【DRY-RUN】主 文 本件上告を棄却する。 理 由 被告人B弁護人古賀俊郎上告趣意第一点について。 本件公判請求書には、所論のように「柳川区裁判所検事局検事C」が「柳河区
主文本件上告を棄却する。 理由被告人B弁護人古賀俊郎上告趣意第一点について。 本件公判請求書には、所論のように「柳川区裁判所検事局検事C」が「柳河区裁判所」に対し、被告人を銃砲等所持禁止令違反として起訴したがごとき形式となつているが、新憲法の施行に伴ない裁判所法及び検察庁法の実施せられた後には、柳河区裁判所及び同検事局は廃止せられ、従来の区裁判所及び同検事局所在地には、その直近上級の地方裁判所及び地方検察庁の支部がそれぞれ設置せられることとなり、従つて旧柳河区裁判所及び同検事局の後には、福岡地方裁判所柳河支部及び福岡地方検察庁柳河支部がそれぞれ設けられるに至つたことは一般周知の事柄である。 しかのみならず、前記公判請求書には「福岡地方検察庁柳河支部印」と表示された立派な大きな庁印がしかと押捺されているのである。ただ本件において憲法施行前に印刷された「柳河区裁判所検事局検事」「柳河区裁判所御中」という不動文字を用いた公判請求書用紙をそのまま訂正もせずに不用意に使用したことは、甚だ軽卒であつたとの非難を免れることはできない。しかし、これは単に形式上の瑕疵に過ぎないものであつて、その実質においては福岡地方検察庁柳河支部検事Cが福岡地方裁判所柳河支部に対し、本件公訴を提起したものであることは、容易に認識し得られるところであると言わねばならぬ。されば、本件公訴を不適法であるとする論旨は、理由なきものである。 同第二点について。 検事松本一成の本件控訴申立書は昭和二十二年六月二十六日(控訴期間最終日)附で福岡高等裁判所宛になされている。そして、この控訴申立書には、福岡地方裁判所柳河支部使用のゴム印が押捺せられ前記日附が記入せられ、且つ同支部判事及- 1 -び書記がそれぞれ確認の捺印をしている。そ 福岡高等裁判所宛になされている。そして、この控訴申立書には、福岡地方裁判所柳河支部使用のゴム印が押捺せられ前記日附が記入せられ、且つ同支部判事及- 1 -び書記がそれぞれ確認の捺印をしている。その上記録中には前記日附に控訴の申立があつた旨を翌二十七日福岡地方裁判所柳河支部が被告人に通知した葉書の写が綴込まれている。これらをもつて見れば、本件控訴申立が適法の期間内に適法になされたことを認めることができる。ただ記録中に存する接受証明書によれば、本件控訴申立書は昭和二十二年六月二十六日午後七時提出せられた旨が記載され、作成者は柳河簡易裁判所宿直裁判所書記Aとなつている。しかし、本件におけるがごとく地方裁判所支部と簡易裁判所とが同一建物内に存する場合には、宿直員は双方の受附事務の掌に当るものであることは、当裁判所に顕著な事実であつて、福岡高等裁判所宛の本件控訴申立が控訴期間内に原裁判所である福岡地方裁判所柳河支部に到達したことは、疑を容るる余地がない。従つて論旨は理由がない。 よつて、刑訴第四四六条に従い主文のとおり判決する。 本判決は、裁判官全員の一致した意見である。 検察官下秀雄関与昭和二三年六月三日最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官真野毅裁判官沢田竹治郎裁判官齋藤悠輔裁判官岩松三郎- 2 -
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