令和5(わ)316 住居侵入、強盗致傷、建造物侵入、強盗

裁判年月日・裁判所
令和6年7月10日 岐阜地方裁判所
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判決文本文2,608 文字)

宣告日令和6年7月10日事件番号令和5年(わ)第316号等事件名住居侵入、強盗致傷、建造物侵入、強盗被告人 A 主文 被告人を懲役10年に処する。 未決勾留日数中200日をその刑に算入する。 理由 【罪となるべき事実】被告人は、第1 金品を強取しようと考え、B、C、D、E及び氏名不詳者らと共謀の上、令和5年5月2日午後2時29分頃、岐阜県大垣市(住所省略)所在のF(当時75歳)方に、同人方インターフォンを鳴らし、玄関ドアを開けて応対に出た同人に対し、「東邦ガスです。」などと言い、異変を感じた同人が玄関ドアを閉めようとするや玄関ドアを引き開け、同人方玄関内に入り込んで侵入し、その頃から同日午後2時49分頃までの間、同人方内において、あらかじめ用意していたバールを示すなどしながら、同人に対して「殺すぞ。」「金はどこだ。」などと言って脅迫し、さらに、同人の両手親指を結束バンドで緊縛し、複数回にわたり、同人の顔面、左脇腹、左腕等を拳で殴打し、足蹴りにするなどの暴行を加えて、その反抗を抑圧し、同人が所有する現金36万円、現金約2200万円在中の金庫1個及び商品券等(額面合計36万円相当)を強取し、その際、前記暴行により、前記Fに全治約2か月を要する左多発肋骨骨折並びに全治約1か月を要する左下極腎嚢胞破裂及び上顎前歯部亜脱臼等の傷害を負わせ、第2 金品を強取しようと考え、G、H、I及び氏名不詳者らと共謀の上、令和5年5月8日午後6時18分頃、J店店長Kが看守する東京都中央区(住所省略) J店に出入口から侵入し、その頃から同日午後6時20分頃までの間、同店内において、同店従業員Lに対し、ナイフを示し、「伏せろ、ぶっ殺すぞ。」などと言って脅迫し、同人らの反抗を抑圧して、前記 J店に出入口から侵入し、その頃から同日午後6時20分頃までの間、同店内において、同店従業員Lに対し、ナイフを示し、「伏せろ、ぶっ殺すぞ。」などと言って脅迫し、同人らの反抗を抑圧して、前記K管理の腕時計等74点(販売価格合計3億856万4000円)を強取し、第3 正当な理由がないのに、同日午後6時46分頃、東京都港区(住所省略)M方ベランダ内に侵入した。 【証拠の標目】省略【法令の適用】省略【量刑の理由】本件は、被告人が、岐阜県内の民家で行った住居侵入、強盗致傷(判示第1。以下、「岐阜事件」という。)、東京都内の時計店で行った建造物侵入、強盗(判示第2。 以下、「東京事件」という。)及び東京事件の直後に警察の追跡から逃走するために行った住居侵入(判示第3)の事案であり、このうち量刑において重要となるのは岐阜事件及び東京事件の犯情である。 そこで、まず岐阜事件の犯情を見ると、Bら実行役となった4名の若者が高齢の被害者方に押し入った上、Bが中心となって被害者に対しバールで脅したり殴る蹴るなどの暴行を加え、被害者に2階から飛び降りて逃走せざるを得ないほどの恐怖心を与えるとともに、全治約2か月を要する左多発肋骨骨折等の傷害を負わせ、総額約2276万円もの多額の現金等を奪っており、悪質である。かかる犯行において、被告人は、実行犯として関わったものではないため直接被害者に暴行等は加えておらず、また、暴力団との関係が疑われる知人から依頼されたがために本件に関与したという事情はあるものの、報酬を期待する気持ちもあって血気盛んなBをその性質を知りながら犯行グループに誘い入れた上、自らの判断で電話で強盗を行っている最中のBに具体的な指示を出すなど、単なる伝達役以上の役割を果たした。 なお、被害金のうち2096万円が被害 その性質を知りながら犯行グループに誘い入れた上、自らの判断で電話で強盗を行っている最中のBに具体的な指示を出すなど、単なる伝達役以上の役割を果たした。 なお、被害金のうち2096万円が被害者に返還されたが、被害金全額ではない上に被告人が返還に関与したわけではないことからすると大きく酌むことはできない。 次に東京事件の犯情を見ると、実行部隊の4名が現場に赴いてうち被告人を含む3名が被害店舗に侵入し、従業員をナイフで脅すなどした上、商品の高級腕時計等を強取して逃走したものであり、その被害額は販売価格にして合計3億856万4000円と極めて高額である。多くの人が通行する場所、時間に、被害店舗のショーケースをバールで次々と破壊するなど白昼堂々と行われた犯行であり、一般人に恐怖心を与えるなど社会的影響も大きい。かかる犯行において、被告人はG及びIを犯行グループに誘い入れ、Hを含む共犯者らに指示を与えるなど、実行部隊4名の中で中心的な役割を果たした。なお、被告人が本件犯行に及んだ理由として、岐阜事件において強取した現金をBらが持ち逃げしたことの責任として上位者から5000万円もの支払を求められ、自身や家族への危険に対する恐怖心を抱いたという事情があるが、そもそも岐阜事件に加わったことで自ら招いた事態であり、量刑上大きく酌むことはできない。もっとも、覆面やナンバープレート等を入手するなど一応準備はしているものの、直前に狙う店を変更したり、逃走方法もほとんど練らないまま犯行に及ぶなど、被害品を持って逃げ切れる可能性はあまりなかった。そして、実際に時計等の被害品は一応すべて被害者に返還されており、この点は量刑上酌むのが相当である。 以上のような岐阜事件及び東京事件の犯情に加え、被告人が若年であって謝罪文を作成するなど反省の態度を示し、被告人 計等の被害品は一応すべて被害者に返還されており、この点は量刑上酌むのが相当である。 以上のような岐阜事件及び東京事件の犯情に加え、被告人が若年であって謝罪文を作成するなど反省の態度を示し、被告人の母親も東京事件の被害店舗の従業員との示談金200万円のうち92万5000円を出捐し、将来は従前の交友関係を断つべく他県で被告人と同居しての監督を予定している旨述べていることなどからして、被告人に対しては更生も期待できること等の事情も踏まえ、同種事案の量刑傾向も考慮して主文のとおり量刑した。 (求刑-懲役13年弁護人の科刑意見-懲役8年) 令和6年7月12日岐阜地方裁判所刑事部 裁判長裁判官村瀬賢裕 裁判官濵口紗織 裁判官津田康平

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