平成18(あ)746 住居侵入,強盗殺人,銃砲刀剣類所持等取締法違反,強盗殺人未遂,窃盗未遂,現住建造物等放火,建造物侵入,窃盗被告事件

裁判年月日・裁判所
平成20年11月4日 最高裁判所第一小法廷 決定 棄却 大阪高等裁判所
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判決文本文1,156 文字)

- 1 -主文本件上告を棄却する。 理由 検察官の上告趣意は,判例違反をいう点を含め,実質は量刑不当の主張であって,刑訴法405条の上告理由に当たらない。 所論にかんがみ,被告人の量刑につき,職権により判断する。 本件は,中国から留学してきた被告人が,学費や生活費に窮し,いずれも単独で,住居侵入・強盗殺人,住居侵入・強盗殺人未遂各1件を犯したほか,住居侵入・窃盗未遂・現住建造物等放火1件,住居等侵入・窃盗・同未遂14件を犯した事案である。これらの中でも取り分け重大事犯である住居侵入,強盗殺人,同未遂における各犯行の態様は,被害者宅に侵入し金品を物色中,被害者に発見され大声を上げられるなどしたことから,あらかじめ携帯していた包丁や園芸用火山岩などで,殺害行為に及ぶなどしたという偶発的とはいえないもので,強盗殺人の被害者に対しては,その頭部,胸腹部等を複数の包丁で多数回切り付け,突き刺すなどし,強盗殺人未遂の被害者に対しては,その頭部を園芸用火山岩や陶器製睡蓮鉢で多数回にわたり殴打するなどしており,誠に執ようかつ残虐なものである。さらに,被告人は,思うように現金が発見できなかったとして,その腹いせに既に死亡している強盗殺人の被害者に対し刺突行為を繰り返すなどもしている。学費や生活費を得るため,短絡的に本件各犯行に及んだ動機や経緯に酌むべき事情は見いだし難い。1名の生命を奪い,他の1名に重傷を負わせてこれを原因とする深刻な認知症に至らしめた結果は,極めて重大であって,遺族や家族らの処罰感情は非常に厳しく,本件が地域社会に与えた影響も軽視できない。そうすると,これらを含む上- 2 -記各犯行に及んだ被告人の刑事責任は誠に重大であって,被告人に対しては死刑を選択することも考慮されるところである。 しかしながら,他方において,被告人は,捜査 。そうすると,これらを含む上- 2 -記各犯行に及んだ被告人の刑事責任は誠に重大であって,被告人に対しては死刑を選択することも考慮されるところである。 しかしながら,他方において,被告人は,捜査官に知られていないことも含めその犯行を素直に供述し,反省悔悟の情を示していること,若年で,本邦における前科,前歴はなく,本件一連の犯行に至るまではまじめに学業に励んでいたことなどの事情をも考慮すると,被告人を極刑に処するほかないものとまでは断定し難く,被告人を無期懲役に処した第1審判決を維持した原判決について,その量刑がこれを破棄しなければ著しく正義に反するとは認められない。 よって,刑訴法414条,386条1項3号により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。 (裁判長裁判官甲斐中辰夫裁判官泉徳治裁判官涌井紀夫裁判官宮川光治裁判官櫻井龍子)

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