主文 本件控訴を棄却する。 控訴費用は控訴人の負担とする。 事実及び理由 第1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す。 2 被控訴人が控訴人に対し,平成10年4月23日,風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律19条,同法施行規則29条2項1号違反により,同法25条に基づきなした指示処分(達生保第195号)を取り消す。 3 訴訟費用は,第1,2審とも,被控訴人の負担とする。 第2 事案の概要事案の概要は,次のとおり付加・訂正するほか,原判決の事実及び理由欄の「第二事案の概要」に摘示のとおりであるから,これを引用する。 (1) 原判決9頁8行目の「日本シーベルヘグナー株式会社から」の次に「卸売会社等を経て」を加える。 (2) 同10頁5行目の次に行を改めて次のとおり加える。 「(3) 被控訴人は,本件賞品と同一のイヤーフィット1組を河村商事有限会社から280円で購入したことを根拠として,本件賞品の市場価格を主張しているが,上記イヤーフィット1組は本件賞品と包装が異なるうえ,愛知県警察本部の警察官が小売店でない河村商事有限会社にイヤーフィット1組をわざわざ注文し,同社が株式会社中野を通じて井内盛栄堂から取り寄せたものであるから,通常の市場価格と異なることが明らかである。」(3) 同10頁10行目冒頭から同11頁1行目末尾までを次のとおり改める。 「また,等価性の基準に違反したか否かは,遊技料金,賞品の提供方法及び賞品の価格が射幸心をあおるものといえるかを基準として判断すべきものである。そして射幸心をあおるものといえるかの判断に際しては,単に遊技料金と賞品の価格との対比のみでなく,その賞品を獲得できる可能性を考慮する必要がある。控訴人は,本件賞品と同一の物品を,ぱちんこ玉84個(336円分)及び通常スロットメダル14 に際しては,単に遊技料金と賞品の価格との対比のみでなく,その賞品を獲得できる可能性を考慮する必要がある。控訴人は,本件賞品と同一の物品を,ぱちんこ玉84個(336円分)及び通常スロットメダル14枚(280円分)と交換しており,ぱちんこ玉と通常スロットメダルでは,異なる交換比率で提供しているが,これは,控訴人経営のホールに限ったことではなく,愛知県下の全てのホールも同様である。このように,ぱちんこ玉と通常スロットメダルとで異なる交換比率にしているのは,両者の遊技間に出玉率の差があり,スロットはぱちんこよりも客の勝率がかなり低いからである。すなわち,客が一定の金額に相当するぱちんこ玉又はスロットメダルを獲得するためには,スロットの方がより多くの金額に相当するメダルを投入しなければならないことを意味する。そして,スロットの中でも,沖縄型スロットは,通常スロットに比べて,客の勝率がさらに低いので,より多くの金額に相当するメダルを投入しなければならない。このように,沖縄型スロットは客の勝率が最も低いのであるから,通常スロットより交換比率が有利であっても,射幸心をあおるものとはいえないのである。そして,ぱちんこ玉と通常スロットメダルとで異なる交換比率が一般化していることは,等価性の基準自体が有名無実化していることを意味する。」(4) 同16頁1行目から2行目の「事実上の制裁措置を課すもので、警察比例の原則を逸脱する違法な処分である」を「事実上の制裁措置を課すものである。本件指示処分は,ぱちんこ玉と通常スロットメダルとで異なる交換比率が一般化していることを無視して,業界の自主規制に従わない控訴人のみを狙い打ちしたものであり,警察比例の原則を逸脱した違法な処分である」と改める。 第3 当裁判所の判断 1 当裁判所も,控訴人の本訴請求は理由がないから とを無視して,業界の自主規制に従わない控訴人のみを狙い打ちしたものであり,警察比例の原則を逸脱した違法な処分である」と改める。 第3 当裁判所の判断 1 当裁判所も,控訴人の本訴請求は理由がないから,これを棄却すべきであると判断するが,その理由は,次のとおり付加・訂正するほか,原判決の事実及び理由欄の「第三当裁判所の判断」に説示のとおりであるから,これを引用する。 (1) 原判決34頁2行目の「等価であるかについては」を「等価であるか否かについては」と改める。 (2) 同34頁7行目冒頭から35頁7行目末尾までを次のとおり改める。「この点に関し,控訴人は,客の射幸心をあおるかどうかの判断については,賞品を獲得できる可能性を考慮する必要がある旨主張する。しかし,施行規則29条2項1号イにおいては,等価か否かの判断基準として,賞品を獲得できる可能性は規定されていないし,遊技機が著しく射幸心をあおらないようにするため,法4条4項,施行規則7条により,一定の基準が決められ,さらに遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則も定められるなど,別途の規制がなされているのであるから,等価性の判断に際して,賞品を獲得できる可能性を考慮する必要はなく,控訴人の主張は理由がない。 また,控訴人は,本件賞品は,第三者(景品交換所)に買い取ってもらうことを前提とした特殊賞品であり,景品交換所での買取価格が200円であるから,本件賞品の価格についても,それを前提として判断すべきである旨主張する。 しかし,ぱちんこ屋の営業者が客に提供する賞品は,一般に日常生活の用に供すると考えられる物品とされており(施行規則29条2項2号),ぱちんこ屋の営業者が客に提供した賞品を買い取ることは禁止されているのであるから(法23条1項2号),客が賞品を景品交換所に買い取ってもらうか と考えられる物品とされており(施行規則29条2項2号),ぱちんこ屋の営業者が客に提供した賞品を買い取ることは禁止されているのであるから(法23条1項2号),客が賞品を景品交換所に買い取ってもらうかどうかは,賞品を受領した後に,客の自由な判断によって行われるものであるというほかないのであり,実際に本件賞品を受け取った客の大部分が景品交換所に買い取ってもらっているとしても,そのような事態を法や施行規則が前提としているわけではないから,賞品価格については一般的な市場価格により判断せざるを得ないのである。よって,控訴人の上記主張も採用できない。」(3) 同37頁2行目から3行目にかけての「入れらたものであり」を「入れられたものであり」と改める。 (4) 同45頁5行目末尾に次のとおり加える。 「なお,控訴人は,河村商事有限会社における販売価格は,愛知県警察本部の警察官が小売店でない同社に対し,耳栓1組をわざわざ注文して取り寄せたものであるから,小売価格とはいえない旨主張するが,乙21号証によれば,愛知県警察本部生活安全部保安課の警察官は,カタログに記載された価格で耳栓1組を河村商事有限会社から購入したことが認められるから,この購入価格が市場価格の判断資料として価値がないとはいえない。」(5) 同46頁6行目の「変動させることより」から同8行目末尾までを「変動させることは,法令等の規制の範囲内で許されるから,遊技客は出玉率も考慮すると考えられ,必ずしも本件賞品の価格だけを考慮するわけでない。」と改める。 (6) 同55頁8行目の次に行を改めて次のとおり加える。 「控訴人は,本件指示処分が,ぱちんこ玉と通常スロットメダルとで異なる交換比率が一般化していることを無視して,控訴人のみを対象とした警察比例の原則を逸脱した違法な処分である旨主張する。甲 加える。 「控訴人は,本件指示処分が,ぱちんこ玉と通常スロットメダルとで異なる交換比率が一般化していることを無視して,控訴人のみを対象とした警察比例の原則を逸脱した違法な処分である旨主張する。甲20ないし24号証,25号証の1ないし5によれば,平成12年12月現在,愛知県下のパチンコホールにおいて,ぱちんこ玉と通常スロットメダルとで異なる交換比率を採用しているところが多いことが認められる。しかし,本件指示処分は,平成10年4月になされたものであり,かつ,ぱちんこ玉と通常スロットメダルとで異なる交換比率を採用していることが等価性の原則に違反していることを理由としてなされたものではないから,上記事実をもって,本件指示処分が,相当性を欠いた違法な処分であったということはできず,控訴人の上記主張は理由がない。」 2 よって,原判決は相当であって,本件控訴は理由がないから,これを棄却することとし,主文のとおり判決する。 名古屋高等裁判所民事第4部裁判長裁判官小川克介裁判官黒岩巳敏裁判官永野圧彦
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