告都人事委に対する訴えをいずれも却下する。 原告の被告都に対する請求を棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1請求 被告都教委が平成15年4月1日付けで原告に対して行った転任処分を取り消す。 被告都人事委が平成16年6月15日付けで原告に対して行った裁決を取り消す。 被告都は,原告に対し,金300万円及びこれに対する平成15年4月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2事案の概要本件は,原告が,①被告都教委に対し,同被告により平成15年4月1日付けでされた処分である原告を東京都多摩市立α中学校(以下「α中」という)から東京都。 (「」。)(「」調布市立β中学校以下β中というへ転任させる発令以下本件転任処分という)の取消しを求め,②被告都人事委に対し,同被告により同16年6月15。 日付けでされた本件転任処分に対する審査請求(以下「本件審査請求」又は「本件審査請求事件」という)を却下した裁決(以下「本件裁決」という)の取消しを求。 。 め,③被告都に対し,本件転任処分及び本件裁決が国家賠償法1条1項に照らし違法であるとして,精神的損害,経済的損害として300万円及びこれに対する遅延損害金の支払を求めた事案である。 争いのない事実等(証拠等により認定した事実は,当該証拠等を文中又は文末の括弧内に掲記した)。 (1)当事者ア被告都被告都は,地方教育行政の組織及び運営に関する法律2条に基づき被告都教委を設置し,地方公務員法7条に基づき被告都人事委を設置している。 イ被告都教委被告都教委は,被告都の教育行政に関する事務を行っており,中学校教員の人事異動に関する権限を有している。 ウ被告都人事委被告都人事 公務員法7条に基づき被告都人事委を設置している。 イ被告都教委被告都教委は,被告都の教育行政に関する事務を行っており,中学校教員の人事異動に関する権限を有している。 ウ被告都人事委被告都人事委は,被告都の職員人事に関する事務を行っており,被告都教委などの行政庁がした処分に対する審査請求等の不服申立ての審理を行い,裁決をする権限を有している。 エ原告原告は,昭和46年4月,東京都公立学校教員に採用され,江東区立γ中学校教諭に任命され,その後,八王子市立δ小学校,同市立ε小学校を経て,平成12年4月1日からα中において家庭科教員として勤務していた甲34原告1(,【頁,弁論の全趣旨。 】)(2)被告都における教員の定期異動- 2 -被告都教委は,平成8年10月1日,東京都区市町村立小・中・養護学校教員の,「」定期異動について東京都区市町村立小・中・養護学校教員の定期異動実施要綱(以下「本件異動実施要綱」という)を定め,同15年4月1日当時,これに基。 づき教員の定期異動を行っていた(なお,本件異動実施要綱は,平成15年7月10日付けで一部改定されたが,改定内容については,後記第3の2(3)ウ(コ)のとおりである。本件異動実施要綱には,概略,以下の内容が規定されている。 。)(甲2)第1異動の目的 適材を適所に配置し,すべての学校の教員組織の充実を図る。 教員の経験を豊かにし,資質の向上を図る。 第2異動の方針定期異動を促進することにより,経験を豊かにし,地区間及び学校間における教員組織の均衡を図る。 現任校における勤務が一定期間を越えるものについて,積極的に異動を行う。 区市町村,学校における教員組織について,年齢,性別,教職経験及び教科の担当等の均衡を図るため,全都的な立場から積極的に異動 任校における勤務が一定期間を越えるものについて,積極的に異動を行う。 区市町村,学校における教員組織について,年齢,性別,教職経験及び教科の担当等の均衡を図るため,全都的な立場から積極的に異動を行う。 省略第3異動の対象異動の方針に基づき,次の者を異動の対象とする。 現任校における勤務が一定期間を越える者(1)現任校に引き続き8年以上勤務する者。ただし,新規採用以来3校以上の経験者については,現任校に引き続き8年から10年以上勤務する者(2)新規採用以来,現任校に引き続き4年以上勤務する者 過員の解消のため異動を必要とする者 区市町村間,学校間及び学校における教員組織上の不均衡の是正を図るため異動を必要とする者 本人が異動を申し出て,都教委が異動することを必要と認めた者。 ただし,現任校の勤務年数が3年未満の者は,原則として異動の対象としない。 4月1日(異動の期日)現在,次に該当する者は,原則として異動の対象としない。 (1)ないし(4)省略(5)病気休職の復職後6か月を経過しない者 省略第4異動の方法 地域・地区の指定(1)区市町村間の人事の交流を促進するとともに,教員の経験を豊かにするため,教員の通勤圏等を考慮して,全都をA,B,C,Dの4地域- 3 -に分ける。 (2)及び(3)省略 各地域と異動との関係教員は,下記の(1)から(5)により,東京都教育委員会の指定する地域に異動するものとする。 (1)教員は,A,B,C,D地域のうち,異なる3地域にそれぞれ3年以上勤務することを原則とし,その勤務経験のない者は,同一地域内での異動を認めない。 ただし,校長の具申,各教育委員会の内申に基づき,東京都教育委員会が認めた者は,この規定によらず異動することがある。 (2)ない とを原則とし,その勤務経験のない者は,同一地域内での異動を認めない。 ただし,校長の具申,各教育委員会の内申に基づき,東京都教育委員会が認めた者は,この規定によらず異動することがある。 (2)ないし(5)省略 通勤時間通勤時間については,おおむね60~70分を標準とするが,90分までは,通勤可能な時間とする。ただし,他県からの通勤者で著しく長時間を要する者については,この規定にかかわらず異動を行う。 異動申告書異動は教育職員自己申告書裏面及び異動についての校長所見以下異,(「動申告書」という)を用いて行う。異動申告書は,校長が作成し提出す。 る。 (1)ないし(3)省略(3)定期異動における「過員」と「過員配置」の意義(),,,ア前記 のとおり本件異動実施要綱第3の2によれば異動対象者として「過員の解消のため異動を必要とする者」が挙げられている。ここにいう過員とは次のようなことを意味する。すなわち,被告都教委では,T・T(チーム・ティーチング,複数教員による協力的指導方法,以下「T・T」という)実施に。 ,()要する教員の加配少人数加配少人数編成で実施する授業に要する教員の加配,,,,など加配が認められる場合を除いて学級数に応じて各学校の校長教頭教諭養護教諭,事務職員ごとの定数(心障学級を除く)を基準表のとおり定め,この定数を超える教職員がいる場合を本件異動実施要綱上,過員という。 イ過員解消の異動の場合,被告都教委は,従前から,当該教員を欠員が生ずる学校に転任させるほか,欠員の生じない学校にも転任させているが,後者を過員配置と呼んでいる。 具体的には,各学校でその教育計画上,定数を超える教員の配置を必要とし,これを希望する学校に過員教員を転任させている。これは,過員が生じた場合 学校にも転任させているが,後者を過員配置と呼んでいる。 具体的には,各学校でその教育計画上,定数を超える教員の配置を必要とし,これを希望する学校に過員教員を転任させている。これは,過員が生じた場合,その解消を図る必要があり,過員教員を転任させる必要があるが,必ずしも転任,,先に適した欠員の生ずる学校がない場合がありこのような場合には教育計画上定数を超えて教員の配置を必要とする学校に転任させ,もって異動の目的である「適材を適所に配置し,すべての学校の教員組織の充実を図る」こととしているものである(弁論の全趣旨)。 (4)本件転任処分- 4 -被告都教委は,平成15年4月1日付けで,原告に対し,α中からβ中への異動を命ずる本件転任処分をした。 (5)本件裁決に至る経緯ア原告は,平成15年5月26日,被告都人事委に対し,本件転任処分の取消し又は本件異動実施要綱に沿った異動を求める本件審査請求をした(甲1。 )イ被告都教委は,平成16年4月1日付けで,原告に対し,β中から東京都立川市立ζ中学校(以下「ζ中」という)への異動を命じた(以下「本件第2転任。 処分」という。 。),,,ウ被告都人事委は平成16年6月15日付けで本件第2転任処分発令により本件転任処分が取り消されたとしても原告のα中に勤務する地位が回復するわけでもなく,したがって,本件転任処分の取消しを求める法律上の利益はないとして,本件審査請求を却下するとの本件裁決をした。そこで,原告は,前記「事案の概要」でも述べたように,被告らに対し,本件転任処分及び本件裁決の各取消し並びに国家賠償請求の本件訴えを提起した(甲29,弁論の全趣旨)。 争点 (1)原告は,本件転任処分及び本件裁決の各取消しを求める訴えの利益を有しているか(本案前の答弁【原告と被告 各取消し並びに国家賠償請求の本件訴えを提起した(甲29,弁論の全趣旨)。 争点 (1)原告は,本件転任処分及び本件裁決の各取消しを求める訴えの利益を有しているか(本案前の答弁【原告と被告都教委,被告人事委との関係】)。 (2)本件転任処分に違法な点はあるか【原告と被告都教委,被告都との関係】。 ア目的の違法の存否本件転任処分は,原告をα中から排除するなど違法な目的で行われたものか,それとも過員解消の目的で行われたものか。 イ本件異動実施要綱違反の存否(ア)本件異動実施要綱には法規範性があり,教員の異動が当該要綱の条項に違反すれば,当該異動は直ちに違法となるのか。 (イ)原告の自宅からβ中までの通勤時間は,本件異動実施要綱第4の3に違反するか。仮に違反しているとしたら,本件転任処分は違法となるか。 ウ適正手続違反の存否本件転任処分には,告知,聴聞の機会の保障欠如など適正手続違反の違法があるか。 (3)本件裁決に違法な点はあるか【原告と被告都人事委,被告都との関係】。 ア理由不備の存否本件裁決に理由不備の違法があるか。 イ適正手続違反の存否証人採用後に期日を開かずに本件審査請求を却下した本件裁決に適正手続違反の違法があるか。 (4)本件転任処分又は本件裁決に違法が認められる場合に,原告が被った損害額は幾らか【原告と被告都との関係】。 争点に対する当事者の主張(1)争点(1(訴えの利益の存否-本案前の答弁)について)【被告都教委及び被告都人事委】- 5 -ア本件転任処分について(ア)原告ら地方公務員が,地方公務員法(以下「地公法」という)49条の。 2に基づき人事委員会に審査請求を行い,更に当該処分の取消訴訟を提起し得るのは,不利益処分を受けたときに限られる。ところで,本件転任処分は,原告 が,地方公務員法(以下「地公法」という)49条の。 2に基づき人事委員会に審査請求を行い,更に当該処分の取消訴訟を提起し得るのは,不利益処分を受けたときに限られる。ところで,本件転任処分は,原告の身分・俸給・勤務内容に不利益な変動を生ずるものではなく,また,勤務場所も原告が転居を余儀なくされるほど通勤時間が長時間になったわけではなく,地方公務員として社会通念上受忍すべき範囲を超えるものではないから不利益処分に当たらない。したがって,本件転任処分取消訴訟は不適法である。 (イ)第1次転任処分に対し審査請求・取消訴訟が提起され,その後第2次転任処分が行われた後,第1次転任処分が取り消されても,これにより第2次転任処分が遡及的に無効となることはない。原告は,本件転任処分後に本件第2転任処分を受け,同転任処分については審査請求期間中に審査請求をせずに同処分が確定しており,本件転任処分が取り消されても,α中の教員に復帰することはない。したがって,原告は,本件転任処分について不服申立てをする訴えの利益がなく,同処分取消訴訟は不適法である。 イ本件裁決について(ア)前記ア(イ)と同様に,原告は,本件転任処分が取り消されても,本件第2転任処分が取り消されない以上,α中の教員に復帰することはない。そうだとすると,本件裁決取消訴訟も訴えの利益がなく,不適法である。 (イ)処分取消訴訟と裁決取消訴訟が併合提起された場合,裁決庁は仮に手続に違法があっても処分取消訴訟の判決に拘束されるから,処分取消訴訟とは別個に裁決取消訴訟を行う独自の利益はない。また,仮に本件裁決に固有の瑕疵があり,これにより原告が何らかの損害を被ったというのであれば,それについて損害賠償請求をすれば足りるところ,原告は本件裁決の違法を理由に被告都に対し損害賠償請求をしており,当該損 裁決に固有の瑕疵があり,これにより原告が何らかの損害を被ったというのであれば,それについて損害賠償請求をすれば足りるところ,原告は本件裁決の違法を理由に被告都に対し損害賠償請求をしており,当該損害賠償請求とは別個に本件裁決の取消。 ,。 しを求める訴えの利益はないしたがって本件裁決取消訴訟は不適法である【原告】ア本件転任処分について(ア)教員の転任処分は,同一市内中学校間の異動などで,その身分,俸給等に異動を生ぜしめず,客観的,実際的見地からみても勤務場所,勤務内容等に何ら不利益を伴うものではないと認められる場合を除き,原則として不利益処分。 ,,となる本件転任処分は多摩市から調布市という市をまたいでの異動でありこれに伴い原告は本件異動実施要綱第4の3に違反する片道90分を超える通勤を強いられたのであり,不利益処分に当たる。したがって,原告は本件転任処分の取消しを求める訴えの利益を有している。 (イ)本件転任処分が取り消されれば,これを前提として行われた本件第2転任処分も遡及的に無効となり,原告は遡ってα中の教員の地位を回復することになる。したがって,本件第2転任処分があっても本件転任処分取消しを求める訴えの利益は失われない。 イ本件裁決について- 6 -行政事件訴訟法10条2項は「処分の取消しの訴えとその処分についての審,査請求を棄却した裁決の取消しの訴えとを提起することができる場合には,裁決の取消しの訴えにおいては,処分の違法を理由として取消しを求めることができない」と規定している。しかし,同条項は,原処分の違法性を理由とする処分。 取消訴訟のほかに,裁決固有の違法性を理由とする裁決取消訴訟を併合して提起することを禁止しているとはいえない。原告は,本件裁決について,理由不備,証人採用後の期日不開催という裁決 理由とする処分。 取消訴訟のほかに,裁決固有の違法性を理由とする裁決取消訴訟を併合して提起することを禁止しているとはいえない。原告は,本件裁決について,理由不備,証人採用後の期日不開催という裁決手続固有の違法を主張しており,本件裁決の取消しを求めることについても訴えの利益がある。また,本件転任処分取消訴訟について,棄却判決がされていない現時点において,同判決の拘束力を理由として本件裁決取消訴訟に訴えの利益がないとすることは許されない。 (2)争点(2(本件転任処分の違法性)について)【原告】ア目的の違法本件転任処分は,下記のとおり,違法な目的によるものであり,裁量権の逸脱・濫用がある。 (ア)原告は,α中の家庭科の授業において,法律や行政が新たに求めている男女平等教育の先取りとして「従軍慰安婦「同性愛」等について授業したと,」ころ,一部の生徒や保護者から苦情が出るなどした。このため,α中校長であったP1(以下「P1校長」という,多摩市教育委員会(以下「多摩市教。)委」という)及び被告都教委は,原告について授業改善の必要があるとして。 授業観察を繰り返し,改善指導の協議会を強要し,これに出席しなかったとし。 ,,,て原告を減給処分に処したさらにP1校長多摩市教委及び被告都教委は原告の言動について,保護者や生徒に適切な説明をせずに不信を煽って苦情を増幅させ,原告を指導力不足等教員にしようとしたが失敗した。このような事情に照らすと,本件転任処分は,被告都教委らが原告を指導力不足等教員として教育現場から排除できなかったため,その代替手段として原告をα中から排除する目的で行われたことが明らかである。 (イ)α中では,平成15年度の家庭科の週受持授業時間数が10時間であったため,原告がβ中に異動後,2名の非常勤講師を ,その代替手段として原告をα中から排除する目的で行われたことが明らかである。 (イ)α中では,平成15年度の家庭科の週受持授業時間数が10時間であったため,原告がβ中に異動後,2名の非常勤講師を採用した。また,α中では,平成15年ごろ,コンピュータ教育を充実させる計画はなかった。さらに,P1校長の後任であるα中のP2校長は,P1校長から原告は保護者から批判を受けたり,授業内容に問題があったりして処分を受けたこと,校長の指示に従わないことなどの引継を受けており,原告の平成15年度の異動申告書の異動,「,についての校長所見欄に個人的な思想・信条による非常識な自己主張など。」。 教育公務員としての基本的な自覚の乏しい教員であるなどと記載していた他方,β中では,平成15年度に家庭科のT・Tを計画しておらず,家庭科教員の過員配置を積極的に希望していなかった。また,β中で平成14年度限りで辞める予定であった家庭科の非常勤講師の週受持授業時間数は2時間であり,当時β中校長であったP3(以下「P3校長」という)は,同15年4。 ,。 月時点での家庭科の不足時間数については非常勤講師を充てる予定であった- 7 -ところが,P3校長は,β市教委から原告を受け入れるようにとの強い意向があったため,1年限定という期限付きの過員配置を渋々承諾した。これらの事情に照らすと,本件転任処分は,α中の過員解消が目的ではなく,被告都教委が原告をα中から排除する目的であったことが明らかである。 イ本件異動実施要綱違反(ア)本件異動実施要綱の法的性格教育基本法6条2項,教育公務員特例法の趣旨,国際労働機関(ILO)及び国際連合教育科学文化機関(UNESCO)の「教員の地位に関する勧告」の趣旨に照らすと,本件異動実施要綱第4の3が教員の異動について通勤時 6条2項,教育公務員特例法の趣旨,国際労働機関(ILO)及び国際連合教育科学文化機関(UNESCO)の「教員の地位に関する勧告」の趣旨に照らすと,本件異動実施要綱第4の3が教員の異動について通勤時間90分以内との制限を設けた趣旨は,教員の通勤に要する時間的,肉体的負担を軽減し,当該教員が異動先の学校において充実した指導教育を行うことを可能にし,もって,教員の教育の自由及び最低労働条件を保障するとともに,ひいては児童・生徒らの教育を受ける権利を制度的に保障することにある。したがって,本件異動実施要綱は,単なる内部準則にとどまらず,法規に準じた効力を有するというべきであり,教員の転任処分が通勤時間の点で不利益処分に当たるか否か,受忍限度を超えるか否かは,飽くまで本件異動実施要綱に違反するか否かにより決すべきである。 (イ)原告は,本件転任処分により,自宅からβ中までの通勤時間が往路平均102分,復路平均106分となり,いずれも本件異動実施要綱第4の3所定の上限片道90分を超えることとなった。被告都教委は,教員について本件異動実施要綱第4の3に従って転任処分を行う義務があるところ,これに違反した,。 ,のであるから本件転任処分には違法ないし裁量権の逸脱・濫用があるなお「」平成14年7月9日付け14教人職第341号教職員の服務の厳正についてによれば「教職員の自家用自動車による通勤については,①遠隔の学校に通,勤するもので,他の交通機関によることが困難な場合,②身体障害者で自動車により通勤する必要がある場合,③その他,真にやむを得ない事情がある場合以外は原則として認められない・・・」とされており,電車通勤が可能な原告が遠隔地であることを理由に自家用車通勤をすることができないのは明らかである。 ウ適正手続違反(ア)被告都教委は ある場合以外は原則として認められない・・・」とされており,電車通勤が可能な原告が遠隔地であることを理由に自家用車通勤をすることができないのは明らかである。 ウ適正手続違反(ア)被告都教委は,本件転任処分において,原告に対し,行政手続法に従い,異動の意思確認を行い,異動を行う必要性,異動対象者とした理由,異動先の,。 ,希望等につき告知聴聞の機会を設けるべきであったのにこれを怠った仮に教員の異動について,行政手続法3条1項9号により同法所定の告知,聴聞手,,続等が保障されていないとするならば転任処分も不利益処分に該当するから被告都教委は,地公法49条に基づき,被処分者に対し処分説明書を交付すべきである。ところが,被告都教委は,本件転任処分に当たり,原告に対し,処分説明書を交付しておらず,いずれにしても本件転任処分には手続的違法があった。 (イ)教員の転任処分に対する異議については,学校長は市町村教育委員会に対- 8 -し,同委員会は都道府県教育委員会に対しそれぞれ上申を行い,その対応について確認する必要がある。ところが,P2校長及び多摩市教委は,本件転任処分に対する原告ないし多摩島嶼教職員組合の異議について,被告都教委に対し客観的な資料を提出せず,報告もしておらず,本件転任処分には手続的違法があった。 (ウ)被告都教委ないし多摩市教委が原告のβ中までの通勤時間を調査した方法は,地図及びコンピュータソフトである「駅すぱあと」を使用した机上のものであったり,実測していない部分を含む調査結果をあえて実測結果とするなど杜撰なものであった。このような調査結果に基づき原告のβ中までの通勤時間が90分以内であると判断してされた本件転任処分には手続的違法があった。 【被告都教委及び被告都】ア目的の違法の主張に対し(ア)本件転 あった。このような調査結果に基づき原告のβ中までの通勤時間が90分以内であると判断してされた本件転任処分には手続的違法があった。 【被告都教委及び被告都】ア目的の違法の主張に対し(ア)本件転任処分は,原告がα中において過員対象となったことによる過員解消を目的に行われた過員配置の異動である。原告は,α中において過員対象者。 ,,,となったそこで被告都教委は家庭科教員である原告の異動先を探したが欠員の生じている学校はなかった。被告都教委は,区市町村教育委員会(以下「地教委」という)を通じて学校の希望を聴取したところ,β中が多摩市教。 委を介して家庭科教員の過員配置を希望したことから,原告をβ中に転任させることにした。 (イ)α中のP2校長が授業時間数が一番少ない技術科と家庭科のうち,家庭科を過員の対象としたのは,平成15年度進路・学習指導部方針において「パ,ソコン機材・教材の管理・整備に努め,さまざまな教育活動に活用していけるようにします」と定めたことから,コンピュータ教育充実のため技術科担当。 教員の方が必要性が大きかったからであり,原告をα中から排除する目的からではない。また,多摩市教委が原告について授業観察を行ったこと,被告都教委が原告に対し減給処分をしたこと,P1校長ないし多摩市教委が被告都教委に対し原告を指導力不足等教員と認定するよう申請したことは,いずれも正当な理由に基づくものである。そもそも原告自身,α中から他の学校へ転出することについては何ら異議がなく,P2校長に対し,これを承諾し,協力するとの意思表示をしていたのであり,本件転任処分が原告をα中から排除する目的で行われたものでないことは明らかである。 イ本件異動実施要綱違反の主張に対し(ア)本件異動実施要綱の法的性格教育公務員の異動は,任命権者の自 のであり,本件転任処分が原告をα中から排除する目的で行われたものでないことは明らかである。 イ本件異動実施要綱違反の主張に対し(ア)本件異動実施要綱の法的性格教育公務員の異動は,任命権者の自由裁量事項であり,異動対象者に対し社会通念上受忍限度を超える不利益を与えるものでなければ任命権者の裁量の範囲内にある。本件異動実施要綱は多数の教員を対象とする異動を円滑に実施するための指針(目安)にすぎず,教員の勤務条件を保障したものではない。本件異動実施要綱は飽くまで内部準則にすぎず,任命権者の裁量事項である転任処分が内部準則に違背して行われたとしても,当不当の問題を生ずるにとどまり,違法となるものではない。したがって,本件転任処分が不利益処分に当た- 9 -るか否か,更に裁量権の逸脱・濫用があるか否かは,本件異動実施要綱との適合性如何によってではなく,原告に社会通念上受忍限度を超える不利益を与えたか否かによって判断すべきである。なお,国際労働機関(ILO)及び国際連合教育科学文化機関(UNESCO)の「教員の地位に関する勧告」は,任命権者である被告都教委を法的に拘束するものではない。 (イ)原告の自宅からβ中までの通勤時間は約80分であり,本件異動実施要綱に違反しておらず,原告の主張を前提にしても転居を余儀なくされるほどの通勤時間ではない。また,原告は,α中において自家用車通勤をしており,β中においても校長から自家用車通勤を勧められていたところ,自家用車で通勤すれば道路混雑時であっても約65分で通勤することができた。したがって,本件転任処分は,原告に対し,社会通念上受忍限度を超える不利益を与えるものではなく,不利益処分に当たらず,裁量権の逸脱・濫用もない。 ウ適正手続違反の主張に対し(ア)行政手続法3条1項9号は,国家公務員・地方 ,原告に対し,社会通念上受忍限度を超える不利益を与えるものではなく,不利益処分に当たらず,裁量権の逸脱・濫用もない。 ウ適正手続違反の主張に対し(ア)行政手続法3条1項9号は,国家公務員・地方公務員に対するその職務又は身分に関してなされる処分について,告知・聴聞の機会を付与する旨の規定の適用を除外しており,その他,市区町村立中学校の教員について任命権者が不利益処分をする際,事前に告知・聴聞の機会を付与しなければならないとの実定法上の根拠は存在しない。ましてや原則として不利益処分に該当しない転任処分について,告知・聴聞の機会を付与しなければならないという理由はない。したがって,被告都教委が,本件転任処分の際,原告に対し,告知・聴聞の機会を付与しなかったからといって,本件転任処分に手続的違法があったとはいえない。 (イ)多摩市教委は,原告に対し,P2校長を介して,平成15年3月10日にβ中まで90分で通勤することができる根拠を示し,同月11日に同市教委が通勤時間の実測をした日を示し,さらに,自己申告書未提出者の異動にかかる「一任」の範囲が異動地区・学校のことであることなどを示しており,原告らの不服申立てに対するP2校長及び多摩市教委の対応に問題となる点はなかった。 (ウ)被告都教委は,本件転任処分にかかる異動作業において,原告の通勤時間「」,の検討を地図及びコンピュータソフトである駅すぱあとにより行った結果乗換時間等を考慮しても80分台で通勤可能と判断した。被告都教委は,多数の教員の定期異動を取り扱っており,原告の自宅からηバス停までの所要時間を実測することなど事実上不可能である。さらに,多摩市教委は,本件転任処分に先立ち,原告の自宅の最寄りのバス停であるηバス停からβ中までの通勤時間を実測している。したがって,被告都教委 での所要時間を実測することなど事実上不可能である。さらに,多摩市教委は,本件転任処分に先立ち,原告の自宅の最寄りのバス停であるηバス停からβ中までの通勤時間を実測している。したがって,被告都教委ないし多摩市教委の通勤時間の調査方法が杜撰であったとはいえず,本件転任処分に手続的違法があったとはいえない。 (3)争点(3(本件裁決の違法性)について)【原告】ア理由不備- 10 -裁決についての不服申立ての利益の存否は,裁決時において当該処分を取り消すことによって回復される法的利益が存在するか否かにより判断すべきである。 この点,本件転任処分が取り消されれば,これを前提とした本件第2転任処分も遡及的に無効となり,原告は遡ってα中の教員の地位を回復することになるところ,本件裁決は原告が本件第2転任処分を受けたことにより本件転任処分取消しの法律上の利益を失ったと誤判しており,理由不備の違法がある。 イ証人採用後の期日不開催被告都人事委は,口頭審理手続継続中,次回期日で尋問する証人を採用し,期日間に次回期日の日程調整を行っていたにもかかわらず,突然,日程調整を中止し,不服申立ての法律上の利益がないとして本件審査請求を却下した。このような被告都人事委の態度は,禁反言の法理に反し,不意打ち的に原告の主張立証の機会を奪ったものであり,適正手続に違反する。 【被告都人事委及び被告都】ア理由不備の主張に対し原告は,本件第2転任処分を適法なものとして是認し,審査請求期間内に審査請求をしなかった。このため,本件転任処分の取消しを求める法律上の利益がなくなったのであり,これを理由に本件審査請求を却下した本件裁決に理由不備の違法はない。 イ証人採用後の期日不開催の主張に対し本件転任処分の取消しを求める法律上の利益がなくなった以上,証人尋問を実 くなったのであり,これを理由に本件審査請求を却下した本件裁決に理由不備の違法はない。 イ証人採用後の期日不開催の主張に対し本件転任処分の取消しを求める法律上の利益がなくなった以上,証人尋問を実施する必要はなくなった。そこで,被告都人事委は予定していた証人尋問を実施せずに審理を打ち切り本件裁決をしたのであり,この措置に手続的違法はない。 (4)争点(4(損害額)について)【原告】原告は,本件転任処分及び本件裁決により,本件異動実施要綱所定の通勤時間の上限を超える通勤を強いられ,時間を浪費したほか,肉体的疲労が回復しないまま出勤することとなり,著しい肉体的,精神的損害を被った。また,原告は,上記肉体的,精神的苦痛を回避するためやむを得ず,平成15年6月下旬から同16年3月下旬までの9か月間,調布市に月額5万4000円の賃料でアパートを借り,1週間のうち数日は当該アパートに宿泊して通勤をした。原告は,このような二重生活を強いられたため,家族との共同生活を営む機会を大幅に奪われたほか,家賃,敷金,礼金,光熱費等の財産的損害を被った。原告の上記肉体的,精神的損害及び財産的損害を金額に換算すれば300万円を下ることはない。 【被告都】原告主張の損害額は争う。原告は,β中に対し,通勤届,住居届について変更届,,,を提出しておらず従前の住居に基づいて通勤手当住居手当を受領していたこと原告はβ中のP4校長から道路混雑時であっても片道約65分で通勤することができる自家用車通勤を勧められていたにもかかわらず,これを断っていたことからすれば,原告主張の財産的損害があるとはいえない。 第3争点に対する判断- 11 - 争点(1(訴えの利益の存否-本案前の答弁)について)(1)前記争いのない事実等(5)イ及び弁論の全趣旨によれば,被告都教 財産的損害があるとはいえない。 第3争点に対する判断- 11 - 争点(1(訴えの利益の存否-本案前の答弁)について)(1)前記争いのない事実等(5)イ及び弁論の全趣旨によれば,被告都教委は,本件転任処分後,平成16年4月1日付けで,原告をβ中からζ中に異動させる本件第2転任処分を行ったこと,原告は同日以降ζ中で勤務していること,原告は本件第2転任処分について,処分があったことを知った日の翌日から起算して60日以内に審査請求ないし異議申立てをしなかったことが認められる。 (2)前記(1)の事実を踏まえ,本件転任処分及び本件裁決の各取消しを求める訴えの利益があるか否かについて検討する。本件転任処分が地公法49条1項所定の「不利益な処分」に該当するか否かはさておき,原告が同法49条の3所定の期間内に不服申立てをしなかったことにより本件第2転任処分は確定していること,本件転任処分と本件第2転任処分は別個独立の処分であり,法的にみて本件第2転任処分は本件転任処分を前提とするものではないことからすれば,仮に本訴において本件転任処分が取り消されたとしても,これによって遡及的に本件第2転任処分までも無効となるものではなく,原告は本件転任処分の取消しによりα中に勤務する地位を回復することはない。そうだとすると,原告は本件転任処分の取消しを求める訴えの利益がないということになる。また,前記のとおり,原告が本件転任処分の取消しを求める訴えの利益を有していないとすると,原告は同処分について不服申立てをする利益も喪失したというべきであり,同処分に対する不服申立てを却下。 ,した本件裁決の取消しを求める訴えの利益もないということになる結局のところ仮に本件転任処分ないし本件裁決に違法があり,これにより原告が損害を被ったというのであれば,原告は国家賠 申立てを却下。 ,した本件裁決の取消しを求める訴えの利益もないということになる結局のところ仮に本件転任処分ないし本件裁決に違法があり,これにより原告が損害を被ったというのであれば,原告は国家賠償法に基づく損害賠償請求によりその救済を求めるのが相当である(以上につき,最一小判昭和61年10月23日判例時報121。 9号127頁,最二小判平成3年12月20日参照)(3)以上によれば,本件訴えのうち,原告が被告都教委に対して本件転任処分の取消しを求める部分及び被告都人事委に対して本件裁決の取消しを求める部分は,いずれも,その余の点について判断するまでもなく不適法であり,却下を免れない。 争点(2(本件転任処分の違法性の有無-国家賠償法1条1項の違法の存否)に)ついて(1)原告は,被告都教委の行った本件転任処分は,転任の目的が違法であり,本件異動実施要綱に違反し(通勤時間,適正手続違反があるとして,被告都教委を設)。 ,置する被告都に対し国家賠償法1条1項に基づき損害賠償を請求しているそこで以下,前記3点について,順次検討することにする。 (2)本件転任処分の目的の違法性の存否ア原告は,α中において平成15年度に家庭科を過員とする理由はなく,被告都教委は家庭科教員の過員配置を積極的に希望していないβ中に原告を押し付けたと主張する。すなわち,本件転任処分は,原告を指導力不足等教員にすることに失敗した被告都教委らが,その代替手段として原告をα中から排除する目的で行ったものであり,このような目的による転任処分は裁量権を逸脱・濫用したものであると主張する。そこで,以下,上記原告の主張の成否について検討する。 イ認定事実- 12 -前記争いのない事実等,証拠(文中又は文末の括弧内に掲記したもの)及び弁論の全趣旨によれば,以下の であると主張する。そこで,以下,上記原告の主張の成否について検討する。 イ認定事実- 12 -前記争いのない事実等,証拠(文中又は文末の括弧内に掲記したもの)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 (ア)原告が懲戒処分を受けるに至った経緯a原告は,α中の家庭科の授業において「従軍慰安婦「同性愛」等を扱,」ったところ,平成13年2月ころから,α中の生徒,保護者らから苦情が出されるようになった。多摩市教委は,原告の授業内容について,α中の保護者ないし一般市民から直接苦情を受けたことなどから,平成13年3月15,,,,,日以降数回にわたり原告の授業観察を行いまた同年4月25日以降数回にわたり,原告から事情聴取をした(乙4ないし8,28,42ない。 し54,56,62,64,65)bα中のP1校長は,平成13年7月7日,原告に対し,口頭で,同月12日の授業観察終了後,授業について協議をし,指導,助言をするための協議会に出席するよう命じたが,原告はこれを拒否した。また,P1校長は,平成13年9月1日,同月4日,同月5日及び同月6日,原告に対し,口頭及び文書で,同月4日から同月6日までの間,多摩市教委P5指導主事らによる授業観察終了後に協議会を開催するのでこれに出席するよう命じたが,原。 ,,,告はいずれもこれを拒否したさらにP1校長は平成13年9月12日同月13日,同月19日,同月20日及び同月25日,原告に対し,口頭ないし文書で,同月13日,同月20日及び同月25日,授業観察終了後に協議会を開催するのでこれに出席するよう命じたが,原告はいずれもこれを拒否した(乙16,27,30,62,64)。 c多摩市教委は,平成14年2月8日,同月12日,原告から前記bの職務,。 ,,命令違反 るのでこれに出席するよう命じたが,原告はいずれもこれを拒否した(乙16,27,30,62,64)。 c多摩市教委は,平成14年2月8日,同月12日,原告から前記bの職務,。 ,,命令違反について事情聴取をした多摩市教委は平成14年2月18日原告から事情聴取をしょうとしたが原告はこれを拒否した。そこで,多摩市教委は,原告に対する事情聴取を打ち切り,平成14年2月19日,被告都教委に対し,前記bの原告の同13年9月4日,同月5日及び同月6日の職,。(,務命令違反について教員の服務事故として報告した乙31なしい3464)d被告都教委は,前記cの多摩市教委からの報告を受け,平成14年2月21日,原告から事情聴取をすることとしたが,原告が立会人の同席を求めて事情聴取会場に入室しなかったため,事情聴取をすることができなかった。 そこで,被告都教委は,平成14年2月21日にα中のP1校長から,同月26日に同P6教頭から,それぞれ事情聴取をした上で,同年3月27日付けで,原告に対し,減給10分の1,3か月の懲戒処分をした。原告は,平成14年5月10日付けで,被告都人事委に対し,上記懲戒処分について審査請求をしたが,被告都人事委は,同16年5月25日,審査請求を棄却するとの裁決をした(乙35ないし37,67,70)。 (イ)多摩市教委が原告について指導力不足等教員の申請をするに至った経緯a被告都教委は,東京都公立学校に勤務する教員のうち,病気・障害等以外,,の理由で指導力不足等により児童・生徒を適切に指導できない者について- 13 -指導力不足等教員と決定した上で,学校等において適切な指導者を付けて指導を行い,また指導力ステップアップ研修を受講させるなどの方法により,指導力等の向上を図っている。東京都区市町村立学校の教 3 -指導力不足等教員と決定した上で,学校等において適切な指導者を付けて指導を行い,また指導力ステップアップ研修を受講させるなどの方法により,指導力等の向上を図っている。東京都区市町村立学校の教員を指導力不足等教員と決定する手続は,校長が地教委の教育長に申請をし,これを受けて,同教育長は被告都教委に申請をする。地教委教育長から指導力不足等教員の申請を受けた被告都教委は,東京都教育庁人事部,指導部及び東京都教職員研修センターの関係部課長等で構成する判定会の審議を経て,指導力不足等教員か否かを決定するというものである(乙67,弁論の全趣旨)。 bP1校長は,平成13年9月26日,多摩市教委教育長に対し,原告が指導計画を立てないこと,生徒に対する指導が実態に合わず,生徒やPTAからの苦情が相次いだことなどを理由に,原告について指導力不足等教員の申請をした。これを受けて,多摩市教委教育長は,同月27日,被告都教委に。 ,,,対し同旨の申請をした被告都教委は平成14年3月20日審議の結果「原告を指導力不足等教員と決定しない」との判定をした。前記判定の理由は,原告は,指導方法や指導内容,生徒の理解とそのあり方について,さまざまな課題があるが,教員としての資質・能力の欠如によって引き起こされたという事実を証明できるだけの十分な判断材料がそろっていないというも。 ,,「」,,,のであったなお前記判定にはその他として原告について今回指導力不足等教員の決定には至らないが,申請書及びこれまでの授業観察等の結果から,今後の教育活動を行う上で,改善を要する課題があると判断されるため,多摩市教委及びα中校長において適切な指導を行うよう通知するとの付記がされていた(甲39の1及び2,乙60,63,67,証人P。 7【7頁) 動を行う上で,改善を要する課題があると判断されるため,多摩市教委及びα中校長において適切な指導を行うよう通知するとの付記がされていた(甲39の1及び2,乙60,63,67,証人P。 7【7頁)】(ウ)被告都における教員の定期異動被告都教委は,本件異動実施要綱に基づき教員の定期異動を行っている(前記争いのない事実等(2,甲2,乙1)ところ,その具体的手順は以下のと)おりである(乙74,証人P8【1,5頁。 】)a被告都教委は,毎年9月中旬ころ,室課長会議を開催し,翌年4月1日付け定期異動の準備作業を開始する。上記室課長会議では,管理主事から地教委の室課長及び人事担当者に対し,翌年度の異動について基本的事項の説明が行われる。 b上記aの室課長会議の後,各地教委は,毎年10月から11月中旬にかけ,。 ,て各学校から異動対象者についてのヒヤリングを実施するこれを受けて被告都教委は,11月下旬から12月上旬にかけて,各地教委から異動対象者についてのヒヤリングを行い,12月下旬ころ異動対象者を確定する。 cその後,被告都教委は,具体的な異動作業を進め,数回に分けて,各地教委に対し,異動対象者の内示を行う。被告都教委は,上記内示において,過員配置を除き,異動対象者を各地区に配置し,これを受けて,各地教委は,異動対象者を地区内のどの学校に配置するかを決定する。なお,被告都教委,。 は過員配置については異動対象者の配置校まで決めて転入先地教委に示す- 14 -d被告都教委は,転入先地教委の地区内での学校配置の作業が終了した後,配置校交換会議において,転出地教委に対し異動対象者の配置校を示す。 e転出地教委は,翌年3月上旬,異動対象者に対し配置校を内示する。 (エ)自己申告書東京都教育庁は,教員の能力,適性等の人事情報を的確 交換会議において,転出地教委に対し異動対象者の配置校を示す。 e転出地教委は,翌年3月上旬,異動対象者に対し配置校を内示する。 (エ)自己申告書東京都教育庁は,教員の能力,適性等の人事情報を的確に把握するため,毎年教員に校長に宛てた自己申告書を提出させており,教員が自己の異動について意見を述べることができるようにしている。教員が自己申告書を提出しない場合,自ら異動について希望を述べる機会を放棄したものとして,異動について一任したものと扱われる。具体的には,①現任校における勤務が一定期間を超える者は異動先を一任したものと扱われ,②過員解消のため異動を必要とする者は異動希望の有無及び異動先を一任したものと扱われる(甲16の1な。 いし3,証人P8【25頁)】(オ)加配措置及び過員配置被告都教委は,原則として,学級数に応じて各学校の校長,教頭,教員,養,()。 ,護教員事務職員毎の定数心障学級を除くを定めている被告都教委では学校に定数を超える教員がいる状況を過員と呼んでいる。被告都教委は,T・T実施に要する教員の加配(T・T加配,少人数編制で実施する授業に要す)る教員の加配(少人数加配)等について,例外的に過員を認めており,これを加配措置と呼んでいる。また,被告都教委では,異動作業の中で,教員の過不足等の関係から定数を超えて教員配置を行わざるを得なくなった場合,定数を超える教員の配置を希望する学校への転任を行っており,これを過員配置と呼んでいる。このように,被告都教委は,加配措置及び過員配置については欠員の生じない学校にも教員を異動させている。なお,過員の有無は,学校全体の教職員数で決められるが,各学校でどの教科を過員とするかは,校長が各学校の教育上の必要性を考慮して決める。校長によって過員とされた教科の教員は も教員を異動させている。なお,過員の有無は,学校全体の教職員数で決められるが,各学校でどの教科を過員とするかは,校長が各学校の教育上の必要性を考慮して決める。校長によって過員とされた教科の教員は異動対象となり,当該教員が受け持っていた授業を非常勤講師が担当することとなるため,一般的には,受持授業時間数の一番少ない教科を過員教科とすることが多い(前記争いのない事実等(3,甲25,乙74,証人P8【1。 )ないし5頁)】(カ)原告が過員対象となった経緯α中は,平成14年度の教員定期異動において,9学級から8学級への学級減に伴う過員解消として,指導時間数が一番少ない家庭科を過員教科として申請したが,家庭科は東京都全体で過員状態であり,異動困難ということで原告の異動はなかった。さらに,α中は,平成15年度も学級数は変わらず8学級であったため,過員解消のため1名を過員対象とすることにした。α中のP2校長は,同校における平成14年度の各教科の教員1名当たりの週受持授業時間数は家庭科(教員1名)及び技術科(教員1名)がそれぞれ9.5時間と最も少なかったこと,このうち技術科教員は同15年度も同校のコンピュータ教。 ,育充実のための必要性が高かったことから家庭科を過員教科としたこの結果家庭科教員である原告が過員異動の対象となった。なお,原告は,平成15年- 15 -4月1日付けで過員により異動することについては特段異議を述べず,P2校長に対し,これを承諾し,協力すると述べていた(甲16の8,同25,5。 0,乙73,76,原告本人【34頁,証人P7【1,8頁)】】(キ)原告の転任先がβ中になった経緯a多摩市教委は,平成14年10月から同年11月上旬にかけて,同市内の各学校から異動対象者についてヒヤリングを行ったところ,α中は,前 7【1,8頁)】】(キ)原告の転任先がβ中になった経緯a多摩市教委は,平成14年10月から同年11月上旬にかけて,同市内の各学校から異動対象者についてヒヤリングを行ったところ,α中は,前記(カ)のとおり,原告を過員による異動対象者としていた(甲16の8,乙71,74,証人P8【1頁。 】)b他方,調布市教委は,平成14年11月中旬ころ,同市内の各学校から異動対象者についてヒヤリングを行った。この際,調布市教委は,前年度の異動作業の後半に被告都教委から過員配置の希望照会がされたことから,上記ヒヤリングに併せて各学校から過員配置希望の有無を聴取した(乙75,。 証人P9【8,9頁)】c被告都教委は,平成15年1月中旬ころから中学校家庭科の異動作業を開始し,同年2月中旬ころ,人事計画課定数係から過員配置が許可された。これを受けて,当時被告都教委管理主事であったP8(以下「P8管理主事」という)は,平成15年2月21日開催の室課長会議において,各地教委。 ,。(,に対し家庭科教員を含む教員の過員配置の希望調査を依頼した乙7475,証人P8【6頁,証人P9【1頁)】】d調布市教委指導室長P9(以下「P9指導室長」という)は,前記cの。 過員配置希望の調査依頼を受けて,前記bのヒヤリングの際,過員配置を希望していたθ中学校,ι中学校,κ中学校,λ中学校に対し,それぞれ過員配置希望の確認をした。さらに,P9指導室長は,β中においても平成14年度限りで家庭科の非常勤講師が辞めると聞いていたことから,同15年2月21日,前記bのヒヤリングの際には過員配置の希望をしていなかった同校に対しても,家庭科教員の過員配置希望の有無を聴取した。この際,β中のP3校長は「基本的にはお引き受けしたいけれども,一定の時間検討さ, 前記bのヒヤリングの際には過員配置の希望をしていなかった同校に対しても,家庭科教員の過員配置希望の有無を聴取した。この際,β中のP3校長は「基本的にはお引き受けしたいけれども,一定の時間検討さ,せていただいて,その後,正式にお返事したい」と述べた。P3校長は,。 平成15年2月24日,P9指導室長に対し,正式に家庭科教員の過員配置を希望すると伝えた。P3校長が家庭科教員の過員配置を希望したのは,平成14年度限りで同校の家庭科非常勤講師が辞めること,家庭科の授業を充実させることにより生徒間の暴力等の問題解決に資すると考えたこと,選択教科の家庭科コース増設や家庭科のT・T実施が可能になることなどが理由であった(甲16の11,同25,乙75,証人P9【1ないし3,9な。 いし11,13頁)】e調布市教委は,平成15年2月24日,被告都教委に対し,β中及びλ中。 ,,学校は家庭科教員の過員配置が可能であると報告したなお多摩地域では家庭科の過員配置を希望する学校が少なく,調布市,小平市,清瀬市,町田市等の数校であった。被告都教委は,原告の自宅から学校までの通勤時間を地図及びコンピュータソフトである「駅すぱあと」により検討した結果,β- 16 -中であれば原告の自宅から片道80分台で通勤することができると判断し,原告の異動先をβ中と決定した。被告都教委は,多摩市教委に対し,平成15年2月25日,原告の異動地区を調布市と内示し,同月28日開催の配置校交換会議において,原告の配置校としてβ中を示した(甲16の4ない。 し8,14,乙74,証人P8【1頁,弁論の全趣旨)】f多摩市教委は,前記eのとおり被告都教委から原告の異動先をβ中と示されたが,原告の通勤届によればα中までの通勤時間が90分とされていたことから,β中までの通勤時間 P8【1頁,弁論の全趣旨)】f多摩市教委は,前記eのとおり被告都教委から原告の異動先をβ中と示されたが,原告の通勤届によればα中までの通勤時間が90分とされていたことから,β中までの通勤時間が90分を超える可能性があることを危倶し,後記(3)ウ(ウ)で詳述するとおり,平成15年3月3日,原告のβ中までの通勤時間を確認するため実測調査を行った。多摩市教委は,上記実測調査の結果,原告が90分以内でβ中に通勤可能と判断した。多摩市教委は,,,。(,平成15年3月5日原告に対し異動先をβ中と内示した甲16の8乙71,76,証人P7【1ないし3頁)】(ク)本件転任処分等被告都教委は,平成15年4月1日付けで,原告に対し,α中からβ中への異動を命ずる本件転任処分を行った(前記争いのない事実等(4。なお,))東京都の平成15年4月1日付け中学校教員の定期異動においては,家庭科教員41名を含む教員合計81名(同年3月18日内示時点)が過員配置として転任した(甲16の10。 )ウ当裁判所の判断前記イの認定事実を前提に,以下本件転任処分が違法な目的によるものか検討する。まず,東京都の中学校において過員が生ずる場合にどの教科を過員の対象とするかは,原則として校長の裁量に委ねられているところ,α中のP2校長は同じ週受持授業時間数の家庭科と技術科を比較検討し,コンピュータ教育を充実させるため技術科は引き続き教員に担当させ,家庭科は非常勤講師に担当させることにしたというのであって,P2校長のこのような判断は合理的な理由を有するものといえ,原告を意図的にα中から排除するため家庭科を過員の対象にしたとは認め難い。確かに,β中は平成15年度の異動について,家庭科教員の過員配置を積極的に希望していたとまではいえない。しかし,過員配置は え,原告を意図的にα中から排除するため家庭科を過員の対象にしたとは認め難い。確かに,β中は平成15年度の異動について,家庭科教員の過員配置を積極的に希望していたとまではいえない。しかし,過員配置は異動作業開始前から教員の加配を希望する学校に対し行われるものではなく,被告都教委の教員の異動作業の中で必要に応じて希望の有無を聴取して行われるものであり,家庭科教員については東京都全体において原告のほかにも多数の過員が生じていたところ,多摩市教委はβ中の家庭科の非常勤講師が辞めると聞いていたことから,β中のP3校長に対し家庭科教員の過員配置を希望するか否かを確認し,これを受けてP3校長は家庭科教員の過員配置を希望したのであるから,被告都教委ないし多摩市教委が意図的に原告をβ中に押し付けたということはできない。 さらに,平成15年度の東京都の中学校教員の異動において,家庭科教員の過員配置を希望する多摩地域の学校はβ中を含む数校であったところ,被告都教委はこのうちβ中であれば原告が片道80分台で通勤可能と判断し,原告の異動先をβ中と決定したのであって,本件転任処分にかかる一連の異動作業は,被告都教- 17 -委における過員異動の対象となった教員の異動先決定方法に則ったものであったといえる。そもそも,原告は,自己申告書を提出しておらず過員解消による異動及び異動先については一任とされるところ,異動自体について特段異議を述べておらず,むしろP2校長に対し異動に協力すると述べていた。なお,原告とP1校長ないし多摩市教委との間には,原告の授業内容,これに対する生徒ないし保護者からの苦情,原告に対する授業観察,協議会への不参加等を巡って確執があったことがうかがわれないではない。しかし,指導力不足等教員の決定は,前記イ(イ)aのとおり,教員を教育現場から排除 ないし保護者からの苦情,原告に対する授業観察,協議会への不参加等を巡って確執があったことがうかがわれないではない。しかし,指導力不足等教員の決定は,前記イ(イ)aのとおり,教員を教育現場から排除する目的で行われるものではないし,被告都教委は,P1校長ないし多摩市教委教育長の原告を指導力不足等教員とする決定を求める申請について,原告にはさまざまな課題があるとしつつも,指導力不足等教員には決定しないとの判定をしており,これらの事情に照らしてみると,被告都教委が意図的に原告をα中から排除するためや通勤が長時間になるようにするため本件転任処分をしたということはできず,他にこれを認めるに足りる証拠はない。 以上によれば,本件転任処分は,違法な目的によるものではなく,被告都教委に裁量権の逸脱・濫用はないというべきであって,当該判断を覆すに足りる証拠は存在せず,この点についての原告の主張は理由がない。 (3)本件異動実施要綱(通勤時間)違反の違法性の存否ア原告は,本件異動実施要綱が法規に準じた効力を有することを前提に,本件転任処分により原告の通勤時間が同要綱第4の3に定める90分を超えることになった以上,本件転任処分は,違法ないし裁量権の逸脱・濫用になると主張する。 これに対し,被告都は,本件異動実施要綱は飽くまで内部準則にすぎず,任命権者の裁量事項である転任処分が内部準則に違背して行われたとしても,当不当の問題を生ずることはあっても違法となることはなく,本件転任処分が裁量権を逸脱したものか,違法なものかは,本件転任処分が原告に対し社会通念上受忍限度を超える不利益を与えたか否かにより判断すべきであると反論する。 イ東京都区市町村立中学校等の教員は,被告都教委が任命する地方公務員であるから,その転任処分は,地公法17条1項に基づき,任命権者である 超える不利益を与えたか否かにより判断すべきであると反論する。 イ東京都区市町村立中学校等の教員は,被告都教委が任命する地方公務員であるから,その転任処分は,地公法17条1項に基づき,任命権者である被告都教委に付与された権限の行使として行われるものであって,その発令は原則として被告都教委の裁量に委ねられており,その裁量権の行使に逸脱があった場合にはじめて違法と評価されると解するのが相当である。そして,前記争いのない事実等(2)及び弁論の全趣旨によれば,被告都教委は,本件異動実施要綱で,東京都区市町村立中学校等の教員の定期異動についての指針を定めたものというべきところ,本件異動実施要綱に定める基準に合致しない転任処分は,特段の事情のない限り,裁量権の逸脱があるものと推認され,国家賠償法1条1項にいうところの職務の遂行において違法と見られる余地が出てくるというべきである。当裁判所としては,以上の判断基準に照らし,本件転任処分が行われた際の諸事情を考慮し,特段の事情の存否等,本件転任処分に違法性があるか否かについて検討することにする。 ウ認定事実- 18 -前記争いのない事実等,証拠(文中又は文末の括弧内に掲記したもの)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 (ア)原告の自宅からβ中までの通勤方法原告の自宅からβ中までの公共交通機関を利用した通勤方法には,おおむね以下の3方法が考えられる。 ①自宅―(徒歩)―ηバス停―(バス)―μ駅―(電車)―ν駅―(バス)―β中学校前バス停―(徒歩)―β中②自宅―(徒歩)―ηバス停―(バス)―μ駅―(電車・ν駅で乗換)―ξ駅―(徒歩)―β中③自宅―(徒歩)―ηバス停―(バス)―μ駅―(電車・π駅で乗換)―ξ駅―(徒歩)―β中(イ)被告都教委は,本件転任処分にかかる異動作業の過程で, 駅―(電車・ν駅で乗換)―ξ駅―(徒歩)―β中③自宅―(徒歩)―ηバス停―(バス)―μ駅―(電車・π駅で乗換)―ξ駅―(徒歩)―β中(イ)被告都教委は,本件転任処分にかかる異動作業の過程で,地図及びコンピュータソフトである「駅すぱあと」を使用して原告の自宅からβ中までの通勤に要する時間は幾らであるか計測した。その結果,被告都教委は,原告が前記(ア)①の方法で通勤する場合,自宅からηバス停までが徒歩で約5分,同バス停からμ駅までがバスで34分,同駅からν駅までが電車で32分,同駅北口からβ中までがバスで9分かかり,これに乗換時間等を考慮しても80分台で通勤が可能と判断した(甲16の4ないし7,証人P8【6,7頁)。 】(ウ)平成13年4月1日から同16年3月31日までの間多摩市教委学校教育,(「」。),部次長指導室長事務取扱であったP7以下P7指導室長というは同15年3月3日,多摩市教委の職員にηバス停からβ中まで公共交通機関を利用した場合の所要時間を実測させたところ,その結果は,以下のとおりであった(甲16の8,同17,乙76,証人P7【1ないし3頁,弁論の全趣】旨。 )午前6時32分ηバス停からバスに乗車(時刻表より2分遅れ)午前7時5分μ駅から電車に乗車午前7時36分ν駅到着,乗換午前7時45分ξ駅到着後,徒歩にてβ中に向かう午前7時59分β中到着所要時間87分なお,帰路,β中からν駅までバスに乗車したところ,所要時間は9分であった。 (エ)被告都教委のP10管理主事,P11任用担当係長は,平成15年6月17日,ηバス停からβ中学校前バス停まで公共交通機関を利用した場合の所要時間を実測したところ,その結果は,以下のとおりであった(甲16の9。 )午前6時43分ηバス停からバ 長は,平成15年6月17日,ηバス停からβ中学校前バス停まで公共交通機関を利用した場合の所要時間を実測したところ,その結果は,以下のとおりであった(甲16の9。 )午前6時43分ηバス停からバスに乗車(時刻表より1分遅れ)午前7時11分μ駅到着午前7時16分μ駅から電車に乗車午前7時50分ν駅到着午前7時55分ν駅バス停からバスに乗車- 19 -午前8時7分β中学校前バス停到着所要時間84分(オ)被告都教委のP12管理主事,P11任用担当係長は,平成15年10月2日,原告の自宅からηバス停まで徒歩による所要時間を実測したところ,約5分であった(甲20。 )(カ)他方,原告は,平成15年3月6日,自宅からβ中まで公共交通機関を利用した場合の所要時間を実測したところ,その結果は,以下のとおりであった(甲13,34,原告本人【10頁。 】)(往路―前記(ア)②の通勤方法)午前6時35分自宅発,徒歩にてηバス停に向かう午前6時41分ηバス停到着午前6時42分ηバス停からバスに乗車午前7時15分μ駅到着午前7時28分μ駅から電車に乗車午前8時ν駅到着,乗換午前8時2分ξ駅到着後,徒歩にてβ中に向かう午前8時18分β中到着所要時間103分(往路―前記(ア)③の通勤方法)午後5時10分β中発,徒歩にてξ駅に向かう午後5時29分ξ駅から電車に乗車午後5時41分π駅到着,乗換午後5時57分μ駅到着午後6時8分μ駅からバスに乗車午後6時52分自宅到着所要時間102分(キ)また,原告は,平成15年3月7日,前記(ア)①の通勤方法により,自宅からβ中までの所要時間を実測したところ,105分であった(甲14,34,原告本人【10頁。 】)(ク)さらに,原告は,平成15年4月 は,平成15年3月7日,前記(ア)①の通勤方法により,自宅からβ中までの所要時間を実測したところ,105分であった(甲14,34,原告本人【10頁。 】)(ク)さらに,原告は,平成15年4月3日から同年7月14日までの間,断続的に自宅からβ中職員室までの通勤時間を実測したところ(なお,通勤方法は前記(ア)①ないし③などが混在している,往路は最短で92分(前記ア。)①の通勤方法,最長で121分(前記ア①の通勤方法)であり,平均すると)約102分(36日間の平均)であった。また,復路は最短で100分(前記ア①の通勤方法,最長で120分(前記ア③の通勤方法)であり,平均する)と約106分(11日間の平均)であった。なお,上記所要時間は,原告の自宅からβ中の職員室までの所要時間であり,β中の正門から職員室までの所要時間は,約3分であった(甲6,11,原告本人【8,36頁)。 】(ケ)平成13年度当初の東京都公立小・中学校等の教員の中には,東京都内在住であっても通勤時間が90分を超える者が合計407名存在し,このうち2- 20 -6名は120分を超えている(甲19。 )(コ)本件異動実施要綱は,平成15年7月10日付け15教人職第308号により改定され(同年9月1日施行,通勤時間について「おおむね60分~),70分を標準とするが,90分までは,通勤可能な時間とする」から「おお。 むね60分から90分を標準とするが,120分までは通勤可能な時間とする」へと改定された(乙1。 。 )エ当裁判所の判断(ア)前記争いのない事実等(2)及び前記ウ(キ(ク)によれば,本件異動)実施要綱第4の3は,教員の通勤時間は,おおむね60ないし70分を標準とし,90分までは通勤可能な時間とすると規定しているところ,原告の自宅か, 等(2)及び前記ウ(キ(ク)によれば,本件異動)実施要綱第4の3は,教員の通勤時間は,おおむね60ないし70分を標準とし,90分までは通勤可能な時間とすると規定しているところ,原告の自宅か,,,らβ中までの通勤時間は原告の実測によれば往路は平均すると約102分復路は約106分かかることが認められ,原告が自宅からβ中まで通勤する場合,バス,電車を利用して確実に90分以内で通勤することができると認めるに足りる的確な証拠は存在しないというべきである。したがって,α中からβ中への本件転任処分は,本件異動実施要綱第4の3に抵触しているというべきである。 (イ)前記イでも述べたとおり,転任処分が本件異動実施要綱に定める基準に合致しないからといって,当該転任処分が直ちに裁量権の逸脱,ひいては国家賠償法上違法となるのではなく,当該転任処分がどのような事情の下でされたかを検討し,裁量権の逸脱があるのかを判断するのが相当である。 ,(),(),これを本件についてみるに前記 イウ前記 ウで認定した事実証拠(甲34,48の1ないし5,原告本人)によれば,①本件転任処分は過員解消のため過員配置の措置として正当な目的を遂行するために行われたものであること(前記(2)イ(カ(キ,ウ,②東京都の平成15年度の教員))),,,異動において多摩地域で家庭科の過員配置を希望する学校は少なく調布市小平市,清瀬市,町田市等の数校であったこと(前記(2)イ(キ)e,③)このうち,β中であれば,コンピュータソフトである「駅すぱあと」によれば原告の自宅から80分台で通勤することができる結果となっていたこと(前記(2)イ(キ)e,④実際,原告の自宅からβ中までの通勤時間は,公共交)通機関が時刻表どおり運行されれば前記ウ(ア)①の通勤 原告の自宅から80分台で通勤することができる結果となっていたこと(前記(2)イ(キ)e,④実際,原告の自宅からβ中までの通勤時間は,公共交)通機関が時刻表どおり運行されれば前記ウ(ア)①の通勤方法によるのが最も短時間であるところ,90分以内で通勤することも可能であり,道路状況等によるバスの遅れがあってもおおむね100分前後で通勤することが可能であること(前記(3)ウの(ア)ないし(キ,⑤平成13年度当初の東京都公))立小・中学校等の教員の中には,東京都内在住であっても通勤時間が90分を超える者が407名と少なからずおり,本件異動実施要綱も同15年7月10日には,通勤可能な時間が90分から120分に改定されていること(前記(3)ウ(ケ(コ,⑥原告は,α中において自家用車通勤をしており,β)))中においてもP4校長から自家用車通勤を勧められていたところ,自家用車通勤による原告の自宅からβ中までの所要時間は道路混雑時であっても約65分であったこと(なお,被告都教委においては,平成15年7月18日付け通知- 21 -以降,教員の自家用車による通勤を原則として禁止したものの,本件転任処分当時は遠隔の学校へ通勤するもので,他の交通機関によることが困難な場合等。 ,,【,には自家用車通勤が許可されていた甲3448の1ないし5原告本人141ないし43,55頁)がそれぞれ認められる。 】。 以上の認定事実によれば,本件転任処分が,本件異動実施要綱第4の3に抵触することがあったとしても,前記①ないし⑥のとおり,本件転任処分の目的は正当であること,コンピュータソフトによれば90分以内で通勤可能であるとの結果となっており,90分で通勤できない日があるとしても超過時間は10分内外であること,原告は前任のα中では自家用車通勤をしておりβ あること,コンピュータソフトによれば90分以内で通勤可能であるとの結果となっており,90分で通勤できない日があるとしても超過時間は10分内外であること,原告は前任のα中では自家用車通勤をしておりβ中の校長も原告の自家用車通勤を認めているところ,これによれば余裕をもって90分以内で通勤できることなどの諸事情を考慮すると,本件転任処分においては,,,特段の事情が存在し被告都教委に裁量権の逸脱濫用があるとまではいえずましてや,職務遂行上の違法,換言すれば,国家賠償法1条1項に規定するところの違法があるとは到底いうことはできない。 (ウ)以上によれば,本件転任処分が本件異動実施要綱(通勤時間)に違反し違法ないし裁量権の逸脱,濫用があるとの原告の主張は理由がなく,採用することができない。 (4)適正手続違反についてア原告は,本件転任処分の際,被告都教委は原告に対し,告知,聴聞の機会を設けるか,処分説明書を交付すべきであるところ,いずれも履践していないから,本件転任処分には手続的違法があると主張する。 しかしながら,行政庁の行う不利益処分について告知,聴聞の機会付与等を規定している行政手続法は,地方公務員に対するその職務又は身分に関してさ,()。 れる処分等についてこれらの規定の適用を除外している同法3条1項9号また,地公法49条1項は「任命権者は,職員に対し,懲戒その他その意に,反すると認める不利益な処分を行う場合においては,その際,その職員に対し。」,処分の事由を記載した説明書を交付しなければならないと規定するところ前記2(3)イのとおり,転任処分は任命権者に付与された権限の行使として行われるものであり,それ自体は原則として職員に不利益を課する処分ではなく,地公法は転任につき職員の同意を要するものともしていないから,地 )イのとおり,転任処分は任命権者に付与された権限の行使として行われるものであり,それ自体は原則として職員に不利益を課する処分ではなく,地公法は転任につき職員の同意を要するものともしていないから,地方公務員である教員の異動について処分説明書の交付を要すると解することはできない。 したがって,被告都教委が,本件転任処分の際,原告に対し,告知,聴聞の機会を設けず,処分説明書を交付していないことをもって,本件転任処分に手続的違法があるとはいえない。 イ原告は,β中への内示を受けて,原告及び多摩島嶼教職員組合がP2校長ないし多摩市教委に対し不服を述べたにもかかわらず,同人らは被告都教委に対し,客観的な資料を提出せず,報告もしていないから,本件転任処分には手続的違法があると主張する。 しかしながら,被告都教委の教員の異動に関し,当該教員らの不服を校長な- 22 -いし地教委が被告都教委に報告しなかったからといって,直ちに当該転任処分に手続的違法が生ずると解することはできない。また,証拠(甲17,18,25,34,乙74,76,証人P8【1,8,13,14,16,17,30頁,証人P7【1,3,4,10頁,原告本人【1頁,ただし,甲34】】】については下記認定に反する部分を除く)及び弁論の全趣旨によれば,P2。 校長はP7室長に対し,原告がβ中への異動内示について通勤時間が90分を超えているので納得できないと苦情を述べていると連絡したこと,これを受けてP7室長は被告都教委のP8管理主事に対し原告の苦情を伝えたこと,P7室長は,原告に対し,平成15年3月10日にP2校長を介してβ中まで90分で通勤することができる根拠を示し,同月11日にも同校長を介して多摩市教委が通勤時間を実測した日を示したことが認められる。そうだとすると,P2校長ないし 年3月10日にP2校長を介してβ中まで90分で通勤することができる根拠を示し,同月11日にも同校長を介して多摩市教委が通勤時間を実測した日を示したことが認められる。そうだとすると,P2校長ないし多摩市教委は被告都教委に対し原告の実踏検査記録(甲14)を提出していないものの,P2校長ないし多摩市教委は被告都教委に対し原告らの本件転任処分に対する不服申立ての内容を報告しており,P2校長ないし多摩市教委らの対応は本件転任処分が手続的に違法となるようなものではなかったといえる。 したがって,原告らの本件転任処分に対する不服申立てについてのP2校長ないし多摩市教委の対応を理由として本件転任処分に手続的違法があるとはいえず,この点の原告の主張は理由がない。 ウ原告は,本件転任処分において被告都教委ないし多摩市教委がした原告の通勤時間の調査は杜撰なものであり,このような調査に基づいて行われた本件転任処分には手続的違法があると主張する。 しかしながら,被告都教委の教員の異動に関し,当該教員の通勤時間の調査に不備があったからといって直ちに当該転任処分に手続的違法があると解することはできない。のみならず,本件転任処分において被告都教委ないし多摩市教委がした原告の通勤時間の調査は,前記2(3)ウ(イ(ウ)のとおり),であり,被告都教委ないし多摩市教委が同時期に多数の教員の異動作業を行うことなどを考慮すれば,同調査が杜撰であったとまでいうことは困難である。 したがって,本件転任処分における被告都教委ないし多摩市教委がした原告の通勤時間の調査を理由として本件転任処分に手続的違法があるとはいえない。 エ前記アないしウの検討結果のとおり,本件転任処分の手続的違法に関する原告の主張はいずれも採用することができず,その他本件転任処分に手続的違法があるとはいえず 分に手続的違法があるとはいえない。 エ前記アないしウの検討結果のとおり,本件転任処分の手続的違法に関する原告の主張はいずれも採用することができず,その他本件転任処分に手続的違法があるとはいえず,この点の原告の主張は理由がない。 (5)小括以上検討したとおり,本件転任処分には,転任目的に違法な点はなく,本件異(),,動実施要綱第4の3通勤時間に照らし違法ないし裁量権の逸脱濫用もなく適正手続違反も認められない。したがって,これらの違法を前提とする原告の被告都に対する国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求は,その余の点を判断するまでもなく理由がない。 - 23 - 争点(2(本件裁決の違法性の有無-国家賠償法1条1項の違法の存否)につい)て(1)原告は,本件裁決には,理由不備ないし適正手続違反の違法があるとして,被告都に対し,国家賠償法1条1項に基づき損害賠償請求をするので,その成否について,以下検討することにする。 (2)認定事実前記争いのない事実等,証拠(文中又は文末の括弧内に掲記したもの)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 ア原告は,平成15年5月26日,被告都人事委に対し,本件転任処分の取消しを求める本件審査請求をした(前記争いのない事実等(5)ア。 )イ被告都教委は,本件審査請求事件において,平成15年10月23日,被告都人事委に対し,P3校長,P9指導室長,P8管理主事,P7指導室長を証人として申請した。他方,原告は,平成15年11月17日,被告都人事委に対し,β中国語教師P13,P2校長,P3校長,P9指導室長,P8管理主事,P7指導室長を証人として申請した(甲21,22。 。 )ウ被告都教委は,平成16年4月1日付けで,原告に対し,β中からζ中への異動を命ずる本件第2転任処分を 3校長,P9指導室長,P8管理主事,P7指導室長を証人として申請した(甲21,22。 。 )ウ被告都教委は,平成16年4月1日付けで,原告に対し,β中からζ中への異動を命ずる本件第2転任処分をした(前記争いのない事実等(5)イ。 )エ被告都教委は,本件審査請求事件の平成16年4月14日付け準備書面(4)において,原告は本件第2転任処分によりβ中からζ中へ異動となり,その通勤時間は原告の申告でも片道78分となったのであるから,本件転任処分につき審査請求を求める利益はなくなったとの主張をした。これに対し,原告は,本件審査請求事件の平成16年4月26日付け意見書(1)において,本件第2転任処分があったとしても審理を継続するよう要請した(甲23,乙2。 。 )オ被告都人事委は,平成16年4月26日,本件審査請求事件について第1回口頭審理を開催し,P3校長及びP2校長の証人尋問を行った。また,被告都人事委は,上記第1回口頭審理において,次回期日において,P8管理主事及びP13を証人として調べることとし,次回期日は証人らの都合等を調整して後日決定。(,),,することにした甲25 カ被告都人事委は平成16年5月17日原告の代理人に対し,次回期日の候補日を連絡したが調整がつかなかった。さらに,被告都人事委は,平成16年6月3日,原告の代理人に対し,次回期日を検討しているので待ってほしいとの連絡をした(当事者間に争いがない事実)。 キ原告は,本件審査請求事件の平成16年6月4日付け第3準備書面において,本件第2転任処分によっても本件転任処分について審査請求を求める法的利益はなくならないと主張し,前記エの被告都教委の準備書面(4)に対する反論をした。これに対し,被告都教委は,本件審査請求事件の平成16年6月4日付け準備書 本件転任処分について審査請求を求める法的利益はなくならないと主張し,前記エの被告都教委の準備書面(4)に対する反論をした。これに対し,被告都教委は,本件審査請求事件の平成16年6月4日付け準備書面(5)において,原告が本件第2転任処分について審査請求をせずに審査請求期間が経過したことにより,本件転任処分について審査請求を求める法的利益はなくなったと主張し,上記原告の第3準備書面に対する再反論をした。さらに,原告は,被告都人事委に対し,平成16年6月7日付け意見書(2)を提出し,本件審査請求の審理を続行するよう求めた(甲26ないし28)。 - 24 -ク被告都人事委は,平成16年6月8日,原告代理人に対し,前記キの原告の第3準備書面,被告都教委の準備書面(5)等について,慎重に調査,分析し,今後の審査方針を検討しており,第2回口頭審理の日程調整は保留すると通知した(甲31。 )ケ被告都人事委は,平成16年6月15日,原告は本件第2転任処分を受けたことから,本件転任処分の取消しによりα中に勤務する地位を回復するものではなく,本件転任処分の取消しを求める法律上の利益を有しないとして,本件審査請求を却下するとの本件裁決をした(前記争いのない事実等(5)ウ,甲29。 )(3)当裁判所の判断ア原告は,原告が本件第2転任処分を受けたことにより本件転任処分の取消しを求める法律上の利益を失ったとして本件審査請求を却下した本件裁決には理由不備の違法があると主張する。 しかしながら,前記1のとおり,原告は,仮に本件転任処分が取り消されたとしても,これにより遡及的に本件第2転任処分までも無効となるものではなく,本件転任処分の取消しによりα中に勤務する地位を回復することもないから,本件転任処分の取消しを求める法律上の利益を有しない。したがって,同 により遡及的に本件第2転任処分までも無効となるものではなく,本件転任処分の取消しによりα中に勤務する地位を回復することもないから,本件転任処分の取消しを求める法律上の利益を有しない。したがって,同様の理由で本件審査請求を却下した本件裁決に理由不備の違法はない。 イ原告は,被告都人事委が次回期日で尋問する証人を採用し,期日の調整を行っていたにもかかわらず,突然,本件転任処分の取消しを求める法律上の利益がないとして本件審査請求を却下したことは適正手続に違反すると主張する。 この点,確かに,前記(2)によれば,被告都人事委は,本件審査請求事件の審理中に,原告が本件第2転任処分を受け,これについて原告が不服を申し立て,,,ずに確定したことから尋問予定の証人がいたにもかかわらず審理を打ち切り本件審査請求を却下するとの本件裁決をしたことが認められる。しかし,前記アのとおり,被告都人事委の判断自体には誤りはなく,また,本件審査請求の審理については,民訴法等に定めるような厳格な手続は定められていないから,被告都人事委が裁決可能と判断した時点で尋問予定であった証人について取消等の手続を要するとまでは解されない。なお,前記(2)エ,キのとおり,被告都人事委は,本件第2転任処分が行われたことにより本件転任処分の取消しを求める法律上の利益が消滅したか否かについて,原告にも反論の機会を与えており,本件裁決が不意打ちであったということもできない。したがって,被告都人事委が次回期日で尋問する証人を採用し,期日の調整を行っていたにもかかわらず,本件審査請求を却下するとの本件裁決をしたことは適正手続に違反するとまではいえない。 ウ以上のとおり,本件裁決に理由不備,適正手続違反の違法があるとの原告の主張は理由がなく,採用することができず,その他本件裁決に違法があ の本件裁決をしたことは適正手続に違反するとまではいえない。 ウ以上のとおり,本件裁決に理由不備,適正手続違反の違法があるとの原告の主張は理由がなく,採用することができず,その他本件裁決に違法があると認めるに足りる証拠は存在しない。したがって,これらの違法を前提とする原告の被告都に対する国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求は,その余の点を判断するまでもなく理由がない。 第4結語- 25 -以上によれば,原告の被告都教委及び被告都人事委に対する訴えは,いずれも不適法であるからこれを却下することとし,原告の被告都に対する請求は理由がないからこれを棄却することとする。 東京地方裁判所民事第36部裁判長裁判官難波孝一裁判官福島政幸裁判官知野明
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