平成27年9月29日判決言渡同日原本領収裁判所書記官(本訴)平成25年(ワ)第30386号損害賠償等請求事件(反訴)平成26年(ワ)第12202号損害賠償請求反訴事件口頭弁論終結日平成27年7月21日判決茨城県猿島郡<以下略>(商業登記簿上の本店所在地埼玉県幸手市<以下略>)本訴原告兼反訴被告株式会社染めQテクノロジィ同訴訟代理人弁護士宮下文夫東京都北区<以下略>本訴被告兼反訴原告 A同訴訟代理人弁護士安田好弘同西田理英 主文 1 本訴被告は,本訴原告に対し,457万8000円及びこれに対する平成25年8月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 本訴原告のその余の本訴請求をいずれも棄却する。 3 反訴原告の反訴請求を棄却する。 4 訴訟費用は,本訴反訴を通じてこれを3分し,その1を本訴原告兼反訴被告の負担とし,その余を本訴被告兼反訴原告の負担とする。 5 この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。 事実 及び理由第1 請求 1 本訴(1) 本訴被告は,本訴原告に対し,1760万円及びこれに対する平成25 年8月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 (2) 本訴被告は,本訴原告の取引先その他の第三者に対し,本訴原告の「タタミ染めQ」に塗料として欠陥があるとの内容を含む表現,又は本訴原告を,欠陥商品を製造販売する無責任会社と評する内容を含む表現を告知又は流布 は,本訴原告の取引先その他の第三者に対し,本訴原告の「タタミ染めQ」に塗料として欠陥があるとの内容を含む表現,又は本訴原告を,欠陥商品を製造販売する無責任会社と評する内容を含む表現を告知又は流布してはならない。 (3) 本訴被告は,別紙送付先一覧の4社に対し,別紙名誉信用回復措置目録の訂正謝罪文を本判決確定の日から10日以内に送付せよ。 2 反訴反訴被告は,反訴原告に対し,696万8560円及びこれに対する平成26年5月20日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要 1 事案の要旨(1) 本訴本訴原告兼反訴被告(以下「原告」という。)は,原告の製品である「タタミ染めQ」(以下「本件製品」という。)には欠陥がないにもかかわらず,本訴被告兼反訴原告(以下「被告」という。)が同製品には欠陥があるなどとして苦情を申し立てるとともに,本件製品の販売店に対して本件製品及び原告自身について虚偽の内容を記載した書面を配布することにより,原告の名誉・信用を毀損し業務を妨害したことが,主位的には不正競争防止法2条1項14号所定の不正競争に該当し,予備的には民法上の不法行為に該当する旨主張して,被告に対し,不正競争防止法3条1項に基づき「本件製品には欠陥がある」又は「原告は無責任な会社である」旨の表現を行うことの差止め,同法14条ないし民法723条に基づき,営業上の信用ないし名誉の回復措置として上記販売店への謝罪文の送付,並びに不正競争防止法4条ないし民法709条に基づき,損害賠償金1760万円(慰謝料1600万円,弁護士費用160万円,売上げ喪失等による損害950万5000円の合計 2710万5000円の一部請求)及びこれに対する不正競争ないし不法行為後の日である平成25年8月1日から支払済みまで民法所 護士費用160万円,売上げ喪失等による損害950万5000円の合計 2710万5000円の一部請求)及びこれに対する不正競争ないし不法行為後の日である平成25年8月1日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める(なお,原告は,不正競争のみならず不法行為に基づく上記差止めも求めると解されるが,主張自体失当である。)。 (2) 反訴被告は,①自らが購入した本件製品には欠陥があり,同製品を用いても宣伝内容に反し畳が適切に染まらなかった上,その後も,原告が,②本件製品の剥離について不適切な方法を教示し,③被告による正当な苦情申入れに対して法的措置を検討中であるなどと脅し,④本訴という不当訴訟の提起に及んだところ,これらがいずれも被告に対する不法行為に該当する旨主張して,原告に対し,損害賠償金696万8560円(精神的苦痛による損害500万円,実費等16万8560円,弁護士費用180万円の合計額)及びこれに対する反訴状送達の日の翌日である平成26年5月20日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める。 2 前提事実(証拠を摘示した事実以外は,当事者間に争いがない。)(1) 原告は,各種塗料の製造販売を業とする株式会社である。 被告は,不動産の賃貸及び管理等を業とする有限会社豊陽の代表取締役であり,また,個人としてアパートの賃貸業等を行っている。 (2) 本件製品は,使用により黄ばんだ畳をナノテクノロジーに基づく塗料を塗ることで「青色のタタミ」に復活させることをセールスポイントとする畳用塗料である。 なお,本件製品には,日焼けしてより変色した畳に利用するための「濃色エッセンス」という缶がセットになっている(甲2の1)。 (3) 本件製品は,販売店を通じ,一般消費者に販 畳用塗料である。 なお,本件製品には,日焼けしてより変色した畳に利用するための「濃色エッセンス」という缶がセットになっている(甲2の1)。 (3) 本件製品は,販売店を通じ,一般消費者に販売されている。 (4) 被告は,平成25年6月8日,ホームセンタービバホーム板橋小豆沢店にて本件製品を3980円で購入し(乙3),同月11日にも,ビバホーム 赤羽駅店で本件製品を購入したが(乙2),その後,原告に対して,本件製品を用いて畳を染めようとしたがうまくいかない等の苦情を申し立てた。 3 争点(1) 原告による不法行為の成否(2) 仮に上記(1)が肯定される場合,被告が被った損害額(3) 被告による不正競争防止法2条1項14号所定の不正競争の成否(原告の主位的主張)。 (4) 被告による不法行為の成否(原告の予備的主張)。 (5) 仮に上記(3)又は(4)が肯定される場合,原告が被った損害額(6) 仮に上記(3)が肯定される場合,被告による誹謗中傷行為の差止めの必要性の有無(7) 仮に上記(3)又は(4)が肯定される場合,謝罪文送付の必要性の有無 4 争点に関する当事者の主張(1) 争点(1)(原告による不法行為の成否)についてア被告の主張原告は被告に対して以下のとおりの不法行為を行った。 (ア) 欠陥商品の販売本件製品のパッケージには,「わぁ!まるで新品!!」「タタミの質感や風合いを全く変えない!」「だから,誰も塗ったとは気が付かない!」「タタミの風合いはそのまんま。あっという間に日焼けしたタタミが青~いタタミに大変身!」「まるで新品のタタミに貼り替えたように,お部屋も気分もリフレッシュ」といった記載があり,これらの記載は,一般人に対し,通常の使用に供されて経年劣化した畳について, タタミが青~いタタミに大変身!」「まるで新品のタタミに貼り替えたように,お部屋も気分もリフレッシュ」といった記載があり,これらの記載は,一般人に対し,通常の使用に供されて経年劣化した畳について,特に塗装の技術を有しない者が「カンタン」に「タタミの質感や風合いを全く変えない」状態に塗装することが可能であるとの効果を持つとの印象を与える不当表示である。 しかし,実際には,本件製品を用いても,畳は,その毛羽立ちや傷の有無にかかわらず均一に染まらず,また濃色エッセンス入りの本件製品は,その色自体が畳の風合いとはかけ離れた不自然にして異様な緑色であり,本件製品は,そのパッケージで標榜する効果を有しない欠陥商品である。この点は,被告代理人らが本件製品について行った実験結果(乙1)からも明らかである。 原告は,本件製品が実際にはそのパッケージ等で標榜する性能を有しないことを知りつつ,その販売を継続し,被告をして,同製品が,そのパッケージが標榜するとおりの性能を有するものと誤信させ,計5缶(2缶入りセット2組,単品1缶)を購入させた。また,被告が本件製品を畳に用いたところ,畳に本件製品(塗料)がまだら状に付着し,かつ異常な色調を呈するため,通常の使用に耐えない状態となり,かつこれに要した労力を浪費させた。 (イ) 不適切な剥離方法の指示被告が原告に対し,施工した畳から本件製品を剥離する方法を問い合わせたところ,原告はラッカーシンナー薄め液を用いて畳を擦るよう説明し,被告はこれを信じて本件製品の畳からの剥離を試みたが,畳はまだら模様となって醜さが増し,使用できない状態になった。このほか,畳の芯床のポリスチレンフォームが一部溶けるとともに,施工対象の部屋にはラッカーシンナー薄め液の強烈なにおいが充満し,同居室の賃貸が1か月間不可 って醜さが増し,使用できない状態になった。このほか,畳の芯床のポリスチレンフォームが一部溶けるとともに,施工対象の部屋にはラッカーシンナー薄め液の強烈なにおいが充満し,同居室の賃貸が1か月間不可能となった。 (ウ) 内容証明郵便の送付被告は原告に対し,本件製品の欠陥や剥離作業に関する原告の指示の誤りについて正当な苦情を述べたが,原告は,被告に対し,この苦情の申入れが業務妨害ないし名誉毀損になり,法的措置を検討中であるなどとの内容証明郵便を送付し,脅すという不法行為に及んだ。なお,販売 店による本件製品の販売自粛は販売店の判断によるもので被告の責任ではない。 (エ) 本訴の提起原告は,上記(ウ)の被告の正当な苦情について,平成25年11月18日,被告に対し本訴提起に及んだ。これは,事実的,法律的根拠を欠くものであり,また,被告の公的意見表明の妨害を狙って提起されたいわゆるSLAPP訴訟(公的意見表明の妨害を狙って提起される民事訴訟)であるから,被告に対する不法行為に当たる。 イ原告の主張(ア) 被告による本件製品を用いた畳塗装がうまくいかなかったのは,本件製品の品質不良等の欠陥に基づくものではなく,畳が古くて毛羽立っていたこと及び被告が施工を急ぎ早急に塗りすぎたことなど塗装方法の問題が相乗的に重なったためである。とりわけ,本件製品1缶で6畳から8畳を塗るように指示があるにもかかわらず,被告が,6畳に対して所定の3倍半である3缶半の本件製品を用いて過度の重ね塗りを繰り返したために,硬化前の塗膜が重ね塗りした新しい塗料に含まれる溶剤の浸透により一部溶解するなどして濃淡の色むらが極端化したことが疑われる。現に,原告が,本件製品の塗布について実証実験を行ったところ,マニュアルや取扱説明書で示した写 りした新しい塗料に含まれる溶剤の浸透により一部溶解するなどして濃淡の色むらが極端化したことが疑われる。現に,原告が,本件製品の塗布について実証実験を行ったところ,マニュアルや取扱説明書で示した写真とほぼ変わらない効果が得られた(甲14)。このように,本件製品は,取扱説明書及びパッケージ(甲2の1,2)の標榜する塗料としての「性能」を有している。 なお,原告が,本件製品及びその剥離について積極的な性能詐称や誤導を行った事実はない。被告が「性能」の表示と主張するものは,いずれも本件製品のパッケージの箱の外面に広告宣伝文として表示してあるものにすぎない。そして,商品広告のセールストークとしてある程度の誇張的表現が含まれることは,社会通念上許容されており,それを超え た著しい誤認表示のみが禁止されるにとどまるが,本件製品に用いられた広告文言がこれに当たるとは到底いえない。 (イ) ラッカー系の塗料を落とすためにラッカーシンナー又はラッカー薄め液を用いることは,業界で通常行われている方法であり,原告社員が被告から「染めQの剥離方法」を聞かれて,「ラッカーシンナー又はラッカー薄め液」をアドバイスしたことは適切な回答である。 このほか,ポリスチレンフォームがシンナーに溶けることもよく知られた知識であって,被告がこれを知らないというのは不自然である。仮に畳の芯材が溶けたとすれば,被告が無造作に大量のシンナーを連続して投入し,畳をシンナー浸しにした可能性が高く,シンナーとポリスチレンフォームの関係についてプロであるはずの被告が無知識で不用意に大量のシンナーを使いすぎた過失が原因と推認される。 現に,原告が,シンナー溶剤により本件製品の剥離作業を行った後に畳床を確認する実証実験を行ったが,溶解などの結果が生じることもなく,マニュアル 大量のシンナーを使いすぎた過失が原因と推認される。 現に,原告が,シンナー溶剤により本件製品の剥離作業を行った後に畳床を確認する実証実験を行ったが,溶解などの結果が生じることもなく,マニュアルに反するような結果は生じなかった(甲15)。 (ウ) 被告による後記(3)アの行為が,原告に対する信用毀損,業務妨害又は名誉毀損として不法行為に該当することは明らかであり,かつ現実に取扱店舗での販売中止等が広範囲で実施される結果を招来しているのであるから,その旨の通知書(甲6の1)の送付及び本訴提起は適法な権利行使であって,特段の違法性は認められない。 (2) 争点(2)(被告の損害額)についてア被告の主張被告が本件製品の施工及び剥離の作業をするに当たっては,本件製品の購入代金相当額及び使用できなくなった畳6畳のほか,人件費等がかかっている。 また,被告は,原告からの内容証明郵便を受けて以降,民事上の損害賠 償請求や刑事訴追をされるのではないかとの強い不安にさいなまれた。 以上からすれば,前記(1)アの原告の不法行為によって被告に生じた損害額は次のとおりである。 (ア) 精神的苦痛による損害 500万円(イ) 弁護士費用 180万円(ウ) 実費損害合計16万8560円a 本件製品5缶分の代金 9760円b 畳6畳の代金 1800円c 畳の施工・剥離にかけた人件費 7万2000円d 賃貸借契約が不能になった期間の損害 8万5000円イ原告の主張いずれも争う。 (3) 争点(3)(被告による不正競争の成否)及び争点(4)(被告による不法行為の成否)についてア原告の主張(ア) 被告の苦情内容の誤り被告は,平成25年6月10日ころ,原告に対し,「本 争点(3)(被告による不正競争の成否)及び争点(4)(被告による不法行為の成否)についてア原告の主張(ア) 被告の苦情内容の誤り被告は,平成25年6月10日ころ,原告に対し,「本件製品により色帯状濃淡・色飛びが発生し,畳の復活にはほど遠い状況が生じた」旨の苦情(以下「本件苦情1」という。)を申し立てた。また,被告は,同月19日にも,「原告の技術者の指示によりシンナーで塗料を剥離しようとしたが,シンナーが浸透して畳の芯床が溶けた」旨の苦情(以下「本件苦情2」という。)を追加し,同年7月1日には,原告が申し出た塗装方法の実証実験の検分と立会いを拒絶した。しかし,前記(1)イのとおり,これらの苦情内容は誤りであり,被告の不適切な施工方法が原因である。 (イ) 被告による不正競争(主位的主張) 被告は,本件製品によって生じた色帯状濃淡,色飛びの発生原因を見極める努力をすることなく,原告からの実証実験の提案にも応じないまま,同年6月下旬から7月下旬に,株式会社LIXILビバ,ドイト株式会社,株式会社ユニリビング,及び株式会社島忠の4社が経営する本件製品の各販売店(以下「本件販売店」と総称する。)に出向き,一方的に自分の判断のみに基づき,「本件製品は色帯状濃淡や色飛びが出来る虚偽製品だ。畳床が溶ける被害を受けた。」旨等の別紙「侵害的表現一覧」記載の原告の信用・名誉を毀損する表現が盛り込まれた申入書(甲3及び4,それぞれ「本件申入書1」「本件申入書2」といい,これらを「本件申入書」と総称する。)を配布し,苦情を申し入れると共に販売責任を追及するなど,別紙「名誉信用毀損行為一覧」記載の各侵害行為を行った。 被告による上記行為は,不正競争防止法2条1項14号所定の信用毀損行為に当たる。 すなわち,被告は,長年不動産 に販売責任を追及するなど,別紙「名誉信用毀損行為一覧」記載の各侵害行為を行った。 被告による上記行為は,不正競争防止法2条1項14号所定の信用毀損行為に当たる。 すなわち,被告は,長年不動産高級物件の清掃及び不動産賃貸業を営んでおり,被告の経営する会社は,実体上被告が個人で経営していると認められるところ,原告は,塗料の製造販売にとどまらず,不動産関係を含むビジネスパートナーと組んでリニューアル施工も手がけているのであるから,不動産関係事業としては将来役務の競争関係として潜在的競争関係が生じうるし,双方の営業につきその需要者又は取引者を共通にする可能性もあるので,原被告間には「競争関係」が認められる。 また,「営業上の信用」とは,人の経済価値に対して他人が与える価値判断という外部的信用であり,商品が「欠陥商品」ではないことに対する消費者の信頼も含まれる。被告が,平成25年6月下旬から7月下旬に,本件販売店に出向き,本件製品が欠陥商品であると申し入れ,本件申入書を配布し,暗に本件製品の販売自粛を求めたことが,原告の営 業上の信用を害したことは明らかである。 「虚偽の事実」とは,実際の事実と相違したものであれば足り,同事実が具体的に指摘されたことを必要としない。また,被告の発言や侵害表現は,公正で合理的な知見を示して本件製品の商品としての欠陥を論じるというような体裁ではなく,自己の1回限りの経験に基づき,一方的に商品に欠陥がある旨断定するものであり,学術的技術的批判の内容を持つものではなく,「虚偽事実の告知流布」に該当することは明らかである。 以上のとおり,被告が別紙「侵害的表現一覧」の表現を別紙「名誉信用毀損行為一覧」のとおり本件販売店に告知配布した行為が,全体として競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実の かである。 以上のとおり,被告が別紙「侵害的表現一覧」の表現を別紙「名誉信用毀損行為一覧」のとおり本件販売店に告知配布した行為が,全体として競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実の告知又は流布に当たることは明らかであり,不正競争防止法2条1項14号所定の信用毀損行為が成立する。 (ウ) 被告による不法行為(予備的主張)被告が別紙「侵害的表現一覧」の表現を別紙「名誉信用毀損行為一覧」のとおり本件販売店に告知配布した行為は,原告の信用・名誉等を侵害するものである。 また,被告は,客観的な根拠もなく,本件製品の商品としての欠陥を主張して,偽計により原告の業務を妨害した。 被告の苦情活動は,目的において,原告に対し過大な賠償の請求(甲5,「損害賠償請求書」と題する書面参照)をしており,手段としても,相当性を著しく逸脱した苦情申立てをしているものであって,いずれの点からも免責されない。 また,被告の苦情活動は,「欠陥」の真偽を公正な手続で確認しないまま,ともかく流通を止めることを目的として行われたものであり,明らかに「公正な論評の域」を超えている。 イ被告の主張(ア) 不正競争の主張について被告は,単に建物(賃貸マンション)を賃貸・管理する者にすぎず,ビル清掃業を営んではおらず,原告と競争関係にはないから,両者が競争関係にあることを前提とする主張は失当である。 また,被告は,消費者として本件製品の欠陥を指摘し,原告の不誠実な態度を非難し,被った損害の賠償を請求したものであって,被告の行為は当然に許容されるものである。 そして,本件申入書1(甲3)は真実を摘示したものであって,何ら不正競争防止法に抵触するものではない。 なお,被告は,原告に対しては,本件製品の欠陥を指摘し,苦情を述べたが 容されるものである。 そして,本件申入書1(甲3)は真実を摘示したものであって,何ら不正競争防止法に抵触するものではない。 なお,被告は,原告に対しては,本件製品の欠陥を指摘し,苦情を述べたが,本件販売店に対しては,苦情や本件製品の販売停止,損害賠償を求めたことはない。被告は,畳を原状に戻そうとして,原告に教示されたラッカーシンナーを買い求めて本件販売店に問い合わせた際,本件販売店の質問に応じて状況を説明したにすぎない。 (イ) 不法行為の主張について被告は,一消費者の立場から本件製品を購入し,それを通常の注意をもって使用した結果,感じた問題点やそれを指摘した際の原告の対応を本件申入書に記載し,これに対する評価を加えたものである。このように,本件申入書は,自己の体験事実に基づく一消費者としての意見表明にすぎないから,これを本件販売店に配布した行為に違法はない。 本件製品が市場に流通していること,原告会社が社会的存在であることからして,これに対する論評は,公共の利害に関する表現活動として厚く保護されるべきものである。 (4) 争点(5)(原告の損害額)についてア原告の主張 (ア) 被告による前記不正競争行為ないし不法行為の結果,本件販売店は,本件製品を店頭から撤去して販売を自粛し,在庫商品を原告に返品するなどの対応をやむなくされており,これによる原告の消費者社会での信用毀損及び名誉毀損を慰謝するためには,本件販売店4社での損害発生を考慮して1600万円を下らない。 (イ) 本件販売店が本件製品の販売を中止して在庫商品を返品したことによる原告の損害は,以下のとおり,合計950万5000円である。 株式会社LIXILビバ(店舗名「ビバホーム」)年間売上高60万円×10年間=600万円 を中止して在庫商品を返品したことによる原告の損害は,以下のとおり,合計950万5000円である。 株式会社LIXILビバ(店舗名「ビバホーム」)年間売上高60万円×10年間=600万円(売上喪失見込額)返品による実損害額134万円ドイト株式会社(店舗名「ドイト」)年間売上高20万円×10年間=200万円(売上喪失見込額)返品による実損害額5万円株式会社ユニリビング(店舗名「ユニディ」)年間売上高24万円×2ヶ月間=4万円(売上喪失見込額)株式会社島忠(店舗名「島忠ホームセンター」)年間売上高15万円×半年間=7万5000円(売上喪失見込額)(ウ) 原告の弁護士費用としては160万円が相当である。 (エ) 原告の損害額は,以上の合計額2710万5000円であるが,その一部請求として1760万円の支払を請求する。 (オ) なお,本件の事件発生後,ビバホームでは,本件製品以外の原告の新商品についても販売取扱いを受け付けない対応であり,今後,更に継続的に導入拒否状態が続く見込みである。これは,被告の苦情活動により原告の信用が毀損されたことによる派生的損害であり,これによる将来的売上喪失も相当の損害になる見込みがある。 イ被告の主張 いずれも争う。仮に,本件販売店が,被告の申入れ等の結果,本件製品の販売を停止したとしても,それは各販売店の判断に基づくものであり,一消費者にすぎない被告の意見表明によるものとはいえない。 (5) 争点(6)(差止めの必要性)についてア原告の主張原告が,被告の不正競争行為に対し,侵害行為を停止すべき旨を通知した(甲6)ところ,被告は 意見表明によるものとはいえない。 (5) 争点(6)(差止めの必要性)についてア原告の主張原告が,被告の不正競争行為に対し,侵害行為を停止すべき旨を通知した(甲6)ところ,被告は,自己の行為の正当性を主張する反論の回答(甲7)を送りつけたほか,電話による同旨の申入れを行い,反省の態度を示していない。以上からすれば,今後も侵害行為の継続が予想され,差止めの必要性が認められる。 イ被告の主張争う。 (6) 争点(7)(謝罪文送付の必要性)についてア原告の主張(ア) 被告は,正当な検証手続を経ず,第三者機関の判断又は関与を求めることもなく,自己のただ1回の塗装経験から既に長年販売実績を有する本件製品を「虚偽商品」等と断定して告知し,これを書面化して現に本件製品を販売中の本件販売店4社に流布させ,同製品の販売中止又は原告への返品を強いたものであり,その違法性は極めて強く,その毀損又は侵害の結果は現在も回復されておらず,販売取扱いの再開もされていない。 (イ) また,原告が求める訂正謝罪文の内容は,単に本件申入書の内容の訂正及び謝罪を求めるものにすぎず,必要最小限の負担を求めるものであって,被告の侵害行為により原告が失った営業上の信用又は社会的名誉及び信用がまだ回復されていない以上,手段としての相当性も認められる。 イ被告の主張争う。謝罪広告に係る原告の請求は相当性を欠き,失当である。 第3 当裁判所の判断 1 認定事実証拠(甲1ないし5(枝番を含む。),8ないし16(枝番を含む。),20の1及び2,23,29,30,35の1ないし5,37,39,41の2及び3,43ないし45,乙2,3,5(後記認定に反する部分を除く。),証人C,証人B,被告本人(後記認定に 枝番を含む。),20の1及び2,23,29,30,35の1ないし5,37,39,41の2及び3,43ないし45,乙2,3,5(後記認定に反する部分を除く。),証人C,証人B,被告本人(後記認定に反する部分を除く。))及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 (1) 当事者被告は,個人としてアパートの賃貸業を行うほか,同アパートの清掃や塗装,リフォームも行っている。このほか,被告は,素材原料業等を営む有限会社豊陽の代表者でもある。 他方,原告は,「タタミ染めQ」という畳の塗料(本件製品)の販売等を業とする株式会社であり,「染めQリニューアル」として,古くなったものの素材の質感を変えずに染めQの技術で塗替えリフォームを行うほか,不動産関連の事業をも行っている(甲20の2)。 (2) 本件製品ア本件製品(畳の塗料)は,独自のナノテクノロジー技術を応用し,塗料に含まれる色素分子をナノサイズに微小化することで,通常の粒子では入れない微細な隙間に入り込むことにより,接地面を増やすとともに密着効果を増大させ,従来は塗布に適しないとされていた畳等に対しても,染めるという感覚での塗布を可能にしたものとされる(甲8,20の1,45)。 なお,本件製品は,その発売前に受けた公的機関の検査により,健康被害を生じうる重金属につき制限を超えては含まないこと(甲9),耐候性 試験により十分な耐候性があること(甲10)が認められ,また,シックハウス症候群対策として,建築基準法上使用制限の定めのあるホルムアルデヒドの放散等級区分について受けた公的機関の審査により最上級の「F☆☆☆☆」の認定を得て,制限なく使用できる資格を証明された(甲11)ものである。 また,本件製品の品質検査の結果によれば,本件製品の物性・ について受けた公的機関の審査により最上級の「F☆☆☆☆」の認定を得て,制限なく使用できる資格を証明された(甲11)ものである。 また,本件製品の品質検査の結果によれば,本件製品の物性・成分ともに正常であって(甲12),本件製品の製造工程において異物が混入した痕跡はない(甲13)。 このほか,本件製品は,色素の溶剤としてトルエン,酢酸エチルなどを含むシンナー系溶剤を使用しているため,シンナー系塗料特有の異臭や過度の吸引による健康への影響がある。もっとも,この点は,本件製品のみの問題ではなく,シンナー系溶剤で組成されている塗料に共通の問題である。 なお,原告では,本件製品について苦情の申立てを受けたことはあるが,これまで本件のような問題が生じたことはなかった。 イ本件製品のマニュアル(甲2の1)には,以下の記載がある。 (ア) 「1缶で約6畳~8畳分(塗りすぎるとムラの原因になります。)」(イ) 「畳の日焼け度合い,キズ,色の濃いシミなどにより,仕上りの色合いは異なります。」(ウ) 「注:『あまり色がつかない』と思われても,同じところを繰り返し塗らず,一気に全部を仕上げてください。時間が経つと,徐々に色が浮き上がってきます。もっと濃い色にしたいという場合は,1週間くらい後に再度同じ作業をしてください。」(エ) 「キツイ臭いがします。換気をしながら作業してください。」ウ本件製品のパッケージ(甲2の2)には,以下の記載がある。 「復活」「カンタン」「キレイ」「アンビリーバブル!」「青~いタタミ!!」「わあ!まるで新品!!」「驚きのナノテクノロジー!!」「タタミの質感や風合いを全く変えない!」「だから,誰も塗ったとは気がつかない!」「しかも,その後の日焼け防止にも効果大!」「畳約6~8畳 !」「わあ!まるで新品!!」「驚きのナノテクノロジー!!」「タタミの質感や風合いを全く変えない!」「だから,誰も塗ったとは気がつかない!」「しかも,その後の日焼け防止にも効果大!」「畳約6~8畳分」「一般の塗料とは違い,粒子が細かいから,ベタっと厚塗りにならず,タタミの風合いはそのまんま。」「あっという間に日焼けタタミが青~いタタミに大変身!」「まるで新品のタタミに張り替えたように,お部屋も気分もリフレッシュ!」「スポンジ塗りタイプだから,誰にでもカンタンにできちゃう!」(3) 被告による本件製品の購入と使用被告は,平成25年5月に,自らの賃貸アパートから賃借人が1名退去したため,部屋のリニューアルを企画し,畳替えに取りかかろうとしたが,入居希望者がいるため早急にリニューアルしようと考え,同年6月8日ころ,ホームセンタービバホーム板橋小豆沢店に行った。被告は,同店舗にて,本件製品を見つけ,そのパッケージに前記(2)ウの記載があることを確認した上で,1箱(2缶入り)を3980円で購入し,同月9日,自らのアパートの2階の6畳の畳に本件製品を塗布したところ,畳はまだら状態になった。 被告は,同月11日,ビバホーム赤羽駅店にて,本件製品をもう1箱購入し,畳に再度本件製品を塗布したが,まだらになった状態は改善しなかった。 結果的に,被告は,6畳の畳に約3缶半の本件製品を用いて何度も重ね塗りした。 なお,一般に畳の張り替えは,1畳につき6000円ないし8000円程度かかる(甲16の1及び2)。 (4) 被告による苦情ア被告は,同月10日ころ,原告に対し,畳がうまく染まらず,色飛びが できるとの苦情(本件苦情1)を申し立て,原告の担当者がシンナーで塗料を落とせることを説明したが,これもうまくいかなかったとして,同 ,同月10日ころ,原告に対し,畳がうまく染まらず,色飛びが できるとの苦情(本件苦情1)を申し立て,原告の担当者がシンナーで塗料を落とせることを説明したが,これもうまくいかなかったとして,同月14日にも原告に対する苦情を電話で申し立てた。 なお,被告は,このとき電話で応対をした原告の取締役であるB(肩書は「相談役」であり,以下「B」という。)が電話を途中で切ったとして不満を述べていたが,これは被告の電話が非常に長い上,Bはこのとき別の顧客に対応中であって,同対応が終了した後に被告に連絡すると述べた上で電話を切り,同対応終了後,実際に被告に再度電話連絡したものである。 B及び原告の担当者1名は,同月17日,被告のアパートを訪れ,原告の社員による再塗装並びに本件製品の購入代金及び畳の代金の弁償を提案したが,被告は同提案を拒否した。 また,原告の担当者が,同月18日,再度,被告のアパートを訪れ,実証実験を提案したが,被告はこれを拒否し,原告の社長との面談を要求した。 被告は,同年7月1日,妻とともに原告を訪れ,原告の代表者やBに対して苦情を申し立てた。原告は,その際,本件製品や畳の代金の弁償及び実証実験を再度提案したが,被告はいずれも拒否した。 イその後も,被告は,原告に対し,同様の苦情申立てを繰り返したほか,原告の技術者からの指示によりシンナーを用いて塗料(本件製品)の畳からの剥離を試みたところ,畳の芯床にシンナーが浸透して床が溶けたとの苦情(本件苦情2)をも申し立てた。 もっとも,ラッカーシンナーは溶解力が強く,塗料を落とすことができるため,原告の技術者による上記指示は合理的なものである(甲35)。 また,通常の剥離作業におけるシンナーの使用量や使用方法では,シンナーが畳表を浸透して芯床を溶かすなどの結果は想定 とすことができるため,原告の技術者による上記指示は合理的なものである(甲35)。 また,通常の剥離作業におけるシンナーの使用量や使用方法では,シンナーが畳表を浸透して芯床を溶かすなどの結果は想定できない。 ウ被告は,同年6月14日,ドイト板橋志村店に電話して,ラッカーシンナーの有無につき問い合わせた。その際,被告は,本件製品についての不満を述べ,同店で本件製品を販売していることへの苦情を申し立てた。このほか,被告は,同月下旬から同年7月下旬にかけて,ユニディ川口店,ビバホーム板橋前野町店及び島忠川口朝日店を複数回訪れ,その際にも,本件製品は欠陥製品であって,同製品を販売していることが問題であるなどと述べた。 エ被告は,本件製品や原告に対する苦情等を記載した本件申入書1(甲3),本件製品を用いて塗った畳の状態を撮影した複数の写真に被告のコメントを加えた本件申入書2(甲4)を原告に交付して損害賠償を求めるとともに,本件販売店4社においても,本件申入書を交付するなどして,本件製品の販売を続けることは問題であると繰り返し述べた。 本件申入書1及び2には,別紙「侵害的表現一覧」記載の表現が存在する。 このほか,被告は,同年7月24日ころ,原告に対し,「商品使用による損害賠償請求書」と題する書面(甲5)を提示して,PL法等に基づく損害賠償を求めるとし,5日以内に現金で支払うよう述べた。同書面上,請求内容としては「そめQ5本の購入代金」「そめQ購入経費3回分」「大建タタミ6畳床込代金及び設置費」「大建タタミ張替1畳分の張替費」「御社技術等への電話費用(携帯より)」「御社技術指導による剥離作業人件費2名4日分」「御社への訪社費用及び人件費2名1日分」「被害による賃貸費未収入分(6月14日~7月14日まで1ヶ月分)」「被害による 術等への電話費用(携帯より)」「御社技術指導による剥離作業人件費2名4日分」「御社への訪社費用及び人件費2名1日分」「被害による賃貸費未収入分(6月14日~7月14日まで1ヶ月分)」「被害による慰謝料2名分」「被害による賃貸費未収入分(7月14日以後弁済完了まで日割り賃料)」と記載されているが,具体的な請求金額は記載されていない。 オ原告は,その後,弁護士に相談した上で,同弁護士を通じて,被告に対 し,同年8月2日付け通知書(甲6の1)を送付し,本件販売店に対する苦情申立て等の業務妨害を停止するよう申し入れたところ,それ以降,被告による本件販売店への働きかけはなくなった。なお,被告は,原告に対し,同月6日付けの反論書面(甲7)を送付した。 (5) 本件販売店4社への影響本件製品を扱っていた本件販売店4社のうち,株式会社LIXILビバが経営するビバホームでは,本件製品を原告に返品したほか,販売中止の状態が続いている。 具体的には,原告は,本件販売店のうち最大手であるビバホームから,以下の①ないし③のとおり本件製品の返品を受けた(着払送料合計7万8000円)。 ①「タタミ染めQ」の返品343個×卸単価2160円=74万0880円②「二代目」の返品260個×卸単価1753円=45万5780円③「単品」の返品37個×卸単価1834円=6万7858円また,ドイト株式会社が経営するドイトも,本件製品(28個×卸単価1819円=5万0932円)を原告に返品したほか,本件製品の販売中止の状態が続いている。同様に,株式会社島忠が経営する島忠ホームセンターにおいても,本件製品の販売中止の状態が続いている。 他方,株式会社ユニリビングが経営するユニディでは,返品もなく,本件製品の販売は従前どおり行われている。 なお,ビバホー する島忠ホームセンターにおいても,本件製品の販売中止の状態が続いている。 他方,株式会社ユニリビングが経営するユニディでは,返品もなく,本件製品の販売は従前どおり行われている。 なお,ビバホームは,原告の新商品についても販売中止としており,同措置による原告への影響は,本件製品の販売中止による原告への影響を上回っている。 原告は,同年8月2日ころ,本件販売店に対し,被告の本件製品への苦情申立てに関する原告の方針と今後の対応を書面(甲43)にして送付し,理解を求めた。本件販売店は,いずれも本件訴訟の帰すうを見守っている。 (6) 適切な塗装方法等ア塗装において重要なことは下地処理であり,塗装に最適な状態とは,表面がしっかり固まり余分な付着物がないこと,余計な凹凸がなく適度なひっかかりがあることである(甲23)。 また,刷毛塗りにおいては,技能習熟度の影響が出やすい(甲25)。 塗装の過程においては,様々なトラブルや欠陥が発生する可能性があり,その原因としては,塗料自体,被塗物,塗装作業,天候や環境などの外的要因,またこれらが複雑に絡み合っていることが多い(甲27)。 イ原告が実際に本件製品を古い畳に塗布して,その効果と仕上がり状態を確認したところ,約5年間使用された畳が,若干のムラはあるとしても,一定程度青い状態に回復された(甲14,29)。また,本件製品を塗布済みの畳から,ラッカーシンナーを用いて塗料(本件製品)を剥離したところ,ポリスチレンフォームの畳床にラッカーが浸透することなく,畳床が溶けることもなかった(甲15,30)。 2 争点(1)(原告による不法行為の成否)について(1) 本件製品の欠陥の有無について被告は,本件製品の欠陥の内容として,本件製品がそのパッケージ記載の宣伝文言どおりの性 30)。 2 争点(1)(原告による不法行為の成否)について(1) 本件製品の欠陥の有無について被告は,本件製品の欠陥の内容として,本件製品がそのパッケージ記載の宣伝文言どおりの性能を有しない点を指摘するので,本件製品の客観的欠陥の有無と宣伝広告文言の適否に分けて検討する。 ア客観的欠陥の有無について(ア) まず,前記1(2)ア及び(6)イの認定事実によれば,本件製品が客観的な欠陥を有するものとは認められない。 (イ) この点に関し,被告は,自らが行った実験結果(乙1)を根拠として,本件製品には欠陥がある旨主張する。また,被告は,畳業を営むD作成の意見書(乙6)をも提出し,同意見書は,①本件製品は畳の機能を改善させることはなく,むしろ劣化させている,②本件製品の宣伝広 告文句は事実に反し不適切である,③本件製品の溶剤であるシンナーの主成分トルエンは,中枢神経麻痺作用等の毒性が強く,屋内での使用は制限されており,本件製品は健康被害を惹起するおそれがあり,不適切であるなどと指摘する。 まず,上記実験(乙1)の結果からすれば,確かに,畳に本件製品を塗布した結果,色の濃淡が生じている部分があり,一様ではないが,本件製品を塗る以前の畳と比較すると,特に「濃色エッセンス」を用いた部分は鮮やかな緑ないし青色になっており,以上からすれば,本件製品には古い畳を一定程度青くするという効果があるものと認められる。 同様に,前記1(6)イのとおり,原告が実際に本件製品を古い畳に塗布して,その効果と仕上がり状態を確認したところ,約5年間使用された畳が,若干のムラはあるとしても,一定程度青い状態に回復されたものである。 そして,前記1(2)アのとおり,本件製品に含まれる重金属等はいずれも限度内であり,本件製品のホルムアルデ 年間使用された畳が,若干のムラはあるとしても,一定程度青い状態に回復されたものである。 そして,前記1(2)アのとおり,本件製品に含まれる重金属等はいずれも限度内であり,本件製品のホルムアルデヒド放散量にも問題がなく,本件製品の物性・成分ともに正常であり,本件製品の製造工程において異物が混入した痕跡はないものである。 以上からすれば,本件製品が,畳の機能を改善せず劣化させているとは認められず,むしろ,本件製品は,畳を一定程度青い状態に回復させる機能を有し,安全性の基準をも充たすことが認められる。 また,塗料の溶剤としてシンナーが用いられる点は,本件製品に限られることではない上,この点に関し,前記1(2)イ(エ)のとおり,本件製品のマニュアルには換気の必要性につき記載されているから,この点により本件製品に欠陥があるとはいえない。 (ウ) さらに,被告は,自らが本件製品を使用した際に,指示どおりに塗装してもパッケージで標榜された効果が得られなかった,畳の表面を薄 緑色に着色しても「新品の畳に塗り替えたような」外観を呈することはなく,また濃色エッセンスを加えて塗ると,まだら状の色むらが生じ,畳の質感や風合いは著しく変わったなどと主張する(このうち,宣伝広告文言の適否の点は,後記イで別途検討する。)。 しかし,前記1(2)イ(ア)及び(3)のとおり,本来は,本件製品1缶で畳6ないし8畳を塗るべきところ,被告は,本件製品約3缶半を用いて畳6畳を何度も重ね塗りし,所定の量よりも極めて多量の本件製品を畳に塗布したものであるから(なお,被告は,本件製品3缶半全てを用いたわけではないと供述するが,同供述は被告の塗装方法が問題となった後に行われたものであって,それ以前に作成された本件申入書1の内容に照らし,採用できない。),こ お,被告は,本件製品3缶半全てを用いたわけではないと供述するが,同供述は被告の塗装方法が問題となった後に行われたものであって,それ以前に作成された本件申入書1の内容に照らし,採用できない。),このように誤った方法で塗布を行った以上,畳が新品のようにならず,まだら状の色むらが生じた原因が本件製品の欠陥によるとは認められない。 このように,被告が,本件製品を畳に用いても思うような結果が得られなかったのは,極めて大量の本件製品を用いて重ね塗りをするなど,使用方法が不適切であったことが主な原因であるものと認められるほか,前記1(6)アからすれば,施工対象である畳の状態や,被告の塗装作業における習熟度にも原因があったものと考えられる。 したがって,被告の上記主張も採用できない。 イ本件製品の宣伝広告文言の適否について次に,本件製品の宣伝広告文言の適否について検討すると,確かに,本件製品のパッケージには,「まるで新品」「タタミの質感や風合いを全く変えない」など,証拠(甲14,乙1)からしても誇大で不適切な宣伝文言が存在するといわざるを得ない。 しかしながら,前記1(2)イ及び(3)のとおり,一般に畳の張り替えは1畳につき6000円ないし8000円程度かかるものであるのに対し,本 件製品は1缶で約6ないし8畳分の畳を塗ることができるところ,被告は本件製品の2缶分を3980円で購入したものである。 また,証拠(甲31ないし34の3)によれば,日用品等に関して「新品同様の切れ味に」「新品の畳色に」「まるで新品みたい」等の誇大な部分を含む内容と解される広告が少なからず存在する事実が認められる。 以上からすれば,本件製品は比較的安価に畳面を修繕するための塗料というべきであって,畳が古くなった場合にも,価格を考慮した上で,畳の張替えまで と解される広告が少なからず存在する事実が認められる。 以上からすれば,本件製品は比較的安価に畳面を修繕するための塗料というべきであって,畳が古くなった場合にも,価格を考慮した上で,畳の張替えまではせずに,本件製品を購入し,畳面にこれを塗布して畳の色を一定程度青くすることで済ませる者がいると考えられるところ,一般消費者としても,本件製品の価格等からすれば,パッケージの宣伝文言にかかわらず,本件製品の性能につき過度な期待は持たないであろうと解されるから,本件製品のパッケージにおける宣伝文言が,許容範囲を超えた違法なものであるとまでは未だ認められない。 ウ以上のとおり,本件製品に客観的な欠陥があるとは認められず,また,本件製品のパッケージにおける宣伝文言に誇大な部分があることは事実であるが,違法であるとまでは未だいえない。 (2) 原告による剥離方法の指示の適否について被告は,原告の技術担当者が被告に対し,本件製品を塗布した畳から塗料を剥離するためにシンナーを用いるよう勧めた点が不適切であった旨主張する。 しかし,前記1(4)イのとおり,ラッカーシンナーは溶解力が強く,塗料を落とすことができるものであり,原告の技術担当者が被告に対し,シンナーを用いるよう勧めたことに問題はなく,不当ではない。 さらに,被告は,シンナーを用いて塗料を剥離しようとしたところ,畳床ポリスチレンフォームが溶けたなどとも主張するが,同事実を認めるに足りる証拠はない上,仮に同事実が認められたとしても,前記1(4)イのとおり, 通常の剥離作業におけるシンナーの使用量や使用方法では,シンナーが畳表を浸透して芯床を溶かすなどの結果は想定できず,これは被告が塗料を畳から剥離しようとして,通常の使用量を超えた大量のシンナーを不適切な態様で 業におけるシンナーの使用量や使用方法では,シンナーが畳表を浸透して芯床を溶かすなどの結果は想定できず,これは被告が塗料を畳から剥離しようとして,通常の使用量を超えた大量のシンナーを不適切な態様で用いた結果であるものと考えられる。 現に,前記1(6)イのとおり,原告が,本件製品を塗布済みの畳から,ラッカーシンナーを用いて塗料(本件製品)を剥離したところ,ポリスチレンフォームの畳床にラッカーが浸透することなく,畳床が溶けることもなかったものである。 (3) 原告による内容証明郵便の送付及び本訴の提起について被告は,本件製品の欠陥や剥離作業に関する原告の指示の誤りについて苦情を述べた(本件苦情1,2)ところ,原告がこれについて法的措置を検討中である旨の内容証明郵便を送付したり本訴を提起したことが不法行為に当たる旨主張する。 しかしながら,上記(1)及び(2)の説示に照らせば,本件苦情1及び2の内容はいずれも誤った不当なものであるから,原告がこれについて法的措置を検討中である旨の内容証明郵便を送付したり損害賠償等を求める本訴を提起したことは,原告による正当な権利行使であって,これらが被告に対する不法行為に当たるとは到底認められない。 (4) 以上からすれば,その余について判断するまでもなく,被告による反訴請求は理由がない。 3 争点(3)(被告による不正競争の成否)について(1) 被告が原告や本件販売店に対して行った行為は,前記1(4)のとおりであると認められるところ,原告は,被告が本件販売店に対して行った原告や本件製品の誹謗中傷が不正競争防止法2条1項14号所定の不正競争に該当する旨主張する(主位的主張)ので,検討する。 (2) 同号の規定の趣旨に照らして,必ずしも現実の市場における競合が存在 しなくて の誹謗中傷が不正競争防止法2条1項14号所定の不正競争に該当する旨主張する(主位的主張)ので,検討する。 (2) 同号の規定の趣旨に照らして,必ずしも現実の市場における競合が存在 しなくても,市場における競合が生じるおそれがあれば,同号所定の「競争関係」が肯定されると解すべきであり,具体的には,需要者又は取引者を共通にする可能性がある場合など,将来において同種の商品,役務を提供しうる関係にあれば,競争関係が認められるというべきである。 前記1(1)のとおり,被告は,個人としてアパートの賃貸業を行うほか,小規模ではあるが同アパートの清掃や塗装,リフォームも行っており,他方で,原告は,本件製品(畳の塗料)の販売等を業とする株式会社であるが,「染めQリニューアル」として,古くなったものの素材の質感を変えずに染めQの技術で塗替えリフォームを行うほか,不動産関連の事業をも行っている。このように,原告と被告は,不動産の塗装,リフォーム事業において,需要者又は取引者を共通にする可能性があるといえるから,原被告間の「競争関係」を肯定することができる。 (3) 被告の本件販売店に対する行為,すなわち,原告の製品である本件製品には欠陥があり,このような製品を取り扱うべきではない旨及び原告が「いい加減な会社」「無責任会社」である旨を本件販売店に告げる行為は,会社としての原告及びその製品である本件製品を批判するものであり,原告の営業上の信用を害することは明らかである。 そして,被告は,「本件製品には欠陥がある」旨告げていたところ,前記2(1)のとおり,本件製品に欠陥があるとは認められないから,「本件製品に欠陥がある」との内容は虚偽の事実に当たる。また,原告が「いい加減な会社」「無責任会社」であるとの表現は,それ自体は評価を示すものである おり,本件製品に欠陥があるとは認められないから,「本件製品に欠陥がある」との内容は虚偽の事実に当たる。また,原告が「いい加減な会社」「無責任会社」であるとの表現は,それ自体は評価を示すものであるが,本件申入書には,原告が欠陥のある本件製品を販売し,同製品を用いても畳がうまく染まらず,原告が被告による苦情にも誠実に対応せず,剥離に関して不適切な指示をしたなどの事実が記載されており,これらの事実を前提として原告が無責任な会社であるとの評価が記載されているため,無責任な会社等の評価は摘示された前提事実に基づくものであり,かつその前提事 実に誤りがある(前記2のとおり,被告による本件苦情1及び2の内容はいずれも誤りである。)から,全体としてみれば「虚偽の事実」に該当するというべきである。 さらに,被告は,「虚偽の事実」が記載された本件申入書を本件販売店に交付したり,その内容を告げたりしており,これは事実の「告知」に当たる。 以上からすれば,被告による本件申入書の交付等は,競争関係にある原告の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知する行為であって,不正競争防止法2条1項14号所定の不正競争に該当する。 (4) なお,被告は,被告自身が本件販売店に対して本件申入書を交付したものではなく,本件販売店がこれらをコピーしたにすぎず,また,被告は本件販売店に対して本件製品の販売中止を求めたわけではないと供述する。 しかし,そもそも書面を交付すること自体が「事実の告知」の要件ではない上,証拠(甲46)によれば,被告が,少なくともユニディ川口店に対して本件申入書を交付し,本件製品の販売中止を求めた事実が認められる(本件製品を販売し続けることが問題であると述べることは,本件製品の販売中止を求めることと実質的に同じである。)から,被告の上記 対して本件申入書を交付し,本件製品の販売中止を求めた事実が認められる(本件製品を販売し続けることが問題であると述べることは,本件製品の販売中止を求めることと実質的に同じである。)から,被告の上記供述は採用できず,かえって,同事実及び証拠上明らかである本件製品に関する被告の苦情申立ての執拗さ等からすれば,本件販売店のうちユニディ以外の販売店に対しても,被告が本件申入書を自ら交付した上で,本件製品の販売中止を求めたものと認めるのが合理的であり,現に,原告の従業員であり被告の苦情対応をしていたCも,本件販売店の担当者等からその旨聞いたと証言している。 このほか,被告は,本件申入書を原告や本件販売店に交付等したのは,被告自身の損害賠償を求めるためではなく,欠陥のある本件製品をこれ以上販売させないためという公益目的であるなどと主張する。 しかし,そもそも前記のとおり,本件製品に欠陥があるとは認定できない上,被告が原告に対して書面(甲5)を交付して,具体的金額は不明である もののPL法等に基づく法外な損害賠償を求めていたことからすれば,被告が専ら公益目的で行動していたなどとは認められない。 (5) 以上のとおり,被告の行為が原告に対する不正競争(主位的主張)に該当することが認められる。なお,後記のとおり,仮に一般不法行為(予備的主張)に基づく損害額を検討したとしても,不正競争に基づく損害額と何ら変わるものではないから,予備的主張については判断の必要がない。 4 争点(5)(原告の損害額)について(1) 前記3のとおり,被告は,本件製品に真に欠陥があるか否かを正確に検証することもせず,本件販売店4社に対し,本件製品に欠陥がある等の虚偽の内容が記載された本件申入書を交付するなどして不正競争防止法2条1項14号所定の信用毀損行為を行 真に欠陥があるか否かを正確に検証することもせず,本件販売店4社に対し,本件製品に欠陥がある等の虚偽の内容が記載された本件申入書を交付するなどして不正競争防止法2条1項14号所定の信用毀損行為を行ったものであるから,被告が上記行為を行うにつき,少なくとも過失があったものと認められ,被告は原告に対し損害賠償責任を負う(同法4条本文)。 そして,前記1(5)のとおり,原告は,株式会社LIXILビバから本件製品の合計134万2518円分(着払送料を含む。)の返品を受け(「タタミ染めQ」の返品に関する74万0880円,「二代目」の返品に関する45万5780円,「単品」の返品に関する6万7858円,及び着払送料7万8000円の合計額),ドイト株式会社からも5万0932円分の返品を受けた。 しかし,上記のうち,着払送料7万8000円は原告の損害と認められるが,本件製品の返品を受けたからといって,それが無価値になったことの立証はない(現に,株式会社ユニリビングでは本件製品の販売が従前通り行われている。)から,その余の返品額が直ちに原告の損害となるとは認められない(原告が多額の返品を受けるという影響を被ったという点については,後記無形損害の算定について考慮する。)。 なお,株式会社LIXILビバ,ドイト株式会社及び株式会社島忠は,被 告による苦情申立て等のため,本件製品の取扱いを停止しているが,被告の苦情申立て等がなかった場合に見込まれる本件製品の売上高は不明である(この点についても,後記無形損害の算定について考慮する。)。 したがって,上記のうち着払送料7万8000円が原告の損害と認められる。 また,被告は,本件販売店が本件製品の販売を中止したのは本件販売店自身の判断であり,被告とは無関係である旨主張する。しかし,本件販売店が本 のうち着払送料7万8000円が原告の損害と認められる。 また,被告は,本件販売店が本件製品の販売を中止したのは本件販売店自身の判断であり,被告とは無関係である旨主張する。しかし,本件販売店が本件製品を返品するに至った原因が,被告の苦情申立て以外に存在したことをうかがわせる事情は全くなく,これは全て被告の苦情申立てによるものと認めるのが合理的である。 (2) 原告は,信用毀損による損害として慰謝料名目で1600万円の支払を求めるところ,これは慰謝料名目で原告が被った無形損害の賠償を請求するものと解し得る。 そして,既に認定した被告の本件販売店に対する行為態様(原告及び本件製品に対する誹謗中傷が記載された本件申入書の交付,苦情申立ての執拗さ等)に加え,上記(1)のとおり,被告の行為により原告が本件販売店のうち2社から多額に上る本件製品の返品を受け,本件販売店のうち3社は本件製品の販売を中止していること,前記1(5)のとおり,本件販売店のうち最大手であるビバホームは,原告の新商品についても販売停止としているところ,同措置による影響が本件製品の販売停止による影響を上回るものであること等の諸事情を考慮すると,原告が,被告の信用毀損行為により無形損害を被ったことが認められ,同損害額を400万円と評価するのが相当である。 (3) このほか,本件での事情を総合考慮し,弁護士費用としては50万円を認めるのが相当である。 (4) 以上のとおり,被告に対し,原告に対する損害賠償金として合計457万8000円の支払を命じるのが相当である。 なお,仮に一般不法行為(予備的主張)に基づく原告の損害額を検討したとしても,不正競争(主位的主張)に基づく損害額と何ら変わるものではない。 5 争点(6)(差止めの必要性)及び争点(7)(謝罪文送付 ,仮に一般不法行為(予備的主張)に基づく原告の損害額を検討したとしても,不正競争(主位的主張)に基づく損害額と何ら変わるものではない。 5 争点(6)(差止めの必要性)及び争点(7)(謝罪文送付の必要性)について以上のとおり,被告の本件販売店等に対する行為が不正競争防止法2条1項14号所定の不正競争に該当することが認められるが,他方で,前記1(4)オのとおり,原告が被告に対して平成25年8月2日付け「通知書」(甲6の1)を送付した後は,被告は本件販売店に対する働きかけを行っておらず,以上からすれば,被告が今後もこのような行為を行う可能性が高いとは認められないから,原告や本件製品に対する誹謗中傷の差止めを命ずべき必要性があるとは認められない。 また,被告の誹謗中傷行為によって原告の信用が傷付けられたことは否定できないが,信用回復はまずは損害賠償請求によるべきものである上,前記1(5)のとおり,本件販売店がいずれも本件訴訟の帰すうを見守っていることからすれば,本判決において被告の不正競争行為が認定されることにより,本件販売店との関係でも自らの信用を回復できるものと解されるから,謝罪文の送付まで命ずべき必要性があるとは認められない。 以上のとおり,差止め及び謝罪文送付に関する原告の請求は,いずれも理由がない。 第4 結論以上によれば,原告の本訴請求は,被告に対し457万8000円及びこれに対する不正競争行為後の日である平成25年8月1日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める範囲で理由があるからこれを認容し,その余は理由がないからこれらをいずれも棄却し,被告の反訴請求は理由がないからこれを棄却することとし,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第47部 主文 れを認容し,その余は理由がないからこれらをいずれも棄却し,被告の反訴請求は理由がないからこれを棄却することとし,主文のとおり判決する。 理由 東京地方裁判所民事第47部 裁判長裁判官沖中康人 裁判官矢口俊哉 裁判官宇野遥子
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