平成25(行ウ)701 不当利得返還等請求事件

裁判年月日・裁判所
平成28年4月26日 東京地方裁判所 その他
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判決文本文37,482 文字)

平成28年4月26日判決言渡平成25年(行ウ)第701号不当利得返還等請求事件主文 1 被告は,別紙2主文目録記載のとおり,原告らに対し,同目録記載の各金員を支払え。 2 東京都渋谷都税事務所長が平成25年6月3日付けで原告らに対してした別紙3物件目録記載の土地に係る固定資産税及び都市計画税の賦課決定に基づく同年12月27日及び平成26年2月28日を納期限とする合計24万円の連帯納付債務が存在しないことを確認する。 3 原告らのその余の請求を棄却する。 4 訴訟費用は,これを7分し,その3を原告らの,その余を被告の負担とする。 事実 及び理由第1 請求 1 被告は,原告P1,原告P2,原告P3,原告P4及び原告P5に対し,各20万9147円並びに内10万1479円に対する平成25年12月27日から同年12月31日まで年4.3%の割合による金員,平成26年1月1日から同年12月31日まで年1.9%の割合による金員,平成27年1月1日から同年12月31日まで年1.8%の割合による金員,平成28年1月1日から同年12月31日まで年1.8%の割合による金員及び平成29年1月1日から支払済みまで地方税法附則3条の2第1項の規定する特例基準割合による金員並びに内10万7668円に対する平成25年12月27日から支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。 2 被告は,原告P6,原告P7,原告P8,原告P9,原告P10,原告P11,原告P12及び原告P13に対し,各23万4157円並びに内12万6849円に対する平成25年12月27日から同年12月31日まで年4. 3%の割合による金員,平成26年1月1日から同年12月31日まで年1. 9%の割合による金員,平成27年1月1日から同年12月31日まで年1. 成25年12月27日から同年12月31日まで年4. 3%の割合による金員,平成26年1月1日から同年12月31日まで年1. 9%の割合による金員,平成27年1月1日から同年12月31日まで年1. 8%の割合による金員,平成28年1月1日から同年12月31日まで年1. 8%の割合による金員及び平成29年1月1日から支払済みまで地方税法附則3条の2第1項の規定する特例基準割合による金員並びに内10万7668円に対する平成25年12月27日から支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。 3 被告は,原告P14,原告P15及び原告P16に対し,各27万6801円並びに内16万9133円に対する平成25年12月27日から同年12月31日まで年4.3%の割合による金員,平成26年1月1日から同年12月31日まで年1.9%の割合による金員,平成27年1月1日から同年12月31日まで年1.8%の割合による金員,平成28年1月1日から同年12月31日まで年1.8%の割合による金員及び平成29年1月1日から支払済みまで地方税法附則3条の2第1項の規定する特例基準割合による金員並びに内10万7668円に対する平成25年12月27日から支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。 4 被告は,原告P17及び原告P18に対し,各41万5200円並びに内25万3698円に対する平成25年12月27日から同年12月31日まで年4.3%の割合による金員,平成26年1月1日から同年12月31日まで年1.9%の割合による金員,平成27年1月1日から同年12月31日まで年1.8%の割合による金員,平成28年1月1日から同年12月31日まで年1.8%の割合による金員及び平成29年1月1日から支払済みまで地方税法附則3条の2第1項の規定する特例基準割合による金員並び 1.8%の割合による金員,平成28年1月1日から同年12月31日まで年1.8%の割合による金員及び平成29年1月1日から支払済みまで地方税法附則3条の2第1項の規定する特例基準割合による金員並びに内16万1502円に対する平成25年12月27日から支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。 5 被告は,原告P19及び原告P20に対し,各19万2234円並びに内8万4566円に対する平成25年12月27日から同年12月31日まで年 4.3%の割合による金員,平成26年1月1日から同年12月31日まで年1.9%の割合による金員,平成27年1月1日から同年12月31日まで年1.8%の割合による金員,平成28年1月1日から同年12月31日まで年1.8%の割合による金員及び平成29年1月1日から支払済みまで地方税法附則3条の2第1項の規定する特例基準割合による金員並びに内10万7668円に対する平成25年12月27日から支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。 6 被告は,原告P21に対し,金44万5934円並びに内33万8266円に対する平成25年12月27日から同年12月31日まで年4.3%の割合による金員,平成26年1月1日から同年12月31日まで年1.9%の割合による金員,平成27年1月1日から同年12月31日まで年1.8%の割合による金員,平成28年1月1日から同年12月31日まで年1.8%の割合による金員及び平成29年1月1日から支払済みまで地方税法附則3条の2第1項の規定する特例基準割合による金員並びに内10万7668円に対する平成25年12月27日から支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。 7 主文第2項同旨第2 事案の概要別紙3物件目録記載の土地(以下「本件土地」という。)を所有していたP2 円に対する平成25年12月27日から支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。 7 主文第2項同旨第2 事案の概要別紙3物件目録記載の土地(以下「本件土地」という。)を所有していたP22の孫,曾孫又は孫の妻である原告らは,本件土地につき相続を原因とする別紙4登記目録記載の所有権移転登記等(以下「本件各移転登記」という。)がされたことを端緒として,東京都渋谷都税事務所長によって本件土地に係る平成23年度(平成18年度相当分ないし平成22年度相当分を含む。),平成24年度及び平成25年度の固定資産税及び都市計画税(以下,併せて「固定資産税等」という。)の各賦課決定(以下「本件各賦課決定」という。)を受けたため,同年度第2期分までの固定資産税等を納付した。しかし,本件土地の所有者は原告らではなく被告であるとする判決が確定した。 本件は,原告らが,本件土地については,土地又は家屋の所有者として登記された者に対して固定資産税等を課する旨の地方税法343条2項及び702条2項(以下,併せて「本件各条項」という。)が適用されず,本件各賦課決定は無効であるなどとして,被告に対し,固定資産税等として納付した合計304万4400円(以下「本件納付済み固定資産税等」という。)につき誤納金としてその返還を求めるとともに(以下,この請求を「本件誤納金返還請求」という。),本件土地に係る平成25年度第3期分及び第4期分の固定資産税等合計24万円の連帯納付債務が不存在であることの確認を求め(以下,この請求を「本件債務不存在確認請求」という。),さらに,本件各移転登記を経由したのは被告下水道局の職員の言動によって本件土地の所有権がP22にあったものと誤信したからであるとして,国家賠償法1条1項に基づき,本件各移転登記のために司法書士に対して支払っ 件各移転登記を経由したのは被告下水道局の職員の言動によって本件土地の所有権がP22にあったものと誤信したからであるとして,国家賠償法1条1項に基づき,本件各移転登記のために司法書士に対して支払った所有権移転登記手続費用等,税理士に対して支払った遺産分割協議書作成費用等及び支払を余儀なくされた本件納付済み固定資産税等に相当する損害の賠償を求める(以下,この請求を「本件国家賠償請求」という。)事案である。 1 関係法令の定め本件の関係法令の定めは,別紙5関係法令の定めに記載のとおりである。 2 前提事実(証拠等の掲記のないものは当事者間に争いがない。)(1) 当事者等ア P22(明治5年▲月▲日生)は,明治37年12月19日,本件土地を含む東京都渋谷区α所在の旧×番1の土地を売買によって取得した。(甲1,甲10,弁論の全趣旨)イ P22は,昭和25年▲月▲日,死亡し,その後,別紙6相続関係図記載のとおり,順次相続が発生した。(弁論の全趣旨)(2) 紛争の経過ア原告ら(原告P12を除く。)並びにP23及びP24は,平成22年 12月2日,本件土地につき,いずれも相続を原因とする本件各移転登記を経由した。 イ原告ら(原告P12を除く。)並びにP23及びP24は,本件土地の南西側に隣接する土地を所有するP25が本件土地を権限なく占有しているとして,平成23年1月13日,同人を被告として,本件土地の所有権に基づいて本件土地上に存在する建物を収去して本件土地を明け渡すよう求める訴えを東京地方裁判所に提起した(東京地方裁判所平成23年(ワ)第885号。以下,この訴えに係る訴訟を,後記の被告の参加の前後を通じて「前件訴訟」という。)。(甲10,弁論の全趣旨)被告は,平成23年8月23日付けの独立当事者参加の申出 所平成23年(ワ)第885号。以下,この訴えに係る訴訟を,後記の被告の参加の前後を通じて「前件訴訟」という。)。(甲10,弁論の全趣旨)被告は,平成23年8月23日付けの独立当事者参加の申出書により,原告ら(原告P12を除く。)並びにP23及びP24に対して本件土地の所有権の確認と真正な登記名義の回復を原因とする所有権移転登記手続を求めて前件訴訟に参加した(東京地方裁判所平成23年(ワ)第27764号)。(甲17の1,甲10)ウ本件土地は平成23年4月20日時点では非課税とされていたが,本件各移転登記を端緒として,地方税法3条の2及び東京都都税条例(昭和25年東京都条例第56号。乙A1)4条の3の規定に基づいて東京都知事から都税の賦課徴収に関する事項について委任を受けた東京都渋谷都税事務所長は,平成23年6月1日,原告ら(原告P12を除く。)並びにP23及びP24に対し,本件土地に係る平成23年度の固定資産税等(237万6800円)の賦課決定をした。 エ東京都渋谷都税事務所長は,平成23年6月10日,原告ら(原告P12を除く。)並びにP23及びP24に対し,本件土地に係る平成23年度の固定資産税等(平成18年度相当分として32万6200円)の賦課決定をした。 オ原告ら(原告P12を除く。)並びにP23及びP24は,平成23年 6月20日,本件土地に係る平成23年度の固定資産税等(平成18年度相当分として32万6200円,平成23年度第1期分として59万4800円)を納付した。(甲2の2,甲7の2)カ東京都渋谷都税事務所長は,平成23年7月8日,原告ら(原告P12を除く。)並びにP23及びP24に対し,本件土地に係る平成23年度の固定資産税等(平成19年度相当分として35万4100円,平成20年度相当分と 事務所長は,平成23年7月8日,原告ら(原告P12を除く。)並びにP23及びP24に対し,本件土地に係る平成23年度の固定資産税等(平成19年度相当分として35万4100円,平成20年度相当分として35万4100円,平成21年度相当分として38万8300円,平成22年度相当分として42万7100円)の賦課決定をした。 キ被告は,平成23年7月8日,原告ら(原告P12を除く。)並びにP23及びP24に対し,本件土地に係る平成23年度の固定資産税等を46万9800円に減額する賦課決定をし,同年8月19日付けで過納金12万5000円を還付した。(甲7の1及び3)ク原告ら(原告P12を除く。)並びにP23及びP24は,平成23年7月14日,本件土地に係る平成23年度の固定資産税等(平成19年度相当分として35万4100円,平成20年度相当分として35万4100円,平成21年度相当分として38万8300円,平成22年度相当分として42万7100円)を納付した。(甲3ないし6の各2)ケ東京都渋谷都税事務所長は,平成24年6月1日,原告ら及びP24に対し,本件土地に係る平成24年度の固定資産税等(48万2400円)の賦課決定をした。 コ原告ら及びP24は,平成24年6月から平成25年2月にかけて,本件土地に係る平成24年度の固定資産税等(48万2400円)を納付した。 サ東京地方裁判所は,平成24年12月26日,前件訴訟について,遅くとも昭和18年の都政施行前には東京府(被告)が本件土地を所有するに 至っていたとして,被告が本件土地につき所有権を有することを確認するとともに,原告ら(原告P12を除く。)並びにP23及びP24に対して被告への真正な登記名義の回復を原因とする所有権移転登記を命じる旨の判決をし,同判決は上訴 土地につき所有権を有することを確認するとともに,原告ら(原告P12を除く。)並びにP23及びP24に対して被告への真正な登記名義の回復を原因とする所有権移転登記を命じる旨の判決をし,同判決は上訴されることなく平成25年1月1日よりも後の日に確定した。(甲10,弁論の全趣旨)シ平成25年4月3日,本件土地につき,真正な登記名義の回復を原因とする原告ら(原告P12を除く。)並びにP23及びP24から被告への共有者全員持分全部移転登記(以下「本件回復登記」という。)がされた。 ス東京都渋谷都税事務所長は,平成25年4月12日,本件回復登記がされたことを認識した。 セ東京都渋谷都税事務所長は,平成25年6月3日,原告らに対し,本件土地に係る平成25年度の固定資産税等(48万2400円)の賦課決定をした。 ソ原告らは,平成25年7月1日,本件土地に係る平成25年度(第1期分)の固定資産税等(12万2400円)を納付した。 タ原告らは,平成25年9月28日,本件土地に係る平成25年度(第2期分)の固定資産税等(12万円)を納付した。(弁論の全趣旨)(3) 本件土地に係る原告らの固定資産税等の納付額原告らの本件土地に係る本件納付済み固定資産税等(納付後の相続を反映したもの)は,別紙7納付税額一覧表記載のとおりである。 (4) 本件訴えの提起原告らは,平成25年11月6日,本件訴えを提起した。(顕著な事実) 3 争点及び争点に関する当事者の主張本件における争点は,本件誤納金返還請求及び本件債務不存在確認請求に係る本件各賦課決定の有効性と,本件国家賠償請求に係る被告下水道局の職員による違法行為等の有無であり,これらに関する当事者の主張の要旨は,次のと おりである。 (1) 本件各賦課決定の有効性(被告の主張) 定の有効性と,本件国家賠償請求に係る被告下水道局の職員による違法行為等の有無であり,これらに関する当事者の主張の要旨は,次のと おりである。 (1) 本件各賦課決定の有効性(被告の主張)ア被告の原告らに対する誤納金返還義務が不存在しないこと原告らは,本件各賦課決定は無効であるとして,納付した平成23年度(平成18年度相当分ないし平成22年度相当分を含む。)から平成25年度第2期分までの固定資産税等の合計304万4400円(本件納付済み固定資産税等)を誤納金として返還するように被告に対して求めている。 しかし,固定資産税等の賦課決定に不服がある場合には,審査請求を経た上で当該賦課決定の取消訴訟を提起するという争訟手続が設けられており(地方税法19条,19条の11,19条の12),このような手続を経ずに課税庁が誤納金として返還義務を負うのは,行政処分の違法性が重大であるため著しく不公正な結果をきたし,しかも,その違法性が客観的に明白であって,何人にも容易に認識し得るというような特別の事情があることについての主張立証がされた場合に限られる。 本件において,被告は,租税法律主義(憲法84条)の下,本件各条項に基づいて本件土地の所有者(共有者)として登記されていた原告ら及びP23に対して本件各賦課決定をしたのであるから,その違法性が重大であるため著しく不公正な結果を来たし,しかも,その違法性が客観的に明白であって,何人にも容易に認識し得るというような特別の事情が存しないことは明らかである。 したがって,被告は原告らに対して本件納付済み固定資産税等の誤納金返還義務を負うものではない。 イ本件各賦課決定が適法であること以下に述べるとおり,本件各賦課決定は,本件各条項等の地方税法の定めに従って適法にされたものである。 済み固定資産税等の誤納金返還義務を負うものではない。 イ本件各賦課決定が適法であること以下に述べるとおり,本件各賦課決定は,本件各条項等の地方税法の定めに従って適法にされたものである。 すなわち,原告ら並びにP23及びP24は本件各賦課決定に係る賦課期日において本件土地の共有者として登記簿に登記されていたことから,東京都渋谷都税事務所長は,この事実に基づいて原告らを平成23年度から平成25年度までの本件土地に係る固定資産税等の納税義務者として賦課決定を行ったのであり,また,本件土地に係る平成18年度相当分ないし平成22年度相当分の固定資産税等についても,納税義務者の認定について地方税法が所有者として登記されている者等を原則としていることに照らし,本件土地の所有者として登記されていたP22から本件土地を相続した者として登記されていた原告ら並びにP23及びP24に対して本件土地に係る固定資産税等の賦課決定を行ったものである。 ウ原告らの主張に対する反論(ア) 原告らは,本件土地について,① 被告が所有するものであること(地方税法348条1項),② 地下部分が暗渠化されて下水道施設として利用され,地表部分についても使用収益が全く予定されておらず,公共の用に供されていること(同法348条2項1号)から,非課税の物件であると主張する。 しかしながら,① 本件土地が客観的には被告の所有するものであって非課税となるべきものであったとしても,原告ら並びにP23及びP24は本件各賦課決定に係る賦課期日において本件土地の共有者として登記簿に登記されていたのであるから,同人らに対して本件各条項に基づいてされた本件各賦課決定は適法である。また,② 地方税法348条2項1号の「公共の用に供する」とは,当該固定資産を公共の用に供するこ 簿に登記されていたのであるから,同人らに対して本件各条項に基づいてされた本件各賦課決定は適法である。また,② 地方税法348条2項1号の「公共の用に供する」とは,当該固定資産を公共の用に供することによってその所有者による使用収益の可能性がない状態にあることをいい,同条3項は,同条2項各号の規定する固定資産であっても各号に掲げる目的以外の目的に使用する場合においては,固定資産税を課する旨を定めていることからすると,同項各号により非課税となる固定 資産に該当するか否かは,当該固定資産の使用の実態に着目して判断すべきものと解される。本件土地は,地下部分には下水道管が敷設されているものの,地上部分では北西及び南東の両端部分の各一部で道路の一部となっているほか(当該道路部分83.42㎡について,東京都渋谷都税事務所長は,同項5号の規定に基づいて非課税としている。),当該道路部分を除く地上部分は宅地として利用可能な状態となっており,現在も私人である第三者による利用がされていることからすると,本件土地の地下に敷設された当該下水道管自体は,被告(代表者東京都下水道局長)が公共目的のために設置した施設であるとしても,本件土地の使用実態に着目して判断すれば,本件土地がその所有者による使用収益の可能性がない状態にあるものとは認められないから,本件土地は同条2項1号により非課税とされるものではない。なお,本件土地のように下水道管が地下に敷設されている土地については,用途非課税の規定に該当するものではないが,地下部分の利用において阻害があること,荷重制限など地上建物の建築制限等の対象となることなど,価格上のマイナス要因があることから,被告では,同法388条の規定する固定資産評価基準第1章第3節二4において課税団体の長に認められた「市街地宅地評価法 ど地上建物の建築制限等の対象となることなど,価格上のマイナス要因があることから,被告では,同法388条の規定する固定資産評価基準第1章第3節二4において課税団体の長に認められた「市街地宅地評価法」における所要の補正の権限に基づき,当該土地に一定の減価を行うことを定めており,本件土地も減価の対象としている。 (イ) 原告らは,本件各賦課決定について,東京都渋谷都税事務所長が,本件土地が実際には被告の所有であるのに原告らの所有するものであると誤認して行ったものであり,前提とする事実を誤ったという重大かつ明白な瑕疵があり,無効であると主張する。 しかしながら,原告ら並びにP23及びP24は本件各賦課決定に係る賦課期日において本件土地の共有者として登記簿に登記されていたのであるから,同人らに対して本件各条項に基づいてされた本件各賦課決 定は適法である。 (ウ) 原告らは,真実の所有者である被告との関係で本件土地が固定資産税等の課税の対象とならないから,本件各条項は適用されないと主張する。 しかしながら,地方税法その他の法令には,真実の所有者との関係で当該土地又は家屋が固定資産税等の課税の対象とならない場合には本件各条項は適用されないとする規定は存在せず,真実の所有者が非課税となる場合であっても本件各条項に基づいて行われた固定資産税等の賦課決定が違法になるものではない。 また,原告P1を始めとする原告ら(原告P12を除く。)並びにP23及びP24は,本件土地が被告の所有する土地であることや,本件土地について原告らに対する移転登記を行えば固定資産税等が課されることを十分に認識した上で,本件土地上の不法占有者を排除するためにあえて本件土地について本件各移転登記を行ったのであるから,本件土地に係る固定資産税等の納税義務者とな を行えば固定資産税等が課されることを十分に認識した上で,本件土地上の不法占有者を排除するためにあえて本件土地について本件各移転登記を行ったのであるから,本件土地に係る固定資産税等の納税義務者となることはむしろ当然のことであって,特段不公平なものではない。 (エ) 原告らは,本件土地の所有権が自らに帰属していることを認識していた被告が本件各条項を形式的に適用することが信義則,平等原則に違反するとも主張する。 しかしながら,地方税法その他の法令には,課税庁が自らに所有権が帰属していることを認識している場合には本件各条項は適用されないとする規定は存在せず,原告らの主張は独自の見解を述べるものにすぎないのであって,租税法律主義の下,採用し得ないものであることは明らかである。 (オ) 原告らは,本件各移転登記は,被告下水道局の職員が原告らをして本件土地の所有権が自らに帰属するものと誤信させたことを原因として されたものであり,自らの過失によって登記簿上の所有名義を作出した被告が本件各条項を援用することは信義則に反すると主張する。 しかしながら,租税法律主義の原則が貫かれるべき租税法律関係においては,信義則の法理の適用については慎重でなければならず,租税法規の適用における納税者間の平等,公平という要請を犠牲にしてもなお当該課税処分に係る課税を免れしめて納税者の信頼を保護しなければ正義に反するといえるような特別の事情が存する場合に,初めて信義則の法理の適用の是非を考えるべきものである。そして,このような特別な事情が存するかどうかの判断に当たっては,少なくとも,税務官庁が納税者に対し信頼の対象となる公的見解を表示したことにより,納税者がその表示を信頼しその信頼に基づいて行動したところ,後に当該表示に反する課税処分が行われ,そのために っては,少なくとも,税務官庁が納税者に対し信頼の対象となる公的見解を表示したことにより,納税者がその表示を信頼しその信頼に基づいて行動したところ,後に当該表示に反する課税処分が行われ,そのために納税者が経済的不利益を受けることになったものであるかどうか,また,納税者が税務官庁の当該表示を信頼しその信頼に基づいて行動したことについて納税者の責めに帰すべき事由がないかどうかという点の考慮は不可欠である。 本件では,都知事から都税の賦課徴収に関する事項について委任を受けた東京都渋谷都税事務所長の指揮監督の下,東京都渋谷都税事務所職員が事務を行った上で,東京都渋谷都税事務所長が本件各賦課決定を行ったものであるが,東京都渋谷都税事務所長(その指揮監督を受けて事務を行う東京都渋谷都税事務所職員を含む。)が原告ら(原告P12を除く。)又はP23若しくはP24に対して,本件土地の所有権が同人らに帰属するとの公的見解を表示したことはないから,本件各賦課決定に信義則の法理の適用はない。また,過去に本件土地に係る地租が課されてこなかったという事実が,「税務官庁が納税者に対し信頼の対象となる公的見解を表示したこと」に当たるものではないことも明らかである。 (カ) 原告らは,原告らには何ら落ち度がなく,本件各土地の所有名義を被告に変更する方法もなかったから,被告は本件各賦課決定の有効性を条理上主張できないと主張する。 しかしながら,仮に公務員の職務上の法的義務の違背によって過大な課税がされたのであれば,賦課決定に無効事由が認められない場合であっても,国家賠償請求によってその損害を回復することが認められているのであるから,租税法律主義の原則が貫かれるべき租税法律関係において,法の一般原理である条理を持ち出してまで課税処分の有効性に係る主張を否 国家賠償請求によってその損害を回復することが認められているのであるから,租税法律主義の原則が貫かれるべき租税法律関係において,法の一般原理である条理を持ち出してまで課税処分の有効性に係る主張を否定すべき事態は生じ得ず,原告らの上記主張は失当である。 また,原告ら(原告P12を除く。)並びにP23及びP24は,前記(ウ)のとおり,本件土地の所有権が被告に帰属することを十分に認識しながら,あえて本件土地の相続登記をしたことからすると,条理上,本件各賦課決定の効力を否定するような場合には当たらない。 (原告ら)ア本件各賦課決定は非課税物件である本件土地に対してされたものであること本件土地は,被告が所有するものであり,地方税法348条1項により,非課税の物件であった。 また,本件土地は,明治41年頃以降,下水道用地として被告によって管理されるとともに,所有権も被告に帰属していたのであり,地表部分も被告がその使用を許諾しない限り私人が使用収益することは全く不可能であり,地下部分のみならず,地表部分も含めて公共の用に供されていたといえるし,本件土地は道路部分を除く地積は104.58㎡であり,北西側は間口が4m程度しかない狭隘な土地であり,宅地等として利用することが予定されておらず,使用収益の可能性はなかったから,同条2項1号により,非課税の物件であった。なお,P25による本件土地の地表部 の使用は違法なものであり,違法な使用がされていたことをもって,使用収益が可能であったということはできない。 このように,本件土地は非課税の物件であるから,これを課税対象とした本件各賦課決定は無効である。 イ本件各賦課決定には前提とする事実を誤った重大かつ明白な瑕疵があること東京都渋谷都税事務所長は,本件土地が原告らの所有するもの であるから,これを課税対象とした本件各賦課決定は無効である。 イ本件各賦課決定には前提とする事実を誤った重大かつ明白な瑕疵があること東京都渋谷都税事務所長は,本件土地が原告らの所有するものであることを前提として本件各賦課決定を行っているところ,実際には本件土地は被告が所有していたのに,上記のとおり,原告らが所有すると誤認してされたものであり,前提とする事実を誤っていたことから,本件各賦課決定には重大かつ明白な瑕疵があり,無効である。 ウ本件土地については本件各条項が適用されないこと本件土地は,明治41年8月20日にP22から東京府に所有権が移転して,官有水路として公共の用に供されたことによって無租地となり,その所有権は被告に帰属した。本件土地は,地下に下水道管が埋設され,使用収益は一切不可能な状態にあり,登記簿上,P22が所有者とされていた明治37年12月19日から,平成22年12月2日に本件各移転登記がされて平成23年に固定資産税等の賦課決定がされるまでの100年以上もの間,固定資産税等の課税はされていなかった。 また,固定資産税等の納付義務者を登記簿上の所有者とする本件各条項の趣旨は,個々具体的に真実の所有者を確定することが著しく困難である一方,ほとんどの場合は真実の所有者と名義人とが一致することを理由として,課税上の便宜を図るという点にあるところ,ある土地又は家屋が真実の所有者との関係で固定資産税等の課税の対象となる場合,当該土地又は家屋に係る固定資産税等を納付した真実の所有者でない登記名義人は真実の所有者に対して当該固定資産税等に相当する金員 を不当利得として返還を求めることができるから,課税上の便宜を優先させても不当とはいえないが,当該土地又は家屋の真実の所有者が被告のように非課税とされる場合には, 固定資産税等に相当する金員 を不当利得として返還を求めることができるから,課税上の便宜を優先させても不当とはいえないが,当該土地又は家屋の真実の所有者が被告のように非課税とされる場合には,当該土地又は家屋の登記名義人は真実の所有者に対して不当利得返還請求をすることができないため,著しく不公平な結果となる。 そして,本件土地については真実の所有者である被告との関係で固定資産税等の課税の対象とならないから,本件各条項は適用されない。 エ本件土地が本来的に課税の対象とならないことを認識しながらされた本件各賦課決定は信義則,平等原則に違反すること本件土地が法律上非課税とされ,100年以上もの長期間一切課税されてこなかったことから,被告は,本件土地は本来的に課税の対象とならないことを認識していた。 それにもかかわらず,本件土地について本件各移転登記がされるや否や,本件各条項を盾に突如として固定資産税等の賦課決定をしてきたものであり,本件各賦課決定は著しく不平等であり,信義則にも反するものといえる。 特に,平成24年12月26日に言い渡された前件訴訟の判決において本件土地の所有権が被告にあるとされ,遅くとも平成25年1月20日頃に同判決が確定し,本件土地の所有権が被告にあることが客観的に明白になったのであるから,本件各条項の趣旨である課税上の便宜を図る必要性は全くなく,平成25年度の固定資産税等の課税についてまで本件各条項の適用を認めるのは著しく不公平である。 オ被告下水道局の職員の言動に基づいて本件各移転登記がされたことを契機としてされた本件各賦課決定について被告が本件各条項を援用することは信義則に違反すること土地家屋調査士及び測量士であるP26は,原告P2の代理人として, 平成2年頃から,被告下水道局の職員と してされた本件各賦課決定について被告が本件各条項を援用することは信義則に違反すること土地家屋調査士及び測量士であるP26は,原告P2の代理人として, 平成2年頃から,被告下水道局の職員との間で,終始一貫して被告に本件土地の所有権が帰属することを前提として交渉を重ねて来たが,被告下水道局の職員であるP27らは,あたかもP22の相続人に本件土地の所有権が帰属するかのような曖昧な態度をとり続けてきた。 また,被告下水道局の職員であるP28は,被告において用地の取得及び管理を担当しており,用地の権利関係について専門的知見を有する立場にありながら,平成22年2月5日に原告P1からP25による本件土地の不法占拠状態の解消についての問合せを受けた際,実際には本件土地の所有権が被告に帰属するにもかかわらず,土地台帳や過去の記録を何ら調査することなく,本件土地が被告の所有する土地でないと明言し,しかも「民民の問題である。」などと,あたかも登記名義人であるP22の相続人に所有権が帰属するかのような誤った見解を述べた。 このように,原告P2や原告P1からの問合せを受けた被告下水道局の職員が,平成2年頃以降,一貫して被告には所有権がなく,あたかも原告らに所有権があるかのごとく態度をとり続けてきたため,原告P1は,P22が本件土地を所有していたものと誤解し,原告ら(原告P12を除く。)並びにP23及びP24は,別件訴訟の訴えを提起するために本件各移転登記をし,その結果,原告ら並びにP23及びP24は本件土地に係る固定資産税等を課されることとなってしまった。 そうすると,原告ら(原告P12を除く。)並びにP23及びP24が本件各移転登記を経由して原告ら並びにP23及びP24が本件土地に係る固定資産税等を課されることになったのは,被告下水道局の職 。 そうすると,原告ら(原告P12を除く。)並びにP23及びP24が本件各移転登記を経由して原告ら並びにP23及びP24が本件土地に係る固定資産税等を課されることになったのは,被告下水道局の職員の誤導によるものであり,被告は,自らの過失によって原告ら(原告P12を除く。)並びにP23及びP24を本件土地の所有者(共有者)とする登記を作出させたのであるから,被告が本件各条項を援用することは著しく不公平で信義則に反する。 カ被告が条理上本件各賦課決定の有効性を主張できないこと原告P2及び同人の委任を受けたP26並びに原告P1は,再三に亘り,本件土地の所有権の帰属について確認をしていたところ,公的な機関である被告下水道局の職員から,本件土地は被告が所有するものではないという回答がされてきたのであるから,同人らが本件土地の所有権の帰属について誤信することもやむを得なかったといえる。また,原告ら(原告P12を除く。)並びにP23及びP24が本件土地について本件各移転登記をしたのは,P25による本件土地の不法占有状態の解消を被告に求めたにもかかわらず,対応をしてもらえなかったため,自ら訴えを提起しようとしたからにほかならないのであって,その目的も正当なものであった。さらに,そもそも被告が本件土地の所有を認めないという状況下において,本件土地の所有名義を被告に変更することは不可能な状態にあった。加えて,前件訴訟では,被告に本件土地の所有権が帰属するということを前提とする和解協議がされたものの,原告ら並びにP23及びP24が納付した固定資産税等の返還を被告が一切認めなかったために話合いは決裂し,任意の話合いで本件土地の登記名義を被告に変更するということはできなかった。 そうすると,原告ら(原告P12を除く。)並びにP23及びP2 産税等の返還を被告が一切認めなかったために話合いは決裂し,任意の話合いで本件土地の登記名義を被告に変更するということはできなかった。 そうすると,原告ら(原告P12を除く。)並びにP23及びP24が本件各土地の所有者として登記されたことについて同人らには何ら落ち度がなかったといえ,また,本件土地の所有名義を被告に変更する方法もなかったのであるから,被告は本件各賦課決定の有効性を条理上主張できないというべきである。特に前件訴訟において判決が言い渡された平成24年12月26日から固定資産税等の賦課期日である平成25年1月1日までの間に本件土地の所有名義を被告に変更することは事実上不可能であったのだから,被告は本件土地に係る平成25年度の固定資産税等の賦課決定の有効性を条理上主張することができない。 (2) 被告下水道局の職員による違法行為等の有無(原告らの主張)ア P28が違法行為を行っていること被告下水道局の職員であるP28は,被告において用地の取得及び管理を担当し,用地の権利関係につき専門的知見を有する立場にありながら,平成22年2月5日に原告P1からP25による本件土地の不法占拠の解消についての問合せを受けた際,実際には本件土地の所有権が被告下水道局に帰属するにもかかわらず,土地台帳や過去の記録を何ら調査することなく,本件土地が下水道局の土地でない旨明言し,しかも「民民の問題である。」と,あたかも本件土地の所有権が登記名義人であるP22の相続人に帰属するかのような誤った見解を述べるという違法行為をした。 イ P28の違法行為が「職務を行うについて」されたものであることP28は,上記アの違法行為の当時,被告下水道局の経理部資産運用課運用推進担当係長の役職にあった者であったところ,地下に下水道管が通っている の違法行為が「職務を行うについて」されたものであることP28は,上記アの違法行為の当時,被告下水道局の経理部資産運用課運用推進担当係長の役職にあった者であったところ,地下に下水道管が通っているP22名義の本件土地の不法占拠状態を解消するにはどうしたら良いかという原告P1の問合せに対する回答は,被告において用地の取得及び管理を行っていた職員としての見解を示したものであり,P28の「職務を行うについて」されたものといえる。 ウ P28には過失があることP28は,原告P1から,先祖であるP22名義の土地が不法占拠されており,その地下には下水道管が通っているが,この不法占拠状態を解消するにはどうしたら良いかという質問を受けており,この質問内容からすると,少なくとも原告P1が不法占拠状態を解消したいという意向を有しており,被告に対して不法占拠状態の解消を期待していること,また,本件土地が同人の先祖であるP22名義の土地となっていること から,原告P1も本件土地に利害関係を有する可能性があることを認識できていたはずである。そして,被告において用地の権利関係について取り扱う立場にある職員が,被告が本件土地に無関係であり,私人間で解決すべき問題であると回答をすれば,原告P1が自らの力で不法占拠状態を解消しようという行動に出るであろうことは容易に予測できるところであり,不法占拠状態を解消するのであれば所有権者として振る舞うことになるであろうことも予測できるところである。 したがって,被告の用地の権利関係について取り扱う立場にある職員としては,原告P1からの問合せに回答するのであれば,原告P1が本件土地の権利関係について誤解することがないようにするため,十分な調査を尽くすべき注意義務を負っていたというべきであり,P28と同じく下水道局 原告P1からの問合せに回答するのであれば,原告P1が本件土地の権利関係について誤解することがないようにするため,十分な調査を尽くすべき注意義務を負っていたというべきであり,P28と同じく下水道局の経理部に所属していたP27も旧土地台帳等過去の資料の記載から本件土地が被告の所有であることは間違いないと判断していることからすると,P28にとってもこのように判断することは容易であったはずである。 しかるに,P28は,過去の資料を一切調査することなく,土地台帳の記載上本件土地につき被告の所有権ないし地上権等の記載がなく,下水道台帳の図面に記載があったということだけで,被告には所有権がない旨の回答をしており,十分な調査をするべき注意義務を尽くさなかったといえるから,P28には過失があったといえる。 エ P28の違法行為によって原告らに損害が発生したこと原告P1がP28から本件土地が被告の所有するものであると言われれば,原告ら(原告P12を除く。)並びにP23及びP24は,本件各移転登記を経由して前件訴訟の訴えを提起することはなかったのに,P28の「下水道局の土地ではない。」「民民の問題である。」との発言により,本件各移転登記を経由して前件訴訟の訴えを提起したの であるから,P28の違法行為と本件各移転登記との間には相当因果関係がある。 そして,不法占拠状態を解消するためには訴えを提起する可能性があり,その前提として既に死亡している先祖から相続を原因とする登記をするということは容易に予測がつくところであるから,本件各移転登記に要する費用は通常予見できる損害といえる。また,仮に本件各条項が形式的に適用されれば,本件土地についての持分移転登記がされることによって固定資産税等の負担が発生することは通常予見できるといえるから,本来負担 は通常予見できる損害といえる。また,仮に本件各条項が形式的に適用されれば,本件土地についての持分移転登記がされることによって固定資産税等の負担が発生することは通常予見できるといえるから,本来負担する必要のなかった当該固定資産税等の負担についても通常損害の範囲に含まれるものといえる。 よって,P28の違法行為によって発生した損害は,本件各移転登記に係る司法書士及び税理士に対する費用合計236万8696円(原告P17及び原告P18について各16万1502円,その余の原告らについて各10万7668円)並びに本件土地について原告らが負担するに至っている平成18年度から平成25年度第2期分までの固定資産税等304万4400円(本件納付済み固定資産税等。各原告について別紙7納付税額一覧表記載の金額)相当額であるといえる。 (被告の主張)ア P28の対応に過失はないこと(ア) P28は,平成22年2月5日に原告P1から問合せを受けた際,被告下水道局が権利を有する土地が記載された土地台帳を調べた上で本件土地の所有権が被告にないと回答したが,これは,原告P1から,「先祖の土地が他人に占有されている。」「地下には下水道管が入っている。 どうしたらよいか。」と尋ねられたために,念のため土地台帳で当該土地に下水道局の権利関係が設定されていないかを確認したところ,土地台帳には権利関係の設定が記載されていなかったことから,本件土地の 所有権が被告にないと回答したものであり,下水道管が入った土地に権利関係が設定されていなくとも,所有者から使用承諾を得ている場合も多いことからすると,権利関係の設定が確認できなくとも,それ以上の調査は必ずしも必要でない。 (イ) 確かに,P28が,本件土地に係るそれまでの交渉記録などの資料を確認していれば,本件土地 場合も多いことからすると,権利関係の設定が確認できなくとも,それ以上の調査は必ずしも必要でない。 (イ) 確かに,P28が,本件土地に係るそれまでの交渉記録などの資料を確認していれば,本件土地の所有権が被告にないという回答はしなかったと思われる。 しかしながら,P28は,本件土地に関する従前の交渉について,懸案事項としての引継ぎを受けておらず,また,交渉が膠着状態となった事案については,何らかの機会がなければ解決困難であるから,直接引継ぎが行われずに資料を保管しておくにとどまることもやむを得ないことである。 (ウ) また,原告P1が,P28に対し,本件土地の所有権を確認してもらいたい旨尋ねていれば,P28は,本件土地に係るそれまでの交渉記録などの資料を確認したはずであるが,原告P1が,P26から本件土地の所有権が被告に帰属するとの見解を得ていたにもかかわらず,「先祖の土地が他人に占有されている」と述べて,自己に所有権が帰属することを前提として不法占有の排除を求めたことから,P28は土地台帳を確認するという以上の資料の確認をしなかったのである。 (エ) そうすると,P28が,本件土地に係るそれまでの交渉記録などの資料を確認することなく,土地台帳を確認して被告の権利が設定されていなかったことから本件土地の所有権は被告にはないと考え,本件土地の所有者と占有者の間で解決してもらうほかない旨回答したことは,適正な対応であって,P28について,何ら注意義務違反はなく,過失はない。 イ被告下水道局の職員の対応と本件土地の所有権移転登記との間に相当因 果関係がないこと原告P1は,P26及び原告P2から本件土地の所有権が被告に帰属すると聞いていたものの,自身では,P22の相続人に帰属するのではないかとも考えていたため,P28に 相当因 果関係がないこと原告P1は,P26及び原告P2から本件土地の所有権が被告に帰属すると聞いていたものの,自身では,P22の相続人に帰属するのではないかとも考えていたため,P28に対して,本件土地の所有権が被告に帰属するとは言わずに,「先祖の土地が他人に占有されている」と述べて,本件土地の所有権が自己に帰属することを前提として第三者の占有の排除を求めたのである。 そして,原告P1は,P28から被告は占有の排除に対応できないといわれたため,P25の占有を排除するために本件土地の相続登記をとりまとめ,建物収去土地明渡等請求訴訟を提起したのであって,結局,原告ら(原告P12を除く。)並びにP23及びP24は,本件土地の所有権が自己に帰属すると考え,そして,そうならば第三者の占有を排除したいと考え,自らの判断により,本件各移転登記を経由して前件訴訟の訴えを提起したのである。 したがって,結果として,原告らが提起した訴訟において本件土地の所有権が被告にあると判断され,原告らに損害が生じたとしても,被告下水道局の職員の行為との間に相当因果関係はない。 第3 当裁判所の判断 1 認定事実前提事実並びに証拠及び弁論の全趣旨によれば,次の各事実を認めることができる(各末尾括弧内記載の証拠等は,認定に主として用いたものである。)。 (1) 本件土地の状況等ア P22(明治5年▲月▲日生)は,明治37年12月19日,本件土地を含む東京都渋谷区α所在×番1の土地を売買によって取得した。(前提事実(1)ア)イ本件土地は,昭和39年9月27日にP22が所有する上記アの× 番1の土地から分筆された土地であり,明治41年3月25日にP22から官有水路敷として国に所有権が移転し,その後又は直ちに東京府に下付されることにより, 月27日にP22が所有する上記アの× 番1の土地から分筆された土地であり,明治41年3月25日にP22から官有水路敷として国に所有権が移転し,その後又は直ちに東京府に下付されることにより,東京府にその所有権が移転した。(甲10,弁論の全趣旨)そして,本件土地について,旧土地台帳には,沿革欄に「明治三九年九月二七日 ×ノ1番ヨリ分裂」「明治四十一年三月二十五日官有水域敷成」「同年八月二十日除租」と記載され,所有主氏名欄には「P22」の次に「東京府」の記載があり,地目欄の記載も「宅地」から「公渠」に変更されていた。(甲13)その一方,本件土地については,大正3年1月15日,前記アの×番1の土地からの分筆により表示登記がされるとともに,P22名義で保存登記がされていた。(乙B1)ウ本件土地の周辺の土地で下水道管が埋設されていた土地は,土地登記簿,旧土地台帳及び固定資産土地課税台帳のいずれにおいても,従前の所有者から内務省に所有名義が変更されていた。(甲14の1及び2,乙B1,乙B3)エ本件土地の地下部分は,暗渠化された公共下水道として整備され,被告下水道局によって管理されている。(甲10,乙B1,弁論の全趣旨)オ P25の父親であるP29は,本件土地の南西側に隣接する土地を所有していたところ,本件土地について,渋谷区から溝渠使用許可を受けていた。(甲10,甲20の1ないし8,弁論の全趣旨)(2) 平成2年頃から平成7年頃までの原告らと被告の交渉の経緯ア原告P2は,平成2年頃,P25の父親であるP29との間で,本件土地とP29が所有する隣地との間の境界を画定するために現地立会いを行った。(甲18,証人P26)イ原告P2及び同人の依頼を受けた土地家屋調査士のP26は,平成2年 頃から平成7年 本件土地とP29が所有する隣地との間の境界を画定するために現地立会いを行った。(甲18,証人P26)イ原告P2及び同人の依頼を受けた土地家屋調査士のP26は,平成2年 頃から平成7年頃まで,P27を含む被告下水道局の職員との間で,下水道管が埋設されたP22名義の本件土地の取扱いについての交渉を行った。 (甲18,乙B1,乙B2,乙B3,乙B4,証人P26,証人P27)上記の交渉では,P22が所有者として登記されている本件土地について,被告に無償譲渡するとか,被告を権利者とする無償の地上権を設定するという話が出たことがあったが,これらはいずれも実現せず,一方で,原告P2が被告に対して本件土地の買取りを求めたこともあったが,これも実現しなかった。(甲18,乙B1,乙B2,乙B3,乙B4,証人P26,証人P27)なお,P26は,前記の交渉に当たっては,土地家屋調査士,測量士の資格を有する者として,本件土地の地下に下水道管が埋設されていることや旧土地台帳を確認した結果等から,本件土地は被告が所有するものであると考えており,それを原告P2にも伝えており,原告P2もこれを納得していた。(甲18,証人P26)(3) 平成21年頃から本件各移転登記がされるまでの経過ア原告P1は,平成21年頃,自身が代表取締役を務めていた会社の元従業員から,P25が建物を建てて本件土地を不法占拠しているという話を聞いたことから,本件土地の登記簿を確認して,本件土地が祖父のP22名義となっていることを認識した。(甲16,原告P1本人)イ原告P1は,本件土地について,以前に原告P2が被告との間で揉めていたという話を聞き及んでいたことから,原告P2が当時依頼していたP26から事情を聞くことし,平成21年7月22日,P26から,本件土地は被告 ,本件土地について,以前に原告P2が被告との間で揉めていたという話を聞き及んでいたことから,原告P2が当時依頼していたP26から事情を聞くことし,平成21年7月22日,P26から,本件土地は被告の所有するものであり,P22の名義になっているのは嘱託登記漏れであるという話を聞いた。(甲16,証人P26,原告P1本人,弁論の全趣旨)ウ原告P1が平成21年7月末から同年8月にかけて本件土地を確認する と,本件土地はP25が立てた2階建ての建物で占有されていたことから,原告P1は,このままこれを放置しておくことはできないと考えた。(甲16)エ原告P1は,平成22年2月5日,被告下水道局に電話をし,同局において用地の取得及び管理を担当する経理部資産運用課運用推進担当係長の職にあったP28に対し,本件土地について「先祖が持っている土地があることがわかったが,他人に占有されている。地下には下水道管が通っている。どうしたらよいか。」という問合せをし,本件土地はP22が明治37年に売買で取得したが,明治39年に下水道を引くことになり免租となっており,現在,固定資産税は払っていないことなどを説明した。 P28は,一度電話を切った上,下水道局に備えられた下水道台帳の図面と土地台帳(住所地番毎に被告が権利を有している場合にはその権利等の情報を記載したもの)を確認したところ,本件土地に下水道管が埋設されていることは確認できたが,本件土地に関する下水道局の権利は土地台帳に記載されておらず,土地台帳上,被告は所有者ではなく,地上権者でもなかったことから,本件土地については下水道局の権利はないものと判断し,P1に電話をして,「調べたら,地下に下水管が通っているが,土地は被告のものではない。民民間で協議して下さい。」という回答をした。 (甲16,乙 ,本件土地については下水道局の権利はないものと判断し,P1に電話をして,「調べたら,地下に下水管が通っているが,土地は被告のものではない。民民間で協議して下さい。」という回答をした。 (甲16,乙B5,乙B6,証人P28,原告P1本人,弁論の全趣旨)オ原告P1は,平成22年2月9日,原告P2と会って話を聞いたところ,やはり,本件土地は被告の所有するものであり,嘱託登記が漏れてしまったのだろうとのことであった。(甲16,原告P1本人)(4) 本件各移転登記以後の経緯ア原告ら(原告P12を除く。)並びにP23及びP24は,平成22年12月2日,本件各移転登記を経由した上,平成23年1月13日,本件土地の隣地を所有するP25を被告として,本件土地の所有権に基づいて 建物収去土地明渡等を求める旨の訴え(前件訴訟)を提起した。(前提事実(2)ア,イ)なお,被告は,本件土地の所有権の確認と真正な登記名義の回復を原因とする所有権移転登記手続を求めて前件訴訟に参加した上,P25が本件土地の地上権の時効取得を主張したのに対し,公共用財産が明示的にも黙示的にも公用廃止されていない以上,原則として私権を設定することができず,明確な下水道施設が設置されていなかったとしても,そのような土地利用の形態が暗渠の下水道の土地利用の形態であるのであるから,本件土地の地上部分についても,公の目的に供されることなく放置されたものでも,公共用財産としての形態,機能を全く喪失したものでもないと主張していた。(前提事実(2)イ,甲17)イ東京都渋谷都税事務所長は,平成23年6月から同年7月にかけて,本件土地に係る平成23年度(平成18年度相当分ないし平成22年度相当分を含む。)の固定資産税等の賦課決定をし,原告ら(原告P12を除く。)並びにP23 所長は,平成23年6月から同年7月にかけて,本件土地に係る平成23年度(平成18年度相当分ないし平成22年度相当分を含む。)の固定資産税等の賦課決定をし,原告ら(原告P12を除く。)並びにP23及びP24は,その頃,これらを納付した(納付した平成23年度の固定資産税等の一部は後に還付されている。)。(前提事実(2)ウ,エ,オ,カ,キ,ク)ウ東京都渋谷都税事務所長は,平成24年6月,本件土地に係る平成24年度分の固定資産税等の賦課決定をし,原告ら及びP24は,同月から平成25年2月にかけて,これを納付した。(前提事実(2)ケ,コ)エ前件訴訟の受訴裁判所は,平成24年12月26日,本件土地の所有者を被告とするとともに,私人である第三者が本件土地の地表部分を建物を所有し又は駐車場として排他的に利用していたことや,それから現在までの間,本件土地上の建物の建替えはされたものの,第三者による排他的占有は係属していることなどの事実を認定した上,本件土地の地下部分は現在に至るまで暗渠化された公共下水道として公共用財産としての形態,機 能を維持しているというべきであるが,本件土地の地表部分は,長期にわたり,被告の所有地であることを前提に,第三者の平穏かつ公然の占有が継続しており,一時期は渋谷区が本件土地の一部につき有償での使用を許可した事実があったことからみても,第三者の使用のために公共下水道としての目的が害されることがなかったというべきであるとして,本件土地の地下部分の公共下水道としての形態,機能,目的を害さない範囲において,本件土地の地表部分につき,黙示的に公用が廃止されたものとして,地上権の時効取得の成立を認めることを妨げないとする旨の判決をし,同判決は,上訴されることなく,平成25年1月1日よりも後の日に自然確定した。(前 表部分につき,黙示的に公用が廃止されたものとして,地上権の時効取得の成立を認めることを妨げないとする旨の判決をし,同判決は,上訴されることなく,平成25年1月1日よりも後の日に自然確定した。(前提事実(2)サ,甲10)オ平成25年4月3日,本件土地について,原告ら(原告P12を除く。)並びにP23及びP24から被告に対して本件回復登記がされ,東京都渋谷都税事務所長は,同月12日頃,これを認識した。(前提事実(2)シ,ス)カ東京都渋谷都税事務所長は,平成25年6月3日,本件土地に係る平成25年度の固定資産税等の賦課決定をし,原告らは,同年7月1日にその第1期分の,同年9月30日にその第2期分の,合計24万2400円を納付したが,第3期分と第4期分の合計24万円は納付していない。(前提事実(2)セ,ソ,タ,弁論の全趣旨) 2 本件誤納金返還請求について(1) 誤納金の還付請求の要件について原告らは,原告ら並びにP23及びP24が納付した本件土地に係る平成23年度(平成18年度相当分ないし平成22年度相当分を含む。)から平成25年度第2期分までの固定資産税等(本件納付済み固定資産税等)について,地方税法17条の規定する誤納金であるとして,その還付を請求しているところ,誤納金があるというためには,納付した金員に対応する租税債務が当初から存在しないことが必要となる。そして,原告ら並びにP23及 びP24が納付した本件納付済み固定資産税等については,これに対応する租税債務の発生原因となる本件各賦課決定が現にされていることからすると(前提事実(2)ウ,エ,カ,ケ,セ),原告らが納付した上記固定資産税等につき誤納金があるというためには,本件各賦課決定がその効力を有しないことが必要となる。 この点,課税処分については,その課 (前提事実(2)ウ,エ,カ,ケ,セ),原告らが納付した上記固定資産税等につき誤納金があるというためには,本件各賦課決定がその効力を有しないことが必要となる。 この点,課税処分については,その課税要件の根幹に関する内容上の過誤が存在し,徴税行政の安定とその円滑な運営の要請を斟酌してもなお,不服申立期間の徒過による不可争的効果の発生を理由として被課税者に同処分による不利益を甘受させることが著しく不当と認められるような例外的事情のある場合には,当該処分は当然に無効となるものと解される(最高裁昭和42年(行ツ)第57号同48年4月26日第一小法廷判決・民集27巻3号629頁参照)。 (2) 本件各賦課決定の根拠について地方税法343条は,その1項において,固定資産税は,固定資産の所有者に課する旨,その2項において,前項の所有者とは,土地又は家屋については,登記簿又は土地補充課税台帳若しくは家屋補充課税台帳に所有者として登記又は登録されている者をいう旨規定しており,同法702条2項も,都市計画税について同様の規定をしている。 そして,被告は,P22を所有者とする登記がされていた本件土地について,平成22年12月2日付けで原告ら(原告P12を除く。)並びに原告P23及びP24を所有者(共有者)とする本件各移転登記がされたことから(前提事実(2)ア,認定事実(1)イ),本件土地の所有者として登記簿に登記されている原告ら並びにP23及びP24を納税義務者として本件土地に係る平成23年度から平成25年度までの固定資産税等の各賦課決定をし,また,本件土地に係る平成18年度から平成22年度までの固定資産税等についても,上記の原告らを納税義務者と認定して賦課決定を行ったと主張し ている。 (3) 本件各賦課決定の効力についてア上記( 土地に係る平成18年度から平成22年度までの固定資産税等についても,上記の原告らを納税義務者と認定して賦課決定を行ったと主張し ている。 (3) 本件各賦課決定の効力についてア上記(2)によれば,本件各賦課決定は,形式的にみれば,本件各条項の規定に従って行われたもののように見える。しかしながら,まず,確定した前件訴訟の判決で示されているように,本件土地は,昭和18年の都政施行以前から東京府(被告)が所有していたものであり,原告らの所有(共有)するものではなかった(前提事実(2)サ)。そして,本件土地の所有者である被告は,地方税法348条1項,702条の2第1項の規定により,固定資産税等を課されないことからすると,被告は,本来であれば本件土地に係る固定資産税等を賦課徴収することができないにもかかわらず,自ら本件各賦課決定を行って,本件納付済み固定資産税等の納付を受けたということになる。一方,本件土地については,真の所有者である被告が固定資産税等を課されない都であるため,原告らは,被告に対し,固定資産税等の納税義務の負担を免れたという利得が被告に存在することを理由として不当利得返還請求をすることはできないということになる。 イこの点,そもそも,固定資産税は,土地,家屋及び償却資産の資産価値に着目し,その所有という事実に担税力を認めて課する一種の財産税であり,その納税義務者は,賦課期日における固定資産の所有者であるが(地方税法343条1項,359条),土地,家屋及び償却資産という極めて大量に存在する課税物件について,課税主体である市町村等がその真の所有者を逐一正確に把握することは事実上困難であるため,地方税法は,課税上の技術的考慮から,土地又は家屋については,登記簿又は補充課税台帳に賦課期日現在の所有者として登記又は登録 市町村等がその真の所有者を逐一正確に把握することは事実上困難であるため,地方税法は,課税上の技術的考慮から,土地又は家屋については,登記簿又は補充課税台帳に賦課期日現在の所有者として登記又は登録されている者を固定資産税の納税者として,その者に課税する方式を採用しているにすぎない(同法343条2項前段)。これは,都市計画税についても同様である(同法702条2項)。 そして,上記のとおり,固定資産税等は,一種の財産税としての性格を有しており,本来的には当該不動産の真実の所有者において負担すべきものであることや,土地又は家屋について登記簿又は補充課税台帳に賦課期日現在の所有者として登記又は登録されている者を固定資産税等の納税者としているのは,課税上の技術的考慮によるものにすぎないことからすると,本件各条項には,所有者として登記等されている者を当該不動産に係る固定資産税等の最終的な負担者とする趣旨までは含んでいないものと解される。そうすると,不動産の真の所有者である市町村(固定資産税等の課税主体である都を含む。以下同じ。)が,同法348条1項,702条の2第1項により固定資産税等が課されない団体であるにもかかわらず,自ら,本件各条項に基づいて,当該不動産について,登記簿又は補充課税台帳に賦課期日現在の所有者として登記又は登録されている真の所有者ではない者(以下「形式上の所有名義人」という。)を納税者として固定資産税等の賦課決定をしたというような場合において,当該固定資産税等の賦課決定の効力を認めて,当該市町村に対し,自らが所有する不動産に係る固定資産税等の賦課徴収を認めて本来は得ることのできない利得を得させる一方,真の所有者ではない形式上の所有名義人に対し,固定資産税等の納付義務を負担させて本来は被る必要のない損失を最終的に 産に係る固定資産税等の賦課徴収を認めて本来は得ることのできない利得を得させる一方,真の所有者ではない形式上の所有名義人に対し,固定資産税等の納付義務を負担させて本来は被る必要のない損失を最終的に被らせることは,上記の固定資産税等の一種の財産税としての性格や本件各条項の趣旨に反し,明らかに正義公平の原則にもとるものといわざるを得ない。また,上記のような場合に当該市町村に固定資産税等の賦課徴収を認めなかったとしても,何ら納税者間の平等,公平を害するものでもない。このような点を考慮すると,条理上,本件各条項は,市町村が自ら所有する不動産について本件各条項を適用して形式上の所有名義人に対して固定資産税等を課することは想定していないものと解するのが相当である。 したがって,市町村が自ら所有する不動産について本件各条項を適用して形式上の所有名義人に対して固定資産税等の賦課決定を行った場合,本来は適用することができない条項を適用して課税処分が行ったということになるから,当該固定資産税等の賦課決定については,その課税要件の根幹に関する内容上の過誤が存在し,徴税行政の安定とその円滑な運営の要請を斟酌してもなお,不服申立期間の徒過による不可争的効果の発生を理由として被課税者に同処分による不利益を甘受させることが著しく不当と認められるような例外的事情のある場合に該当し,当該決定は当然に無効となるものと解するのが相当である。 ウこれを本件各賦課決定についてみると,被告は,本件土地の真の所有者でありながら,本来は適用することのできない本件各条項を適用して本件土地の形式上の所有名義人である原告ら並びにP23及びP24を納税者として固定資産税等の賦課決定をしたものであるから,本件各賦課決定については,その課税要件の根幹に関する内容上の過誤が存在し て本件土地の形式上の所有名義人である原告ら並びにP23及びP24を納税者として固定資産税等の賦課決定をしたものであるから,本件各賦課決定については,その課税要件の根幹に関する内容上の過誤が存在し,徴税行政の安定とその円滑な運営の要請を斟酌してもなお,不服申立期間の徒過による不可争的効果の発生を理由として被課税者に同処分による不利益を甘受させることが著しく不当と認められるような例外的事情のある場合に該当するといえるから,当然に無効なものというべきである。 なお,最高裁昭和54年(行ツ)第17号同54年9月20日第一小法廷判決裁判集民事127号461頁は,固定資産税等の課税客体となった不動産の所有者ではない市町村が行った固定資産税等の賦課決定の適否が問題となった事案に関するものであり,本件とは事案を異にするというべきである。 (4) 小括以上のとおり,本件各賦課決定は無効であるから,本件納付済み固定資産税等は,当初から対応する租税債務が存在しなかったということになる。し たがって,被告は,地方税法17条の規定に基づき,誤納金として,別紙7納付税額一覧表の「原告」欄記載の各原告に対し,本件納付済み固定資産税等に係る同「個別の納税額(小数点以下は切り捨て)」欄記載の各金員を返還すべきことになるから,原告らの被告に対する本件誤納金返還請求は理由がある。 なお,本件納付済み固定資産税等の返還に伴う延滞金に係る地方税法附則3条の2第1項の規定する特例基準割合が,平成25年12月27日から同年12月31日までは年4.3%,平成26年1月1日から同年12月31日までは年1.9%,平成27年1月1日から同年12月31日までは年1. 8%,平成28年1月1日から同年12月31日までは年1.8%であることは当事者間に争いがない。 3 本件 から同年12月31日までは年1.9%,平成27年1月1日から同年12月31日までは年1. 8%,平成28年1月1日から同年12月31日までは年1.8%であることは当事者間に争いがない。 3 本件債務不存在確認請求(平成25年第3期及び第4期分の固定資産税等)について上記2において判断したとおり,本件各賦課決定はいずれも無効であるから,本件土地の平成25年度第3期分及び第4期分の固定資産税等に係る原告らの被告に対する連帯納付債務は存在しないものと認められる。 したがって,東京都渋谷都税事務所長が原告らに対して平成25年6月3日付けでした本件土地に係る固定資産税及び都市計画税の賦課決定処分に基づく同年12月27日及び平成26年2月28日を納期限とする合計24万円の連帯納付債務の不存在確認を求める旨の本件債務不存在確認請求は理由がある。 4 本件国家賠償請求について(1) P28による違法行為等についてア原告らは,P28の言動により,原告P1において,P22が本件土地の所有権を有していたものと誤信し,原告P1を始めとする原告ら(原告P12を除く。)並びにP23及びP24が本件各移転登記をしたため,司法書士に対する所有権移転登記手続等の費用(甲11の1及び2)及び 税理士に対する遺産分割協議書作成費用等(甲12)の各支払を余儀なくされたほか,本件各賦課決定に基づいて本件土地に係る平成23年度(平成18年年度相当分ないし平成22年度相当分を含む。)ないし平成25年第2期分の固定資産税等の支払を余儀なくされ,これらの支払に相当する損害を被ったと主張する。 イこの点,認定事実のとおり,少なくとも,被告下水道局の職員であるP28は,平成22年2月5日の原告P1からの問合せに対し,本件土地の所有者がP22の相続人である原告 る損害を被ったと主張する。 イこの点,認定事実のとおり,少なくとも,被告下水道局の職員であるP28は,平成22年2月5日の原告P1からの問合せに対し,本件土地の所有者がP22の相続人である原告らであると明確に言ったわけではないものの,本件土地は被告の所有するものではないとして,(原告P1が対応を希望する本件土地の不法占拠の問題については)当事者間で協議すべきものであるという回答をしているところ(認定事実(3)エ),この回答は,本件土地は被告が所有するという客観的な事実(前提事実(2)サ,認定事実(4)エ)に反するものであったということができる。 また,認定事実のとおり,原告P2と共に平成2年頃から平成7年頃までの間に行われた本件土地に係る被告下水道局の職員との交渉を行ったP26が,本件土地は被告が所有するものであると認識していたことのほか(認定事実(2)イ),本件土地について,旧土地台帳には被告が所有者であることをうかがわせる記載があったこと(認定事実(1)イ),本件土地の周辺の下水道管が埋設された土地については,登記簿上,従前の所有者からの所有権移転がされていたこと(認定事実(1)ウ),その他,証拠(証人P27)及び弁論の全趣旨によれば,P28と同じく被告下水道局の職員として以前に同様の職務を行っていたP27が,本件土地について,間違いなく被告の所有するものであると判断していたことなどが認められ,これらの事実によれば,P28が本件土地の正確な権利関係を知りたいと考えて調査をすれば,本件土地が被告の所有に属するという認識を得ることは可能であったものと認めることができ る。 ウしかしながら,認定事実によれば,そもそも原告P1は,P28に対し,本件土地の所有者が自らの先祖(祖父)であるP22であったことを前提として,本 能であったものと認めることができ る。 ウしかしながら,認定事実によれば,そもそも原告P1は,P28に対し,本件土地の所有者が自らの先祖(祖父)であるP22であったことを前提として,本件土地の地下に下水道管が埋まっていることを理由に,P25による本件土地の不法占拠に被告が対応することができないかという問合せをしており(認定事実(3)エ),このような問合せを受けた被告下水道局に勤務するP28において,本件土地の正しい権利関係について調査し,これを原告P1に告げるべき注意義務を負っていたとまでは認めることはできず,P28において,本件土地の正確な権利関係を調査して原告P1に告げなかったとしても,国家賠償法1条1項の規定する過失があったとまで認めることはできない。 エ加えて,認定事実によれば,原告P1は,P28によって前記イのような言動がされる以前に,原告P2と共に平成2年頃から平成7年頃までの間に行われた本件土地に係る被告下水道局の職員との交渉を行った土地家屋調査士,測量士であるP26から,本件土地の所有者が被告であるということを明確に説明されており(認定事実(3)イ),また,P28による上記の言動の後にも,原告P2から同様の説明を受け(認定事実(3)オ),さらに,原告らが前件訴訟の訴えを提起した後に,被告が前件訴訟に独立当事者参加して本件土地を所有している旨主張したにもかかわらず,原告らが前件訴訟を維持し,判決にまで至っていることからすると(前提事実(2)イ,サ,認定事実(4)ア,エ),原告P1を始めとする原告ら(原告P12を除く。)並びにP23及びP24は,P28の言動に基づいて本件土地を所有(共有)していると考えて本件各移転登記をして前件訴訟の訴えを提起したのではなく,自身の判断において,本件土地が原告らの所有す 除く。)並びにP23及びP24は,P28の言動に基づいて本件土地を所有(共有)していると考えて本件各移転登記をして前件訴訟の訴えを提起したのではなく,自身の判断において,本件土地が原告らの所有するものであると考えて(原告P1本人),本件各移転登記を経由して前件訴訟の訴えを提起したものと認めるのが相当である。 したがって,原告ら(原告P12を除く。)並びにP23及びP24が本件各移転登記を経由することに関連して何らかの損害を被ったとしても,P28による上記の言動との間に相当因果関係を認めることはできないというべきである。 オ以上によれば,P28の原告らに対する過失による違法行為やそれと相当因果関係のある原告らの損害を認めることはできない。 (2) その他の違法行為原告らは,その他,平成2年頃から平成7年頃までの間に,被告下水道局の職員が,本件土地がP22の相続人の所有に属すると誤信させるような言動を行ったかのような主張をし,これに沿う内容の原告P1の陳述書(甲16)やP26の陳述書(甲18)を提出するほか,P26も一部これに沿うような証言(証人P26)をしている。しかしながら,被告がこれに反する証拠(乙B1ないし4,証人P27)を提出しているほか(乙B1ないし4,証人P27),認定事実のとおり,原告P2と共に被告下水道局と交渉を行ってきたP26は,現に本件土地は被告が所有するものであると考えており,その旨の説明を受けた原告P2もこれに納得していたことからすると(認定事実(2)イ),被告の職員において,平成2年頃から平成7年頃までの間に,原告らに対して本件土地の所有者が原告らであると誤信させたという違法行為があったものと認めることはできない。 (3) 小括以上によれば,その余の点について判断するまでもなく,原告 での間に,原告らに対して本件土地の所有者が原告らであると誤信させたという違法行為があったものと認めることはできない。 (3) 小括以上によれば,その余の点について判断するまでもなく,原告らの被告に対する本件国家賠償請求は理由がない。 第4 結論以上によれば,原告らの本件誤納金返還請求及び本件債務不存在確認請求はいずれも理由があるから,これらを認容し,本件国家賠償請求は理由がないから,これを棄却し,仮執行宣言は相当ではないから付さないこととし,主文のとおり 判決する。 東京地方裁判所民事第2部 裁判官齊藤充洋 裁判長裁判官増田稔は転官につき,裁判官佐野義孝は転補につき,署名押印することができない。 裁判官齊藤充洋 (別紙2)主文目録 1 原告P1,原告P2,原告P3,原告P4及び原告P5に対し各10万1479円並びにこれに対する平成25年12月27日から同年12月31日まで年4.3%の割合による金員,平成26年1月1日から同年12月31日まで年1.9%の割合による金員,平成27年1月1日から同年12月31日まで年1.8%の割合による金員,平成28年1月1日から同年12月31日まで年1.8%の割合による金員及び平成29年1月1日から支払済みまで地方税法附則3条の2第1項の規定する特例基準割合による金員 2 原告P6,原告P7,原告P8,原告P9,原告P10,原告P11,原告P12及び原告P13に対し各12万6849円並びにこれに対する平成25年12月27日から同年12月31日まで年4.3%の割合による金員,平成26年1月1日から同年12月31日まで年1.9%の割合による金員,平成27年1月1日から同年12月31日まで年1.8%の 25年12月27日から同年12月31日まで年4.3%の割合による金員,平成26年1月1日から同年12月31日まで年1.9%の割合による金員,平成27年1月1日から同年12月31日まで年1.8%の割合による金員,平成28年1月1日から同年12月31日まで年1.8%の割合による金員及び平成29年1月1日から支払済みまで地方税法附則3条の2第1項の規定する特例基準割合による金員 3 原告P14,原告P15及び原告P16に対し各16万9133円並びにこれに対する平成25年12月27日から同年12月31日まで年4.3%の割合による金員,平成26年1月1日から同年12月31日まで年1.9%の割合による金員,平成27年1月1日から同年12月31日まで年1.8%の割合による金員,平成28年1月1日から同年12月31日まで年1.8%の割合による金員及び平成29年1月1日から支払済みまで地方税法附則3条の2第1項の規定する特例基準割合による金員 4 原告P17及び原告P18に対し 各25万3698円並びにこれに対する平成25年12月27日から同年12月31日まで年4.3%の割合による金員,平成26年1月1日から同年12月31日まで年1.9%の割合による金員,平成27年1月1日から同年12月31日まで年1.8%の割合による金員,平成28年1月1日から同年12月31日まで年1.8%の割合による金員及び平成29年1月1日から支払済みまで地方税法附則3条の2第1項の規定する特例基準割合による金員 5 原告P19及び原告P20に対し各8万4566円並びにこれに対する平成25年12月27日から同年12月31日まで年4.3%の割合による金員,平成26年1月1日から同年12月31日まで年1.9%の割合による金員,平成27年1月1日から同年12月31日 これに対する平成25年12月27日から同年12月31日まで年4.3%の割合による金員,平成26年1月1日から同年12月31日まで年1.9%の割合による金員,平成27年1月1日から同年12月31日まで年1.8%の割合による金員,平成28年1月1日から同年12月31日まで年1.8%の割合による金員及び平成29年1月1日から支払済みまで地方税法附則3条の2第1項の規定する特例基準割合による金員 6 原告P21に対し金33万8266円並びにこれに対する平成25年12月27日から同年12月31日まで年4.3%の割合による金員,平成26年1月1日から同年12月31日まで年1.9%の割合による金員,平成27年1月1日から同年12月31日まで年1.8%の割合による金員,平成28年1月1日から同年12月31日まで年1.8%の割合による金員及び平成29年1月1日から支払済みまで地方税法附則3条の2第1項の規定する特例基準割合による金員以上 (別紙5)関係法令の定め 1 地方税法の定め(1) 地方税法1条2項は,同法中道府県に関する規定は都に,市町村に関する規定は特別区に準用し,必要に応じて用語の読み替えをする旨規定している。 (2) 地方税法3条の2は,地方団体の長は,同法で定めるその権限の一部を,当該地方団体の条例の定めるところによって,地方自治法156条1項の規定によって条例で設ける税務に関する事務所の長に委任することができる旨規定している。 (3) 地方税法5条は,その2項2号において,市町村は,普通税として,固定資産税を課するものとする旨,その6項1号において,市町村は,目的税として,都市計画税を課することができる旨,それぞれ規定している。 (4) 地方税法10条の2第1項は,共有物,共同使用物,共同 定資産税を課するものとする旨,その6項1号において,市町村は,目的税として,都市計画税を課することができる旨,それぞれ規定している。 (4) 地方税法10条の2第1項は,共有物,共同使用物,共同事業,共同事業により生じた物件又は共同行為に対する地方団体の徴収金は,納税者が連帯して納付する義務を負う旨規定している。 (5) 地方税法17条は,地方団体の長は,過誤納に係る地方団体の徴収金があるときは,政令で定めるところにより,遅滞なく還付しなければならない旨規定している。 (6) 地方税法341条1号は,固定資産税について,固定資産の意味を土地,家屋及び償却資産を総称するものとする旨規定している。 (7) 地方税法342条1項は,固定資産税は,固定資産に対し,当該固定資産所在の市町村において課する旨規定している。 (8) 地方税法343条は,その1項において,固定資産税は,固定資産の所有者(質権又は100年より永い存続期間の定めのある地上権の目的である土地については,その質権者又は地上権者とする。以下固定資産税について同様とす る。)に課する旨,その2項前段において,前項の所有者とは,土地又は家屋については,登記簿又は土地補充課税台帳若しくは家屋補充課税台帳に所有者として登記又は登録されている者をいう旨,その2項後段において,同項前段の場合において,所有者として登記又は登録されている個人が賦課期日前に死亡しているときは,同日において当該土地又は家屋を現に所有している者をいうものとする旨,それぞれ規定している。 (9) 地方税法348条1項は,市町村は,国並びに都道府県,市町村,特別区,これらの組合,財産区,地方開発事業団及び合併特例区に対しては,固定資産税を課することができない旨規定している。 (10) 地方税法348条2 条1項は,市町村は,国並びに都道府県,市町村,特別区,これらの組合,財産区,地方開発事業団及び合併特例区に対しては,固定資産税を課することができない旨規定している。 (10) 地方税法348条2項1号は,固定資産税は,同項ただし書の場合を除き,国並びに都道府県,市町村,特別区,これらの組合及び財産区が公用又は公共の用に供する固定資産に対しては課することができない旨規定している。 (11) 地方税法359条は,固定資産税の賦課期日は,当該年度の初日の属する年の1月1日とする旨規定している。 (12) 地方税法702条は,その1項前段において,市町村は,都市計画法に基づいて行う都市計画事業又は土地区画整理法に基づいて行う土地区画整理事業に要する費用に充てるため,当該市町村の区域で都市計画法5条の規定により都市計画区域として指定されたもの(以下この項において「都市計画区域」という。)のうち同法7条1項に規定する市街化区域(当該都市計画区域について同項に規定する区域区分に関する都市計画が定められていない場合にあっては,当該都市計画区域の全部又は一部の区域で条例で定める区域)内に所在する土地及び家屋に対し,その価格を課税標準として,当該土地又は家屋の所有者に都市計画税を課することができる旨,その2項において,前項の「価格」とは,当該土地又は家屋に係る固定資産税の課税標準となるべき価格(地方税法349条の3第10項から12項まで,23項,24項,26項又は28項の規定の適用を受ける土地又は家屋にあっては,その価格にそれぞれ当該各項 に定める率を乗じて得た額)をいい,前項の「所有者」とは,当該土地又は家屋に係る固定資産税について343条(3項,8項及び9項を除く。)において所有者とされ,又は所有者とみなされる者をいう旨,それぞれ規定してい 乗じて得た額)をいい,前項の「所有者」とは,当該土地又は家屋に係る固定資産税について343条(3項,8項及び9項を除く。)において所有者とされ,又は所有者とみなされる者をいう旨,それぞれ規定している。 (13) 地方税法702条の2第1項は,市町村は、国、非課税独立行政法人、国立大学法人等及び日本年金機構並びに都道府県、市町村、特別区、これらの組合、財産区、合併特例区及び地方独立行政法人に対しては、都市計画税を課することができない旨規定している。 (14) 地方税法702条の6は,都市計画税の賦課期日は,当該年度の初日の属する年の1月1日とする旨規定している。 (15) 地方税法702条の8前段は,都市計画税の賦課徴収は,固定資産税の賦課徴収の例によるものとし,特別の事情がある場合を除くほか,固定資産税の賦課徴収と併せて行うものとする旨規定している。 (16) 地方税法734条1項は,都は,その特別区の存する区域において,普通税として,同法4条2項に掲げるものを課するほか,同法1条2項の規定にかかわらず,同法5条2項2号(固定資産税)及び6号に掲げるものを課するものとし,この場合においては,都を市とみなして同法第3章第2節及び第8節の規定を準用する旨規定している。 (17) 地方税法735条1項は,都は,その特別区の存する区域において,目的税として,道府県が課することができる目的税を課することができるほか,同法1条第2項の規定にかかわらず,同法5条5項及び6項1号(都市計画税)に掲げる目的税を課することができ,この場合においては,都を市(同条5項に掲げる目的税については,指定都市等)とみなして同法第4章中市町村の目的税に関する部分の規定を準用する旨規定している。 2 東京都都税条例(昭和25年東京都条例第56号。乙A1)(1 同条5項に掲げる目的税については,指定都市等)とみなして同法第4章中市町村の目的税に関する部分の規定を準用する旨規定している。 2 東京都都税条例(昭和25年東京都条例第56号。乙A1)(1) 東京都都税条例3条は,その3項2号において,特別区の存する区域においては,同条1項に規定するもののほか,都税として固定資産税を課するものと する旨,その4項2号において,特別区の存する区域においては,同条2項に規定するもののほか,都税として都市計画税を課する旨,それぞれ規定している。 (2) 東京都都税条例4条の3第1項は,知事は,一部の事項を除いて,徴収金の賦課徴収に関する事項及び都税に係る過料の徴収に関する事項を都税の納税地所管の都税事務所長又は支庁長に委任する旨規定している。 (3) 東京都都税条例118条1項は,固定資産税は,固定資産に対し,土地又は家屋にあっては土地課税台帳等若しくは家屋課税台帳等に登録された基準年度に係る賦課期日における価格又は地方税法349条2項ただし書,3項ただし書,4項,5項ただし書若しくは6項に規定する当該価格に比準する価格,償却資産にあっては賦課期日における価格で償却資産課税台帳に登録された価格を課税標準として,それぞれ賦課期日現在における所有者に課し,この場合において,同法349条の3,同法349条の3の2又は同法附則15条から15条の3までの規定の適用を受ける固定資産にあっては,当該固定資産の価格にそれぞれこれらの規定に定める率を乗じて得た額を課税標準とする旨規定している。 (4) 東京都都税条例127条は,固定資産税の賦課期日は,当該年度の初日の属する年の1月1日とする旨規定している。 (5) 東京都都税条例188条の26第1項は,都市計画税は,都市計画法に基づいて行う都市計画事業又 例127条は,固定資産税の賦課期日は,当該年度の初日の属する年の1月1日とする旨規定している。 (5) 東京都都税条例188条の26第1項は,都市計画税は,都市計画法に基づいて行う都市計画事業又は土地区画整理法に基づいて行う土地区画整理事業に要する費用に充てるため,特別区の存する区域で都市計画法5条の規定により都市計画区域として指定されたもののうち市街化区域内に所在する土地及び家屋に対し,その価格(地方税法702条2項に規定する価格をいう。)を課税標準として,賦課期日現在における所有者に課し,この場合において,同法702条の3又は同法附則15条から15条の3までの規定の適用を受ける土地及び家屋にあっては,当該土地及び家屋の価格にそれぞれこれらの規定に定める 率を乗じて得た額を課税標準とする旨規定している。 (6) 東京都都税条例188条の28は,都市計画税の賦課期日は,当該年度の初日の属する年の1月1日とする旨規定している。 (7) 東京都都税条例188条の30は,都市計画税の賦課徴収は,固定資産税の賦課徴収の例によるものとし,知事において特別の事情があると認める場合を除き,固定資産税の賦課徴収と併せて行うものとする旨規定している。 3 東京都都税事務所設置条例(昭和25年東京都条例第49号。乙A2)の定め(1) 東京都都税事務所設置条例1条1項は,地方自治法156条1項の規定に基づき,東京都都税を賦課徴収するため,必要の地に東京都都税事務所(以下「都税事務所」という。)を置く旨規定している。 (2) 東京都都税事務所設置条例2条1項,別表第1は,渋谷区の区域を所管区域とする東京都渋谷都税事務所という名称の都税事務所を渋谷区に置く旨規定している。 以上 (別紙7)納付税額一覧表 原告 1項,別表第1は,渋谷区の区域を所管区域とする東京都渋谷都税事務所という名称の都税事務所を渋谷区に置く旨規定している。 以上 (別紙7)納付税額一覧表 原告持分割合個別の納付税額(小数点以下は切り捨て) P1360分の12\101,479 P2360分の12\101,479 P3360分の12\101,479 P4360分の12\101,479 P5360分の12\101,479 P6360分の15\126,849 P7360分の15\126,849 P8360分の15\126,849 P9360分の15\126,849 P10360分の15\126,849 P11360分の15\126,849 P12360分の15\126,849 P13360分の15\126,849 P14360分の20\169,133 P15360分の20\169,133 P16360分の20\169,133 P17360分の30\253,698 P18360分の30\253,698 P19360分の10\84,566 P20360分の10\84,566 P21360分の40\338,266 P21360分の40\338,266

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