平成28年12月22日判決言渡平成28年(行ケ)第10198号審決取消請求事件口頭弁論終結の日平成28年11月8日判決 原告 X 被告特許庁長官同指定代理人長 屋 陽二郎同内藤真徳同山村 浩 主文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実 及び理由第1 請求特許庁が再審2016-950001号事件について平成28年7月27日にした審決を取り消す。 第2 前提事実(いずれも当事者間に争いがない。) 1 特許庁における手続の経緯等(1) 原告は,発明の名称を「介助機」とする発明について,平成9年8月20日に出願をし(平成9年特許願第260785号。以下「本願」という。),平成17年3月15日付けで拒絶査定されたことから,同年4月20日に拒絶査定不服審判の請求(不服2005-9621号)をした。これに対し,特許庁は,平成19年11月12日,「本件審判の請求は,成り立たない」との審決(以下「原審決」という。)をした。 原告が,これを不服として,同年12月24日,原審決の取消しを求める訴え(平成19年(行ケ)第10421号)を当庁に対して提起したところ,当庁は,平成20年6月26日,請求を棄却する旨の判決を言い渡した。 原告は,これを不服として,同年7月9日,上告(平成20年(行ツ)第280号)を提起したが,最高裁判所は,平成21年1月15日,上告を棄却し,原審決が確定した。 (2) 原告は,同年2月13日,原審決につき再審の請求(再審2009-950001号)をした。これに対し同年6月16日に が,最高裁判所は,平成21年1月15日,上告を棄却し,原審決が確定した。 (2) 原告は,同年2月13日,原審決につき再審の請求(再審2009-950001号)をした。これに対し同年6月16日に「本件審判の請求は成り立たない。」との審決がされたため,原告は,同年7月10日,当庁に対し,当該審決の取消しを求める訴え(平成21年(行ケ)第10187号)を提起した。これに対し,当庁は,同年12月28日,請求を棄却する旨の判決を言い渡した。 (3) 原告は,平成22年1月13日,再び原審決につき再審の請求(再審2010-950001号)をした。これに対し同年4月14日に「本件審判の請求を却下する。」との審決がされたため,原告は,同年5月12日,当庁に対し,当該審決の取消しを求める訴え(平成22年(行ケ)第10148号)を提起した。これに対し,当庁は,同年7月15日,請求を棄却する旨の判決を言い渡した。 原告は,これを不服として,同月24日,上告受理の申立て(平成22年(行ノ)第10051号)をしたが,当庁は,同年10月5日,上告受理の申立てを却下した。 (4) 原告は,同年9月28日,3回目の再審の請求(再審2010-950003号)をした。これに対し同年12月1日に「本件審判の請求を却下する。」との審決がされたため,原告は,同月14日,当庁に対し,当該審決の取消しを求める訴え(平成22年(行ケ)第10387号)を提起した。 これに対し,当庁は,平成23年2月28日,請求を棄却する旨の判決を言 い渡した。 原告は,これを不服として,同年3月8日に上告及び上告受理の申立て(平成23年(行サ)第10008号,平成23年(行ノ)第10013号)をしたが,最高裁判所は,同年10月11日,上告却下及び上告受理申立不受理決定(平成23年 年3月8日に上告及び上告受理の申立て(平成23年(行サ)第10008号,平成23年(行ノ)第10013号)をしたが,最高裁判所は,同年10月11日,上告却下及び上告受理申立不受理決定(平成23年(行ツ)第182号,平成23年(行ヒ)第186号)をした。 (5) 原告は,平成28年3月22日,4回目の再審の請求となる本件再審の請求(再審2016-950001号)をした。これに対し,特許庁は,同年7月27日,「本件審判の請求を却下する。」との審決(以下「本件審決」という。)をした。 そこで,原告は,同年8月19日,当庁に対し,本件審決の取消しを求める本件訴訟を提起した。 2 本件審決の理由の要旨本件審決の理由は,別紙審決書(写し)記載のとおりであるが,その要旨は,拒絶査定不服審判の確定審決に対する再審についても,特許法171条2項により準用される民訴法338条2項の要件を欠くときには再審の請求自体が不適法となり,再審事由自体の有無の判断に立ち入るまでもなく再審の請求は却下を免れないところ,本件では,原告が主張する再審事由である「職務に関する罪」(民訴法338条1項4号)に関して,「有罪の判決若しくは過料の裁判が確定した」ものでないことは明らかであり,また,原告は,「証拠がないという理由以外の理由により有罪の確定判決若しくは過料の確定裁判を得ることができないとき」に関し,有罪の確定判決を得る可能性があることを認めるに足りる証拠を提出していないから,本件再審請求は,特許法171条2項が準用する民訴法338条2項の要件を欠く不適法な審判の請求であり,その補正をすることができないものとして,却下すべきであるというものである。 第3 当事者の主張 1 原告の主張再審請求に当たっては,特許法171条2項が準用する民訴法338 であり,その補正をすることができないものとして,却下すべきであるというものである。 第3 当事者の主張 1 原告の主張再審請求に当たっては,特許法171条2項が準用する民訴法338条1項4号に掲げる事由がある場合,有罪の確定判決を得る可能性があることを認めるに足りる証拠を提出しなければならないところ,原審決に記載された相違点1の認定の記述は,その内容が真実に反する虚偽のものであり,社会的相当の範囲を逸脱して実質的に法秩序に反するものである。このような記述がされた原審決書は,それ自体が有罪の確定判決を得る可能性があることを認めるに足りる証拠であるし,これ以外の証拠はない。 したがって,本件審決の認定判断には誤りがあるから,違法として取り消されるべきである。 2 被告の主張原告が「社会的相当の範囲を逸脱して実質的に法秩序に反する」と主張する原審決の記述は,有罪の確定判決を得る可能性があることについて,これを認めるに足りる証拠とならないことは明らかである。 そもそも,原告が主張する「相違点1の認定の誤り」等は,本願に係る特許請求の範囲及び明細書等の解釈,引用文献の解釈及びそれらに基づく判断であって,審判官の虚偽すなわち事実に反するものとは解されないから,虚偽有印公文書作成,同行使罪の成立に結びつく証拠があろうはずがない。 そうすると,本件再審の請求は,特許法171条2項が準用する民訴法338条2項の要件を欠くものであるというべきであり,本件審決の判断に誤りはない。 第4 当裁判所の判断 1 特許法171条2項が準用する民訴法338条1項4号所定の事由がある場合においては,「罰すべき行為について,有罪の判決若しくは過料の裁判が確定したとき,又は証拠がないという理由以外の理由により有罪の確定判決若しくは過料の確定裁 訴法338条1項4号所定の事由がある場合においては,「罰すべき行為について,有罪の判決若しくは過料の裁判が確定したとき,又は証拠がないという理由以外の理由により有罪の確定判決若しくは過料の確定裁判を得ることができないときに限り,再審の訴えを 提起することができる。」(民訴法338条2項)。 ここで,「証拠がないという理由以外の理由により有罪の確定判決若しくは過料の確定裁判を得ることができないとき」との要件を具備するためには,有罪の確定判決を得る可能性があるのに,被疑者が死亡したり,公訴権が時効消滅したり,あるいは起訴猶予処分を受けたりして有罪の確定判決を得られなかったことを証明することを要する(最高裁判所第三小法廷昭和42年6月20日判決・裁判集民事87号1071頁)。また,民訴法338条2項の要件を欠く場合は,再審の訴え自体が不適法となり,同条1項4号等の事由自体の有無の判断に立ち入るまでもなく,再審の訴えは却下を免れない(最高裁判所第二小法廷昭和45年10月9日判決・民集24巻11号1492頁)。 これらの点は,拒絶査定不服審判の確定審決に対する再審においても同様である。 2 本件において,原告は,原審決における審判長審判官及び審判官を虚偽有印公文書作成,同行使罪の被疑者とする原告の告訴に対する不起訴処分を通知した平成26年12月2日付け処分通知書(甲8),及び原告送付に係る「告訴状」と題する書面等を,「被告訴人らが虚偽有印公文書作成・同行使罪に該当する行為を行ったことを基礎付ける事実が判然とせず,具体的な事実が特定されているとは認められません。」として返戻する旨連絡する東京地方検察庁特別捜査部特殊直告班作成に係る平成27年6月22日付け文書(甲9)を提出した上で,公訴時効の完成は平成27年6月24日である旨主張する るとは認められません。」として返戻する旨連絡する東京地方検察庁特別捜査部特殊直告班作成に係る平成27年6月22日付け文書(甲9)を提出した上で,公訴時効の完成は平成27年6月24日である旨主張する一方で,原審決の審判長審判官らに虚偽有印公文書作成,同行使罪が成立することの証拠としては,原審決書写し(甲3)を提出するのみである。 しかし,原告がるる指摘する事情を踏まえても,甲3のみにより,審判長審判官らの虚偽有印公文書作成,同行使罪につき有罪の確定判決を得られたであろうと思わせるに足りる証拠があるということは到底できない。また,この点は他の書証を考慮に入れても異ならない。これに反する原告の主張は採用し得 ない。 3 したがって,本件再審の請求は,特許法171条2項の準用する民訴法338条2項の要件を欠く不適法なものであって,却下すべきものである。 そして,本件再審請求は4回目の再審請求であり,原告は,再審請求の手続について熟知していると認められるところ,そのような原告が,再審請求に当たっては,原審決書写しのみを証拠として掲げ(甲4),本訴においても,再審請求を基礎づける証拠としては原審決書しか存在しないし,また,原審決書があれば充分であるとしてそれ以外の証拠を提出していないことからすると,原告は,原審決書の写しさえあれば,民訴法338条1項4号の所定の再審事由を証明できるという一貫した態度で再審請求に臨んでいることが明らかである。そうであるとすると,その見解が誤りであると認められる以上,原告の本件再審請求は不適法であり,かつ,補正をすることができないものであったというほかはないのであって,これを却下した本件審決に誤りはない。 4 結論よって,原告の請求は理由がないからこれを棄却することとし,主文のとおり判決する。 することができないものであったというほかはないのであって,これを却下した本件審決に誤りはない。 4 結論 よって,原告の請求は理由がないからこれを棄却することとし,主文のとおり判決する。 知的財産高等裁判所第3部 裁判長裁判官 鶴岡稔彦 裁判官 杉浦正樹 裁判官 寺田利彦
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