主文 本件上告を棄却する。上告費用は上告人の負担とする。理由 上告代理人山本郁夫の上告理由について。原審は、その適法に確定した事実関係に基づき、上告人が昭和三八年九月九日、無権代理人たるDに対し、本件プール計算に関する特約を、追認する意思表示をした旨を判示しているものと認められる。ところで、無権代理行為の追認は、相手方または無権代理人のいずれに対してもすることができるのであつて、必ずしも相手方に対してこれをするか、または無権代理人に対する追認のあつた事実を相手方が知つたときでなければその効力がないものではない。ただ、無権代理人に対する追認は、その事実を相手方が知らなかつたときはこれをもつて相手方に対抗することはできないが、相手方において追認のあつた事実を主張することは何ら妨げないものと解すべきである。本件においては、相手方たる被上告会社において自ら本件プール計算に関する特約が迫認によつて有効となつたことを主張しているのであるから、原審が前記のごとく追認の事実を認定し、右特約が当事者間にその効力を有する旨を判示したのは相当であつて、原審の認定・判断に所論の違法は認められない。論旨は採用することができない。よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官村上朝一裁判官色川幸太郎裁判官岡原昌男- 1 -裁判官小川信雄- 2 - 岡原昌男 裁判官小川信雄
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