昭和33(オ)94 損害賠償請求

裁判年月日・裁判所
昭和37年3月15日 最高裁判所第一小法廷 判決 破棄差戻 名古屋高等裁判所
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【DRY-RUN】- 1 - 主 文 原判決を破棄する。 本件を名古屋高等裁判所に差戻す。 理 由 上告代理人山根篤、同下飯坂常世の上告理由

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判決文本文3,138 文字)

- 1 -主 文原判決を破棄する。 本件を名古屋高等裁判所に差戻す。 理 由上告代理人山根篤、同下飯坂常世の上告理由第一点、第二点および上告代理人本庄修の上告理由第四点について。 原審の確定したところによれば、昭和二七年二月頃訴外甲株式会社(以下単に甲という。)が予ねて、原審の認定した根抵当による担保のほかに、原判決摘示の(A)(B)(C)の債務について、上告銀行に商品担保として提供してある価格約五〇〇万円位のベニヤチエスト用金具鋼製帯コーナーの返還を受けて操業しようとし、被上告会社もそのようになるよう甲を援助しようとして、ここに被上告会社は上告銀行に対し、右商品担保を甲に返還するよう交渉し、上告銀行は原判決摘示の(A)(B)(C)の債務が弁済されるならば、右担保品を返還すべきことを承諾し、その結果、被上告会社と上告銀行との話合いで弁済すべき債務を原判決摘示の(A)(B)(C)(D)(E)(F)(G)(H)として、その概算を四二〇万円と出し、被上告会社が四二〇万円の小切手を振出して、第三者として原判決摘示の被上告会社主張(1)の四、一九八、三二六円八一銭の支出をし、また同様に被上告会社が第三者として原判決摘示の被上告会社主張の(2)ないし(10)の利息合計四八〇、六〇〇円を支払い、結局被上告会社が第三者として弁済した金額は、以上の総計四、六七八、九二六円八一銭であつたというのである。 一方、上告銀行は、その主張として、原判決判示のとおり、前記四二〇万円の小切手をもつて支払われた債務は、人的保証および鋼製帯コーナーの商品をもつて担保されていたものであつて、原審認定の根抵当をもつて担保されておらず、また右弁済された債務については、本件不動産がその担保であ 手をもつて支払われた債務は、人的保証および鋼製帯コーナーの商品をもつて担保されていたものであつて、原審認定の根抵当をもつて担保されておらず、また右弁済された債務については、本件不動産がその担保であることの登記がないから第 - 2 -三者に対抗できないと述べているのであるが、原審は、右上告銀行の主張に対し、次のような判断を与えている。すなわち、原判決は、昭和二四年一二月八日甲所有の、第一審判決摘示の第一目録の不動産に対して順位第一番の根抵当権が設定され、また同二六年六月一五日に訴外乙所有の第二目録記載の不動産に対し順位第二番の根抵当権が設定され、原判決摘示の(A)(B)(C)(D)(E)(F)(G)(H)および(2)ないし(10)の債務は、何れも右の根抵当をもつて担保される手形その他の債務であることを認め得べく、従つて前記(A)(B)(C)(D)の債務に対する人的保証または商品担保があつたということは、これらの債務が前記根抵当によつて担保されるほかに、なお人的保証または商品担保があつたというに過ぎないと判決し、さらに原判決理由の第四において、原審の認定した事実関係の下においては、被上告会社は、甲に対する後順位抵当権者として甲に対する先順位債権を弁済すべき正当の利益を有するものであつて……法律上当然被上告会社に代位し……上告銀行とともに先順位抵当権を行使し得べき権利を取得したものである旨を判示しているのである。これによれば、原審は、被上告会社のした前記四二〇万円の小切手による弁済は、前記根抵当権に対する関係において、後順位抵当権者の弁済としての意味を有するもので、前記商品担保の解除返還とは、何ら関係のないものと認定したものというほかはない。 しかしながら、右四二〇万円の小切手をもつて前記(1)の四、一九八、三二六円八一銭の支払をな の意味を有するもので、前記商品担保の解除返還とは、何ら関係のないものと認定したものというほかはない。 しかしながら、右四二〇万円の小切手をもつて前記(1)の四、一九八、三二六円八一銭の支払をなしたものであること原審の認定のとおりであり、しかもその支払は、甲が前記(A)(B)(C)の債務につき上告銀行に商品担保として提供してある価格約五〇〇万円位のベニヤチエスト用金具鋼製帯コーナーの返還を受けて操業をしようとし、被上告会社もそのようになるように甲を援助しようとして、被上告会社は上告銀行に対して右商品担保を甲に返還するよう交渉し、上告銀行は前記(A)(B)(C)の債務が弁済されるならば右担保を返還すべきことを承諾した結 - 3 -果なされたものであること原判決認定のとおりであるとするならば、前記四二〇万円の小切手による支払は、特段の事情のない限り、原判示にいう根抵当のために後順位抵当権者としてしたものというべきではなく、むしろ前記(A)(B)(C)の債務につき商品担保とされた価格約五〇〇万円位のベニヤチエスト用金具鋼製帯コーナーを上告銀行が甲に返還したことに対応するものであつて、右(A)(B)(C)の債務に関するかぎり、弁済によつて商品担保は解除され、同時に当該債務に関する不動産担保は消滅したものと解するのが自然である。そうであるとすれば、本件根抵当については、法定代位を生ずる余地がないといわなければならない。もし、原判決のように、右(A)(B)(C)等の債務は、根抵当によつて担保されるほかに人的保証または商品担保があつたというに過ぎないもので、右支払は判示根抵当のために後順位抵当権者としてしたものであつて、前記商品担保となつたベニヤチエスト用金具鋼製帯コーナーの返還とは何ら関係のないものと認定するためには、その旨の担保契約の存在 ので、右支払は判示根抵当のために後順位抵当権者としてしたものであつて、前記商品担保となつたベニヤチエスト用金具鋼製帯コーナーの返還とは何ら関係のないものと認定するためには、その旨の担保契約の存在したこと等特段の事情のあることを示すことが必要であり、原判決挙示の証拠および説示をもつてしては、未だその特段の事情を判示したものとは認められない。原判決はこの点において理由不備の違法あるを免れず、論旨は理由があり、原判決は破棄すべきものである。 上告代理人山根篤、下飯坂常世の上告理由第五点および上告代理人本庄修の上告理由第五点について。 原判決は、本件与信契約が昭和二六年一一月頃にはすでに解約されていたと判示しているが、乙第五号証(手形貸付金元帳、記録六七七丁)によれば、同二八年三月三一日まで手形の書替継続の趣意が記載されており、また、同二八年二月二〇日に新規貸付として七一、〇〇〇円の記載があり、右与信契約は同二六年一一月以後もなお継続していたもののごとく推測されないことはない。しかるに、原判示が右乙第五号証を排斥して、右与信契約の解約時期を前記のように認定するについては、 - 4 -原判決の判示は未だ充分な理由を示しているものとは認めがたいのみならず、本件与信契約解除の時における債務の残額が確定されない限り、与信契約の極度額との関係において被上告会社の代位の限度は不確定とならざるを得ない。所論は結局理由があり、原判決はこの点においても破棄を免れない。 よつて、その他の論旨に対する判断は省略し、民訴四〇七条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官 入 江 俊 郎裁判官 斎 藤 悠 輔 のとおり判決する。 最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官 入 江 俊 郎裁判官 斎 藤 悠 輔裁判官 高 木 常 七

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