昭和44(う)1401 強盗殺人、私文書偽造、同行使、詐欺被告事件

裁判年月日・裁判所
昭和44年12月17日 東京高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      原判決を破棄する。      被告人を死刑に処する。      押収にかかる郵便貯金払いもどし金受領証一枚(当庁昭和四四年押第三 五八号の一七)中の偽造部分は、とれを没収する。

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判決文本文1,149 文字)

主文 原判決を破棄する。 被告人を死刑に処する。 押収にかかる郵便貯金払いもどし金受領証一枚(当庁昭和四四年押第三五八号の一七)中の偽造部分は、とれを没収する。 押収にかかる郵便貯金通帳一冊及び定額郵便貯金証書三通(そのカバーを含む。)(前同押号の一二ないし一六)は、いずれもこれを被害者Aに還付する。 理由 『よつてつぎに職権をもつて、原判決の法令の適用の当否につき調査するのに、原判決は、押収にかかる一万円札八枚計八万円(当庁昭和四四年押第三五八号の八)中金四万円を被害者A(Bの夫)に還付すべき理由が明らかであるとして、主文第三項において、これを被害者Aに還付する旨言い渡したものであるが、記録によれば、被告人は本件強盗殺人の犯行により強取した郵便貯金通帳により預入れ金額中四万九、九〇〇円の払戻しを受けたのであるが、現実には、郵便局係員の申出により被告人が同係員に自己の一〇〇円を交付し、引換えに一万円札五枚計五万円の払戻しを受けたこと、被告人は右一万円札五枚を自己の所持金五万数千円に混入し、その中から一万円札八枚を、仲人を通じ結納金及び樽代として婚約者Cの両親D、同Eの両名に贈つたこと、Dらは右八万円中に、被告人が強取した貯金通帳より払戻しを受けた金員の一部が混入していることは全然知らなかつたこと並びに押収にかかる八万円は、右D<要旨>Dらが受領した八万円をそのまま任意提出したものであることなどがいずれも認められる。ところで、</要旨>刑訴法三四七条一項にいわゆる「被害者に還付すべき理由が明らかなもの」とは、被害者が私法上その物の返還を請求する権利を有することの明らかなものをいうと解すべきところ、前記のような郵便貯金通帳の強取に始まりDらが八万円を取得するに至るまで 還付すべき理由が明らかなもの」とは、被害者が私法上その物の返還を請求する権利を有することの明らかなものをいうと解すべきところ、前記のような郵便貯金通帳の強取に始まりDらが八万円を取得するに至るまでの経緯に徴し、かつ又それが一旦授受された場合には、そのもの自体の返還請求については法律上種々の困難が考えられるところの現金であること等に徴すれば、原判決が被害者Aに還付すべきものとした四万円については、本件強盗殺人罪の賍物で同被害者に還付すべき理由が明らかであるとするには疑問がある。さすれば、原判決が押収にかかる八万円中四万円を右被害者に還付する旨の言渡をなしたのは失当であつて、原判決はこの点において結局刑訴法三四七条一項の解釈、適用を誤つたものというべく、この誤は判決に影響を及ぼすことが明らかであるから破棄を免れない。 (その余の判決理由は省略する)(裁判長判事栗本一夫判事石田一郎判事藤井一雄)

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