令和1(ワ)5059 損害賠償等請求

裁判年月日・裁判所
令和3年5月13日 大阪地方裁判所
ファイル
hanrei-pdf-90441.txt

キーワード

判決文本文11,357 文字)

- 1 -令和3年5月13日判決言渡同日判決原本領収裁判所書記官令和元年(ワ)第5059号損害賠償等請求事件口頭弁論終結の日令和3年3月11日判決 原告 P1 被告三菱電機株式会社同訴訟代理人弁護士大野聖二同木村広行同祝谷和宏主文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実 及び理由 第1 請求被告は,原告に対し,1000万円及びこれに対する平成24年3月9日から支 払済みまで年5%の割合による金員を支払え第2 事案の概要 1 本件は,原告が,被告の有する特許権に係る特許発明に関し,原告が被告在職中にその発明者の1人として発明したものであるにもかかわらず,被告が当該発明に係る特許を受ける権利の承継を原告から受けないまま,原告を発明者として記 載せずに出願(以下「本件出願」という。)したため,職務発明について被告に特許を受ける権利を取得させたことにより原告が受けるべき利益に相当する額の損害及び発明者名誉権侵害による精神的損害を被ったとして,被告に対し,不法行為に基づき,1000万円の損害賠償(一部請求)及びこれに対する不法行為の日(本件出願の日)である平成24年3月9日から支払済みまで民法(平成29年法律第 44号による改正前のもの)所定の年5%の割合による遅延損害金の支払を求める- 2 -事案である。 2 前提事実(争いのない事実,掲記の証拠及び弁論の全趣旨より容易に認定できる事実)(1) 当事者原告 前のもの)所定の年5%の割合による遅延損害金の支払を求める- 2 -事案である。 2 前提事実(争いのない事実,掲記の証拠及び弁論の全趣旨より容易に認定できる事実)(1) 当事者原告は,平成9年4月1日~平成29年6月15日の間,被告に勤務していた者 である。 被告は,重電システム,産業メカトロニクス,情報通信システム,電子デバイス,家庭電器などの製造・販売を主な目的とする株式会社である。 (2) 本件出願等被告は,次のとおり,本件出願をし,これにつき特許権(以下「本件特許権」 という。また,本件特許権に係る特許を「本件特許」と,特許請求の範囲請求項1記載の発明を「本件発明」という。)の設定登録を受けた。(甲1)特許番号特許第5523495号発明の名称フィンチューブ型熱交換器及び冷凍サイクル装置出願日平成24年3月9日 登録日平成26年4月18日優先日平成23年4月22日発明者 P2,P3,P4,P5,P6,P7(これらの者を併せて「本件発明者」と,P2及びP7を併せて「P2ら」という。)(3) 本件発明の内容等 本件発明に係る特許請求の範囲の記載は,以下のとおりである。また,本件特許に係る明細書及び図面(以下「本件明細書」という。)の記載は,別紙「特許公報」(甲1)のとおりである。 「流体の流れ方向に直交する方向に積層され,流体の上流側に延びる切欠部を有する板状フィンと, 前記板状フィンの切欠部に挿入された扁平伝熱管とを備え,- 3 -前記板状フィンは,前記切欠部より流体の上流側の部分に平らなフラット部を有し,さらに,前記切欠部に隣接する領域に流体の流れ方向と直交する方向に切り起こされた複数の切り起こし片を有し,前 -前記板状フィンは,前記切欠部より流体の上流側の部分に平らなフラット部を有し,さらに,前記切欠部に隣接する領域に流体の流れ方向と直交する方向に切り起こされた複数の切り起こし片を有し,前記切欠部は,前記板状フィンに複数設けられ,前記フラット部側の先端が前記扁平伝熱管の短尺側の側面形状に合わせて半円形状,もしくは楕円形状に形成さ れ,前記フラット部は,前記半円形の中心点から前記フラット部の端部までの長さが,半円形の直径以上長く,もしくは前記扁平伝熱管の短軸幅以上長くなるように,また,前記切欠部に挿入された隣接の前記扁平伝熱管の中心間の長さの半分よりも短くなるように形成され,前記切欠部は,前記扁平伝熱管から前記切り起こし片までの長さ(Dp-D-Ls)と管 中心線から前記切り起こし片までの段方向長さ(Dp-Ls)の比率(Dp-D-Ls)/(Dp-Ls)が,フィン端部から前記扁平伝熱管までの長さ(h-0.5D)と前記切欠部の中心点Cからフィン端部までの距離hとの比率(h-0.5D)/hよりも小さくなるように形成されることを特徴とするフィンチューブ型熱交換器。」(なお,以下では,上記「切り起こし片」の構成を「スリット」という。) (4) 職務発明に関する被告の規則等イ本件特許の優先日及び出願日当時における被告の●(省略)●には,次のような記載がある。 ●(省略)● 3 主な争点 (1) 原告の発明者性(争点1)(2) 損害の発生及びその額(争点2) 4 当事者の主張〔原告の主張〕(1) 原告の発明者性(争点1) ア原告の発明者性につき,被告は,原告が発明者でないことの主張立証責任を- 4 -負う。 イ原告は,平成21年7月からビル用エアコン室外機向け (1) 原告の発明者性(争点1) ア原告の発明者性につき,被告は,原告が発明者でないことの主張立証責任を- 4 -負う。 イ原告は,平成21年7月からビル用エアコン室外機向けファン及び偏平管熱交換器の開発に従事することとなり,当初,ファンをメインとしていたが,平成21年秋頃から,偏平管熱交換器の開発会議に出席していた。 ビル用エアコンの省エネ向上のためには冷媒配管を円管から偏平管に代えると効 果的であることは周知の事実であったが,ビル用エアコン室外機は曲げ部を有し,曲げ加工の際に偏平管は従来の円管に比べて2倍の力を要するため,フィンの座屈強度も2倍にする必要がある。その強度が不足する場合,曲げ加工の際にフィンが倒れ,風の風路を塞ぎ,熱交換器性能が大きく低下する。このため,当初のフィン形状(後記図1。以下,この形状のフィンを「当初フィン」と,この形状を「当初 フィン形状」という。)では座屈強度を2倍以上大きくする必要があるという課題があった。 平成22年春頃,原告は,被告工場の製造部門から早期にフィン形状を決めるように催促されていたところ,同年6月24日,上記課題につき,座屈強度低下の原因は当初フィン形状の3本のスリットのうち1番上(風上側)のスリット(以下, この位置にあるスリットを「風上側のスリット」という。)にあり,これをなくすことにより座屈強度の向上を図ることができることを着想した。そこで,原告は,同日,P2に対し,強度最大のフラットフィン(3本のスリットを全てなくしたフィン形状のもの。以下「フラットフィン」といい,この形状を「フラットフィン形状」という。)の強度計算をP7にしてもらうように指示し,その後,風上側のス リットをなくした形状のフィン(後記図2。以下「2本スリットフィン」 ットフィン」といい,この形状を「フラットフィン形状」という。)の強度計算をP7にしてもらうように指示し,その後,風上側のス リットをなくした形状のフィン(後記図2。以下「2本スリットフィン」といい,この形状を「2本スリットフィン形状」という。)の座屈強度計算もP7にしてもらうように指示した。その結果,2本スリットフィンの座屈強度は,当初フィンの2.5倍で,フラットフィンとほぼ同一であった。もっとも,P2は,2本スリットでは伝熱性能が低下するとして,スリット3本を風下側に押し込めることを提案 し,原告はこれを承諾した。その後,原告及びP2による試験を経て,同年7月下- 5 -旬頃,本件発明が完成した(そのフィン形状は後記図3のとおり。以下,このフィンを「3本スリットフィン」といい,この形状を「3本スリットフィン形状」という。)。 図1(当初フィン) 図2(2本スリットフィン) 図3(3本スリットフィン) (なお,上記各図はいずれも模式図であり,各長さ,大きさ,位置関係及びその比率等について正確なものではない。)ウ原告は,本件発明のフィン形状に係る意匠(意匠第1485172号。以下「本件意匠」という。)の創作者の一人である。また,原告が,平成29年2月3日,P2に対し,当初フィン形状からフラットフィン形状及び2本スリットフィン 形状の座屈強度をP7に計算してもらうよう原告が指示した事実を確認したところ,P2は,これを一切否定しなかった。これらの事情は,原告が本件発明の発明者であることを裏付けているといえる。 エ小括以上のとおり,原告は,座屈強度の向上及び座屈強度と伝熱性能の両立を実現す るスリットの位置に関する着想をした者であり,本件発明の発明者である。 あることを裏付けているといえる。 エ小括以上のとおり,原告は,座屈強度の向上及び座屈強度と伝熱性能の両立を実現す るスリットの位置に関する着想をした者であり,本件発明の発明者である。 オ被告の主張について(ア) 被告は,●(省略)●本件発明者が2本スリットフィンの構成に着想していた旨主張する。 しかし,●(省略)●は不自然である。 以上の事情によれば,本件発明者が●(省略)●2本スリットフィンの構成に着- 6 -想していたとはいえない。 (イ) 被告は,●(省略)●出されていたなどとも主張する。 しかし,●(省略)●上,上記(ア)の事情を含む開発に係る当時の検討状況等を踏まえると,P2ら報告書は作成日を改ざんしたものと考えられる。 (ウ) 2本スリットフィンと被告製品の仕様のフィン(3本スリットフィン)を比 較すると,座屈強度及び伝熱性能を総合的に見れば大きな差はない。したがって,●(省略)●座屈強度と伝熱性能の両立は概ね解決した。 (2) 損害の発生及びその額(争点2)ア慰謝料額被告は,本件発明者の1人である原告を願書等に発明者として記載しないまま本 件出願をしたため,原告は,本件特許に係る特許公報に発明者として記載されなかった。これにより,原告は,発明者名誉権を侵害され,精神的な苦痛を被った。その慰謝料は100万円を下回らない。 イ逸失利益の額(ア) 被告は,本件発明者の1人である原告から,本件発明に係る特許を受ける権 利の承継を受けていないにもかかわらず,本件出願を行った。原告は,平成27年法律第55号による改正前の特許法35条3項により本件発明の発明者として得られる特許を受ける権利の譲渡対価の支払を受けていないところ,この譲渡対価相当額が原告の経済的損害の った。原告は,平成27年法律第55号による改正前の特許法35条3項により本件発明の発明者として得られる特許を受ける権利の譲渡対価の支払を受けていないところ,この譲渡対価相当額が原告の経済的損害の額に等しい。また,本件出願が不法行為であることなどから,被告規程に基づく対価の支払は不合理である。したがって,原告の損害額は, 同条5項に基づき算定される対価に等しい。 (イ) 本件発明を実施した被告製品は,型番PUHY-GP*DMG(*は定格冷房能力「kw」×10を表し,224,280,335及び400のいずれかである。また,マイナーチェンジ後は,それに応じて末尾に1~6の数字が付される。)及びPUHY-GP*SDMG(*は定格冷房能力「kw」×10を表し,450,500,5 60,630,730,800,850,900,960及び1010のいずれか- 7 -である。また,マイナーチェンジ後は,それに応じて末尾に1~6の数字が付される。)である(以下,これらを併せて「被告製品」という。)。 被告製品の売上高は,被告製品の発売日(平成25年9月)から本件特許権の存続期間満了日(令和14年3月8日)まで,●(省略)●を下回らない。したがって,被告製品の売上高の上記期間における合計額は,●(省略)●を下回らない。 また,被告は,被告製品のカタログ等において本件発明を強く訴求している。さらに,本件発明は,競合他社に対する優位性及び禁止効が強い。他方,本件発明は,前記のとおり,原告の着想により課題が解決し,製品化に至ったものであり,原告の貢献度は極めて大きい。これらの事情を踏まえると,●(省略)●とするのが相当である。そうすると,原告の損害額は,2億6400万円を下回らない。 ●(省略)●=¥264,000,000また, 献度は極めて大きい。これらの事情を踏まえると,●(省略)●とするのが相当である。そうすると,原告の損害額は,2億6400万円を下回らない。 ●(省略)●=¥264,000,000また,本件発明に係る特許出願及び特許権の設定登録は日本のみであるが,被告は海外においても本件発明を利用した製品を製造販売し,利益を得ているから,この分についても損害賠償が認められるべきである。さらに,被告のパッケージエアコン室外機向け扁平管熱交換器にて実施しているフィン形状も,本件発明を知れば 当業者であればだれでも発明できるものであるから,これにより得た利益の分についての損害賠償も認められるべきである。 ウ小括原告は,被告に対し,不法行為に基づき,上記ア及びイの合計額2億6500万円の損害賠償を請求し得るところ,本件においては,その一部である1000万円 の損害賠償及びこれに対する遅延損害金を請求する。 (3) 過失相殺の主張について否認ないし争う。 〔被告の主張〕(1) 原告の発明者性(争点1) ア否認ないし争う。 - 8 -イ主張立証責任について本件は,不法行為に基づく損害賠償請求の事案であるから,原告は,原告が本件発明の発明者であることを含め,不法行為を基礎付ける事実の主張立証責任を負う。 ウ以下のとおり,原告は,本件発明の発明者ではない。 (ア) ●(省略)●本件発明者らは,遅くとも,平成22年6月に原告が本件開発 に関与する以前である●(省略)●ビル用エアコン室外機の熱交換器の製造時における熱交換器を曲げる工程で,風上側のスリットに応力が集中してフィンが倒れやすくなることは把握しており,このスリットがなければ座屈強度が大きくなることは,本件発明者の共通の認識となっていた。もっとも,こ 熱交換器を曲げる工程で,風上側のスリットに応力が集中してフィンが倒れやすくなることは把握しており,このスリットがなければ座屈強度が大きくなることは,本件発明者の共通の認識となっていた。もっとも,この構成は,スリットの数が減ることで熱交換効率が低下するという問題を生じさせるものであった。このよ うに,座屈強度と熱交換性能の両立が課題であったところ,2本スリットフィンの構成はこの課題を解決するものではない。本件発明者は,スリットを減らすのではなく,その位置を移動させるという技術的思想を導入することによって,この課題を解決した。 また,P2が所属していた被告住環境研究開発センター(以下「住環研」とい う。)では,●(省略)●したがって,原告が,同年6月24日,P2に対し,当初フィンにつき風上側のスリットをなくした2本スリットフィンにつきP7に座屈強度の計算をしてもらうように指示したことは,原告が本件発明の発明者であることを基礎付けるものではない。また,その際,原告は,P2に対し,フラットフィンの座屈強度の検討を指 摘しているのみであって,このような事情は,原告が風上側のスリットをなくした2本スリットフィンを考えたことを示すものではない。原告の上記指示に対し,●(省略)●(イ) 本件発明の特許請求の範囲には,風上側のスリットをなくすこと自体を特定した構成が記載されているわけではない。原告の主張が,本件特許の特許請求の範 囲記載の「板状フィンは,…切り起こし片を有し」との構成に対する関与をいうも- 9 -のであるとしても,この構成自体は単なる従来技術である。 (ウ) 以上のとおり,原告は,本件発明につき,発明特有の課題解決手段を基礎付ける特徴的部分の完成に創作的に関与したとはいえない。 (2) 損害の発生及 も,この構成自体は単なる従来技術である。 (ウ) 以上のとおり,原告は,本件発明につき,発明特有の課題解決手段を基礎付ける特徴的部分の完成に創作的に関与したとはいえない。 (2) 損害の発生及びその額(争点2)ア否認ないし争う。 イ前記(1)のとおり,原告は,本件発明の発明者ではないから,本件出願によって原告に損害は発生していない。 また,被告製品においては本件発明を実施していない。他方,本件特許の海外対応特許は存在しないことから,これを●(省略)●はあり得ない。 (3) その余の主張 被告の過失については,否認ないし争う。●(省略)●に起因して原告が何らかの損害を被っていたと仮定しても,原告の責めに帰すべき事由によるものであり,被告には何らの過失もない。 また,少なくとも,上記事実は過失相殺の事情として考慮されるべきである。 第3 当裁判所の判断 1 原告の発明者性(争点1)について(1) 本件は,原告の被告に対する不法行為に基づく損害賠償請求の事案である。 不法行為に基づく損害賠償請求の事案においては,権利又は法律上保護される利益の侵害を主張する者がこれを基礎付ける事実についての主張立証責任を負うと解される。これによれば,本件の場合,原告が,自らが本件発明の発明者であることの 主張立証責任を負うこととなる。このことは,冒認出願を理由として請求された特許無効審判(平成23年法律第63号による改正前の特許法123条1項6号)における「特許出願がその特許に係る発明の発明者又は発明者から特許を受ける権利を承継した者によりされたこと」についての主張立証責任の分配とは関わりがない。 したがって,この点に関する原告の主張は採用できない。 (2) 発明者とは,自然法則を利用した高度な技術的 権利を承継した者によりされたこと」についての主張立証責任の分配とは関わりがない。 したがって,この点に関する原告の主張は採用できない。 (2) 発明者とは,自然法則を利用した高度な技術的思想の創作に関与した者,す- 10 -なわち,当該技術的思想を当業者が実施できる程度にまで具体的・客観的なものとして構成するための創作に関与した者を指すと解される。また,発明者となるためには,共同で関与することでも足りるが,複数の者が共同発明者となるためには,課題を解決するための着想及びその具体化の過程において,発明の特徴的部分の完成に創作的に寄与したことを要する。発明の特徴的部分とは,特許請求の範囲に記 載された発明の構成のうち,従来技術には見られない部分,すなわち,当該発明特有の課題解決手段を基礎付ける部分を指す。 本件において,原告は,平成22年6月24日,座屈強度低下の原因は当初フィン形状の3本のスリットのうち風上側のスリットにあり,これをなくすことにより座屈強度の向上を図ることができることを着想し,同日,P2に対し,フラットフ ィン及び2本スリットフィンの座屈強度計算をP7にしてもらうように指示し,その結果を踏まえて,同年7月下旬頃に本件発明が完成した旨主張する。そこで,まず,上記事実の有無について検討する。 (3) 事実認定前提事実(前記第2の2),証拠(各項掲記のもの。なお,枝番号のある証拠で 枝番号の記載のないものは全ての枝番号を含む。)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 ア本件発明者は,●(省略)●原告は,平成21年秋頃又は平成22年6月頃,本件開発に関与するようになったが,●(省略)●会議のいずれにも出席しなかった。 (以上につき,乙3)イ ●(省略)●(乙3,4 (省略)●原告は,平成21年秋頃又は平成22年6月頃,本件開発に関与するようになったが,●(省略)●会議のいずれにも出席しなかった。 (以上につき,乙3)イ ●(省略)●(乙3,4)ウ ●(省略)●との記載がある。 このうち,●(省略)●これに加え,●(省略)● また,●(省略)●との記載がある。 - 11 -(以上につき,乙18)エ ●(省略)●(以上につき,乙3~5,14,18)オ ●(省略)●(以上につき,乙20) カ ●(省略)●(以上につき,乙3,6)キ ●(省略)●他方,●(省略)●(以上につき,乙19) ク ●(省略)●このうち,●(省略)●ケ ●(省略)●コ ●(省略)●(ア) ●(省略)● ・●(省略)●・●(省略)●このうち,●(省略)●・●(省略)●(イ) ●(省略)● (ウ) ●(省略)●(エ) ●(省略)●・●(省略)●・上記記載に続き,●(省略)●・●(省略)● このうち,●(省略)●- 12 -・●(省略)●(オ) ●(省略)●サ原告は,平成22年6月24日午前11時9分頃,P2,P6及びP3に対し,「●(省略)●」などと記載したメール(甲7。以下「原告メール1」という。)を送信した。 なお,このメールにおいて引用されている原告のメール(時期不詳)には,「●(省略)●」などと記載されている。 シ原告は,同月25日午前8時43分頃,P2,P6,P3その他の者に対し,「●(省略)●」などと記載したメール(甲19。以下「原告メール2」という。)を送信した。 原告メール2には,P2が原告に送信したメール(以下「P2メール」とい P6,P3その他の者に対し,「●(省略)●」などと記載したメール(甲19。以下「原告メール2」という。)を送信した。 原告メール2には,P2が原告に送信したメール(以下「P2メール」という。)が引用されているところ,これには,以下の記載がある。 ●(省略)●(4) 検討ア前記各認定事実によれば,本件開発は,以下のような経過を経たものとうか がわれる。すなわち,●(省略)●にてフィンの倒れやすさが問題点として指摘されて住環研において●(省略)●が行われ(前記(3)イ),その結果が●(省略)●において報告された(前記(3)エ,カ)。この間,住環研においては,2本スリットフィン●(省略)●されたものの(前記(3)ウ,オ),開発会議においては報告されなかったため(前記(3)エ,カ),その結果は本件WG の構成員間では共有さ れていなかった。また,開発会議においては,●(省略)●の検討が行われ(前記(3)エ,カ),●(省略)●フィン強度の改善が検討課題として位置付けられていた(前記(3)ク)。開発会議において当初フィン形状のフィンを●(省略)●開発を目標にしていたことによるものと推察される。 さらに,●(省略)●それぞれフィン強度の改善に向けた検討が進められ(前記 (3)キ~ケ),●(省略)●その結果がP2ら報告書としてまとめられたものと理- 13 -解される。 他方,原告は,原告メール1において,P2に対し,フラットフィンの座屈強度の解析を指示したが,フラットフィンの座屈強度は,●(省略)●報告内容に含まれているし(前記(3)カ),P2ら報告書においても示されている(前記(3)コ)。 また,P2メールに対する返信である原告メール2において,原告は,「●(省略) ●」などとしているが,2本スリットの扁 いるし(前記(3)カ),P2ら報告書においても示されている(前記(3)コ)。 また,P2メールに対する返信である原告メール2において,原告は,「●(省略) ●」などとしているが,2本スリットの扁平管フィンの座屈強度に関するP2メールでのP2の報告内容は,いずれもP2ら報告書に記載されているものであり,当該報告書に基づくものと見られる。そもそも,原告がP2に対し2本スリットフィンの座屈強度計算を指示したことを裏付けるに足りる客観的な証拠もみあたらない。 イ以上によれば,原告は,座屈強度の向上のため当初フィン形状の3本のスリ ットのうち風上側のスリットをなくす(2本スリットフィン形状とする)ことを最初に着想したとはいえず,遅くとも●(省略)●までにP2らがこれを着想していたと認められる。そうである以上,仮に上記着想が本件発明の特徴的部分に関するものであったとしても,原告がその完成に創作的に寄与したということはできない。 すなわち,原告は,本件発明の発明者とは認められない。 ウ原告の主張について原告は,P2ら報告書は作成日を改ざんしたものであるなどと主張する。 しかし,その改ざんの可能性をうかがわせる具体的な事情は見当たらない。また,前記認定のとおり,P2メールにおいてP2が原告に対して報告したデータは,P2ら報告書のデータと一致する。しかも,P2メールを引用している原告メール2 は,原告メール1の約22時間後に送信されたものであり,その間に夜間が含まれることなども考えると,原告メール1での指示に基づきP2が(P7に依頼して)解析を実施し,その結果をP2メールにより原告に報告したとは考えがたい。むしろ,P2メールは,その時点でP2ら報告書が存在していたことをうかがわせるものといえる。そうである以上,P2ら報告書に て)解析を実施し,その結果をP2メールにより原告に報告したとは考えがたい。むしろ,P2メールは,その時点でP2ら報告書が存在していたことをうかがわせるものといえる。そうである以上,P2ら報告書につき,作成日を改ざんしたものであ るとは考えがたい。 - 14 -また,冷電打合せの出席者が2本スリットフィンの構成を認識していなかったとしても,開発会議においては310 ファイル記載の2本スリットフィン●(省略)●に関する報告はされておらず,他にその内容が本件WG の構成員間で共有されていたことをうかがわせる事情もないことを踏まえると,P2ら報告書の作成日が改ざんされたことを裏付ける事情とは必ずしもいえない(310 ファイル,329 ファイル 及び525 ファイルの更新日に係るデータが改ざんされたことをうかがわせるに足りる具体的事情はない。)。 なお,仮に本件意匠が本件発明のフィン形状に係るものであるとしても,本件意匠の創作者であることは,必ずしも直ちに本件発明の発明者であることを裏付けるものではない。また,P2に対する事実確認の点についても,同人が否定しなかっ たというにとどまり,肯定したわけではなく,その際の会話の記録(甲11)全体を見ても,これを肯定する趣旨はうかがわれない。 その他原告は縷々主張するけれども,いずれも採用できない。 2 小括以上のとおり,原告は,本件発明の発明者であるとは認められないから,被告が 原告を本件発明の発明者として記載せずに本件出願をしたことは,原告の権利ないし法律上保護される利益を何ら侵害するものではない。そうである以上,その余の点につき論ずるまでもなく,原告の被告に対する不法行為に基づく損害賠償請求権は成立しない。 第4 結論 よって,原告の請求は理由がないか 何ら侵害するものではない。そうである以上、その余の点につき論ずるまでもなく、原告の被告に対する不法行為に基づく損害賠償請求権は成立しない。 第4 結論 よって、原告の請求は理由がないからこれを棄却することとして、主文のとおり判決する。 大阪地方裁判所第26民事部 裁判長裁判官 杉浦正樹 裁判官 杉浦一輝 裁判官 布目真利子 【別紙省略】

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る