平成12年(行ケ)第488号特許取消決定取消請求事件(平成14年1月22日口頭弁論終結)判決原告ヤンマーディーゼル株式会社訴訟代理人弁理士矢野寿一郎被告特許庁長官及川耕造指定代理人大野克人同鈴木寛治同木原裕同林栄二 主文 特許庁が平成10年異議第74660号事件について平成12年11月1日にした決定を取り消す。 訴訟費用は各自の負担とする。 事実及び理由 第1 原告の請求主文第1項と同旨の判決第2 当事者間に争いのない事実 1 特許庁における手続の経緯原告の特許第2731620号(発明の名称「ロータリー耕耘装置」)は、平成2年4月21日に出願され(特願平2-105786号)、同9年12月19日に設定登録がされたが、同10年9月18日に特許異議の申立てがあり、特許庁は、これを平成10年異議第74660号として審理し、同11年5月27日、「特許第2731620号の特許を取り消す。」旨の決定をした。これに対する特許取消決定取消請求訴訟において、平成12年3月14日に上記決定を取り消す旨の判決があったので、特許庁は、同異議事件について再度審理し、その手続中に原告は本件特許について訂正請求をした(同12年6月22日)が、特許庁は、同年11月1日、「特許第2731620号の請求項1に係る特許を取り消す。」旨の決定 異議事件について再度審理し、その手続中に原告は本件特許について訂正請求をした(同12年6月22日)が、特許庁は、同年11月1日、「特許第2731620号の請求項1に係る特許を取り消す。」旨の決定(以下「本件決定」という。)をし、その謄本は、同年11月20日原告に送達された。 原告は、本件決定に対する特許取消決定取消請求訴訟(本訴)提起後の平成13年9月19日に本件特許について訂正審判を請求した(訂正2001-39167号)ところ、同年11月2日、「特許第2731620号に係る明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。」との審決(以下「本件訂正審決」という。)があり、その謄本は、同年11月14日、原告に送達された。 2 特許請求の範囲(1) 本件訂正審決による訂正前の特許請求の範囲請求項1 耕耘爪を具備した耕耘カバーの後端に後部カバーを回動自在に枢支し、該後部カバー(注、「該耕耘カバー」は「該後部カバー」の誤記と認める。)を弾圧するハンガーロッドを遠隔操作レバーの操作により係止して、後部カバーの回動を阻止可能とし、ロック装置を耕耘カバーの側に配設し、該耕耘カバーが耕耘爪軸に対して前後に回動可能であることを特徴とするロータリ耕耘装置。 (2) 本件訂正審決による訂正後の特許請求の範囲(下線部が訂正箇所)請求項1 耕耘爪を具備した耕耘カバーの後端に後部カバーを回動自在に枢支し、該後部カバーを弾圧するハンガーロッドを遠隔操作レバーの操作により係止して、後部カバーの回動を阻止可能とし、前記遠隔操作レバーの操作によりワイヤーを介して後部カバーの回動を阻止するロック装置を耕耘カバーに配設し、該ロック装置は「コ」の字形に構成されたロック金具が、ハンガーロッドをスライド自在に貫通された枢支軸により バーの操作によりワイヤーを介して後部カバーの回動を阻止するロック装置を耕耘カバーに配設し、該ロック装置は「コ」の字形に構成されたロック金具が、ハンガーロッドをスライド自在に貫通された枢支軸により枢支され、ハンガーロッドの上部に回動して固定される構成とし、該耕耘カバーが耕耘爪軸に対して前後に回動可能であることを特徴とするロータリ耕耘装置。 3 決定の理由の要点別紙異議の決定の理由写しのとおり、本件決定は、本件特許に係る発明の要旨を訂正前の特許請求の範囲の記載(前記2(1))のとおりと認定した上で、本件特許の請求項1に係る発明(以下「本件発明」という。)は、刊行物1(実願昭62-15259号発明(実開昭63-122004号)のマイクロフィルム)記載の発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができず、本件特許は、拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものであるから、取り消されるべきであるとした。 第3 当事者の主張 1 原告本件訂正審決の確定により、本件発明の要旨は、遡って訂正後の特許請求の範囲の記載(前記第2の2(2))のとおりとなった。そこで本件決定が本件発明の要旨を本件訂正審決による訂正前の特許請求の範囲の記載(前記第2の2(1))のとおりとしたことは誤りに帰し、この瑕疵は違法であるから、本件決定は取り消されるべきである。 2 被告本件特許について、本件訂正審決が確定し、特許請求の範囲が減縮されたことは、認める。 第4 当裁判所の判断本件訂正審決の確定により、本件発明の特許請求の範囲が前記のとおり訂正されたことは当事者間に争いがなく、この訂正によって本件発明について特許請求の範囲が減縮されたことは明らかである。 の判断本件訂正審決の確定により、本件発明の特許請求の範囲が前記のとおり訂正されたことは当事者間に争いがなく、この訂正によって本件発明について特許請求の範囲が減縮されたことは明らかである。 そうすると、本件決定が本件発明の要旨を本件訂正審決による訂正前の特許請求の範囲に記載のとおりと認定したことは、結果的に誤りがあることになり、この誤りは本件決定の結論に影響を及ぼすことが明らかであるから、本件決定は、取り消されるべきである。 よって、原告の請求は理由があるからこれを認容し、訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法7条、民事訴訟法62条を適用して、主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第18民事部裁判長裁判官永井紀昭 裁判官塩月秀平 裁判官古城春実
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