令和5年11月30日判決言渡同日原本受領裁判所書記官令和4年(ワ)第4903号商標権侵害差止等請求事件口頭弁論終結の日令和5年9月19日判決 原告株式会社ヨシノ同代表者代表取締役 P1同訴訟代理人弁護士小宮路智也 被告株式会社リレーション 同代表者代表取締役 P2同訴訟代理人弁護士別城信太郎同西本杏子主文 1 被告は、別紙商標権目録記載の指定役務に係る役務に関し、壁面看板に別紙被 告標章目録記載の標章を付して展示し、又は同標章を付したパンフレット、封筒、名刺、ホームページを製造し、使用し、展示してはならない。 2 被告は、別紙被告標章目録記載の標章を付した印刷物、看板その他宣伝広告物を廃棄せよ。 3 訴訟費用は被告の負担とする。 4 この判決の第1項は、仮に執行することができる。 事実 及び理由 第1 請求主文同旨第2 事案の概要 1 本件は、原告が、葬祭業等を営む被告に対し、別紙被告標章目録記載の標章 (以下「被告標章」という。)が付された壁面看板の展示やパンフレットの使用等を行った被告の行為は、原告の別紙商標権目録記載の商標権(以下「本件商標権」といい、本件商標権に係る商標を「本件商標」という。)を侵害するものであるとして、商標法(以下「法」という。)36条1項に基づき、上記展示等の行為の差止めを 標権目録記載の商標権(以下「本件商標権」といい、本件商標権に係る商標を「本件商標」という。)を侵害するものであるとして、商標法(以下「法」という。)36条1項に基づき、上記展示等の行為の差止めを求めるとともに、同条2項に基づき、被告標章を付した宣伝広告物の廃棄を 求める事案である。 2 前提事実(争いのない事実、掲記の証拠〔枝番号を含む。以下同じ。〕及び弁論の全趣旨により容易に認定できる事実)(1) 当事者及び関係者ア原告は、葬儀の請負等を業とする株式会社であり、P1が代表者を務めてい る。なお、原告は、「有限会社ヨシノ」という商号の特例有限会社であったが、令和5年8月1日、「株式会社ヨシノ」に商号変更し、株式会社に移行した。(甲1、弁論の全趣旨)イ被告は、葬儀式場の提供、葬祭業及び葬祭・式典の請負等を業とする株式会社であり、P2が代表者を務めている(甲2)。 ウ P3は、有限会社みと大協(以下「みと大協」という。)の代表者である(甲6)。 (2) 本件会館におけるみと大協及び被告による葬儀業の運営アみと大協は、平成3年1月30日の法人化の前後を通じて、葬儀業を営んできたところ、平成12年には、福田工業株式会社(以下「福田工業」という。)の 支援を受けることになり、同社のグループ会社である有限会社福田商事(以下「福田商事」という。)が所有する建物を改装した葬儀会館(大阪府〔以下、「大阪府」の記載は省略する。〕八尾市〈以下略〉所在。以下「本件会館」という。)を賃借して、葬儀業を営むこととなった。本件会館には「メモリアルホール久宝殿」との名称が付され、同名称には「久宝殿」の標章(被告標章と同一)が含まれていた。 (甲4、6、7、乙1、186) イみと大協は、平成28年 本件会館には「メモリアルホール久宝殿」との名称が付され、同名称には「久宝殿」の標章(被告標章と同一)が含まれていた。 (甲4、6、7、乙1、186) イみと大協は、平成28年頃から経営状況が悪化し、これに伴い、令和2年には福田工業からの支援が打ち切られ、福田商事との間の本件会館の賃貸借契約も解約された。 その後、同年7月31日付けで、福田商事と被告との間で本件会館の賃貸借契約が締結され、みと大協は、同年8月31日までに本件会館から退去した。そして、 同年9月頃以降に、被告が、被告標章を含む名称(メモリアルホール久宝殿)が付された本件会館において葬儀業を営むようになった。(以上につき、乙5、186、187)(3) 原告による商標登録及び原告会館の開業ア原告は、別紙商標権目録記載のとおり、令和2年9月17日に「久宝殿」 (標準文字)との商標の登録出願をし、令和3年8月23日に登録されており、現在、本件商標権を有している(争いがない。)。 イ原告は、令和4年4月29日、本件会館から数百メートル離れた場所に、「サクラホール久宝殿」との名称の葬儀会館(東大阪市〈以下略〉所在。以下「原告会館」という。)を開業した(甲5、8、16)。 (4) 本件商標と被告標章の対比及び被告による被告標章の使用ア本件商標と被告標章は、いずれも「久宝殿」の文字から成り、「キュウホウデン」との称呼が生じ、久宝寺という地域における葬儀場であるとの観念が生じるものであって、両者は類似している(争いがない。)。 イ被告は、本件商標の指定役務と同一の役務に関して、被告標章を付した印刷 物、看板その他の宣伝広告物を製造し、展示している(弁論の全趣旨)。 3 争点(1) 被告標章につき被告に先使用権 被告は、本件商標の指定役務と同一の役務に関して、被告標章を付した印刷 物、看板その他の宣伝広告物を製造し、展示している(弁論の全趣旨)。 3 争点(1) 被告標章につき被告に先使用権が認められるか(争点1)(2) 本件商標権に基づく本訴請求は権利の濫用に当たるか(争点2)(3) 差止め等の必要性(争点3) 4 当事者の主張 (1) 被告標章につき被告に先使用権が認められるか(争点1)〔被告の主張〕アみと大協は、平成12年から、本件商標及び被告標章と同一の「久宝殿」との文字を使用した名称を付した本件会館において、約20年にわたり葬儀業の運営を継続しており、かかる役務は本件商標の指定役務と同一又は類似のものであって、 みと大協に不正競争の目的は存在しない。そして、以下のとおり、被告標章の長年にわたる使用により、被告標章がみと大協の葬儀の施行等を表示するものとして、需要者の間に広く認識されるに至っていた。 すなわち、法32条1項前段の先使用権の要件たる周知性の地理的範囲は、商標登録の要件となる法4条1項10号の周知性の地理的範囲よりも緩やかに解すべき であり、取引の実情に応じて具体的に判断するのが相当である。 この点、葬儀の性質上、葬儀会社の需要者は、主として葬儀会館の周辺地域に居住する者であるといえる。そして、一般に、葬儀会社の商圏は、葬儀会館を中心として半径2km程度といわれているから(乙25)、当該地域を周知性の地理的範囲として、先使用権の有無を判断すべきである。このことは、本件会館における平 成28年から令和2年までの葬儀の全施行件数(567件)のうち、葬儀申込者の居住地が半径2km圏内に存在する件数が約82%(464件)を占めていることや、本件会館と同じ地 本件会館における平 成28年から令和2年までの葬儀の全施行件数(567件)のうち、葬儀申込者の居住地が半径2km圏内に存在する件数が約82%(464件)を占めていることや、本件会館と同じ地域に存在する同業他社ないし他グループの葬儀会館がおよそ1kmないし2kmの距離間隔で出店されていることからも裏付けられる。 みと大協は、「久宝殿」の標章を用いて、駅看板や電柱看板の掲示、町内会掲示 板への広告表示、雑誌への広告記事掲載、新聞折込広告の配布等を行っていたから、被告標章は、原告による商標登録出願時に、本件会館の半径2km程度の地域のみならず、その隣接地域における需要者の間に広く周知されていた。また、平成12年から令和2年までの約20年間において、みと大協が本件会館で施行した葬儀の参列者数は、少なくとも8万8000人ないし10万2000人程度(年間440 0人ないし5100人程度)であり、葬儀申込者の居住地は、本件会館の半径2k m圏内(葬儀会社の一般的な商圏内)に多数存在するほか、その隣接地域にも存在していることからすると、「久宝殿」の標章は、本件会館の半径2km圏内は当然のこと、その周辺地域の需要者にも広く周知されていたといえる。 イ被告は、令和2年7月から同年12月にかけてみと大協からその葬儀業に係る業務を承継したから、被告には被告標章につき先使用権が認められる(法32条 1項後段)。 すなわち、被告は、みと大協が本件会館で使用していた祭壇等の設備や、椅子・机等の什器備品類、固定電話の電話番号を承継したほか、本件会館の使用についても、福田商事・みと大協間の賃貸借契約解約後に、被告が福田商事との間で賃貸借契約を締結し、みと大協から契約関係を承継して、その他の各種契約(駐車場の賃 貸借契約、広告 、本件会館の使用についても、福田商事・みと大協間の賃貸借契約解約後に、被告が福田商事との間で賃貸借契約を締結し、みと大協から契約関係を承継して、その他の各種契約(駐車場の賃 貸借契約、広告会社との間の広告契約、電気・ガスの利用契約、トイレ芳香器具のレンタル契約、本件会館の警備請負契約等)についても、被告がみと大協から契約関係を承継している。また、被告は、同年8月27日、みと大協の代表者であるP3との間で顧問契約(以下「本件顧問契約」という。)を締結し、P3から、被告の執り行う葬儀の施行補助や被告の葬儀業に対する支援・助言を受けており、これ により、被告はみと大協から葬儀業のノウハウを承継したものといえる。 以上のように、被告は、みと大協からその葬儀業に係る業務を承継したものであり、P3も当然そのことを承知しているから、被告は法32条1項後段にいう「当該業務を承継した者」に該当する。なお、同条項の適用に当たり、会社法467条の事業譲渡の手続が必要となるものではない。 〔原告の主張〕ア周知性の要件について本件会館における平成28年から令和2年までの葬儀の全施行件数(567件)のうち、葬儀申込者の居住地が東大阪市及び八尾市に存在する件数が約92%(525件)を占めていることからすると、本件会館の商圏は半径2kmにとどまらず、 少なくとも東大阪市及び八尾市にまで及んでいるといえる。 他方、本件会館の売上げは平成28年頃から低下し、葬儀の施行件数は年間で77件ないし137件にとどまっており、商圏である東大阪市及び八尾市の年間死亡者数の8割を基準とした場合(死亡者の全員につき葬儀が施行されるわけではないため)、本件会館における葬儀の施行割合は約2%以下にすぎないから、被告標章が「需要者の間 ある東大阪市及び八尾市の年間死亡者数の8割を基準とした場合(死亡者の全員につき葬儀が施行されるわけではないため)、本件会館における葬儀の施行割合は約2%以下にすぎないから、被告標章が「需要者の間に広く認識されている」とはいえない。 実際にも、みと大協の葬儀事業は、P3の個人的な人脈・営業力により成り立っており、「久宝殿」の標章とは無関係である。 イ法32条1項後段の「当該業務を承継した」といえるためには、譲渡人の企業努力によって蓄積された信用を既得権として保護すべき程度の業務承継の事実がなければならず、原則として会社法467条の事業譲渡の場合をいうと解すべきと ころ、みと大協において、被告に対する有効な事業譲渡の手続はとられていない。 仮に、会社法467条の事業譲渡の手続までは必要ないとしても、被告は、みと大協との間では事業承継に関する契約書等を取り交わしておらず、P3に対して顧問料を支払い、P3個人から葬儀業のノウハウを得ているにすぎないのであり、みと大協の企業努力によって蓄積された信用を承継したとはいえないから、被告がみ と大協から「当該業務を承継した」とは認められない。 ウしたがって、被告標章につき被告に先使用権は認められない。 (2) 本件商標権に基づく本訴請求は権利の濫用に当たるか(争点2)〔被告の主張〕ア被告は、福田工業が令和2年4月頃に実施した本件会館の内覧会に参加し、 同年5月には、被告が本件会館における葬儀業をみと大協から承継することが決定して、同年7月31日付けで福田商事との間で本件会館の賃貸借契約を締結した。 そして、上記承継に当たり、被告とP3は、同年8月27日付けで本件顧問契約を締結しているところ、P3は、同締結に先立ち、被告からの打診に応じて被告の顧問に就任する で本件会館の賃貸借契約を締結した。 そして、上記承継に当たり、被告とP3は、同年8月27日付けで本件顧問契約を締結しているところ、P3は、同締結に先立ち、被告からの打診に応じて被告の顧問に就任するかどうかについて、P1に相談している。その相談の際には、P3は、 被告から提示された覚書(乙24。以下「本件覚書」という。)をP1に見てもら っているのであって、本件覚書の1条の①には、「久宝殿への出社日数」を基準として報酬を決定することが定められているから、これを見れば、誰でも被告が久宝殿(本件会館)を承継するということを認識することができた。さらに、P1は、P3から上記相談を受けた際、P3に対し、福田工業の社長に会って被告が久宝殿(本件会館)を承継するのか確認したいと述べていた。 こうした経緯からすれば、原告は、遅くとも令和2年8月には、本件会館における葬儀業につき、みと大協に代わって被告が承継することを知っていたか、容易に知り得たにもかかわらず、本件商標の登録出願をしたものであることは明らかである。また、P3は、原告が本件商標の登録出願をすることにつき確定的な承諾はしていないし、原告からみと大協に対して上記登録出願に係る対価も支払われていな いことからすれば、原告の本件商標権は保護に値するものではない。 イ 「久宝殿」の標章は、本件会館における葬儀の施行を表示するものとして周知されており、その信用力や顧客誘引力は、みと大協が、平成12年頃から20年以上にわたり、本件会館における葬儀業を運営してきたことによって獲得したものである。そして、被告は、みと大協から上記葬儀業とともに「久宝殿」の標章(被 告標章と同一)を承継したのであるから、被告標章の信用力や顧客誘引力は被告に帰属している。 他方、原告は、新 のである。そして、被告は、みと大協から上記葬儀業とともに「久宝殿」の標章(被 告標章と同一)を承継したのであるから、被告標章の信用力や顧客誘引力は被告に帰属している。 他方、原告は、新たに原告会館を建設し、令和4年4月29日から原告会館に本件商標を付して開業しており、本件訴訟を提起した同年6月9日の時点では本件商標の使用期間はわずか1か月半であって、本件商標には原告独自の信用が化体され ているものではなく、顧客誘引力を有していない。 そして、原告会館は、本件会館からわずか数百メートルしか離れておらず、両会館の需要者は共通するが、当該需要者は、被告標章は本件会館の葬儀業を指すものとして認識するから、本件商標と被告標章との間で出所を混同誤認するおそれはほとんどない。したがって、被告が被告標章を使用しても、需要者の利益を害するこ とはない。 ウ以上のことからすれば、原告による本件商標権に基づく権利行使(本訴請求)は、権利の濫用に当たり許されない。 〔原告の主張〕被告は商標登録をしておらず、保護される利益がないから、権利濫用の抗弁を主張することはできない。 その点を措くとしても、原告は、みと大協の代表者であるP3との間で、原告会館の共同経営を前提とした本件商標権の取得の合意を得ているため、本件商標権の行使は権利の濫用には当たらない。原告は、P3の許可がなければ本件商標権を取得することはなかったのであり、不当に本件商標権を取得したという事実はないし、P1は、P3から、これからはP1がホールを建てて一緒に頑張っていこうと言わ れた言葉を信じて、費用と時間をかけて本件商標権を積極的に使用するために取得したのであって、何らの悪意も有していない。 (3) 差止め等の必要性(争点3) 一緒に頑張っていこうと言わ れた言葉を信じて、費用と時間をかけて本件商標権を積極的に使用するために取得したのであって、何らの悪意も有していない。 (3) 差止め等の必要性(争点3)〔原告の主張〕被告は本件商標権を侵害しており、被告標章を付した印刷物、看板その他宣伝広 告物は侵害の行為を組成するから、差止め及び廃棄を求める。 〔被告の主張〕争う。 第3 当裁判所の判断 1 認定事実 前記前提事実並びに証拠(後掲のほか、甲16、乙186、187、証人P3、原告代表者P1、被告代表者P2)及び弁論の全趣旨によれば、次の事実が認められる。 (1) 本件会館における被告の葬儀業開始に至る経緯等アみと大協は、平成12年以降、福田商事から本件会館を賃借し、本件会館に おいて葬儀業を営んできた。本件会館の使用料は、葬儀の施行件数によって定まる こととされていた。 イみと大協は、平成28年頃から経営状況が悪化し、福田商事に支払う本件会館の使用料も以前より大きく減少していた。こうした状況を踏まえて、福田商事は、令和2年にみと大協との間の本件会館の賃貸借契約を解約することとし、代わりの賃借人となる葬儀業者を探すため、不動産業者を通じて、同年4月頃から本件会館 の内覧会を実施した。 被告は、当時、本店所在地(大阪市〈以下略〉)において「セレモニーホテルリレーション」という名称の葬儀会館を営んでいたところ、本件会館の地域での事業展開を見据えて、同年5月20日及び同月27日の二度にわたり、被告代表者のP2が本件会館を内覧した(この内覧にはP3も参加し、特に二度目の内覧時には、 P2に対して本件会館の設備等につき説明を行った。)。その際、被告において、本件会館の名称(メモリア 被告代表者のP2が本件会館を内覧した(この内覧にはP3も参加し、特に二度目の内覧時には、 P2に対して本件会館の設備等につき説明を行った。)。その際、被告において、本件会館の名称(メモリアルホール久宝殿)及び電話番号を引き継げることを確認し、被告が本件会館を賃借して葬儀業を営む方向で話が進むこととなった。一方、みと大協は、同年8月31日までに本件会館から退去することとなった。 ウ被告は、令和2年7月31日付けで、福田商事との間で本件会館の賃貸借契 約を締結した。同年8月中は、被告とみと大協がそれぞれ本件会館で葬儀を施行していたが、みと大協は、同月31日までに本件会館から退去し、同年9月頃以降に、被告が本件会館において葬儀業を営むようになった。 みと大協が所有していた本件会館内の設備等は、全て福田商事が買い取った上、被告がこれらを引き継いで利用することとされた。また、同年8月から同年12月 にかけて、みと大協が締結していた駐車場の賃貸借契約、広告契約、本件会館内備品のレンタル・点検契約、本件会館の警備請負契約等の当事者を被告に切り替えるための諸手続が行われた。(以上につき、乙4、5、7ないし23、181、182)エ被告とP3は、令和2年8月27日、P3において被告が執り行う葬儀の施 行補助や、円滑な業務遂行のための支援・助言等を行い、被告がその対価をP3に 支払うことなどを内容とする顧問契約(本件顧問契約)を締結した。両者の間では、顧問契約書(以下「本件顧問契約書」という。)のほか、顧問料について定める覚書(本件覚書)が取り交わされ、被告からP3に対しては、現在まで継続的に顧問料が支払われている。(乙6、24、166ないし168、175ないし180)(2) 本件会館におけるみと大協の 定める覚書(本件覚書)が取り交わされ、被告からP3に対しては、現在まで継続的に顧問料が支払われている。(乙6、24、166ないし168、175ないし180)(2) 本件会館におけるみと大協の葬儀の施行実績及び葬儀申込者の居住地別の 整理(争いがない事実、乙3、159ないし161)ア葬儀の施行実績(施行数・親族参列数・売上高)みと大協の1事業年度は1月1日から12月31日までであり、令和2年度は8月頃までの数値である。 (ア) 平成28年度 127件・2427人・1億1086万1956円 (イ) 平成29年度 102件・1900人・8274万1168円(ウ) 平成30年度 137件・2418人・9873万2262円(エ) 令和元年度 124件・2089人・9609万3713円(オ) 令和2年度 77件・1165人・5481万1640円イ葬儀申込者の居住地別の整理 以下のとおり、合計567件のうち、葬儀申込者の居住地が、本件会館から半径2km圏内である葬儀の件数は464件(約82%)、半径2km圏外である葬儀の件数は103件(約18%)である。 (ア) 東大阪エリア:2km圏内326件、2km圏外26件(イ) 八尾エリア:2km圏内138件、2km圏外35件 (ウ) その他エリア:2km圏内0件、2km圏外42件(3) 東大阪市及び八尾市の死亡者数平成28年から令和2年までの各年の東大阪市及び八尾市の死亡者数は、以下のとおりである(甲15)。 ア平成28年 7823人(東大阪市5077人、八尾市2746人) イ平成29年 7764人(東大阪市5012人、八尾市2752人) ウ平成30年 8066人(東大阪市5268人、八尾市 7823人(東大阪市5077人、八尾市2746人) イ平成29年 7764人(東大阪市5012人、八尾市2752人) ウ平成30年 8066人(東大阪市5268人、八尾市2798人)エ令和元年 8153人(東大阪市5251人、八尾市2902人)オ令和2年 8403人(東大阪市5351人、八尾市3052人)(4) 本件会館周辺の葬儀会館の数本件会館の半径2km圏内における他社の葬儀会館の数は、東大阪市内に4件、 八尾市内に5件である(これらの葬儀会館における本件会館のシェアは不明である。)。また、本件会館の半径3km圏内における他社の葬儀会館の数は、東大阪市内に12件程度、八尾市内に14件程度である。(乙170、171)(5) 本件会館における被告標章の表示及び被告標章について令和2年8月頃までに行われた広告宣伝の状況 ア本件会館は、近鉄大阪線の〈以下略〉駅のすぐ近くに位置しているところ、入口上部の壁面に「久宝殿」との文字看板が大きく掲示されており、入口横の壁面にも「久宝殿」などと記載された看板が掲示されている。また、建物屋上には、四方に向けた看板が掲示されており、各看板面には「久宝殿メモリアルホール」との文字のほか、本件会館の電話番号が記載されている。(甲4、乙165の1及び 2)イ平成25年8月20日発行の「ライフエンディングぴあ関西版」という全体が約150頁の雑誌において、大阪地域の葬儀場として、「メモリアルホール久宝殿」が紙面1頁を割いて紹介された。 記事には、「東大阪市で創業して以来、地域に密着した「町のお葬式屋さん」」、 「久宝殿はみと大協が八尾市で運営するメモリアルホール」などの記載があるほか、オプションサービスとして「寝台車(病院~久宝 は、「東大阪市で創業して以来、地域に密着した「町のお葬式屋さん」」、 「久宝殿はみと大協が八尾市で運営するメモリアルホール」などの記載があるほか、オプションサービスとして「寝台車(病院~久宝殿/10km以内)」等が記載されている。(以上につき、乙27)ウみと大協は、東大阪市〈以下略〉自治連合会の平成28年版回覧板において、「御葬儀」、「久宝殿」などと記載された縦3cm弱・横7cm弱の広告を表示し た(乙28)。 エみと大協は、平成29年8月から継続的に、八尾市〈以下略〉所在の電柱(本件会館のすぐ近く)に「メモリアルホール久宝殿」などと記載された電柱看板を掲示した(乙12、13、164)。 オみと大協は、遅くとも平成31年1月の時点で、近鉄大阪線の〈以下略〉駅(本件会館から直線距離で800m余り)の線路横に「葬儀会館メモリアルホール 久宝殿」と記載された駅看板を掲示した(なお、乙17は被告による変更後の看板を示す写真であるが、設置状況は令和2年8月頃までと同様である。)(乙11、14、15、17、164)。 カみと大協は、令和元年6月22日及び同年8月10日各発行の新聞につき、「メモリアルホール久宝殿」の名称と葬儀プランを記載した折込広告を東大阪市地 区(〈以下略〉の地域を含む。)で1万4400部、八尾市地区(〈以下略〉の地域を含む。)で4200部(各日1万8600部)発注し、それぞれ配布された(乙29ないし31)。 キ時期は不明であるが、みと大協は、東大阪市〈以下略〉の町内会掲示板(本件会館から直線距離で約900m)に、「メモリアルホール久宝殿」などと記載さ れた広告を表示した(乙26、164)。 (6) 原告による本件商標の登録出願及び原告会館の建設に至る経緯等ア P 館から直線距離で約900m)に、「メモリアルホール久宝殿」などと記載さ れた広告を表示した(乙26、164)。 (6) 原告による本件商標の登録出願及び原告会館の建設に至る経緯等ア P1とP3は、大阪葬祭事業協同組合を通じて顔見知りとなり、平成26年頃からはしばしば食事に行くなどの付き合いを続けていたところ、P3は、令和2年に急に福田商事から本件会館の賃貸借契約の解約を申し渡され、本件会館から退 去させられることに強い不満を抱き、P1に愚痴をこぼすなどしていた。 イ P3は、令和2年7月下旬に、本件顧問契約の締結に先立ち、被告から本件顧問契約書及び本件覚書(いずれも未記入のもの)を受領した。本件覚書には、冒頭に「株式会社リレーション(中略)とP3(中略)は、令和2年8月27日に締結した『顧問契約書』(中略)に基づき、顧問料について以下の通り確認する。」 と記載され、「第1条(顧問料の内容)」の「① 固定報酬」の欄には、「毎月第 1営業日より末営業日を期間とした1か月間における久宝殿への出社日数を25日とした基準により、月100,000円(消費税込)」と記載されていた。(乙24)ウ P3は、本件顧問契約について、P1に相談してみようと思い、本件覚書をP1に見せたところ、P1から、行政書士への相談を勧められた。 そこで、P3は、令和2年8月のお盆を挟んだ前後2回にわたり、P1とともに行政書士のもとを訪れ、本件覚書を見せて相談したところ、P1や行政書士から顧問料の額が安いのではないかという話は出たものの、本件顧問契約の締結自体について反対意見が出るようなことはなかった。その後、同月27日に、被告とP3は本件顧問契約を締結し、本件顧問契約書と本件覚書を取り交わした。 P1は、本件覚書 の、本件顧問契約の締結自体について反対意見が出るようなことはなかった。その後、同月27日に、被告とP3は本件顧問契約を締結し、本件顧問契約書と本件覚書を取り交わした。 P1は、本件覚書を見た段階で、被告が「久宝殿」との被告標章を使用するかどうかはともかく、少なくとも、今後は被告が本件会館において葬儀業を営んでいくであろうことは認識していた。 エ P3は、令和2年8月にP1から、「久宝殿」との標章につき商標登録しているのかどうかを尋ねられ、登録していない旨回答すると、P1から「うちで登録 してよいか。」などと尋ねられたため、「いいんじゃないですか。」などと回答した。その後、P3は、同年9月にもP1から、「久宝殿」との標章は葬儀会社については商標登録されていなかったので、原告において登録してよいかと改めて確認されたため、「そうですか。」などと回答した。 オ原告は、令和2年9月17日、本件商標の登録出願をした。 カ原告は、当時、本店所在地(大阪市〈以下略〉)において「サクラホール」という名称の葬儀会館を営んでいたが、令和3年3月25日、原告会館を建設するための敷地(東大阪市〈以下略〉所在)を取得し、同年8月頃(後記クの原告会館完成の8か月程度前)、原告会館の建設に着工した。そして、その頃、P1はP3を同行して、原告会館建設につき地域の自治会に挨拶回りを行った。 キ本件商標は、別紙商標権目録記載のとおり、令和3年8月23日に商標登録 された。 ク原告会館は、令和4年4月に完成し、「サクラホール久宝殿」との名称で同月29日に開業した。原告会館の建設には、約1億2000万円を要し、借入れを含めて原告が全て負担した。 ケ P1は、令和4年4月20日、P3に対して以下の(ア)のライン ホール久宝殿」との名称で同月29日に開業した。原告会館の建設には、約1億2000万円を要し、借入れを含めて原告が全て負担した。 ケ P1は、令和4年4月20日、P3に対して以下の(ア)のラインメッセージ を送信し、P3は、P1に対して以下の(イ)のラインメッセージのとおり返信した(なお、「P4氏」とは福田工業の代表者である。)(甲12)。 (ア) 重大な確認事項です。久宝殿の商標登録の件で当初P3さんと私の話の中で久宝殿の商標登録申請を許可いただいたので私は申請しました。その久宝殿使用権について裁判に入っていくにあたってP3さんがどちらに付くかで大きく話が変 わりますのでご判断ください。 (イ) 私の無知な為にご迷惑をおかけし申し訳ありません久宝殿の名称につきましてはみと大協にはなんの権利もないことが弁護士の先生からお聞きして権限はP4氏にあり私としては両社を対して何方にも肩入れすることは控えたほうがいいと思いますのでどうか穏便に収まるよう願っております 2 被告標章につき被告に先使用権が認められるか(争点1)について(1) 被告は、葬儀会社の需要者は、主として葬儀会館の周辺地域に居住する者であるとした上で、一般に、葬儀会社の商圏は、葬儀会館を中心として半径2km程度といわれているから、当該地域を周知性が求められる地理的範囲として、被告標章に係る先使用権の有無を判断すべきである旨主張する。 (2) この点、葬儀はその施行の必要が予測不可能である一方で、一旦不幸があれば直ちにその施行が求められるという性質を有することを踏まえて、主として葬儀会館の周辺地域に居住する者が需要者として想定されるということについては、一定の合理性が認められる。 しかしながら、ある標章につき先使用権が認められた場合、未登録で することを踏まえて、主として葬儀会館の周辺地域に居住する者が需要者として想定されるということについては、一定の合理性が認められる。 しかしながら、ある標章につき先使用権が認められた場合、未登録でありながら、 登録商標が有する禁止権の効力を排除して当該標章の使用が許されることになり、 商標権の効力に対する重大な制約をもたらすことになる。かかる重大な制約に鑑みると、法32条1項前段にいう「需要者の間に広く認識されている」の地理的範囲につき、法4条1項10号におけるものよりも緩やかに解する余地があるとしても、独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営するウェブサイトにおける「業種別開業ガイド」の「葬祭業」のページにおいて「斎場事業は、商圏範囲が2キロメートル、 人口3万人に1会館を1つの目安とする。」と記載されていること(乙25)をもって、葬儀会社の商圏が半径2km程度であるとして、被告標章につき本件会館を中心として半径2km程度の範囲で周知されていれば足りると判断することは相当ではない。 前記認定の事実によれば、本件会館における平成28年から令和2年までの葬儀 の全施行件数(567件)のうち、葬儀申込者の居住地が半径2km圏内に存在する件数が約82%(464件)を占めている(認定事実(2)イ)が、上記圏外の件数が2割弱も存在すること、みと大協が近隣地区のみならず大阪地域ないし東大阪・八尾の相当程度広い地域を対象とした宣伝広告活動も行っていたこと(認定事実(5))を考慮すると、みと大協が被告標章と同一の「久宝殿」との標章をその業務 (葬儀業)に使用していた地理的範囲は、おおむね東大阪市及び八尾市の全域(本件会館から最大で約10km圏内に相当する。乙169)と考えられるから、先使用権が認められるための要件として の業務 (葬儀業)に使用していた地理的範囲は、おおむね東大阪市及び八尾市の全域(本件会館から最大で約10km圏内に相当する。乙169)と考えられるから、先使用権が認められるための要件としての周知性についてはその範囲において検討されるべきである。 (3) そして、認定事実(2)ア及び(3)によれば、平成28年から令和2年までの みと大協の葬儀の施行実績(年順に、127件、102件、137件、124件、77件〔令和2年8月頃まで〕)は、東大阪市及び八尾市における死亡者数の8割(年順に、6258人〔1人未満切捨て。以下同じ。〕、6211人、6452人、6522人、4481人〔令和2年8月までとして、年全体の3分の2〕)を基準とした場合、そのうち約2%にすぎない上、認定事実(4)のとおり、本件会館の半 径2km圏内における他社の葬儀会館の数は、東大阪市内に4件、八尾市内に5件 であって、これらの葬儀会館における本件会館のシェアは明らかではないところ、上記の範囲が半径3km圏内に拡大するだけでも、他社の葬儀会館の数は東大阪市内に12件程度、八尾市内に14件程度に増加し、これらの葬儀会館における本件会館のシェアはより縮小することになる。しかも、認定事実(1)イのとおり、みと大協は、平成28年頃から経営状況が悪化し、福田商事に支払う本件会館の使用料 も以前より大きく減少していることから、令和2年当時の本件会館のシェアはさらに縮小していた可能性がある。 以上のことからすると、仮に、東大阪市及び八尾市全域という地理的範囲における先使用権の成立が許容され得ることを前提として、本件会館が、平成12年から「メモリアルホール久宝殿」との名称で約20年にわたり葬儀会館として使用され てきたこと、「久宝殿」との標章(被告標 る先使用権の成立が許容され得ることを前提として、本件会館が、平成12年から「メモリアルホール久宝殿」との名称で約20年にわたり葬儀会館として使用され てきたこと、「久宝殿」との標章(被告標章)が一定程度の識別力を有すること(前提事実(4)ア参照)を考慮しても、被告標章は、本件商標の登録出願(令和2年9月17日出願)の際、当該範囲において、現に需要者の間に広く認識されていたとは認められない。 (4) したがって、被告が、みと大協から「当該業務を承継した者」(法32条 1項後段)に当たるか否かを検討するまでもなく、被告標章につき被告に先使用権が認められるとの被告の主張(抗弁)は理由がない。 3 本件商標権に基づく本訴請求は権利の濫用に当たるか(争点2)について(1) 原告は、P3との間で、原告会館の共同経営を前提とした本件商標権の取得の合意を得ているし、P3から、これからはP1がホールを建てて一緒に頑張っ ていこうと言われた旨主張するが、これらの事実を認めるに足りる証拠はない。 そして、認定事実(6)イ及びウによれば、P1は、令和2年8月頃に本件覚書を見た段階で、少なくとも、今後は被告が本件会館において葬儀業を営んでいくであろうことは認識していたところ、本件覚書には、P3の顧問料(固定報酬分)に関して、「毎月第1営業日より末営業日を期間とした1か月間における久宝殿への出 社日数を25日とした基準により、月100,000円(消費税込)」と記載され ていたから、これを見たP1としては、本件会館につき、被告が「久宝殿」との標章(被告標章)を継続して使用するであろうことを認識することは可能であったといえる。 (2) 一方、「久宝殿」との標章は、みと大協が平成12年から約20年にわたり使用し続け、そ 「久宝殿」との標章(被告標章)を継続して使用するであろうことを認識することは可能であったといえる。 (2) 一方、「久宝殿」との標章は、みと大協が平成12年から約20年にわたり使用し続け、その信用が化体したものといえるところ、認定事実(6)エのとおり、 みと大協の代表者であるP3は、令和2年8月に、P1から、原告において「久宝殿」の商標登録をしてよいかどうか尋ねられたのに対し、「いいんじゃないですか。」などと回答し、同年9月にP1から改めて確認された際にも、これに反対するようなことはしていない。 さらに、認定事実(6)ケのラインメッセージのとおり、令和4年4月に至って、 P1がP3に「久宝殿の商標登録の件で当初P3さんと私の話の中で久宝殿の商標登録申請を許可いただいたので私は申請しました。」などと確認したのに対し、P3は「私の無知な為にご迷惑をおかけし申し訳ありません久宝殿の名称につきましてはみと大協にはなんの権利もないことが弁護士の先生からお聞きして権限はP4氏にあり」と返信し、P1が指摘する事実関係自体は否定せずに、みと大協には権 利がないと弁護士から聞いた旨回答していることからすると、令和2年8月の時点では、P3は、みと大協の代表者である自身に「久宝殿」との標章につき使用許諾権限があると考え、それを前提に、P1に対して「(商標登録をしても)いいんじゃないですか。」などと回答したことが認められる。 そして、原告は、既に本店所在地(大阪市〈以下略〉)において葬儀会館を営ん でいたが、上記のP3からの回答を踏まえて、令和2年9月17日に本件商標の登録出願をし、令和3年8月23日の商標登録により本件商標権を取得し、約1億2000万円の資金を投じて、東大阪市〈以下略〉の敷地を取得し、「サクラホール久宝殿」と て、令和2年9月17日に本件商標の登録出願をし、令和3年8月23日の商標登録により本件商標権を取得し、約1億2000万円の資金を投じて、東大阪市〈以下略〉の敷地を取得し、「サクラホール久宝殿」との名称の原告会館を開業したものである(認定事実(6)オないしク)。 そもそも、原告が、本店所在地にある既存の葬儀会館から地理的にやや離れた東 大阪市〈以下略〉に原告会館を建設しようと考えたのは、本件会館から退去させら れる旨をP3から聞いたP1が(認定事実(6)ア)、P3の協力のもと、原告において「久宝殿」との標章を用いて葬儀会館を運営することが目的であったと考えられるところ、P3の了解を得た上で行った本件商標の登録出願は、上記の目的を果たすべく、自己の権利を守るためにとった行動と認められ、不当なものとはいえない。 そうすると、前記(1)の事情を考慮したとしても、本件商標の登録出願及び本件商標権の取得につき、原告において殊更に被告の権利を妨害しようとする意図を有していたとは認められず、原告の被告に対する本件商標権の行使が権利の濫用に当たるとは認められない。 これに対し、被告は、原告からみと大協に対して本件商標の登録出願に係る対価 が支払われておらず、原告の本件商標権は保護に値するものではない旨主張するが、前記認定のとおり、原告が、P3の了解を得た上で上記登録出願を行った事実に変わりはなく、その了解を得る際に、P3から対価の支払を求められたという事実も認められないから、被告の主張によって上記の判断が左右されるものではない。 (3) したがって、原告による本訴請求が権利の濫用に当たるとの被告の主張 (抗弁)は理由がない。 4 差止め等の必要性(争点3)について原告は本件商標権を有している一方で、被告の抗弁に (3) したがって、原告による本訴請求が権利の濫用に当たるとの被告の主張(抗弁)は理由がない。 4 差止め等の必要性(争点3)について原告は本件商標権を有している一方で、被告の抗弁にはいずれも理由がない。そして、被告は、本件商標の指定役務と同一の役務に関して、本件商標と類似する被告標章を付した印刷物、看板その他の宣伝広告物を製造し、展示しているから(前提事実(4))、原告の法36条1項に基づく差止請求及び同条2項に基づく廃棄請求は、いずれも必要性が認められる。 5 結論よって、原告の請求にはいずれも理由があるから、これらを認容することとして、主文のとおり判決する。 大阪地方裁判所第21民事部 裁判長裁判官 武宮英子 裁判官 阿波野右起 裁判官 峯健一郎 (別紙)商標権目録 登録番号第6432352号出願日令和2年9月17日 登録日令和3年8月23日役務の区分第45類指定役務葬儀・法要の相談又は企画、葬儀・法要の執行、葬儀・法要のための施設の提供、葬儀・法要のための祭壇の貸与商標久宝殿(標準文字) 以上 (別紙)被告標章目録 法要の相談又は企画、葬儀・法要の執行、葬儀・法要のための施設の提供、葬儀・法要のための祭壇の貸与商標久宝殿(標準文字) 主文 (別紙)被告標章目録 久宝殿 以上
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