昭和55(あ)490 軽犯罪法違反

裁判年月日・裁判所
昭和56年11月20日 最高裁判所第三小法廷 決定 棄却 東京高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。          理    由  被告人本人の上告趣意第二について  所論は憲法三七条一項違反をいうが、原審において不公平な裁判をするおそれが あることを

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判決文本文2,101 文字)

主    文      本件上告を棄却する。          理    由  被告人本人の上告趣意第二について  所論は憲法三七条一項違反をいうが、原審において不公平な裁判をするおそれが あることを理由として裁判官の忌避を申し立てることができたのにこれをしなかつ た場合には、同じ理由により上訴審において当該裁判官に回避の事由があつたと主 張することは許されないと解すべきであるから、所論は「当審において主張するこ との許されない事項に関する違憲の主張であり、適法な上告理由にあたらない(な お、記録を調査しても、原審裁判長に不公平な裁判をするおそれがあつたことをう かがわせる事情は認められない。)。  被告人本人の上告趣意第三及び弁護人近藤良紹の上告趣意第三点について  所論は、憲法三一条違反をいう点を含め、すべてその実質は軽犯罪法一条一五号、 四条の解釈適用の誤りをいう単なる法令違反の主張であり、適法な上告理由にあた らない。  所論にかんがみ職権をもつて判断するに、軽犯罪法一条一五号にいう官職の詐称 には、自己の同一性については正しく表示しながら単に官職のみを僣称する場合の みならず、当該官職にある特定の人物をその官職名とともに名乗る場合も含まれる と解すべきである。本件のいわゆる偽電話テープに現われた被告人の言辞を総合す れば、被告人は自己を検事総長の布施であると称したことが認められるから、被告 人が検事総長の官職を詐称したものとして同号の罪の成立を認めた原審の判断は、 相当である。  被告人本人の上告趣意第四及び弁護人近藤良紹の上告趣意第一点について  所論は憲法三七条違反をいうが、第一審が被告人の弁護人選任権の行使を妨げた - 1 - とは認められないとした原審の判断は相当であり、また、記録によれば、第一審及 び原審が被告人に対する予断と偏見をもつて審理判決をしたと 反をいうが、第一審が被告人の弁護人選任権の行使を妨げた - 1 - とは認められないとした原審の判断は相当であり、また、記録によれば、第一審及 び原審が被告人に対する予断と偏見をもつて審理判決をしたとも認められないから、 所論は、いずれも前提を欠く違憲の主張であり、適法な上告理由にあたらない。  被告人本人の上告趣意第五及び弁護人近藤良紹の上告趣意第二点について  所論のうち、符一号及び同八号の録音テープに関して憲法一一条、一三条、三一 条違反をいう点は、実質においては、録音の違法性を否定してそれらの録音テープ に証拠能力を認めた原審の判断を論難する単なる法令違反の主張であり、その余は、 原審において主張判断を経ていない事項に関する違憲の主張、実質においては単な る法令違反、事実誤認の主張に帰する違憲の主張及び単なる法令違反の主張であり、 すべて適法な上告理由にあたらない。  所論にかんがみ職権をもつて判断するに、記録によれば、符一号及び同八号の録 音テープはいずれも被告人の同意を得ないで録音されたものではあるが、前者の録 音テープは、被告人が新聞紙による報道を目的として新聞記者に聞かせた前示偽電 話テープの再生音と再生前に同テープに関して被告人と同記者との間で交わされた 会話を、同記者において取材の結果を正確に記録しておくために録音したものであ り、後者の録音テープ(被告人の家人との対話部分を除く。)は、未必的にではあ るが録音されることを認容していた被告人と新聞記者との間で右の偽電話に関連し て交わされた電話による会話を、同記者において同様の目的のもとに録音したもの であると認められる。このように、対話者の一方が右のような事情のもとに会話や その場の状況を録音することは、たとえそれが相手方の同意を得ないで行われたも のであつても、違法ではないと解すべきである。したがつて と認められる。このように、対話者の一方が右のような事情のもとに会話や その場の状況を録音することは、たとえそれが相手方の同意を得ないで行われたも のであつても、違法ではないと解すべきである。したがつて、録音が違法であるこ とを理由にそれらの録音テープの証拠能力を争う所論は、すでにこの点において前 提を欠くものといわなければならない。  弁護人近藤良紹の上告趣意第四点について - 2 -  所論は、事実誤認、単なる法令違反の主張であつて、適法な上告理由にあたらな い。  被告人本人のその余の上告趣意について  所論は、違憲をいう点もあるが、実質はすべて単なる法令違反、事実誤認の主張 であり、適法な上告理由にあたらない。  よつて、刑訴法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、 主文のとおり決定する。   昭和五六年一一月二〇日      最高裁判所第三小法廷          裁判長裁判官    横   井   大   三             裁判官    環       昌   一             裁判官    伊   藤   正   己 - 3 -

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