【DRY-RUN】○ 主文 原判決を取消す。 被控訴人らの請求を棄却する。 訴訟費用は、第一、二審とも被控訴人らの負担とする。 ○ 事実 一 当事者の求めた裁判 1 控訴人 主文同旨。 2 被控訴人 本件控訴を棄却する
○ 主文原判決を取消す。 被控訴人らの請求を棄却する。 訴訟費用は、第一、二審とも被控訴人らの負担とする。 ○ 事実一当事者の求めた裁判 1 控訴人主文同旨。 2 被控訴人本件控訴を棄却する。 控訴費用は、控訴人の負担とする。 二当事者の主張次に記載するほか、原判決事実摘示第二のとおりであるから、これを引用する(ただし、(一)原判決三枚目裏末行「説明」の次に「記載」を加え、(二)原判決四枚目表、三行目「総務委員長は三月二八日に」を「総務委員会の委員長は三月二八日に開かれた定例議会において、」と改め、同七行目「そのまゝ」の前に「右定例議会において」を加え、(三)原判決八枚目裏一〇行目「約束した」の次に「もの」を加える。)。 1 控訴人(一) A、Bより土地を取得する旨の基本契約については議会の特別議決がされており、本件三六〇万円はこの基本契約に付随する約定により代金を数パーセント上積みして支払つたものにすぎない。土地を取得する基本契約について特別議決がされている以上、その後に契約の細部を多少変更することは、ある程度までは理事者の裁量に委ねられるもので、その都度その都度特別議決をえなければならないものではないと解するのが相当であつて、本件三六〇万円の代金追加支払は、この許される範囲に属するものである。また、この三六〇万円の支出については、特別議決ではないが、補正予算の形で議会の議決を経ており、議会は予算の審議を通じてこの三六〇万円がどのような趣旨の金でなんのために誰に払われるかということについて充分の認識を持ちこれを承認したものである。 したがつて、この三六〇万円の支払約束についていわゆる特別議決がないことをもつてこの部分が無効になると解すべきではない。 (二) 右主張が認められないとしても、田原本町町長である控訴人は、昭和五三年 したがつて、この三六〇万円の支払約束についていわゆる特別議決がないことをもつてこの部分が無効になると解すべきではない。 (二) 右主張が認められないとしても、田原本町町長である控訴人は、昭和五三年三月一一日開催の議会において、本件三六〇万円の支出、その後に取得した周辺地や廃川敷地の買取契約をも含め、町民運動場用地取得の全体について改めて議会の追認の特別議決を求める旨の議案を提出したところ、議会は、同月二五日これを承認する旨の特別議決をした。 議会の特別議決は、事前にされるのを本則とするが、事後にされても議決の不備という瑕疵は治癒されると解すべきであるから、本件三六〇万円の支出は有効な契約にもとづく合法な支出というべきである。 2 被控訴人(一) 本件三六〇万円は、昭和四七年度補正予算で地元地主補償金として議会の議決承認をうけ支出されている。また、控訴人本人も、宣誓のうえ、本件三六〇万円は地元地主への補償費であり、もしこれが契約金の一部なら当初から議会にかけている旨供述していた。ところが、控訴人は、その後右の支出は代金の一部としてされたものであると主張し、議会の追認議決をえたと主張するに至つた。 しかし、現在の町議会は、五年前の町議会とは構成員も異なるのであるが、五年も前の議会が別の名目でされた控訴人の提案を承認しそれに従つて控訴人が支出してしまつた三六〇万円を、今さら代金の一部であるとして議決しなおしたとしても、それで違法支出が適法になるわけがない。 (二) のみならず、本件三六〇万円を代金の一部とする控訴人の主張自体が控訴人の宣誓供述に反する信義誠実違反の主張というべきである。 三証拠(省略)○ 理由一当事者間に争いのない事実ならびに本件用地買収および三六〇万円の支出に至る経緯についての当裁判所の判断は、次に記載するほか原判決一一 義誠実違反の主張というべきである。 三証拠(省略)○ 理由一当事者間に争いのない事実ならびに本件用地買収および三六〇万円の支出に至る経緯についての当裁判所の判断は、次に記載するほか原判決一一枚目裏四行目から一八枚目裏末行までに説示されているとおりであるから、これを引用する。 1 原判決一一枚目裏一一行目末尾の「なしたこと」の次に「、」を加える。 2 原判決一三枚目表二行目「主張し、」から六行目「ものではないと」までを削り、七行目冒頭の「1」を削り、末行「各」を削る。 3 原判決一四枚目裏末行原判決一五枚目表一行目、四行目、一〇行目の「Bら」の「ら」をそれぞれ削る。 4 原判決一五枚目表六行目「作成していた。」の次に「これは、A、Bが買い集めた土地が公用廃止され奈良県有となつていた廃川敷によつて三分されており一団の土地としての効用を発揮するには廃川敷の払下を受ける必要があつたが、かつて周辺土地地主らのために町が県に払下申請をしていて、右地主らがそのための経費を支出しており、A、Bへの払下が円滑に進展するためにはこれらの経費を補償する等の名目で右の程度の金員を支払う必要があつたからである。」を加える。 5 同裏七行目「もとずき」を「もとづき」と改める。 6 原判決一六枚目表二行目「Bら」の「ら」を削り、一一行目「もとずき」を「もとづき」と改め、末行冒頭の「費として」の次に「六、九三〇万円が」を加える。 7 原判決一七枚目裏六行目「Bら」の「ら」を削る。 8 原判決一八枚目表三行目「三六〇万円」の次に「のうち三四八万円」を加え、四行目「一部」を「、残金一二万円は本件売買に関し右の者らとの間で持つた会合の際の」と改め、五行目「した。」の次に「このように、右の者らの受けた金員の合計は、当初B、Aが支払を約した五〇〇万円に充たなかつたが、田原本町から 一二万円は本件売買に関し右の者らとの間で持つた会合の際の」と改め、五行目「した。」の次に「このように、右の者らの受けた金員の合計は、当初B、Aが支払を約した五〇〇万円に充たなかつたが、田原本町からの支払が三六〇万円であつたところから右の者らもやむをえずこれを了承したものである。」を加え、九行目、同裏六行目、八行目の「Bら」の「ら」をそれぞれ削る。 9 同裏末行の次に行をかえて左記を加える。 「(六)このように右の三六〇万円をA、Bと田原本町間の土地売買代金の一部とみた場合には、右土地売買代金の合計は六、九二五万五〇〇〇円になるところ、鑑定人Cの鑑定の結果によると、右売買土地の昭和四七年一月二一日当時の正常価格は六、六〇〇万円であるというのであつて、この鑑定価格と対比してみても、右売買価格が高きにすぎるということはできず、むしろ、鑑定による適正価格に近似した範囲の値ということができる。」二右に認定したとおり、A、Bと田原本町との間の本件廃川敷周辺土地の売買契約は地方自治法九六条五号にもとづく「議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例」第三条による議会の議決を効力発生の条件とする契約に該当するところ、昭和四八年一月二〇日に行われた本件売買契約に先立つて行われた昭和四七年一二月二二日の定例議会における特別議決においては、売買代金は六、五六五万五〇〇〇円とされていたのであり、実際に行われた売買の代金はこれに三六〇万円を加えた金額ということになるから、議決の内容と実際に行われた売買契約との間にはそごがあるといわなければならず、右三六〇万円の支出については特別議決を経ていない瑕疵があるというべきである。しかし、控訴人は、「昭和五三年三月二五日の議会において右三六〇万円を含めた売買につき追認する旨の特別議決がされた。」旨主張し 〇万円の支出については特別議決を経ていない瑕疵があるというべきである。しかし、控訴人は、「昭和五三年三月二五日の議会において右三六〇万円を含めた売買につき追認する旨の特別議決がされた。」旨主張し、前記認定の事実、成立に争いのない乙第一九、第二〇号証によると、田原本町では、右三六〇万円の支出当時これを売買代金の一部とは考えていなかつたので、補正予算に計上するにとどめ、三六〇万円に関し特別議決を経なかつたが、昭和五二年一〇月一七日言渡の本件原判決により三六〇万円は売買代金の一部であると認定され、その支出手続の瑕疵が指摘されたところから、町長である控訴人は、昭和五三年三月一一日開催の議会に、三六〇万円の支出、その後に取得した廃川敷地の買取契約をも含め、町民運動場用地取得の全体について改めて議会の追認の特別議決を求める議案を提出し、同月二五日その旨の特別議決をえたことが認められる。ところで、地方公共団体の長は当該地方公共団体を代表しその事務を管理執行する権限を有するのであるが、地方自治法九六条一項五号は条例で定める契約については当該地方公共団体の議会の議決を要するものと定めている。その趣旨は、右のような契約は地方公共団体ひいては住民に与える影響が大きく、その他その契約により特定の者が利益を受けることがありうるから、住民の代表機関である議会においてこれらの事柄を個別に審議したうえ、長はその議決に従つて執行すべきものとするところにあつて、長は、右契約については議会の議決を経ないかぎり地方公共団体を代表する権限を有しないものと解される。したがつて、長が右契約について議会の議決を経ないでこれを締結したときは、右行為は無権限の行為として無効になるのであるが、のちに議会が右行為を追認する旨の議決をしたときは、長のした無権限行為は遡つて有効になるものと解 契約について議会の議決を経ないでこれを締結したときは、右行為は無権限の行為として無効になるのであるが、のちに議会が右行為を追認する旨の議決をしたときは、長のした無権限行為は遡つて有効になるものと解すべきである。けだし、議会において叙上の点を審議して長に当該権限を付与することを相当とするのである以上、その議決が事前にされたと事後にされたとにかかわらず等しくその効力を認めても叙上の法の趣旨に反しないからである。そうすると、前記追認の特別議決により右三六〇万円の支出部分について事前に特別議決がされていない瑕疵は治癒されたものということができる。 この点につき、被控訴人らは、「三六〇万円の支出は、別の名目で議会の承認のもとにされているのであるから、のちにこれを代金の一部として追認する旨の特別議決をしても、違法な支出が適法になるわけがない。」旨主張するが、前記認定の事実に徴すると、三六〇万円を含めた本件売買の価格に格別不当な点はないのであり、ただこの三六〇万円を代金の一部とみるか否かについて、当時町当局はこれを代金の一部とみなかつたために特別議決を経る手続をとらなかつたものにすぎないと認められ、むしろ、外形上三六〇万円の支出は売買契約と一応別個の理由にもとづいているから、これを代金の一部とみなかつた町当局の見解も全く理由のないものともいいがたく、本件において町当局が当時ことさらに売買代金を圧縮し特別議決をうることを容易にしようとする等の意図を有していたものと認めるに足る証拠もないから、のちにこの三六〇万円を代金の一部とみる立場からされた追認の特別議決の効力を否定しなければならない理由はないというべきである。これに反する被控訴人らの主張は採用しない。なお、被控訴人らは、「控訴人が本件三六〇万円を代金の一部と主張することは控訴人本人の宣誓供述に反す 効力を否定しなければならない理由はないというべきである。これに反する被控訴人らの主張は採用しない。なお、被控訴人らは、「控訴人が本件三六〇万円を代金の一部と主張することは控訴人本人の宣誓供述に反する信義則違反の主張である。」旨主張するが、右主張は、すでに述べたところに照らして採用することができない。 三そうすると、控訴人のした三六〇万円の支出は適法に帰したということができるから、違法支出であることを前提とする被控訴人らの請求は、その余の主張について判断を示すまでもなく、失当として排斥を免れない。よつて、原判決を取消して右請求を棄却することとし、訴訟費用の負担につき民訴法九六条、八九条を適用して主文のとおり判決する。 (裁判官朝田孝富田善哉川口冨男)(原裁判等の表示)○ 主文被告は田原本町に対し三六〇万円とこれに対する昭和四八年六月一日から支払ずみまで年五分の割合による金員を支払え。 訴訟費用は被告の負担とする。 ○ 事実第一当事者の求めた裁判一請求の趣旨 1 主文一、二項同旨 2 仮執行宣言二請求の趣旨に対する答弁 1 原告らの請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告らの負担とする。 第二当事者の主張一請求原因 1 原告らは田原本町の住民であり、被告は昭和四五年一二月四日から同町の町長の職にあるものである。 2 (一)被告は田原本町町長として昭和四七年一月二一日A、B両名との間で<地名略>、<地名略>にまたがる一万一八一平方メートルの土地(以下単に本件土地という)を、町民運動場用地として代金六、九三〇万円で買受ける旨の売買仮契約を結び、昭和四六年度一般会計から一、三九〇万円を支出して手付金として支払つた。 (二) 右の買収についてはその後昭和四七年度予算に計上され、同年三月の定例議会で一部議員の質問を封じて強引に可 契約を結び、昭和四六年度一般会計から一、三九〇万円を支出して手付金として支払つた。 (二) 右の買収についてはその後昭和四七年度予算に計上され、同年三月の定例議会で一部議員の質問を封じて強引に可決された。 (三) 右仮契約に議会の事前の承認のないこと、右用地取得の必要性、買受価値の適否、農地法五条の許可条件違反など、この取引には種々問題があり、町の過大な財政負担のもとに一部の者に不当な利得を得させようとする不当性が窺われたので、原告らは昭和四七年四月五日付で地方自治法二四二条一項による監査請求をしたが斥けられた。 (四) その後昭和四七年一二月二二日の定例議会で、当初の売買目的土地を一万一八一平方メートルから九、六四三平方メートルに、売買代金を六、九三〇万円から六、五六五万五、〇〇〇円にそれぞれ減らした上で売買契約の特別議決を行い、昭和四八年一月二〇日に売買を完了し、同月二四日および同年三月七日に売買による所有権移転登記をした。(最終的に右売買土地はA名義土地が<地名略>田一〇八七平方メートル、<地名略>畑五三五平方メートルほか一六筆合計七二三五平方メートル、B名義土地が<地名略>田七八六平方メートルほか三筆合計二四〇八平方メートルということにきまつた。)(五) これら買受土地の中にはU字形の廃川敷(昭和一五年五月二五日に公用廃止され奈良県有になつていた。)があつて三分されており、一団の土地として利用できないため、田原本町は昭和四八年二月一日付で県に対して払下申請を行ない、昭和四八年三月一九日付で<地名略>雑種地一四五平方メートル、<地名略>廃川敷七三七平方メートルほか二筆合計三二三一平方メートルを買受け、同年五月三〇日までにその移転登記を了した。 3 (一)右用地売買が終り、廃川敷地払下手続が開始される前の昭和四八年三月一三日に、 廃川敷七三七平方メートルほか二筆合計三二三一平方メートルを買受け、同年五月三〇日までにその移転登記を了した。 3 (一)右用地売買が終り、廃川敷地払下手続が開始される前の昭和四八年三月一三日に、被告は定例町議会に昭和四七年度一般会計補正予算案を提案した。 この予算案の町民運動場建設費の補償、補填及び賠償の節には三六八万円が計上されていたが、このうち六万八、〇〇〇円の説明記載があるだけで三六〇万円についてはなんらの説明なく、三月一三日被告の口頭の提案理由として廃川敷地払下に伴う地元地主還元補助金であるという簡単な説明がなされ、これを審議した総務委員長は三月二八日に運動用地買収に際して附近住民の同意条件(A、Bが買収した際に、廃川敷地の払下を受けるときには元地主に補償されたいとの条件)としてA、Bが支払を約束したものを町が引続いたものと報告し、そのまゝ可決された。 (二) 右三六〇万円は昭和四八年五月三一日に支出され、前記Bに支払われたが、補償の対象となつた権利の名目、個別補償額、その算定基準などは町の会計上全く不明であり、またその後Bが運動場用地買収前の元地主へ、このうち幾許かの金員を支払つたもようであるが、その支払先および支払金額の明細は不明である。 (三) 本件運動場用地買収前の元地主は町が廃川敷の払下を受けることによつて制限されるべきなんらの権利はない。 (昭和四一年六月二三日付でD前町長が廃川敷の払下申請をしていたことはあるが、これは昭和八年ごろの河川改修の際に耕作地を新河川敷として提供した土地所有者達に、その見返りとして配分するというものであつて、被告のいう地元地主は右払下申請に表示された河川敷提供者とは異なる。)(四) かりにA、Bと運動場用地売主との間に売買についての同意条件があり、これを町が引継ぐ旨の念書(乙二号証)が作成さ あつて、被告のいう地元地主は右払下申請に表示された河川敷提供者とは異なる。)(四) かりにA、Bと運動場用地売主との間に売買についての同意条件があり、これを町が引継ぐ旨の念書(乙二号証)が作成されたとしても、右の念書はA、Bが払下を受けた場合に売主に支払うべき五〇〇万円を町が引継ぐというもので、(もともと同人らが廃川敷の払下を受けられる筈はない)町が払下申請をすることになつた以上、右念書の意味はなく、右引継が口頭の約束によるものとすれば、これについては議会に諮られていない。 4 (監査請求)原告らは運動場用地買収そのものが不当、違法なものと確信して監査請求をなし、さらに右支出行為のあつた昭和四八年五月三一日から地方自治法二四二条二項の一年の期間内である昭和四九年三月二三日付で同条一項の監査請求をした。 ところが監査委員は原告らに証拠の提出や陳述の機会を与える(同条五項)ことなく、法定の六〇日の期間を徒過した同年五月二二日付で、公益上やむを得なかつたという理由で、原告らの請求した措置を拒んだ。 5 よつて原告らは、同法二四二条の二一項四号により、田原本町に代位して町長である被告に対し、違法支出による町の損害賠償として金三六〇万円と、これに対する右支出の翌日である昭和四八年六月一日から支払すみまで民事法定利率年五分の割合による遅延損害金の支払を求める。 二請求原因に対する認否及び主張 1 請求原因1の事実は認める。 2 (一)請求原因2(一)の事実中原告主張の売買仮契約を締結したことは認めるが、これは「議会の議決に付すべき契約および財産の取得または処分に関する条例(昭和三九年四月一日田原本町条例第九号)」第三条の規定による議会の議決を効力発生の条件とする契約であつた。 また右仮契約については事前に一月一二日と一月一八日の厚生総務連合委員会に 処分に関する条例(昭和三九年四月一日田原本町条例第九号)」第三条の規定による議会の議決を効力発生の条件とする契約であつた。 また右仮契約については事前に一月一二日と一月一八日の厚生総務連合委員会において報告説明を行い同委員会の了承を得ている。 (二) 請求原因2(二)につき昭和四七年三月三〇日定例本会議において町民運動場建設費六、九三〇万円を計上した予算が可決されたことは認める。 (三) 請求原因2(二)のうち原告が監査請求をしたことは認める。 (四) 請求原因2(四)の事実は認める。買受面積と代金額が仮契約のそれより減つたのは仮契約の目的物件中に奈良県の所有地五二八平方メートルが混入していたことが判明したので本契約においてはこれを除外しこれに対応して代金額を減額修正したものである。 (五) 請求原因二(五)につき右買受土地が公用廃止され奈良県有となつていた廃川敷によつて三分されており、一団の土地としての効用を発揮できないため、右廃川敷につき田原本町が昭和四八年二月一日付で払下許可申請をなし同年三月一九日付で払下を受けたことは認める。但し払下を受けた面積は三六九一平方メートルである。 3 (一)請求原因3(一)のうち被告が昭和四八年三月一三日昭和四七年度一般会計補正予算案を議会に提出したこと、右予算案には町民運動場建設費の補償補てん及び賠償金として三六〇万円が計上されていたこと、三月二八日本会議において可決されたことは認める。 (二) 請求原因3(二)につき昭和四八年五月三一日町民運動場用地買収に伴う補償金として、三六〇万円がBに支払われたことは認める。 (三) 請求原因3(三)につき右補償費の支払が違法もしくは不当な公金の支出であるという原告らの主張は争う。 4 請求原因4のうち原告らが監査請求をしたこと、監査の結果請求に理由がないとして める。 (三) 請求原因3(三)につき右補償費の支払が違法もしくは不当な公金の支出であるという原告らの主張は争う。 4 請求原因4のうち原告らが監査請求をしたこと、監査の結果請求に理由がないとして書面で原告らに通知されたことは認める。 5 (被告の主張)田原本町が本件用地買収にあたつてなした補償費三六〇万円の支出は違法あるいは不当なものではなくまたこれによつて町に損害を被らせたということもできない。 (一) A、BはEら一六名の地元地主から廃川敷地の周辺地を買集めるに際し念証をもつて廃川敷地の払下があつたときには地元大字や売主に五〇〇万円を支払う旨を約束し、田原本町はこれを受けてA、Bから右周辺地を買取るに際し、念書及び覚書をもつて廃川敷地の払下があつたときにはA、Bに三六〇万円を支払う旨を約束したのであるが、この五〇〇万円あるいは三六〇万円の性質は時には諸経費とよばれ時には補償費と呼ばれているが実質は周辺地の代価の一部に他ならない。 即ちこの廃川敷地は早晩周辺地の相場よりはかなり低廉な価格で払下げられることが予測されていたのであるが、何人が払下を受けたにせよ廃川敷地だけでは地形上殆んど効用を発揮することができず、周辺地を併せ取得することにとつてはじめて廃川敷地をも有効に利用することができるという関係にあつた。従つて周辺地の所有者は廃川敷地の払下を受けこれを利用せんとする者に対して事実上優越的な地位を保有していたのであつて、この優越的な地位が周辺地の価値に一種のプレミアムを付加していたと考えられるのである。A、Bにせよ田原本町にせよこのプレミアム付きの周辺地を買収したのであるが、払下実現前の取引であつたため土地代価のうちこのプレミアム相当分の支払を留保して後日払下が実現したときに追加支払をする旨を約束したに他ならない。当初の契約代金額以外 付きの周辺地を買収したのであるが、払下実現前の取引であつたため土地代価のうちこのプレミアム相当分の支払を留保して後日払下が実現したときに追加支払をする旨を約束したに他ならない。当初の契約代金額以外の金が後に支払われた理由は右の如き実態にもとづくものである。従つて田原本町のなした本件三六〇万円の支出は買収用地代金の支払に他ならない。廃川敷地の払下権利者に補償をしたわけではないから払下権の有無も問題とならないし、A、Bが払下申請をしたか否かも問題ではない。又売主に理由のない不当利得をさせたものでもない。 (二) また右三六〇万円の支出をも含めてA、Bからの本件用地買収の代金額は全く正当である。即ち町はA、Bから九六四三平方メートルを六、五六五万五、〇〇〇円で買受けたわけであるがこれに右三六〇万円を加算してもその三、三平方メートル当り単価は二万三、七四一円であり、昭和四六年末に奈良県が本件土地より二キロメートルほど北寄りの低湿な土地約四八万平方メートル余を三、三平方メートル当り二万三、一四〇円で下水道用地として買収した実例と比較してもさほど高値とは言えず、前述の廃川敷地三六九一平方メートルの払下活用という莫大な利益を考え合すとむしろ町にとつて極めて有利な取引であつたことが明らかである。事実町はこの廃川敷地を一三八万四、一二五円三、玉平方メートル当り約一、二三九円という廉価で払下を受けることに成功しており、A、Bからの買収地と払下廃川敷地とを平均してみると三、三平方メートル当り一万七、五一三円余で取得したことになるのである。 (三) 本件三六〇万円の性質が右の如くであるとしても、当初仮契約の段階では委員会や議会に対してこれを明僚にせず、昭和四八年三月補正予算案審議の際にはじめて地元地主還元補償金なる名目で予算に計上し議決を得たことは確かに公明正 質が右の如くであるとしても、当初仮契約の段階では委員会や議会に対してこれを明僚にせず、昭和四八年三月補正予算案審議の際にはじめて地元地主還元補償金なる名目で予算に計上し議決を得たことは確かに公明正大なやり方であつたとは言えないし手続上の疑義も残る。しかしながらこれは廃川敷地の払下がその時点までは未確定であり従つて三六〇万円の支出も未確定であつたという理由もあり又この支出をしなければ買収契約全体が破棄されるおそれがあるという意味で公益上やむを得ない支出であつたと考えられるので、右手続上の不手際は本件三六〇万円の支出を違法もしくは不当ならしめるほどの瑕疵とは言えない。 また田原本町は本件用地取得によつて、廃川敷地は町が困窮していた塵芥焼却灰の捨て場として活用され、買収地には老人ホームが建設され将来は町民運動場として利用するなど余りある利益を得ているのであつて、本件三六〇万円の支出にいささかの不手際があつたとしてこれによつて被告が町に損害を蒙らせたという事実は全くないものである。 第三証拠(省略)○ 理由一原告らがいずれも田原本町の住民であること、被告Fが昭和四五年一二月四日以降同町の町長の職にあること、被告Fが田原本町長として昭和四七年一月二一日A、B両名との間で一万一八一平方メートルの土地を運動場用地として代金六、九三〇万円で買い受ける旨の売買仮契約を結んだこと、右買収につき同年三月三〇日の定例本会議において町民運動場建設費六、九三〇万円を計上した予算が可決されたこと、右売買につき原告らが監査請求をなしたことその後昭和四七年一二月二二日の定例議会で当初の売買目的土地と売買代金を一万一八一平方メートルから九、六四三平方メートルに、六、九三〇万円を六、五六五万五、〇〇〇円にそれぞれ減らした上で売買契約の特別議決を行ない、昭和四八年一 の定例議会で当初の売買目的土地と売買代金を一万一八一平方メートルから九、六四三平方メートルに、六、九三〇万円を六、五六五万五、〇〇〇円にそれぞれ減らした上で売買契約の特別議決を行ない、昭和四八年一月二〇日売買を完了し同月二四日および同年三月七日に売買による所有権移転登記をしたこと、最終的に右売買土地はA名義土地が<地名略>田一〇八七平方メートル、<地名略>畑五三五平方メートルほか一六筆合計七二三五平方メートル、B名義土地が<地名略>田七八六平方メートルほか三筆合計二四〇八平方メートルということにきまつたこと、右買受土地が、公用廃止され奈良県有となつていた廃川敷によつて三分されており一団の土地としての効用を発揮できないため、右廃川敷につき、田原本町が昭和四八年二月一日付で県に対し払下許可申請をなし、同年三月一九日付で払下を受けたこと、被告が昭和四八年三月一三日昭和四七年度一般会計補正予算案を議会に提出したこと、右予算案には町民運動場建設費の補償、補てん及び賠償金として三六〇万円が計上されていたが、三月二八日本会議において可決されたこと、右議決にもとづき昭和四八年五月三一日町民運動場用地買収に伴う補償費として三六〇万円が田原本町よりBに支払われたこと、原告らが右支出につき昭和四九年三月二:百付で田原本町監査委員に地方自治法二四二条一項の監査請求をなしたところ、監査委員が請求に理由がない旨を原告らに書面で通知したこと以上の各事実は当事者間に争いがない。 二原告らは本件三六〇万円の支出が根拠のない違法不当な支出であつて許されないものであると主張し、これに対し被告は右支出は手続的には疑いはあるがその実質はA、Bから買受けた土地の売買代金の一部であり、田原本町が町民グラウンド用地を取得するための必要不可欠な支出であつて違法不当なものではないと主 これに対し被告は右支出は手続的には疑いはあるがその実質はA、Bから買受けた土地の売買代金の一部であり、田原本町が町民グラウンド用地を取得するための必要不可欠な支出であつて違法不当なものではないと主張するのでその点について判断する。 1 (本件用地買収及び三六〇万円の支出に至る経緯)前示当事者間に争いのない事実に成立に争いのない甲一号証の一、二、同二号証の一ないし四、同三号証の一ないし五、同四、五、六号証、同七号証の一ないし四、乙一号証の一、二、同二号証、同三号証の一、二、同四ないし一一号証、同一三、一五号証、同一八号証の各一、二、証人Bの証言により真正に成立したものと認められる乙一二号証の一ないし一六、同一四号証の一ないし二一、証人G、同H、同Bの各証言、原告I本人及び被告F各本人尋問の結果を総合すると次の事実を認めることができる。 (一) 田原本町は被告Fの前任のJ町長の頃から本件土地(飛鳥川廃川敷及びその周辺土地)を公共用地として取得したい意向を持つていた。当初は町と地元土地所有者とが直接買収の交渉をしたが、塵埃焼却場建設のためということで地元住民が猛反対し、また本件土地周辺は数次の河川改修を経ているため土地の地籍が複雑となつており、町として直接買収するのは困難な状態であつたため町は直接買収することを断念した。 (二) 昭和四五年頃AとBの両名は後に田原本町に売渡した本件飛鳥川廃川敷地の周辺土地を霊園墓地造成という名目で買い集めた。右買収資金はAが調達し買収価値は三、三メートル当り平均一万一、〇〇〇円であつた。AもBもいずれも農業を営んではいなかつたが昭和四五年九月四日付でAは奈良県知事に対し右買収土地について農地法五条の規定による権利移転許可申請をなしその際転用目的を鶏舎及び附属建物樹口地造成とした。右申請に対し昭和四五年一二月 はいなかつたが昭和四五年九月四日付でAは奈良県知事に対し右買収土地について農地法五条の規定による権利移転許可申請をなしその際転用目的を鶏舎及び附属建物樹口地造成とした。右申請に対し昭和四五年一二月七日付で許可があつたが、Aは翌昭和四六年一月二〇日付で田原本町農業委員会長に対し、前記許可申請にかかる土地のうち四筆について所有者ならびに地目につき錯誤があつたとして錯誤による許可訂正願なる文書を提出した。これを受けて田原本町農業委員会はBに対し同人からの許可申請のないまま昭和四六年二月五日Bに対し農地法第三条一項による売買の許可をなした。昭和四六年四月一三日Aは右Bに対し農地法三条の許可のあつた土地を含めてA名義の所有権取得登記を了した。その後AはA名義で昭和四六年六月二八日付で奈良県に対し右買収土地について都市計画法にもとづく開発届を提出したがその内容は自己業務の鉄工所に必要な工場を建設するということであつた。 なおA、Bらは右廃川敷地周辺土地の買い集めの際売主からA、Bらが本件廃川敷地の払下申請をすることについての同意書を取りつけ、また昭和四六年四月二五日には右周辺土地地主の代表格であつたEとの間でA、Bらが右払下を受けた場合<地名略>及び協力地主に対し総額五〇〇万円を支払う旨の念証を作成していた。 (三) 昭和四五年一〇月頃になつて田原本町はA、Bと同人らが一括購入した本件廃川敷地の周辺土地の買収交渉を始め、田原本町側は助役のGが主として交渉の任にあたつた。A、Bらは当初三、三平方メートル当り二万五、〇〇〇円を要求し、田原本町側は二万円を提示していたが、昭和四七年一月中旬に三、三平方メートル当り二万二、五〇〇円で売買することに合意が成立した。右経過は同年一月一二日及び一月一八日の厚生総務連合委員会で助役より説明され了承を得た。その際右 ていたが、昭和四七年一月中旬に三、三平方メートル当り二万二、五〇〇円で売買することに合意が成立した。右経過は同年一月一二日及び一月一八日の厚生総務連合委員会で助役より説明され了承を得た。その際右単価の算出基礎についてG助役は短期譲渡における地主の税負担をも見込んで算出し、また本件土地が一部B所有とすることも税金対策であると考えていた。 前記合意にもとずき昭和四七年一月二一日A、B両名と田原本町長被告F(昭和四五年一二月四日より町長に就任していた)との間で売買仮契約が結ばれ、一万一八一平方メートルの土地を代金六、九三〇万円で買受ける旨の売買仮契約書が作成された。そして手付金として四六年度一般会計予算から、一、三九〇万円が支出された。右売買契約書が作成された同じ日に町長被告FとA、Bとの間で本件廃川敷地をA、Bらが払下を受けた場合に払下面積を全て田原本町に譲渡すること、その際の譲渡価格は払下価格に払下に要した諸経費を合算した金額とする旨の念書(乙二号証)が作成された。またその同じ日にA、Bは後日のため右払下に要した諸経費について明確にしておくという趣旨で諸経費坪当り四、〇〇〇円と確約する旨のG助役宛の覚書(乙一五号証)が作成され、廃川敷地は約九〇〇坪として総額で三六〇万円を町が支払う約束がされた。 右仮契約にもとずき昭和四七年予算に町民運動場建設費として計上され昭和四七年三月三〇日の定例本会議において可決された。 その後右仮契約の目的物件中に奈良県の所有地五三八平方メートルが混入していることが判明したため右土地を除外し、買受面積を九六四三平方メートルに、代金額を六、五六五万五、〇〇〇円に減額したうえ、「議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例」(昭和三九年田原本町条例第九号)第三条に該当する契約であるため、昭和四七年一二月 に、代金額を六、五六五万五、〇〇〇円に減額したうえ、「議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例」(昭和三九年田原本町条例第九号)第三条に該当する契約であるため、昭和四七年一二月一六日の総務委員会で審議のうえ、同月二二日の定例議会で売買契約の特別議決をおこない、昭和四八年一月二〇日に売買を完了し、同月二四日及び同年三月七日に売買による所有権移転登記をした。最終的には右売買土地はA名義土地が<地名略>田一〇八七平方メートル、<地名略>畑五三五平方メートルほか一六筆合計七二三五平方メートル、B名義土地が<地名略>田七八六平方メートルほか三筆合計二四〇八平方メートルであつた。 なお右売買の過程を通じ前記覚書(乙第一五号証)の存在及びその内容は議会、委員会の審理において町当局は明らかにしなかつた。 (四) 昭和四八年二月三日田原本町は奈良県に対し本件廃川敷地(三六九一平方メートル)の払下申請を行い、同年三月一九日奈良県より田原本町に払下げられ、総額一三八万四、一二五円で売買契約が締結された。なおA、Bは結局奈良県に対し払下申請をしなかつた。 同年三月一三日の定例町議会に被告は昭和四七年度一般会計補正予算案を提案したが、その中に本件廃川敷地払下に伴う地元地主還元補償金として三六〇万円が計上された。同月一九日の総務委員会でG助役は右三六〇万円について、A、Bらが廃川敷地周辺土地を買いにいつたときに廃川敷地の旧地主に廃川敷地の払下を受けたときに何がしかの補償をする旨の約束をし、その後町が払下を受けることになつたためその条件を引継いだこと、廃川敷地は約九〇〇坪を見込んでいたこと、坪あたり四、〇〇〇円の補償をするとして総額三六〇万円の支払をすることになる旨説明した。同月二八日本会議において右予算案は可決され、右議決にもとづき旧廃川敷地所 敷地は約九〇〇坪を見込んでいたこと、坪あたり四、〇〇〇円の補償をするとして総額三六〇万円の支払をすることになる旨説明した。同月二八日本会議において右予算案は可決され、右議決にもとづき旧廃川敷地所有者の確認などしないまま同年五月三一日三六〇万円がBに一括支払われた。 Bは右三六〇万円を大字と個人に分配したが一部酒代、タクシー代等に費消した。 以上の各事実が認められ証人G、同Bの証言中右認定に反する部分は採用せず他に右認定を覆すに足る証拠はない。 (五) 前記、認定のとおり、A、Bらは本件廃川敷地周辺土地の取得に際し買集めの名目は霊園墓地造成、県知事への農地権利移転許可申請の転用目的は養鶏場、県への開発届では鉄工所建設としてその都度使用目的が一貫していないこと、また一応自ら廃川敷地を払下申請する意図を有するがごとき念書を作成しながら、結局は県に払下申請をしていないこと、田原本町は右三六〇万円について総務委員会で地元地主に対する補償と説明しながら補償を受くべき権利者の調査は全くしていないことなどを考え合すと、A、Bらは当初より田原本町に転売する目的で本件廃川敷地周辺土地を買収したものと推認することができる。 そうすると、A、Bらと田原本町との間で、売買仮契約と同時になされた三六〇万円の支払約束の実質は廃川敷地周辺土地の売買代金の一部として廃川敷地払下があつたときに追加支払をなすことを約束したものと認めるのが相当である。 2 A、Bらと田原本町との間の本件廃川敷地周辺土地の売買契約が地方自治法九六条五号に基く「議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例」第三条による議会の議決を効力発生の条件とする契約に該当するものであつて、仮に右三六〇万円の支払約束が右仮契約と一体となるものであつても右部分について議会の特別議決を経ていない以上、右 関する条例」第三条による議会の議決を効力発生の条件とする契約に該当するものであつて、仮に右三六〇万円の支払約束が右仮契約と一体となるものであつても右部分について議会の特別議決を経ていない以上、右三六〇万円の支払約束の部分は無効というべきである。 被告は右支出をしなければ契約全体が破棄されるおそれがあるという意味で公益上必要やむをえない支出であつたと主張するが、A、Bらは既に充分な転売利益を取得しているものと認められ、また右三六〇万円の支払約束は特別議決の内容となつておらず右支払約束は効力を有しないというベきであつて右支払約束の不履行をもつて契約破棄の理由とはなしえたか疑問であり、また昭和四八年三月の時点ではすでに、A、Bらより買収した土地について所有権移転登記手続を了しているのであつて売買契約の履行を拒絶されるおそれもなかつたのであるから、右三六〇万円の支出が公益上やむを得ないものであつたとは到底認めることはできない。また仮に右三六〇万円を含めた本件廃川周辺土地の価額が全体として不当に高額とはいえないとしても、右三六〇万円の支払自体の違法性は治癒されないというべきであつて、必要のない支払により町に損害を与えたものと認められる。 三以上のとおりだとすると、前記三六〇万円の支出は被告の違法な支出と認められ、町に同額の損害を与えたというべきである。 よつて原告らの本訴請求は理由があるからこれを認容し、民訴法八九条を適用し仮執行の宣言については相当でないのでこれを付さないこととし主文のとおり判決する。
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