昭和60(あ)1528 法人税法違反、会社臨時特別税法違反

裁判年月日・裁判所
昭和63年9月2日 最高裁判所第三小法廷 決定 棄却 大阪高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。          理    由  弁護人吉田克弘、同南部孝男、同井上博隆の上告趣意のうち、憲法三一条、三九 条違反をいう点は、実質において単なる法令違反の

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判決文本文1,145 文字)

主    文      本件上告を棄却する。          理    由  弁護人吉田克弘、同南部孝男、同井上博隆の上告趣意のうち、憲法三一条、三九 条違反をいう点は、実質において単なる法令違反の主張であり、その余は、単なる 法令違反、事実誤認、量刑不当の主張であつて、すべて刑訴法四〇五条の上告理由 に当たらない。  所論にかんがみ職権をもつて判断すると、真実の所得を秘匿し、所得金額をこと さち過少に記載した法人税確定申告書を税務署長に提出する行為は、それ自体法人 税法一五九条一項(昭和五六年法律第五四号による改正前のもの)にいう「偽りそ の他不正の行為」に当たると解すべきであるから(最高裁昭和四六年(あ)第一九 〇一号同四八年三月二〇日第三小法廷判決・刑集二七巻二号一三八頁、同昭和四七 年(あ)第一五八八号同四九年一二月一三日第三小法廷決定・裁判集刑事一九四号 三四一頁参照)、所得を秘匿したうえ内容虚偽の法人税確定申告書を税務署長に提 出した旨を判示した第一審判決には、逋脱犯の実行行為についての判示に欠けると ころはなく、これを支持した原判決の判断は正当である。  また、右の所得を秘匿するため所得秘匿工作をしたうえ逋脱の意思で会社臨時特 別税確定申告書を税務署長に提出しなかつた場合には、所得秘匿工作を伴う不申告 の行為が会社臨時特別税法二二条一項にいう「偽りその他不正の行為」に当たると 解するのが相当であるから、所得秘匿工作を伴う不申告の行為があつたことを判示 すれば足り、所得秘匿工作の具体的な日時、場所、方法などについては判示するこ とを要しないものというべきである。そうすると、公表経理上架空の売上原価を計 上するなどして所得を秘匿したうえ申告期限までに申告書を税務署長に提出しなか つた旨を判示した第一審判決には、逋脱犯の実行行為についての判示に欠けるとこ - 1 うすると、公表経理上架空の売上原価を計 上するなどして所得を秘匿したうえ申告期限までに申告書を税務署長に提出しなか つた旨を判示した第一審判決には、逋脱犯の実行行為についての判示に欠けるとこ - 1 - ろはなく、これを支持した原判決の判断は正当である。  よつて、刑訴法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、 主文のとおり決定する。   昭和六三年九月二日      最高裁判所第三小法廷          裁判長裁判官    坂   上   壽   夫             裁判官    伊   藤   正   己             裁判官    安   岡   滿   彦             裁判官    貞   家   克   己 - 2 -

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