昭和25(う)1783 臨時物資需給調整法違反被告事件

裁判年月日・裁判所
昭和26年2月9日 名古屋高等裁判所 破棄自判
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【DRY-RUN】主    文      原各判決を破棄する。      被告人等を各罰金三万円に処する。      右罰金を完納することができない時は金二百円を一日に換算した期間当 該被告人を労役場に留置する。   

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判決文本文1,959 文字)

主文 原各判決を破棄する。 被告人等を各罰金三万円に処する。 右罰金を完納することができない時は金二百円を一日に換算した期間当該被告人を労役場に留置する。 但しこの裁判が確定した日から各二年間右各刑の執行を猶予する。 訴訟費用は被告人A、同B、同C並に同被告人等の原審相被告人D、同E、同F、同G、同H、同I、同J、同K、及び被告人Lの負担とする。 理由 本件控訴の趣意は弁護人白井俊助の提出にかゝる控訴越意書の記載を引用する。 検察官は本件各控訴は理由のないものとしてその棄却の裁判を求めた。 仍て弁護人の論旨第二について案ずるに原審弁護人が所論のように原審において被告人等に対し夫れ夫れ本件について適法な行為に出づることを期<要旨>待することができなかつた旨の主張をしたことは記録上明らかなるところである。而して適法行為に出づるこ</要旨>とを期待することができない旨の主張は所論のように責任阻却即ち刑事訴訟法第三百三十五条第二項所定の法律上犯罪の成立を妨げる理由となる事実の主張に該ることが明らかであるので、原各判決は右の主張に対する判断を示さなければならなかつたのにも拘らず、何れもその判断をしなかつたことが記録上明らかである。原各判決における右の瑕疵は所論の様に判決に理由を附しなかつた場合に該るものとは解することはできないがその訴訟手続に法令の違反のある場合に該るものと解すべくその違反が判決に影響を及ぼすことが明らかであるので、原各判決は刑事訴訟法第三百七十九条、第三百九十七条によつて各破棄を免れない。 よつて本件各控訴はその他の論旨に対する判断をなすまでもなく理由があり、且本件は当審において直ちに判決をすることができるものと認め刑事訴訟法第四百条但書によつ 百九十七条によつて各破棄を免れない。 よつて本件各控訴はその他の論旨に対する判断をなすまでもなく理由があり、且本件は当審において直ちに判決をすることができるものと認め刑事訴訟法第四百条但書によつて更に判決をする。 (事実)被告人等は何れも元愛知県渥美郡M町農業会理事で同農業会解散と同時に被告人L同Aはその清算人に就任したものであるが、昭和二十三年八月農林省及び商工省の指令によつて同農業会の清算事務に関する特別措置として、特別報償用繊維製品の配給割当を受け、右割当に基いてN商事株式会社から人絹割烹着二千六百五十枚外二点が右清算人等に引渡されたので、被告人等四名は、右割当物資を換価して右清算に於ける損失の補填にあてようと焦慮する余り、共謀の上、法定の除外事由が無いのに拘らず同年九月二十八日頃名古屋市a区b町c番地の原審相被告人D方で同人に対し所定の配給割当公文書と引換えることなく、右人絹割烹着千八百五十二枚を代金合計金六十万余円で譲渡したものである。 (証拠)一、 被告人Lに対する司法警察官の聴取書におけるその供述記載及び同被告人の提出に係る売渡始末書における記載。 一、 被告人A、同B、同Cに対する司法警察官の各聴取書における各その供述記載。 (法令の適用)法律に照らすと被告人等の右所為は行為時法によれば臨時物資需給調整法第一条、第四条、衣料品配給規則第五条、刑法第六十条に、裁判時法によれば右各法令の外に尚罰金等臨時措置法第二条にあたり、右は犯罪後の法律によつて刑の変更のあつた場合にあたるので刑法第六条、第十条によつて新旧両法を比照し其の軽い右行為時法の刑を適用し、所定刑中罰金刑を選択し、所定金額の範囲内で被告人等を各罰金三万円に処し、右罰金を完納することが出来ないときは、各刑法第十八条によつて各金二百円を一日に換算し 比照し其の軽い右行為時法の刑を適用し、所定刑中罰金刑を選択し、所定金額の範囲内で被告人等を各罰金三万円に処し、右罰金を完納することが出来ないときは、各刑法第十八条によつて各金二百円を一日に換算した期間当該被告人を労役場に留置し、尚所犯の情状右各刑の執行を猶予するを相当と認め刑法第二十五条罰金等臨時措置法第六条によつて此の裁判が確定した日から各二年間右各刑の執行を各猶予し、訴訟費用は刑事訴訟法施行法第二条、旧刑事訴訟法第二百三十七条第一項によつて被告人A、同B、同C並に同被告人等の原審相被告人D、同E、同F、同G、同H、同I、同J、同K及び被告人Lをして之を負担せしむべきものとする。 尚弁護人は本件につき被告人等に対し適法な行為に出ずることを期待することが出来なかつた旨主張するところ、原審で取調べられた証拠の限度においては他に首肯するに足る証拠のない限り、該主張の事実は之を認めることができないので右弁護人の主張は之を採用しない。 (裁判長判事薄井大介判事山田市平判事小沢三朗)

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