令和2(ワ)18869等 不正競争行為差止等請求事件(本訴事件),損害賠償請求反訴事件(反訴事件)

裁判年月日・裁判所
令和5年5月31日 東京地方裁判所
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判決文本文33,540 文字)

令和5年5月31日判決言渡同日原本領収裁判所書記官令和2年(ワ)第18869号不正競争行為差止等請求事件(本訴事件)令和2年(ワ)第26113号損害賠償請求反訴事件(反訴事件)口頭弁論終結日令和5年4月26日判決 原告(反訴被告)株式会社魚藤(以下「原告」という。)同訴訟代理人弁護士太田宗男大串佳彦 被告(反訴原告) 石田缶詰株式会社(以下「被告石田缶詰」という。) 被告アスト株式会社(以下「被告アスト」という。)上記2名訴訟代理人弁護士中井寛人 千代田 明 夫 主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 原告は、被告石田缶詰に対し、1750万2407円並びにうち657万3409円に対する令和2年4月30日から、うち543万4082円に対す る同年5月1日から及びうち549万4916円に対する同年6月1日から各支払済みまで年3パーセントの割合による金員を支払え。 3 被告石田缶詰のその余の請求を棄却する。 4 訴訟費用は、本訴反訴を通じ、原告に生じた費用及び被告石田缶詰に生じた費用との合計の100分の99並びに被告アストに生じた費用を原告の負担 とし、原告に生じた費用及び被告石田缶詰に生じた費用との合計の100分の 1を被告石田缶詰の負担とする。 5 この判決は、第2項に限り、仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 請求 1 本訴 (1) 主位的請求 じた費用との合計の100分の 1を被告石田缶詰の負担とする。 5 この判決は、第2項に限り、仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 請求 1 本訴 (1) 主位的請求ア被告らは、別紙営業秘密目録記載の営業秘密を使用して長期保存用レトルトパウチ食品を製造、販売してはならない。 イ被告らは、「AST 新・備玄米リゾット」との名称の商品を廃棄せよ。 ウ被告らは、原告に対し、連帯して8250万円及びこれに対する令和元年9月14日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 (2) 予備的請求1被告らは、原告に対し、連帯して6600万円及びこれに対する令和元年9月14日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 (3) 予備的請求2被告石田缶詰は、原告に対し、6600万円及びこれに対する令和元年9月14日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 反訴原告は、被告石田缶詰に対し、1883万7928円及びうち790万89 30円に対する令和2年4月1日から、うち543万4082円に対する同年5月1日から及びうち549万4916円に対する同年6月1日から各支払済みまで年3パーセントの割合による金員を支払え。 第2 事案の概要等 1 事案の要旨 (1) 本訴事件 本訴事件は、主位的に、原告が、被告らに対し、原告との間のレトルトパウチ食品の製造委託契約(以下「本件製造委託契約」という。)に基づいて、原告からレトルトパウチ食品の製造方法に関する別紙営業秘密目録記載の営業秘密(以下、目録記載の順に「本件営業秘密1」、「本件営業秘密2」などといい、これらを併せて「本件各営業秘密」という。)を示された被告石田 缶詰が、本件各営業 に関する別紙営業秘密目録記載の営業秘密(以下、目録記載の順に「本件営業秘密1」、「本件営業秘密2」などといい、これらを併せて「本件各営業秘密」という。)を示された被告石田 缶詰が、本件各営業秘密を被告アストに開示し、かつ、自ら使用して、「AST 新・備玄米リゾット」との商品名の長期保存用レトルトパウチ(以下「被告アスト商品」という。)を製造し、被告アストがこれを販売したものであって、被告石田缶詰の行為は不正競争防止法2条1項7号に、被告アストの行為は同法2条1項8号又は同項9号に、それぞれ該当するとして、 同法3条に基づき、被告らに対し、被告アスト商品の製造及び販売の差止め並びに廃棄を求めるとともに、同法4条に基づき、8250万円の損害賠償金(逸失利益7500万円及び弁護士費用750万円。ただし、逸失利益7500万円については1億5000万円の一部請求。)及びこれに対する不正競争行為の日である令和元年9月14日から支払済みまで平成29年法律 第44号による改正前の民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求め、予備的に、原告が、被告らに対し、被告らが、本件製造委託契約に基づいて製造した「魚藤の手羽先玄米リゾット・ミニ」という名称の商品(以下「原告商品1」という。)のサンプルを原告に無断で使用し、被告アスト商品の賞味期限を設定するなどしたとして、民法709条及び719条に基 づき、連帯して6600万円の損害賠償金及びこれに対する不法行為の日である令和元年9月14日から支払済みまで上記割合による遅延損害金の支払を求め(予備的請求1)、仮に不法行為が成立しないとしても、被告石田缶詰に対し、被告石田缶詰は、原告との間で締結した秘密保持契約に違反して、原告商品1のサンプルを原告に無断で使用し、被告アスト商品の賞味 め(予備的請求1)、仮に不法行為が成立しないとしても、被告石田缶詰に対し、被告石田缶詰は、原告との間で締結した秘密保持契約に違反して、原告商品1のサンプルを原告に無断で使用し、被告アスト商品の賞味期限を 設定したとして、債務不履行に基づき、上記損害賠償金及び遅延損害金の支 払を求める(予備的請求2)事案である。 (2) 反訴事件反訴事件は、被告石田缶詰が、原告に対し、被告石田缶詰は本件製造委託契約に基づいてレトルトパウチ食品を製造し、原告に引き渡したにもかかわらず、原告はその代金を支払わないとして、本件製造委託契約に基づき、未 払代金合計1883万7928円及びうち代金790万8930円に対する同代金の支払期日である令和2年4月1日から、うち代金543万4082円に対する同代金の支払期日である同年5月1日から、及びうち代金549万4916円に対する同代金の支払期日である同年6月1日から、それぞれ支払済みまで民法所定の年3パーセントの割合による遅延損害金の支払を求 める事案である。 2 前提事実(当事者間に争いのない事実並びに後掲証拠(以下、書証番号は特記しない限り枝番を含む。)及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)(1) 当事者等ア原告は、原告代表取締役A(以下「A」という。)により平成23年1 月4日に設立された、加工食品の販売等を主たる業務とする株式会社である。 Aは、同年8月27日時点において、同人の父であるBが代表取締役を務める、有限会社魚藤の取締役でもあった(甲2)。 イ被告石田缶詰は、缶詰等の加工食品の製造等を主たる業務とする株式会 社である。 ウ被告アストは、紙製品等の販売及び輸出入を主たる業務とする株式会社である。 (2) 有限会社魚藤と被告石 被告石田缶詰は、缶詰等の加工食品の製造等を主たる業務とする株式会 社である。 ウ被告アストは、紙製品等の販売及び輸出入を主たる業務とする株式会社である。 (2) 有限会社魚藤と被告石田缶詰との間における秘密保持契約の締結(甲6、86、弁論の全趣旨) 有限会社魚藤及び被告石田缶詰は、平成23年9月頃、被告石田缶詰が、 有限会社魚藤のブランドのレトルトパウチ食品を製造して同社に納品し、同社が被告石田缶詰にその対価を支払うことを内容とする契約(契約の当事者たる地位が有限会社魚藤から原告に移転する前の本件製造委託契約。以下、当事者たる地位の移転の前後を問わず、「本件製造委託契約」という。)を締結し、これに伴い、同月6日、次のア及びイの規定(ただし、「甲」は有限 会社魚藤を、「乙」は被告石田缶詰を、それぞれ示す。)を含む秘密保持契約(以下「本件秘密保持契約」という。)を締結した。 「第1条(定義)「秘密情報」とは、甲が乙に対して契約期間中に開示する技術上、営業上、その他業務上の情報、及び本契約締結の事実をいう。ただし、次のも のは秘密保持対象から除外される。 …(2) 甲から開示を受けた後、乙の責によらないで公知になったもの。 …第2条(秘密保持と流用禁止) 乙は、本契約の期間中、「秘密情報」を甲に納入する製品の生産のためにのみ使用する。 2.乙は、本契約の期間中及びその終了後、「秘密情報」を第三者に開示してはならない。 …」 (3) 原告と被告石田缶詰の取引の経緯(弁論の全趣旨)被告石田缶詰は、平成23年11月頃、本件製造委託契約に基づき、有限会社魚藤から委託を受けて、原告商品1(製造開始当初はトマト味及び和風味の2 3) 原告と被告石田缶詰の取引の経緯(弁論の全趣旨)被告石田缶詰は、平成23年11月頃、本件製造委託契約に基づき、有限会社魚藤から委託を受けて、原告商品1(製造開始当初はトマト味及び和風味の2種であったが、平成25年1月頃からカレー味が追加された。)の製造を開始し、原告に納品するようになった。その後、有限会社魚藤は、徐々 に事業を縮小させ、遅くとも平成30年3月頃までには、原告が本件製造委 託契約の当事者たる地位を引き継ぎ、被告石田缶詰は、原告から委託を受けて原告商品1の製造をするようになった。 被告石田缶詰は、令和元年7月以降、原告から委託を受けて、「長期保存玄米ごはん」という名称の商品(カレーピラフ味、ケチャップライス味及び和風味の3種。以下、「原告商品2」といい、「原告商品1」と併せて「原告 各商品」という。)の製造を開始し、これを納品するようになった。 (4) 被告石田缶詰による被告アスト商品の賞味期限設定の経緯(甲14、15、17、弁論の全趣旨)被告石田缶詰は、令和元年9月下旬頃から、被告アスト商品(トマト味、和風味及びカレー味の3種。)を製造して被告アストに納品し、被告アスト は、同年10月上旬頃から、被告アスト商品の販売を開始した。 被告石田缶詰は、同年9月14日、被告アスト商品の賞味期限を設定するに際し、原告商品1のサンプルを用いて賞味期限設定に関わる評価試験を実施して、同評価試験の結果を被告アストに報告し、被告アストは、被告アスト商品の賞味期限を5年6か月と設定した。 (5) 原告による原告各商品の代金の未払い被告石田缶詰は、原告から委託を受けて原告各商品を製造し、原告に対し、令和2年1月30日、同年2月18日及び同年3月31日に、原告各商品を引き渡した。 原告による原告各商品の代金の未払い被告石田缶詰は、原告から委託を受けて原告各商品を製造し、原告に対し、令和2年1月30日、同年2月18日及び同年3月31日に、原告各商品を引き渡した。 上記各引渡しに係る原告各商品の代金額及び代金支払期日は以下のとおり である。 代金額代金支払期日令和2年1月30日引渡し分 790万8930円同年3月31日同年2月18日引渡し分 543万4082円同年4月30日同年3月31日引渡し分 549万4916円同年5月31日 (6) 原告商品2のパウチ改版について(甲44、72、73、弁論の全趣旨) ア被告石田缶詰の品質管理・商品開発部のC(以下「C」という。)は、原告商品2の開発段階であった令和元年4月19日、原告に対し、原告商品2のパウチの「うら面にもある長期7年保存防災用長期保存食品の文言は、業界用語でしょうか?例えば、賞味期限7年防災用長期保存食品などの文言を検討されては如何でしょうか?」との提案をし、原告はこの 提案を受け入れ、原告商品2のパウチの「長期7年保存」の表示(以下「原表示」という。)を、「賞味期限7年」の表示(以下「改定後表示」という。)に変更することにした。 イ原告は、パウチ印刷会社に対し、改定後表示が記載されたパウチの製造を発注した。 ウ被告石田缶詰の代表取締役D(以下「D」という。)は、令和2年1月28日、原告に対し、次のような記載があるメールを送信した。 「パウチに「賞味期限7年」と表示があるにも関わらず、実際は7年+6ヶ月の賞味期限を印字している。(今回はそれからまた、5ヶ月先付になっている) 我々製造メーカーでは、製造日か した。 「パウチに「賞味期限7年」と表示があるにも関わらず、実際は7年+6ヶ月の賞味期限を印字している。(今回はそれからまた、5ヶ月先付になっている) 我々製造メーカーでは、製造日から賞味期限が「7年」という意味です。 ですので、この商品は製造日から7年経たずに流通したら、賞味期限の先付に当たらないかという疑問があります。…例えば「保管期間8年」となっていれば7年+11ヶ月で「賞味期限7年」ならOKです。 この疑問に納得できるような書面が必要です。 今後、この表示の問題がクリア―できなければ、当社での製造は難しくなります。…」エ原告は、Dからの前記ウのメールを受け、原告商品2のパウチのラベル表示を改定後表示から原表示に変更することとし、パウチ印刷会社に対し、 原表示が記載されたパウチの製造を発注した。 (7) 原告の被告石田缶詰に対する相殺の意思表示ア原告は、令和2年12月16日、被告石田缶詰に対し、原告の被告石田缶詰に対する売買契約に基づく135万4320円の売買代金支払請求権を自働債権、被告石田缶詰の原告に対する前記(5)の未払代金請求権を受働債権として、これらを対当額で相殺する旨の意思表示をした(以下、こ の相殺に係る原告の主張を「相殺の抗弁①」という。)。 なお、原告の被告石田缶詰に対する売買契約に基づく135万4320円の売買代金支払請求権の存在は当事者間に争いがなく、証拠(甲22)及び弁論の全趣旨によれば、同売買代金の支払期日は令和2年4月30日であると認められる。 イ原告は、令和2年12月16日、被告石田缶詰に対し、被告石田缶詰の被用者であるCの行為により原告が前記(6)に係るパウチ改版代相当額の損害を被ったと主張して、原告の被告石田缶詰に対す イ原告は、令和2年12月16日、被告石田缶詰に対し、被告石田缶詰の被用者であるCの行為により原告が前記(6)に係るパウチ改版代相当額の損害を被ったと主張して、原告の被告石田缶詰に対する使用者責任(民法715条1項本文)に基づく43万5600円の損害賠償請求権を自働債権、被告石田缶詰の原告に対する前記(5)の未払代金支払請求権を受働債 権として、これらを対当額で相殺する旨の意思表示をした(以下、この相殺に係る原告の主張を「相殺の抗弁②」という。)。 ウ原告は、令和2年12月16日、被告石田缶詰に対し、原告の本訴請求権を自働債権、被告石田缶詰の原告に対する前記(5)の未払代金支払請求権を受働債権として、これらを対当額で相殺する旨の意思表示をした(以 下、この相殺に係る原告の主張を「相殺の抗弁③」という。)。 3 争点(1) 本訴請求についてア本件各営業秘密の「営業秘密」(不正競争防止法2条6項)該当性(争点1) イ被告石田缶詰が原告から本件各営業秘密を「示された」(不正競争防止 法2条1項7号)といえるか(争点2)ウ被告石田缶詰が「不正の利益を得る目的」又は「損害を加える目的」(不正競争防止法2条1項7号)を有していたか(争点3)エ被告石田缶詰が本件各営業秘密を「使用」又は「開示」(不正競争防止法2条1項7号)したといえるか(争点4) オ被告アストの行為が不正競争防止法2条1項8号又は9号の「不正競争」に該当するか(争点5)カ被告石田缶詰の前提事実(4)の行為等に係る被告らの共同不法行為又は被告石田缶詰の債務不履行の成否(争点6)キ原告の損害の有無及び額(争点7) (2) 反訴請求についてア被告 係る被告らの共同不法行為又は被告石田缶詰の債務不履行の成否(争点6)キ原告の損害の有無及び額(争点7) (2) 反訴請求についてア被告石田缶詰が前提事実(6)の行為につき使用者責任を負うか(争点8)イ前提事実(6)の行為による原告の損害の有無及び額(争点9)ウ相殺の抗弁③の成否(争点10) 4 争点に関する当事者の主張 (1) 争点1(本件各営業秘密の「営業秘密」(不正競争防止法2条6項)該当性)について(原告の主張)ア本件営業秘密1及び2について(ア) 秘密管理性 本件営業秘密1は、原告社内において、印刷物としては原告代表者のデスクにおいてカギをかけて厳重に管理され、データとしてはパスワードの設定されたパソコン内で管理されているため、秘密管理性の要件を満たす。 (イ) 有用性 本件営業秘密1は、防災備蓄食の長期保存を可能とする製造方法又は 製造工程に関する営業秘密である。防災備蓄食の殺菌は、単に殺菌温度を高くして殺菌時間を長くすればよいというわけではない。殺菌時間が長いと製造効率が下がり、製造にかかる時間が増えたり、製品の熱劣化を引き起こしたりする等の問題がある。そのため、食品の美味しさを保ちつつ、細菌類が増殖せず安全な衛生状態のまま賞味期限5年6か月以 上の長期保存が可能となる最適な殺菌条件を含む、本件営業秘密1には、有用性が認められる。 被告らは、F値(一定温度で一定数の細菌を死滅させるのに要する加熱時間)と長期保存又は賞味期限との間に関連性はないなどと主張するが、F値が高いということは、殺菌温度が高く、殺菌時間が長いという こと、すなわち、殺菌強度が強いと 菌を死滅させるのに要する加熱時間)と長期保存又は賞味期限との間に関連性はないなどと主張するが、F値が高いということは、殺菌温度が高く、殺菌時間が長いという こと、すなわち、殺菌強度が強いということを示すため、長期保存との関連性は認められる。被告らの主張するF値4はあくまで最低条件であり、実際にはF値4の殺菌条件では完全に死滅しない菌も多数ある。 原告がF値100以上の殺菌条件と表現している営業秘密は、そうした最低限の条件を当然にクリアしながら、防災備蓄食が本来あるべき長 期保存性を満たしつつ、味と栄養が満足のいくものとなるようにするため、原告が長年にわたり研究し開発してきた成果である。 そして、平成30年8月から令和元年9月までの間に、本件営業秘密1を用いて製造された、原告商品2の試作品である「仮称玄米リゾット」のカレー味、トマト味及び和風味(本件営業秘密2)にも有用性が認め られる。 なお、被告石田缶詰は、取引先に対し、被告石田缶詰はF値100を超える製品を製造することができると宣伝しており、有用性を自認している。 (ウ) 非公知性 本件営業秘密1及び2の内容は一般に知られていないため、非公知性 が認められる。 イ本件営業秘密3について(ア) 秘密管理性本件営業秘密3は、原告各試作品の原材料及び配合割合であるところ、それらの情報は、原告社内において、印刷物としては原告代表者のデス クにおいてカギをかけて厳重に管理され、データとしてはパスワードの設定されたパソコン内で管理されているため、秘密管理性の要件を満たす。 (イ) 有用性原告が開発した防災備蓄食ができるまで、防災備蓄食は、アルファ化 米を使った製品が主流であ 設定されたパソコン内で管理されているため、秘密管理性の要件を満たす。 (イ) 有用性原告が開発した防災備蓄食ができるまで、防災備蓄食は、アルファ化 米を使った製品が主流であり、味等よりも保存期間が重視されていた。 しかし、原告は、長期保存ができるだけではなく、美味しさや安全性も追求し、試行錯誤を経た結果、ようやく本件営業秘密3の原材料及び配合割合にたどり着いた。このような本件営業秘密3の原材料及び配合割合は、防災の分野だけではなく、余剰食品廃棄問題への対策等において も商品価値が高く、有用性が認められる。 (ウ) 非公知性本件営業秘密3は、一般には入手できず、一般に知られていないため、非公知性が認められる。 (被告らの主張) ア本件営業秘密1及び2について(ア) 秘密管理性について原告が本件営業秘密1を原告の主張する態様で管理していたことについては不知であり、仮にそのような態様で管理していたとしても、秘密管理性の要件を満たさない。 (イ) 有用性について F値とは、対象物内のボツリヌス菌を死滅させるのに必要なデータとして算出されたもので、対象物の中心温度を一定に保った上で、それを何分間継続させるかということで測られる。レトルト食品の場合は、F値は4以上でなければならないとされるが、これは、正確には中心温度を121.1℃に保った上で4分間継続することを意味する。 F値は、商品の初回製造時に殺菌用の機械に対象物を入れ、F値を測定するための専用針を対象物に刺して測定する。一定時間加熱するとF値は上昇していき、殺菌条件を満たすF値(レトルト食品の場合は4以上)到達に必要な温度と時間を測定することができる。そして、当該商品については、この初回製 象物に刺して測定する。一定時間加熱するとF値は上昇していき、殺菌条件を満たすF値(レトルト食品の場合は4以上)到達に必要な温度と時間を測定することができる。そして、当該商品については、この初回製造時に測定された温度と時間で殺菌されるこ とになる。 原告は、F値の設定が、長期保存や賞味期限の設定と関連性があるかのような主張をするが、F値は殺菌の過程においてボツリヌス菌を死滅させるのに必要な概念であるから、長期保存や賞味期限の設定とは直接には関係しない。F値が4以上であれば菌は死滅し、その後密封が保た れていれば細菌は増殖しないのであるから、F値を100以上にする必要がない。殺菌温度や殺菌時間は商品の美味しさを保つためには低いほうがよく、どの製造業者も殺菌時間をできるだけ短くしたいのであるから、著しく高いF値に有用性などない。 また、Dは、被告石田缶詰はF値100を超える製品を製造すること ができるなどと取引先に対して述べたことはない。 したがって、防災備蓄食の長期保存を可能とする最適な殺菌条件としてF値が100以上である必要は全くなく、本件営業秘密1及び2に有用性はない。 (ウ) 非公知性 「300キロカロリー以上」、「賞味期限5年6か月以上の長期保存が 可能」、「玄米を用いたレトルトパウチ食品」との特徴は、世の中に出回っている多くの商品が有している。 また、缶詰、瓶詰、レトルト食品を製造するに際しては、一般的に、当該食品に必要とされるF値を得るための温度、圧力及び時間がある。 被告石田缶詰においても、多くの長期保存レトルト食品メーカーと同様 に、新製品製造時に殺菌致死率を計測機にて測定している。また、出来上がったリゾットをレトルト殺菌する工程は多くの製造工場で同様の方法で処理が行われ も、多くの長期保存レトルト食品メーカーと同様 に、新製品製造時に殺菌致死率を計測機にて測定している。また、出来上がったリゾットをレトルト殺菌する工程は多くの製造工場で同様の方法で処理が行われているのであるから、非公知性はない。 イ本件営業秘密3について(ア) 秘密管理性について 原告が本件営業秘密3を原告の主張する態様で管理していたことについては不知であり、仮にそのような態様で管理していたとしても、秘密管理性の要件を満たさない。 (イ) 有用性及び非公知性についてリゾットの原材料や配合割合については市販の書物やクックパッド等 のインターネット上の情報によって広く知れ渡っているので一般的に有用性や非公知性はない。 また、原告指摘の余剰食品廃棄問題への対策という点についても、レトルト食品は、過熱をする分、生ものより日持ちすることから、廃棄しないで済むというだけのことにすぎない。 (2) 争点2(被告石田缶詰が原告から本件各営業秘密を「示された」(不正競争防止法2条1項7号)といえるか)について(原告の主張)ア本件営業秘密1及び2についてレトルト食品は、細菌類が増殖せず、賞味期限内において品質が保たれ る温度及び時間により、加圧加熱殺菌されるところ、Aとその父は、防災 備蓄食の開発過程において、レトルト食品の長期保存を可能にする最適な殺菌条件が、殺菌温度を125℃、殺菌時間を49分とすることであることを発見した。 そして、被告石田缶詰は、有限会社魚藤又は原告から原告各商品の製造委託を受ける過程で、上記のノウハウを把握するに至った。具体的には、 原告は、原告商品2の初回の試作時、玄米に芯が残っていたため、被告石田缶詰の担当者に対して、殺菌条件を殺菌温度125 品の製造委託を受ける過程で、上記のノウハウを把握するに至った。具体的には、 原告は、原告商品2の初回の試作時、玄米に芯が残っていたため、被告石田缶詰の担当者に対して、殺菌条件を殺菌温度125℃、殺菌時間を49分に設定するよう口頭で指示し、被告石田缶詰は、これに基づいて原告各商品を製造していたのであり、この過程で本件営業秘密1及び2の内容を原告から示されたといえる。 なお、被告石田缶詰が原告の指示に基づいて作成した、原告商品2の製造過程を示す別紙「製造フローダイアグラム」には、殺菌温度120℃、殺菌時間49分と記載されているが、殺菌温度125℃、殺菌時間49分の誤記である。このことは、平成25年3月及び6月に被告石田缶詰において試作された手羽先カレーの「試作手順書」(甲53)の右下段の「殺 菌条件」の箇所に、「リゾットと同一」、「殺菌温度125℃」と記載されていることからも裏付けられる。 イ本件営業秘密3について原告各試作品のレシピを開発したのは原告であり、被告石田缶詰は、原告から同レシピを示されて、原告各商品の開発に当たっていたものである。 また、原告は、試作の際、被告石田缶詰に地鶏、銘柄鳥、オートミール、緑茶、鮭フレーク、ズワイガニフレーク、豚足、中国産米などの原材料を無償で提供している。玄米は、被告石田缶詰が買い取ったが、原告が提供したものである。 そして、原告は、原材料の配合や味付け、カロリー、殺菌条件等につい て細かく指示を出し、被告石田缶詰は、これを踏まえて商品を開発し、製 造していたにすぎない。 これに対し、被告石田缶詰は、原告が試作の費用を支出したことがないなどと主張するが、上記のとおり、原材料は原告が提供し、商品化率も高かったため、原告は、被告石田缶詰か 造していたにすぎない。 これに対し、被告石田缶詰は、原告が試作の費用を支出したことがないなどと主張するが、上記のとおり、原材料は原告が提供し、商品化率も高かったため、原告は、被告石田缶詰から費用を請求されなかったにすぎない。 (被告らの主張)ア本件営業秘密1及び2について被告石田缶詰は、本件製造委託契約締結当初、有限会社魚藤から、原告商品1の製造方法について、殺菌の際の設定温度と設定時間を指示されたことはあるが、F値については何も聞かされていない。 また、原告が証拠として提出している別紙「製造フローダイアグラム」は、そもそも被告石田缶詰が作成したものであるし、同書面に記載のある「120℃49分」との記載は、被告石田缶詰が原告とは異なる顧客から受注した商品における殺菌温度と殺菌時間を参考に、被告石田缶詰が記載したものにすぎないから、原告から指示を受けて記載したものではない。 さらに、上記「120℃49分」の記載をもとにすると、F値は100に到達しない。本件訴訟の過程でこれに気付いた原告は、同記載は誤記であり、真実は「125℃49分」であるなどと主張を変遷させたと推察され、この点からも原告の主張は、信用することができず、理由がない。 加えて、原告は、原告商品2とは全く関係のない、平成25年3月及び 6月に試作された「手羽先カレー」の「試作手順書」に、「【殺菌条件】リゾットと同一」、「殺菌温度125℃」との記載があることをもって、原告が上記殺菌条件を示したことの裏付けであると主張するが、ここでいう「リゾット」も、「手羽先カレー」も、いずれも手羽先が入っているものであり、その骨を柔らかくする必要性があったことから、殺菌温度を高く したにすぎない。したがって、原告商品2の開発過程におい 「リゾット」も、「手羽先カレー」も、いずれも手羽先が入っているものであり、その骨を柔らかくする必要性があったことから、殺菌温度を高く したにすぎない。したがって、原告商品2の開発過程において、上記殺菌 条件を指示したとの原告の主張を裏付けるものではない。 イ本件営業秘密3について原告は、原告各試作品のレシピが、原告の営業秘密であるなどと主張するが、これらについて原告が開発を行った事実はなく、原告は開発のための費用を一切負担していない。 また、原告は、原告商品2が完成するまで、アレルギーフリーや300キロカロリーなどといった自らが入札や販売において有利になる一般的条件や、うまみ・甘味を増やせ(減らせ)、水分量を増やせ(減らせ)といった感覚的な要望を被告石田缶詰に伝えるのみで、開発に必要な原材料や労力、施設稼働に必要な技術、費用等は全て被告石田缶詰によって 賄われていた。 なお、原告が原告の営業秘密であると主張する、原告各試作品の原材料及び配分割合が記載された「原材料規格書」(甲28)及び「一括表示(案)」(甲29)は、原告ではなく被告石田缶詰が作成したものである。 「原材料規格書」には、右下に「株式会社魚藤」と記載されているが、 これは原告が直接顧客に商品提供の資料として使用できるよう、好意で付したにすぎない。 したがって、本件営業秘密3は原告が被告石田缶詰に示したものではない。 (3) 争点3(被告石田缶詰が「不正の利益を得る目的」又は「損害を加える目 的」(不正競争防止法2条1項7号)を有していたか)について(原告の主張)被告石田缶詰は、原告各商品の製造方法並びに原材料及び配合割合を知り得る立場にあることを奇貨として、営業利益を得るために、原告に無断で被告アストに 有していたか)について(原告の主張)被告石田缶詰は、原告各商品の製造方法並びに原材料及び配合割合を知り得る立場にあることを奇貨として、営業利益を得るために、原告に無断で被告アストに本件各営業秘密を開示し、被告アスト商品を製造した。 (被告らの主張) 原告の主張を争う。 被告石田缶詰に、原告に対する関係で不当な利益を得る目的や不当な損害を与える目的は一切ない。 (4) 争点4(被告石田缶詰が本件各営業秘密を「使用」又は「開示」(不正競争防止法2条1項7号)したといえるか)について (原告の主張)ア本件営業秘密1及び2について被告石田缶詰は、被告アスト商品の開発及び製造に使用するため、被告アストに本件営業秘密1及び2を「開示」し、自ら「使用」したといえる。 被告石田缶詰は、被告アスト商品のF値は15ないし30程度であると 主張するが、仮にF値が20程度であれば、玄米の芯が残ることになり、顧客からクレームが入るものと解されるが、被告らによればそのようなクレームはないとのことであるから、被告アスト商品は、原告が口頭にて指示した、殺菌温度125℃、殺菌時間49分という殺菌条件にて製造されたと解される。 さらに、Dは、F値100を超える商品を製造できる旨を宣伝していた。 株式会社東和食彩の代表取締役であるEは、杉田エース株式会社のF氏から、石田缶詰の社長がそのような宣伝をしていることを聞いている。 さらに、被告石田缶詰は、原告経由でザ・パッド株式会社から依頼を受けて手羽先玄米リゾットを製造し、販売していたが、その他にも、原告に 無断で他のザ・パッド株式会社の製品を製造し、販売するなど、これまでの原告と被告石田缶詰との間の取引経過において多数の問題があり 手羽先玄米リゾットを製造し、販売していたが、その他にも、原告に 無断で他のザ・パッド株式会社の製品を製造し、販売するなど、これまでの原告と被告石田缶詰との間の取引経過において多数の問題があり、本件訴訟に至っている。このような被告石田缶詰の対応も、被告石田缶詰の本件各営業秘密の「使用」又は「開示」を基礎づける間接事実となる。 以上の間接事実によれば、被告石田缶詰は、本件営業秘密1及び2を被 告アストに「開示」し、自ら「使用」したといえる。 イ本件営業秘密3について原告商品2と被告アスト商品には、3種類の味(カレー、トマト及び和風)の玄米リゾットレトルトパウチ食品であること、アレルゲン特定原材料を除去、無添加、一袋当たりエネルギー300kcal以上、内容量230g前後、5年6か月以上の長期保存という多数の共通点があることを 踏まえると、被告石田缶詰は、本件営業秘密3を被告アストに「開示」し、自ら「使用」したといえる。 また、被告アスト商品の味は原告商品2と同じであったと複数の第三者が感じたことから、被告アスト商品は、原告各試作品の原材料及び配合割合を使って製造したものと解される。 さらに、「一括表示(案)」と題する書面(乙19)に記載された被告アスト商品の原材料は、次のとおり原告各試作品と共通しているし、被告アスト商品と原告各試作品は、いずれの味においても、玄米の配合割合が23%と同一である。 ① カレー味 玄米(国産)、たまねぎ(国産)、にんじん(国産)、オリーブオイル(海外)、トマトペースト(プロムナット社)、トマトケチャップ(ナガノトマト社)、上白糖(国内製造)、並塩(国内製造)、かつお濃縮だし(マルハチ村松社)、カレー粉(ヱスビー食品社)、昆布エキスCC(マルハチ村松社 ペースト(プロムナット社)、トマトケチャップ(ナガノトマト社)、上白糖(国内製造)、並塩(国内製造)、かつお濃縮だし(マルハチ村松社)、カレー粉(ヱスビー食品社)、昆布エキスCC(マルハチ村松社)、冷凍おろし生にんにく(中国)、冷凍ジンジャーペース トST(中国、あさの社)、ガラムマサラ(ギャバン社)、スーパー酵母エキス(味の素社)② トマト味玄米(国産)、たまねぎ(国産)、トマトペースト(プロムナット社)、オリーブオイル(海外)、上白糖(国内製造)、並塩(国内製造)、冷凍 おろし生にんにく(中国)、スーパー酵母エキス(味の素社)、ホワイト ペッパーS60(カネカサンスパイス社)、ローレル末(カネカサンスパイス社)③ 和風味玄米(国産)、オリーブオイル(海外)、上白糖(国内製造)、並塩(国内製造)、スーパー酵母エキス(味の素社) したがって、被告石田缶詰は、本件営業秘密3を、被告アスト商品の製造・開発に使用するために被告アストに「開示」し、自ら「使用」したといえる。 (被告らの主張)ア本件営業秘密1及び2について 原告は、被告アスト商品がF値を100とする殺菌条件によって製造されたと主張するが、被告アスト商品の3つのサンプルについて測定したF値は、下記のとおりであり、到底100に及ぶものではない。そして、これらのF値を前提に、被告アスト商品の初回製造時に設定した殺菌温度と殺菌時間は、カレー味とトマト味については120℃、40分であり、和 風味は120℃、35分であり、F値は、次のとおり、100には及ばない。 カレー味 19.17、20.98、26.69和風味 22.40、22.53、28.27トマト味 17.83、 あり、F値は、次のとおり、100には及ばない。 カレー味 19.17、20.98、26.69和風味 22.40、22.53、28.27トマト味 17.83、18.71、25.53 このように、被告石田缶詰は、被告アスト商品について、初回製造時からF値が100になるような殺菌工程で製造を行っていない。 したがって、被告石田缶詰は本件営業秘密1及び2を「使用」又は「開示」していない。 イ本件営業秘密3について 原告各試作品の原材料と被告アスト商品の原材料は、いずれもトマト味 の米飯類(玄米、たまねぎ、にんにく、トマトペースト、オリーブオイル、砂糖、食塩、こしょう、酵母エキス)、和風味の米飯類(玄米、オリーブオイル、砂糖、食塩)、カレー味の米飯類(玄米、たまねぎ、にんじん、にんにく、しょうが、オリーブオイル、トマトペースト・ケチャップ、カレー粉、ガラムマサラ、食塩、酵母エキス)に一般的に共通して用いられ るものであり、特筆すべきものではない。むしろ、原告各試作品のトマト味ではワインを使っているが、被告アスト商品のトマト味ではワインは使っていない点、原告各試作品の和風味ではかつお、昆布、ホタテのだし(液体)を使っているが、被告アスト商品の和風味では粉末のだしの素を使っている点、原告各試作品のカレー味ではブドウ糖果糖液糖を使ってい るが、被告アスト商品のカレー味ではこれを使わず上白糖の配合割合を増やしている点など、細かい点を挙げれば違いは浮き彫りになるし、配合割合は玄米を除いて全て異なっているから、本件営業秘密3を「使用」又は「開示」していない。なお、共通の原料の仕入れ先がある点は、これらの製品を被告石田缶詰が製造していることから特異なことではないし、玄米 を除いて全て異なっているから、本件営業秘密3を「使用」又は「開示」していない。なお、共通の原料の仕入れ先がある点は、これらの製品を被告石田缶詰が製造していることから特異なことではないし、玄米 を除き原告から原材料の仕入れ先の指定はないから、これらが共通しているからといって、被告石田缶詰が本件営業秘密3を「使用」又は「開示」したことにはならない。 (5) 争点5(被告アストの行為が不正競争防止法2条1項8号又は9号の「不正競争」に該当するか)について (原告の主張)被告アストは、被告石田缶詰が、被告アストに対し、不正な目的で本件各営業秘密を開示したことを知りながら、被告石田缶詰に本件各営業秘密を使用して被告アスト商品を製造させ、これを販売した。 したがって、被告アストの行為は、不正競争防止法2条1項8号又は9号 の「不正競争」に該当し、被告アストは不正競争防止法違反の責任を負う。 (被告アストの主張)被告アストは、被告アスト商品の開発過程において、原告各商品のことは一切関知しておらず、ましてや、原告各商品に係るノウハウ等に関する資料を被告石田缶詰から受領したことは一切ない。 したがって、被告アストには本件各営業秘密の「取得」行為がなく、「開 示」又は「使用」もしていないから、被告アストの行為は不正競争防止法上の「不正競争」に該当しない。 (6) 争点6(被告石田缶詰の前提事実(4)の行為等に係る被告らの共同不法行為又は被告石田缶詰の債務不履行の成否)について(原告の主張) ア原告は、平成30年10月に原告各試作品を完成させ、被告石田缶詰に原告商品2の製造を依頼したが、被告石田缶詰から、「工場の受注状況が忙しい」等といわれ、製造に入ることを待たされ、実際に被告石田缶 ア原告は、平成30年10月に原告各試作品を完成させ、被告石田缶詰に原告商品2の製造を依頼したが、被告石田缶詰から、「工場の受注状況が忙しい」等といわれ、製造に入ることを待たされ、実際に被告石田缶詰において原告商品2の製造が開始されたのは、令和元年8月になってからであった。 被告石田缶詰は、この期間に、被告アスト商品を開発、製造するとともに、原告商品1の検査用サンプルを使用して賞味期限設定に関わる評価試験を行い、被告アストに対し、「評価試験結果報告書」(甲17)により賞味期限設定にかかわる評価試験の結果報告をし、被告アスト商品の賞味期限設定の根拠として使用した。 被告石田缶詰は、原告の開発した原告商品2が先に製造販売されることを防ぐ目的で、原告からの受注を遅らせていたのであり、また、原告との契約上の地位を悪用し、原告が開発した原告商品1の検査用サンプルを無断で利用し、被告アストに営業をしたのであって、これらの行為は原告に対する不法行為を構成する。 すなわち、製品の製造委託契約を締結した製造受託者は、同契約に付 随して製造委託者から開示された企業秘密やノウハウについて、自由経済社会の取引秩序を著しく害する方法や態様で利用して委託者の営業活動上の利益に損害を与えることがないように注意する注意義務があり、それに違反して委託者に損害を与えた場合には、民法709条の不法行為責任を負う。 本件において、原告商品1の検査用サンプルは、有限会社魚藤又は原告が、蓄積していた技術開発力をもとに、多大な期間、労力及び資金を費やして開発した長期保存食品の製造技術の成果及び同製造のノウハウが集積されたものであり、外部に公表することなく保有していたものである。 被告石田缶詰は、本件製造委託契約上の地位を悪用し 力及び資金を費やして開発した長期保存食品の製造技術の成果及び同製造のノウハウが集積されたものであり、外部に公表することなく保有していたものである。 被告石田缶詰は、本件製造委託契約上の地位を悪用し、その知り得た情報 である原告商品1の商品データを無断で利用し、被告アスト商品の賞味期限の設定根拠として使用した。したがって、被告石田缶詰は、民法709条に基づき、原告に対し、損害賠償責任を負う。 そして、被告アストは、被告石田缶詰の上記のような違法行為を知りながら上記不法行為に加担したのであり、原告がこれにより被った責任に つき被告石田缶詰と共同不法行為責任を負う。 イ被告石田缶詰は、日本缶詰瓶詰レトルト食品協会の「缶詰およびびん詰製品の賞味期限表示に関するガイドライン」に基づき、類似商品を用いて賞味期限を設定する根拠とすることは許容されると主張する。 しかし、「食品期限表示の設定のためのガイドライン」には、「個々の食 品の特性に十分配慮した上で、食品の安全性や品質等を的確に評価するための客観的な項目(指標)に基づき、期限を設定する必要がある。」、「本来、個々の食品ごとに試験・検査を行い、科学的・合理的に期限を設定すべきである」、「期限表示を行う製造者等は、期限設定の設定根拠に関する資料等を整備・保管し、消費者等から求められたときには情報 提供するよう努めるべきである」と記載されていることからすれば、類 似商品による賞味期限の設定はあくまで例外的な扱いにすぎず、安易に拡大解釈して、賞味期限の設定根拠を曖昧にすべきではない。 また、原告商品1は、「F値100以上、骨あり、アレルギー物質入り、300kcal以下」であるのに対し、被告アスト商品は「F値20程度、骨なし、ノンアレルゲン、300kcal以上」 べきではない。 また、原告商品1は、「F値100以上、骨あり、アレルギー物質入り、300kcal以下」であるのに対し、被告アスト商品は「F値20程度、骨なし、ノンアレルゲン、300kcal以上」であり、およそ類 似商品とはいえず、被告アスト商品の賞味期限の設定根拠として原告商品1を使用することはできないはずである。 さらに、製造業者は、賞味期限又は消費期限の表示の内容が正しいことについて責任を負っており、これらが適切に設定されなかった場合には、食品衛生法及びJAS法に基づき、責任を負うことになる。この観点か らも、被告石田缶詰の反論は理由がない。 ウ仮に、被告石田缶詰の行為が不法行為を構成しないとしても、有限会社魚藤と被告石田缶詰との間では、本件秘密保持契約が締結されており、原告商品1の検査用サンプルは、本件秘密保持契約第1条の定める秘密情報に当たり、同第2条において、被告石田缶詰は、秘密情報を原告に 納入する製品の生産のために使用するものとされ、第三者に開示してはならない旨規定されているにもかかわらず、被告石田缶詰は、同義務に違反したといえる。 したがって、少なくとも被告石田缶詰は、原告に対し、債務履行責任を負う。 (被告らの主張)ア被告石田缶詰が、被告アスト商品の開発等のために原告商品2の受注を引き延ばした事実はない。原告商品2の販売開始が令和元年7月になったのは、商品内容を適切に反映したパウチのラベルが出来上がってこなかったことが原因である。パウチが完成したのは令和元年7月であり、 その後原告から原告商品2の発注があり、すぐに製造にとりかかってい る。 被告石田缶詰は、被告アスト商品の賞味期限の設定根拠に、被告石田缶詰が自主的に保管していた原告商品1のサンプルにつき賞味 原告から原告商品2の発注があり、すぐに製造にとりかかってい る。 被告石田缶詰は、被告アスト商品の賞味期限の設定根拠に、被告石田缶詰が自主的に保管していた原告商品1のサンプルにつき賞味期限に関する検査を行い、「評価試験結果報告書」(甲17)を作成したが、原告商品1のサンプル以外に、原告各商品に関する検査データやノウハウは用 いていない。 そして、厚生労働省及び農林水産省により共同で策定された「食品期限表示の設定のためのガイドライン」によると、「その特性が類似している食品の試験・検査結果等を参考にすることにより、期限を設定することも可能である。」と記載されていることから、同一工場で製造した類似商 品を新製品の賞味期限の設定に使用することに法的問題はない。このように、新製品の賞味期限の設定は、過去に同じ工場で製造した類似商品をもとに、理化学的データ(塩分濃度とpH値)の評価、認定検査員による官能試験などを実施して行われるのが通常である。そうでなければ、新製品について賞味期限の設定ができなくなることからも明らかである。 また、消費者庁が参照を推奨する各団体のガイドライン、例えば被告石田缶詰が所属する日本缶詰瓶詰レトルト食品協会の「缶詰およびびん詰製品の賞味期限表示に関するガイドライン」は、缶詰及び瓶詰製品について自社製品以外の資料を賞味期限設定の根拠にできることを前提としており、他社で製造されたレトルト食品についてこれを賞味期限設定根 拠に用いることは許容されているといえる。 さらに、原告自身、原告商品2の賞味期限を7年6か月にするよう被告石田缶詰に求めてきているのであり、その行動自体が自社で製造していない商品を賞味期限の設定根拠として用いることを容認しているといえる。 イ被告石田缶詰 賞味期限を7年6か月にするよう被告石田缶詰に求めてきているのであり、その行動自体が自社で製造していない商品を賞味期限の設定根拠として用いることを容認しているといえる。 イ被告石田缶詰は、本件秘密保持契約の契約者たる地位が有限会社魚藤か ら原告に移転したことを承諾したことはなく、本件秘密保持契約の効力は被告石田缶詰には及ばない。 仮に、本件秘密保持契約の効力が被告石田缶詰に及ぶとしても、被告石田缶詰が用いた原告商品1のサンプルは、既に市販されていたものと同一のものであり、一般消費者が購入するのも可能で、「乙の責によらない で公知になったもの」(本件秘密保持契約第1条2号)であるから、本件秘密保持契約第1条の定める秘密情報に当たらない。 ウよって、被告石田缶詰が同社の行為につき不法行為責任又は債務不履行責任を負うことはなく、したがって、被告アストも不法行為責任を負うことはない。 (7) 争点7(原告の損害の有無及び額)について(原告の主張)ア主位的請求に係る損害(ア) 逸失利益について被告石田缶詰の被告アスト商品1個当たりの利益額は100円(販売 価格が130円で、そのうち製造原価が30円として計算)、被告アストの利益額は卸価格を280円とすると、取得価格130円との差額150円と考えられる。 被告石田缶詰の製造販売個数は、被告らの年間最低契約個数の60万食と同数の60万食とする。 そうすると被告石田缶詰の利益額は6000万円、被告アストの利益額は9000万円となり、その合計は1億5000万円となる。 被告らの侵害行為により、被告らが受けた利益の額は、不正競争防止法5条2項により原告の損害額と推定されるところ、このうちの半分の7500万円を一部請求する。 計は1億5000万円となる。 被告らの侵害行為により、被告らが受けた利益の額は、不正競争防止法5条2項により原告の損害額と推定されるところ、このうちの半分の7500万円を一部請求する。 したがって、原告の逸失利益は7500万円となる。 (イ) 弁護士費用について原告は、本件の訴訟遂行を弁護士に委任したのであり、被告らの行為と相当因果関係のある弁護士費用は750万円をくだらない。 (ウ) 小括以上によれば、原告の被った損害は8250万円となる。 イ予備的請求1に係る損害(ア) 逸失利益について原告は、被告らの前記(6)(原告の主張)のとおりの不法行為により、原告商品2の完成から相当期間、原告商品2を販売することができなかった。仮に、平成30年度中に原告商品2を販売することができていれ ば、1年間で60万食を販売することが可能であり、1 個当たりの利益額を100円とすれば、6000万円以上の利益を得ることができたはずである。 (イ) 弁護士費用について原告は、本件の訴訟遂行を弁護士に委任したのであり、被告らの行為 と相当因果関係のある弁護士費用は600万円をくだらない。 (ウ) 小括以上によれば、原告の被った損害は6600万円となる。 ウ予備的請求2に係る損害原告は、被告石田缶詰による前記(6)(原告の主張)の債務不履行によ り、前記イと同様に、逸失利益6000万円及び弁護士費用600万円の損害を被った。 以上によれば、原告の被った損害額は6600万円となる。 (被告らの主張)損害発生の事実は否認し、法的主張は争う。 (8) 争点8(被告石田缶詰が前提事実(6)の行為につき使用者責任を負うか) の被った損害額は6600万円となる。 (被告らの主張)損害発生の事実は否認し、法的主張は争う。 (8) 争点8(被告石田缶詰が前提事実(6)の行為につき使用者責任を負うか) について(原告の主張)原告商品2のパウチについては、製造委託先である被告石田缶詰及び田中製餡株式会社の品質管理担当者が原材料の表示等のパウチのラベル表示を行っていた。 Cは、平成31年4月19日、パウチのラベル表示について、Dに記載内容を確認する等して、パウチ印刷会社に正しい指示を行わなければならなかったにもかかわらず、これを怠り、パウチのラベルの原表示を改定後表示に修正するよう指示した。 そして、パウチのラベルの印刷会社が上記指示に従い、原表示を改定後表 示に修正してパウチのラベルを印刷していたところ、令和2年初め頃になって、突然、Dが、パウチのラベル表示が改定後表示のままでは今後原告商品2を製造しないなどと述べたため、パウチのラベル表示を原表示に戻すことになり、本来不要であったパウチ改版の費用43万5600円が生じることとなった。 被告石田缶詰は、パウチのラベル表示については、原告がその内容を決定し、パウチ印刷会社に発注するものであるなどと主張するが、被告石田缶詰は、製造業者としてラベルのパウチ表示に関するやりとりに参加していた上、原告より強い立場にあったから、自らの決定権限を否定するのは、無責任な対応であるといわざるを得ない。 したがって、上記Cの行為は原告に対する不法行為に該当し、Cの使用者である被告石田缶詰は民法715条1項本文に基づいて使用者責任を負う。 (被告石田缶詰の主張)パウチのラベル表示については、原告がその内容を決 は原告に対する不法行為に該当し、Cの使用者である被告石田缶詰は民法715条1項本文に基づいて使用者責任を負う。 (被告石田缶詰の主張)パウチのラベル表示については、原告がその内容を決定し、印刷会社に発注するものであり、被告石田缶詰にその内容を決定する権限があるものでは ない。原告は自らの判断で印刷会社に改版を発注し、費用が発生したのであ り、被告石田缶詰の不法行為が問題となるようなものではない。 また、Cがパウチのラベル表示について意見を述べたことは認めるが、指示はしていない。Cは、原表示の「長期保存」という文言は消費者にとってわかりにくいことから、食品衛生法等で定められた「賞味期限」という文言を使うことをアドバイスしたにすぎないのであって、パウチのラベル表示の 内容を最終的に決めるのは原告である。 また、Dが、「「賞味期限」の表記のままでは今後製造しない。」と発言したことはない。Dが指摘したのは、パウチの改定後表示とパウチの裏面に印刷された賞味期限の日時の印字の間のそごについてである。すなわち、Dは、改定後表示において「賞味期限7年」と記載しておきながら、製造日から7 年11か月先の日付けを印字することの問題点を指摘したにすぎない。 したがって、Cのアドバイスが不法行為となることはないし、被告石田缶詰がパウチのラベル表示の変更について使用者責任を負うことはない。 (9) 争点9(前提事実(6)の行為による原告の損害の有無及び額)について(原告の主張) 被告石田缶詰の前記(8)(原告の主張)の不法行為により、余分にかかったパウチ改版の費用43万5600円が生じ、パウチ印刷会社は、田中製餡株式会社に対して同費用の請求をした。そして、田中製餡株式会社から、サンズ株 記(8)(原告の主張)の不法行為により、余分にかかったパウチ改版の費用43万5600円が生じ、パウチ印刷会社は、田中製餡株式会社に対して同費用の請求をした。そして、田中製餡株式会社から、サンズ株式会社を通じて、原告に対して上記費用の支払請求がされている。 したがって、原告は、43万5600円の損害を被ったといえる。 (被告らの主張)損害発生の事実は否認し、法的主張は争う。 (10) 争点10(相殺の抗弁③の成否)について(原告の主張)本件において、本訴における原告の被告石田缶詰に対する不正競争防止法 違反等に基づく損害賠償請求権と、反訴における被告石田缶詰の原告に対す る本件製造委託契約に基づく代金請求権とは、ともに原告及び被告石田缶詰に関連する本件製造委託契約を原因とする金銭債権であり、両債権は相互に現実の履行をさせなければならない特別の利益があるものとはいえない。 また、上記両債権の間で相殺を認めても、相手方に不利益を与えることはなく、むしろ、相殺による清算的調整を図ることが当事者双方の便宜と公平 にかない、法律関係を簡明にするといえる。 そして、本訴及び反訴が併合して審理判断される限り、相殺の抗弁について判断しても、判断の矛盾抵触のおそれは生じないから、相殺の抗弁③を主張することは、重複起訴を禁じた民訴法142条の趣旨に反しない。 (被告石田缶詰の主張) 相殺が認められるためには、自働債権と受働債権双方の債権が有効に成立している必要がある。しかし、本件において、原告が自働債権として主張する損害賠償請求権は成立しておらず、相殺の要件を満たさない。 また、原告の相殺の抗弁③は、係属中の別訴において訴訟物となっている債権を自働債権として、他の訴訟において相殺の抗弁を主張することを 張する損害賠償請求権は成立しておらず、相殺の要件を満たさない。 また、原告の相殺の抗弁③は、係属中の別訴において訴訟物となっている債権を自働債権として、他の訴訟において相殺の抗弁を主張することを禁 じた最高裁判例に照らしても排斥されなければならない。なお、この結論は、重複する裁判を禁止する観点からのものであるが、両裁判が併合して審理されている場合についても当てはまるといえる。 第3 当裁判所の判断 1 本訴について 事案に鑑み、争点4から判断する。 (1) 争点4(被告石田缶詰が本件各営業秘密を「使用」又は「開示」(不正競争防止法2条1項7号)したといえるか)についてア本件営業秘密1及び2について原告は、原告商品2の初回の試作時、玄米に芯が残っていたため、被告 石田缶詰の担当者に対して、殺菌条件を殺菌温度125℃及び殺菌時間4 9分に設定するよう口頭で指示し、被告石田缶詰は、同指示内容に基づいて被告アスト商品を製造したのであるから、被告アストに、本件営業秘密1及び2を「開示」し、自ら「使用」した旨主張する。 しかし、原告が、被告石田缶詰の担当者に対して、殺菌条件を殺菌温度125℃及び殺菌時間49分に設定するよう口頭で指示したこと、被告石 田缶詰が、上記の殺菌条件で被告アスト商品を製造したことを認めるに足りる的確な証拠はない。 この点、原告は、被告石田缶詰が本件営業秘密1及び2を使用した根拠として、①仮に、被告石田缶詰が主張するとおり被告アスト商品のF値が20程度であれば、玄米の芯が残ることになり、顧客からクレームが入る ものと解されるが、被告らによれば、そのようなクレームはないこと、②株式会社東和食彩の代表取締役であるEが、杉田エース株式会社のF氏から、DがF値100を超える なり、顧客からクレームが入る ものと解されるが、被告らによれば、そのようなクレームはないこと、②株式会社東和食彩の代表取締役であるEが、杉田エース株式会社のF氏から、DがF値100を超える商品を製造できる旨を宣伝していると聞いていること、③これまでの原告と被告石田缶詰との間の取引経過において多数の問題が生じていたことを挙げ、それらの事実から被告石田缶詰が本件 営業秘密1及び2を使用した事実が推認できる旨主張する。 しかし、上記①の事実については、そのような事実が認められるとしても、被告石田缶詰が、F値20よりは高いF値の殺菌条件で被告アスト商品を製造した可能性をうかがわせるにすぎず、F値が100を超える殺菌条件で被告アスト商品を製造したことを裏付けるものではないというべき である。 また、上記②の事実については、本件において、Dの発言を聞いたとされるF氏自身の陳述書等の証拠は提出されておらず、Dの発言の存在自体の立証がされていないといわざるを得ない。しかも、仮にそのような発言があったと認められるとしても、被告石田缶詰がF値100を超える殺菌 条件で被告アスト商品を製造したという事実が直ちに推認されるものでは ない。 さらに、上記③の事実については、そのような問題の発生が被告石田缶詰のみを原因とするものか否かは明らかではなく、仮に、そうであるとしても、単に被告石田缶詰が信用するに足りない業者であることをうかがわせるにとどまるものであって、被告石田缶詰がF値100を超える殺菌条 件で被告アスト商品を製造したとの事実が推認されるものではない。 したがって、原告が挙げる根拠を踏まえても、被告石田缶詰が本件営業秘密1及び2を使用して被告アスト商品を製造した事実を認めることはできず、原告の上記主張は 造したとの事実が推認されるものではない。 したがって、原告が挙げる根拠を踏まえても、被告石田缶詰が本件営業秘密1及び2を使用して被告アスト商品を製造した事実を認めることはできず、原告の上記主張は理由がない。 イ本件営業秘密3について 原告は、被告石田缶詰が、被告アスト商品の開発及び製造に使用するため、本件営業秘密3を被告アストに「開示」し、自ら「使用」したと主張する。 そこで、以下、原告各試作品と被告アスト商品の原材料及び配合割合を、①カレー味、②トマト味及び③和風味に分けて検討する。 (ア) ①カレー味について証拠(甲28の1、29の1、乙18の1、19の1、34の1、34の2)によれば、原告各試作品と被告アスト商品に共通に用いられている原材料は、玄米、たまねぎ、にんじん、オリーブオイル、トマトペースト、トマトケチャップ、上白糖、並塩、かつお濃縮だし、カレー粉、 昆布エキスCC、冷凍おろし生にんにく、冷凍ジンジャーペーストST、ガラムマサラ及びスーパー酵母エキスであり、これらの原材料は、カレー味のリゾットではよく用いられることのある原材料であること、原告各試作品と被告アスト商品とでは、原告各試作品にはマンゴチャツネが用いられている一方、被告アスト商品にはこれが用いられていない、被 告アスト商品にはじゃがいも及びレンズマメが用いられている一方、原 告各試作品にはこれらが用いられていないといった相違点があること、これらの原材料の配合割合は、下記のとおり、原告試作品2と被告アスト商品の玄米の配合割合を除いて、大きく異なっていることが認められる。 記 原告試作品1 原告試作品2 被告アスト商品(%)玄米 26.92 23.91 玄米の配合割合を除いて、大きく異なっていることが認められる。 記 原告試作品1 原告試作品2 被告アスト商品(%)玄米 26.92 23.91 23.33たまねぎ 4.38 4.57 6.83にんじん 0.88 0.91 3.75オリーブオイル 2.56 3.8 2.05 トマトペースト 0.44 0.46 1.37トマトケチャップ 0.22 0.23 2.05上白糖 0.51 1.52 2.05並塩 0.51 0.53 1.03かつお濃縮だし 0.29 0.3 0.68 カレー粉 0.29 0.3 0.68昆布エキスCC 0.22 0.23 0.68冷凍おろし生にんにく 0.15 0.15 0.34冷凍ジンジャーペーストST 0.07 0.08 0.34ガラムマサラ 0.22 0.23 0.34 スーパー酵母エキス 0.15 0.15 0.21以上の認定事実に照らせば、①カレー味について、原告各試作品と被告アスト商品とでは、使用されている原材料の多くが共通しているものの、それらはいずれも一般的なものであって、相違する原材料も複数使用されている上、共通する原材料の配合割合も異なっているため、被 告アスト商品が本件営業秘密3を使用して開発及び製造されたとはうか がわれないというべきである。 (イ) ②トマト味につい いる上、共通する原材料の配合割合も異なっているため、被 告アスト商品が本件営業秘密3を使用して開発及び製造されたとはうか がわれないというべきである。 (イ) ②トマト味について証拠(甲28の2、甲29の2、乙18の3、19の3、30の6、30の7、34の5、34の6)によれば、原告各試作品と被告アスト商品に共通に用いられている原材料は、玄米、たまねぎ、トマトペース ト、オリーブオイル、上白糖、並塩、冷凍おろし生にんにく、スーパー酵母エキス、ホワイトペッパーS60及びローレル末であり、これらの原材料はトマト味のリゾットではよく用いられる原材料であること、被告アスト商品には、カットトマトがトマトペーストと同じ割合分(3. 48%)用いられている一方、原告各試作品にはカットトマトは用いら れていないこと、被告アスト商品には、しめじ及びエリンギが用いられている一方、原告各試作品にはこれらが用いられていないこと、原告各試作品には白ワインがトマトペーストと同じ割合分(原告試作品1については3.65%、原告試作品2については3.80%)用いられているのに対し、被告アスト商品にはこれが用いられていないといった相違 点があること、これらの原材料の配合割合は下記のとおりであり、いくつかの原材料の配合割合に類似点が認められるにすぎないことが認められる。 記原告試作品1 原告試作品2 被告アスト商品(%) 玄米 26.92 23.91 23.75たまねぎ 1.46 1.52 6.96トマトペースト 3.65 3.80 3.48オリーブオイル 2.56 3.04 3.13上白糖 1.46 1.52 6.96トマトペースト 3.65 3.80 3.48オリーブオイル 2.56 3.04 3.13上白糖 1.46 1.52 1.74 並塩 0.37 0.38 0.84 冷凍おろし生にんにく 0.22 0.23 0.35スーパー酵母エキス 0.07 0.08 0.21ホワイトペッパーS60 0.04 0.07ローレル末 0.02 0.03ただし、原告試作品1のホワイトペッパーS60とローレル末の配合 割合は合計0.05である。 以上の認定事実に照らせば、②トマト味について、原告各試作品と被告アスト商品とでは、使用されている原材料の多くが共通しているものの、それらはいずれも一般的なものであって、相違する原材料も複数使用されている上、共通する原材料の配合割合も一致してはいないため、 被告アスト商品が本件営業秘密3を使用して開発及び製造されたとはうかがわれないというべきである。 (ウ) ③和風味について証拠(甲28の3、甲29の3、乙18の2、19の2、30の5、34の3、34の4)によれば、原告各試作品と被告アスト商品に共通 に用いられている原材料は、玄米、オリーブオイル、上白糖、並塩及びスーパー酵母エキスのみであり、これらの原材料は和風味のリゾットではよく用いられることのある原材料であること、原告各試作品では、濃厚だし、昆布エキス、かつお濃縮だし、ホタテソースが用いられている一方、被告アスト商品にはこれらが用いられていない、また、被告アス ト商品には、ごぼう、れん 料であること、原告各試作品では、濃厚だし、昆布エキス、かつお濃縮だし、ホタテソースが用いられている一方、被告アスト商品にはこれらが用いられていない、また、被告アス ト商品には、ごぼう、れんこん、ビネガーDVが用いられている一方、原告各試作品ではこれらが用いられていないといった相違点があること、これらの原材料の配合割合は下記のとおりであり、いくつかの原材料の配合割合に類似点が認められるにすぎないことが認められる。 記 原告試作品1 原告試作品2 被告アスト商品(%) 玄米 26.92 23.91 23.75オリーブオイル 3.65 3.96 3.67上白糖 1.10 1.52 1.38並塩 0.15 0.15 0.89スーパー酵母エキス 0.37 0.38 0.21 以上の認定事実に照らせば、③和風味について、原告各試作品と被告アスト商品とでは、使用されている原材料のいくつかは共通しているものの、それらはいずれも一般的なものであって、相違する原材料も複数使用されている上、共通する原材料の配合割合も一致してはいないため、被告アスト商品が本件営業秘密3を使用して開発及び製造されたとはう かがわれないというべきである。 (エ) 小括以上の検討結果によれば、被告石田缶詰は、本件営業秘密3を、被告アスト商品の製造及び開発に使用するために被告アストに「開示」し、自ら「使用」したと認めるに足りず、本件全証拠によっても原告の主張 を認めことはできず、原告の前記主張は理由がない。 (2) 争点6(被告石田缶詰の前提事実(4)の行為等に係る被告らの共同不法行為又は被告石田缶詰 るに足りず、本件全証拠によっても原告の主張 を認めことはできず、原告の前記主張は理由がない。 (2) 争点6(被告石田缶詰の前提事実(4)の行為等に係る被告らの共同不法行為又は被告石田缶詰の債務不履行の成否)についてア不法行為責任の成否(ア) 本件において、被告石田缶詰が、原告の承諾なく、原告商品1のサン プルを使用し、被告アスト商品の賞味期限を設定したことは、当事者間において争いがない。 そして、原告は、上記の被告石田缶詰の行為が、本件製造委託契約上の地位を悪用して原告商品1の商品データを無断で利用したものであり、社会通念上相当性を逸脱する違法行為であると主張するものと解される。 しかし、弁論の全趣旨によれば、被告石田缶詰が「賞味期限設定に関 わる評価試験」を行った原告商品1のサンプルは、既に市販されている原告商品1の一部を被告石田缶詰が自主的に検査用に保管していたものであると認められるところ、原告商品1は、原告との間の本件製造委託契約の締結の有無にかかわらず、誰でも入手できるものであるといえるから、これを使用したとしても、直ちに、原告の営業利益を侵害すると は認め難いし、被告石田缶詰が本件製造委託契約上の地位を悪用したとも認め難い。 また、証拠(乙12、23、24)によれば、厚生労働省及び農林水産省により共同で策定された「食品期限表示の設定のためのガイドライン」には、「本来、個々の食品ごとに試験・検査を行い、科学的・合理 的に期限を設定すべきであるが、商品アイテムが膨大であること、商品サイクルが早いといった食品を取り巻く現状を考慮すると、個々の食品ごとに試験・検査をすることは現実的でないと考えられる。食品の特性等を十分に考慮した上で、その特性が類似してい が膨大であること、商品サイクルが早いといった食品を取り巻く現状を考慮すると、個々の食品ごとに試験・検査をすることは現実的でないと考えられる。食品の特性等を十分に考慮した上で、その特性が類似している食品の試験・検査結果等を参考にすることにより、期限を設定することも可能である」と、 類似商品により賞味期限を設定することを許容する旨が記載されていること、「食品ロスを防ぐ図説賞味期限の設定」との名称の文献には、賞味期限の設定の実情について、「業界団体が、その代表的な商品について設定試験を行い、業界指針として示し、傘下の企業では類似商品の期限をこれに準拠して表示する場合もある」と記載されていることが認 められる。これらの記載内容に照らすと、類似商品を自社製品の賞味期限の設定根拠に使用することは、一般に許容されているといえ、社会通念上相当性を逸脱する違法行為であるとは認められない。 以上に照らすと、被告石田缶詰が、原告の承諾なく、原告商品1のサンプルを使用し、被告アスト商品の賞味期限を設定したことについて、 不法行為が成立するということはできない。 (イ) これに対し、原告は、①原告商品1と被告アスト商品は類似商品ではない、②賞味期限が適切に設定されていない場合、製造業者は食品衛生法及びJAS法に基づいて責任を負うなどと主張し、被告石田缶詰が原告商品1を使用して被告アスト商品の賞味期限を設定したことには違法性がある旨主張するものと解される。 しかし、前記(ア)のとおり、原告商品1は、原告との間の本件製造委託契約の締結の有無にかかわらず、誰でも入手できるものであるから、それを被告石田缶詰が入手して使用したからといって、直ちに、原告自身の営業利益を侵害するとは認められない。 した 本件製造委託契約の締結の有無にかかわらず、誰でも入手できるものであるから、それを被告石田缶詰が入手して使用したからといって、直ちに、原告自身の営業利益を侵害するとは認められない。 したがって、仮に、被告石田缶詰が、原告商品1と被告アスト商品が 類似品でないにもかかわらず、原告商品1を被告アスト商品の類似品として検査をした結果、賞味期限が適切に設定されていない被告アスト商品が販売されたとしても、原告の権利が侵害されるものではなく、原告との関係で違法性が認められるものでもないから、いずれにしても、不法行為は成立しない。 よって、原告の上記主張は理由がない。 イ債務不履行責任の成否(被告石田缶詰につき)原告は、被告石田缶詰が、原告の承諾なく、原告商品1のサンプルを使用し、被告アスト商品の賞味期限を設定したことは、本件秘密保持契約に違反するものであり、被告石田缶詰は、原告に対し、債務不履行責任を負 うと主張する。 しかし、弁論の全趣旨によれば、原告は、原告商品1を市場において販売し、公知になる前の開発段階において、被告石田缶詰に原告商品1のサンプルを開示したと認められるから、原告商品1は、「甲から開示を受けた後、乙の責によらないで公知になったもの。」(前提事実(2)本件秘密保 持契約第1条(2))に該当し、本件秘密保持契約の「秘密情報」の範囲か ら除外されるため、被告石田缶詰が開示又は使用を禁止される「秘密情報」に該当しない。 したがって、仮に、被告石田缶詰が、原告に対し、本件秘密保持契約に基づく義務を負うとしても、原告商品1は、本件秘密保持契約上の「秘密情報」には該当しないから、被告石田缶詰は、これを開示又は使用したと しても、原告に対し債務不履行責任を負うものではな 持契約に基づく義務を負うとしても、原告商品1は、本件秘密保持契約上の「秘密情報」には該当しないから、被告石田缶詰は、これを開示又は使用したと しても、原告に対し債務不履行責任を負うものではない。 よって、原告の上記主張は理由がない。 2 反訴について(1) 争点8(被告石田缶詰が前提事実(6)の行為につき使用者責任を負うか)について 原告は、Cが、パウチのラベル表示について、Dに記載内容を確認する等して、印刷会社に正しい指示をしなければならなかったにもかかわらず、これを怠って、パウチのラベルの原表示を改定後表示に修正するよう原告に指示したものであり、これが原告に対する不法行為に該当する旨主張する。 そこで検討すると、前提事実(6)アのとおり、Cは、原告に対し、原表示 の文言を、一般的に使用される改定後表示に変更してはどうかと提案し、原告は、この提案を受け入れ、原告商品2のパウチに改定後表示を記載することとし、パウチ印刷会社に対し、改定後表示に基づくパウチの製造を発注したことが認められる。 これに対し、前提事実(6)ウのDのメールの内容を見ると、Dは、原告が 賞味期限として設定した日付けが、改定後表示と矛盾していることを指摘したもので、Cの提案とは観点が異なるものであり、Cが提案した改定後表示自体が不適切であることを理由として、パウチのラベル表示を訂正するよう指示したとはいえない。 したがって、Cの提案とDの提案が矛盾するものであることを前提とし、 Cが、パウチのラベル表示について、Dに記載内容を確認する等して、印刷 会社に正しい指示を行う義務を懈怠したとの原告の主張には理由がない。 また、Cの提案は、その内容自体が不合理なものであるとはいえないし、提案 て、Dに記載内容を確認する等して、印刷 会社に正しい指示を行う義務を懈怠したとの原告の主張には理由がない。 また、Cの提案は、その内容自体が不合理なものであるとはいえないし、提案の方法が著しく不相当なものであることを認めるに足りる証拠はないから、原告が不法行為に該当すると指摘するCの提案に、社会的相当性を逸脱する違法性があるとは認められない。 以上によれば、Cの前提事実(6)アの行為について不法行為が成立することはなく、被告石田缶詰が使用者責任を負うこともない。 そうすると、原告は、被告石田缶詰に対する使用者責任に基づく損害賠償請求権を有していないから、原告の相殺の抗弁②は認められない。 (2) 争点10(相殺の抗弁③の成否)について 前記1において説示したとおり、原告は、被告石田缶詰に対して不正競争防止法違反又は不法行為に基づく損害賠償請求権を有していないから、相殺の抗弁③は認められない。 (3) 前記(1)及び(2)を前提とする相殺後の反訴認容額前記(1)及び(2)によれば、相殺の抗弁②及び③はいずれも認められない から、相殺の抗弁①について検討すれば足りる。 前提事実(5)によれば、原告は、被告石田缶詰に対し、本件製造委託契約に基づいて、代金合計1883万7928円に加え、うち790万8930円に対する令和2年4月1日から、うち543万4082円に対する同年5月1日から及びうち549万4916円に対する令和2年6月1日から各支 払済みまで年3パーセントの割合による遅延損害金の支払義務を負うことになる。 これに対し、原告は、前提事実(7)アのとおり、令和2年12月16日、原告の被告石田缶詰に対する売買契約に基づく135万4320円の売買代金支 による遅延損害金の支払義務を負うことになる。 これに対し、原告は、前提事実(7)アのとおり、令和2年12月16日、原告の被告石田缶詰に対する売買契約に基づく135万4320円の売買代金支払請求権(弁済期は令和2年4月30日)を自働債権とし、上記本件製 造委託契約に基づく代金支払請求権を受働債権として、対当額で相殺する旨 の意思表示をした。 そして、上記相殺における相殺適状時は、受働債権のうち、代金790万8930円及び543万4082円に係る部分につき、いずれも、上記自働債権と受働債権双方の弁済期が到来した令和2年4月30日となり、受働債権のうち、代金549万4916円に係る部分につき、同年5月31日とな る。 本件においては、相殺をする原告の自働債権がその負担する複数の受働債権の全部を消滅させるに足りず、当事者間に相殺の充当に関する合意があったともうかがわれないから、自働債権を、相殺適状となった順序に従い充当し、相殺適状となる時期を同じくする債権については、弁済期が先に到来す るものに先に充当することになるところ(民法512条1項、2項1号、488条)、本件においては、自働債権を、受働債権のうち代金790万8930円に係る部分に先に充当することになる。 また、上記代金790万8930円に係る部分については、相殺適状時である令和2年4月30日より前の同月1日に弁済期が到来しているから、同 日から同月29日まで年3パーセントの割合による遅延損害金が発生し、その額は1万8799円となるところ、上記自働債権を充当しても、上記元本と遅延損害金の全部を消滅させるに足りないから、まずは遅延損害金に充当し、その残金を元本に充当することになり(民法512条2項2号、489条)、充当後の元本額 ろ、上記自働債権を充当しても、上記元本と遅延損害金の全部を消滅させるに足りないから、まずは遅延損害金に充当し、その残金を元本に充当することになり(民法512条2項2号、489条)、充当後の元本額は657万3409円(790万8930円-(13 5万4320円-1万8799円)=657万3409円)となる。 以上によれば、反訴認容額は、1750万2407円並びにうち657万3409円に対する令和2年4月30日から、うち543万4082円に対する同年5月1日から及びうち549万4916円に対する同年6月1日から各支払済みまで年3パーセントの割合による金員となる。 3 結論 以上の次第で、原告の本訴請求は、その余の点について判断するまでもなく、いずれも理由がないからこれを棄却し、被告石田缶詰の反訴請求は、主文の限度で理由があるからこれを認容し、その余は理由がないからこれを棄却することとして、主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第29部 裁判長裁判官 國分隆文 裁判官 バヒスバラン薫 裁判官 木村洋一 (別紙)営業秘密目録 1 製造技術に関するノウハウ商品名「魚藤の手羽先玄米リゾット・ミニ」(下記1のJANコード)から手羽先を除去し、一袋あたりエネルギー300kcal以上、かつ、賞味期限5年 秘密目録 1 製造技術に関するノウハウ商品名「魚藤の手羽先玄米リゾット・ミニ」(下記1のJANコード)から手羽先を除去し、一袋あたりエネルギー300kcal以上、かつ、賞味期限5年 6か月以上の長期保存が可能である、玄米を用いたレトルトパウチ食品について、F値100以上の加圧加熱殺菌方法による殺菌条件及び製造工程を含む製造技術(別紙「製造フローダイアグラム」)に関するノウハウ記①和風味 4571308611022 ②トマト味 4571308611015③カレー味 4571308611039 2 試作品1の製造技術に関するノウハウにより開発された玄米リゾットの試作品(和風味、トマト味及びカレー味) 3 原材料及び配合割合「仮称玄米リゾットカレー味、トマト味、和風味」の原材料規格書(下記(1)の試作ナンバーのもの。以下「原告試作品1」という。)及び一括表示案(下記(2)の試作ナンバーのもの。以下「原告試作品2」といい、原告試作品1と併せて「原告各試作品」という。)に記載された原材料及び配合割合 記(1)①カレー味試作No.20130805-5②トマト味試作No.20140805-6③和風味試作No.20130327-11記(2) ① カレー味試作No.20130805-6 ② トマト味試作No.20140805-7③ 和風味試作No.20130327-13以上 (別紙製造フローダイアグラムは、省略) 申し訳ありませんが、整形するテキストが提供されていません。整形したいテキストをお送りいただければ、対応いたします。

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