昭和43(行ウ)417 所得税の更正加算税の賦課決定等に対する取消請求事件

裁判年月日・裁判所
昭和49年2月28日 大阪地方裁判所 租税
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【DRY-RUN】○ 主文 原告らの請求をいずれも棄却する。 訴訟費用は原告らの負担とする。 ○ 事実 第一 当事者の求めた裁判 一 原告ら 被告が原告らの被相続人亡Aの昭和三八年分所得税について昭和四二年二月一〇日

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判決文本文7,489 文字)

○ 主文原告らの請求をいずれも棄却する。 訴訟費用は原告らの負担とする。 ○ 事実第一当事者の求めた裁判一原告ら被告が原告らの被相続人亡Aの昭和三八年分所得税について昭和四二年二月一〇日付でした、総所得金額を金二〇、九二二、二〇六円とする更正処分のうち金一四、〇九三、二八〇円を超える部分ならびに重加算税賦課決定処分を取消す。 訴訟費用は被告の負担とする。 二被告(本案前)原告らの本訴請求中、重加算税賦課決定処分の取消を求める部分につき訴を却下する。 (本案)主文同旨第二当事者の主張一請求原因 1 原告らの被相続人亡Aは、被告に対し、昭和三八年分所得税について、総所得金額を金一三、二三五、九八〇円とする確定申告をし、その後これを、金一四、〇九三、二八〇円とする修正申告をしたところ、被告は、昭和四二年二月一〇日付で、右総所得金額を金二〇、九二二、二〇六円とする更正処分および重加算税を金一、一三五、二〇〇円とする賦課決定処分をした。 2 Aはこれを不服として同年三月九日異議申立をし、同年四月二七日棄却されたので、同年五月八日、大阪国税局長に対し、審査請求をしたところ、同局長は、昭和四三年三月七日これを棄却する旨の裁決をし、この裁決書は、同月一八日、Aに送達された。 3 しかしながらAの昭和三八年分の総所得金額は修正申告どおりであるから、被告のした本件更正処分はAの所得を過大に認定した違法があり、これに付随してなされた本件重加算税賦課決定処分も違法である。 二請求原因に対する被告の答弁請求原因1、2の事実を認め、3の主張を争う。 三被告の主張(本案前)原告らの本訴請求中、重加算税賦課決定処分の取消を求める部分は、昭和四八年七月四日に追加請求されたもので、すでに行政事件訴訟法一四条一項に定められた出訴期間を経過している 三被告の主張(本案前)原告らの本訴請求中、重加算税賦課決定処分の取消を求める部分は、昭和四八年七月四日に追加請求されたもので、すでに行政事件訴訟法一四条一項に定められた出訴期間を経過していることが明らかであるから、右部分についての訴は却下されるべきである。 (本案)(総所得金額について) 1 Aの昭和三八年分総所得金額は、別表一のとおり金二三、九七一、六五二円であり、この範囲内でなされた本件更正処分に違法はない。 2 譲渡所得金額についてAの昭和三八年分の譲渡所得金額の計算の基礎となる譲渡資産の譲渡価額、買換資産の取得価額、譲渡に関する経費、特別控除額は次のとおりである。(一) 譲渡資産の譲渡価額四九、〇〇〇、〇〇〇円右金額は、Aが紀州醸造株式会社に対し、昭和三八年七月八日、大阪市<以下略>宅地一四四坪五合一勺および同市<以下略>宅地四二坪七合一勺(以下これらを本件譲渡資産という)を売り渡した真実の価額であるところ、Aは、右売買による収入金額を一部隠ぺいするため、右売買価額を金三五、〇〇〇、〇〇〇円とする内容虚偽の売買契約書を作成したうえ、右虚偽価額を売買価額とする修正申告書を被告宛に提出したのである。 (二) 買換資産の取得価額四、四七八、二九六円(1) Aは、事業用資産(本件譲渡資産)の買換資産として、Bから昭和三九年二月一〇日守口市<以下略>宅地九七坪、同所<以下略>宅地一五五坪および同所<以下略>宅地一五五坪(以下これらを守口市の土地という)を価額四、四七八、二九六円で取得し、これを買換資産として申告した。 (2) なおAは、租税特別措置法(昭三八年法六五号改正によるもの。以下措置法という)の適用を受けるため、被告に対して提出した計算明細書において、守口市の土地の外、嵯峨電化住宅合資会社から取得した尼崎市<以下略>宅地一 税特別措置法(昭三八年法六五号改正によるもの。以下措置法という)の適用を受けるため、被告に対して提出した計算明細書において、守口市の土地の外、嵯峨電化住宅合資会社から取得した尼崎市<以下略>宅地一八坪六合六勺、同所<以下略>宅地一二坪六合二勺および同地上の木造瓦葺二階建家屋一九坪一勺(以下これらを尼崎市の物件という)、およびCから取得した枚方市<以下略>宅地一二二坪二合五勺および同地上家屋二二坪七合四勺(以下これらを枚方市の物件という)を措置法三五条に該当するものとして、尼崎市の物件の取得価額二、二〇〇、〇〇〇円および枚方市の物件の取得価額四、一四六、九五〇円を本件譲渡資産の価額から控除して計算しているが、それぞれ次の理由によつて措置法三五条に該当せず、その計算は、認められない。 (イ) 尼崎市の物件は、Aの長男である原告Dが居住の用に供しており、また同原告は、Aと生計を一にする扶養親族でもない。従つて右物件はAの居住用財産とは認められない。 (ロ) また枚方市の物件は、Aの提出した計算明細書では、土地および家屋を昭和三九年一月三〇日に取得したと記載されているが、事実は、右物件のうち、土地のみを昭和三五年一一月二九日Cから譲り受け、家屋はAが建築して、昭和三六年七月よりAおよびその家族が居住しているものである。 (三) 本件譲渡資産の取得価額一、五四〇、三三八円および譲渡に関する経費金二、七七四、六五二円右各金額はともにAの申告額をそのまま認めたものである。 (四) 特別控除額金一五〇、〇〇〇円右金額は、旧所得税法(昭和四〇年三月三一日法律第三三号による改正前のもの)九条による譲渡所得等の特別控除額である。 なお、Aが提出した計算明細書では、居住用財産の特別控除額として金三五〇、〇〇〇円を控除しているが、前記(二)(2)(ロ)のとおり、 三号による改正前のもの)九条による譲渡所得等の特別控除額である。 なお、Aが提出した計算明細書では、居住用財産の特別控除額として金三五〇、〇〇〇円を控除しているが、前記(二)(2)(ロ)のとおり、Aは、昭和三六年から枚方市に居住しており生活の本拠を移しているから、本件譲渡資産地上の家屋は居住用財産に該当せず、措置法三八条の二の適用はない。 以上の各金額にもとづき旧所得税法九条により総所得金額に算入されるべき譲渡所得金額を算出すると、別表二被告主張額欄のとおり、金二〇、二二五、五五二円となる。 (本件重加算税の賦課決定処分について)前記2(一)の事実は、Aが、課税標準または税額の計算の基礎となるべき事実の一部を隠ぺいしまたは仮装し、その隠ぺいし仮装したところに基づいて納税申告書を提出した場合として国税通則法六八条一項に該当する。そうすると重加算税額は、別表三のとおり金一、一九六、一〇〇円となるから、この範囲内でなされた本件重加算税賦課決定処分に違法はない。 四被告の主張に対する原告らの答弁(本案前)Aが本件訴状により取消を求めたのは、本件更正処分のみではなく、本件重加算税賦課決定処分も含まれていたと解すべきであり、昭和四八年七月四日に陳述された請求の趣旨追加申立書は、訴状の趣旨の内容を明らかにしたものである。 (本案)一被告の主張1の別表一中、譲渡所得金額および総所得金額を争い、その余の金額を認める。 二同2の主張について 1 同2(一)の事実中、本件譲渡資産の譲渡価額の一部を隠ぺいした事実を否認する。譲渡価額は、金三五、〇〇〇、〇〇〇円である。 2 同2(二)について(一) 同2(二)、(1)の事実を認める。 (二) 同2(二)、(2)、(イ)について、尼崎市の物件は、Aの扶養家族である原告Dの居住用に取得したものである。 同2 である。 2 同2(二)について(一) 同2(二)、(1)の事実を認める。 (二) 同2(二)、(2)、(イ)について、尼崎市の物件は、Aの扶養家族である原告Dの居住用に取得したものである。 同2(二)、(2)、(ロ)の事実中、Aが、枚方市の物件のうち、土地のみを昭和三五年一一月二九日、Cから譲り受けたことを認め、その余の事実を否認する。 Aは昭和三六年当時は、脳軟化症であり、その養生のために臨時的に枚方市の物件所在地へ居所を移したが、病気回復のうえは、本件譲渡資産所在地の従前の住所に戻るつもりであつた。 (三) 同2(四)の主張を争う。Aは病勢が悪化し、回復の見込みが立たなくなり、昭和三八年二月二三日、本件譲渡資産を紀州醸造株式会社に譲渡する際、本件譲渡資産上に存した家屋を経済的価値がなかつたので、同社に無償で譲渡した。 (四) 被告は、譲渡所得金額を金二〇、二二五、五五二円と主張するが、本件更正処分での認定額は、金一七、一七六、一〇六円であるから、本訴において、これを超える金額を主張することは認されない。 第三証拠(省略)○ 理由(被告の本案前の主張について)請求原因1、2の事実(本件各処分の経緯)は当事者間に争いがない。 被告は、本訴請求中、後に追加請求された重加算税賦課決定処分の取消を求める部分については、出訴期間を経過しているから不適法であると主張する。 本件記録によれば、右重加算税賦課決定処分の取消を求める部分は、昭和四八年七月四日の第一九回口頭弁論期日において申立てられたことが明らかであり、この新請求についても独立に出訴期間の遵守を要求すれば、行政事件訴訟法一四条一項に定める出訴期間を経過しているというほかない。しかし更正処分に付随して、重加算税賦課決定処分がなされ、更正処分取消の訴の争点の一部が、重加算税賦課決定処分取消 要求すれば、行政事件訴訟法一四条一項に定める出訴期間を経過しているというほかない。しかし更正処分に付随して、重加算税賦課決定処分がなされ、更正処分取消の訴の争点の一部が、重加算税賦課決定処分取消の訴の争点と課税要件の点で一致するときは、前者は後者の前提となる関係にあるから、同一訴訟内では、出訴期間の点に関して両処分を全く別個独立の処分と考えるべきではなく、これを一体として考えるべきであり、更正処分取消の訴に、後に重加算税賦課決定処分取消の訴が追加併合されたときは、両者に出訴期間の遵守を要求する必要はなく、前者につき出訴期間が遵守されていれば足りると解すべきである。これを本件についてみると、本件更正処分取消の訴と重加算税賦課決定処分取消の訴とは争点が重要な部分で一致しており(譲渡資産の価額の点)また、本件更正処分取消の訴が提起されたのが、昭和四三年四月一八日であることは記録上明らかであり、これを当事者間に争いない請求原因2の事実に照らせば、出訴期間の遵守されていることが明らかであるから、後に追加請求された本件重加算税賦課決定処分の取消を求める部分については、出訴期間を問題にする必要がないというべきである。したがつて被告の本案前の主張は採用できない。 (本案についての判断)一総所得金額について 1 被告の主張1の別表一中、譲渡所得金額および総所得金額を除きその余の金額は当事者間に争いがない。 2 そこで以下譲渡所得金額の点につき検討を加える。 (一) 本件譲渡資産の譲渡金額成立に争いのない乙第一六号証の三、第一七号証の二、三、および五、第二一号証の一、二、銀行作成部分につき、成立に争いがなく、その余の部分は証人Eの証言により真正に成立したと認められる甲第二号証の二、三、官公署作成部分につき成立に争いがなく、その余の部分は証人Fの証言によ の一、二、銀行作成部分につき、成立に争いがなく、その余の部分は証人Eの証言により真正に成立したと認められる甲第二号証の二、三、官公署作成部分につき成立に争いがなく、その余の部分は証人Fの証言により真正に成立したと認められる乙第一〇号証、第一三ないし第一五号証、第一八、第一九号証、証人Fの証言により真正に成立したと認められる乙第一二号証の二ないし四、第一六号証の二、第一六号証の四ないし八、第一七号証の四、第一七号証の六、証人Gの証言により真正に成立したと認められる甲第一号証、乙第九号証(ただし、官公署作成部分につき成立に争いがない)に証人F同Gの各証言を総合すると、Aは、昭和三八年二月二三日、本件譲渡資産を、金四九、〇〇〇、〇〇〇円で九州醸造株式会社に売渡したが、所得税の課税を少なくするため、右譲渡価額を金三五、〇〇〇、〇〇〇円と仮装することを意図し、同社代表取締役Gに依頼して、売買契約書(甲第一号証)に代金額を金三五、〇〇〇、〇〇〇円と記載したうえ、真実の代金額四九、〇〇〇、〇〇〇円のうち、金三五、〇〇〇、〇〇〇円だけは小切手で受領し、金一四、〇〇〇、〇〇〇円を現金で受領したこと、および右売買価額を金三五、〇〇〇、〇〇〇円とする納税申告書を被告宛に提出したことが認められ、右認定に反する原本の存在およびその成立につき争いのない乙第二〇号証、証人Gの証言によつて真正に成立したと認められる甲第三号証の各記載内容、ならびに証人E、同Hの各証言は、前掲各証拠に照して採用できない。 (二) 買換資産(1) Aが、事業用資産(本件譲渡資産)の買換資産としてBから守口市の土地を価額四、四七八、二九六円で取得し、これを買換資産として申告したことは当事者間に争いがない。 (2) なお、Aが、措置法の適用を受けるため、被告に対して提出した計算明細書にお てBから守口市の土地を価額四、四七八、二九六円で取得し、これを買換資産として申告したことは当事者間に争いがない。 (2) なお、Aが、措置法の適用を受けるため、被告に対して提出した計算明細書において、右守口市の土地の外、嵯峨電化住宅合資会社から取得した尼崎市の物件ならびにCから取得した枚方市の物件を措置法三五条に該当するものとして、尼崎市の物件の取得価額を金二、二〇〇、〇〇〇円、枚方市の物件の取得価額を金四、一四六、九五〇円とし、これらを本件譲渡資産の価額から控除して計算していることは、被告において自認するところである。そこで右各物件が措置法三五条に該当するのかどうかの点について検討を加える。 (イ) 成立に争いのない乙第二号証、第三号証の一、二および訴訟手続受継申立書添付の戸籍謄本によれば、尼崎市の物件中、一四七番の三九の宅地には、Aの長男である原告Dが居住しており、その当時、同原告は、Aと生計を一にする扶養親族でなかつたことが認められるところであつて、この事実に次の(ロ)の認定事実を併せ考えると、尼崎の物件をAの居住用財産と認めることはできない。 (ロ) 成立に争いのない乙第一号証(Aの提出した譲渡所得計算明細書)には、枚方市の物件の取得年月日として昭和三九年一月三〇日と記載されていることが認められる。しかしながら、右物件のうち、土地については、Aが昭和三五年一一月二九日Cから譲り受けたことは当事者間に争いがない。そして、成立に争いのない乙第七、第八号証と証人Eの証言によれば、右物件のうち家屋については、Aが、昭和三六年六月に新築し、同年七月二日以降は、従来から居住していた本件譲渡資産所在地から右枚方市の物件所在地に移住し、ここを住所として住民登録をしたことが認められる。 以上の事実によれば、尼崎市の物件および枚方市の物件はいずれも 月二日以降は、従来から居住していた本件譲渡資産所在地から右枚方市の物件所在地に移住し、ここを住所として住民登録をしたことが認められる。 以上の事実によれば、尼崎市の物件および枚方市の物件はいずれも措置法三五条に定める要件に該当しないことが明らかであるから、右各物件の取得価額を本件譲渡資産の価額から控除して計算することはできない。 (三) 譲渡資産の取得価額および譲渡に関する経費本件譲渡資産の取得価額が金一、五四〇、三三八円であり、譲渡に関する経費が金二、七七四、六五二円であることについては原告らは明らかに争わない。 (四) 特別控除額旧所得税法九条によれば、譲渡所得の特別控除額は金一五〇、〇〇〇円である。 なお、Aは、被告に対して提出した計算明細書において、居住用財産の特別控除額として金三五〇、〇〇〇円を控除していることは、被告において自認するところである。しかしながら、本件譲渡資産上の家屋が、Aの居住用の家屋でないことは、右(二)(2)(ロ)の認定事実から明らかであり、また右家屋が居住用であつて、それが譲渡されたとしても、その価額が無償であることは原告らの自認するところであるから、いずれにしても、右家屋につき措置法三八条の二の適用はないといわなければならない。 (五) 以上の各金額にもとづき旧所得税法九条により譲渡所得金額を算出すると、別表二の被告主張額欄のとおり金二〇、二二五、五五二円となる。 (六) 原告らは、被告が本件訴訟で、本件更正処分で認定された譲渡所得金額を超える金額を主張することができないと主張するが、更正処分取消訴訟で処分の実体的違法が争われているときにおいて、審判の対象となるのは租税債務の存否いかんであり、所得認定のための資料は、更正当時判明していた事実であると否とを問わず、時機に遅れたものでない限り主張することが許さ 的違法が争われているときにおいて、審判の対象となるのは租税債務の存否いかんであり、所得認定のための資料は、更正当時判明していた事実であると否とを問わず、時機に遅れたものでない限り主張することが許されるから、原告らの右主張は失当である。 3 右1、2の事実によれば、Aの昭和三八年分の総所得金額は別表一のとおり金二三、九七一、六五二円となるから、この範囲内でなされた本件更正処分に違法はない。 二本件重加算税賦課決定処分について。 前認定の一、2、(一)の事実が国税通則法六八条一項に該当することは明らかである。そうすると重加算税額は、別表三(同表(7)、(10)、(11)、の各金額は被告の自認するところである)のとおり金一、一九六、一〇〇円となるから、この範囲内でなされた本件重加算税賦課決定処分に違法はない。 三そうすると被告のなした本件各処分は適法であり、原告らの被告に対する請求は理由がないからこれを棄却し、訴訟費用の負担につき、民事訴訟法八九条を適用して主文のとおり判決する。 (裁判官下出義明藤井正雄石井彦寿)(別紙)<略>

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