判決【被告人の表示省略】 主文 被告人を禁錮1年6月に処する。 この裁判確定の日から4年間、その刑の執行を猶予する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は、令和5年5月16日午後8時11分頃、大型貨物自動車を運 転し、宮城県栗原市a 字b 番地の高速自動車国道【以下省略】の片側2車線道路の第1車両通行帯を甲方面から乙方面に向かい時速約88.3kmないし約95.3kmで進行するに当たり、前方左右を注視し、進路の安全を確認しながら進行すべき自動車運転上の注意義務があるのにこれを怠り、自車右後方から第2車両通行帯を並進する車両に気をとられ、前方 左右を注視せず、進路の安全確認不十分のまま漫然前記速度で進行した過失により、折から進路前方の第1車両通行帯に故障のためハザードランプを点灯させて停止していた大型乗用自動車及び同車後部付近でちょ立していたA(当時56歳)、B(当時21歳)及びC(当時27歳)に気付かず、同人らに自車前部を衝突させ、前記A及び前記Bを前方に跳ね飛ばし て路上に転倒させるとともに、前記Cを自車前部と前記大型乗用自動車とで挟圧し、よって、前記A及び前記Bにいずれも外傷性くも膜下出血等の傷害を、前記Cに外傷性脳挫傷等の傷害をそれぞれ負わせ、いずれも即時同所において、前記各傷害によりそれぞれ死亡させたものである。 (証拠の標目) 【省略】 (法令の適用)【省略】(量刑の理由)被告人は、事故を起こせば重大な結果が生じかねない大型貨物自動車の運転者でありながら、進路前方左右を注視すべきという自動車運転者にと って最も基本的な義務に違反している。そし (量刑の理由)被告人は、事故を起こせば重大な結果が生じかねない大型貨物自動車の運転者でありながら、進路前方左右を注視すべきという自動車運転者にと って最も基本的な義務に違反している。そして、制動措置をとることなく衝突しているというのであるから、その違反の程度は著しい。3名の被害者が、あるいは跳ね飛ばされ、あるいは被告人車両と被害車両に挟まれ、いずれもその場で死亡している。被害者のうち一名は、子供の成長を楽しみに、仕事にも一生懸命に取り組んでいたというのであり、被害者のうち 2名は、来日し、自分の夢に向かって進んでいたというのであるから、突如、生命を奪われた被害者らの無念さは察するに余りある。結果は重大である。被害者らを失った遺族がいずれも深い喪失感を抱いているのも当然といえる。 したがって、被告人の刑事責任は決して軽くないものの、被害車両が路 側帯ではなく第1走行帯に停車し、発煙筒等で後続車両に停止状態を知らせることなく、走行車線上で被害者らが作業をしていたこと、被告人が今回の事故のことを忘れず、生涯罪を背負って生きていくと述べるなど反省していること、被告人車両に付された自動車保険により、被害者の一名については被害弁償が行われ、他の2名についても今後行われることが見込 まれることなどの諸事情を考慮すれば、今回は、その刑の執行を猶予するのが相当と判断した。 (求刑禁錮1年6月)令和6年7月2日仙台地方裁判所第1刑事部 裁判官宮田祥次
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