平成31年2月20日判決言渡し平成30年(行コ)第105号税理士懲戒処分取消損害賠償請求控訴事件原審・大阪地方裁判所平成27年(行ウ)第513号(第一事件),平成28年(行ウ)第124号(第二事件) 主文 1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は控訴人の負担とする。 事実及び理由 第1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す。 2 財務大臣が控訴人に対し平成27年6月9日付けでした税理士懲戒処分を取り消す。 3 被控訴人は,控訴人に対し,220万円及びこれに対する平成27年6月9日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 4 訴訟費用は第1,2審とも被控訴人の負担とする。 5 仮執行宣言第2 事案の概要 1 事案の骨子(1) 本件は,税理士業を営んでいた控訴人が,ア控訴人の所有する神戸市灘区(住所省略)所在のマンションの区分所有権 及びその敷地利用権(以下,これらを併せて「本件マンション」という。)の売却(以下「本件譲渡」という。)をしたことについて,租税特別措置法(平成25年法律第5号による改正前のもの。以下同じ。)35条に基づく居住用財産の譲渡所得の特別控除の適用があることを前提に,課税長期譲渡所得金額を0円として平成23年分の所得税の確定申告(以下「本件確定申告」 という。)をしたところ,財務大臣から,控訴人は本件マンションを主として その居住の用に供していないにもかかわらず上記所得金額を不正に1511万0114円圧縮したなどとして,平成27年6月9日付けで「税理士業務の停止3月」を内容とする税理士懲戒処分(以下「本件処分」という。)を受けたため,被控訴人を相手に,本件処分の取消しを求めるとともに(第一 円圧縮したなどとして,平成27年6月9日付けで「税理士業務の停止3月」を内容とする税理士懲戒処分(以下「本件処分」という。)を受けたため,被控訴人を相手に,本件処分の取消しを求めるとともに(第一事件), イ本件処分は違法であり,同処分により控訴人の名誉等が侵害されたなどとして,国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求として,被控訴人に対し,慰謝料及び弁護士費用相当額の合計220万円及びこれに対する本件処分の日である平成27年6月9日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた(第二事件) 事案である。 (2) 原審は,第一事件に係る訴えは訴えの利益を欠き不適法であるとして,これを却下し,第二事件に係る請求を棄却する旨の判決をしたところ,これを不服とする控訴人が控訴を提起した。 2 法令の定め等及び前提事実 法令の定め等及び前提事実は,次のとおり補正するほかは,原判決の「事実及び理由」の第2の1及び2(2頁26行目~9頁22行目)に記載のとおりであるから,これを引用する。 (1) 5頁3行目の末尾に「のうち」を加える。 (2) 5頁7行目の冒頭に「ア」を加え,同頁20行目の末尾を改行の上,次のと おり加える。 「イ租税特別措置法35条2項は,同条1項の規定の適用は,財務省令で定める書類の添附がある場合に限り適用とすると規定し,租税特別措置法施行規則(平成27年3月31日財務省令第30号による改正前のもの。)18条の2は,租税特別措置法35条2項に規定する財務省令で定める書類として, 同条1項の規定の適用を受けようとする者の住民票の写しを規定している。」 (3) 6頁16行目のから同頁17行目にかけての「及びその敷地利用権(以下,両 令で定める書類として, 同条1項の規定の適用を受けようとする者の住民票の写しを規定している。」 (3) 6頁16行目のから同頁17行目にかけての「及びその敷地利用権(以下,両者を併せて「本件マンション」ということがある。)」を削除する。 (4) 7頁25行目の「とした」の次に「(甲27,乙5)」を加える。 (5) 8頁4行目の「原告は」から同頁6行目の「行ったなど」までを「控訴人は,本件マンションをセカンドハウスとして利用していたため,分離長期譲渡所得 の計算上,本件マンションを譲渡しても租税特別措置法35条を適用できないことを知っていたにもかかわらず,平成23年8月2日,住民基本台帳に係る住所を本件戸建の所在地から本件マンションの所在地に異動し,本件マンションの所在地が記載された住民票の写しを確定申告書に添付することで,意図的に同条を適用して確定申告を行った」に改める。 (6) 8頁9行目の末尾を改行の上,次のとおり加える。 「ア大阪国税局財務事務官は,本件確定申告,上記(4)ウの修正申告,本件マンションの利用形態並びに本件譲渡の経緯及び内容等について,税理士法55条1項及び57条1項に基づく監督上の措置として,平成26年10月23日及び同年12月5日,控訴人を回答者として質問応答を行った(乙10, 12ないし14)。」(7) 8頁10行目の「ア」を「イ」に,同頁14行目の「イ」を「ウ」に,同頁16行目の「ウ」を「エ」に,同頁21行目の「エ」を「オ」に,9頁10行目の「オ」を「カ」に,それぞれ改める。 (8) 8頁11行目の「もって,」の次に「控訴人の平成23年分の所得税の確定 申告に当たり,控訴人の所有する本件マンションを主としてその居住の用に供していないに 」に,それぞれ改める。 (8) 8頁11行目の「もって,」の次に「控訴人の平成23年分の所得税の確定 申告に当たり,控訴人の所有する本件マンションを主としてその居住の用に供していないにもかかわらず,本件マンションを譲渡する直前に住民基本台帳に係る住所を本件マンションの所在地に異動し,本件マンションの所在地が記載された住民票の写しを確定申告書に添付することにより,租税特別措置法35条の規定の適用を受け,所得金額を不正に1511万0114円圧縮して申告 した行為(以下「本件行為」という。)は,税理士法37条に違反するものであ り,同法46条の懲戒処分事由に該当するとして,」を加える。 (9) 8頁20行目の「した」の次に「(乙31)」を加える。 (10) 8頁22行目の「原告に対し,」の次に「控訴人の本件行為は,税理士法37条に違反するものであり,同法46条に該当するとして,」を加え,同頁23行目の「同通知書に」から9頁5行目の「ものであり,」までを削除し,同行目 の「上記過少申告行為」を「本件行為」に改める。 (11) 9頁16行目の末尾を改行の上,次のとおり加える。 「キ控訴人は,平成27年6月25日,上記エの差止めの訴えを取り下げ,被控訴人は,同年7月7日,これに同意した。」 3 争点及び争点に対する当事者の主張 争点及び争点に対する当事者の主張は,次のとおり補正し,後記4のとおり当審における控訴人の補充主張を付加するほかは,原判決の「事実及び理由」の第2の3及び4(9頁23行目~26頁26行目)に記載のとおりであるから,これを引用する。 (1) 11頁7行目の「場合」」の次に「のうち」を加える。 (2) 13頁20行目の「ならない」の次に「,交通手段が自 26頁26行目)に記載のとおりであるから,これを引用する。 (1) 11頁7行目の「場合」」の次に「のうち」を加える。 (2) 13頁20行目の「ならない」の次に「,交通手段が自動車に限られる」を加え,同頁21行目の「不便な家」を「不便であるばかりでなく,緊急を要する事態に対応することが困難な家」に改める。 (3) 13頁25行目の「入居するに際し,」の次に「少なくとも580万円の費用をかけて」を加える。 (4) 14頁4行目の「備わっており,」の次に「心房細動の持病を有するなど」を加える。 (5) 15頁8行目の「このような事情」の次に「,特に自用念書は本件行為ないし本件譲渡と全く関係のない時期に作成されたものであること」を加える。 (6) 16頁9行目の「妻の交友関係のため」を「妻の交友や妻が本件戸建の庭の 樹木の世話をする関係上」に改める。 (7) 17頁12行目の末尾を改行の上,次のとおり加える。 「e 主たる住居に該当するか否かは,主たる住居を譲渡する場合にはこれに代わる居住用財産を取得するのが通常であるなど,一般の資産の譲渡に比して特殊な事情があり,担税力も高くない例が多いことを考慮して設けられたという租税特別措置法35条の趣旨に照らして吟味すべきところ,住民票上の 住所地,年賀状や運転免許証,税理士・公認会計士登録の住所がどこであるかは,主たる住居該当性の判断と関係がない。」(8) 18頁24行目の末尾を改行の上,次のとおり加える。 「a 一般に,課税標準の中には極めて難解なものがあり,また頻繁に改訂されるなどの理由により,専門家であっても理解が容易でなく,法律の解釈, 適用を誤ることがしばしば生じ,過失によって誤った申告をすることは決して珍 中には極めて難解なものがあり,また頻繁に改訂されるなどの理由により,専門家であっても理解が容易でなく,法律の解釈, 適用を誤ることがしばしば生じ,過失によって誤った申告をすることは決して珍しいことではない。したがって,自己脱税の成立要件とされる仮装隠蔽行為とは,例えば,二重帳簿を付ける,架空人の名義を使用するなど,過失による誤った申告(過少申告など)とを区別する明確な要件である。 租税特別措置法35条の適用を受けるには住民票を添付することが必 要であり,控訴人が本件確定申告に当たり,住民票を添付したことは仮装行為には当たらない。」(9) 18頁25行目の冒頭に「b」を加える。 (10) 26頁9行目の「(5)ア及びウ」を「(5)イ及びエ」に改める。 4 当審における控訴人の補充主張 (1) 主たる住居の該当性については多数の事実を総合勘案して判断されるが,当該家屋の入居目的,当該家屋の構造及び設備の状況を軽視することは許されない。また,平成23年当時の控訴人が,本件戸建と本件マンションのいずれをより必要としていたかという事情も重視すべきであるところ,控訴人は,老後の生活のために本件マンションをより必要としていたのであるから,本件マ ンションが本件譲渡当時の控訴人の主たる住居である。 (2) 主たる住居の該当性は,多数の事実を積み重ね,評価分析をして初めて判定できる事柄である。 この点,控訴人は,租税特別措置法35条の法的解釈として,本件マンションが控訴人の主たる住居に該当しなければならないことを認識していたものであるが,仮に,控訴人が自身及び妻の生活状況等を認識していたとしても(た だし,控訴人は,本件戸建と本件マンションにおける水道,電気及びガスの使用量の詳細,平日 ならないことを認識していたものであるが,仮に,控訴人が自身及び妻の生活状況等を認識していたとしても(た だし,控訴人は,本件戸建と本件マンションにおける水道,電気及びガスの使用量の詳細,平日に妻がどこで,どのような生活をしているかといったことを認識していた訳ではない。),控訴人が本件マンションと本件戸建のいずれが主たる住居であるかを正確に判断,認識していたことにはならない。 控訴人は,年賀状や運転免許証の住所,税理士及び公認会計士の登録上の住 所が同条項の適用の有無に影響するとは考えておらず,むしろ,老後を安全に暮らせる住宅として本件マンションを購入したという入居目的,バリアフリー構造を備えているという家屋の構造及び設備の状況などから,本件マンションこそが控訴人の主たる住居に該当すると理解していた。 したがって,控訴人は,本件マンションが主たる住居に該当しないことを知 りながら,事実を仮装して,本件確定申告をしたとはいえない。 第3 当裁判所の判断 1 当裁判所も,第一事件に係る訴えは訴えの利益を欠き不適法であり,第二事件に係る請求は理由がないものと判断する。その理由は,次のとおり補正し,後記2のとおり当審における控訴人の補充主張に対する判断を付加するほかは,原判 決の「事実及び理由」の第3の1及び2(27頁2行目~43頁2行目)に記載のとおりであるから,これを引用する。 (1) 30頁20行目の「11月18日,」の次に「自動車であれば本件戸建から10分もかからない距離にある」を加える。 (2) 31頁8行目の「とおりである」の次に「(控訴人は,本件マンションを主 たる住居とし,本件戸建をセカンドハウスとして利用する目的であったとしな がら,僅か3か月程で住民票上の住所を本件マンシ 8行目の「とおりである」の次に「(控訴人は,本件マンションを主 たる住居とし,本件戸建をセカンドハウスとして利用する目的であったとしな がら,僅か3か月程で住民票上の住所を本件マンションから本件戸建に異動させていて,その理由も明らかにしておらず,住民票の異動が重大なことであるとは考えていなかったなどと述べるが,これまで責任ある税理士としての職務を行ってきた者の主張として信用し難い。また,このような主張をする控訴人が,自用念書の内容については重要なものとして常に認識していたというのも 直ちに採用できない。)」を加える。 (3) 31頁20行目の「自ら」の次に「掃除・」を加える。 (4) 32頁5行目の末尾に「そして,控訴人夫妻宛ての郵便物は,全て本件戸建に郵送されていた。」を加える。 (5) 32頁14行目の末尾を改行の上,次のとおり加える。 「(カ) 控訴人の二女(昭和△年△月△日生)は,平成20年4月から平成23年1月末頃まで,本件戸建で生活していた。」(6) 33頁14行目の「10分」の次に「もかからない」を加える。 (7) 33頁24行目の「受けたため」を「受けて」に改める。 (8) 34頁2行目の「Aの手元に」から同頁3行目の「なかったため」を「Aは」 に改める。 (9) 34頁17行目の「Bは,」から同頁18行目の「平成23年4月頃,」までを「控訴人は,平成23年3月頃,Cから本件マンションの売却に関する広告を出していたところ,控訴人夫妻と旧知の間柄であったBは,その子の就学の都合等から本件マンションの購入を希望し,」に改める。 (10) 34頁21行目の「(このように,」から同頁23行目の「なかった。)」までを削除する。 (11) 35頁12行目の「前提事実(5)アか 本件マンションの購入を希望し,」に改める。 (10) 34頁21行目の「(このように,」から同頁23行目の「なかった。)」までを削除する。 (11) 35頁12行目の「前提事実(5)アからウ」を「前提事実(5)イからエ」に,同行目の「同エ」を「同オ」に,それぞれ改める。 (12) 36頁11行目から同頁12行目にかけての「速やかに」の次に「約58 0万円の費用をかけて」を加える。 (13) 38頁20行目の「主たる生活の本拠」を「主たる生活の拠点」に改める。 (14) 39頁4行目の「できる。」の次に「(むしろ,控訴人は,平成23年3月14日頃,Cから本件マンションの売却に関する広告を出し(控訴人本人),B夫婦に対して本件譲渡をする際に,同人らの住宅ローン借入れの相談に応じたうえで,その後,同人らの住宅ローン借入れの保証人になったことが認められ (甲38),このことは,控訴人が本件マンションを速やかに処分する必要があったことを推認させる。また,控訴人は本件譲渡後も本件戸建で生活をしており,本件戸建のほかに本件マンションに代わる住居を取得するための準備をしていた経過は認められないし,本件マンションから家財等を本件戸建に移すなど,その生活基盤を移すために必要となる行為を行った事情も認められな い。)」を加える。 (15) 39頁10行目の「原告は,」の次に「本件譲渡と全く関係のない時期に」を加える。 (16) 39頁13行目の「明らかではなく,」の次に「本件マンションを購入後も,控訴人の生活の本拠を公証するための住民票の住所地や,運転免許証の住 所,税理士及び公認会計士の登録上の住所等を本件戸建の所在地とするなど,自用念書の趣旨と異なる行動をとっており,」を加える。 (17) 40頁 公証するための住民票の住所地や,運転免許証の住 所,税理士及び公認会計士の登録上の住所等を本件戸建の所在地とするなど,自用念書の趣旨と異なる行動をとっており,」を加える。 (17) 40頁2行目の「見当たらない。」の次に「控訴人は,妻には控訴人の身の回りの世話とは別に,庭の樹木の世話など本件戸建の維持,管理をする必要があったとも主張するが,同主張に係る事情は,妻が本件戸建を主たる生活の拠 点としていた理由を追加するものにすぎず,控訴人の主たる生活の拠点が本件マンションにあったとの認定に資するものではない。」を加える。 (18) 40頁10行目の末尾を改行の上,次のとおり加える。 「控訴人は,租税特別措置法35条の趣旨に照らせば,住民票上の住所地,年賀状や運転免許証,税理士・公認会計士登録の住所がどこであるかは,主たる 住居該当性の判断と関係がない旨主張する。 しかし,ある者が,公的又は社会生活上,表示している住所と,その者の主たる生活の拠点は一致するのが通常であり,この理は,その者が居住用の家屋を複数所有する場合でも異なるものではない。本件では,控訴人の日常生活の状況に加え,控訴人が社会的・対外的に本件戸建を控訴人の住所として明らかにしていることなどをもって,控訴人の主たる住居を本件戸建と判断したもの であって,控訴人の主張は失当である。」(19) 40頁16行目の「原告は,」から同頁18行目の「認められる。」までを「控訴人は,平成15年から平成23年までの間,本件戸建を日常的に利用して日常生活を送っていたと認められ,他方,平成20年以降控訴人夫妻が本件マンションで週末を過ごす機会が減少したというのであるから(補正の上引用 した原判決の「事実及び理由」の第3の2(1)の認定事 常生活を送っていたと認められ,他方,平成20年以降控訴人夫妻が本件マンションで週末を過ごす機会が減少したというのであるから(補正の上引用 した原判決の「事実及び理由」の第3の2(1)の認定事実(以下,単に「認定事実」という。)イ(エ)),平成23年当時,本件マンションは,仕事からの帰りが遅くなったときなどに使用するもので,それ以外に住居として使用していた本件戸建が自らの主たる住居であるとの認識を有していたと推認できる(なお,控訴人は,本件訴訟において,自分の認識としては本件マンションが主たる住 居であったと主張するが,以上に認定した事実関係に照らして,そのような認識であったとは考え難いし,本件確定申告当時,約40年にわたる長い期間税理士業務に携わってきた控訴人において,本件マンションの居住実態に照らし,自己の住民票における住所を本件戸建から本件マンションに異動させておかなければ,本件マンションが主たる住居ではないと税務当局が判断するであろ うことを十分に認識していたというべきである。)。」に改める。 (20) 40頁23行目の「するに当たって,」の次に「本件マンションが主たる住居であるとし,これを証する資料として」を加える。 (21) 41頁12行目の「主張する。」の次に「しかし,控訴人は,約40年にわたる長い期間,税理士業務に携わってきた者であるから,本件譲渡によって譲 渡所得を生じることは十分に認識していたはずであり,本件マンションに自己 の住民票上の住所を異動しなければ,上記特別控除の適用を受けられないことを十分に予期していたものと認められる。また,」を加える。 (22) 41頁15行目から同頁16行目にかけての「仮装行為の存在を認定することができないということにならない。」を「仮装行為 ないことを十分に予期していたものと認められる。また,」を加える。 (22) 41頁15行目から同頁16行目にかけての「仮装行為の存在を認定することができないということにならない。」を「仮装行為を行ったとの認定を否定することはできない。」に改める。 (23) 41頁23行目の「できる」の次に「(甲54,乙18添付⑪)」を加える。 (24) 41頁24行目の「そのような」から同頁25行目の「別論である。」までを「控訴人は,本件戸建が自らの主たる住居であることを認識していたのであるから,そのような居住の実態を反映しない住民票の写しを,上記特別控除を受ける目的で本件確定申告に添付して提出することが許されないことは明ら かである。」に改める。 2 当審における控訴人の補充主張に対する判断(1) 補充主張(1)についてア控訴人は,当該家屋の入居目的,当該家屋の構造及び設備の状況をも考慮すれば,本件マンションが平成23年当時の控訴人の主たる住居である旨主 張する。 この点,控訴人は,今後,控訴人夫妻が老齢化することに対して安全かつ安心して暮らせるようにすることを目的として,平成15年11月18日,利便性に優れ,また,バリアフリー構造などを備えた本件マンションを購入したなどと供述する。 しかし,購入目的がそうであっても,その後,控訴人が,本件マンションをセカンドハウス以上の使い方をした事実は認められず,かえって平成23年当時は,使用実績が明らかに減少していたのであるから(認定事実イ(イ),(エ)),本件マンションが控訴人の主たる住居に当たらないとした前記引用に係る判断を左右しない。 イまた,控訴人は,「主としてその居住の用に供していると認められる」かど うかの判断においては ョンが控訴人の主たる住居に当たらないとした前記引用に係る判断を左右しない。 イまた,控訴人は,「主としてその居住の用に供していると認められる」かど うかの判断においては,控訴人が平成23年当時に本件戸建と本件マンションのいずれをより必要としていたかという事情を重視すべきであり,控訴人は,当時,老後の生活のために本件マンションをより必要としていたのであるから,本件マンションがその当時の控訴人の主たる住居である旨主張する。 しかし,控訴人は,自ら売却の広告を出したうえ,平成23年8月16日, 本件マンションを譲渡しているのであることに照らすと,控訴人が平成23年当時,本件戸建よりも本件マンションをより必要としていたということ自体に疑義があるし,少なくとも本件譲渡の時点で,客観的に主たる生活の拠点たる実体を具備していたのは,本件戸建であると認められる以上,控訴人の主張は,本件マンションが控訴人の主たる住居に当たらないとした前記引 用に係る判断を左右するものではない。 (2) 補充主張(2)について控訴人は,年賀状や運転免許証の住所,税理士及び公認会計士の登録上の住所が租税特別措置法35条の適用の有無に影響するとは考えておらず,むしろ,老後を安全に暮らせる住宅として本件マンションを購入したという入居目的, バリアフリー構造を備えているという家屋の構造及び設備の状況などから,本件マンションこそが控訴人の主たる住居に該当すると認識していたから,本件マンションが主たる住居に該当しないことを知りながら,事実を仮装して,本件確定申告をしたとはいえない旨主張する。 しかし,控訴人は,大阪国税局財務事務官に対する質問応答において(補正 して引用した原判決の「事実及び理由」 を知りながら,事実を仮装して,本件確定申告をしたとはいえない旨主張する。 しかし,控訴人は,大阪国税局財務事務官に対する質問応答において(補正 して引用した原判決の「事実及び理由」の第2の2(5)ア参照),本件マンションは仕事や飲酒のため帰宅が遅くなったときに寝泊りをするなどセカンドハウスとして使用していた,週末に妻とゆっくり過ごす際に利用していた,元気で働けるうちは,本拠は本件戸建であると思っていたなどと回答をしており(乙10,12,13,14),この認識を前提にするならば,控訴人は,本件 戸建が主たる住居であると認識していたものと認められるから,本件マンショ ンを主たる住居として,それに沿った住民票を添付してした本件確定申告は,明らかに事実を仮装したものといわなければならない。 なお,控訴人は,本件訴訟において,東京への出張などで外泊しない日の多くは本件マンションで寝泊まりしていた(甲38),平均すると1週間のうち本件マンションに3日,本件戸建に2日,出張時のホテルに2日,宿泊してい た(控訴人本人)などと,大阪国税局財務事務官に対する上記回答の内容をその後変遷させた供述をしているが,控訴人は,同事務官に対する上記回答が記録された質疑応答記録書を黙読した上で署名押印したことを自認しているし(控訴人本人),同回答には,登記手続のために住民票を異動したものであり,不正に異動させたものではないなどとする控訴人に利益となる弁解主張も記 録されているのであるから,上記回答内容はその当時控訴人が述べていた内容をそのまま記載したものとして十分に信用できるものであり,むしろ,本件訴訟において変遷した控訴人の供述は採用できない。 したがって,控訴人の上記主張は採用できない。 第4 結論 をそのまま記載したものとして十分に信用できるものであり,むしろ,本件訴訟において変遷した控訴人の供述は採用できない。したがって,控訴人の上記主張は採用できない。 第4 結論 以上によると,第一事件に係る訴えは不適法であるから却下し,第二事件に係る請求は理由がないから棄却すべきところ,これと同旨の原判決は相当である。よって,本件控訴は理由がないから棄却することとして,主文のとおり判決する。 大阪高等裁判所第13民事部 裁判長裁判官木納敏和 裁判官森崎英二 裁判官安田大二郎
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