令和2特(わ)552 出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律違反、詐欺

裁判年月日・裁判所
令和4年2月14日 東京地方裁判所
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判決文本文4,041 文字)

令和4年2月14日東京地方裁判所刑事第6部宣告令和2年特(わ)第552号,刑(わ)第758号,第1223号出資の受入れ,預り金及び金利等の取締りに関する法律違反,詐欺被告事件 主文 被告人を懲役7年及び罰金300万円に処する。 未決勾留日数中40日をその懲役刑に算入する。 その罰金を完納することができないときは,金1万円を1日に換算した期間被告人を労役場に留置する。 理由 (犯罪事実)被告人は,東京都千代田区a町b丁目c番地dに本店を置き,加工食品の製造販売等を業とする株式会社A1(以下,A1という。)の代表取締役であり,同社及びその関連会社の業務全般を統括していたもの,Bは,A1の法務部長として契約書の確認等をしていたもの,Cは,同社の経理部長としてA1名義の預金口座の管理等を行っていたもの,Dは,同社の財務部長等として資金調達方法の企画等の業務の管理をしていたもの,Eは,同部副部長等として資金調達方法の企画等をしていたもの,Fは,同部部長や財務管理部長等として資金調達方法の企画及び顧客データの管理等をしていたもの,Gは,同社の財務本部長等として資金調達方法の企画等の業務の管理をしていたもの,Hは,同本部副本部長等として資金調達方法の企画や顧客対応等を行っていたもの,Iは,同本部副本部長等として資金調達方法の企画等を行っていたものであるが,被告人は,第1 1 B,C,D,E及びFと共謀の上,いずれも法定の除外事由がないのに,別表1記載(以下,別紙省略)のとおり,平成29年4月12日から同年8月21日までの間,11回にわたり,株式会 社J銀行K貯金事務センターに開設されたA1名義の振替口座ほか1口座に振込送金させる方法により,不特定かつ多数の相手方であるLほか3名 日から同年8月21日までの間,11回にわたり,株式会 社J銀行K貯金事務センターに開設されたA1名義の振替口座ほか1口座に振込送金させる方法により,不特定かつ多数の相手方であるLほか3名から,元本額及び所定の利息又は加算額を支払うことを約して,合計984万6976円を受け入れ, 2 B,C,E及びFと共謀の上,いずれも法定の除外事由がないのに,別表2記載のとおり,同年9月11日から平成30年1月31日までの間,23回にわたり,株式会社M銀行N支店に開設されたA1名義の普通預金口座ほか1口座に振込送金させる方法により,不特定かつ多数の相手方であるLほか7名から,元本額及び所定の利息又は加算額を支払うことを約して,合計1億2849万6004円を受け入れ, 3 B,C及びFと共謀の上,いずれも法定の除外事由がないのに,別表3記載のとおり,平成29年11月8日から同年12月14日までの間,4回にわたり,前記A1名義の普通預金口座に振込送金させる方法により,不特定かつ多数の相手方であるOほか3名から,元本額及び所定の利息を支払うことを約して,合計799万7408円を受け入れ, 4 B,C,F,G,H及びIと共謀の上,いずれも法定の除外事由がないのに,別表4記載のとおり,平成30年2月20日から同年6月18日までの間,20回にわたり,株式会社P銀行Q支店に開設されたA1名義の普通預金口座ほか1口座に振込送金させる方法により,不特定かつ多数の相手方であるRほか12名から,元本額及び所定の利息又は加算額を支払うことを約して,合計3519万5464円を受け入れ,もって業として預り金をし,第2 C,F,G及びHと共謀の上,商品の預託名目又はA1及び関連会 社が行う事業等への出資名目で金銭をだまし取ろうと考え,真実は,顧 5464円を受け入れ,もって業として預り金をし,第2 C,F,G及びHと共謀の上,商品の預託名目又はA1及び関連会 社が行う事業等への出資名目で金銭をだまし取ろうと考え,真実は,顧客が出資した資金で商品の預託販売を行う仕組みは存在しないなど出資元本やその利息等として顧客に償還可能な程度の収益を生む事業は行っておらず,顧客が支払った出資金は,先に出資をして償還期限を迎えた顧客に対する元本や利息等の支払及びA1やその関連会社の従業員給与を始めとするA2グループの運営経費等に費消されるものであり,かつ,先に償還期限が到来した顧客に対する元本や利息等の未払償還額が累積し続け,A2グループの資金繰りが既に破綻状態に陥っており,新規顧客に対する元本や利息等を約定どおり確実に支払える見込みはなかったのに,これらの事情を秘し,前記仕組みや償還可能な程度の収益を生む事業が存在し,それらの収益によって,新規顧客に対しても償還期限が到来すれば約定どおり確実に元本や利息等を支払う旨装い, 1 別表5記載のとおり,同年5月22日頃から同年8月3日頃までの間,49回にわたり,Sほか21名に対し,「かぶちゃん農園かきの未来づくりサポーター様募集のご案内」「かきの未来を造り続けてまいります」「申込みは10万円を1単位」「契約期間5年」「利息は10万円を1単位として年8%」「元金は平成35年7月20日にその全額を返済」などと記載した各パンフレットを,千葉市e 区fg 丁目h 番i 号S方ほか20か所にそれぞれ送付して,Sらにこれらを閲読させてその旨誤信させ,よって,平成30年5月28日から同年8月16日までの間,50回にわたり,e 区j 町k 丁目l 番m 号T株式会社U郵便局ほか28か所から株式会社P銀行Q支店に開設された前記A1名義の普 信させ,よって,平成30年5月28日から同年8月16日までの間,50回にわたり,e 区j 町k 丁目l 番m 号T株式会社U郵便局ほか28か所から株式会社P銀行Q支店に開設された前記A1名義の普通預金口座ほか2口座に,合計8363万6500円を振込送金させ, 2 別表6記載のとおり,同年5月28日頃から同年7月5日頃までの 間,7回にわたり,Vほか3名に対し,「平成30年度産かぶちゃんのおいしいおいしいほし柿柿蔵姫(2018年決算謝恩)オーナーのご案内」「申込単位5万円,契約期間6か月」「買取金額をオーナー様にお振込するコース」「1口5万円の申込みで5万5000円の買取金額」「買取金額は平成30年11月30日に振込み」などと記載した各パンフレットを,埼玉県新座市no 丁目p 番q 号V方ほか3か所にそれぞれ送付して,Vらにこれらを閲読させてその旨誤信させ,よって,同年6月1日から同年8月3日までの間,7回にわたり,東京都清瀬市rs 丁目t 番地uT株式会社W郵便局ほか5か所から株式会社J銀行K貯金事務センターに開設されたA1名義の振替口座ほか1口座に,合計524万8272円を振込送金させ,もって人を欺いてそれぞれ財物を交付させた。 (量刑の理由)本件は,A1及びそのグループ企業全体を統括管理する被告人が中心となって,部下である他の共犯者らと共に,出資法違反及び詐欺の各犯行を遂行した,会社組織ぐるみの犯行である。被告人らは,かねてより,オーナー募集やサポーター募集等と称して,同社が保有する大量の顧客データから抽出した不特定多数の顧客に対し,DMと呼ばれるパンフレットを一斉送付する方法で金員を募るなどしていたところ,判示各犯行は,いずれもそのような同社における違法な業務活動の一環として,多数の顧客から1億800 特定多数の顧客に対し,DMと呼ばれるパンフレットを一斉送付する方法で金員を募るなどしていたところ,判示各犯行は,いずれもそのような同社における違法な業務活動の一環として,多数の顧客から1億8000万円余りの預り金を受領するとともに,同社の資金繰りが破綻してからもなお大量のDMを顧客に送付し続けるなどして,出資金名下に26名から合計8888万円余りを詐取したものである。 このように,被告人を頂点に共犯者らを含む多数の関係者が様々な役割で関与して大規模かつ職業的に行われた犯罪の悪質性は高い。特に,詐欺の各犯行は,募集を繰り返す中で顧客に対する未払償還金が累積し続け, 新規募集を行っても約定通りの支払ができる見込みなど到底ない中で敢行されており,とりわけ強い非難に値するところ,その被害額は相当高額に上っているだけでなく,被害者の中には,老後の生活資金をだまし取られ,家族や夫婦間に亀裂が入った方や,孫の教育費用を援助することができなくなった方などもおり,その処罰感情はいずれも厳しい。出資法違反について見ても,A1が破産したことで預り金の大部分が返還不能になるなど,一般大衆の財産に大きな損失を与えており,社会に与えた影響も重大である。 被告人は,本件各犯行の首謀者として,募集内容の企画立案から細部に至るまで本件各犯行に関する一切の決定権限を有し,同社全体を統括管理していたものであるから,他の共犯者らに比して,その責任は一際重い。 また,相応の利得も得ていたものである。にもかかわらず,被告人自身は全く被害弁償をしておらず,近々これを行う見込みもない。以上によれば,被告人の刑事責任は誠に重いというべきである。 そうすると,被告人が事実を認めて反省していること,共犯者の1名により一部被害弁償がされていること,前科前歴がないこと,年齢及び もない。以上によれば,被告人の刑事責任は誠に重いというべきである。 そうすると,被告人が事実を認めて反省していること,共犯者の1名により一部被害弁償がされていること,前科前歴がないこと,年齢及び健康状態等の酌むべき事情を考慮しても,被告人に対しては,主文の刑に処するのが相当である。 (求刑懲役8年及び罰金300万円)令和4年2月14日東京地方裁判所刑事第6部 裁判長裁判官佐伯恒治 裁判官遠藤圭一郎 裁判官名取桂

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