- 1 - 主文 被告人を懲役4年に処する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は、Aセンター理事長(以下、当該法人を「本件法人」という。)として、本件法人が運営する保育園の預金の管理等の業務に従事していたものであるが、第1(令和5年12月11日付け起訴状公訴事実)株式会社B銀行C支店に開設された本件法人D保育園名義の普通預金口座(以下「本件口座」という。)の預金を本件法人のため業務上預かり保管中、別表1(省略)記載のとおり、令和5年7月23日から同月24日までの間、前後3回にわたり、愛知県瀬戸市a町b番地のc株式会社B銀行C支店ほか1か所において、自己の用途に費消する目的で、本件口座から株式会社E銀行F支店に開設された被告人名義の普通預金口座に現金合計6400万円を振込入金し、第2(令和5年11月20日付け起訴状公訴事実)本件口座の預金を本件法人のため業務上預かり保管中、別表2(省略)記載のとおり、令和5年7月31日から同年8月2日までの間、前後4回にわたり、前記株式会社B銀行C支店ほか1か所において、自己の用途に費消する目的で、本件口座から前記被告人名義の普通預金口座ほか1口座に現金合計1億8700万円を振込入金し、もって横領したものである。 (量刑の理由)被告人は、保育所の経営を目的とし、保育園3園を運営する本件法人の理事長であり、本件法人の統括会計責任者、かつ、本件法人本部及び保育園3園の会計責任者として本件法人が運営する各保育園の預金の管理等の業務に従事していた者であり、各保育園の預金を適切に管理すべき義務を負っていたにもかかわらず、各保育園の建替えや修繕費として使用するために長年にわたって積み立てられていた保育所施設・ の預金の管理等の業務に従事していた者であり、各保育園の預金を適切に管理すべき義務を負っていたにもかかわらず、各保育園の建替えや修繕費として使用するために長年にわたって積み立てられていた保育所施設・設備積立金に係 - 2 -る定期預金口座を解約して本件口座に入金したり、各保育園名義の普通預金口座に入金されていた運営資金を本件口座に振込入金するなどした上、本件口座から判示記載のとおりの横領行為を行ったもので、本件法人が運営する各保育園の口座をほしいままに利用した犯行態様は悪質である。合計7回にわたり本件各横領行為を繰り返していることからすれば、この種事犯に対する規範意識の鈍麻は明らかであり、合計2億5100万円という被害結果は甚大といわざるを得ない。被告人は、マッチングアプリで知り合った女性に騙されたことにより本件各横領行為に及んだものであるが、被告人が騙された事実を踏まえても、本件法人が運営する各保育園の口座をほしいままに利用して預金を自己の用途に費消したという本件各横領行為を正当化する理由にはなり得ず、動機に酌量の余地はない。 そうすると、被告人の刑事責任は重く、被告人が2600万円を支払った上、毎月3万円を返済するとの内容で、被告人と本件法人との間で示談が成立し、本件法人が寛大な処分を求めるとの意向を示していること、被告人が本件各事実を認め、謝罪の言葉を述べていること、実母が出廷して被告人の被害弁償に協力する旨述べていること、前科前歴がないことなど被告人のために酌むべき事情を考慮しても、前記のとおり被害結果が甚大であることなどからすれば、およそ刑の執行を猶予すべき事案ということはできず、示談が成立し、本件法人が寛大な処分を求めていることなどの事情を考慮し、主文のとおりの実刑とするのが相当と判断した。 (求刑懲役7年6月 ば、およそ刑の執行を猶予すべき事案ということはできず、示談が成立し、本件法人が寛大な処分を求めていることなどの事情を考慮し、主文のとおりの実刑とするのが相当と判断した。 (求刑懲役7年6月)令和6年4月23日名古屋地方裁判所刑事第6部裁判官村瀬恵
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