令和5年10月23日判決言渡 令和5年(行ケ)第10035号審決取消請求事件 口頭弁論終結日令和5年9月13日判決 原告 合同会社ラムタフ 同訴訟代理人弁護士 高橋淳 同光野真純 同宮川利彰 被告 特許庁長官 同指定代理人 綾郁奈子 同鈴木雅也 同森山啓 同清川恵子 主文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は、原告の負担とする。 事実 及び理由 第1 請求特許庁が不服2022-9535号事件について令和5年2月28日にした審決を取り消す。 第2 事案の概要 1 特許庁における手続の経緯等 ⑴ 商標登録出願(甲1) 原告は、令和2年9月16日、次の商標(以下「本願商標」という。)について商標登録出願を行った(商願2020-121762号。以下「本願」という。)。 ⑵ 拒絶査定等 ア 本願について、令和3年6月10日付けで拒絶理由の通知がされた。(弁論の全趣旨) イ 原告は、同年7月22日、特許庁長官に対し、意見書を提出するとともに、手続補正書を提出した。同補正書による補正後の本願の指定役務は次のとおりである。 (第35類)インストラクターのあっせん、スポーツインストラクターに関する事業の管理(第41類) 、手続補正書を提出した。同補正書による補正後の本願の指定役務は次のとおりである。 (第35類)インストラクターのあっせん、スポーツインストラクターに関する事業の管理(第41類)運動施設の提供、技芸・スポーツ又は知識の教授、音楽の演奏の興行 の企画又は運営、音楽の演奏、教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。)、スポーツの興行の企画・運営又は開催、興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)、音響用又は映像用のスタジオの提供、運動 施設の提供、娯楽施設の提供、運動用具の貸与、レコード又は録音済み磁気テープの貸与、録画済み磁気テープの貸与、写真の撮影、インターネットによる動画の提供、フィットネスに関する動画の制作、ヨガに関する動画の制作、フィットネスの興行の企画・運営又は開催、ヨガの興行の企画・運営又は開催、電子出版物の提供、書籍の制作、インストラ クターの資格認定、インストラクターの養成教育ウ本願については、令和4年2月22日付けで、拒絶査定(以下「本件拒絶査定」という。)がされた。 本件拒絶査定が拒絶の理由に引用した商標(以下、次の(ア)、(イ)、(ウ)に記載された商標をそれぞれ「引用商標1」、「引用商標2」、「引用商標3」 といい、これらを併せて「各引用商標」という。)は、次のとおりであった。 (ア) 引用商標1(甲3)a 登録番号商標登録第5693681号b 登録日 平成26年8月15日c 登録商標 d 商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務(第35類) 広告業、トレーディングスタンプの発行、経営の診 81号b 登録日 平成26年8月15日c 登録商標 d 商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務(第35類) 広告業、トレーディングスタンプの発行、経営の診断又は経営に関する助言、市場調査又は分析、商品の販売に関する情報の提供、商品の販売促進又は役務の提供促進に関する助言及び指導又は情報の提供、ホテルの事業の管理、眼鏡(部品及び附属品を含む)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供、サングラス(部品 及び附属品を含む)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供、コンタクトレンズ(附属品を含む)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供(イ) 引用商標2(甲4)a 登録番号 商標登録第5693682号b 登録日平成26年8月15日c 登録商標 d 商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務(第35類)広告業、トレーディングスタンプの発行、経営の診断又は経営に関する助言、市場調査又は分析、商品の販売に関する情報の提供、商品の販売促進又は役務の提供促進に関する助言及び指導又は情報の提供、 ホテルの事業の管理、眼鏡(部品及び附属品を含む)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供、サングラス(部品及び附属品を含む)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供、コンタクトレンズ(附属品を含む)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供 (ウ) 引用商標3(甲5)a 登録番号商標登録第6058373号 b 登録日平成30年7月6日c 登録商標 d 商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務 (ウ) 引用商標3(甲5)a 登録番号商標登録第6058373号 b 登録日平成30年7月6日c 登録商標 d 商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務 (第41類)音響・映像・静止画及び動画の制作並びに演奏又は上映、健康・教養に関するセミナー・ワークショップの企画・運営又は開催エ本件拒絶査定において、本願商標の要部及び各引用商標の要部は、「ラポール」の称呼及び「関係」の観念を共通にし、外観においても類似するも のであるから、本願商標と各引用商標は互いに類似する商標であり、かつ、本願の指定役務は、各引用商標の指定役務と同一又は類似するものであるから、本願商標は商標法4条1項11号に該当すると判断された。 ⑶ 原告は、令和4年6月3日、拒絶査定不服審判を請求した(不服2022-9535号)。 特許庁は、令和5年2月28日、「本件審判の請求は、成り立たない。」とする審決(以下「本件審決」という。)をし、その謄本は、同年3月14日に原告に送達された。 ⑷ 原告は、令和5年4月12日、本件審決の取消しを求めて、本件訴訟を提起した。 2 本件審決の理由の要旨本件審決の理由は、別紙1審決書(写し)のとおりであり、その理由の要旨は次のとおりである。 ⑴ 本願商標について 本願商標は、上段に数字の8をモチーフにしたかのような茶色の螺旋様の曲線を二つ組み合わせた幾何図形と、当該図形の上方周辺に、それぞれ赤色、オレンジ色、黄色、黄緑色、水色、青色、紫色に着色した七つの葉のような図形を放射状に均等に配してなり(以下、この部分を「図形部分」という。)、その下に間隔を空けて「Rapport」の欧文字(以下「上段文字部分」 という。)を大きく横書きし、さらにそ の葉のような図形を放射状に均等に配してなり(以下、この部分を「図形部分」という。)、その下に間隔を空けて「Rapport」の欧文字(以下「上段文字部分」 という。)を大きく横書きし、さらにその下に小さく「withYOGAonline」の欧文字(以下「下段文字部分」といい、上段文字部分と併せて「文字部分」という。)を横書きしてなる構成からなる。 図形部分と文字部分は重なり合うことなく間隔を空けて配置されているから、本願商標は視覚上図形部分と文字部分とに分離して看取される。 図形部分は、特定の称呼及び観念を生じないものであって、文字部分と意味上のつながりがあるとはいえず、本願の指定役務との関係において、図形部分と文字部分のいずれかが自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないとみるべき特別な事情も認められないから、図形部分と文字部分を分離して観察することが、取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合して いるものとは認められない。 下段文字部分は「ウィズヨガオンライン」の称呼を生じ、「オンラインのヨガで」ほどの意味合いを想起させるものであり、上段文字部分の「Rapport」は、「関係」の意味を有する英語であるものの、我が国において広く一般に親しまれた語ではなく、本願の指定役務との関係において、取引者、 需要者に役務の質等を表すものとして認識させる特別の事情もないから、特定の語義を有しない一種の造語として認識、把握されるとみるのが相当である。特定の語義を有しない欧文字からなる商標を称呼するときは、我が国で広く親しまれている英語風又はローマ字風の発音をもってするのが一般的であり、上段文字部分からは、その構成文字に相応して英語風に発音した「ラ ポート」の称呼が生ずる。 また、上段文字部分が下段文 まれている英語風又はローマ字風の発音をもってするのが一般的であり、上段文字部分からは、その構成文字に相応して英語風に発音した「ラ ポート」の称呼が生ずる。 また、上段文字部分が下段文字部分より大きく横長に顕著に表されており、出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものといえ、文字部分から生じる「ラポートウィズヨガオンライン」の称呼もやや冗長であって、簡易迅速を尊ぶ商取引の実際において、取引者、需要者は、上段文字部分をもって取引に資する場合も少なくないとみるのが相当であるから、上段文字部分が 自他役務の識別標識としての機能を果たす部分である。 そうすると、本願商標は、図形部分及び上段文字部分が、それぞれ独立して出所識別機能を有する要部となり得るものであるから、その構成中の上段文字部分を要部として抽出し、各引用商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきである。 したがって、本願商標は、構成全体から生じる「ラポートウィズヨガオンライン」の称呼に加えて、上段文字部分の構成に相応して「ラポート」の称呼をも生じ、特定の観念を生じないものである。 ⑵ 各引用商標についてア引用商標1は、「RAPPORT」の欧文字を横書きしてなるところ、当 該文字に相応して「ラポート」の称呼を生じ、特定の観念を生じない。 イ引用商標2は、上段に眼鏡様の図形と、その下に「RAPPORT」の欧文字を横書きしてなるところ、眼鏡様の図形と「RAPPORT」の欧文字部分を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとは認められず、両者が独立して出所識別機 能を有する要部となり得るものであり、「RAPPORT」の欧文字部分を要部として抽出し、本願商標と比較して商標の類否を判断す 不可分的に結合しているものとは認められず、両者が独立して出所識別機 能を有する要部となり得るものであり、「RAPPORT」の欧文字部分を要部として抽出し、本願商標と比較して商標の類否を判断することも許される。 したがって、引用商標2は、「ラポート」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 ウ引用商標3は、「Rapport」の欧文字を上段に、「ラポア」の片仮 名を下段に、上下二段に横書きしてなるところ、下段の「ラポア」の片仮名は、上段の「Rapport」の欧文字から生じる自然な称呼と解することはできず、読みを特定したものと無理なく認識できるともいい難い。 したがって、引用商標3は、上段及び下段の各文字からそれぞれ称呼を生じるとみるのが相当であるから、上段の「Rapport」の欧文字に 相応して「ラポート」の称呼を、下段の片仮名に応じて「ラポア」の称呼を、それぞれ生じ、特定の観念を生じないものである。 ⑶ 本願商標と各引用商標との類否についてア本願商標と引用商標1及び引用商標2との類否について外観については、図形部分の有無や文字の書体、大文字と小文字の相違 等があるものの、本願商標の要部である上段文字部分と、引用商標1の欧文字及び引用商標2の要部である欧文字部分とを比較すると、その全ての構成文字のつづりを同じくしており、取引者、需要者は、前記相違にかかわらず、いずれも「RAPPORT」の欧文字であるものと容易に認識するとみるのが相当であるから、両者は外観において類似する。 また、本願商標と引用商標1及び引用商標2とは、「ラポート」の称呼を同一にし、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念を比較することはできない。 そうすると、本願商標の要部と引用商標1及び引用商標2の要部 引用商標1及び引用商標2とは、「ラポート」の称呼を同一にし、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念を比較することはできない。 そうすると、本願商標の要部と引用商標1及び引用商標2の要部との対比において外観は類似し、両者は称呼を同一にするから、取引者、需要者 に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標1及び引用商標2は、役務の出所について誤認混同を生じるおそれがあり、互いに類似の商標である。 イ本願商標と引用商標3との類否について外観については、図形部分や片仮名の有無、文字の書体等の相違がある ものの、本願商標の上段文字部分と引用商標3の欧文字部分とは、そのす べての構成文字のつづりを同じくし、語頭のみを大文字で表していることを共通にしており、両者は外観において類似する。 また、本願商標と引用商標3は、「ラポート」の称呼を共通にしており、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念を比較することはできない。 そうすると、本願商標の要部と引用商標3の欧文字とは類似し、両者は称呼を同一にするから、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標3は、役務の出所について誤認混同を生じるおそれがあり、互いに類似の商標である。 ⑷ 本願の指定役務と各引用商標の指定役務との類否について ア本願の指定役務と引用商標1及び引用商標2の指定役務の類否について本願の指定役務中、第35類「スポーツインストラクターに関する事業の管理」(以下「本願商標第35類指定役務」という。)は、他人の依頼により、その他人の事業(スポーツインストラクター業)の業績を伸ばしたり、安定した事業経営が行えるようにしたりすること等のために事業を管 以下「本願商標第35類指定役務」という。)は、他人の依頼により、その他人の事業(スポーツインストラクター業)の業績を伸ばしたり、安定した事業経営が行えるようにしたりすること等のために事業を管 理することを目的としており、経営コンサルタント等が他人の事業のために行う事業支援を内容とする役務である。 また、引用商標1及び引用商標2の指定役務中、第35類「経営の診断又は経営に関する助言、市場調査又は分析、商品の販売に関する情報の提供、商品の販売促進又は役務の提供促進に関する助言及び指導又は情報の 提供、ホテルの事業の管理」(以下「引用商標第35類指定役務」という。)は、いずれも経営コンサルタント等が他人の事業のために行う事業支援を内容とする役務である。 そうすると、本願商標第35類指定役務及び引用商標第35類指定役務は、事業支援という役務の内容を共通にするものであり、それらは共通す る事業者により提供されるものであるから、同一又は類似の商標を使用す るときは、同一営業主の提供に係る役務であるとの出所の誤認混同が生じるおそれがあり、両者は類似する役務と認められる。 イ本願の指定役務と引用商標3の指定役務との類否について本願の指定役務中、第41類「インターネットによる動画の提供、フィットネスに関する動画の制作、ヨガに関する動画の制作」は、他人の依頼 により動画をインターネットで提供することや、他人のためにフィットネスやヨガに関する動画を制作することを目的とするものであり、映像や動画の制作会社等が他人の依頼に基づいて行う役務である。 また、引用商標3の指定役務中、「音響・映像・静止画及び動画の制作並びに演奏又は上映」は、映像や動画の制作会社等が他人の依頼に基づいて 行う役務である。 そうすると、本願 行う役務である。 また、引用商標3の指定役務中、「音響・映像・静止画及び動画の制作並びに演奏又は上映」は、映像や動画の制作会社等が他人の依頼に基づいて 行う役務である。 そうすると、本願の上記指定役務と、引用商標3の上記指定役務とは、「動画の制作」等といった役務の内容を共通にするものであり、それらは共通する事業者により提供されるものであるから、同一又は類似の商標を使用するときは、同一営業主の提供に係る役務であるとの出所の誤認混同 が生じるおそれがあり、両者は類似する役務と認められる。 ⑸ 結論本願商標は各引用商標と類似する商標であって、かつ、本願の指定役務は各引用商標の指定役務と類似するものであるから、本願商標は、商標法4条1項11号に該当し、登録することができない。 3 取消事由⑴ 取消事由1本願商標と各引用商標の類否判断の誤り⑵ 取消事由2本願の指定役務と各引用商標の指定役務の類否判断の誤り 第3 当事者の主張 1 取消事由1(本願商標と各引用商標の類否判断の誤り)について〔原告の主張〕⑴ 本願商標は、人型を想起させる螺旋様の曲線を組み合わせて作られた数字の8をモチーフにし、その周りに、葉の形をしたものが七つ均等に配置され、左から順に赤、オレンジ、黄色、黄緑、水色、青、紫とグラデーションにな っており、これらの図形の下に上段文字部分(「Rapport」の文字)が配置され、その更に下に下段文字部分(「withYOGAonline」の文字)がまとまりよく配置されたものである。 本願商標の図形部分は、人や8を彷彿とさせ、七つの色とりどりの葉様の図に囲まれヨガなどをしている人物をも連想させ得る図形であって、トレー ドマークとしての印象が極めて強い。図形部分 である。 本願商標の図形部分は、人や8を彷彿とさせ、七つの色とりどりの葉様の図に囲まれヨガなどをしている人物をも連想させ得る図形であって、トレー ドマークとしての印象が極めて強い。図形部分と文字部分の本願商標に占める割合は、図形部分が5、文字部分が3であり、図形部分の面積が全体の6割を超えるから、本願商標の全体としての印象は図形部分によるものが大きい。文字部分は上段文字部分が全体の約2割、下段文字部分が全体の約1割にとどまり、「Rapport」とは「関係」等を示すフランス語の名詞であ り、「withYOGAonline」はオンラインでヨガを一緒に行うという意味にすぎないから、特徴的な振る舞いをする文字ではない。 したがって、本願商標のうち、上段文字部分は、出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められず、むしろ図形部分が強く支配的な印象を与え、出所識別標識としての観念を生じさせるものである。仮に、上段 文字部分も要部となり得るとしても、本願商標については、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められる場合には当たらない。 本件審決は、本願商標の文字部分は、上段文字部分が大きく、「ラポートウィズヨガオンライン」の称呼がやや冗長であり、商取引上、上段文字部分を もって取引に資する場合が少なくないなどと判断しているが、前記のとおり、 本願商標の全体の6割以上を占める図形部分が支配的な印象を与えるものであり、前後や上下のいずれが取引に資するかは、どちらが印象に残るかが重視されるのであって、上段文字部分が取引に資することはない。 以上によれば、上段文字部分だけを抽出して、各引用商標と比較して商標の類否を判断することは許されない。 ⑵ 本願商標と各引用商標は、いずれも「 あって、上段文字部分が取引に資することはない。 以上によれば、上段文字部分だけを抽出して、各引用商標と比較して商標の類否を判断することは許されない。 ⑵ 本願商標と各引用商標は、いずれも「Rapport」又は「RAPPORT」を含むが、各引用商標には本願商標の図形部分が含まれず、この点において著しく相違する。 特に、引用商標2は、眼鏡を模した図形が記載され、その下に「RAPPORT」と大文字のアルファベットが記載され、各構成部分は外観上まとま りよく一体的に表現され、図形と文字の色が同一で大きさも同程度であって、一連一体のものとして表示されており、その構成部分の一部が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えることはなく、「RAPPORT」の文字は「関係」という意味を有し、前記図形は眼鏡を想起させることから、文字と図形のいずれも出所識別標識としての称 呼、観念が生じ得るのであって、「RAPPORT」の文字のみを取り出して本願商標と比較して類否判断を行うことはできない。 また、引用商標3は、「Rapport」とアルファベットで記載された下に、ほぼ同じ大きさで「ラポア」と読み仮名が記載されており、その構成各文字は外観上まとまりよく一体的に表現されていて、いずれの語も強調され たり、印象的に振る舞ったりすることもなく、一連一体のものとして表示されていることから、引用商標3は、構成全体をもって一体不可分のものと認識・把握される。そして、全体観察を行うと、引用商標3は本願商標とは全く異なる外観を有しており、その称呼は「ラポア」であって、「RAPPORT」がフランス語で「関係」という意味であることから、関係という観念が 生じるのであって、本願商標と引用商標3は類似しない。 観を有しており、その称呼は「ラポア」であって、「RAPPORT」がフランス語で「関係」という意味であることから、関係という観念が 生じるのであって、本願商標と引用商標3は類似しない。 ⑶ア原告は、2007年に創設され、ヨガ・フィットネスのコンテンツ開発やインストラクター育成、ヨガ・フィットネスの施設全体のコンサルティング、ヨガ・フィットネスイベントの企画・運営や企業向け健康教育支援、ECサイトの運営などを行っており、本願商標は、原告代表者をはじめ、各界のプロフェッショナルが監修をしている「運動・休養・睡眠・栄養・ メンタルヘルス・禁煙」の改善・向上を目的としたウェルビーイングコンテンツをオンライン上で配信する事業のブランドで用いられている。このような原告による本願商標の使用方法からすれば、本願商標第35類指定役務(「スポーツインストラクターに関する事業の管理」)は、インストラクターの養成を行い、美容と健康に興味のある受講者や入門者に対し、職 業としてのフィットネスやヨガのインストラクターとしての知見を授与し、インストラクターとして就業可能とすべく他者への指導に当たらせる機会を提供するものであり、また、企業内に所属するインストラクターや企業の福利厚生に関するコンサルティングを提供するものである。 そして、本願商標の需要者は、オンラインコンテンツを受講する一般消 費者のみならず、インストラクター資格の取得を目指すヨガの専門家、福利厚生を取り入れたいと考えている企業の担当者も含まれる。 オンライン上のウェルビーイングコンテンツを視聴及び受講するという取引の性質上、視覚を中心とするため、商標の構成全体の外観により、またページ全体を通じて役務の出所識別を行う。また、誰によって役務が 提供されるのか、ど ングコンテンツを視聴及び受講するという取引の性質上、視覚を中心とするため、商標の構成全体の外観により、またページ全体を通じて役務の出所識別を行う。また、誰によって役務が 提供されるのか、どのような効果を得られるのかなどについて、薬品や医師などを選択する際と同程度の注意力を払って選択する。 さらに、企業がコンサルティングを依頼する場合、課題を明確化し課題解決のための具体的なアプローチをともに行ってもらうため、企業の社運を賭けて行われるものであるから、相当程度慎重に選ばれる。 以上のような取引の性質や企業の実情を考慮して全体的に考察すれば、 本願商標と引用商標1及び2とは、各指定役務に使用された場合において、出所の誤認混同のおそれはなく、商標が類似しているとは認められない。 イ本願商標が付されるヨガのコンテンツにおいては、物品の購入とは異なり契約締結後もコンテンツの視聴及び受講という関係が継続し、ヨガという自らの心身の健康に直結する役務であることから、コンテンツの外観の みならず誰によって提供されるのか、どのような効果が得られるのか、動画の内容はどのようなものなのかといった、薬品や医師などを選択する際と同程度の注意力を払って商品及び役務を選択するという取引の実情がある。 このようなヨガのオンラインコンテンツの制作という心身に直結する ものを選ぶ一般消費者及び福利厚生を検討する企業の担当者が需要者であるという取引の性質に加え、企業の実情を考慮して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標3とは、各指定役務に使用された場合において、出所の誤認混同のおそれはなく、商標が類似しているとは認められない。 ⑷ 特許庁においては、別紙2参考商標目録記載1から4までの各商標(以下、 それぞれ別紙2参考商標目録記載 た場合において、出所の誤認混同のおそれはなく、商標が類似しているとは認められない。 ⑷ 特許庁においては、別紙2参考商標目録記載1から4までの各商標(以下、 それぞれ別紙2参考商標目録記載のとおり「参考商標1」などといい、これらの商標を併せて「各参考商標」という。)が登録されている。被告の主張を前提とすれば、各参考商標はいずれも各引用商標と類似していると判断され、かつ、各参考商標の指定役務の中に、各引用商標の指定役務と提供主体の業種が同一であり、同一事業者が取り扱うことが多いものがあるから、各参考 商標は登録されないはずであるが、これらは登録されており、被告の主張は一貫しておらず、各参考商標が登録されたにもかかわらず本願商標が登録されないというのは、その判断に整合性がなく、不合理である。 〔被告の主張〕⑴ 本願商標の上・中・下段の構成部分は、段を異にして、一定の間隔を開け て配置されており、各構成要素の差異(図形と文字の違い、大きさの差異) も考慮すると、それぞれが視覚上分離、独立した印象を与えるものであり、各段の構成部分を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものではない。 本願商標の構成中、図形部分は、取引者及び需要者においてこれが何を図案化したものであるかを一見して理解することができず、特定の意味を表す ものとして看取されるものとはいえないから、本願の指定役務との関係において、取引者、需要者に役務の具体的な質等を表すものとして認識させるものではなく、特定の称呼及び観念が生じるものではない。また、図形部分は、文字部分との関係において、意味上のつながりがあるとはいえないから、文字部分とは離れて独立して役務の出所識別標識としての機能を果たし得る。 上 び観念が生じるものではない。また、図形部分は、文字部分との関係において、意味上のつながりがあるとはいえないから、文字部分とは離れて独立して役務の出所識別標識としての機能を果たし得る。 上段文字部分(「Rapport」の文字部分)は、フランス語を語源とする「信頼関係」等の意味を有する英語であるが、我が国において広く一般に親しまれた語とはいえず、その他に取引者、需要者に役務の具体的な質等を表すものとして認識させるといえるような特段の事情もないことから、特定の意味を直ちに理解させることのない一種の造語として認識させるものであ る。また、本願商標の各構成部分が視覚上分離、独立したものと認識される中で、大きく目立つように表示されていることや、文字の持つ本来的な訴求力の強さに鑑みれば、上段文字部分は、役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与える。そして、特定の意味を直ちに理解させることのない造語にあっては、我が国において広く親しまれているローマ字読み又は類似の英 単語の読みに倣って称呼されるとみるのが自然であるところ、上段文字部分は、ローマ字読み又は類似の英単語の読みに倣えば「ラポート」と称呼され、特定の観念は生じない。 下段文字部分(「withYOGAonline」の文字部分)は、「オンラインのヨガで」ほどの意味を理解させ、当該文字に相応して「ウィズヨガ オンライン」の称呼を生じるものであり、本願の指定役務との関係において は、オンラインのヨガに関連する役務であることを想起させるものであるといえる。また、下段文字部分は、本願商標の構成態様においては、図形部分や上段文字部分の下に小さく付記的に表示されているにすぎない。そうすると、下段文字部分は、役務の内容に関係する表示に相当するとの印象を与えるにすぎない 部分は、本願商標の構成態様においては、図形部分や上段文字部分の下に小さく付記的に表示されているにすぎない。そうすると、下段文字部分は、役務の内容に関係する表示に相当するとの印象を与えるにすぎないもので、図形部分や上段文字部分に比べると、出所識別標識と しての機能は弱いものである。 以上を総合すれば、商標の類否の判断に当たっては、本願商標の要部である上段文字部分(「Rapport」の文字部分)だけを取り出して、引用商標と比較し、その類否を判断することが許される。したがって、本願商標は、その要部たる「Rapport」の文字部分に相応して、「ラポート」の称呼 が生じ、特定の観念は生じない。 ⑵ 引用商標1は、「RAPPORT」の文字を横書きしてなるところ、当該文字は、フランス語を語源とする「信頼関係」の意味を有する英語であるが、本願商標と同様に特定の意味を直ちに理解させることのない一種の造語として認識されるものであり、ローマ字読み又は類似の英単語の読みに倣えば、 「ラポート」と称呼され、特定の観念は生じない。 引用商標2は、上段に眼鏡様の図形と、その下に「RAPPORT」の文字を横書きしてなるところ、当該図形及び「RAPPORT」の文字は、重なり合うことなく間隔を開けて配置されていることから、引用商標2は、視覚上、眼鏡様の図形と「RAPPORT」の文字部分とに分離して看取され るものであり、本願の指定役務と類似する引用商標2の指定役務との関係においては、それぞれが独立して役務の出所識別標識としての機能を果たし得るものである。そして、「RAPPORT」の文字は、特定の意味を直ちに理解させることのない一種の造語として認識されるものであり、ローマ字読み又は類似の英単語の読みに倣えば、「ラポート」と称呼され、特定の観念は る。そして、「RAPPORT」の文字は、特定の意味を直ちに理解させることのない一種の造語として認識されるものであり、ローマ字読み又は類似の英単語の読みに倣えば、「ラポート」と称呼され、特定の観念は生 じない。 本願商標の要部「Rapport」の文字部分と、引用商標1の「RAPPORT」の文字及び引用商標2の「RAPPORT」の文字部分を比較すると、文字の書体、大文字と小文字等の相違があるものの、その全ての構成文字のつづりを同じくすることからすれば、取引者、需要者はいずれも「Rapport(RAPPORT)」の文字であると認識するのであるから、外 観から受ける印象は近似したものといえ、両者は外観において類似する。 称呼については、本願商標の要部と引用商標1の文字及び引用商標2の「RAPPORT」の文字部分からは、いずれも「ラポート」の称呼が生じるから、両者は称呼を同一にする。 観念については、本願商標の要部と引用商標1の文字及び引用商標2の 「RAPPORT」の文字部分からは、いずれも特定の観念を生じないから、観念上比較することはできない。 そうすると、本願商標の要部と引用商標1の文字及び引用商標2の文字部分とは、観念において比較することはできず、外観において類似し、称呼を同一にするものであるから、これらによって、取引者、需要者に与える印象、 記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標1及び引用商標2とは、役務の出所について誤認混同を生じるおそれのある、互いに類似の商標というべきである。 ⑶ 引用商標3は、「Rapport」の文字を上段に、「ラポア」の片仮名を下段に、上下二段に横書きしてなるところ、視覚上、上段の「Rappor t」の文字と下段の「ラポア」の片仮名とに分離して ⑶ 引用商標3は、「Rapport」の文字を上段に、「ラポア」の片仮名を下段に、上下二段に横書きしてなるところ、視覚上、上段の「Rappor t」の文字と下段の「ラポア」の片仮名とに分離して看取されるものであり、それぞれが独立して役務の出所識別標識としての機能を果たし得る。 上段の「Rapport」の文字は、特定の意味を直ちに理解させることのない一種の造語として認識されるものであり、ローマ字読み又は類似の英単語の読みに倣えば、「ラポート」と称呼され、特定の観念は生じない。 下段の「ラポア」の片仮名は、フランス語を語源とする英語「Rappo rt」の発音を片仮名表記したものとみられるが、これが上段の「Rapport」の文字から生じる自然な称呼ということはできず、読みを特定したものと無理なく認識できるとはいい難いものである。また、「ラポア」の文字は、辞書等に載録がなく、特定の意味を直ちに理解させることのない一種の造語として認識されるものである。 そうすると、引用商標3は、上段及び下段の各文字からそれぞれ称呼を生じるというべきであるから、上段の「Rapport」の文字に相応して「ラポート」の称呼を、下段の片仮名に相応して「ラポア」の称呼を、それぞれ生じ、いずれも特定の観念を生じない。 本願商標の要部「Rapport」の文字部分と、引用商標3の「Rap port」の文字部分を比較すると、文字の書体の相違があるものの、その全ての構成文字のつづりを同じくすることからすれば、取引者、需要者は、いずれも「Rapport」の文字であると認識するのであるから、外観から受ける印象は近似したものといえ、両者は外観において類似する。 称呼については、本願商標の要部と引用商標3の「Rapport」の文 字部分からは、い 文字であると認識するのであるから、外観から受ける印象は近似したものといえ、両者は外観において類似する。 称呼については、本願商標の要部と引用商標3の「Rapport」の文 字部分からは、いずれも「ラポート」の称呼が生じるから、両者は称呼を同一にする。 観念については、本願商標の要部と引用商標3の「Rapport」の文字部分からは、いずれも特定の観念を生じないから、観念上比較することはできない。 そうすると、本願商標の要部と引用商標3の「Rapport」の文字部分とは、観念において比較することはできず、外観において類似し、称呼を同一にするものであるから、これらによって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標3は、役務の出所について誤認混同を生じるおそれのある、互いに類似の商標という べきである。 ⑷ 前記〔原告の主張〕⑶及び⑷の各主張は争う。 2 取消事由2(本願の指定役務と各引用商標の指定役務の類否判断の誤り)について〔原告の主張〕⑴ 本願商標は、オンライン上で提供される健康に関する情報や知識、体験に 関するブランドであって、本願商標第35類指定役務は、インストラクターの養成を行い、美容と健康に興味のある受講者や入門者に対し、職業としてフィットネスやヨガのインストラクターとしての知見を授与し、インストラクターとして就業可能とすべく他者への指導に当たらせる機会を提供する役務である。 これに対し、引用商標1及び引用商標2の権利者である株式会社二橋は、老舗の眼鏡、コンタクトレンズ、補聴器を取り扱う会社であり、その指定役務には、「ホテルの事業管理」のほか、広告業、経営の診断又は経営に関する助言、市場調査又は分析のほか、眼鏡やサングラス 社二橋は、老舗の眼鏡、コンタクトレンズ、補聴器を取り扱う会社であり、その指定役務には、「ホテルの事業管理」のほか、広告業、経営の診断又は経営に関する助言、市場調査又は分析のほか、眼鏡やサングラスなどアイウエアを中心とした小売又は卸売りなどが含まれているのであって、「ホテルの事業管理」に ついては、眼鏡を始めとしたアイウエアの提供を行っている会社がホテルの事業管理も行っていると容易に理解することができる。 したがって、本願の指定役務と引用商標1及び2の指定役務が同一又は類似であるとはいえない。 ⑵ 引用商標3は、権利者「A」が行っている「ラポア」という事業であり、 その内容は不明であるが、何らかの企画や動画等の上演などを指定役務としている。フィットネスに関する需要者がサービスや知識を享受する際には、その内容が重要であり、オンライン上でヨガなどの健康に関する情報や知識等を受けることと、その他の情報や動画の視聴は全く役務を異にし、提供する役務に混同を生じるおそれはない。 したがって、本願の指定役務と引用商標3の指定役務が同一又は類似であ るとはいえない。 〔被告の主張〕⑴ア本願の指定役務並びに引用商標1及び引用商標2の指定役務に含まれる第35類の「事業の管理」は、その文言から理解される役務は、他人のために事業を管理する役務であり、千九百六十七年七月十四日にストックホ ルムで及び千九百七十七年五月十三日にジュネーヴで改正され並びに千九百七十九年十月二日に修正された標章の登録のための商品及びサービスの国際分類に関する千九百五十七年六月十五日のニース協定(以下「ニース協定」という。)1条に規定する国際分類を構成する類別表の注釈によれば、第35類に属する役務は、主として人又は組織が提供するサービスであっ 類に関する千九百五十七年六月十五日のニース協定(以下「ニース協定」という。)1条に規定する国際分類を構成する類別表の注釈によれば、第35類に属する役務は、主として人又は組織が提供するサービスであっ て、「商業に従事する企業」又は「工業若しくは商業に従事する企業」に対して、運営若しくは管理に関する援助、事業若しくは商業機能の管理に関する援助を提供するものであるから、当該役務は、商業等に従事する企業に対して、その企業の事業の管理、運営等を援助するための役務と解釈されるべきものである。 したがって、本願商標第35類指定役務は、「スポーツインストラクターに関する商業等に従事する企業に対して、その企業の事業の管理、運営等を援助するための役務」を提供するものであるといえる。 また、引用商標第35類指定役務は、いずれも、商業等に従事する企業に対して、その企業の事業の管理、運営等を援助するための役務であると いえる。 イ公的統計における産業分類を定めた総務省告示である日本標準産業分類において、「マネジメントに関する診断、指導、教育訓練、調査研究などを行う事業所」は「経営コンサルタント業」に分類されており、「商品及び役務の区分解説(国際分類11-2022版対応)特許庁商標課編」でも、 第35類の「経営の診断又は経営に関する助言事業の管理市場調査又 は分析商品の販売に関する情報の提供」のサービスは「経営コンサルタント」等が行うものである旨が明記されている。 したがって、本願商標第35類指定役務及び引用商標第35類指定役務は、いずれも「経営コンサルタント業」が提供主体の業種であり、同一の事業者が提供し得るものである。例えば、幅広くスポーツに関連する事業 のコンサルティングを提供する事業者が存在しており、こ 役務は、いずれも「経営コンサルタント業」が提供主体の業種であり、同一の事業者が提供し得るものである。例えば、幅広くスポーツに関連する事業 のコンサルティングを提供する事業者が存在しており、このような事業者は、スポーツインストラクターに関する事業の管理を提供し、かつ、スポーツに関連する「商品の販売に関する情報の提供、商品の販売促進又は役務の提供促進に関する助言及び指導又は情報の提供」を行っている。また、スポーツに関連する事業を含む多様な産業分野の事業のコンサルティン グを提供している事業者は、本願商標第35類指定役務及び引用商標第35類指定役務を提供している。 ウ本願商標第35類指定役務及び引用商標第35類指定役務は、いずれも、①需要者は商業等に従事する企業であり、②事業の管理、運営等の援助に関する「企画、実施、効果測定」等を行うという手段を採るものであり、 ③その目的は、経営管理やビジネスで企業が抱えている諸問題を解決すること、新たなビジネスチャンスを探し、企業の飛躍を目指すこと、会社組織の目的や目標の設定、その達成に向けてのサポートをすること、従業員や経営陣のモチベーションを上げて業務効率を向上させること、新たなる変革を実施し、合理化や付加価値の向上を目指すことなどであり、要する に企業の経営体制を向上させることであって、両役務の需要者、役務の提供の手段及び提供の目的は共通する。 エ以上のとおり、本願商標第35類指定役務及び引用商標第35類指定役務は、役務の提供主体の業種が共通し、同一の事業者が提供し、需要者の範囲並びに提供の手段及び目的が共通するから、上記指定役務に同一又は 類似の商標を使用するときは、同一営業主の提供に係る役務と誤認される おそれがあると認められる関係にあるものといえ の範囲並びに提供の手段及び目的が共通するから、上記指定役務に同一又は 類似の商標を使用するときは、同一営業主の提供に係る役務と誤認される おそれがあると認められる関係にあるものといえ、両役務は類似の役務である。 ⑵ 本願の指定役務のうち第41類「音楽の演奏」は、引用商標3の指定役務の第41類「音響・映像・静止画及び動画の制作並びに演奏又は上映」のうち「音響の演奏」と同様のものであるから、互いに類似する。 本願の指定役務のうち第41類「教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。)、フィットネスに関する動画の制作、ヨガに関する動画の制作」は、いずれも「動画(ビデオ)の制作」であり、引用商標3の指定役務の第41類「音響・映像・静止画及び動画の制作並びに演奏又は上映」のうち「映像及び動画の制作」に含まれるから、 同一又は類似のものである。 引用商標3の指定役務の第41類「音響・映像・静止画及び動画の制作並びに演奏又は上映」のうち「映像及び動画の上映」は、インターネットによるものも含まれており、この指定役務と本願の指定役務のうち第41類「インターネットによる動画の提供」とは、いずれも動画(映像)をインターネ ット上で提供(上映)するという手段、視聴者(需要者)に動画(映像)を見せるという目的、当該動画(映像)を求める需要者の範囲、動画(映像)を制作する提供主体が共通し、同一の事業者が提供するといい得るものである。 以上のとおり、本願の指定役務のうち第41類「音楽の演奏、教育・文化・ 娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。)、インターネットによる動画の提供、フィットネスに関する動画の制作、ヨガに関する動画の制作」と、引用商標3の指定役務の ・ 娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。)、インターネットによる動画の提供、フィットネスに関する動画の制作、ヨガに関する動画の制作」と、引用商標3の指定役務のうち第41類「音響・映像・静止画及び動画の制作並びに演奏又は上映」は、提供の手段、目的が共通し、需要者の範囲、役務の提供主体が共通し、同一の事業者が提供するも のであるから、本願商標及び引用商標3の上記指定役務に同一又は類似の商 標を使用するときは、同一営業主の提供に係る役務と誤認されるおそれがあると認められる関係にあるといえ、両役務は同一又は類似の役務である。 第4 当裁判所の判断 1 取消事由1(本願商標と各引用商標の類否判断の誤り)について⑴ 判断基準 商標の類否は、対比される両商標が同一又は類似の商品又は役務に使用された場合に、その商品又は役務の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきであるが、それには、使用された商標がその外観、観念、称呼等によって取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべく、しかも、その商品又は役務に係る取引の実情を明らかにし得 る限り、その具体的な取引状況に基づいて判断するのが相当である(最高裁昭和43年2月27日第三小法廷判決・民集22巻2号399頁参照)。 また、商標はその構成部分全体によって他人の商標と識別すべく考案されているものであるから、みだりに、商標構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判定することは許されな い。しかし、簡易、迅速を尊ぶ取引の実際においては、各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認められない商標は、常に必ずし されな い。しかし、簡易、迅速を尊ぶ取引の実際においては、各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認められない商標は、常に必ずしもその構成部分全体の名称によって称呼、観念されず、しばしばその一部だけによって簡略に称呼、観念され、一個の商標から二個以上の称呼、観念の生ずることがあるのは、経 験則の教えるところである。この場合、一つの称呼、観念が他人の商標の称呼、観念とは同一又は類似とはいえないとしても、他の称呼、観念が他人の商標のそれと類似するときは、両商標はなお類似するものと解するのが相当である(最高裁昭和38年12月5日第一小法廷判決・民集17巻12号1621頁参照)。 ⑵ 本願商標について ア本願商標は前記第2の1⑴のとおりであり、本願商標の上部には、全体の半分を超える大きさで図形が表され(図形部分)、その下に二段からなる文字が表され、文字部分の上段には欧文字で大きく「Rapport」と表され(上段文字部分)、下段には欧文字で小さく「withYOGAonline」と表されている(下段文字部分)ものである。 イ本願商標の全体を観察すると、図形部分と文字部分は形態が大きく異なるとともに、両部分の間には空白部分があり、図形部分と文字部分が視覚的に独立した印象を与える。 図形部分は、数字の8をモチーフにした茶色の螺旋様の曲線を二つ組み合わせた図形と、当該図形の上方周辺に、赤色、オレンジ色、黄色、黄緑 色、水色、青色、紫色に着色された七つの葉のような図形を放射状に均等に配してなるものである。このような構成の図形部分は、一見して何を表す図形であるかを認識することのできないものであるといえ、この部分から特定の観念及び称呼が生じるとは の葉のような図形を放射状に均等に配してなるものである。このような構成の図形部分は、一見して何を表す図形であるかを認識することのできないものであるといえ、この部分から特定の観念及び称呼が生じるとは認められない。 文字部分はいずれも茶色で表されているが、上段文字部分の文字の大き さは下段文字部分の文字の大きさより明らかに大きくなっており、視覚的に独立した印象を与えるものといえる。 上段文字部分の「Rapport」の語は、フランス語の単語あるいはフランス語に由来する英単語であり、その意味は「関係」、「信頼関係」等であるが(乙4、弁論の全趣旨)、日本国内において慣れ親しまれている単 語であるとはいえず、その意味及び発音についても一般的に認識されているとは認められない。このことからすると、上段文字部分からは、「Rapport」のローマ字の読みから連想される「ラポート」の称呼を生じ、特定の観念は生じないと認められる。 下段文字部分の「withYOGAonline」は、「with」、「Y OGA」及び「online」の三つの英単語からなるものであるところ、 「with」は「・・とともに」等を、「YOGA」は「ヨガ」等を、「online」は「オンライン」、「オンライン状態にある」等を意味する英単語であり、これらの英単語は、日本国内において親しまれている単語であり、その意味が広く認識されているものであるといえる。 そうすると、上段文字部分及び下段文字部分を併せた文字部分が、一体 不可分の特定の意味を有すると認識されるとはいえず、本願商標の文字部分全体を一連一体のものと観察すべきものとする取引の実情その他の事情があるとも認められない。 ウ上記ア及びイの説示によれば、本願商標は、図形部分、上段文字部分及び下段文字部分 、本願商標の文字部分全体を一連一体のものと観察すべきものとする取引の実情その他の事情があるとも認められない。 ウ上記ア及びイの説示によれば、本願商標は、図形部分、上段文字部分及び下段文字部分からなる結合商標であるが、各構成部分がそれを分離して 観察することが取引上不自然と思われるほど不可分的に結合しているものとは認められない。 したがって、本願商標の構成中、上段文字部分(「Rapport」の部分)を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標の類否を判断することが許されるというべきである。 エそうすると、本願商標の文字部分からは、上段文字部分と下段文字部分を合わせて、「ラポートウィズヨガオンライン」との称呼が生じるが、他方、上段文字部分から「ラポート」との称呼も生じ、両者とも特定の観念は生じない。 ⑶ 引用商標1 引用商標1は、「RAPPORT」の欧文字を横書きにしてなるものである。 前記⑵イのとおり、「RAPPORT」の語は、フランス語の単語あるいはフランス語に由来する英単語であり、その意味は「関係」、「信頼関係」等であるが、日本国内において慣れ親しまれている単語であるとはいえず、その意味及び発音についても一般的に認識されているとは認められず、ローマ字 の読みから連想される「ラポート」の称呼を生じ、特定の観念を生じない。 ⑷ 引用商標3引用商標3は、「Rapport」の欧文字を上段に、「ラポア」の片仮名を下段に、上下二段に横書きしてなるものである。 上段の「Rapport」の文字は、下段の「ラポア」の文字に比して文字が大きく、文字の存在する幅も下段の文字より広く位置している。また、 上段の文字は若干上部が右側に傾いた斜体の文字となっているが、下段の文字はそのような装飾 、下段の「ラポア」の文字に比して文字が大きく、文字の存在する幅も下段の文字より広く位置している。また、 上段の文字は若干上部が右側に傾いた斜体の文字となっているが、下段の文字はそのような装飾がされていない通常の文字である。 前記⑵イのとおり、「Rapport」の語は、フランス語の単語あるいはフランス語に由来する英単語であり、その意味は「関係」、「信頼関係」等であるが、日本国内において慣れ親しまれている語であるとはいえず、その意 味及び発音についても一般的に認識されているとは認められず、そのローマ字の読みから連想される「ラポート」の称呼が生じ、特定の観念を生じない。 下段の「ラポア」の語は、一般の辞書等に掲載されている語ではなく、その文字のとおりである「ラポア」の称呼が生じ、特定の観念を生じない。 そして、上記のとおり、「Rapport」の語が日本国内において慣れ親 しまれている語ではなく、その意味及び発音についても一般的に認識されているとは認められず、そのローマ字の読みから連想される読み方が「ラポート」であることからすれば、引用商標3の下段の文字である「ラポア」が、上段の文字である「Rapport」の読みを示していると一般的に認識されるとはいえない。 以上によれば、引用商標3は、上段の文字である「Rapport」と下段の文字である「ラポア」からなる結合商標であり、各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然と思われるほど不可分的に結合しているものとは認められない。 したがって、引用商標3の構成中、「Rapport」の文字の部分を抽出 し、この部分だけを他人の商標と比較して商標の類否を判断することが許さ れるというべきである。 そうすると、上段の文字である「Rapport」からは「ラポ port」の文字の部分を抽出 し、この部分だけを他人の商標と比較して商標の類否を判断することが許さ れるというべきである。 そうすると、上段の文字である「Rapport」からは「ラポート」との称呼が生じ、下段の文字である「ラポア」からは「ラポア」の称呼が生じるが、両者とも特定の観念は生じない。 ⑸ 本願商標と引用商標1及び本願商標と引用商標3の類否 ア本願商標と引用商標1の類否前記⑵ウのとおり、本願商標の構成中、上段文字部分(「Rapport」の部分)を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標の類否を判断することが許されると解される。 まず、外観において、本願商標の構成要素の一つである上段文字部分の 「Rapport」と、引用商標1の「RAPPORT」とを比較すると、いずれも欧文字であり、構成文字の全てのつづりが同じであることから、同一の単語であることを容易に認識することができ、ただ、「RAPPORT」が全て大文字であり、「Rapport」は頭文字のみが大文字であるという相違があるにすぎない。 次に、称呼において、本願商標の上段部分の「Rapport」と引用商標1の「RAPPORT」を比較すると、いずれも「ラポート」であって、称呼が同一である。 さらに、「Rapport」及び「RAPPORT」のいずれも特定の観念を生じないから、観念を比較することはできない。 そうすると、本願商標の構成要素である上段文字部分の「Rapport」と引用商標1は、称呼において同一であり、特定の観念を生じない点で共通している。 そして、①本願商標の上段文字部分の「Rapport」と引用商標1の「RAPPORT」は、文字種が異なり、外観が相違するものの、同一 の単語であることは容易に認識可能 い点で共通している。 そして、①本願商標の上段文字部分の「Rapport」と引用商標1の「RAPPORT」は、文字種が異なり、外観が相違するものの、同一 の単語であることは容易に認識可能であり、外観の相違は強い印象を与え るものでないといえること、②本願商標の図形部分から特定の称呼及び観念が生じると認められないこと(前記⑵イ)、③本願商標の上段文字部分の文字の大きさが下段文字部分の文字の大きさより明らかに大きいこと(前記⑵イ)も考慮すると、本願商標に図形部分及び下段文字部分があること並びに「Rapport」と「RAPPORT」の文字種が異なることの 相違は、「Rapport」と「RAPPORT」の称呼が同一であることの共通性を凌駕するものではなく、本願商標と引用商標1は、その外観、観念、称呼等によって取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すると、類似するものと認められる。 イ本願商標と引用商標3の類否 前記⑵ウのとおり、本願商標の構成中、上段文字部分(「Rapport」の部分)を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標の類否を判断することが許されると解される。また、前記⑷のとおり、引用商標3の構成中、「Rapport」の部分を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標の類否を判断することが許されると解される。 本願商標の上段文字部分と、引用商標3の構成中、「Rapport」の部分は、外観が一致し、称呼がいずれも「ラポート」であって一致しており、観念が生じない点で共通する。 そして、前記アの①から③までの事情が存在し、かつ、引用商標3において、上段の「Rapport」の文字が、下段の「ラポア」の文字に比 して文字が大きく、若干上部が右側に傾いた斜体の文字となって そして、前記アの①から③までの事情が存在し、かつ、引用商標3において、上段の「Rapport」の文字が、下段の「ラポア」の文字に比 して文字が大きく、若干上部が右側に傾いた斜体の文字となっており、文字の存在する幅も下段の文字より広く位置していること、下段の「ラポア」の部分から特定の観念が生じないこと(前記⑷)も考慮すると、本願商標に図形部分及び下段文字部分があること並びに引用商標3に「ラポア」の文字部分があることの相違は、本願商標の上段文字部分と引用商標3の 「Rapport」の外観及び称呼が同一であることの共通性を凌駕する ものではなく、本願商標と引用商標3は、その外観、観念、称呼等によって取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すると、類似するものと認められる。 ⑹ 原告の主張に対する判断ア前記第3の1〔原告の主張〕⑴の主張について 原告は、本願商標においては、図形部分が強く支配的な印象を与えるものであるから、上段文字部分だけを抽出して、各引用商標と比較して商標の類否を判断することは許されないと主張する。 しかし、前記⑵イのとおり、本願商標の図形部分は一見して何を表す図形であるかを認識することのできないものであるといえ、この部分から特 定の観念及び称呼が生じるとは認められない。この点に加え、本願商標の図形部分、上段文字部分及び下段文字部分の構成・配置等も考慮すれば、本願商標は各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然と思われるほど不可分的に結合しているものとは認められないところ、下段文字部分は上段文字部分の下に小さく付記的に表示されているにすぎず、 外観、観念、称呼等によって取引者に与える印象、記憶、連想が最も強いのは上段文字部分であると認められるから、本願商 ろ、下段文字部分は上段文字部分の下に小さく付記的に表示されているにすぎず、 外観、観念、称呼等によって取引者に与える印象、記憶、連想が最も強いのは上段文字部分であると認められるから、本願商標の構成中、上段文字部分を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標の類否を判断することが許されると解される。 したがって、原告の上記主張は採用することができない。 イ前記第3の1〔原告の主張〕⑵の主張について原告は、全体観察を行うと、引用商標3は本願商標とは全く異なる外観を有しており、引用商標3の称呼は「ラポア」であって、本願商標と引用商標3は類似しないと主張する。 しかし、引用商標3については、上段の「Rapport」の文字は、 下段の「ラポア」の文字に比して文字が大きく、文字の存在する幅も下段 の文字より広く位置している上、若干上部が右側に傾いた斜体の文字であるという装飾がされており、上段の文字と下段の文字が一体不可分となっている構成であるとはいえず、引用商標3の下段の文字である「ラポア」が、上段の文字である「Rapport」の読みを示していると一般的に認識されるともいえない。これらの事情によれば、前記⑷のとおり、引用 商標3は、上段の文字である「Rapport」と下段の文字である「ラポア」からなる結合商標であるが、各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然と思われるほど不可分的に結合しているものとは認められず、引用商標3の構成中、「Rapport」の文字の部分を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標の類否を判断することが許さ れると解される。また、引用商標3が全体として「ラポア」の称呼を生じるとも認められない。 そして、本願商標の上段文字部分と、引用商標3の構成中「Ra と比較して商標の類否を判断することが許さ れると解される。また、引用商標3が全体として「ラポア」の称呼を生じるとも認められない。 そして、本願商標の上段文字部分と、引用商標3の構成中「Rapport」の文字の部分を比較すれば、本願商標と引用商標3が類似していると認められることは、前記⑸イのとおりである。 したがって、原告の上記主張は採用することができない。 ウ前記第3の1〔原告の主張〕⑶について原告は、本願商標に係る取引の性質や企業の実情を考慮して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標1及び引用商標3とは、各指定役務に使用された場合において、出所の誤認混同のおそれはなく、商標が類似してい るとは認められない旨主張する。 しかし、本願商標の需要者に含まれる一般消費者が、実際に原告その他の者がオンライン上のヨガ等に関するコンテンツを視聴・受講する者に限定されることはなく、本願商標の構成全体の外観を通じて役務の出所識別を行うとか、高い注意力をもって役務等を選択する取引の実情があるとも 認められない。 また、本願商標の需要者に含まれる企業が、コンサルティングを依頼するものであって、慎重にコンサルティングを行う主体を選択するために、本願商標の構成全体の外観を通じて役務の出所識別を行うという取引の実情があるとも認められない。 そうすると、本願商標に係る取引の実情等により、本願商標の取引者、 需要者が、商標の構成全体の外観により役務の出所識別を行うために、本願商標がその指定役務に使用された場合に各引用商標との関係で出所の誤認混同のおそれがないと解することはできない。 したがって、原告の上記主張は採用することができない。 エ前記第3の1〔原告の主張〕⑷について 原告は、各参考商標が登録 との関係で出所の誤認混同のおそれがないと解することはできない。 したがって、原告の上記主張は採用することができない。 エ前記第3の1〔原告の主張〕⑷について 原告は、各参考商標が登録されたにもかかわらず本願商標が登録されないというのは、その判断に整合性がなく、不合理であると主張する。 しかし、商標登録の可否は、商標の構成、指定役務、取引の実情等を踏まえて、具体的な実情に基づき商標ごとに個別に判断すべきものであって、各参考商標が登録されていたとしても、本願商標が当然に登録されるべき ものと解することはできない。 したがって、原告の上記主張は採用することができない。 2 取消事由2(本願の指定役務と各引用商標の指定役務の類否判断の誤り)について⑴ 判断基準 指定役務が類似のものであるかどうかは、それらの役務が通常同一営業主により提供されている等の事情により、それらの役務に同一又は類似の商標を使用する場合には、同一営業主の提供に係る役務と誤認されるおそれがあると認められる関係があるか否かによって判断するのが相当である(最高裁昭和36年6月27日第三小法廷判決・民集15巻6号1730頁参照)。 ⑵ 本願の指定役務と引用商標1の指定役務の類否について ア後掲の各証拠によれば、本願の指定役務及び引用商標1の指定役務に関連し、以下の事実が認められる。 (ア) 本願商標の出願に適用されるニース協定1条に規定する国際分類(国際分類第11-2020版対応)を構成する類別表の第35類の注釈は、第35類には「主として、人又は組織が提供するサービスであって、⑴ 商業に従事する企業の運営若しくは管理に関する援助、又は⑵工業若しくは商業に従事する企業の事業若しくは商業機能の管理に関する援助を主たる目的と として、人又は組織が提供するサービスであって、⑴ 商業に従事する企業の運営若しくは管理に関する援助、又は⑵工業若しくは商業に従事する企業の事業若しくは商業機能の管理に関する援助を主たる目的とするもの」を含む旨述べている。(乙5)また、商標法施行規則別表の商品及び役務の区分について解説した特許庁商標課編「商品及び役務の区分解説(国際分類第11-2022版 対応)」は、第35類の役務のうち「経営の診断又は経営に関する助言事業の管理市場調査又は分析商品の販売に関する情報の提供」について、このサービスは、他人の依頼に基づいて、経営の診断や経営に関する助言を行う「経営コンサルタント」等が行うサービスが該当すると説明している。(乙10) (イ) 統計法2条9項に規定する統計基準である日本標準産業分類に関する説明及び内容例示では、大分類L(学術研究、専門・技術サービス業)の中に、法律、財務及び会計などに関する事務や相談、経営戦略など専門的な知識サービスを提供する事業所が含まれるとされ、上記大分類の中の中分類72・専門サービス業(他に分類されないもの)の中に「経 営コンサルタント業」が含まれるとされ、「経営コンサルタント業」とは「マネジメントに関する診断、指導、教育訓練、調査研究などを行う事務所をいう。」と説明されている。(乙9)(ウ) 経営コンサルティングを業とする事業者(経営コンサルタント)が、経営診断、経営助言、市場調査、事業計画策定、商品開発・商品企画支 援、販売促進コンサルティング、事業管理のサービスを提供しているこ とが認められる。(乙11~22)(エ) 「株式会社ブースト」という会社は、スポーツに関連する事業のコンサルティングのサービスを提供しているが、その中でスポーツ関連商品に 提供しているこ とが認められる。(乙11~22)(エ) 「株式会社ブースト」という会社は、スポーツに関連する事業のコンサルティングのサービスを提供しているが、その中でスポーツ関連商品に関するコンサルティングも行っている。(乙25)(オ) 「株式会社ウエルネスサプライ」という会社は、スポーツ施設に関す る運営管理(多彩なスポーツ施設の運営管理からスクール事業の展開など総合的、専門的なサポート)と、宿泊施設に関する運営管理の両方のサービスを提供している。(乙26)(カ) 「株式会社レッツコンサルティング」という会社は、スポーツクラブ、ホテル、温泉施設、スパ、プール施設などの施設を対象としたコンサル ティングを行っている。(乙27)(キ) 「野村不動産ライフ&スポーツ株式会社」という会社は、スポーツ施設の開業や運営等に関するコンサルティングを行っているが、ホテルのスポーツ施設の運営に関するコンサルティングも行っている。(乙28)イ上記アの各認定事実を前提に検討すると、本願商標第35類指定役務 (「スポーツインストラクターに関する事業の管理」)と、引用商標第35類指定役務(「経営の診断又は経営に関する助言、市場調査又は分析、商品の販売に関する情報の提供、商品の販売促進、役務の提供促進に関する助言及び指導又は情報の提供、ホテルの事業の管理」)は、いずれも経営コンサルタント等が提供する役務に含まれるものであるといえる。 そして、「経営の診断又は経営に関する助言、市場調査又は分析」を行う経営コンサルタント等が、スポーツインストラクターに関する事業を行う事業者の経営の診断、経営に関する助言、市場調査又は分析、あるいは当該事業の管理を行う可能性があるといえるし、「役務の提供促進に関する助言及び指導又は が、スポーツインストラクターに関する事業を行う事業者の経営の診断、経営に関する助言、市場調査又は分析、あるいは当該事業の管理を行う可能性があるといえるし、「役務の提供促進に関する助言及び指導又は情報の提供」を行う経営コンサルタント等が、スポーツ インストラクターに関する役務を提供する事業者に対する当該役務の提 供促進に関する助言及び指導、情報の提供、当該事業の管理を行う可能性があるといえる。 さらに、複数の事業に関する事業の管理を行う経営コンサルタント等が、スポーツインストラクターに関する事業の管理とともにホテルの事業の管理を行う可能性や、経営コンサルタント等がスポーツ施設に関する事業 の管理を行う場合に、当該事業に、スポーツインストラクターに関する事業とともに、スポーツ施設が存在するホテルにおける当該スポーツ施設の運営等に関する事業が含まれる可能性も存在する。 以上によれば、本願商標第35類指定役務及び引用商標第35類指定役務は、同一の事業者が提供する可能性があるものといえる。 また、本願商標第35類指定役務及び引用商標第35類指定役務は、いずれも、需要者は事業者であって共通しており、役務の提供の態様は専門的な知識サービスの提供であって同一又は類似しているといえる。 ウ上記イの各事情によれば、本願の指定役務と引用商標1の指定役務に同一又は類似の商標を使用する場合には、同一営業主の提供に係る役務と誤 認されるおそれがあると認められるといえる。 したがって、本願の指定役務と引用商標1の指定役務は類似する。 ⑶ 本願の指定役務と引用商標3の指定役務の類否について本願の指定役務のうち第41類の「音楽の演奏」は、引用商標3の指定役務のうち「音響・映像・静止画及び動画の制作並びに演奏又は上映」のうち ⑶ 本願の指定役務と引用商標3の指定役務の類否について本願の指定役務のうち第41類の「音楽の演奏」は、引用商標3の指定役務のうち「音響・映像・静止画及び動画の制作並びに演奏又は上映」のうち の「音響の演奏」と同一又は類似する。 本願の指定役務のうち第41類の「教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。)」、「フィットネスに関する動画の制作」及び「ヨガに関する動画の制作」は、いずれも、引用商標3の指定役務のうち「音響・映像・静止画及び動画の制作並びに演奏又は上映」 のうちの「動画の制作」に含まれるものであり、同一の事業者がこれらの役 務を提供する可能性があるといえる。 また、本願の指定役務のうち第41類の「インターネットによる動画の提供」については、引用商標3の指定役務のうち「音響・映像・静止画及び動画の制作並びに演奏又は上映」のうちの「動画の上映」がインターネットを経由しての動画の上映(送信)を除外するものと解すべき事情は認められず、 本願の指定役務のうち「インターネットによる動画の提供」が、引用商標3の指定役務のうち「動画の上映」に含まれるものであり、同一の事業者がこれらの役務を提供する可能性があるといえる。 以上の事情によれば、本願の指定役務と引用商標3の指定役務に同一又は類似の商標を使用する場合には、同一営業主の提供に係る役務と誤認される おそれがあると認められるといえる。 したがって、本願の指定役務と引用商標3の指定役務は類似する。 ⑷ 原告の主張に対する判断ア前記第3の2〔原告の主張〕⑴について原告は、本願の指定役務と引用商標1及び2の指定役務が同一又は類似 であるとはいえないと主張する。 しかし、原告がヨガのオンラインセミナーを提供す ア前記第3の2〔原告の主張〕⑴について原告は、本願の指定役務と引用商標1及び2の指定役務が同一又は類似 であるとはいえないと主張する。 しかし、原告がヨガのオンラインセミナーを提供する会社であるとしても、需要者が、本願商標に関し、本願商標第35類指定役務にはフィットネスやヨガのインストラクターに関する事業の管理しか含まれないとの認識を有するとは認められない。 また、引用商標1の権利者が眼鏡やサングラス等を取り扱う会社であるからといって、需要者が、引用商標1に係る引用商標第35類指定役務について、眼鏡やサングラス等を取り扱う会社が行う「ホテルの事業管理」等の役務であるために、眼鏡やサングラス等の取扱いを行っていない会社が行う「ホテルの事業管理」等の役務とは異なると認識するとは認められ ない。 そうすると、原告が挙げる原告に関する事情及び引用商標1の権利者に関する事情をもって、本願の指定役務と引用商標1の指定役務に同一又は類似の商標を使用する場合に、同一営業主の提供に係る役務と誤認されるおそれがあると認められないことにはならない。 したがって、原告の上記主張は採用することができない。 イ前記第3の2〔原告の主張〕⑵の主張について原告は、本願の指定役務と引用商標3の指定役務が同一又は類似であるとはいえない旨主張する。 しかし、前記1⑹ウのとおり、本願商標の需要者に含まれる一般消費者が、実際に原告等の提供するオンライン上のヨガ等のコンテンツを視聴・ 受講している者に限定されるとは認められず、需要者が、本願の指定役務のうち第41類の「教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。)」、「フィットネスに関する動画の制作」及び「ヨガに関する動画の制作」に、 需要者が、本願の指定役務のうち第41類の「教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。)」、「フィットネスに関する動画の制作」及び「ヨガに関する動画の制作」に、オンライン上でのヨガなどの健康に関する情報や知識の提供に関するものしか含まれないと認識するとも認 められない。 また、需要者が、引用商標3につき、その指定役務にオンライン上でヨガなどの健康に関する情報や知識等を提供する動画の提供が含まれないと認識するとも認められない。 したがって、原告が挙げる原告に関する事情及び引用商標3の権利者に 関する事情をもって、本願の指定役務と引用商標3の指定役務に同一又は類似の商標を使用する場合に、同一営業主の提供に係る役務と誤認されるおそれがあると認められないことにはならない。 したがって、原告の上記主張は採用することができない。 3 結論 以上のとおり、本願商標と引用商標1、及び本願商標と引用商標3は、それ ぞれ、互いに類似する商標であり、かつ、指定役務が互いに類似していると認められるから、本願商標は、引用商標1及び引用商標3との関係で、商標法4条1項11号に該当する。 したがって、本願商標と引用商標2の商標の類否及び指定役務の類否について判断するまでもなく、本件審決の判断に誤りはないと認められ、取消事由1 及び2は、いずれも理由がない。 よって、原告の請求は理由がないからこれを棄却することとして、主文のとおり判決する。 知的財産高等裁判所第3部 裁判長裁判官東海林保 裁判官 裁判長裁判官東海林保 裁判官 今井弘晃 裁判官水野正則 (別紙1 審決書写し省略) (別紙2)参考商標一覧 1 参考商標1⑴ 登録番号 商標登録第6180774号⑵ 登録日令和元年9月13日⑶ 商標の構成 ⑷ 商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務(第14類)身飾品、イヤリング、貴金属製バッジ、ネクタイピン、ブレスレット、ペンダント、メダル、ブローチ、キーホルダー、キーホルダー用チャーム、貴金属、宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品、時計 (第35類)身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供 2 参考商標2 ⑴ 登録番号商標登録第5999120号⑵ 登録日平成29年11月24日⑶ 商標の構成 ⑷ 商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務(第35類)被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供 3 参考商標3⑴ 国際登録番号1653398⑵ 国際登録日令和3年(2021年)12月23日 ⑶ 商標の構成 ⑷ 商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務(第35類)Businessadvisoryservicesrelatingtocustom ⑶ 商標の構成 ⑷ 商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務(第35類)Businessadvisoryservicesrelatingtocustomerservice; business management, businessorganisationandbusinessassistanceforthoseoperatinginthefieldofcatering; procurementoffoodanddrinkforthirdparties; businessmanagementofsupportservicesinofficeandindustrial,commercialandretailpremises; provisionofhelpdeskservicesformanagedpremiseswhichprovidesassistanceinrelationtofaultreportingenquiries, facilitiesmaintenancerequests, andpool-carreceptionservices; receptionservices, namely, theoperationandmanagementoftelephoneswitchboardsandansweringthetelephoneforothers; facilitiesmanagementservices,namelycontractmanagement; advisoryandconsultancyservicesrela facilitiesmanagementservices,namelycontractmanagement; advisoryandconsultancyservicesrelatingtotheaforesaidservices. (第41類)Arrangingandconductingconferencesrelatingtobusinessand/orprovisionoffoodandbeverages; advisoryandconsultancyservicesrelatingtotheaforesaidservices.(第43類) Cateringservices; provisionoffoodanddrink; restaurant, bar, snackbar,cafeteria, banquetingandcateringservices, takeawayfoodservices;preparationoffoodanddrink; retirementhomeservices; provisionoffoodanddrinkbythewayofmealsonwheelsservices; provisionofmeetingroomfacilities; bookingandreservationservicesforrestaurantsandhotels; advice andinformationrelatingtothebusinessofsupplyand/orprovisionoffoodandbev ls; advice andinformationrelatingtothebusinessofsupplyand/orprovisionoffoodandbeverages; advisoryandconsultancyservicesrelatingtotheaforesaidservices.(第45類)Securityservices; theguardingofofficesandindustrial, commercialand retailpremises; commissionaireservices, namely, greetingvisitorsand openingdoors, monitoringpremisesandmonitoringburglarandsecurityalarmsandcameras; provisionofadviceandinformationregardinghealthandsafety; healthandsafetyinspectionandconsulting; advisoryandconsultancyservicesrelatingtotheaforesaidservices. 4 参考商標4⑴ 国際登録番号1653154⑵ 国際登録日令和3年(2021年)12月23日 ⑶ 商標の構成 ⑷ 商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務前記3⑷と同じ 商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務前記3⑷と同じ
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