平成12(ワ)342 損害賠償請求

裁判年月日・裁判所
平成14年8月16日 岡山地方裁判所 倉敷支部
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判決文本文6,470 文字)

主文 原告ら3名各自に対し,それぞれ,(1)被告E及び被告Iは連帯して,金505万1477円及びこれに対する。 平成12年5月30日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え(2)被告F及び被告Iは連帯して,金168万3825円及びこれに対する。 平成12年5月30日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え(3)被告G及び被告Iは連帯して,金168万3825円及びこれに対する。 平成12年5月30日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え(4)被告H及び被告Iは連帯して,金168万3825円及びこれに対する。 平成12年5月30日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え 原告らの被告らに対するその余の請求をいずれも棄却する。 ,,,, 訴訟費用はこれを3分しその1を被告Iのその1をその余の被告らのその余を原告らの各負担とする。 この判決は,1項に限り,仮に執行することができる。 事実及び理由 第1請求(一部請求)原告ら3名各自に対し,それぞれ, 被告E及び被告Iは連帯して,金2100万円及びこれに対する平成12年5月30日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 被告F及び被告Iは連帯して,金700万円及びこれに対する平成12年5月30日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 被告G及び被告Iは連帯して,金700万円及びこれに対する平成12年5月30日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 被告H及び被告Iは連帯して,金700万円及びこれに対する平成12年5月30日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2事案の概要 高速道路において渋滞低速運転をしていたJ車J運転K同乗にI車被(,)(告I運転)が追突した第 12年5月30日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2事案の概要 高速道路において渋滞低速運転をしていたJ車J運転K同乗にI車被(,)(告I運転)が追突した第1事故に続き,2車が停止していたところに後続のL車(L運転)がI車に激突して,その衝撃でJ,K及びLが死亡する第2事故が発生した。本件はJ及びKの相続人である原告らが,被告I及びLの相続人らに対し自賠法3条及び民法709条に基づき第2事故による損害賠償請求(一部請求)をする事案である。 争点 (1)事故態様()(2)過失相殺被告I及び亡Jの後発事故回避措置義務違反の有無及び程度(3)亡Kにつき減額するの当否(4)亡J及び亡Kの損害第3裁判所の判断証拠(甲1ないし13,14の(1)ないし(3),15,16の(1),(2),17ないし20,21の(1),(2),22の(1)ないし(3),23の(1),(2),24ないし28,乙イ1ないし3,証人M,同N,同O,原告C法定代理人後見人,被告本人I)及び弁論の全趣旨によれば,次のとおり認められる。 本件事故の発生(当事者間に争いがない)。 次のとおり交通事故(以下「本件事故」という)が発生した。 。 日時平成12年5月30日午後9時43分ころ場所岐阜県養老郡g町q自動車道r線(s高速道路)上り線378.9キロポスト付近事故車両①亡J運転の普通乗用自動車(省略,以下「J車」と()いう)。 ②被告I(以下「被告I」という)運転の普通貨物自動。 車(省略,以下「I車」という)()。 ③亡L以下亡Lという運転の普通乗用自動車省(「」。)((略,以下「L車」という))。 被害者亡J亡K(J車に同乗) 本件事故態様(1)道路 という)()。 ③亡L以下亡Lという運転の普通乗用自動車省(「」。)((略,以下「L車」という))。 被害者亡J亡K(J車に同乗) 本件事故態様(1)道路状況本件事故現場は,s高速道路上り線上であり,事故現場付近の道路は上下(. )線が幅員約1メートル追越車線との測線までを含めると約44メートルの中央分離帯により分離された片側2車線の道路であり,車線の幅員約3. 6メートル,上下線とも幅員約2.5メートルの路側帯があり,路側帯の外側にガードレールが設置されている。中央分離帯の中央はガードレールで遮断されている。速度制限は毎時80キロメートルで,ほぼ直線道路である。 本件事故発生当時,s高速道路はリフレッシュ工事期間中で上り線側は走行車線が部分的に通行規制され,本件事故現場付近では2車線通行走行可能であったが,約1キロメートル先からは工事のため走行車線が通行規制されていた。 (2)第1事故及び第2事故の発生状況上記通行規制のため,事故現場付近はやや交通渋滞しており,亡J運転のJ車はハザードランプを点灯して追越車線を低速走行していた。J車の後続を進行していた被告I運転のI車はJ車を見つけこれに追随すべくハザードランプを点けて減速したが,目測を誤り減速の仕方が遅かったためにJ車に軽く追突した(以下「第1事故」という。同追突の衝撃でJ車は約7. 。)4メートル前進して停止し,続いてI車もその後方に停止した。 第1事故発生後直ちに,亡J及び亡K(以下両名を「J夫妻」ということがある)はJ車を下車して中央分離帯付近に佇立し,亡Jは下車した被告。 Iにつき免許証等で確認し,同被告の氏名や連絡先をメモし,同事故処理につき同被告と話し合いをしていた。約8分くらい経過し,その間に,渋滞は,,解消され先 離帯付近に佇立し,亡Jは下車した被告。 Iにつき免許証等で確認し,同被告の氏名や連絡先をメモし,同事故処理につき同被告と話し合いをしていた。約8分くらい経過し,その間に,渋滞は,,解消され先行の車両はすでになくなり追越車線上にはJ車とI車が残され追越車線を後続進行してきてJ車・I車に接近した車両は減速することなく次々と,J車・I車を回避し走行車線に大きく迂回して通過していった。 そして,第1事故から約8分経過したころに,追越車線を進行してきた大型トラックがJ車・I車に接近し走行車線へ回避し通過していった。その直,,,後同トラックの後続を進行していたL車は同トラックの動きに気づかず追越車線をそのまま進行したため,停止していたI車に激突した。その衝撃で前方に押し出されたI車は,中央分離帯付近に佇立していたJ夫妻を跳ね上げ両名を対向車線上に転倒させた(以下「第2事故」という。 。)(3)被害者等の死亡第2事故により,事故後間もなく亡Kが,続いて亡Jが死亡した。L車運転の亡Lも第2事故により死亡した。 亡Lの責任亡Lは,L車の保有者であり,かつ先行車両との車間距離を十分にとらずに進行し,先行車の動静に注意して運転すべき義務があるのにこれを怠り,第2事故を発生させたものであるから,自賠法3条及び民法709条により,第2事故による亡J及び亡Kの損害を賠償すべき責任を負う。 被告Iの責任(後発事故回避措置義務違反)(1)高速道路における運転では,車道における車両の円滑な運行を確保するため,停車,駐車は原則として禁止されており,やむを得ず停車する場合には,後続車両の安全を確保する配慮が要求される。 したがって,追越車線で停止したI車は,ハザードランプの点灯,停止表示板の設置,発煙筒の点火等により停止していることの表示を行うと を得ず停車する場合には,後続車両の安全を確保する配慮が要求される。 したがって,追越車線で停止したI車は,ハザードランプの点灯,停止表示板の設置,発煙筒の点火等により停止していることの表示を行うとともに,速やかに本線車線から移動すべき義務を負う。 (2)被告Iは,第1事故で走行不能となったわけではないから,I車を速やかに路側帯等に移動してJ夫妻と話し合うべきであったのに,ハザードランプを点灯しただけの状態で停止表示板の設置及び発煙筒の点火(夜間であったので効果的な措置であった)をすることもなく,I車の移動もしなかった点に過失がある。第2事故は前記亡Lの過失と被告Iの過失が相まって生じたものといえる。 よって,被告Iは民法709条により,第2事故による亡J及び亡Kの損害を賠償すべき責任を負う。被告Iと亡Lの責任は不真正連帯債務の関係にある。 なお,原告らは,被告Iが右ハンドルを切ってI車を停止した点について過失を主張するが,同事実は認められ,確かに右ハンドルを切っていなかったならI車がL車の追突の衝撃でJ夫妻を跳ね上げることはなかったと推測することはできるが,偶然,I車の車輪の方向にJ夫妻が佇立していた結果であり,右ハンドルを切って停止した点をもって被告Iの過失を認めることはできない。 過失相殺(亡Jの過失)亡Jは第1事故の被害者であるが,同事故によりJ車の走行が不能になったわけではないから,前記被告I同様に後発事故回避措置義務を負うものと解すべきである。 過失割合(1)亡Lとの関係においては,亡Lと亡Jの過失割合は,6対4と考えるのが相当である。 (2)被告Iとの関係においては,被告Iと亡Jの過失割合は,6対4と考えるのが相当である。被告Iは第1事故を発生させた者として,その適切な事後処理をすべきであり,亡Iとの関係 るのが相当である。 (2)被告Iとの関係においては,被告Iと亡Jの過失割合は,6対4と考えるのが相当である。被告Iは第1事故を発生させた者として,その適切な事後処理をすべきであり,亡Iとの関係においてはその責任はより重大である。 その他上記認定を左右するに足りる証拠はない。 亡Kにつき減額するの当否亡Kについても亡J同様に減額すべきであろうか。 亡KはJ車に同乗し,第1事故に遭遇し,たまたま夫である亡Jの側に佇立していただけであると認められ,亡Jと同一ないし同様の後続事故回避義務を負わせるのは相当でない。 よって,亡Kの損害についてはなんら減額しない。 亡Jの損害(1)葬儀費用等認容額206万1421円,,,,原告らはJ夫妻分として遺体の運搬葬儀及びこれに付随する諸費用レッカー代等として合計412万2842円を主張し,証拠によれば,同主張額の損害があったことが認められる。よって,その2分の1である206万1421円をもって亡Jの損害と認めるのが相当である。 (2)逸失利益(原告ら主張額5629万0855円)認容額5186万6040円亡Jは,第2事故当時48歳の健康な男子であり,家族として妻,子供3人を扶養していた。1級建築士の資格を有し「Jフレーミング工事」の名,称で建築工事業を自営しており,平成11年度の名目上の収入は527万8082円であった。よって,将来,同年齢の全労働者の平均賃金である年収額613万1100円(平成10年度賃金センサス)を得ることができる蓋然性は十分あると認められる。 よって,逸失利益の算定は,年収613万1100円を基礎に,生活費控除率30パーセント,67歳までの労働可能期間19年(ライプニッツ係数12.085)をもって算出するのが相当である。 6131100×(1-0 失利益の算定は,年収613万1100円を基礎に,生活費控除率30パーセント,67歳までの労働可能期間19年(ライプニッツ係数12.085)をもって算出するのが相当である。 6131100×(1-0.3)×12.085=51866040(3)慰謝料認容額2600万0000円原告らはJ夫妻両名の慰謝料として合計6000万円を主張する。 亡J個人の慰謝料としては,年齢,家族関係その他諸事情を総合して2600万円が相当である。 (以上(1)ないし(3)の合計7992万7461円)(4)過失相殺過失相殺後の損害4795万6476円前記のとおり,亡Jについては,被告I及び亡Lのいずれとの関係においても4割の過失相殺がなされるので,同相殺後の損害は4795万6476円となる。 (5)損害の填補填補後の損害0円亡Jに対しては6011万6560円の損害の填補があったので,亡Jの損害は全額填補された。 亡Kの損害(1)葬儀費用等認容額206万1421円前記亡Jと同様206万1421円である。 (2)逸失利益(原告ら主張額4513万9341円)認容額3724万1421円亡Kは,第2事故当時42歳の健康な女子であり,亡Jの経営する前記自,。 営業を手伝い平成11年度の名目上の収入は254万0000円であったまた,家庭にあっては主婦として家事に従事していたものであるから,逸失利益の算定は,同年齢の女子労働者の平均賃金である年収額377万4800円(平成10年度賃金センサス)をもって基礎収入とし,生活費控除率30パーセント,67歳までの労働可能期間25年(ライプニッツ係数14. 094)をもって算出するのが相当である。 3774800×(1-0.3)×14.094=37241421(3)慰謝料認容額2200万0000 歳までの労働可能期間25年(ライプニッツ係数14. 094)をもって算出するのが相当である。 3774800×(1-0.3)×14.094=37241421(3)慰謝料認容額2200万0000円原告らはJ夫妻両名の慰謝料として合計6000万円を主張する。 亡K個人の慰謝料としては,年齢,家族関係その他諸事情を総合して2200万円が相当である。 (以上(1)ないし(3)の合計6130万2842円)(4)損害の填補填補後の損害2760万8862円亡Kに対しては3369万3980円の損害の填補があったので,同填補後の損害は2760万8862円となる。 (5)弁護士費用(原告らの主張額900万0000円)認容額270万0000円本件事案の内容,認容額等に照らし,亡Kの損害請求に関する弁護士費用として270万0000円が相当であると思料する。 よって,弁護士費用を合わせた亡Kの損害合計は3030万8862円となる。 相続(当事者間に争いがない)。 (1)原告らは,いずれも亡Kの子であり,亡Kの上記損害賠償請求債権を各3分の1の割合で相続した。 よって,原告ら各人の取得額は,1010万2954円である。 (2)亡Lの法定相続人は被告E(相続分2分の1,同F(同6分の1,同))G(同6分の1,同H(同6分の1)であり,それぞれ括弧内の相続分)の割合で亡Lの損害賠償債務を相続した(1円未満は切捨て。 )よって,原告ら各人に対し,被告E(相続分2分の1)は,505万1477円同F(同6分の1)は,168万3825円同G(同6分の1)は,168万3825円同H(同6分の1)は,168万3825円の債務を負担することとなる。 結論 (1)よって,①被告Iは,原告ら各人に対し,1010万2954円及びこれ 6分の1)は,168万3825円同H(同6分の1)は,168万3825円の債務を負担することとなる。 結論 (1)よって,①被告Iは,原告ら各人に対し,1010万2954円及びこれに対する第2事故の日である平成12年5月30日から各支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払義務がある。 ②原告ら各人に対し,被告Eは,505万1477円同Fは,168万3825円同Gは,168万3825円同Hは,168万3825円及びこれに対する第2事故の日である平成12年5月30日から各支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払義務がある。 ,,③被告Iとその余の被告らの上記支払債務は不真正連帯債務であるから被告らは上記債務を連帯して支払うべきである。 (2)仮執行宣言の申立については,相当であるので,これを付することとする。 岡山地方裁判所倉敷支部裁判官宮本由美子

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