平成23(行ケ)10153 審決取消請求事件

裁判年月日・裁判所
平成23年12月21日 知的財産高等裁判所 1部 判決 請求棄却
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判決文本文17,641 文字)

- 1 -平成23年12月21日判決言渡平成23年(行ケ)第10153号審決取消請求事件(特許)口頭弁論終結日平成23年12月14日判決原告 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 訴訟代理人弁理士宮崎昭彦被告特許庁長官 指定代理人門田かづよ同服部秀男同田部元史同北川創同田村正明 主文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 3 この判決に対する上告及び上告受理申立てのための付加期間を30日と定める。 事実及び理由 第1 請求特許庁が不服2009-22992号事件について平成22年12月28日にした審決を取り消す。 第2 事案の概要 1 本件は,原告が名称を「パッケージ内の量及びスペクトル感知能力とデジタル信号出力とを有するマルチチップLEDパッケージ」とする発明につき特許出願をし,平成20年10月7日付けでも特許請求の範囲の変更を内容とする- 2 -手続補正(以下「本件補正」という。)をしたところ,拒絶査定を受けたので,これに対する不服の審判請求をしたが,特許庁から請求不成立の審決を受けたことから,その取消しを求めた事案である。 2 争点は,上記補正後の請求項1に係る発明(以下「 たところ,拒絶査定を受けたので,これに対する不服の審判請求をしたが,特許庁から請求不成立の審決を受けたことから,その取消しを求めた事案である。 2 争点は,上記補正後の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)が下記引用例との間で進歩性を有するか(特許法29条2項),である。 記・引用例:特開平7-137338号公報(発明の名称「発光素子アレイの利用装置」,公開日平成7年5月30日,甲1。以下,これに記載された発明を「引用発明」という。)第3 当事者の主張 1 請求の原因(1) 特許庁における手続の経緯原告は,平成13年(2001年)7月26日の優先権(米国)を主張して,平成14年7月23日,名称を「パッケージ内の量及びスペクトル感知能力とデジタル信号出力とを有するマルチチップLEDパッケージ」とする発明について国際特許出願(PCT/IB2002/003146 日本における出願番号は特願2003-516108号)をし,平成16年1月26日に日本国特許庁に翻訳文を提出した(公表特許公報は特表2004-537173号,公表日平成16年12月9日)。その後原告は,平成16年2月10日付けで図面の変更を内容とする補正(甲7)を,平成17年7月20日付けで全文変更を内容とする補正(甲6)を,さらに平成20年10月7日付けで特許請求の範囲の変更を内容とする補正(請求項の数8,本件補正。甲5)をしたが,平成21年8月18日付けで拒絶査定を受けたので,これに対する不服の審判請求をした。 特許庁は,上記請求を不服2009-22992号事件として審理した上,平成22年12月28日,「本件審判の請求は,成り立たない。」との- 3 -審決(出訴期間として90日附加 判請求をした。 特許庁は,上記請求を不服2009-22992号事件として審理した上,平成22年12月28日,「本件審判の請求は,成り立たない。」との- 3 -審決(出訴期間として90日附加)をし,その謄本は平成23年1月7日原告に送達された。 (2) 発明の内容本件補正後の請求項の数は前記のとおり8であるが,そのうち請求項1(本願発明)の内容は,次のとおりである。 ・【請求項1】複数の発光ダイオードチップと,センサと,支持部材と,を備え,この支持部材が,前記複数の発光ダイオードチップと前記センサを支持し,前記センサが,フィードバック信号を制御装置に提供するように構成され,この信号が前記発光ダイオードチップの光出力に関連する,一体化マルチチップ発光ダイオードパッケージ。 (3) 審決の内容ア審決の内容は,別添審決写しのとおりである。その要点は,本願発明は前記引用発明に基づいて当業者(その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者)が容易に発明することができたから特許法29条2項により特許を受けることができない,というものである。 イなお,審決が認定した引用発明の内容,本願発明と引用発明との一致点及び相違点は,次のとおりである。 (ア) 引用発明の内容「基板に多数の発光素子を一列に並べ,発光素子に近接させてこの温度を検出するために温度センサが基板上に配置され,温度センサより入力されるある時点の温度と所定の時間経過後の温度とに基づいて入力信号レベルが求められ,この入力信号レベルより補- 4 -正係数が求められ空間光変調素子の出力特性が最適になるように補正されたデータ信号に応じて発光量が変わる発光素子アレイであって,前記発光素子は発光ダイオードである発光素子ア 号レベルより補- 4 -正係数が求められ空間光変調素子の出力特性が最適になるように補正されたデータ信号に応じて発光量が変わる発光素子アレイであって,前記発光素子は発光ダイオードである発光素子アレイ。」(イ) 一致点本願発明と引用発明は,「複数の発光ダイオードと,センサと,支持部材と,を備え,この支持部材が,前記複数の発光ダイオードと前記センサを支持し,前記センサが,フィードバック信号を制御装置に提供するように構成され,この信号が前記発光ダイオードの光出力に関連する,一体化マルチ発光ダイオードパッケージ。」である点で一致する。 (ウ) 相違点複数の発光ダイオードが,本願発明では,複数の発光ダイオードチップであるのに対して,引用発明では,複数の発光ダイオードチップなのかどうかが不明である点。 (4) 審決の取消事由しかしながら,審決には次のような一致点認定の誤りがあるから,審決は違法として取り消されるべきである。 ア審決は,「引用発明では,『温度センサより入力されるある時点の温度と所定の時間経過後の温度とに基づいて入力信号レベルが求められ,この入力信号レベルより補正係数が求められ空間光変調素子の出力特性が最適になるように補正されたデータ信号に応じて発光量が変わる』ことから,引用発明は,『センサが,フィードバック信号を制御装置に提供するように構成され,この信号が前記発光ダイオードの光出力に関連する』点において,本願発明と一致する。」(審決4頁14行~20行)と認定している。 しかし,本願発明では,LEDチップだけがマルチチップ発光ダイオードパッケージ内の熱源であるから,基板温度をLEDの接合温度に相関さ- 5 -せることができるのに対し,引用発明では,基板の温度変化を測定することにより発光素子への入力 がマルチチップ発光ダイオードパッケージ内の熱源であるから,基板温度をLEDの接合温度に相関さ- 5 -せることができるのに対し,引用発明では,基板の温度変化を測定することにより発光素子への入力信号レベルを求めようとしているのであって,基板の温度変化は発光ダイオードの光出力に関連していない。また,引用発明では,ドライバIC及び発光素子アレイ両方が基板の温度変化に寄与するから,温度センサの出力から発光素子の光強度及びスペクトルが得られるわけでもなく,得ることもできない。 また,本願明細書(平成17年7月20日補正後のもの〔甲6〕)では,量(発光強度)及びスペクトル(波長)を含めて「光出力」を規定しているのに対し,審決は,量についてのみ「光出力」と同一視している。しかし,この量に関してのみ光出力を相関させようとしたとしても,引用発明では,温度センサが発光素子とドライバICとの熱に対する寄与を区別できないので,基板の温度をLEDの接合温度に相関させることはできない。その上,引用発明は,発光されるスペクトルの温度依存性について何ら開示していない。 以上のとおり,引用発明では,発光ダイオードの光出力に関連するフィードバック信号を制御装置に提供していないので,引用発明は,「センサが,フィードバック信号を制御装置に提供するように構成され,この信号が前記発光ダイオードの『光出力』に関連する」点において本願発明と一致するとした審決の認定は誤りである。 イ被告は,温度センサで検出されて当該温度センサより入力されるある時点の温度と所定の時間経過後の温度とに基づいて,入力信号,さらには補正係数が求められ,データ信号が補正され,当該補正されたデータ信号に応じて発光素子の発光量が変わり発光量が変われば光出力が変わることになるので,上記温度センサよ 度とに基づいて,入力信号,さらには補正係数が求められ,データ信号が補正され,当該補正されたデータ信号に応じて発光素子の発光量が変わり発光量が変われば光出力が変わることになるので,上記温度センサより入力される温度は上記発光ダイオードの光出力に関連することは明らかであるから,審決の認定に誤りはないと反論する。 - 6 -しかし,本願発明の「センサが,フィードバック信号を制御装置に提供するように構成され,この信号が前記発光ダイオードチップの光出力に関連する」という用語の解釈について,明細書の記載及び図面を考慮すると,「発光ダイオードの光出力に関する量及びスペクトル情報を制御装置に伝達する当該センサとを有する。」との記載(段落【0007】),「光センサ16は,LED14の出力を量(光強度)及びスペクトル(波長)に関して外部制御装置30に伝達する。」との記載(段落【0014】)などから,センサからのフィードバック信号は,量及びスペクトル情報などの発光ダイオードの光出力に関する信号であって,このフィードバック信号が制御装置に提供されると解釈されるべきである。 そうすると,温度センサにより入力信号の補正係数を求め,発光素子のデータ信号に応じて発光素子の発光量が変わることが,本願発明の「発光ダイオードチップの光出力に関連する」という用語の意味に含まれないことは,本願明細書の上記記載及び図面から明らかである。そして,発光素子の発光量が変わることがたとえ本願明細書の「温度によりLEDチップ14への電源電流を調整する補正作用」に相当したとしても,上記解釈に影響を与えるものではない。 したがって,被告の上記反論は失当である。 ウまた,被告は,本願発明には「光出力」が量(発光強度)及びスペクトル(波長)を含むものに限定されることを示す 記解釈に影響を与えるものではない。 したがって,被告の上記反論は失当である。 ウまた,被告は,本願発明には「光出力」が量(発光強度)及びスペクトル(波長)を含むものに限定されることを示す記載はなく,本願明細書にも「光出力」について明確に定義する記載はないと反論する。 しかし,本願明細書においては,発光ダイオードチップの光出力が常に量(発光強度)及びスペクトル(波長)を含むものに限定されているから,本願発明の「発光ダイオードチップの光出力に関連する」という用語の解釈に当たって明細書の記載を考慮すれば,発光素子のデータ信号に応じて発光素子の発光量が変わることが含まれないことは明らかである。 - 7 - 2 請求原因に対する認否請求原因(1)ないし(3) の各事実は認めるが,(4)は争う。 3 被告の反論審決の認定判断に誤りはなく,原告主張の取消事由は理由がない。 (1) 原告は,引用発明では発光ダイオードの光出力に関連するフィードバック信号を制御装置に提供していないのに,審決は,「センサが,フィードバック信号を制御装置に提供するように構成され,この信号が前記発光ダイオードの光出力に関連する」点において,本願発明と引用発明は一致するとの誤った認定をしたと主張する。 しかし,温度センサで検出されて当該温度センサより入力される,ある時点の温度と所定の時間経過後の温度とに基づいて,入力信号,さらには補正係数が求められ,データ信号が補正され,当該補正されたデータ信号に応じて発光素子の発光量が変わり,発光量が変われば,光出力が変わることになるので,上記温度センサより入力される温度は,上記発光ダイオードの光出力に関連することは明らかであるから,審決の上記認定に誤りはない。 また,温度センサより入力される温度に基づい 変わることになるので,上記温度センサより入力される温度は,上記発光ダイオードの光出力に関連することは明らかであるから,審決の上記認定に誤りはない。 また,温度センサより入力される温度に基づいて補正されたデータ信号に応じて発光素子の発光量が変わることは,本願明細書(甲6)における,熱センサ18により制御装置に伝達される「温度によりLEDチップ14への電源電流を調整する補正作用」(段落【0015】)に相当するものといえるから,本願明細書(甲6)の記載に照らしても,審決の上記認定に誤りがないことは明らかである。 (2) この点に関し,原告は,本願発明ではLEDチップだけがマルチチップ発光ダイオードパッケージ内の熱源であるから,基板温度をLEDの接合温度に相関させることができるのに対し,引用発明では基板の温度変化を測定することにより発光素子への入力信号レベルを求めようとしているのであって,基板の温度変化は発光ダイオードの光出力に関連しておらず,また,引- 8 -用発明ではドライバIC及び発光素子アレイ両方が基板の温度変化に寄与するから,温度センサの出力から発光素子の光強度及びスペクトルを得ることもできないと主張する。 しかし,上記主張は,LEDチップだけがマルチチップ発光ダイオードパッケージ内の熱源であることを前提とするものであるが,本願発明には,LEDチップだけがマルチチップ発光ダイオードパッケージ内の熱源であることを特定する記載はなく,また,本願明細書(甲6)には,信号処理装置(信号処理回路)が支持部材上に配置又は装着されることが記載されている(段落【0008】及び【0011】)ことに照らしても,本願発明の支持部材が,複数の発光ダイオードチップ以外の熱源(熱としての寄与の大小は問わず)を支持することを排除したものと解する 記載されている(段落【0008】及び【0011】)ことに照らしても,本願発明の支持部材が,複数の発光ダイオードチップ以外の熱源(熱としての寄与の大小は問わず)を支持することを排除したものと解する根拠はない。 また,引用例(甲1)の段落【0013】に「上記発光素子16に近接させてこの温度を検出するために上記温度センサ14が配置されている。」と記載されているように,引用発明における温度センサは,発光素子に近接させて当該発光素子の温度を検出するためのものである。 さらに,本願発明においても,「光出力」が量(発光強度)及びスペクトル(波長)を含むものに限定されることを示す記載がないことは,後記(3)のとおりである。 以上により,原告の上記主張は,本願発明の構成及び本願明細書の記載に基づかないものであって,失当である。 (3) 原告は,本願明細書(甲6)では量(発光強度)及びスペクトル(波長)を含めて「光出力」を規定しているのに対し,審決は量についてのみ「光出力」と同一視しているが,この量に関してのみ光出力を相関させようとしたとしても,引用発明では温度センサが発光素子とドライバICとの熱に対する寄与を区別できないので,基板の温度をLEDの接合温度に相関させることはできないし,引用発明は発光されるスペクトルの温度依存性について何- 9 -ら開示していないと主張する。 しかし,本願の請求項1には,「光出力」が量(発光強度)及びスペクトル(波長)を含むものに限定されることを示す記載はなく,本願明細書にも「光出力」について明確に定義する記載はないから,原告の上記主張は,本願発明の構成及び本願明細書の記載に基づかないものであり,失当である。 (4) 以上のとおり,本願発明と引用発明の一致点の認定の誤りを主張する原告の主張は失 する記載はないから,原告の上記主張は,本願発明の構成及び本願明細書の記載に基づかないものであり,失当である。 (4) 以上のとおり,本願発明と引用発明の一致点の認定の誤りを主張する原告の主張は失当である。 第4 当裁判所の判断 1 請求原因(1) (特許庁における手続の経緯),(2) (発明の内容),(3) (審決の内容)の各事実は,当事者間に争いがない。 2 容易想到性の有無審決は,本願発明は引用発明(甲1)に基づいて当業者が容易に想到できるとし,一方,原告はこれを争うので,以下検討する。 (1) 本願発明の意義ア本願明細書(特許請求の範囲は平成20年10月7日付け手続補正書〔甲5〕のもの,発明の詳細な説明は平成17年7月20日付け手続補正書のもの〔甲6〕,図面は平成16年2月10日付け手続補正書のもの〔甲7〕)には,次の記載がある。 (ア) 特許請求の範囲【請求項1】 前記第3,1(2)のとおり。 (イ) 発明の詳細な説明・「【技術分野】本発明は,マルチチップ発光ダイオード(LED)パッケージに関するものであり,特に,2つ以上のLEDチップと,LEDの光出力の量及びスペクトルの特性を測定する1つ以上のフィードバックセンサと,アナログ-デジタル変換論理回路を具えるデジタル信号処理回- 10 -路であって,センサからのデジタル信号出力をパッケージ外部の制御装置に供給し,LEDのルーメン出力及び色成分を制御する当該デジタル信号処理回路とを装着した支持部材を有するマルチチップLEDパッケージに関するものである。」(段落【0001】)・「通常,LEDを少なくとも『ターンオン』及び『ターンオフ』させるために,これら装置と共に制御装置が用いられる。また,この制御装置によりLEDの光出力及び色を調整制御すること 段落【0001】)・「通常,LEDを少なくとも『ターンオン』及び『ターンオフ』させるために,これら装置と共に制御装置が用いられる。また,この制御装置によりLEDの光出力及び色を調整制御することもできる。このようにするには,装置のルーメン出力及び色(波長)を検出しその情報を制御装置に供給するある種類の外部光センサを用いる必要がある。」(段落【0004】)・「外部光センサを用いると,装置の大きさ及び費用が不所望に増大してしまう。さらに,これら既知の装置においてはLEDの動作温度を測定する方法が存在しない。LEDの動作温度は,その変化によりLEDの量及びスペクトル出力に,従って装置に影響を及ぼすおそれがあるために重要なことである。」(段落【0005】)・「従って,上述した従来技術のマルチチップLEDパッケージの欠点をほぼ解消し,且つ価格,占有スペース及び製造の簡便性の観点からさらに改良されたマルチチップLEDパッケージが必要とされている。」(段落【0006】)・「マルチチップ発光ダイオードパッケージは,支持部材と,この支持部材上に配置された少なくとも2つの発光ダイオードチップと,この支持部材上に配置された少なくとも1つのセンサであって,発光ダイオードの光出力に関する量及びスペクトル情報を制御装置に伝達する当該センサとを有する。」(段落【0007】)・「本発明の一例によれば,マルチチップ発光ダイオードパッケージは,支持部材上に配置された信号処理回路であって,センサにより発生さ- 11 -れたアナログ信号出力を制御装置によりデジタル処理するために調整する信号処理装置を有する。」(段落【0008】)・「図1は,本発明の実施例によるマルチチップLEDパッケージ10を示すものである。このマルチチップLEDパッケージ10は,2 ル処理するために調整する信号処理装置を有する。」(段落【0008】)・「図1は,本発明の実施例によるマルチチップLEDパッケージ10を示すものである。このマルチチップLEDパッケージ10は,2つ以上(図示では4つ)のLEDチップすなわち「ダイ」14と,このLEDパッケージ10の外部の制御装置30に量及びスペクトル情報を伝達する少なくとも1つのフィードバックセンサ15と,制御装置30によるデジタル処理のために,1つ以上のフィードバックセンサ15により発生される信号を調整する信号処理回路20とを装着した支持部材12を有する。支持部材12上のLEDチップ14,センサ16,18及び信号処理回路20の上に光学部材22を装着して,LEDパッケージ10により発生される光を光学的に処理するようにしうる。」(段落【0011】)・【図1】(本発明の実施例によるマルチチップLEDパッケージの斜視図) ・「支持部材12は熱伝導性の部材であり,LEDチップ14を外部電源28に結合する正及び負の電源ポート26(図示するように正のポートをそれぞれのLEDチップ14に対して設け,各LEDチップ1- 12 -4に供給される電力を個々に調整しうるようにすることができる)と,少なくとも1つのフィードバックセンサ15及び信号処理回路20を外部制御装置30に結合する少なくとも1つのデジタル信号入/出力(I/O)ポート32とを有する。本発明の他の実施例においては,このデジタル信号I/Oポート32を2つのデジタルポート(図示せず)に,つまり1つの入力ポートと1つの出力ポートとに置き換えることができる。本発明の実施例においては,支持部材12は,個々のLEDチップを支持でき,これらLEDチップを同時に電源ポートに電気的に接続でき,1つ 1つの入力ポートと1つの出力ポートとに置き換えることができる。本発明の実施例においては,支持部材12は,個々のLEDチップを支持でき,これらLEDチップを同時に電源ポートに電気的に接続でき,1つ以上のセンサを信号処理回路に電気的に接続でき,この信号処理回路をデジタル信号ポートに電気的に接続できるプリント回路基板,セラミック基板,ハウジング又は他の構造体を有することができる。」(段落【0012】)・「1つ以上のフィードバックセンサ15は,1つ以上の光センサ,又は1つ以上の熱センサ,又は好ましくは図に示すように少なくとも1つの光センサ16と少なくとも1つの熱センサ18との組合せを含み得るものである。光センサ16は,LED14の出力を量(光強度)及びスペクトル(波長)に関して外部制御装置30に伝達する。LEDパッケージ内に光センサを配置することにより,本発明のマルチチップLEDパッケージ10を採用しうる光源LEDモジュールの大きさ及び価格が低減される。光センサはホトダイオードのような通常のホトセンサを有することができるが,これは説明のためであって,これに限定されるものではない。」(段落【0014】)・「熱センサ18は,半導体ダイオード接合,又はバンドギャップレファレンス回路,又は集積回路技術において用いられる他のいかなる種類の熱感知素子を有することもできる。熱センサ18は,LEDチップ14の動作温度と相関させることができる支持部材12の温度を- 13 -測定することにより,外部制御装置30にLEDチップ14の量及びスペクトル出力を伝達する。LEDチップ14の動作温度の変化はこれらLEDチップ14の量及びスペクトル出力に影響を及ぼす。従って,LEDチップ14の動作温度が変化した場合には,熱センサ18により支持部材の温度を制御装 する。LEDチップ14の動作温度の変化はこれらLEDチップ14の量及びスペクトル出力に影響を及ぼす。従って,LEDチップ14の動作温度が変化した場合には,熱センサ18により支持部材の温度を制御装置に伝達し,次にこの温度によりLEDチップ14への電源電流を調整する補正作用によりLEDチップ14の量及びスペクトル出力を一定に保持することができる。」(段落【0015】)・「本発明を上述の実施例を参照して説明したが,本発明の精神から逸脱することなく種々の変更及び変形を行うことができる。一例として,熱センサ18を信号処理回路20内に組み込むことができるが,これに限定されるものではない。さらに,熱センサ18をLEDチップ1 4 のそれぞれに対し設けることもできる。これらの及び他のいかなる変更及び変形も特許請求の範囲の範囲内にあるものである。」(段落【0019】)イ上記記載によると,本願発明は,マルチチップ発光ダイオード(LED)パッケージに関し,支持部材と,この支持部材上に配置された少なくとも2つの発光ダイオードチップと,この支持部材上に配置された少なくとも1つのセンサであって,発光ダイオードの光出力に関する量及びスペクトル情報を制御装置に伝達する当該センサを有する一体化したマルチチップ発光ダイオードパッケージという構成を採用することによって,外部光センサを用いると装置が大きくなり費用も増大してしまったり,あるいはLEDの動作温度を測定する方法が存在しなかったという従来の欠点を解消し,かつ価格,占有スペース及び製造の簡便性の観点から大きさ及び価格を低減するという効果を有する発明であると認めることができる。 (2) 引用発明の意義- 14 -ア一方,引用例(甲1)には,次の記載がある。 ・「【産業上の利用分野】本発明は,発光 び価格を低減するという効果を有する発明であると認めることができる。 (2) 引用発明の意義- 14 -ア一方,引用例(甲1)には,次の記載がある。 ・「【産業上の利用分野】本発明は,発光素子アレイの利用装置に係り,特に画像表示装置やプリンタ等の利用装置に関する。」(段落【0001】)・「【従来の技術】一般に,多くの発光ダイオード(LED)を高密度に集積して文字や画像等を記録する装置として発光素子アレイの利用装置は既に実用化されている。この利用装置は,一般には,上述のように多数の発光素子をアレイ状に配列した発光素子アレイとこのアレイからの光により画像情報を表示させる空間光変調素子を有しており,これらは共に製造工程上の理由より,その光学的特性にバラツキを有している。そのために,このような光学的特性のバラツキを補償して適正な画像を得るために種々の研究開発が行なわれ,提案されている。」(段落【0002】)・「【発明が解決しようとする課題】ところで,上述したように光学的特性のバラツキは光利用手段のみならず,発光素子アレイにも存在する。 例えば,発光素子としてLEDを用いた場合,ジャンクション温度により発光特性が変化することが知られている。その内,発光強度に関しては,温度変化と発光強度の変化率とが比例し,発光ピーク波長に関しては,温度変化と波長シフト量とが比例する。従って,発光により,或いは周囲温度の上昇によりジャンクション温度が上昇すると,発光強度が減少し,且つ発光ピーク波長が長波長側にシフトする。」(段落【0004】)・「このような特願平5-128348号では,空間光変調素子の光導電部材の分光感度特性と発光素子の温度特性とを考慮し,発光素子アレイを駆動するパルス幅を決定するための基準信号の周波数を発光素子の温度特性に ような特願平5-128348号では,空間光変調素子の光導電部材の分光感度特性と発光素子の温度特性とを考慮し,発光素子アレイを駆動するパルス幅を決定するための基準信号の周波数を発光素子の温度特性に応じて変化させることにより階調性を補償する技術を開示- 15 -した。この技術により表示画像の品質についてはかなりの改善を図ることができたが,しかしながら,更なる研究の結果,画像の品質に関しては入力信号レベルの変化も大きな影響を与えていることが判明し,しかるに上記した技術にあっては何ら入力信号レベルの変化については考慮されてはおらず,従って,高品質画像を得るための補償も不十分であることが判明した。」(段落【0006】)・「本発明は,以上のような問題点に着目し,これを有効に解決すべく創案されたものであり,その目的はある時点の発光素子の温度と一定期間経過後の発光素子の温度とを検出し,入力信号レベルの変化を考慮した温度変化に応じて発光量を制御し,元の画像情報における空間光変調素子の出力特性を常に最適にすることができる発光素子アレイの利用装置を提供することにある。」(段落【0007】)・「【課題を解決するための手段】本発明は,上記問題点を解決するために,データ信号に応じて発光量を変える発光素子アレイと,この発光素子アレイを駆動する駆動部と,前記発光素子アレイからの光に応じて画像情報が書き込まれる空間光変調素子とを少なくとも有する発光素子アレイの利用装置において,前記発光素子アレイの温度を検出する温度検出手段と,前気温度検出手段より入力されるある時点の温度と所定の時間経過後の温度とに基づいて入力信号レベルを求め,この入力信号レベルより補正係数を求めて前記空間光変調素子の出力特性が最適になるように前記データ信号を補正して出力する発光量補正手段 の温度と所定の時間経過後の温度とに基づいて入力信号レベルを求め,この入力信号レベルより補正係数を求めて前記空間光変調素子の出力特性が最適になるように前記データ信号を補正して出力する発光量補正手段とを備えるように構成したものである。」(段落【0008】)・「【作用】本発明は,以上のように構成したので,温度検出手段からは発光素子アレイの温度が検出され,発光量補正手段はある所定の時間差におけるそれぞれの温度差に基づいてその時の入力信号レベルを算出し,更にこの入力信号レベルから補正係数を算出する。この係数を入力- 16 -データ信号に乗算することにより補正する。これにより,発光素子アレイの発光量を制御して,元の画像情報における空間光変調素子の出力特性が常に最適となるようにする。」(段落【0009】)・「図示するようにこの発光素子アレイの利用装置は1,画像データ等を形成して出力する入力ソース2と,この入力ソース2からの画像信号S1に基づいてパルス幅変調(PWM)により駆動信号S2を形成する駆動部としての駆動信号発生回路3と,この回路3より出力される駆動信号S2により発光する発光素子アレイ4と,このアレイ4からの光を集光する集光レンズ5と,このレンズ5からの光をこのアレイ4の発光素子列と直交する方向へ偏向するためのポリゴンミラーのような回転鏡車6と,偏向された光を受けて光-光変換を行なう空間光変調素子7とにより主に構成されており,この変調素子7へ2次元の画像情報を与えている。」(段落【0011】)・「・・・上記駆動信号発生回路3には,これより出力されるデータを補正して上記空間光変調素子7における出力特性が最適になるように出力する本発明の特長とする発光量補正手段13が接続されている。」(段落【0012】)・「この補正手段13は より出力されるデータを補正して上記空間光変調素子7における出力特性が最適になるように出力する本発明の特長とする発光量補正手段13が接続されている。」(段落【0012】)・「この補正手段13は,上記発光素子アレイ4の温度に基づいてデータに補正を加えるものであり,そのためにこのアレイ4には,図2に示すようにアレイの温度を検出するための温度検出手段として温度センサ14が配置されている。具体的には,このアレイ4は,基板15に多数の発光素子16を一列に並べ,それぞれの発光素子16とこれに並設されたドライバIC17とをワイヤ18により接続することにより構成されており,パルス幅変調により変調された駆動信号S2により駆動される。そして,上記発光素子16に近接させてこの温度を検出するために上記温度センサ14が配置されている。この温度センサ14としては- 17 -サーミスタ,白金抵抗測温体,熱電対等のように温度を電気抵抗或いは電圧に変換でき,しかも小型のものであればどのような温度センサでもよいが,好ましくはできるだけ応答性の速いものがよい。」(段落【0013】)・【図1】(発光素子アレイの利用装置を示す概略構成図) ・【図2】(発光素子アレイを示す拡大斜視図) - 18 -・【図3】(発光量補正手段を示すブロック図) ・「ここで,データ信号に対する補正の必要性及びその工程について説明する。一般に,発光素子の発光強度は,この温度が一定であればデータ信号の階調レベル(入力信号レベル)に比例して大きくなり,図5(A)中の波線で示す直線A1,A2のように示される。直線A1は発光素子の温度TがT1の時の特性を示し,直線A2は 度が一定であればデータ信号の階調レベル(入力信号レベル)に比例して大きくなり,図5(A)中の波線で示す直線A1,A2のように示される。直線A1は発光素子の温度TがT1の時の特性を示し,直線A2は温度Tが温度T1よりも大きなT2の時の特性を示す。しかしながら,実際には発光による温度上昇のために階調レベルが大きくなるに従って発光強度の増加率は低下し,例えば図5(A)中の実線で示す曲線B1のように表される。従って,階調レベルに対応した発光強度を得るためには実線で示す曲線B1が温度変化に対応させて直線となるように補正を行なう必要が生ずる。」(段落【0015】)・【図5】(補正の前後における階調レベルに対する発光素子の出力特性の一例を示すグラフ) - 19 -イ上記記載によれば,引用発明は,発光素子アレイの利用装置に関し,審決が認定したとおり,「基板に多数の発光素子を一列に並べ,発光素子に近接させてこの温度を検出するために温度センサが基板上に配置され,温度センサより入力されるある時点の温度と所定の時間経過後の温度とに基づいて入力信号レベルが求められ,この入力信号レベルより補正係数が求められ空間光変調素子の出力特性が最適になるように補正されたデータ信号に応じて発光量が変わる発光素子アレイであって,前記発光素子は発光ダイオードである発光素子アレイ」,という発明であると認めることができる。 (3) 原告主張の取消事由に対する判断ア(ア) 前記(1)及び(2)で認定した本願発明及び引用発明の内容によれば,両者は,「複数の発光ダイオードと,センサと,支持部材と,を備え,この支持部材が,前記複数の発光ダイオードと前記センサを支持し,前記センサが,フィードバック信号を制御装置に提供するように 数の発光ダイオードと,センサと,支持部材と,を備え,この支持部材が,前記複数の発光ダイオードと前記センサを支持し,前記センサが,フィードバック信号を制御装置に提供するように構成され,この信号が前記発光ダイオードの光出力に関連する,一体化マルチ発光ダイオードパッケージ。」である点で一致すると認めるのが相当である。 したがって,審決における一致点の認定に誤りはない。 (イ) そうすると,本願発明と引用発明との相違点は,審決が認定するとおり,「複数の発光ダイオードが,本願発明では,複数の発光ダイオードチップであるのに対して,引用発明では,複数の発光ダイオードチップなのかどうかが不明である点。」と認められるところ,基板上に複数の発光ダイオードを備える際にどのような構成とするかは当業者が適宜- 20 -設計する事項であり,その場合,複数の発光ダイオードを配置する構成として複数の発光ダイオードチップを配置することも当業者が適宜なし得ることであると認められるから,本願発明は,引用発明(甲1)に基づいて当業者が容易に発明することができたものというべきである。 イ原告は,引用発明では発光ダイオードの光出力に関連するフィードバック信号を制御装置に提供していないから,「センサが,フィードバック信号を制御装置に提供するように構成され,この信号が前記発光ダイオードの光出力に関連する」点において本願発明と引用発明が一致するとした審決の認定は誤りであると主張する。 しかし,以下に述べるとおり,引用発明が,本願発明と同様に「センサが,フィードバック信号を制御装置に提供するように構成され,この信号が前記発光ダイオードの光出力に関連する」ものであることは明らかであるから,原告の上記主張は採用することができない。 (ア) 引 が,フィードバック信号を制御装置に提供するように構成され,この信号が前記発光ダイオードの光出力に関連する」ものであることは明らかであるから,原告の上記主張は採用することができない。 (ア) 引用発明において「センサが,フィードバック信号を制御装置に提供するように構成され」ているか否かについて引用例(甲1)の図1及び図3には,温度センサ14(温度検出手段)からの信号としてセンサ信号SS2が示されており,このセンサ信号SS2は発光量補正手段13の一部を構成するサンプリング部19に出力される。そして,発光量補正手段13は,センサ信号SS2に基づいて,「温度検出手段より入力されるある時点の温度と所定の時間経過後の温度とに基づいて入力信号レベルを求め,この入力信号レベルより補正係数を求めて前記空間光変調素子の出力特性が最低になるように前記データ信号を補正して出力する」(段落【0008】参照)。 そうすると,引用発明において,上記センサ信号SS2が「フィードバック信号」に,上記発光量補正手段13が「制御装置」にそれぞれ該当し,「センサが,フィードバック信号を制御装置に提供するように構- 21 -成され」ていることは明らかである。 (イ) 引用発明において「フィードバック信号が前記発光ダイオードの光出力に関連する」かについて引用発明の温度検出手段は,「発光素子アレイの温度を検出する」(段落【0008】)ためのものであり,具体的には,「上記発光素子16に近接させてこの温度を検出するために上記温度センサ14が配置されている」(段落【0013】)。ここで,引用例(甲1)の図5(B)に示された発光素子16の階調レベルの特性に関する段落【0015】の記載によれば,発光素子16の階調レベルには温度依存性があることが示されているから,温 13】)。ここで,引用例(甲1)の図5(B)に示された発光素子16の階調レベルの特性に関する段落【0015】の記載によれば,発光素子16の階調レベルには温度依存性があることが示されているから,温度センサで検出されたある時点の温度と所定の時間経過後の温度とに基づいてデータ信号が補正されれば,この補正されたデータ信号に応じて発光素子の発光量が変わり,この発光量が変われば,光出力も変わることになるので,結局のところ,温度センサにより入力される温度は発光ダイオードの光出力に影響しているものと認められる。 そうすると,引用発明においても「フィードバック信号が前記発光ダイオードの光出力に関連する」ことは明らかである。 ウまた,原告は,本願発明ではLEDチップだけがマルチチップ発光ダイオードパッケージ内の熱源であるから,基板温度をLEDの接合温度に相関させることができるのに対し,引用発明では基板の温度変化を測定することにより発光素子への入力信号レベルを求めようとしているのであって,基板の温度変化は発光ダイオードの光出力に関連しておらず,また,引用発明ではドライバIC及び発光素子アレイ両方が基板の温度変化に寄与するから,温度センサの出力から発光素子の光強度及びスペクトルを得ることもできないと主張する。 しかし,原告の上記主張は,LEDチップだけがマルチチップ発光ダイ- 22 -オードパッケージ内の熱源であることを前提とするものであるが,本願の請求項1にはそのような事項を特定する記載は存在しない。また,本願明細書を参酌しても,マルチチップ発光ダイオードパッケージ内の熱源をLEDチップに限定する趣旨の記載はなく,かえって,本願明細書には,「本発明の一例によれば,マルチチップ発光ダイオードパッケージは,支持部材上に配置された信号処理回 光ダイオードパッケージ内の熱源をLEDチップに限定する趣旨の記載はなく,かえって,本願明細書には,「本発明の一例によれば,マルチチップ発光ダイオードパッケージは,支持部材上に配置された信号処理回路であって,・・・デジタル処理するために調整する信号処理装置を有する。」(段落【0008】),「・・・1つ以上のフィードバックセンサ15により発生される信号を調整する信号処理回路20とを装着した支持部材12を有する。」(段落【0011】)と記載されているように,熱源となる信号処理装置(信号処理回路)が支持部材上に配置又は装着されている構成が記載されているから,本願発明において,支持部材上において発光ダイオードチップ以外の熱源を有する構成をを排除したものと認めることはできない。 したがって,原告の上記主張は,本願発明の構成及び本願明細書の記載に基づかないものであり,採用することができない。 エさらに,原告は,本願明細書では量(発光強度)及びスペクトル(波長)を含めて「光出力」を規定しているのに対し,審決は量についてのみ「光出力」と同一視しているが,この量に関してのみ光出力を相関させようとしたとしても,引用発明では温度センサが発光素子とドライバICとの熱に対する寄与を区別できないので,基板の温度をLEDの接合温度に相関させることはできないし,引用発明は発光されるスペクトルの温度依存性について何ら開示していないと主張する。 しかし,本願発明の「光出力」を量(発光強度)及びスペクトル(波長)を含むものに限定すべき記載は本願の請求項1には存在しないし,甲6,甲7及び甲8の本願明細書を参酌しても,量(発光強度)及びスペクトル(波長)の説明は散見されるものの,「光出力」についての明確な定義す- 23 -ら存在しないから,本願明細書を参酌す いし,甲6,甲7及び甲8の本願明細書を参酌しても,量(発光強度)及びスペクトル(波長)の説明は散見されるものの,「光出力」についての明確な定義す- 23 -ら存在しないから,本願明細書を参酌することによって,本願の請求項1の「光出力」を量(発光強度)及びスペクトル(波長)を含むものに限定して解釈しなければならない理由はない。 したがって,原告の上記主張も,本願発明の構成及び本願明細書の記載に基づかないものであり,採用することができない。 3 結論以上のとおりであるから,原告主張の取消事由は理由がなく,審決の認定に誤りはない。 よって,原告の請求を棄却することとして,主文のとおり判決する。 知的財産高等裁判所第1部 裁判長裁判官中野哲弘 裁判官東海林保 裁判官矢口俊哉

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