昭和34(あ)2130 背任

裁判年月日・裁判所
昭和36年4月27日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 名古屋高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。      当審における訴訟費用は被告人C、同Dの負担とする。          理    由  被告人A、同H、同I、同Dの弁護人長瀬秀吉、同高橋守雄、同

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判決文本文3,447 文字)

主    文      本件上告を棄却する。      当審における訴訟費用は被告人C、同Dの負担とする。          理    由  被告人A、同H、同I、同Dの弁護人長瀬秀吉、同高橋守雄、同野宮利雄、同鈴 木喜三郎の上告趣意第一点について。  所論は憲法三一条違反をいうものである。しかし、控訴裁判所が刑訴四〇〇条但 書によつて直ちに判決をする場合、第一審の公判に関する規定である同二九三条、 刑訴規則二一一条の準用による弁論または最終陳述をなさしめるべきものでないこ とは、当裁判所の判例とするところである(昭和二五年(あ)第六二号、同年四月 二〇日第一小法廷判決、刑集四巻四号六四八頁)。そして本件においては、原審は 自ら事実の取調をし、各公訴事実につき、犯罪の成否を決する上に関係を有する証 人J外二〇余名を尋問し、またその証拠調につき被告人らに対して証拠決定や召喚 状を適法に送達しており、これに立会つて意見弁解を述べる機会を与えていること は記録上明白であり、また刑訴三九三条四項の弁論の機会を与えたか否かは公判調 書の必要的記載事項ではなく、記録にその記載がないからといつて、特に反証のな い限り、この点についての弁護権の制限をした違法ありと認めることはできず、ま た所論のように、緊急避難、期待可能性に関する主張につき特にこれを制限した証 跡は何ら認められない。されば、所論違憲の主張は前提を欠くものであつて、採る を得ない。(なお、昭和二六年(あ)第二四三六号、同三一年七月一八日大法廷判 決、刑集一〇巻七号一一四七頁参照。)  同第二点について。  所論は単なる訴訟法違反の主張であつて刑訴四〇五条の上告理由に当らない。( 原判決に所論刑訴三九三条四項の違反ありと認められないことは、前記第一点に対 - 1 - する説示中に述べたとおりである。)  同第三点について。   の主張であつて刑訴四〇五条の上告理由に当らない。( 原判決に所論刑訴三九三条四項の違反ありと認められないことは、前記第一点に対 - 1 - する説示中に述べたとおりである。)  同第三点について。  憲法三七条二項は、事実審裁判所の証人採否の裁量権行使を妨げるものでないこ とは、当裁判所の屡々判示したところであり(昭和二三年(れ)第二三〇号、同年 七月二九日大法廷判決、刑集二巻九号一〇四五頁等)、所論違憲の主張は採るを得 ない。その余の所論は単なる訴訟法違反の主張に帰し、刑訴四〇五条の上告理由に 当らない。  同第四点について。  所論は違憲をいうが、共犯者は、被告人本人との関係においては被告人以外の者 であり、かかる共犯者の犯罪事実に関する供述は、憲法三八条二項により、証拠能 力を有しないものでない限り、独立、完全な証明力を有するものであることは当裁 判所の判例とするところであり(昭和二九年(あ)第一〇五六号、同三三年五月二 八日大法廷判決、刑集一二巻八号一七一八頁)、また、共同被告人を分離して証人 として尋問しても同証人は自己に不利益な供述を拒み得るもので、これを強要され るものではないのであるから、憲法三八条一項違反の主張は前提を次くものである ことも、当裁判所の判例とするところであつて(昭和二八年(あ)第五一七七号、 同二九年六月三日第一小法廷決定、刑集八巻六号八〇二頁)、これらの判例は今な おこれを改める必要を認めない。それ故、所論は採るを得ない。  同第五点について。  所論は判例違反をいうが、引用の判例は事案を異にし本件には適切でなく、論旨 は結局事実誤認、単なる法令違反を主張するに帰し、刑訴四〇五条の上告理由に当 らない。(原審の確定した事実関係の下においては、本件行為が岐阜県販売農業協 同組合連合会の事業の範囲外の行為であつて、農業協同組合法に違反するもの 法令違反を主張するに帰し、刑訴四〇五条の上告理由に当 らない。(原審の確定した事実関係の下においては、本件行為が岐阜県販売農業協 同組合連合会の事業の範囲外の行為であつて、農業協同組合法に違反するものであ るとした原審の判断は正当である。) - 2 -  同第六点について。  所論は事実誤認、単なる訴訟法違反の主張てあつて、刑訴四〇五条の上告理由に 当らない。  同第七点について。  所論は、事件の全般にわたり詳論するが、要するに事実誤認、単なる法令違反の 主張を出でないものであつて、いずれも同四〇五条の上告理由に当らない。  被告人C、同Dの弁護人進藤誉造の上告趣意第一点について。  所論のうち判例違反をいう点は、引用の判例は、強制猥褻の訴因に対し、訴因変 更手続をすることなく公然猥褻の事実を認定した事案に関するものであつて、本件 には適切でなく、その余は単なる訴訟法違反の主張に帰し刑訴四〇五条の上告理由 に当らない。(原審が、所論の点につき、訴因の変更をすることなく訴因と異なる 事実を認定したからといつて、公訴事実の同一性を害する点は認められず、また本 件審理の経過に徴すれば、何ら被告人の防禦権に実質的に不利益を生ぜしめた虞も ない。それ故、本件業務上横領の公訴事実につき、訴因変更の手続を経ないて、背 任の犯罪事実を認定しても差支えない旨の原判示は正当である。)  同第二点について。  所論のうち判例違反をいう点は、引用の判例は本件に適切でなく、採るを得ない。 (原判決は、証拠の標目を挙示するほか、原判決が第一審判決を破棄した理由説明 における証拠説明の部分を、すべて引用しているのであつて、所論のように五〇個 ないし六〇個の証拠の標目を単に羅列しているに止まるものではない。)  また所論のうち違憲をいう点は、所論の調書が任意性を欠くと認められる証跡は 記録上何ら存在せず ているのであつて、所論のように五〇個 ないし六〇個の証拠の標目を単に羅列しているに止まるものではない。)  また所論のうち違憲をいう点は、所論の調書が任意性を欠くと認められる証跡は 記録上何ら存在せず、かつ原判決は所論調書以外にこれを補強するに足る証拠を掲 げているのであるから、違憲の主張は前提を欠き、採るを得ない。  その余の論旨は単なる訴訟法違反の主張に帰し同四〇五条の上告理由に当らない。 - 3 - (有罪判決に、証拠の取捨の理由を明示する必要のないことは当裁判所の屡々判示 するところであり、また本件において訴因変更手続をとらなかつた点が違法といえ ないことは、前記第一点に対する説示のとおりである。)  同第三点について。  論旨のうち判例違反をいう点は、引用の判例は事案を異にし本件に適切でなく、 その余の論旨は単なる法令違反、事実誤認の主張に帰し、同四〇五条の上告理由に 当らない。  同第四点について。  所論のうち判例違反をいう点は、その判例を具体的に示していないから上告理由 として不適法であり、その余の論旨は、違憲いをいうが、実質は単なる法令違反、 事実誤認の主張を出でないものてあつて、同四〇五条の上告理由に当らない。  同第五点について。  所論は量刑の非難で、同四〇五条の上告理由に当らない。  被告人Cの上告趣意は、事実誤認、単なる訴訟法違反の主張であつて、刑訴四〇 五条の上告理由に当らない。  記録を調べても、以上各上告趣意所論の点につき刑訴四一一条を適用すべきもの とは認められない。なお、被告人Dの上告趣意書は、期限後の提出にかかり不適法 であるから、判断を与えない。  よつて、刑訴四〇八条、一八一条一項本文(被告人C、同Dにつき)により、裁 判官全員一致の意見て、主文のとおり判決する。   昭和三六年四月二七日      最高裁判所第一小法廷      与えない。  よつて、刑訴四〇八条、一八一条一項本文(被告人C、同Dにつき)により、裁 判官全員一致の意見て、主文のとおり判決する。   昭和三六年四月二七日      最高裁判所第一小法廷          裁判長裁判官    入   江   俊   郎             裁判官    斎   藤   悠   輔 - 4 -             裁判官    下 飯 坂   潤   夫             裁判官    高   木   常   七 - 5 -

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