主文 1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は控訴人らの負担とする。 事実及び理由 第1 控訴の趣旨 1 第1事件について(1) 原判決を取り消す。 (2) 被控訴人三重県は,津市に対し,金8908万0663円を支払え。 (3) 被控訴人津市長aが,被控訴人三重県に対し,金1930万0655円の請求を怠っていることは,違法であることを確認する。 2 第2事件について(1) 原判決のうち,津市の被控訴人三重県に対する金員請求に係る訴えに関する部分を取り消す。 (2) 被控訴人三重県は,津市に対し,金4269万3222円を支払え。 (3) 被控訴人三重県は,津市に対し,金1974万6669円を支払え。 3 第3事件について(1) 原判決を取り消す。 (2) 被控訴人三重県は,津市に対し,金1675万6457円を支払え。 第2 事実関係本件は,被控訴人三重県が設置した文化センター(三重県総合文化センター)の駐車場用地として,津市が本件1土地(原判決別紙物件目録1記載の各土地)及び本件3土地(原判決別紙物件目録3記載の各土地)を賃借し,本件1土地につき造成工事請負契約を締結して,賃料及び請負代金を支出していることが,違法であって,被控訴人津市長(被控訴人津市長a)と県知事の共同不法行為であり,そうでないとしても,被控訴人三重県に賃料及び請負代金に相当する不当利得がある,また,津市が所有する本件2土地(原判決別紙物件目録2記載の各土地)を,被控訴人三重県が権原なく文化センター駐車場用地として無償で使用していることにより,被控訴人三重県に賃料相当額の不当利得があるとして,控訴人らが,被控訴人三重県に対 決別紙物件目録2記載の各土地)を,被控訴人三重県が権原なく文化センター駐車場用地として無償で使用していることにより,被控訴人三重県に賃料相当額の不当利得があるとして,控訴人らが,被控訴人三重県に対して津市への金員の支払いを求め(本件1土地につき第1事件,本件2及び3土地につき第2事件,本件1ないし3土地につき第3事件),また,被控訴人津市長に対して本件1土地に係る被控訴人三重県に対する金員の請求を怠る事実の違法確認を求める(第1事件)事案である。 当事者の主張は,下記1のとおり補正し,下記2ないし4のとおり当事者の当審における補足的主張を付加するほか,原判決の「事実」欄の第2(ただし,(第2事件について)のうち,被控訴人津市長に対する怠る事実の違法確認の訴え及び被控訴人津市長に対する本件使用許可の無効確認の訴えに係る部分を除く)記載のとおりであるから,これを引用する。 1 原判決30頁21行目と22行目の間に「(3) 同(3)ア,イの事実は認め,ウは争う。」と加え,同頁22行目冒頭の「(3)」を「(4)」と,同頁23行目冒頭の「(4)」を「(5)」と,それぞれ改める。 2 控訴人らの当審における補足的主張文化センターの駐車場は,今日のように車が発達した車社会において来場者のための駐車場が整備されないで設置管理される文化センターなどあり得ないことであるから,附属設備として当然設置されなければならないものであり,文化センターの事業主体が被控訴人三重県であるのだから,その附属設備である駐車場の整備も,被控訴人三重県の本来的固有事務である。駐車場の整備が被控訴人三重県の固有事務である以上,駐車場の整備にかかる費用負担は実施主体である被控訴人三重県が負担すべきものであり,ほかに地財法(地方財政法)28条の2にいう経費の負担区分を示す 。駐車場の整備が被控訴人三重県の固有事務である以上,駐車場の整備にかかる費用負担は実施主体である被控訴人三重県が負担すべきものであり,ほかに地財法(地方財政法)28条の2にいう経費の負担区分を示す根拠規定は不要である。これを津市に転化するについては,それが適法・合法であることの根拠が必要なのであって,それを示し得ない被控訴人らの主張は失当である。 3 被控訴人津市長の当審における補足的主張(1) 本件2土地上の「正面駐車場」(第1ないし第3駐車場)が存在しなくても,文化センターはそれ自体で完結した施設である。原判決別紙図面によって明らかなように,文化センターの敷地の一画には被控訴人三重県所有の「南駐車場」,「東駐車場」,「北駐車場」(その合計の駐車能力は383台)が存在し,その一画とは市道を隔てて「正面駐車場」が位置しており,かかる立地状況を見ると,「正面駐車場」を不可分一体の構成要素として文化センターが存在しているものではなく,文化センターそのものは「正面駐車場」の存在を抜きにしても完結した公の施設として存在できるものであって,それぞれ関連はあるものの,おのおのが別の行政主体に帰属してもいっこうに差し支えがない別個の施設であることが分かる。したがって,現在は周辺にα城址と文化センターの外には文化施設が存在しないために,多くの場合に文化センターへの来場者が利用することになっている「正面駐車場」の設置そのものが,当然に,被控訴人三重県の事務ということになるわけではない。そうであるから,「正面駐車場」に関し,地財法28条の2の負担区分について,法律に明確に県の事務としなければならない定めある場合には該当せず,当然に「正面駐車場」の設置の負担区分が被控訴人三重県の事務であるということになるものではない。 (2) 旧地自法(平成11年 法律に明確に県の事務としなければならない定めある場合には該当せず,当然に「正面駐車場」の設置の負担区分が被控訴人三重県の事務であるということになるものではない。 (2) 旧地自法(平成11年法律第87号による改正前の地方自治法)2条7項(地自法2条6項)が,都道府県及び市町村は,その事務を処理するに当たっては,相互に競合しないようにしなければならないと規定するところ,津市が,県等関係機関と連携をすることによって,津市民に対して高次な機能を有する文化施設の利用という利益を享受させることを目的としつつ,被控訴人三重県と競合するような施設そのものを設置しないという選択は,まさに行政の不合理な競合により,矛盾・抵触・不経済・非能率等が生ずることを防ごうとする趣旨である地自法の精神にかなう。そこで,津市は,県立新文化会館を津市に建設するのをはじめ,県立博物館,県産材を使用した文化ホール等の整備を進め,県域全体の中枢的な文化圏としてふさわしい機能の形成を意図していた被控訴人三重県と協調して,津市は津市の事務として,これらの高次な機能を有する文化施設を利用する津市民の交通手段の便宜を考慮し,また,交通手段が確保されることが文化センターのみならず,県立博物館,県産材を使用した文化ホール等の高次な機能を有する文化施設を津駅西地区に集積させ,その結果として,総合文化ゾーンの形成に努めるとされた津市の第3次津市総合計画の実現が可能になるとの判断で,「正面駐車場」を設置することにしたのである。かかる「正面駐車場」を設置しなければ,文化センターに被控訴人三重県所有の「南駐車場」,「東駐車場」,「北駐車場」の駐車能力383台を超える多数人が自動車で来集した場合には,結果的に,津市の市道に路上駐車をせざるをえないことになり,周辺に居住する津市民の交通の安全が損なわれる 車場」,「東駐車場」,「北駐車場」の駐車能力383台を超える多数人が自動車で来集した場合には,結果的に,津市の市道に路上駐車をせざるをえないことになり,周辺に居住する津市民の交通の安全が損なわれる。 (3) 都市計画や都市政策との関係で,どこにどのような駐車場を設置するかを判断し,実際に設置することは,駐車場整備地区に関する都市計画の有無に関わりなく,駐車場行政を推進する第一義的な責務を有する市町村の責務である。本件では,第3次津市総合計画において,津駅西地区において,県等関係機関との連携の下に,中心部における調和ある施設配置を図りながら,総合的かつ高次な機能を有する文化施設の整備を進めるなど総合文化ゾーンの形成に努めるとされた都市政策との斉合性を図るために,津市は,「正面駐車場」を設置することとしたのであって,津市の事務として設置したことは明らかである。 (4) 仮に,本件2土地が控訴人ら主張のとおり普通財産であって,これに対する使用許可が無効であるとしても,無効行為の転換の法理により,使用貸借契約としては有効と解することができる。 4 被控訴人三重県の当審における補足的主張ページ(1)控訴人らは,文化センターの駐車場はその設置主体が整備するものであり,法令上の明確な根拠がなくても条理上からしても,当然,附帯設備として被控訴人三重県が設置・管理すべきと主張するが,文化センターについては,法令等で設置主体である県が必ず附帯設備を整備しなければならないとは規定されておらず,文化センターがいわゆる「補完行政事務」である以上,市町村が附帯設備を整備できる余地はある。そもそも文化センターは,地自法,地財法その他の個別の法令上,都道府県の固有事務及び都道府県が固有に負担すべき経費区分にかかる事務とされていない「補完行政事務」 町村が附帯設備を整備できる余地はある。そもそも文化センターは,地自法,地財法その他の個別の法令上,都道府県の固有事務及び都道府県が固有に負担すべき経費区分にかかる事務とされていない「補完行政事務」であるところ,このような事務における都道府県と市町村の役割分担については,地方公共団体相互間の裁量で任意に決定できるものである。津市は,第3次津市総合計画で,総合文化ゾーンの形成を目指しているが,このような規模の大きい行政計画は,津市が単独でできるものではなく,国や被控訴人三重県の施策と連携しつつお互いが協力して実現していくものである。文化センターは総合文化ゾーンの拠点施設であり,被控訴人三重県と津市が協力して総合文化ゾーンの形成を実現すべく,その駐車場整備の一部については,津市が任意で行っているものであり,地自法及び地財法に何ら抵触するものではない。 第3 当裁判所の判断当裁判所も,本件は原判決の主文(ただし,不服申立ての対象とされていない部分を除く。)と同様に訴えを却下ないし請求を棄却すべきであると判断するが,その理由は,当審における補足的主張に対する判断を含め,次のとおり補正するほか,原判決「理由」欄の第1,第2の1,3ないし8(被控訴人津市長に対する怠る事実の違法確認の訴え及び被控訴人津市長に対する本件使用許可の無効確認の訴えに係る部分を除く)及び第3に記載のとおりであるから,これを引用する。 1 原判決35頁11行目の「訴えの変更には当たらない。」とあるのを,「訴えの変更に当たるが,請求の基礎に同一性のあることが明らかであるから,この訴えの変更は許される。」と改める。 2 原判決35頁22行目から24行目までを,以下のとおり改める。 「 この訴えの変更は,訴えの交換的変更に当たると解されるところ,これは訴えの追加的併合と訴え 変更は許される。」と改める。 2 原判決35頁22行目から24行目までを,以下のとおり改める。 「 この訴えの変更は,訴えの交換的変更に当たると解されるところ,これは訴えの追加的併合と訴えの取下げを併用したものであるから,訴えの追加的併合部分は,住民訴訟においても行訴法19条2項により準用する民訴法143条の要件を備える限り許されるものと解される。そして,被控訴人津市長に対する本件1土地の賃料支出の差止めと,その賃料が支払われたことによる津市の被控訴人三重県に対する損害賠償請求又は不当利得返還請求を怠る事実の違法確認請求との間には請求の基礎に同一性があるものと認められるから,この訴えの追加的併合は許される。 なお,被控訴人津市長は訴えの変更に同意しておらず,したがって,訴えの取下げ部分については同意がないが,これについては当審の判断対象とはなっていない。 したがって,訴えの変更後の請求の趣旨イ(イ)のみについて判断することとする。」 3 原判決37頁26行目から39頁19行目までを,以下のとおり改める。「4 そこで,まず,被控訴人三重県が津市に対し,民法719条の共同不法行為責任を有するか否かにつき検討する。 (1) 証拠(甲A5ないし8,A28ないし31,甲3,4,7ないし16,87,乙イ2ないし5,6,8,9,10,12,乙ハ1,証人b,同c,同d)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 ア津市は,昭和61年ころ,第3次津市総合計画を策定し,地域文化の振興のために,津駅西地区において,高次な文化施設の配置などにより,総合的な文化ゾーンの形成を図ること,そして,県立美術館や博物館をはじめとする文化施設の立地した津駅西地区において,県等関係機関との連携のもとに,中心部 地区において,高次な文化施設の配置などにより,総合的な文化ゾーンの形成を図ること,そして,県立美術館や博物館をはじめとする文化施設の立地した津駅西地区において,県等関係機関との連携のもとに,中心部における調和ある施設配置を図りながら,総合的,かつ,高次な機能を有する文化施設の整備を進めるなど総合文化ゾーンの形成に努めることを掲げた。 イ被控訴人三重県は,昭和37年に津市βに建設した旧三重県文化会館が著しく老朽化したことに伴い,昭和63年10月,新たな施設の整備を計画した。そこで,津市は,新施設を津駅西地区に設置するよう要望し,これを受けて,被控訴人三重県は,平成元年2月,津駅西地区の津市γ地内を建設予定地に決定した。 ウ被控訴人三重県は,平成2年12月,第3次三重県長期総合計画を策定し,地域振興として,津地区では,津市を中心として,行政機関,学術,文化施設やコンベンション施設などを整備し,県域を先導しうる高次な都市機能の充実に努め,中枢性を強化することとし,また,施策のひとつとして,高い専門性を追求した音楽ホールや演劇ホールを備え,文化振興のセンター機能を持った県立新文化会館を平成5年度を目途として津市に建設するとともに,中南勢地域において,県産材を活用した文化ホールの整備を図ることとした。 エ津市教育委員会委員長,津市土地開発公社理事長及び三重県教育委員会委員長は,平成3年2月26日,「県立新文化会館等建設に係る確認書」(乙イ6)を取り交わした。同確認書によれば,新文化会館建設用地は,被控訴人三重県が津市土地開発公社から購入し,新文化会館等の駐車場用地(約4ヘクタール)は,津市が購入,整備して,被控訴人三重県に無償譲渡することとし,新文化会館等の開館までに津市が上記の駐車場用地を購 控訴人三重県が津市土地開発公社から購入し,新文化会館等の駐車場用地(約4ヘクタール)は,津市が購入,整備して,被控訴人三重県に無償譲渡することとし,新文化会館等の開館までに津市が上記の駐車場用地を購入できない場合には,津市は,開館までに,借地等を含め約1500台分の駐車場用地を整備して,被控訴人三重県に無償で使用させることとし,被控訴人三重県と津市は,相互の協力のもとにこの確認事項を推進し,その内容を遵守することとなっている。同確認書を作成するについては,津市教育委員会委員長や三重県教育委員会委員長が独断で行ったものではなく,被控訴人津市長や被控訴人三重県知事も当然にその内容を了解していたものと認められる。 オ被控訴人三重県は,平成3年12月に,上記の県立新文化会館として文化センター施設の建築に着手し,平成5年度末に完成した。文化センターは,その敷地内に3か所の駐車場が設けられている。 カ津市は,平成6年6月に,本件3土地について,α城址その他文化施設に係る駐車場用地として各所有者との間で賃貸借契約を締結し,平成6年10月には,本件2土地について,当時の所有者であった津市土地開発公社との間で使用貸借契約を締結し,平成6年10月7日,被控訴人三重県との間で,本件3土地及び本件2土地について,その管理に係る業務を被控訴人三重県が実施する旨の覚書を取り交わした。なお,本件2土地は,その後,津市が順次所有権を取得し,被控訴人三重県との間で上記覚書の対象から外すとの合意をすると共に,被控訴人三重県に対して文化センター来場者への駐車場として無償で使用することにつき許可を与えている。 しかし,上記の土地では未だ約600台程度の駐車場しか確保されていなかったことから,津市は,平成9年9月19日,本件 への駐車場として無償で使用することにつき許可を与えている。 しかし,上記の土地では未だ約600台程度の駐車場しか確保されていなかったことから,津市は,平成9年9月19日,本件1土地について本件請負契約を締結し,同年10月1日,本件1土地について,各所有者との間で,α城址その他文化施設に係る駐車場用地として賃貸借契約を締結し,これについても,平成10年4月1日,津市と被控訴人三重県との間で,文化施設等駐車場の管理に係る業務を被控訴人三重県が実施する旨の覚書を交わした。 (2) 以上の事実によれば,本件1土地について被控訴人津市長が本件請負契約及び賃貸借契約を締結したのは,既に作成されていた第3次津市総合計画に基づいた具体的な行政計画の実現のために,被控訴人三重県との協力の下に,総合文化ゾーンの形成の一環として文化センターの駐車場を整備するためであると解されるから,いずれも津市の行政目的をもって行われたものであるとみることができる。 (3) 控訴人らは,文化センターの設置・管理の事務は,旧地自法(平成11年法律第87号による改正前の地方自治法)2条6項2号,4号に照らし,被控訴人三重県の固有事務であり,また,文化センターの名前を付した駐車場の整備に関する事務は,文化センターの効用を全うするために不可欠な附属設備として,被控訴人三重県の固有事務と解されると主張する。 しかし,証拠(甲20,乙イ11,12)及び弁論の全趣旨によれば,文化センターは,三重県文化会館,三重県生涯学習センター,三重県女性センター及び三重県立図書館の各施設をもって構成されるところ,これらの施設は,不特定多数の住民等が利用するものであり,その利用が一時期に集中することも予想されるから,相当数の駐ページ(2)車 県女性センター及び三重県立図書館の各施設をもって構成されるところ,これらの施設は,不特定多数の住民等が利用するものであり,その利用が一時期に集中することも予想されるから,相当数の駐ページ(2)車場を確保することが望ましいことは明らかであるといえるが,その施設の性質上,予定利用者を収容するに足る駐車場を確保することが施設の設置及び運営に不可欠であって,そのような駐車場が確保できなければ施設の使用又は運営に支障をきたすというような関係があるものとまでは認めることができない。そうであるとすると,本件1土地による駐車場の確保までが当然に被控訴人三重県の固有の事務となるものとは解することができない。 そこで,被控訴人三重県が文化センターの敷地内で駐車場を確保する外に,これに加えて,上記のとおり,津市が総合文化ゾーンの形成の一環として,その行政計画に基づき,被控訴人三重県との合意の下に,文化センターの駐車場の確保を負担することとしたとしても,そのこと自体が,地方公共団体の経費の負担区分を乱す行為を禁じた地財法28条の2,あるいは,他の地方公共団体の財政に類を及ぼすような施策を禁じる地財法2条に違反する行為ということはできない。 (4) なお,控訴人らは,割当的寄附金の強制的徴収等を禁止する地財法4条の5,国の事務に対する経費負担を禁止する地方財政再建促進特別措置法24条2項の趣旨にも反しているとも主張するが,これらの規定は,地方自治体から国への寄付を禁止するものであるから,被控訴人津市長の上記の行為がこれに当たらないことは明らかであって,その主張はいずれも失当である。 以上によれば,被控訴人津市長が本件1土地の賃貸借契約や本件請負契約を締結して,津市に賃料等や本件請負代金の支払いをさせたことを違法,不当と あって,その主張はいずれも失当である。 以上によれば,被控訴人津市長が本件1土地の賃貸借契約や本件請負契約を締結して,津市に賃料等や本件請負代金の支払いをさせたことを違法,不当とすべき事情は認められず,控訴人らが主張する被控訴人津市長と三重県知事の共謀による違法な肩代わり支出の存在を認めることができないのであるから,被控訴人三重県が津市に対して,民法719条の共同不法行為責任を負うものと解することはできない。 5 次に,被控訴人三重県が津市に対し,本件1土地について,賃料等及び本件請負代金に相当する金員の不当利得返還債務を負うか否かについて,検討する。 控訴人らは,被控訴人三重県が固有の事務として負担すべき文化センターの駐車場の設置管理に係る費用である本件1土地の賃料等及び本件請負代金を,津市が違法に肩代わりして支出したことにより,被控訴人三重県は不法な利益を受けたから,津市に対し不当利得返還債務を負う旨主張する。 しかし,上記4に記載のとおり,被控訴人三重県が固有の事務として文化センターを設置,運営するとしても,そのことから当然に,文化センターの駐車場の確保までが被控訴人三重県の固有の事務となるものとは解されず,被控訴人津市長が行った本件1土地の賃貸借契約や本件請負契約は,いずれも津市の行政目的に基づくものと解されるのであって,津市が本件1土地に係る賃料等及び本件請負代金を支出することが,被控訴人三重県の固有の事務として行われるべき行為を津市が違法に肩代わりしたと見ることはできず,したがって,津市が被控訴人三重県に対して賃料等及び本件請負代金に相当する金員の不当利得返還請求権を有するものと解することはできない。」 4 原判決40頁9行目の「一部請求であった」から13行目末尾までを て,津市が被控訴人三重県に対して賃料等及び本件請負代金に相当する金員の不当利得返還請求権を有するものと解することはできない。」 4 原判決40頁9行目の「一部請求であった」から13行目末尾までを,以下のとおり改める。 「一部請求の範囲を拡張するのは訴えの変更ではあるが,請求の基礎に同一性があることが明らかである。また,継続的な怠る事実に係る損害賠償請求又は不当利得返還請求を上記のとおり特定の日までの事実に限定した請求に変更するのは,訴えの一部取下げに当たるところ,被控訴人津市長はこれに同意している。したがって,請求の趣旨ア(イ)bを,同イ(イ)bに変更することは適法であると解される。」 5 原判決45頁22行目から47頁16行目までを,以下のとおり改める。 「5 そこで,被控訴人津市長の本件3土地に関する平成9年4月1日から平成12年3月31日までの賃料等の支出につき,被控訴人三重県が津市に対し,民法719条の共同不法行為責任を有するか否かについて検討する。 前記(補正後の原判決「理由」欄の第1の4)認定事実によれば,本件1土地に係る本件請負契約及び賃貸借契約と同様に,被控訴人津市長が締結した本件3土地の賃貸借契約も,津市の具体的な行政目的のためになされたものと解することができるのであり,地財法2条あるいは同法28条の2に違反するものとも解されず,地財法4条の5又は地方財政再建促進特別措置法24条2項の趣旨に反しているとの控訴人らの主張は主張自体失当と解されるのであるから,被控訴人津市長と三重県知事がした本件3土地の賃貸借契約の締結が違法な行為とは認めることができない。 したがって,被控訴人三重県が津市に対し,民法719条の共同不法行為責任を負うものと解することはできない。 6 次に,被控訴 契約の締結が違法な行為とは認めることができない。 したがって,被控訴人三重県が津市に対し,民法719条の共同不法行為責任を負うものと解することはできない。 6 次に,被控訴人三重県が津市に対し,本件3土地に関する平成9年4月1日から平成12年3月31日の賃料等に相当する金員の不当利得返還債務を有するか否かを検討する。 前記(補正後の原判決「理由」欄の第1の4)認定事実によれば,本件1土地に係る本件請負契約及び賃貸借契約と同様に,本件3土地の賃貸借契約も津市の具体的な行政目的のためになされたものであって,地財法2条あるいは同法28条の2に違反するものとも解することができないのであるから,当該契約に基づく賃料等の支出を法律上の原因に基づかないものと認めることができない。 したがって,被控訴人三重県が津市に対して上記の不当利得返還債務を有するものと解することはできない。」 6 原判決49頁23行目の末尾に,以下を加える。 「また,普通財産の貸付けに対しても,津市は相当の貸付料を徴収しなければならないが,公共団体又は公用若しくは公共用又は公益事業の用に供するときは,無償あるいは時価よりも低い価格で貸付することができると規定されている(14条。甲23,乙イ13)。 」 7 原判決53頁21行目から55頁24行目までを,以下のとおり改める。 「(2) 前記(補正後の原判決の「理由」欄の第1の4及び第2の7(1))認定事実によれば,津市が所有権を取得した本件2土地は,津市がその政策である津駅西地区における総合的な文化ゾーンの形成の一環として,被控訴人三重県が設立した文化センターへの来場者等に対する駐車場として購入したものであって,津市の行政目的をもって行われたものではあるものの,津市自 地区における総合的な文化ゾーンの形成の一環として,被控訴人三重県が設立した文化センターへの来場者等に対する駐車場として購入したものであって,津市の行政目的をもって行われたものではあるものの,津市自らが直接に駐車場を設営して津市民その他の住民の一般的共同利用に供することを意図したものではなく,津市が土地を提供し,被控訴人三重県が駐車場を設営することを目的として取得したものであり,この目的に従い,津市が所有権を取得後,被控訴人三重県がこの土地を使用して駐車場を設営していることが認められる。したがって,津市の財産に関する調書(乙イ20)において公共用財産として記載されているとしても,津市自身が,直接,本件2土地を公用に供し,又は公共用に用いているものとは認められず,また,津市が,直接本件2土地を公共用に用いる等と決定したことも認められないのであるから,本件2土地は津市の行政財産(前地自法(平成14年法律第4号による改正前の地方自治法)238条2項。地自法238条3項)に該当するとはいえず,普通財産に当たることとなる。 そうであるとすると,本件2土地が行政財産であることを前提としてこれに対してなされた使用許可(地自法238条の4第4項)は,普通財産に対してなされた無効な行為と解さざるを得ない。 しかしまた,普通財産については,その地方公共団体が私法上の行為により利用関係を設定できるものであるところ,前記(補正後の原判決の「理由」欄の第1の4(1)及び第2の7の(1))認定事実によれば,本件2土地に関して,津市と被控訴人三重県との間には,その方式は別として,同土地を文化センターへの来場者に対する駐車場として使用するために無償で貸与し,借り受けることについて意思の合致があることは明らかであり,更に,被控訴人三重県がこの土地 の間には,その方式は別として,同土地を文化センターへの来場者に対する駐車場として使用するために無償で貸与し,借り受けることについて意思の合致があることは明らかであり,更に,被控訴人三重県がこの土地を公共の用に供することは明らかであるから,津市財産に関する条例14条の普通財産の貸付料を免除できる場合に相当するものと解することができ,そうすると,無効行為の転換として,津市と被控訴人三重県との間で,普通財産に対する使用貸借契約が締結されたものと解することができる。 ページ(3)そして,前記(補正後の原判決「理由」欄の第1の4)のとおり,本件2土地の使用貸借契約は,本件1土地の賃貸借契約と同様に,津市の具体的な行政目的のためになされたものであって,地財法2条あるいは同法28条の2に違反するものとも解することができず,また,地財法4条の5あるいは地方財政再建促進特別措置法24条2項の趣旨に反しているとの主張は主張自体失当であると認められるのであるから,本件2土地の使用貸借契約は有効であって,当該契約に基づく賃料等の支出は法律上の原因に基づかないものと認めることができない。 したがって,被控訴人三重県が津市に対して本件2土地の使用料相当の不当利得返還債務を有するものと解することはできない。」 8 原判決57頁2行目の「訴えの変更には当たらない。」を,「適法な訴えの変更として認められる。」と改める。 9 原判決58頁20行目の「上記第2の5ないし7」とあるのを,「補正後の原判決「理由」欄の第2の5ないし7」と改める。 第4 結論以上のとおりであって,控訴人らの訴えを却下ないし請求を棄却した原判決は相当であり,本件控訴は理由がないから,これを棄却することとし,主文のとおり判決する。 名古屋高等裁判所民 結論 以上のとおりであって、控訴人らの訴えを却下ないし請求を棄却した原判決は相当であり、本件控訴は理由がないから、これを棄却することとし、主文のとおり判決する。 名古屋高等裁判所民事第2部裁判長裁判官熊田士朗 裁判官多見谷寿郎 裁判官堀内照美
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