【DRY-RUN】主 文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人らの負担とする。 理 由 上告代理人喜治榮一郎の上告理由第一点、第三点、第四点について 所論の点に関
主 文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人らの負担とする。 理 由 上告代理人喜治榮一郎の上告理由第一点、第三点、第四点について 所論の点に関する原審の認定判断は、原判決の挙示する証拠関係及び説示に照ら し、正当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。論旨は、ひつ きよう、原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するか、又は原判 決を正解しないでこれを論難するものにすぎず、採用することができない。 同第二点について 原審が適法に確定したところによれば、(1) 上告人Aの先代は、昭和二〇年四 月二一日、被上告人から本件土地を含む土地上にある五戸建一棟の建物床面積四九 坪四合七勺(一六三・五三平方メートル)のうち床面積が約一〇坪(三三・〇五平 方メートル)、敷地面積が約一三坪(四二・九七平方メートル)ある建物部分一戸 を賃借したが、同年六月一五日、右建物全部が戦災により焼失した、(2) そこで、 上告人Aの先代は、被上告人から、右建物部分の賃借に際して差し入れていた敷金 の返還を受けるとともに本件土地の隣地にある別の建物を賃借して居住したが、昭 和二三年三月ころ、右建物を訴外Dに転貸し、みずからは右罹災焼失前の賃借建物 部分の敷地を含む約三〇坪(九九・一七平方メートル)の土地上に建物を建築した うえこれに移り住み、事実上右土地部分を占有した、(3) 次いで、上告人Aの先 代は、同年八月三〇日被上告人に到達した内容証明郵便をもつて、右占有にかかる 約三〇坪(九九・一七平方メートル)の土地について罹災都市借地借家臨時処理法 (以下「処理法」という。)二条一項の規定による借地申出をし、これに対して被 上告人から法定の期間内に借地申出を拒絶する意思表示をされたが、そのまま右土 - 1 - 地の使用を継 都市借地借家臨時処理法 (以下「処理法」という。)二条一項の規定による借地申出をし、これに対して被 上告人から法定の期間内に借地申出を拒絶する意思表示をされたが、そのまま右土 - 1 - 地の使用を継続してきた、(4) 上告人Aの先代は、罹災焼失前の五戸建一棟の建 物の状況したがつて右占有にかかる土地の範囲が罹災焼失した賃借建物部分の敷地 の二倍を越えていることを知りながら、前記のように、まず建物を建築して事実上 土地を占有したうえ、右土地についてこれを不可分一体のものとして借地申出に及 んだものである、というのである。 右事実によれば、上告人Aの先代は、被上告人から、罹災焼失した建物の賃借に 際して差し入れていた敷金の返還を受け、しかも新たに別の建物を賃借しながら、 罹災焼失前の賃借建物部分の敷地面積の二倍を越える土地上に一方的に建物を建築 して事実上右土地を占有したうえ、右土地についていわば事後承諾を求める形でこ れを不可分一体のものとして処理法二条一項の規定による借地申出をしたものとみ られるのであつて、このような事情がある場合には、被上告人は、建物所有の目的 でみずから右土地を使用する必要がないときでも、処理法二条三項所定の正当な事 由があるものとして、右借地申出を拒絶することができるものと解するのが相当で ある。これと同旨の原審の判断は、正当として是認することができ、原判決に所論 の違法はない。所論引用の判例は、事案を異にし、本件に適切でない。論旨は、採 用することができない。 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員一致の意 見で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第一小法廷 裁判長裁判官 藤 崎 萬 里 裁判官 団 藤 重 光 とおり判決する。 最高裁判所第一小法廷 裁判長裁判官 藤 崎 萬 里 裁判官 団 藤 重 光 裁判官 本 山 亨 裁判官 戸 田 弘 裁判官 中 村 治 朗 - 2 -
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