昭和63(あ)352 強盗殺人、同未遂、殺人、強盗強姦、強盗致傷、強盗、同未遂、窃盗、公務執行妨害、住居侵入、銃砲刀剣類所持等取締法違反、火薬類取締法違反

裁判年月日・裁判所
平成6年1月17日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 名古屋高等裁判所
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判決文本文2,328 文字)

主    文      本件上告を棄却する。          理    由  弁護人平井嘉春、同高野洋一の上告趣意のうち、死刑に関して憲法前文、九条、 一三条、一八条、二五条、三一条、三六条違反をいう点は、死刑及びその執行方法 を含む死刑制度がこれら憲法の各規定に違反しないことは当裁判所の大法廷判例( 最高裁昭和二二年(れ)第一一九号同二三年三月一二日判決・刑集二巻三号一九一 頁、最高裁昭和二四年新(れ)第三三五号同二六年四月一八日判決・刑集五巻五号 九二三頁、最高裁昭和三二年(あ)第二二四七号同三六年七月一九日判決・刑集一 五巻七号一一〇六頁)及びその趣旨に照らして明らかであるから、所論は理由がな く、その余の点は、憲法三一条違反をいう点を含め、実質は単なる法令違反、事実 誤認、量刑不当の主張であって、適法な上告理由に当たらない。  被告人本人の上告趣意のうち、憲法違反をいう点は、現行の死刑制度がその執行 方法を含め憲法三一条に違反しないことは前示のとおりであるから、所論は理由が なく、その余の点は、単なる法令違反、事実誤認の主張であって、適法な上告理由 に当たらない。  なお、所論にかんがみ記録を調査しても、刑訴法四一一条を適用すべきものとは 認められない(本件のうち、「第一審判決判示第一の事案は、被告人が、昭和四七 年九月から同五五年七月までの間に、虚栄心と分不相応な欲求を満たすため金品を 奪取することを企て、女性の部屋に忍び込み、あるいは帰宅途中の女性を待ち伏せ するなどして女性五名を次々に絞殺して金品を強取し、さらに、強盗の用に供する 散弾銃や犯行の足とする自動車等を窃取した上、右散弾銃を用いて金融機関職員等 を襲って金品を強取し、その際、二名を射殺するなどしたという強盗殺人七件(う ち一件は強盗強姦を含む。)、強盗一件、窃盗六件、銃砲及び実包の所持各一件に - を窃取した上、右散弾銃を用いて金融機関職員等 を襲って金品を強取し、その際、二名を射殺するなどしたという強盗殺人七件(う ち一件は強盗強姦を含む。)、強盗一件、窃盗六件、銃砲及び実包の所持各一件に - 1 - 及ぶ極めて凶悪な事犯であって、七人の尊い生命を次々に奪い去った結果の重大性 はいうまでもないところであり、被告人の罪責は極めて重大といわざるを得ない。 また、第一審判決判示第二の事案は、被告人が、昭和五六年一月、右各犯行後に犯 した窃盗罪により執行猶予付きの懲役刑の判決を受けた後、昭和五七年八月から同 五八年一月までの間に、金品を強奪するため通行人に自動車を衝突させて重傷を負 わせたり、犯行の用に供するけん銃の奪取を企て、周到な計画の下に派出所勤務の 警察官を言葉巧みにおびき出し、自動車を衝突させた上、鉄棒で殴打し、警察官に 重傷を負わせてけん銃と実包を強奪し、さらに、これを用いて連続的に強盗や殺人 の事犯を敢行したという殺人一件、強盗殺人未遂一件、強盗致傷三件、強盗一件、 強盗未遂一件、窃盗四件、銃砲及び実包の所持各一件等に及ぶ凶悪、危険な事犯で ある。しかも、被告人は、前記第一の重大事犯を重ねた後、右のように刑の執行を 猶予されたにもかかわらず、何ら反省悔悟することなく、物欲の赴くままその執行 猶予期間中に再び犯行に及び、わずか五か月余の間に、関西地区から東海地区に至 る広域において、前記第二の重大事犯を累行し、一人の尊い生命を奪ったほか、被 害者らに多大の恐怖と苦痛を与えたのみならず、社会に重大かつ深刻な不安を醸成 するに至ったものであり、犯行の態様も、計画的で凶悪、冷酷、残忍というほかな く、特に、殺人の犯行は、抵抗をやめていた被害者の右胸部を至近距離からけん銃 を発射して殺害したものであり、また、強盗殺人未遂の犯行にしても、数メートル の距離から被害者に向け 、冷酷、残忍というほかな く、特に、殺人の犯行は、抵抗をやめていた被害者の右胸部を至近距離からけん銃 を発射して殺害したものであり、また、強盗殺人未遂の犯行にしても、数メートル の距離から被害者に向けてけん銃を発射したが、弾丸がたまたま被害者の胸ポケッ トに入っていたライターに当たって急所をそれたため致命傷を与えるに至らなかっ たというにすぎないものであって、そこには人命に対する尊重の念を全くうかがう ことができず、その犯行の罪質、動機、態様、結果に照らすと、被告人の罪責は誠 に重大というほかはない。そうすると、前記第一の強盗殺人の各犯行が被告人の自 首を契機に捜査機関に発覚するに至った経緯、現在では自己の犯した罪の重大性を - 2 - 自覚し深く悔悟していることなど被告人のために酌むべき事情を考慮しても、前記 第一、第二の各事犯についていずれも被告人を死刑に処した第一審判決の科刑を原 判決が維持したのは、やむを得ないものとして当裁判所もこれを是認せざるを得な い。)。  よって、刑訴法四一四条、三九六条、一八一条一項ただし書により、裁判官全員 一致の意見で、主文のとおり判決する。  検察官飯田英男 公判出席   平成六年一月一七日      最高裁判所第一小法廷          裁判長裁判官    小   野   幹   雄             裁判官    大   堀   誠   一             裁判官    味   村       治             裁判官    三   好       達             裁判官    大   白       勝 - 3 -     勝 - 3 -

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