平成17(行ウ)22 厚生年金保険遺族給付不支給処分無効確認等請求

裁判年月日・裁判所
平成18年11月16日 名古屋地方裁判所 棄却
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判決文本文40,767 文字)

- 1 -平成18年11月16日判決言渡平成17年(行ウ)第22号厚生年金保険遺族給付不支給処分無効確認等請求事件口頭弁論終結日平成18年8月7日判決主文 原告の被告らに対する請求をいずれも棄却する。 訴訟費用は,補助参加によって生じた分を含め,原告の負担とする。 事実 及び理由第1請求 社会保険庁長官が,原告に対し,平成13年4月16日付けでした,厚生年金保険遺族給付不支給処分は無効であることを確認する。 社会保険庁長官が,原告に対し,平成13年4月16日付けでした,厚生年金保険未支給給付不支給処分は無効であることを確認する。 社会保険庁長官が,原告に対し,平成13年4月16日付けでした,共済年金未支給年金不支給処分は無効であることを確認する。 被告日本鉄道共済組合が,原告に対し,平成13年7月5日付けでした,遺族共済年金不支給処分は無効であることを確認する。 第2事案の概要本件は,民営化前の日本国有鉄道(国鉄)に勤務し,次いで厚生年金保険の適用を受ける事業所に順次勤務した後退職し,国鉄共済組合(国鉄の民営化に伴う名称変更後は被告日本鉄道共済組合)の組合員及び厚生年金保険の被保険者の地位にあったAの重婚的内妻であった原告が,Aの死後,社会保険庁長官に対し,Aが受給していた厚生年金及び共済年金の未支給分の支給並びに厚生年金保険の遺族給付を請求し,また,被告日本鉄道共済組合に対し,遺族共済年金の支給を請求したところ,いずれも不支給とする処分を受けたため,これら処分の無効確認を求めた抗告訴訟である。 - 2 - 前提事実等(関係当事者間に争いのない事実及び証拠上明らかな事実等。)( ) 当事者等 アAは,明治42年1月10日生まれの男性で,大正12年8月から昭和39年3月まで国鉄に勤 - 2 - 前提事実等(関係当事者間に争いのない事実及び証拠上明らかな事実等。)( ) 当事者等 アAは,明治42年1月10日生まれの男性で,大正12年8月から昭和39年3月まで国鉄に勤務し,同年4月から昭和51年6月まで厚生年金保険法の適用を受ける事業所に勤務していたが,平成12年8月16日に死亡した。 Aは,上記の経過で,厚生年金保険の被保険者の地位と被告日本鉄道共済組合の組合員の地位を有していた。 イAは,昭和11年6月8日,妻Bと死別し,その後,Cと再婚し,昭和15年2月26日,同人との間にDをもうけたが,昭和20年6月15日,Cとも死別した(甲7号証,弁論の全趣旨)。 ウAは,昭和22年5月6日,被告ら補助参加人(大正8年5月27日生)と再婚し,昭和24年10月30日,同人との間にEをもうけた。 エAは,昭和39年3月,補助参加人と別居し,同年4月1日,それまで補助参加人と居住していた静岡県d市(その後,e市に合併)から愛知県f郡a町(その後市制施行によりa市に名称変更)に転居し,当時交際を始めていた原告(昭和11年1月3日生)と同居を開始し,昭和41年4月9日,原告との間にFをもうけ,同年12月5日,Fを認知した。 原告は,平成12年8月16日にAが死亡するまで,同人の内縁の妻として同居していた。 オ被告国は,処分行政庁である社会保険庁長官の所属する行政主体である。 カ社会保険庁長官は,厚生労働省の外局である社会保険庁の機関であり,上記請求欄1ないし3記載の各処分がなされた当時,遺族厚生年金,未支給の厚生年金給付,未支給の共済年金給付(ただし,昭和60年法律第105号による改正前の国家公務員等共済組合法に基づき被告日本鉄道共済組合が支給していた年金たる給付であって,平成9年4月1日以降政府が- 3 -支給 支給の共済年金給付(ただし,昭和60年法律第105号による改正前の国家公務員等共済組合法に基づき被告日本鉄道共済組合が支給していた年金たる給付であって,平成9年4月1日以降政府が- 3 -支給することとされたもの)について裁定ないし決定する権限を有するものである(厚生年金保険法33条,厚生年金保険法等の一部を改正する法律(平成8年法律第82号)附則16条2項,3項)。 キ被告日本鉄道共済組合は,平成8年法律第82号による改正前の国家公務員等共済組合法3条1項に規定する国家公務員等共済組合としてなお存続する法人であり,上記請求欄4の処分がなされた当時,昭和31年7月1日前の組合員期間を計算の基礎とする遺族共済年金の給付について決定する権限を有するものである(平成8年法律第82号附則32条1項,2項1号,3項,31条2号,平成8年法律第82号による改正後の国家公務員共済組合法41条1項)。 ( ) Aの各年金の受給状況 Aは,遅くとも昭和51年ころには,国鉄での勤務期間について公共企業体職員等共済組合法に基づく退職年金の支給を,厚生年金保険法適用事業所での勤務期間について昭和60年法律第34号による廃止前の通算年金通則法及び昭和60年法律第34号による改正前の厚生年金保険法に基づく通算老齢年金の支給を受けていた(弁論の全趣旨)。 昭和59年4月1日,国家公務員及び公共企業体職員に係る共済組合制度の統合等を図るための国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律(昭和58年法律第82号)により,公共企業体職員等共済制度は,国家公務員共済組合制度に統合されたことから,Aは,同日以後,国鉄での勤務期間について国家公務員等共済組合法上の退職年金の支給を受けるものとみなされた(昭和58年法律第82号附則6条)。 平成9年4月1日,厚生年金保険法 に統合されたことから,Aは,同日以後,国鉄での勤務期間について国家公務員等共済組合法上の退職年金の支給を受けるものとみなされた(昭和58年法律第82号附則6条)。 平成9年4月1日,厚生年金保険法等の一部を改正する法律(平成8年法律第82号)の施行により,恩給公務員等の期間(非現業職員につき昭和31年7月1日前の期間)等を除き,日本鉄道共済組合は厚生年金制度に統合され(平成8年法律第82号附則4条,5条),公務員等共済組合法等の一- 4 -部を改正する法律(昭和60年法律第10号)による改正前の国家公務員等共済組合法に基づく年金たる給付は,恩給公務員等の期間も含み,原則として従前の例により,厚生年金保険制度の管掌者たる政府が支給することとされた(平成8年法律第82号附則16条2項,3項)。そのため,Aは,平成9年6月以降,政府から,上記通算老齢年金のほかに,厚生年金保険法に基づく老齢厚生年金,国家公務員等共済組合法等の一部を改正する法律(昭和60年法律第10号)による改正前の国家公務員等共済組合法に基づく退職年金の支給を受けることとなった。 Aは,平成12年8月15日,同年7月分までの通算老齢年金,老齢厚生年金及び退職年金の支給を受けたが,同年8月16日に死亡したため,同月分の通算老齢年金,老齢厚生年金及び退職年金の支給を受けなかった(甲21号証,22号証)。 ( ) 各制度における配偶者に関する規定(以下の各給付又は年金を併せて「本 件各遺族給付」,それらの支給を受けることができる配偶者としての要件を「配偶者要件」ということがある。)ア厚生年金保険遺族給付老齢厚生年金の受給権者が死亡した場合並びに通算年金通則法及び厚生年金保険法に基づく通算老齢年金の受給権者が昭和61年4月以降に死亡した場合,厚生年金保険遺族給付(遺族厚生 ア厚生年金保険遺族給付老齢厚生年金の受給権者が死亡した場合並びに通算年金通則法及び厚生年金保険法に基づく通算老齢年金の受給権者が昭和61年4月以降に死亡した場合,厚生年金保険遺族給付(遺族厚生年金)は,その死亡当時,同人により生計を維持していた「配偶者」が,第1順位で受給権を取得する(国民年金法等の一部を改正する法律(昭和60年法律第34号)附則72条1項,国民年金法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置に関する政令(昭和61年政令第54号)88条1項5号,89条,厚生年金保険法58条1項柱書,59条1項柱書,同条2項)。 また,平成8年法律第82号附則16条3項の規定により厚生年金保険の管掌者たる政府が支給するものとされた昭和60年法律第105号によ- 5 -る改正前の国家公務員等共済組合法による退職年金の受給権者が平成9年4月1日以降に死亡した場合,厚生年金保険遺族給付(遺族厚生年金)は,その死亡当時,同人により生計を維持していた「配偶者」が,第1順位で受給権を取得する(平成8年法律第82号附則11条1項,厚生年金保険法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置に関する政令(平成9年政令第85号)17条1項3号ニ,18条,厚生年金保険法58条1項柱書,59条1項柱書,同条2項)。 そして,これらにいう「配偶者」には,婚姻の届出をしていないが,事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む(厚生年金保険法3条2項)。 イ厚生年金保険未支給給付厚生年金保険未支給給付(老齢厚生年金並びに昭和60年法律第34号による廃止前の通算年金通則法及び昭和60年法律第34号による改正前の厚生年金保険法に基づく通算老齢年金の未支給給付)は,年金受給権者が死亡した場合,同人と生計を同じくしていた「配偶者」が,第1順位で,その保険給付の支給を請求 び昭和60年法律第34号による改正前の厚生年金保険法に基づく通算老齢年金の未支給給付)は,年金受給権者が死亡した場合,同人と生計を同じくしていた「配偶者」が,第1順位で,その保険給付の支給を請求することができる(厚生年金保険法37条1項,4項,昭和60年法律第34号附則63条1項によりなおその効力を有するものとされた通算年金通則法11条1項,3項)。 そして,ここにいう「配偶者」には,婚姻の届出をしていないが,事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む(厚生年金保険法3条2項,昭和60年法律第34号附則63条1項によりなおその効力を有するものとされた通算年金通則法4条2項1号)。 ウ共済年金未支給年金厚生年金保険法等の一部を改正する法律(平成8年法律第82号)による改正に伴い,被告日本鉄道共済組合の長期年金事業のうち昭和31年7月1日以降の期間を計算の基礎とする部分について厚生年金保険制度に移行した。しかし,昭和60年法律第105号による改正前の国家公務員等- 6 -共済組合法による年金たる給付のうち昭和31年7月1日前の期間分については,厚生年金保険の管掌者たる政府が支給するなど一部の例外を除き,なお従前の例によることとされた(平成8年法律第82号附則16条2項3項)。 したがって,昭和60年法律第105号による改正前の国家公務員等共済組合法による年金たる給付について,年金受給権者が支給を受けないまま死亡した場合には,同人の収入により生計を維持していた配偶者が第1順位でその支給を受けることができる(昭和60年法律第105号による改正前の国家公務員等共済組合法45条,2条1項3号,43条1項)。 そして,ここにいう「配偶者」には,届出をしていないが,事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む(昭和60年法律第105号による改正前の の国家公務員等共済組合法45条,2条1項3号,43条1項)。 そして,ここにいう「配偶者」には,届出をしていないが,事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む(昭和60年法律第105号による改正前の国家公務員等共済組合法2条1項2号イ)。 エ国家公務員遺族共済年金日本鉄道共済組合の長期年金事業のうち,昭和31年7月1日より前の期間を計算の基礎とする年金については,厚生年金保険制度に移行されなかった。すなわち,昭和31年7月1日前も日本鉄道共済組合の組合員であった者が死亡した場合,厚生年金保険法等の一部を改正する法律(平成8年法律第82号)附則32条2項1号,31条2号,33条1項に基づき,被告日本鉄道共済組合が,同法による改正後の国家公務員共済組合法の長期給付に関する規定を適用して,同人の遺族に対して遺族共済年金を支給する。 その際,当該遺族共済年金は,組合員であった者が死亡した場合,第1順位で,同人の収入により生計を維持していた「配偶者」が受領することになる(平成8年法律第82号による改正後の国家公務員共済組合法88条1項4号,43条1項,2条1項3号)。 そして,ここにいう「配偶者」には,婚姻の届出をしていないが,事実- 7 -上婚姻関係と同様の事情にある者を含む(平成8年法律第82号による改正後の国家公務員共済組合法2条1項2号イ)。 ( ) 各種通達の関係部分の抜粋 ア事実婚関係の認定について(昭和55年5月16日庁保発第15号都道府県知事あて社会保険庁年金保険部長通知。乙4号証,以下「年金保険部長通知」ということがある。)厚生年金保険法の保険給付,国民年金法の給付及び船員保険法の保険給付(老齢,障害,脱退及び死亡に関するもの(葬祭料を除く。)に限る。)を受ける権利に関して,これらの法律にいわゆる「婚姻の届出をしてい 生年金保険法の保険給付,国民年金法の給付及び船員保険法の保険給付(老齢,障害,脱退及び死亡に関するもの(葬祭料を除く。)に限る。)を受ける権利に関して,これらの法律にいわゆる「婚姻の届出をしていないが,事実上婚姻関係と同様の事情にある者」(以下「事実婚関係にある者」という。)の認定を,今後次により行うこととしたので通知する。 (略)三重婚的内縁関係の取扱い届出による婚姻関係にある者が重ねて他の者と内縁関係にある場合の取扱いについては,婚姻の成立が届出により法律上の効力を生ずることとされていることからして,届出による婚姻関係を優先すべきことは当然であり,従つて,届出による婚姻関係がその実態を全く失つたものとなつているときに限り,内縁関係にある者を事実婚関係にある者として認定するものとすること。 (以下略)イ事実婚関係の認定事務について(昭和55年5月16日庁保険発第13号都道府県民生主管部(局)保険課(部)長・国民年金課(部)長あて社会保険庁年金保険部厚生年金保険課長・国民年金課長・業務第一課長・業務第二課長通知。乙5号証,以下「各所管課長通知」ということがある。)- 8 -事実婚関係の認定については,本日庁保発第15号をもつて社会保険庁年金保険部長から各都道府県知事あて通知されたところであるが,届出による婚姻関係と内縁関係が重複しているいわゆる重婚的内縁関係に係る事務については,今後次により行うこととしたので,遺憾のないようにされたい。 一重婚的内縁関係に関し,上記年金保険部長通知の三にいわゆる「届出による婚姻関係がその実態を全く失つたものとなつているとき」には,①当事者が離婚の合意に基づいて夫婦としての共同生活を廃止していると認められるが戸籍上離婚の届出をしていないときや,②一方の悪意の遺棄によつて夫婦としての共 を全く失つたものとなつているとき」には,①当事者が離婚の合意に基づいて夫婦としての共同生活を廃止していると認められるが戸籍上離婚の届出をしていないときや,②一方の悪意の遺棄によつて夫婦としての共同生活が行われていない場合であつて,その状態が長期間(おおむね10年程度以上)継続し,当事者双方の生活関係がそのまま固定していると認められるとき等が該当するものとして取扱うこととすること。 なお,夫婦としての共同生活の状態にないといい得るためには,次に掲げるすべての要件に該当することを要するものとすること。 (一) 当事者が住居を異にすること。 (二) 当事者間に経済的な依存関係が反復して存在していないこと。 (三) 当事者間の意思の疎通をあらわす音信又は訪問等の事実が反復して存在しないこと。 二重婚的内縁関係にある者を「婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者」として認定するには,届出による婚姻関係がその実態を全く失つたものとなつていることを確認することが必要であり,このため,次の調査を行い,その結果を総合的に勘案して事実婚関係の認定を行うものとすること。 (略)(一) 戸籍上の配偶者に対して,主として次の事項について,婚姻関係の- 9 -実態を調査する。 なお,戸籍上の配偶者の住所は,戸籍の附票(略)により確認することとする。 ア別居の開始時期及びその期間イ離婚についての合意の有無ウ別居期間中における経済的な依存関係の状況エ別居期間中における音信・訪問等の状況(二) (一)による調査によつても,なお不明な点がある場合には,いわゆる内縁関係にある者に対しても調査を行う。 (以下略)( ) 裁定請求の経緯 ア原告による遺族給付の裁定請求等原告は,平成12年9月4日,社会保険庁長官に対し,遺族厚生年金の裁 には,いわゆる内縁関係にある者に対しても調査を行う。 (以下略)( ) 裁定請求の経緯 ア原告による遺族給付の裁定請求等原告は,平成12年9月4日,社会保険庁長官に対し,遺族厚生年金の裁定の請求,共済年金未支給年金の請求及び厚生年金保険未支給保険給付の請求をした。 また,原告は,そのころ,被告日本鉄道共済組合に対し,遺族共済年金の請求をした(弁論の全趣旨)。 イ補助参加人による遺族給付の裁定請求等補助参加人は,平成12年9月14日,Aを被保険者とする遺族給付の裁定請求をした。 また,補助参加人は,そのころ,被告日本鉄道共済組合に対し,遺族共済年金の支給を請求した(弁論の全趣旨)。 社会保険庁長官は,平成13年4月12日,補助参加人に対し,遺族基礎年金及び遺族厚生年金を支給する旨の裁定をした。 被告日本鉄道共済組合は,平成13年7月19日,補助参加人に対し,遺族共済年金を支給する旨の決定をした(弁論の全趣旨)。 - 10 -ウ原告に対する不支給裁定等社会保険庁長官は,平成13年4月16日,Aと補助参加人との婚姻関係は実体を失っておらず,原告は遺族厚生年金等を受ける配偶者と認められないとして,原告に対して,遺族厚生年金,共済年金未支給年金及び厚生年金未支給保険給付を支給しない旨の裁定をし(上記請求欄1ないし3の処分),そのころこれを通知した。 被告日本鉄道共済組合は,平成13年7月5日,原告が国家公務員共済組合法2条1項3号に規定する遺族に該当しないとして,原告に対して,遺族共済年金を支給しない旨を決定し(上記請求欄4の処分),そのころこれを通知した。 ( ) 本訴提起 原告は,被告らのした( ) ウ記載の各処分(本件各処分)を不服として, 平成17年5月13日,本件各処分の無効確認を求める本訴を提起した。 なお,原告は ろこれを通知した。 ( ) 本訴提起 原告は,被告らのした( ) ウ記載の各処分(本件各処分)を不服として, 平成17年5月13日,本件各処分の無効確認を求める本訴を提起した。 なお,原告は,本件各処分に対して審査請求をしていない。 争点 本件各処分には重大かつ明白な瑕疵があって無効か否か。 これに関する具体的な争点は次のとおりである。 ( ) 重婚的内縁関係の事案における本件各遺族給付の支給対象者としての配偶 者の認定のあり方( ) 本件各処分は,原告がAの上記配偶者ではない旨の認定に誤りがあり,重 大かつ明白な瑕疵があるとして無効か。 ( ) 本件各処分は,補助参加人の本件各遺族給付の給付対象者の認定基準に関 する生計要件該当性等の取扱いに誤りがあり,無効か( ) 本件各処分は,上記配偶者の認定について,原告側の調査が尽くされてお らず,手続上重大かつ明白な瑕疵があって無効か。 争点に関する当事者の主張- 11 -( ) 争点( ) 重婚的内縁の事案における上記配偶者の認定の方法について (原告の主張)上記配偶者の認定については,法律上の婚姻関係が実体を失って修復の余地がないまでに形がい化しており,かつ重婚的内縁関係にある者について事実婚の成立が認められる場合は,戸籍上の配偶者であっても配偶者には該当しないと判断され,重婚的内縁関係にある者のみが配偶者と認定されることになる。 これは,配偶者に内縁関係にある者をも含めた上記法令の趣旨,すなわち「労働者(中略)の遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与すること」(厚生年金保険法1条)等の実現と,他方における法律婚を尊重すべき要請との双方を利益衡量した結果,前者を優先し,被保険者等(被保険者又は被保険者であった者をいう。以下同じ。)と共同生活を構築し,対外的にも 年金保険法1条)等の実現と,他方における法律婚を尊重すべき要請との双方を利益衡量した結果,前者を優先し,被保険者等(被保険者又は被保険者であった者をいう。以下同じ。)と共同生活を構築し,対外的にも配偶者として遇され,その死亡により生活と福祉を害される者に対し,その生活の安定を図り,また,過去の労苦に報いる等の観点からその福祉の向上を図るために法的保護を与えるべき者の保護をまず指向した上で,いずれの者についても法的保護が要請される場合には,法律婚を尊重する建前から戸籍上の配偶者を優先するものと理解される。 婚姻関係の形がい化を判断するに当たっては,共同生活の長短,戸籍上の配偶者との別居の動機,戸籍上の配偶者との反復・継続的な交渉の有無,戸籍上の配偶者への経済的支援の有無とその趣旨,戸籍上の配偶者との婚姻関係修復へ向けた努力,重婚的内縁関係にある者の対内的対外的配偶者としての活動の有無,被保険者等の認識といった諸要素を検討し,その上で総合的かつ実質的に判断するべきである(最高裁判所昭和58年4月14日第一小法廷判決・民集37巻3号270ページ,同裁判所平成17年4月21日第一小法廷判決・集民216号597ページ参照)。 なお,被告らは,配偶者要件の有無を判断するについて,内縁関係にある- 12 -者と比較して相対的に決すべきものではなく,戸籍上の配偶者の生活実態に即して独自に判断すべきものと主張する。しかし,上記の平成17年の最高裁判決は,内縁側配偶者が共済保険加入者と同居して夫婦同然の生活をするようになって同人の収入によって生計を維持していたこと,及び同人の死亡の際に内縁側配偶者が最期までその看病をしたことなどを判示しており,最高裁が相対的な判断手法を採用していることは明白である。法律婚主義を尊重すべきとの要請は,法律上の婚姻関係が こと,及び同人の死亡の際に内縁側配偶者が最期までその看病をしたことなどを判示しており,最高裁が相対的な判断手法を採用していることは明白である。法律婚主義を尊重すべきとの要請は,法律上の婚姻関係が実体を失って修復の余地がないまでに形がい化していたといえない限り戸籍上の配偶者に配偶者要件該当性を認めるという最高裁法理により十分満たされているのであり,それ以上に配偶者要件を戸籍上の配偶者の生活実態に即して独自に判断することまでを導き出す理由になるとはいえない。 原告も,被告らの主張するように,結論において法律上の婚姻関係の修復可能性を判断すべきであると考えているが,その際の事実認定において,重婚的内縁関係の強度を考えなければ,どの程度重婚的内縁関係が解消しやすく法律上の婚姻関係が修復しやすいか,逆に重婚的内縁関係が解消しにくく法律上の婚姻関係が修復しにくいかは分からないはずである。重婚的内縁関係にある者が一時的な浮気のつもりであるのか,永続的な関係を指向しているのかによって,法律上の婚姻関係の修復可能性はおのずと異なるのであり,これは事実認定上の経験則として極めて常識的な理解である。 (被告国の主張)遺族厚生年金の支給を受けることができる遺族は,被保険者等の配偶者,子等であって,被保険者等の死亡の当時その者によって生計を維持したものであることを要するところ(厚生年金保険法59条1項),ここにいう配偶者には法律上の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含むとされている(同法3条2項)。 ところで,法律上の届出による婚姻関係のある者が重ねて他の者と事実上- 13 -の婚姻関係にある重婚的内縁関係が存する場合,我が国では法律婚主義が採られていることから,原則として,法律上の届出による婚姻関係にある者を優先し,この戸籍上の配偶 重ねて他の者と事実上- 13 -の婚姻関係にある重婚的内縁関係が存する場合,我が国では法律婚主義が採られていることから,原則として,法律上の届出による婚姻関係にある者を優先し,この戸籍上の配偶者を遺族厚生年金の受給を受ける配偶者とすべきである。ただし,厚生年金保険法3条2項が事実上婚姻関係にある者を配偶者とみなしているのは,遺族に対する給付の目的が,死亡した被保険者等の収入によって生計を維持していた遺族の生活保障にあることから,婚姻の実体を有しながら届出がない者についても保護する必要を認めたものである。 そこで,このような法の趣旨からすれば,法律上の婚姻関係が,その実体を失って形がい化し,かつ,その状態が長期間継続し,当事者双方の生活関係がそのまま固定化して,近い将来解消される見込みがなく,いわば事実上の離婚状態にあると判断されるときに限り,戸籍上の配偶者であっても,遺族厚生年金の受給を受ける配偶者に該当しないと解すべきである(前掲最高裁判所昭和58年4月14日判決参照)。前記年金保険部長通知もこの趣旨に基づくものである。 しかし,事実上の離婚状態にある場合とはいかなる状態をいうかを一義的に定めることは困難であり,具体的事案について個々に認定するほかないところ,例えば,①当事者が離婚の合意に基づいて夫婦としての共同生活を廃止していると認められるが,戸籍上の届出をしていないときや,②一方の悪意の遺棄によって夫婦としての共同生活が行われていない場合であって,その状態が長期間継続し,双方の生活関係がそのまま固定していると認められるとき等には,事実上の離婚状態にあるといい得る。そして,夫婦としての共同生活の状態にないといい得るためには,①当事者が住居を異にすること,②当事者間に経済的な依存関係が反復して存在していないこと,③当事者間に意 実上の離婚状態にあるといい得る。そして,夫婦としての共同生活の状態にないといい得るためには,①当事者が住居を異にすること,②当事者間に経済的な依存関係が反復して存在していないこと,③当事者間に意思の疎通をあらわす音信又は訪問等の事実が反復して存在していないこと等の事情が考慮されるべきである。前記各所管課長通知も,事実上の離婚状態といい得るのは,上記①ないし③を満たす場合をいうとしている。 - 14 -また,上記のとおり,我が国の民法が法律婚主義を採用していることからすれば,原則として法律上の婚姻関係を優先すべきであるから,配偶者要件の有無を判断するに当たっても,内縁関係にある者と比較して相対的に決すべきものではなく,あくまで,戸籍上の配偶者の生活実態に即して独自に判断されるべきものである。 (被告日本鉄道共済組合の主張)国家公務員共済組合法は,遺族共済年金の受給権者を組合員又は組合員であった者(以下「組合員等」という。)の遺族と定め(同法88条),遺族とは組合員等の配偶者,子,父母,孫及び祖父母で,組合員等の死亡の当時その者によって生計を維持していたものをいうと定める(同法2条1項3号)。さらに,配偶者には届出をしていないが,事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含むと規定している(同項2号イ)。 ところで,国家公務員共済組合法等の運用方針(昭和34年10月1日蔵計2927)は,「遺族及び退職共済年金等の加給年金額対象者に係る生計を維持することの認定に関しては,厚生年金保険における生計維持関係等の認定基準及び認定の取扱いの例によるものとする」と規定し,この方針に基づき,被告日本鉄道共済組合は,社会保険庁の遺族認定に関する通達を準用して,国家公務員共済組合法上の遺族に該当するかを認定している。 そこで,被告日本鉄道共済組合は,被告国の主 と規定し,この方針に基づき,被告日本鉄道共済組合は,社会保険庁の遺族認定に関する通達を準用して,国家公務員共済組合法上の遺族に該当するかを認定している。 そこで,被告日本鉄道共済組合は,被告国の主張を援用する。 (補助参加人の主張)法律上の婚姻関係にある者が,重ねて他の者と事実上の婚姻関係にある重婚的内縁関係が存在する場合において,我が国が法律婚主義を採用していることからして,原則として法律上の届出による婚姻関係にある者が遺族厚生年金等の受給資格を有する配偶者と認められるべきことは当然である。 上記原則にもかかわらず,事実上の婚姻関係にある者が配偶者要件を満たすと認められるのは,前掲最高裁判所昭和58年4月14日判決の判示にあ- 15 -るように,法律上の婚姻関係が全く実体を失って形がい化,すなわち文字通り名前だけのものとなり,かつ,その状態が固定化して近い将来解消される見込みがなく,事実上,離婚状態にあるのと同視できる場合のように極めて例外的な場合に限られる。 ( ) 争点( ) 原告がAの配偶者ではない旨の本件各処分の認定に重大かつ明白 な瑕疵があるかについて(原告の主張)下記のとおり,Aの死亡当時,同人と補助参加人の婚姻関係は実体を失って修復の余地がないまでに形がい化しており,他方,Aと原告とは極めて強固な事実婚状態にあったのであるから,原告の配偶者該当性を否定することは誤りである。 ア両人が婚姻当初から不仲であったことAは社交的であるのに対し,補助参加人は大人しく内気であるなど,両者は性格が合わず,Aは自ら部屋の掃除をすることを余儀なくされたり,趣味の音楽に文句を言われるなど愛情のない生活を送っており,両者の婚姻生活は当初から不安定な要素をはらんでいた。 イ別居期間が36年以上に及んでいたこと補助参加人は,昭和 ことを余儀なくされたり,趣味の音楽に文句を言われるなど愛情のない生活を送っており,両者の婚姻生活は当初から不安定な要素をはらんでいた。 イ別居期間が36年以上に及んでいたこと補助参加人は,昭和22年から昭和39年までの16年間Aと同居生活を送り,一女Eをもうけたものの,昭和39年以降Aの死亡まで36年間以上Aと別居していた。すなわち,補助参加人のAとの同居期間は,原告のAとの同居期間の半分にも満たない。 ウ別居の理由Aが補助参加人と別居するに至った理由は,専ら補助参加人のわがままによるものである。 すなわち,Aが退職の際,知人が多く生活しやすい出身地の愛知県内に戻りたいと希望したのに,補助参加人は,あんな寒いところには行きたく- 16 -ないから,一人で行ったらなどと述べてこれを拒否した。 仮にも16年間連れ添った妻であれば,相当の理由がない限り引っ越しを理由に別居に踏み切るということはないと思われるが,補助参加人には特に住居がd市内でなければならないという理由もないから,両名が別居に至ったのは専ら補助参加人のわがままによるものである。 なお,Aと原告とが別居以前に交際していたことはなく,別居の理由は原告とAとが生活を始めたことによるものではない。 エ別居後の反復的・継続的交流の不存在(ア) 別居後,補助参加人とAとが会っている事実,例えば相互の家庭を訪問している事実はない。また,電話や手紙による安否の連絡等も,別居当初からその後までなく,両者の間に反復的・継続的交流は全く存在しない。 なお,被告らは,Aは,別居後も平成2年ころまでは2か月に1度,補助参加人を訪問していると主張するが,かかる事実は存在しない。 また,Aが補助参加人の母親の葬儀,Eの結婚式,Dの娘の結婚式,Dの妻の葬儀などの冠婚葬祭に出席した事実,及びEの成人の 2か月に1度,補助参加人を訪問していると主張するが,かかる事実は存在しない。 また,Aが補助参加人の母親の葬儀,Eの結婚式,Dの娘の結婚式,Dの妻の葬儀などの冠婚葬祭に出席した事実,及びEの成人の際,Aが京都まで着物を作りに同行したことはあるが,これらは昭和年間から平成2年までの事情ばかりであって,Aと補助参加人との婚姻関係の修復可能性を判断する上での間接事実としての価値は低い。そのほか,Aの,その子や孫の冠婚葬祭への出席は,子の親,孫の祖父としての役割を果たしたものとみるべきであるから,補助参加人の夫としての責任を果たす趣旨であったとはいえない。 さらに,補助参加人の提出した丁5号証の家計簿の記載を精査しても,離婚問題に関する電話の多かった平成6年を除くと,電話・手紙による連絡は多くても2か月に1回であり,少ない場合には半年に1回にとどまる。 - 17 -(イ) 被告らの主張は,乙10号証(補助参加人がP社会保険事務所に提出した補助参加人作成名義の平成12年11月7日付け回答書),13号証(GがQ社会保険事務所に提出したG作成の回答書),14号証(補助参加人がP社会保険事務所に提出した補助参加人作成名義の平成12年10月5日付け回答書)を基礎としているところ,これらの書証の信用性等は極めて疑わしい。 すなわち,乙14号証は,補助参加人作成名義となっているが,Eの筆跡であるのでその成立の真正を争う。仮に,乙14号証が真正に成立したものであるとしても,Aの体調の悪化等の客観的事情に照らすと,昭和39年から平成2年まで2か月に1回くらい音信・訪問があったなどとする乙14号証は全く信用できない。 また,乙10号証は,乙14号証の後に作られていること,その内容は乙14号証とほぼ同一であること,補助参加人の老化との関係でかかる回答が困難で 訪問があったなどとする乙14号証は全く信用できない。 また,乙10号証は,乙14号証の後に作られていること,その内容は乙14号証とほぼ同一であること,補助参加人の老化との関係でかかる回答が困難であろうこと,客観的事実と反する点があることに照らすと,全く信用できない。 そして,乙13号証も,Aの体調の悪化等の客観的事情等に照らして信用できない。 オ別居後の婚姻関係の修復に向けられた努力の不存在補助参加人とAとの間で,婚姻関係の修復に向けた動きは全くみられず,むしろ,Aは補助参加人との別居を余儀なくされるや原告を後添えとして迎え,対内的対外的に同人を妻として遇していたし,補助参加人の側でもAが健康を害しようと入院しようとそれに関心すら持たず,両者には遅くとも別居後数年後には,離婚の黙示の合意すら見て取れる。 また,Aが,補助参加人と正式な離婚に踏み切らなかったのは,補助参加人との子供であるEの存在を気に掛け,あるいは気に病んでいたからである。 - 18 -なお,Aと補助参加人とが,昭和39年,その関係について話し合ったことはあるが,昭和39年当時の事情は本件処分当時のAと補助参加人との婚姻関係の修復可能性を判断する上で参酌すべきではない。 カ離婚合意の不存在について補助参加人が離婚意思を有していなかったことは知らない。また,Aが,平成6年ころ,原告に対し離婚しない旨言い渡したことはない。 補助参加人が離婚不受理届を提出するなど強硬な反対によって,Aに対し法律上の婚姻関係の解消を断念させたにすぎないのであり,両名の婚姻関係の形がい化を論じるに当たっては全く無意味である。 ちなみに,平成6年当時,補助参加人とAとの別居期間は30年にも及び,両者間には未成熟子はおらず,離婚により補助参加人が経済的に過酷な状態に置かれるとはいえないから,補 当たっては全く無意味である。 ちなみに,平成6年当時,補助参加人とAとの別居期間は30年にも及び,両者間には未成熟子はおらず,離婚により補助参加人が経済的に過酷な状態に置かれるとはいえないから,補助参加人とAとの間の離婚要件は具備されていた。 キ別居後の配偶者としての対内的・対外的活動の不存在原告は,Aの重要財産を管理し,また,その入通院時の看護付添いや日常介護に当たっていたが,補助参加人は一切このようなことに関与しなかった(なお,補助参加人が平成12年8月にAを見舞った事実は認める。)。その徹底した無関心・無関与振りは,あたかも赤の他人に対するようであった。また,補助参加人は,Aが愛知県f郡a町内に転居して間もなく,同人の本や鉢植えなどの残置物を同所に郵送してきており,補助参加人はAとの共同生活を再開する意思を喪失していたことが見て取れる。 また,補助参加人が,Aの妻として公私の別を問わず何らかの行動をとった事実は,Aの葬儀も含め全くない。補助参加人は,Aの葬儀の際,葬儀の設営等の努力,親族対応等に一切寄与せず,単に参列したにとどまる。 そして,Aも,補助参加人を妻として意識・認識していなかった。 なお,Aの墓地については,当初原告がこれを設置する予定であったが,- 19 -経済的事情からあきらめたにすぎない。 このように,別居後,補助参加人には,配偶者に求められる対内的活動・対外的活動のいずれも認められない。 ク経済的交流の趣旨Aは,補助参加人との別居後しばらくの間,補助参加人がAの年金が振り込まれる口座(年金口座)から一定額の金員を引き出すことを認めていたが,昭和52年ころ以降は,原告がAの年金口座を管理するようになり,Aが補助参加人に対して月8万円(昭和54年ころ以降は月10万円)を送金していた。 しかし,反復的な経済的依 き出すことを認めていたが,昭和52年ころ以降は,原告がAの年金口座を管理するようになり,Aが補助参加人に対して月8万円(昭和54年ころ以降は月10万円)を送金していた。 しかし,反復的な経済的依存関係なるものも,結局は,法律上の婚姻関係が実体を失って修復の余地がないまでに形がい化していたか否かを推認するための資料なのであるから,単に被保険者等から戸籍上の配偶者へ金員の送付があったか否かではなく,そのような行為が,婚姻関係の修復ないし維持に向けられているのか,あるいは慰謝ないし清算を念頭に置いたものであるのかを把握しなければならない。この点で,前記「事実婚関係の認定事務について」記載の「当事者間に経済的な依存関係が反復して存在していないこと」の要件は,法の趣旨に反している。 Aは,補助参加人に対する慰謝ないしEの養育のために送金を開始し,Eの成人後は,同人に気兼ねし,あるいは気後れして送金をやめられなかっただけであり,少なくとも,Aが補助参加人との婚姻関係の維持ないし修復を念頭に送金を継続していたことはあり得ない。 また,生活保障のための金員送付であれば,Aとしては補助参加人の生活実態に関心を向け,それに応じた送金を検討するはずであるが,Aはそのようなことを全くしておらず,ただ機械的に金員を送付しているのみである(昭和54年に送金額が2万円増加したのは,Aが70歳に達し,年金額が増加したためであり,やはり機械的になされたものである。)。 - 20 -仮に,生活保障のための金員送付であったとしても,それは離婚後の生活保障等に向けられたものであって,婚姻関係を維持し,修復の余地を残す意味合いで送金されたのではない。 よって,Aが補助参加人に毎月送金していた事実はあるものの,それは婚姻関係の修復ないし維持を念頭に置いたものではなく,それゆえ て,婚姻関係を維持し,修復の余地を残す意味合いで送金されたのではない。 よって,Aが補助参加人に毎月送金していた事実はあるものの,それは婚姻関係の修復ないし維持を念頭に置いたものではなく,それゆえ,重婚的内縁関係の問題を解決するに当たり重視できるものではない。 ケ補助参加人の,原告とAとの関係の容認戸籍上の配偶者が,重婚的内縁関係にある者の存在を知りながら,これを解消させる動きに出るどころか,かえってその存在を容認ないし黙認している場合,それは法律上の婚姻関係が実体を失って修復の余地がないまでに形がい化していたことの重要な資料となる。 この点,補助参加人は,Aと原告とが同居する前,原告に会い「本当にAと一緒になって生活する覚悟があるのか」などと問いただし,原告は「一緒にhに行きます」と答えており,このとき補助参加人が原告の存在を知り,Aの妻としての地位をあきらめたことが明らかである。 また,補助参加人は,Aから送金を受けると,Aと原告とを連名のあて先とした礼状を送付した事実もあり,補助参加人がAと原告との関係を黙認していたことは明白である。 さらに,Aの葬儀においても,原告がAの妻として振る舞い,補助参加人は他の一般の親族と同様に参列しただけであることからも,補助参加人がAと原告との関係を黙認していたことは明白であるといえる。 そして何より,補助参加人は,原告という内妻の存在を知りながら,これを解消させるための積極的措置には何ら出ていない。 以上から,補助参加人は,重婚的内縁関係にある者の存在を知りながら,これを解消させる動きに出るどころか,かえってその存在を容認していることが明らかである。 - 21 -コ原告とAとの重婚的内縁関係が極めて強固な実質を伴っていたこと以下のとおり,原告とAとの重婚的内縁関係は,極めて強固な実質を伴う えってその存在を容認していることが明らかである。 - 21 -コ原告とAとの重婚的内縁関係が極めて強固な実質を伴っていたこと以下のとおり,原告とAとの重婚的内縁関係は,極めて強固な実質を伴うものであったところ,重婚的内縁関係の実体が強固であればあるほど,法律上の婚姻関係の実体は希薄化し,形がい化し,その修復見込みは失われる。 (ア) 両人の重婚的内縁関係が,Aが補助参加人との離婚を前提に申し入れたものであることAは,補助参加人から愛知県内への転居を拒まれたため,勤務先で知り合った原告に対し,補助参加人とは離婚すること,原告の生活を間違いなく保障すること,遺族年金によりAの死後の心配もないこと,これらを誓約して,Aと愛知県内で婚姻生活を送ってくれるよう申し入れた。 原告は,父親にAを引き合わせ,上記誓約を確認した上で,親族了解のもと,Aとともに愛知県で婚姻生活を送ることを決意し,愛知県内で同居生活を開始した。 原告としては,Aとの年齢差や,補助参加人及びEの存在等の問題があり,容易には承諾し難かったが,Aが補助参加人からつれなく扱われていたことと,何より,Aが原告とその父親に対し,補助参加人との離婚を誓約するなどしたことから,Aとの同居生活に踏み切ったものである。 このように,原告とAの同居生活は,極めて真しに始まった。 (イ) 同居期間が36年以上に及んでいたこと等原告とAは,昭和39年4月から平成12年8月まで36年以上の長きにわたって同居生活を続け,共同生活を営んでいた。その間,Aは,原告との間にFをもうけて同人を認知し,家族3人で旅行するなどし,その間には真しな夫婦生活が存在した。 (ウ) 同居後,原告には配偶者に求められる対内的活動が認められること- 22 -原告は,Aが大けが等をするたびに,妻として当然のこととして看 旅行するなどし,その間には真しな夫婦生活が存在した。 (ウ) 同居後,原告には配偶者に求められる対内的活動が認められること- 22 -原告は,Aが大けが等をするたびに,妻として当然のこととして看病等の身の回りの世話を献身的に続けてきた。また,原告は,Aの重要な財産(実印や銀行届出印,預金通帳類の一切)を管理し,補助参加人への送金も任されていた。 原告は,Aの両親,先々妻,先妻及び先妻とAの間の夭逝した子の永代供養も行っていた。 このように,原告は,妻に求められる役割を十二分に果たしてきた。 (エ) 原告には配偶者に求められる対外的活動が認められること原告は,Aのすべての兄弟と面識を持ち,その自宅を訪問するなどし,Aの親族からもAの妻として認知されていた。また,Aは,知人らにも原告を妻として紹介しており,原告をめかけ扱いした知人をしかったこともある。 原告は,Aの子であるD,FとともにAの葬儀を取り仕切って行っている。DがAの嫡男であり,原告は内妻であることから,世間体をおもんぱかって,喪主や死亡届出はいずれもDの名義で行ったが,葬儀屋の手配や葬儀会場の選定,親族らへの連絡等はいずれも上記3名が協力して行い,特にAの親族への連絡は原告に任されていた。また,原告は,参列した各親族らにあいさつ回りもしている。 このように,Aは,対外的にも原告を妻として遇し,原告もそのように振る舞い,周囲もそのことを認知していた。 (オ) 原告はAと生計を共にし,経済的に同人に依存していたこと原告は,Aが補助参加人に毎月8万円ないし10万円を送金していたことから,内職等をして生計の足しにしていたが,基本的にはAの収入や年金に依存して生活をしていた。 (被告国の主張)以下のAと補助参加人間の諸事情にかんがみると,いずれの観点からも,- 23 -Aと補助参 内職等をして生計の足しにしていたが,基本的にはAの収入や年金に依存して生活をしていた。 (被告国の主張)以下のAと補助参加人間の諸事情にかんがみると,いずれの観点からも,- 23 -Aと補助参加人が事実上の離婚状態にあるというべき事情は見いだせず,むしろそれを否定すべき事情が認められるから,補助参加人は配偶者要件を満たしている。 アAが補助参加人に対し定期的に送金をしていたことAは補助参加人に対し,別居後から死亡する直前の平成12年2月まで1,2か月に1度は7万円ないし28万円を送金しているところ,補助参加人の生活費は月12万円から13万円であるから,上記の送金が補助参加人の生活費の大半を占めていることは明らかである。したがって,Aは補助参加人らの生活費を援助し,その生活を支えていたと認められる。 そうすると,Aと補助参加人の間においては,前記各所管課長通知一の「夫婦としての共同生活の状態にない」といえるための要素の一つである,「当事者間に経済的な依存関係が反復して存在していない」こと(同課長通知一(二))を認めることはできず,むしろ両名の間には経済的な依存関係が反復して存在したと認められる。 イAが補助参加人に対し,手紙,電話,訪問による連絡をしていたことAは,補助参加人に対し,別居後も定期的に連絡をしたり訪問するなどし,補助参加人らの生活状況を気に掛けていることや,また,娘の結婚式などの冠婚葬祭にも出席していることにかんがみると,Aは,補助参加人に対してはもちろんのこと,その親族や親族以外の者に対しても,補助参加人の夫としての責任を果たす趣旨で上記行動をとったものと考えるのが自然である。 とすると,Aと補助参加人の間においては,上記「夫婦としての共同生活の状態にない」と認めるための要素の一つである,「当事者間に意思の疎通 を果たす趣旨で上記行動をとったものと考えるのが自然である。 とすると,Aと補助参加人の間においては,上記「夫婦としての共同生活の状態にない」と認めるための要素の一つである,「当事者間に意思の疎通をあらわす音信又は訪問等の事実が反復して存在していないこと」(同課長通知一(三))を認めることはできず,むしろ両者の間には意思の疎通をあらわす音信及び訪問等の事実が存在していたことが認められる。 - 24 -ウAと補助参加人ともに離婚手続をとった事情はないこと補助参加人は,昭和39年から2年ほど仲人や兄弟等に依頼してAとの別居生活の解消に努めたことがあり,A及び補助参加人ともに離婚手続を進めようとした経緯はない。したがって,事実上の離婚状態を示す場合の一つである,「当事者が離婚の合意に基づいて夫婦としての共同生活を廃止していると認められるが戸籍上離婚の届出をしていないとき」(同課長通知一①)には該当しない。 エ別居に至る経緯なお,補助参加人は,Aとの同居生活を望んでいたにもかかわらず,Aと補助参加人は,昭和39年4月1日に,Aが愛知県f郡a町で原告と生活を始めたことにより別居したものである。 (被告日本鉄道共済組合の主張)被告国の主張を援用する。 (補助参加人の主張)ア補助参加人とAとの婚姻関係の形がい化が認められないことは,以下の事情から明らかである。 (ア) Aから補助参加人への定期的な送金(経済的な依存関係の存在)Aは,昭和39年の別居開始直後から死亡直前の平成12年2月まで,補助参加人に対し,2か月に1度定期的に生活費を送金していた。しかも,Aは,補助参加人と一緒に暮らしていた静岡県d市の官舎から出ていく時,補助参加人に対して生活費を毎月送るからこれで生活するようにと告げている。すなわち,Aから補助参加人に対する送金は,補助 しかも,Aは,補助参加人と一緒に暮らしていた静岡県d市の官舎から出ていく時,補助参加人に対して生活費を毎月送るからこれで生活するようにと告げている。すなわち,Aから補助参加人に対する送金は,補助参加人及びEの生活費として送金されたものである。 Aは,昭和60年にEが結婚し,補助参加人と生計が別になった後も同様に補助参加人に対して送金をしている。したがって,この送金は,原告の主張のようにEへ迷惑を掛けたことに対するものというよりも補- 25 -助参加人の生活費という趣旨であったというべきである。 他方,補助参加人は,Aと別居を開始した当時,仕事をしておらず貯金もなかったので,Aからの送金のみによって生活していた。なお,補助参加人は,その妹のGが経営する洋品店で働いたこともあったが,それによる収入は少額であり,別居後の生活費の大半はAからの送金によっていた。したがって,補助参加人とAとの間に経済的な依存関係があったことは明らかである。 (イ) Aと補助参加人との継続的な音信関係Aは,補助参加人と別居後,2,3か月に1回くらいの割合で補助参加人の住居を訪問しており,その際には手みやげを持参し,泊まっていくことも多く,Eも連れて一緒に家族で近くの海岸に行ったりした。 補助参加人は,Aと別居後,住居を何度か変わっているが,Aはそれぞれの住居を訪問しているし,Eが東京の学校へ行くようになってからも,gの補助参加人のもとを訪れたり,東京のEを訪問したりしている。 また,補助参加人とEが,Aの愛知県の住居を訪れたこともある。 Aは,昭和45年にEが成人を迎えるに当たり,補助参加人に声をかけて京都まで着物を作ってもらいに行った。また,昭和61年ないし昭和62年ころ,iの国鉄の保養所にA,補助参加人,D及びEで泊まりがけで行ったり,平成元年3月12日に るに当たり,補助参加人に声をかけて京都まで着物を作ってもらいに行った。また,昭和61年ないし昭和62年ころ,iの国鉄の保養所にA,補助参加人,D及びEで泊まりがけで行ったり,平成元年3月12日には,Aの80歳の祝いを補助参加人,D,Eの3人でしたこともある。 また,電話による連絡も1か月か2か月に1回くらいの割合であった。 その上,昭和46年12月の補助参加人の母の葬儀,昭和60年3月17日のEの結婚式,平成2年11月11日のDの娘の結婚式,平成2年12月のDの妻の葬儀などの冠婚葬祭に際し,Aと補助参加人は夫婦として出席している。 さらに,Aと補助参加人との間では,定期的に食品類を中心とする物- 26 -のやりとりがあった。ただの連絡に止まらない物のやりとりはそれなりに親しい間柄になければすることではない。 そのほか,補助参加人は,Aが病気ないしけがをしたと聞き,少なくとも3回,愛知県に見舞いに行っている。 このように,Aは定期的に補助参加人のもとを訪ねたり,電話で話したりして意思の疎通を保っており,音信状態が認められるばかりか,冠婚葬祭に夫婦として出席するなど外形的にも夫婦としての存在が認められる。 (ウ) 離婚合意の不存在Aが,静岡県d市の官舎を出ていく時,Aから離婚の話が出ることはなかった。補助参加人も,相談に乗ってくれていた知人から,そのうち帰ってくるだろうなどと言われ,Aが帰ってくるのを待っており,離婚の意思はなかった。 別居後も,Aと補助参加人は定期的に音信を持っているが,離婚についての話は出ていないし,Eも両親の口から離婚を考えているなどという話を聞いたことがない。 平成5年ないし6年ころ,Aから補助参加人に対し離婚を求める話があったが,前後の状況からして原告がAに働きかけたものと思われ,補助参加人がこれに応じなかっ えているなどという話を聞いたことがない。 平成5年ないし6年ころ,Aから補助参加人に対し離婚を求める話があったが,前後の状況からして原告がAに働きかけたものと思われ,補助参加人がこれに応じなかったことにより,Aも本心を取り戻し,その後,原告に対して「離婚はしない」旨告げている。 このように原告の働きかけによりAも離婚を考えたことがあったかもしれないが,まさに一時的なもので,平成6年10月ころには離婚話はなくなり,Aからの送金は従前のとおり定期的になされていた。 なお,この時も,補助参加人には離婚の意思はなく,そのことは補助参加人が市役所に離婚不受理届を半年ごとに提出していたことからも明らかである。 - 27 -(エ) Aの死亡前後の事情補助参加人は,平成12年8月12日,DからAの体調が不良である旨を聞くや,速やかにEと病院に見舞いに行っており,同月16日にAが亡くなった後も,葬儀に妻として出席している。なお,原告が,Aの葬儀の際,妻としてあいさつをした事実はない。 また,Aの墓地は静岡県g市bに補助参加人名義で申し込み,その後の供養もしている。 イ乙14号証の作成経緯乙14号証の補助参加人名義の回答書は,Eが記載したものである。ただ,これは,社会保険庁から補助参加人あてに照会が来たのに対し,高齢で字を書くのがおっくうになっている補助参加人がEに代筆を依頼し,これを受けたEが自ら知っていた事情はそのまま,知らない事情は改めて補助参加人に確認して,補助参加人の目の前で同人に代わって記載したもので,この文書は補助参加人の意思に基づくものである。 また,当時,補助参加人やEは,この照会文書が年金に関係するものであることは分かっていたが,年金の支給の可否をめぐって本件のような裁判ざたになるなどとは認識していなかったし,年金支給の要件につ る。 また,当時,補助参加人やEは,この照会文書が年金に関係するものであることは分かっていたが,年金の支給の可否をめぐって本件のような裁判ざたになるなどとは認識していなかったし,年金支給の要件についての法的知識などは皆無であった。 ( ) 争点( ) 補助参加人の生計要件該当性等について (原告の主張)ア重婚的内縁関係における生計要件本件各遺族給付を,被保険者等ないし組合員等の配偶者が受給するためには,被保険者等ないし組合員等と生計を同じくしていたもの(生計同一関係)あるいは被保険者等ないし組合員等の収入により生計を維持していたもの(生計維持関係)であることを満たす必要がある。 重婚的内縁関係において,戸籍上の配偶者が生計同一関係ないし生計維- 28 -持関係を満たしていない場合には,戸籍上の配偶者が上記各年金を受給する余地はない。その結果,重婚的内縁関係にある者と戸籍上の配偶者との競合関係は解消されるから,重婚的内縁関係にある者が各要件を満たしている限り,各年金の受給権者となると解する。 イ補助参加人の生計同一関係について補助参加人は,Aと36年以上にわたり完全に別居していたのであり,しかも,Aが暮らしていた愛知県a市と,補助参加人が暮らしていた静岡県g市は遠隔地というべきであるから,補助参加人とAとの生計が全く別個であることは明らかである。 被告国は,補助参加人につき後述のように「単身赴任,就学又は病気療養等の止むを得ない事情により住所が住民票上異なつているが,次のような事実が認められ,その事情が消滅したときは,起居を共にし,消費生活上の家計を一つにすると認められるとき,ア生活費,療養費等の経済的な援助が行われていること。 イ定期的に音信,訪問が行われていること。」が認められると主張する。 しかし,上記の「止むを得 し,消費生活上の家計を一つにすると認められるとき,ア生活費,療養費等の経済的な援助が行われていること。 イ定期的に音信,訪問が行われていること。」が認められると主張する。 しかし,上記の「止むを得ない事情」とは,本来希望する同居を妨げる客観的物理的な事情に限られると解すべきであるから,Aと補助参加人の別居の原因が,A又は補助参加人のわがままであったとしても,それは止むを得ない事情には当たらない。 また,別居期間が36年以上に及んでいること,Aは別居の際未だ14歳のEを残してきており,相当の決意の上で別居に踏み切っていること,Aの大けが等での入院等の際にAの看護は専ら原告が行い,補助参加人は全く関与しなかったことにかんがみると,仮にAが原告と同居できなくなったとしても,Aが補助参加人と起居を共にし,消費生活上の家計を一つにすると認められるとは到底いえない。 - 29 -さらに,Aの送金の趣旨は補助参加人の生活費ではなく,Aと補助参加人との間で定期的な音信,訪問が行われていたこともない。 よって,被告国主張の判断枠組みに従ったとしても,補助参加人の生計同一関係は認められない。 ウ補助参加人の生計維持関係について補助参加人は,Aと別居した後,仕事をして収入を得ているから,補助参加人がAの送金によって「生計を維持」していたとも考え難い。 なお,被告国は,生計維持関係の認定に当たっては,上記イで検討した生計同一関係を充足する必要があると主張していると理解すべきであるところ,上記イのとおり,補助参加人が生計同一関係を充足しているとは認められないから,生計維持関係も認められない。 エ小括したがって,補助参加人は生計同一関係及び生計維持関係を満たしていないといえるから,原告に対する本件各処分において,補助参加人と原告との競合関係を考慮した点に重 計維持関係も認められない。 エ小括したがって,補助参加人は生計同一関係及び生計維持関係を満たしていないといえるから,原告に対する本件各処分において,補助参加人と原告との競合関係を考慮した点に重大かつ明白な違法がある。 (被告国の主張)ア生計同一関係・生計維関係の認定方法厚生年金保険法59条4項は,同条1項の適用上,被保険者等によって生計を維持していたことの認定に関し,必要な事項は政令で定めると規定している。これを受けて,厚生年金保険法施行令3条の10が,厚生年金保険法59条1項に規定する「被保険者又は被保険者であつた者の死亡当時その者によつて生計を維持し」ていた配偶者とは,「当該被保険者又は被保険者であつた者の死亡の当時その者と生計を同じくしていた者であつて厚生労働大臣の定める金額以上の収入を将来にわたつて有すると認められる者以外の者,その他これに準ずる者として厚生労働大臣の定める者とする」旨規定している。そして,厚生労働大臣の定める金額は,平成6年- 30 -11月9日以降に受給権が発生したものについては850万円とされている(平成6年11月9日庁保発第36号都道府県知事あて社会保険庁運営部長通知。乙7号証)。なお,その他これに準ずる者については,厚生労働大臣の定めはされていない。 厚生年金保険法59条1項所定の生計維持関係及び同法37条1項所定の生計同一関係の該当性の判断基準として,「生計維持関係等の認定基準及び認定の取扱いについて」(昭和61年4月30日庁保険発第29号都道府県民生主管部(局)保険主管課(部)長・国民年金主管課(部)長あて社会保険庁年金保険部国民年金課長・業務第一課長・業務第二課長通知。 ただし平成6年11月9日庁文発第3235号による改正後のもの。乙8号証,これを「生計認定基準」という。)が発せられて (部)長あて社会保険庁年金保険部国民年金課長・業務第一課長・業務第二課長通知。 ただし平成6年11月9日庁文発第3235号による改正後のもの。乙8号証,これを「生計認定基準」という。)が発せられている。 これによれば,生計維持関係の認定については,原則として,生計同一要件及び収入要件を満たす場合に生計維持関係があるものと認定するものとしており(生計認定基準の別添一(一)),生計同一関係の認定については,同認定基準別添二(一)①で,「ア住民票上同一世帯に属しているときイ住民票上世帯を異にしているが,住所が住民票上同一であるときウ住所が住民票上異なつているが,次のいずれかに該当するとき(ア) 現に起居を共にし,かつ,消費生活上の家計を一つにしていると認められるとき(イ) 単身赴任,就学又は病気療養等の止むを得ない事情により住所が住民票上異なつているが,次のような事実が認められ,その事情が消滅したときは,起居を共にし,消費生活上の家計を一つにすると認められるとき<ア>生活費,療養費等の経済的な援助が行われていること。 <イ>定期的に音信,訪問が行われていること。」- 31 -に該当するときには,生計同一要件を満たすとしている。 同認定基準別添二(一)①ウ(イ) の「止むを得ない事情」とは,「単身赴任,就学又は病気療養等」との例示があるように,当該配偶者の意思によらない事情により住民票上住所を異にするに至った場合をいうものと理解される。 また,収入に関する認定要件については,前年の収入が年額850万円未満であることに該当する場合などには,「厚生労働大臣の定める金額以上の収入を将来にわたつて有すると認められる者以外の者」として収入要件を満たすとしている(同認定基準別添三(一))。 イ本件におけるあてはめ(ア) 生計同一要件 は,「厚生労働大臣の定める金額以上の収入を将来にわたつて有すると認められる者以外の者」として収入要件を満たすとしている(同認定基準別添三(一))。 イ本件におけるあてはめ(ア) 生計同一要件補助参加人は,Aとの同居生活を望んでいたにもかかわらず,昭和39年4月1日,Aが原告と愛知県f郡a町で同居生活を始めたため,Aと別居したのであるから,その別居は補助参加人の意思によらず,Aの一方的な行為によるものであって,「止むを得ない事情」により別居したものというべきである。 また,Aは,補助参加人に対して,別居後から死亡する直前の平成12年2月まで定期的に7万円ないし28万円を送金しているが,補助参加人の生活費は月12万円か13万円であるから,前記送金額によって補助参加人の生活費が賄われていたことは明らかである。したがって,Aと補助参加人の間には,経済的な依存関係が反復して存在していたと認められる。 さらに,Aは,補助参加人と別居した後も,平成2年ころまでは2か月に1度は補助参加人を訪問しており,平成2年以降も月に1回程度電話での音信があったのであるから,両名の間には意思の疎通をあらわす「定期的」な「音信,訪問」の事実があったものと認められる。 - 32 -そして,A及び補助参加人の上記の行動等からすれば,両名の別居の原因であるAと原告の同居という事情が消滅すれば,A及び補助参加人の別居生活は解消される可能性も否定できないから,補助参加人は上記通知の生計同一要件(同認定基準別添二(一)①ウ(イ))に該当する。 (イ) 収入要件補助参加人の平成12年度市民税・県民税所得証明書により,平成11年分における補助参加人の収入は年額850万円未満と認められるから,上記通知の収入要件(同認定基準別添三(一)ア)に該当する。 (ウ) 小括以上により 2年度市民税・県民税所得証明書により,平成11年分における補助参加人の収入は年額850万円未満と認められるから,上記通知の収入要件(同認定基準別添三(一)ア)に該当する。 (ウ) 小括以上により,補助参加人は,本件各遺族給付の給付要件であるAとの生計維持関係等の要件を満たしている。 (被告日本鉄道共済組合の主張)被告国の主張を援用する。 ( ) 争点( ) 本件各処分は,Aの配偶者の認定について前提となる調査を尽く していない点で,原告がAの配偶者ではない旨の認定に手続上重大かつ明白な瑕疵があって無効であるかについて(原告の主張)重婚的内縁関係にある者を「配偶者」と認定するについては,前記課長通知により一定の運用が定められており,それによると,戸籍上の配偶者に対し,主として,(ア) 別居の開始時期及びその期間,(イ) 離婚についての合意の有無,(ウ) 別居期間中における経済的な依存関係の状況,(エ) 別居期間中における音信・訪問等の状況の各事項を調査し,それによっても,同人の婚姻関係の実態について「なお不明な点がある場合には,いわゆる内縁関係にある者に対しても調査を行う」とされている。国家公務員共済組合法における認定事務についても,条理上同旨が妥当すると解される。 本件においては,被告らは,法律上の妻である補助参加人に対し,十分な- 33 -調査を行っておらず,同人に対する調査のみでは,同人とAとの婚姻関係が実体を失って修復の余地がないまでに形がい化していなかったかどうか不明であったにもかかわらず,内縁の妻である原告に対しては,本件各処分に至るまで何ら調査を行っていない。原告が年金支給裁定等を申し立てた後,何ら事情を説明する機会が与えられなかったことから,簡単な説明資料を提出した経緯はあるが,少なくとも被告らが原告に対し, 各処分に至るまで何ら調査を行っていない。原告が年金支給裁定等を申し立てた後,何ら事情を説明する機会が与えられなかったことから,簡単な説明資料を提出した経緯はあるが,少なくとも被告らが原告に対し,専門的見地から事情聴取をした事実はない。 被告らは「配偶者」要件の認定のため,原告からその内縁の実態及び補助参加人の主張についての真偽を確認できるだけの事情を聴取すべき義務があったのであり,この容易に行える事情聴取によって,原告の配偶者該当性は容易に判明したといえるのである。したがって,本件各処分は手続的に無効であり,全く事実の基礎を欠いてなされたものであって,重大かつ明白な違法がある。 仮に,被告らの主張のとおり,戸籍上の配偶者の生活実態に対する調査判断を行い,法律上の婚姻関係について事実上の離婚状態にないと認めた場合には重婚的内縁関係にある者の実態調査を行う必要はないという見解をとったとしても,その調査資料とされた乙10号証の補助参加人の筆跡と乙14号証の回答書の筆跡は明らかに別人のものであり,その記載内容の不自然さに加え,Aと原告の居住地が遠隔地にあることや,Aの年齢等の諸事情から両者の交流の有無や婚姻関係の実態については当然疑問を抱いてしかるべきであったことなどに照らすと,戸籍上の配偶者である補助参加人らの生活実態に対する調査の段階では,法律上の婚姻関係の実態について職務上当然に要求される調査義務を尽くしたものとはいえず,それによって容易に判明する重要な処分要件の存否を誤認したのであるから,本件各処分には重大かつ明白な瑕疵があって無効である。 (被告国の主張)- 34 -上記保険給付等の受給資格としての配偶者要件は,我が国の民法が法律婚主義を採用していることから,まず法律上の婚姻関係について,その実態に即して配偶者性を検討すべき 。 (被告国の主張)- 34 -上記保険給付等の受給資格としての配偶者要件は,我が国の民法が法律婚主義を採用していることから,まず法律上の婚姻関係について,その実態に即して配偶者性を検討すべきものであって,戸籍上の配偶者と重婚的内縁関係にある者のいずれがより実質的な婚姻関係を営んでいるかという観点から,これを相対的に比較して検討した上で決すべき問題ではない。そのため,重婚的内縁関係にある者から遺族厚生年金等の給付の裁定請求があったとしても,重婚的内縁関係にある者の生活実態に対する調査判断に先行して,まず戸籍上の配偶者の生活実態に対する調査判断を行い,法律上の婚姻関係が事実上の離婚状態にあるといえるかどうかが検討されるべきであり,それによって事実上の離婚状態にあると認められなければ,事実上の婚姻関係の実態のいかんにかかわらず,重婚的内縁関係にある者に受給資格を認めることはできない。 本件においても,上記のとおり,Aと補助参加人が事実上の離婚状態にあると認めることはできず,補助参加人が配偶者要件を満たしている以上,原告に対する調査のいかんによって原告が受給資格を有すると認められるか否かが変わるものではない。それゆえ,無効原因として調査手続の瑕疵をいう原告の主張も失当である。 (被告日本鉄道共済組合の主張)被告国の主張を援用する。 第3当裁判所の判断 争点( ) 重婚的内縁関係の事案における本件各遺族給付の支給対象者として の配偶者の認定のあり方について厚生年金保険法上の配偶者には,戸籍上の届出をした妻のほか,重婚的内縁関係にある者がいる場合については,法律婚主義を採用している我が国の法制にかんがみて,原則として,戸籍上の配偶者が遺族厚生年金の受給権者としての「配偶者」に該当するものと解すべきであり,戸籍上の配偶者との婚姻関係 いる場合については,法律婚主義を採用している我が国の法制にかんがみて,原則として,戸籍上の配偶者が遺族厚生年金の受給権者としての「配偶者」に該当するものと解すべきであり,戸籍上の配偶者との婚姻関係- 35 -が全く実体を失って形がい化し,かつ,その状態が固定化して近い将来解消される見込みがないと認められるときには,上記「配偶者」には該当しないと解すべきである。そして,この場合には,重婚的内縁関係にある者が,遺族厚生年金の受給権者としての「届出をしていないが,事実上婚姻関係と同様の事情にある者」に該当し得るというべきである(昭和46年法律第85号による改正前の農林漁業団体職員共済組合法24条1項の配偶者に関する最高裁判所昭和58年4月14日第一小法廷判決・民集37巻3号270ページ参照)。 また,この理は,国家公務員共済組合法の配偶者,通算年金通則法の配偶者の解釈についても異なるところはないと解される。 そして,この婚姻関係の形がい化等の事情の有無については,婚姻当事者の別居の経緯,別居期間,婚姻関係を維持する意思の有無ないし婚姻関係を修復するための努力の有無,離婚の意思の有無ないし離婚のための努力の有無,別居後における相互の間の経済的依存の状況,別居後における婚姻当事者間の音信・訪問等の状況,重婚的内縁関係の固定性等を総合的に考慮して判断すべきである。 なお,原告は,上記の配偶者要件該当性を判断する際に,法律上の婚姻関係の生活実態と重婚的内縁関係の生活実態とを比較して相対的に判断すべきである旨を主張しているが,上述したとおり,法律婚主義をとる我が法制度並びに厚生年金保険法等の上記各規定の趣旨及び解釈に照らしてみると,戸籍上の配偶者の配偶者要件該当性は,まずもって,当該配偶者自身のそれについて検討し,決定すべきものであって,重婚的内縁 我が法制度並びに厚生年金保険法等の上記各規定の趣旨及び解釈に照らしてみると,戸籍上の配偶者の配偶者要件該当性は,まずもって,当該配偶者自身のそれについて検討し,決定すべきものであって,重婚的内縁関係のそれとの対比において相対的に判断すべきものとは解されない。したがって,原告の上記主張は,採用できない。 争点( ) 原告がAの配偶者ではない旨の本件各処分の認定に重大かつ明白な 瑕疵があるかについて( ) 前提事実等欄記載の事実のほか各項記載の証拠等により認定できる事実は - 36 -以下のとおりである。 ア別居の経緯(ア) Aは,昭和22年5月6日,補助参加人と結婚し,h市c区所在の国鉄の寮で補助参加人及び死別した前妻との子であるDとの生活を開始し,昭和24年10月30日,Aと補助参加人の間にEが出生した。 A,補助参加人,D及びEは,昭和25年,Aの転勤のため,静岡県d市内の国鉄官舎に転居した。Dは,昭和33年,大学進学のため上京して別居した。 Aは,昭和39年3月の定年退職をひかえて,再就職先について補助参加人に相談した際,出身地のhに帰って生活したい旨を告げた。これに対して補助参加人は,hは寒く,Eも高校受験であるとして,Aの上記の希望に賛同せず,Aがd市方面で就職することを希望した(丁1号証,補助参加人,弁論の全趣旨)。 (イ) Aは,以前,静岡県g市所在の国鉄の寮を訪れた際,その寮に勤務していた原告と知り合い,交際をするようになっていたが,上記のとおり退職後はhに帰郷したいとの希望が補助参加人に容れられなかったことから,原告にhで一緒に生活して欲しいと申し入れた。原告は,この申出にちゅうちょしたが,Aが原告に対し,補助参加人と離婚すること,生活は保障することを約束し,これらを原告の父親にも申し述べたことから, ,原告にhで一緒に生活して欲しいと申し入れた。原告は,この申出にちゅうちょしたが,Aが原告に対し,補助参加人と離婚すること,生活は保障することを約束し,これらを原告の父親にも申し述べたことから,Aの上記申し入れを受け入れることにした(甲17号証,原告本人,弁論の全趣旨)。 (ウ) 補助参加人は,そのころ,知人からAが女性と一緒にeの街を歩いているのを何度も見たことなどを聞き,また,Aが時々夜に外出したり,休日に泊まりがけで出かけたりすることが何度かあったことから,Aがその女性と交際しているのではないかと考え,昭和39年3月ころ,Aに問いただした。これに対し,Aは,その女性(原告)とhへ行って生- 37 -活することにした旨を告げ,知人が間に入って説得したが翻意せず,補助参加人に対して,生活費を毎月送るからそれで生活するようにと告げて,同年4月ころ補助参加人との別居に踏み切った(丁1号証,補助参加人)。 イ別居期間その後,Aと補助参加人の別居期間は,Aが死亡した平成12年8月までの約36年間に及んだ。 ウ婚姻関係を維持又は解消する意思及びそれらの努力(ア) 補助参加人はAが上記の経過で別居するに至った際,Aと離婚する意思はなく,Aも補助参加人に対して離婚を申し入れることはなかった。 Aと補助参加人の結婚の際の仲人,補助参加人の兄,Aの国鉄勤務時代の同僚等は,別居後約2年間にわたり,Aに補助参加人のもとへ戻って家族一緒に暮らすように説得をし,補助参加人も,Aに対して戻ってくるよう伝えたが,いずれの説得も功を奏しなかった。 なお,補助参加人は,別居後Aの死亡まで,婚姻関係調整等の家事調停を申し立てるなどしたことはなかった(丁1号証,補助参加人,弁論の全趣旨)。 (イ) 一方,原告は,Aに対して,補助参加人と離婚してくれるよう幾度と は,別居後Aの死亡まで,婚姻関係調整等の家事調停を申し立てるなどしたことはなかった(丁1号証,補助参加人,弁論の全趣旨)。 (イ) 一方,原告は,Aに対して,補助参加人と離婚してくれるよう幾度となく要請していたが,Aは「Eが中学を卒業するまで待ってくれ」,「高校を卒業するまで待ってくれ」,「大学を卒業するまで待ってくれ」などと言って離婚話を先送りにし,時には離婚話を持ちかけられると怒り出すこともあった(甲17号証,原告本人)。 (ウ) 原告は,平成5年3月から同年8月までの間,Aが肺結核等のためH病院に入院したことを契機に,Aに対し,補助参加人と離婚するよう頼んだところ,Aは,平成6年ころ,補助参加人との離婚を決意し,同年1月26日ころ,補助参加人に対し離婚届を送付した。 - 38 -これに対し,補助参加人は,原告との電話により上記の動きを察知し,同月14日,g市役所に離婚届不受理の申出書を提出した。 その後,Aは,平成6年4月7日,同年5月28日,同年6月18日,補助参加人に電話をして,早く離婚届を送るように要請し,これに応じないと生活費を送らないと告げた。原告も,補助参加人に対し,早く離婚するよう要請し,Aの指示で原告が行っていた補助参加人に対する送金も,従前の約半分の2か月当たり10万円程度に減額した。しかし,補助参加人は,A及び原告に対し,Aと離婚する意思はなく,離婚届を送ることはできない旨返答した。 Aは,同年10月ころ以降は,補助参加人に対して離婚を要請することを止め,離婚調停を申し立てることもなく,同年12月以降はほぼ従前どおりの送金額に戻し,同年10月ないし12月ころには,補助参加人との離婚を断念した。 なお,補助参加人は,平成11年10月5日までの間,年1回ないし2回,離婚届不受理の申出書の提出を継続しており,Aと りの送金額に戻し,同年10月ないし12月ころには,補助参加人との離婚を断念した。 なお,補助参加人は,平成11年10月5日までの間,年1回ないし2回,離婚届不受理の申出書の提出を継続しており,Aと離婚する意思を抱いたことはなかった(甲17号証,乙9号証の1・2,丁1号証,5号証の6ないし5号証の11,原告本人,補助参加人,弁論の全趣旨)。 エ補助参加人の経済的依存の状況Aは,別居直後から約2か月に1回の割合で補助参加人に生活費を送金していた。Aは,年金を受給するようになった際,その振込先を補助参加人の管理する預金口座に指定し,補助参加人はこれを生活費にあてていた。 しかし,昭和52年7月,Aが庭木から落ちてけがをし,同年12月にくも膜下出血で入院・治療をした約5か月の間,補助参加人がAの看病に従事したり,手伝ったりしたことはなく,専ら原告がAの看病に当たったことから,原告は,Aに対し,補助参加人が年金の管理をするのはおかし- 39 -いのではないかと問いつめた。そこで,Aは,年金の振込先を原告の管理するA名義の預金口座に変更した上,原告に指示して,約2か月に1回の割合で,補助参加人の預金口座に生活費を振り込ませるようにした。補助参加人への送金は,平成12年2月18日まで続いた。補助参加人名義の預金口座の通帳が残存している期間の,Aから補助参加人への送金の額は,別紙記載のとおりであり,1月平均7万円から10万円であるが,平成6年の離婚協議中もおおむね2か月ごとに10万円ずつ送金されていた。 補助参加人は,Aとの別居後しばらくは勤めに出ていなかったが,Eが上京した昭和43年4月ころから昭和62年ころまでの間,補助参加人の妹のGが経営する洋品店に勤務し,月額2万5000円の給与を得ており,食費・電気代・家賃合計3万円をGが負担していた かったが,Eが上京した昭和43年4月ころから昭和62年ころまでの間,補助参加人の妹のGが経営する洋品店に勤務し,月額2万5000円の給与を得ており,食費・電気代・家賃合計3万円をGが負担していた。昭和62年ころに,Gが洋品店を閉店して以降は,補助参加人が勤めに出たことはない。 補助参加人の生活費は,月平均で12万円ないし13万円であった(甲17号証,乙9号証の1・2,10号証,13号証,丁1号証,原告本人,補助参加人)。 オ別居後の音信,訪問等の状況(ア) Aは,昭和46年12月の補助参加人の母の葬儀,昭和60年3月17日のEの結婚式,平成2年11月11日のDの娘の結婚式及び同年12月のDの妻の葬儀に,いずれも補助参加人とともに出席した。また,Aと補助参加人は,昭和45年にEが成人を迎えるに当たり,Eの着物を作ってもらうため京都まで出向いた(争いがない。)。 (イ) また,Aは,年に1度戦友会の旅行に出かけたが,昭和54年の飛騨高山旅行の際にはEと,昭和61年又は昭和62年のi旅行の際にはD,E及び補助参加人と,現地で合流して旅行をした(丁1号証,2号証,4号証,原告本人尋問の結果,補助参加人)。 (ウ) 上記別居後の昭和47年10月,A,D,補助参加人,Eらが,補助- 40 -参加人宅に集まったことがあるほか,平成元年3月12日,A,D,補助参加人及びEは,hでAの80歳を祝う食事会を行った(丁4号証,5号証の2)。 (エ) 補助参加人は,昭和63年から平成8年までの間は,年に1,2回,Aと電話で話をすることがあり,原告が留守の時などには,子供の話や,畑の話,国鉄時代のAの職場の同僚の話や,再就職後の職場の同僚の話などで長電話になることもあった。また,補助参加人は,平成9年から平成11年までの間,年に1,2回,Aに手紙を出して は,子供の話や,畑の話,国鉄時代のAの職場の同僚の話や,再就職後の職場の同僚の話などで長電話になることもあった。また,補助参加人は,平成9年から平成11年までの間,年に1,2回,Aに手紙を出していた(丁5号証の1ないし11,補助参加人)。 (オ) Aは,昭和63年から平成5年1月までの間,年に数回,補助参加人に対し,家庭菜園で作った野菜類等(タマネギ,じゃが芋,漬物)やカレンダーなどを送っていた。補助参加人も,年に1度,Aにみかんなどを送っていたほか,Aの要請に応じて地球儀やいちじくの苗を届けたことがある(丁5号証の1ないし5,補助参加人)。 カAの看病と補助参加人の言動等昭和52年7月,Aが背骨を骨折して入院した際,原告は補助参加人に対し,戸籍上の妻であり,生活費を送っているので,主人の看護を手伝ってほしいと頼んだが,補助参加人は「好きで一緒になったのだから,子供を連れて泊まって看護するか,家政婦でも頼んだらいいでしょう。お金がなかったら,借りたらいいでしょう」と返答して,看病の手伝いを断った。 原告は,その後も,Aが入院する都度,その状況を補助参加人に連絡したが,補助参加人がAの看病や介護に訪れることはなかった。補助参加人がAの見舞いに訪れたことが証拠上認められるのは,昭和52年12月のくも膜下出血の際と,Aが死亡する4日程前の平成12年8月12日ころの2回にとどまる。 Aの死後,補助参加人は,通夜,葬儀に出席し,補助参加人の名義で墓- 41 -所利用許可を取得し,Aの一周忌等の供養を行った。 (甲17号証,丁1号証,3号証,4号証,原告本人,補助参加人)キ重婚的内縁関係の固定性原告は,昭和39年4月ころからAが死亡するまで約36年間にわたってAと同居した。原告は,昭和41年4月,Aとの子であるFを出産し,同年12月Aは 原告本人,補助参加人)キ重婚的内縁関係の固定性原告は,昭和39年4月ころからAが死亡するまで約36年間にわたってAと同居した。原告は,昭和41年4月,Aとの子であるFを出産し,同年12月AはFを認知した。 原告は,Aの兄弟(I,J,K,L)の自宅を訪問したりして交際し,Aの親族や周囲の人からもAの妻として扱われた。 Aは,昭和52年7月から約40日間,骨折,頭部出血等のためO外科に,昭和52年12月に約14日間,くも膜下出血,硬膜下血腫の手術のためM病院に,平成5年3月15日から約5か月半,肺結核等のためH病院に,平成8年3月25日から約2週間,急性膵炎のためH病院に,平成9年4月20日から約3か月間,交通事故による右大腿骨頸部外側骨折等のためH病院に,平成12年3月17日から約2週間,リハビリのためNクリニックに,平成12年8月8日から同月16日死亡した日まで,肺炎のためNクリニック及びH病院にそれぞれ入院していたが,原告は,これらの入院期間中や自宅での療養,通院などAの日常生活全般について看病,介護に当たり,Aの葬儀に際しても,D,Fとともに,葬儀屋の手配や葬儀会場の選定,親族らの連絡,参列者へのあいさつを行うなどした(甲14号証,15号証,17号証,原告本人)。 ( ) 上記の事実認定に関する補足説明 ア書証の成立及び信用性について原告は,乙14号証(補助参加人作成名義の回答書)の成立の真正を争い,乙10号証(補助参加人作成名義の回答書)及び乙13号証(Gの回答書)の信用性を否定するが,補助参加人の供述によれば,乙14号証は,Eの代筆にかかるものであるが,補助参加人の意思に基づき真正に成立し- 42 -たものと認められ,乙10号証及び乙13号証とともに,補助参加人側の立場を反映した文書であることを考慮しつつ,それら Eの代筆にかかるものであるが,補助参加人の意思に基づき真正に成立し- 42 -たものと認められ,乙10号証及び乙13号証とともに,補助参加人側の立場を反映した文書であることを考慮しつつ,それらの信用性を考慮すれば足るものと解される。 イ昭和39年4月1日の別居に至る経緯について原告は,昭和39年4月1日の同居以前に,Aと交際をしていた事実はなく,単なる職場の知り合いであったと主張するが,原告は,Aが28歳も年長で定年を迎える年代であり,しかも妻子があることを知りつつ同居を開始しており,結婚歴もない女性にとって,そのようなことは容易に決断できることではないこと,一方,Aと補助参加人の夫婦仲は円満ではなく,Aのh方面への帰郷の意向を巡って悪化した状態にあったと認められること,これらに照らしてみれば,原告とAは,昭和39年4月1日の同居開始以前から交際関係にあったと推認するのが相当である。 ウAの補助参加人への送金の趣旨原告は,Aが,補助参加人に送金を継続していた趣旨は,その生活を保障するためではなく,慰謝料ないしEの養育費の趣旨によるものであると主張する。 しかし,離婚を前提とした慰謝料等は,一括ないしそれに準じた短期間の内に支払われるのが通例であること,原告は,別居当時,Aの給与の他には格別の収入を得ておらず,前判示のとおり,Aも別居に踏み切る際,補助参加人に対し,生活費を毎月送る旨を告げていること,この送金はEが昭和60年4月に結婚した後も継続されたこと,これらの諸事情に照らせば,Aの補助参加人に対する送金の趣旨は,補助参加人に対する生活費の趣旨によるものと認めるのが相当である。 エAの訪問等の有無・頻度原告は,補助参加人とAが別居後会っていたことはない旨主張するのに対し,補助参加人は,Aが平成2年ころまでは,補助参加人 る生活費の趣旨によるものと認めるのが相当である。 エAの訪問等の有無・頻度原告は,補助参加人とAが別居後会っていたことはない旨主張するのに対し,補助参加人は,Aが平成2年ころまでは,補助参加人宅を2,3か- 43 -月に1回くらいの割合で訪れていた旨主張している。 しかし,Aが昭和54年に高山でEと,昭和61年ないし62年にはiで補助参加人及びEとそれぞれ会っていたこと,また補助参加人宅を訪れたことがあることは証拠(丁4号証)上明らかであり,Aの健康状態に問題がなかった平成2年までの間は,Aが原告には内緒で補助参加人らに会うなどしたことがあったと認めるのが相当である。 もっとも,Aが補助参加人宅を訪れた頻度などについては,補助参加人がその証拠として提出した家計簿(丁5号証の1ないし5号証の7)の記載に照らしても,さほどの回数に及ぶものであったとはうかがわれない。 ( ) 被告らが補助参加人とAとの婚姻関係が事実上の離婚状態にあると判断し なかったことに重大かつ明白な瑕疵があるか。 上記認定の諸事情に照らしてみると,Aと補助参加人の別居の期間は36年余の長期間に及んでいること,その間に形成された原告とAとの重婚的内縁関係は固定化し,Aが死亡するまで継続したこと,補助参加人は,別居直後のころを除いて,Aとの同居生活の回復など,実質的な婚姻関係を維持するための働きかけをした経緯が見受けられず,Aが入院した際の見舞いなどにも2回ほどしか赴かなかったこと,Aは平成6年ころ,補助参加人に対して離婚を申し出たことがあることなど,Aと補助参加人との婚姻関係は,実質的な夫婦としての交流や精神的な依存関係が希薄化し,現実的な修復が困難な状況になっていたものと解すべき余地がある。 しかしながら,一方において,Aは補助参加人に対し,生活費の定期的な送金 係は,実質的な夫婦としての交流や精神的な依存関係が希薄化し,現実的な修復が困難な状況になっていたものと解すべき余地がある。 しかしながら,一方において,Aは補助参加人に対し,生活費の定期的な送金を継続し,補助参加人の生活はこれに依存していたこと,Aは,別居後も補助参加人と一緒に親族らの冠婚葬祭に出席し,限られた機会ではあるが補助参加人らと旅行をしたり,補助参加人宅を訪れたこともあり,電話や手紙,また野菜等の送付など,折にふれて音信や連絡を継続していたこと,これらの状況,経緯も認められる。 - 44 -そして,補助参加人は,Aとの離婚に応じる意向を持ったことはなく,平成6年にAから離婚を求められた際にもこれを断り,役所に離婚届の不受理願いを提出し,Aも,こうした補助参加人の意向を押し切ってまで法的な離婚手続に及んだり,これを準備したような経緯はなく,むしろ,上記の離婚の要請の際にいったん減額した送金を,まもなく従前と同額に回復させていること,これらの経緯をも併せ考えると,Aは補助参加人との離婚を望みつつも,それまでの経緯や補助参加人の意向などの諸事情一切を考慮して,少なくとも法的な婚姻関係を維持,継続し,補助参加人への生活費の送金を続けてその生計を維持する意思であったものと解される。 以上の諸事情によってみれば,被告らにおいて,Aと補助参加人との婚姻関係が全く形がい化し,事実上の離婚状態にあるものと判断せず,補助参加人を本件各遺族給付の給付対象者たる配偶者と認めて,原告を上記配偶者と認めなかったことについて,重大かつ明白な瑕疵があるとは認められない。 争点( ) 補助参加人の生計要件該当性等について 原告は,補助参加人がAと生計を同じくし,Aによって生計を維持していたとは認められないから,原告と補助参加人との間の競合関係は解消さ れない。 争点( ) 補助参加人の生計要件該当性等について 原告は,補助参加人がAと生計を同じくし,Aによって生計を維持していたとは認められないから,原告と補助参加人との間の競合関係は解消され,原告のみを配偶者として扱うべきであると主張するが,上述したとおり,Aと補助参加人との婚姻関係は,全く形がい化して事実上の離婚状態にあったと認定することはできない経緯,情況にあり,補助参加人がAからの送金によって生計を維持している状態にあることは明らかであったから,被告らが補助参加人について生計要件該当性を認めて各遺族給付の給付対象者と認め,その反面として原告を上記給付対象者と認めなかったことに過誤や違法は認められない。 したがって,原告の上記主張には理由がない。 争点( ) 本件各処分が,Aの配偶者の認定の前提となる調査を尽くしておら ず,原告をAの配偶者と認めなかったことに手続上重大かつ明白な瑕疵があって無効かについて- 45 -( ) 法律婚主義を原則とする我が法制度の下においては,重婚的内縁関係にあ る者が,厚生年金保険法,国家公務員共済組合法及び通算年金通則法にいう配偶者に該当し得るのは,戸籍上の配偶者に関する婚姻関係が実体を全く失って形がい化し,かつ,その状態が固定化して近い将来解消される見込みがないとして配偶者要件を満たさないと認められる場合に限られ,その配偶者要件該当性を,法律上の婚姻関係の実態と重婚的内縁関係の実態とを比較して決すべきものではないと解するのが相当であって,前記年金保険部長通知もこの趣旨を定めるものとしてその合理性を認めることができる。そして,遺族年金等の給付が遺族の生活保障のための性格を有していることに照らすと,その支給に関する決定は速やかになされる必要があると解される。 これらの事情に照らしてみ の合理性を認めることができる。そして,遺族年金等の給付が遺族の生活保障のための性格を有していることに照らすと,その支給に関する決定は速やかになされる必要があると解される。 これらの事情に照らしてみると,重婚的内縁関係が問題となる事案において,その認定事務の方法を定めた前記各所管課長通知の示す調査方法,すなわち,戸籍上の配偶者に対して,主として別居の開始時期及びその期間,離婚についての合意の有無,別居期間中における経済的な依存関係の状況,別居期間中における音信・訪問等の状況について,婚姻関係の実態を調査し,なお不明な点がある場合には,内縁関係にある者に対しても調査を行うとしていることは,合理性を有するものと解される。 ( ) 証拠(乙9号証の1,2,10号証ないし14号証,17号証)及び弁論 の全趣旨によれば,被告国は,上記各所管課長通知に従って調査を進めており,原告からの本件各遺族給付の支給申請に対して,社会保険庁長官の下級行政機関であるP社会保険事務所は,補助参加人に対し,夫の氏名,別居時期,音信・訪問等の有無・時期・頻度・方法・相手方・用件,送金の有無・時期・回数・金額・方法・理由,離婚の合意の有無,別居生活の解消の話合い等の有無,葬儀の状況などを問い合わせる文書を送って回答書(乙14号証)を受け取り,なお不明な点について,別居の理由,音信・訪問の方法・時期・頻度・相手方・用件,見舞いの有無,冠婚葬祭の出席状況,送金の理- 46 -由・金額,補助参加人の生活費,Aの病気療養中の生活費,離婚意思の有無,別居生活の解消の話合いの有無等,葬儀への出席の有無などを問い合わせる文書を送って回答書(乙10号証)を受け取った。そして,なお不明な点を確認するため,同事務所ないしQ社会保険事務所において,補助参加人の預金通帳,結婚式の写真など 儀への出席の有無などを問い合わせる文書を送って回答書(乙10号証)を受け取った。そして,なお不明な点を確認するため,同事務所ないしQ社会保険事務所において,補助参加人の預金通帳,結婚式の写真などを入手した上,補助参加人の妹Gあてに,補助参加人の勤務期間,給与収入,Aの訪問の有無,頻度,訪問場所,経済的援助等を問い合わせる文書を送って回答書を受け取り(乙9号証の1・2,11号証ないし13号証),さらに,補助参加人の家主や近所の美容院の主人から事情聴取を行った(乙17号証,弁論の全趣旨。)ことが認められる。 ( ) このような調査の経緯に照らすと,被告国の担当者らが,それによって, Aと補助参加人の婚姻関係が全く実体を失って形がい化し,事実上離婚状態にあるとは認められないと判断し,それ以上原告に対する調査を行わなかったことについて,その調査手続上重大かつ明白な瑕疵があったとはいえないし,また,その調査結果が誤りであったともいえないことは前判示のとおりである。 ( ) また,被告日本鉄道共済組合は,原告が被告国の不支給決定の通知を受け て2か月を経過しても社会保険審査官に対して審査請求をしなかったことから,原告に対する遺族共済年金の不支給決定をしたものと推認され,そこに重大かつ明白な瑕疵があったとはいえないし,その判断結果が誤っていたとはいえないことも被告国についてと同様である。 結論 以上のとおりであって,原告の被告らに対する請求はいずれも理由がないから棄却し,訴訟費用の負担につき,行政事件訴訟法7条,民訴法61条,66条を適用して,主文のとおり判決する。 名古屋地方裁判所民事第9部- 47 -裁判長裁判官中村直文裁判官前田郁勝裁判官尾河吉久- 48 -(別紙)Aの補助参加人への送金一覧補助参 文のとおり判決する。 名古屋地方裁判所民事第9部- 47 -裁判長裁判官中村直文裁判官前田郁勝裁判官尾河吉久- 48 -(別紙)Aの補助参加人への送金一覧補助参加人への送金日送金額昭和60年6月14日28万円昭和60年9月19日28万円昭和60年12月18日25万円昭和61年3月17日25万円昭和61年5月14日20万円昭和61年8月13日27万円昭和61年11月14日27万円昭和62年5月14日20万円昭和62年8月14日27万円昭和62年11月16日27万円昭和63年2月17日27万円昭和63年5月13日27万円(昭和63年6月9日から平成3年8月16日までの入金状況は,補助参加人の預金通帳が現存していないため不明である。)平成3年10月15日20万円平成3年12月16日20万円平成4年2月17日20万円平成4年4月15日20万円平成4年6月16日20万円平成4年8月17日20万円平成4年10月15日20万円平成4年12月16日20万円- 49 -平成5年2月16日20万円平成5年4月15日20万円平成5年6月16日20万円平成5年8月16日20万円平成5年10月19日20万円平成5年12月17日20万円平成6年2月23日10万円平成6年4月28日10万円平成6年6月24日10万円平成6年7月4日10万円平成6年9月8日10万円平成6年10月19日10万円平成6年12月15日16万円平成7年2月16日16万円平成7年4月20日10万円平成7年6月15日16万円平成7年8月21 10万円平成6年10月19日10万円平成6年12月15日16万円平成7年2月16日16万円平成7年4月20日10万円平成7年6月15日16万円平成7年8月21日16万円平成7年10月16日16万円平成7年12月15日16万円平成8年3月5日10万円平成8年4月18日10万円平成8年6月20日14万円平成8年8月16日14万円平成8年10月15日15万円平成8年12月16日17万円平成9年2月17日18万円- 50 -平成9年4月17日20万円平成9年7月31日7万円平成9年8月18日17万円平成9年10月17日18万円平成9年12月1日7万円平成9年12月16日18万円平成10年2月17日18万円平成10年4月16日19万円平成10年6月18日18万円平成10年8月17日18万円平成10年10月19日18万円平成10年12月17日19万円平成11年2月18日18万円平成11年4月22日18万円平成11年6月29日17万円平成11年8月17日17万円平成11年10月18日18万円平成11年12月16日18万円平成12年2月18日18万円以上

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