令和1(行ウ)490 相続税更正処分等取消請求事件

裁判年月日・裁判所
令和5年1月26日 東京地方裁判所
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判決文本文18,514 文字)

令和5年1月26日判決言渡同日原本領収裁判所書記官令和元年(行ウ)第490号相続税更正処分等取消請求事件主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 目黒税務署長が平成29年10月31日付けで原告に対してした被相続人Aの平成26年▲月▲日相続開始に係る相続税の更正処分のうち課税価格1億2714万7000円、納付すべき税額2481万1100円を超える部分を取 り消す。 2 目黒税務署長が平成29年10月31日付けで原告に対してした被相続人Aの平成26年▲月▲日相続開始に係る相続税の過少申告加算税の賦課決定処分のうち税額25万4000円を超える部分を取り消す。 第2 事案の概要 本件は、原告が、被相続人Aから相続により取得した財産のうち、目黒区(住所省略)所在の別紙1物件目録記載の各土地(以下「本件各土地」という。)の時価について、宅地の価額から借地権割合70%相当額を控除して、相続税の申告及び修正申告をしたところ、目黒税務署長が、本件各土地の2分の1に相当する部分について土地の無償返還に関する届出書が提出されていたことから、 同部分の時価は宅地の価額の80%相当額であるとして、相続税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分をしたため、原告が同各処分はいずれも違法であると主張して、同更正処分のうち原告が修正申告した納付税額を超える部分及び同賦課決定処分のうち原告の修正申告に係る過少申告加算税額を超える部分の各取消しを求める事案である。 1 関係する法令及び通達の定め ⑴ 相続税法相続税法22条は、同法第3章で特別の定めのあるものを除くほか、相続により取得した財産の価額は、当該財 消しを求める事案である。 1 関係する法令及び通達の定め ⑴ 相続税法相続税法22条は、同法第3章で特別の定めのあるものを除くほか、相続により取得した財産の価額は、当該財産の取得の時における時価による旨定めている。 ⑵ 財産評価基本通達(乙25) 同通達(昭和39年4月25日付け直資56ほかによる国税庁長官通達。 ただし、平成29年9月20日付け課評2-46ほかによる改正前のもの。 以下「評価通達」という。)の概要は次のとおりである。 ア評価通達25⑴借地権の目的となっている宅地の価額は、評価通達11から22-3ま で、24、24-2、24-4及び24-6から24-8までの定めにより評価したその宅地の価額(以下「自用地としての価額」という。)から、評価通達27の定めにより評価したその借地権の価額を控除した金額によって評価する。 イ評価通達27 借地権の価額は、その借地権の目的となっている宅地の自用地としての価額に、地域ごとに国税局長の定める割合を乗じて計算した金額によって評価する。 なお、本件各土地について国税局長の定める上記割合は、平成26年分につき70%であった(乙19の3、26)。 ⑶ 「相当の地代を支払っている場合等の借地権等についての相続税及び贈与税の取扱いについて」と題する通達(乙25)同通達(昭和60年6月5日付け課資2-58ほかによる国税庁長官通達。 以下「相当地代通達」という。)の概要は次のとおりである。 ア相当地代通達5 借地権が設定されている土地について、土地の無償返還に関する届出書 (以下「無償返還届出書」という。)が提出されている場合の当該土地に係る借地権の価額は、ゼロとして取り扱う。 イ相当地代通達8借地権が設定 土地について、土地の無償返還に関する届出書 (以下「無償返還届出書」という。)が提出されている場合の当該土地に係る借地権の価額は、ゼロとして取り扱う。 イ相当地代通達8借地権が設定されている土地について、無償返還届出書が提出されている場合の当該土地に係る貸宅地の価額は、当該土地の自用地としての価額 の80%に相当する金額によって評価する。 2 前提事実当事者間に争いのない事実、後掲証拠及び弁論の全趣旨から認められる事実並びに当裁判所に顕著な事実は次のとおりである。 ⑴ 当事者等 ア B(昭和61年▲月▲日死亡。)及びA(平成26年▲月▲日死亡。)は夫婦であり、C、D及び原告は、同夫婦の子である。 イ亡Bは、生前、本件各土地を所有していた。なお、昭和44年1月1日町名変更前の本件各土地の地番は、目黒区(住所省略)であった。(乙5の1・2、6の1~3) ⑵ 本件各土地を敷地とするマンションの建設及び地上権の設定ア亡B及びEは、昭和39年12月10日、本件各土地上にマンションを建設した上で、地下1階から地上4階までは亡Bが所有し、地上5階から10階まではEが所有する旨のマンション建設計画に合意した(以下、このマンションを「本件マンション」、地下1階から地上4階までを「本件マ ンション低層階」、地上5階から10階までを「本件マンション高層階」という。甲1)。 イ亡Bは、昭和40年1月4日、Eに対し、本件各土地について、Eが本件マンション高層階を建設所有するため、期間60年、地代月額2万7138円とする地上権を設定した。なお、地代は本件各土地の時価に応じて 変動するものとされた。また、Eは、亡Bに対し、同地上権取得の対価と して2220万円を支払った。(乙4)ウ本 38円とする地上権を設定した。なお、地代は本件各土地の時価に応じて 変動するものとされた。また、Eは、亡Bに対し、同地上権取得の対価と して2220万円を支払った。(乙4)ウ本件マンションは昭和41年2月頃に完成し、亡Bが本件マンション低層階を所有し、Eが本件マンション高層階を所有するとの区分所有権の保存登記がされた(乙5の1・2、弁論の全趣旨)。 エ亡Bは、昭和41年8月2日、本件各土地に、Eを地上権者とし建物所 有を目的とする地上権設定登記手続をした。その後、Eは、本件マンション高層階を地上権持分と共に順次分譲した。(乙6の1~3)⑶ 亡Bの死亡亡Bは、昭和61年▲月▲日に死亡した。亡Bの相続人である亡A、C、D及び原告の間において、同年7月22日、遺産分割協議が成立し、亡Aが 本件各土地を取得し、原告が本件マンション低層階を取得した。 (甲8、乙7)⑷ 本件マンション低層階の譲渡と無償返還届出書の提出ア原告は、平成10年11月1日、自らが代表者である株式会社Fに対し、本件マンション低層階を代金約3976万円で売却した(乙10、11、13の1・2)。 イ亡A及びFは、本件各土地につき、貸主を亡A、借主をF、賃料を月額10万円とする平成10年11月1日付け土地賃貸借契約書(以下「本件土地賃貸借契約書」という。)を作成した。本件土地賃貸借契約書には、概ね、下記のとおり記載されていた。(乙12)記 所在地本件各土地の持分2分の1特約条項借主は、将来当該土地を無償にて貸主に返還する。 ウ亡A及びFは、平成11年1月4日、目黒税務署長に対し、借地権の設定等により下記の土地をFに使用させることにしたが、将来無償で返還を受けることになっている旨記載された無償返還届 主に返還する。 ウ亡A及びFは、平成11年1月4日、目黒税務署長に対し、借地権の設定等により下記の土地をFに使用させることにしたが、将来無償で返還を受けることになっている旨記載された無償返還届出書(以下「本件無償返 還届出書」という。)を、本件土地賃貸借契約書を添付して提出した(乙1 4)。 記所在地本件各土地の持分2分の1⑸ Eを地上権者とする地上権持分の移転ア Eは、平成21年1月9日、Fに対し、Eを地上権者として本件各土地 に設定された地上権のうち持分2分の1を移転したい旨申し入れた(乙15、41)。 イ Eは、平成21年1月30日、E名義で残存していた地上権持分2分の1全部について、同月27日贈与を原因としてFに移転する旨の登記手続をした(乙6の1~3)。 ⑹ 亡Aの死亡亡Aは、平成26年▲月▲日に死亡した。C及び原告は、亡Aの遺言により、本件各土地の持分2分の1ずつを取得した。(甲15、乙16)⑺ 相続税の申告等ア原告は、平成27年9月18日、目黒税務署長に対し、亡Aの遺産相続 について、別紙2「課税処分等の経緯」の「当初申告」欄(順号1)記載のとおり相続税の申告をした。その際、原告は、本件各土地の時価について、本件各土地の2分の1はFが使用者であり、2分の1は本件マンションの分譲所有者が使用者であるとして、評価通達25⑴に基づき、いずれも自用地の評価額から借地権割合70%相当額を控除して評価した。 (甲1 6、乙3、19の1・2)イ原告は、平成29年6月19日、目黒税務署長に対し、別紙2「課税処分等の経緯」の「修正申告」欄(順号2)記載のとおり相続税の修正申告をした(甲17、乙2)。 ウ目黒税務署長は、平成29年9月27日、原告に対し、別紙2 19日、目黒税務署長に対し、別紙2「課税処分等の経緯」の「修正申告」欄(順号2)記載のとおり相続税の修正申告をした(甲17、乙2)。 ウ目黒税務署長は、平成29年9月27日、原告に対し、別紙2「課税処 分等の経緯」の「過少申告加算税賦課決定処分」欄(順号3)記載のとお り過少申告加算税の賦課決定処分をした(乙20の1・2)。 エ目黒税務署長は、平成29年10月31日、原告に対し、別紙2「課税処分等の経緯」の「更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分」欄(順号4)記載のとおり相続税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分をした(以下、それぞれ「本件更正処分」「本件賦課決定処分」といい、併せ て「本件各処分」という。)。その際、目黒税務署長は、本件各土地のうちFを使用者とする部分の時価について、本件無償返還届出書が提出されていることから、相当地代通達8に基づき、自用地としての価額の80%相当額であると評価した。(乙1、20の1・2)オ原告は、平成30年1月23日、目黒税務署長に対し、本件各処分を不 服として再調査の請求をしたが(別紙2の順号5)、同年5月10日、再調査の請求をいずれも棄却する旨決定を受けた(乙21、22)。 カ原告は、平成30年6月7日、国税不服審判所長に対し、本件各処分を不服として審査請求をしたが(別紙2の順号7)、平成31年4月1日、審査請求をいずれも棄却する旨の裁決を受けた(乙23、24)。 キ原告は、令和元年9月30日、本件訴えを提起した(顕著な事実)。 3 本件各処分の根拠に関する被告の主張本件各処分の根拠に関する被告の主張は、後記5の(被告の主張)のほか、別紙3「課税の根拠及び計算」記載のとおりである。原告は、争点に関する部分を除き、その計算の基礎となる金額 拠に関する被告の主張本件各処分の根拠に関する被告の主張は、後記5の(被告の主張)のほか、別紙3「課税の根拠及び計算」記載のとおりである。原告は、争点に関する部分を除き、その計算の基礎となる金額及び計算方法を争っていない。 4 争点本件の争点は、本件各土地のうちFを使用者とする部分の時価である。なお、同部分を、本件マンション低層階の敷地部分ということがある。 5 争点に関する当事者の主張(被告の主張) ⑴ 本件各土地のうちFを使用者とする部分については、本件無償返還届出書 が提出されている。そして、本件における経済的実態を踏まえれば、同部分の時価は、相当地代通達8に基づき、自用地としての価額の80%相当額として評価すべきである。 すなわち、相当地代通達5は、権利金の支払に代えて無償返還届出書が提出されている場合に借地権の価額をゼロとして取り扱うものであるところ、 その趣旨は、上記の場合には、土地所有者と借地人との間に、同族会社とその役員等のように利害の共通する特殊な関係があり、利害対立のある第三者のような権利主張がされることが想定されないため、収受される地代が相当の地代に満たないときであっても、土地所有者から借地人に経済的利益が移転していないという経済的実態が存在するとみるべきであり、かつ、このこ とが両当事者の無償返還届出書の提出によって明らかにされていることから、この経済的実態を課税関係においても反映させるというものである。また、無償返還届出書による届出は、土地賃貸借契約の当事者自らにより、認定課税の回避という課税上の利益を享受するために課税庁に対して行われ、現にこれを享受し得る効果を伴うものである。ただし、当該土地であっても、 一定の利用制限を現に受けていることなどから、相当 定課税の回避という課税上の利益を享受するために課税庁に対して行われ、現にこれを享受し得る効果を伴うものである。ただし、当該土地であっても、 一定の利用制限を現に受けていることなどから、相当地代通達8において、当該土地の価額は、自用地としての価額の80%と評価される。 本件各土地は、借地権の対価として権利金を支払う取引慣行がある地域に所在するところ、Fは、土地賃貸借契約締結時に亡Aに権利金を支払うことがなく、地代も相当の地代に満たないものであった。このような場合、亡A からFに対して権利金相当額の経済的利益の贈与があったものとしてその受贈益に課税されるところ、当該受贈益に係る課税を免れるために、Fから亡Aに将来無償で土地を返還する旨合意され、本件無償返還届出書が提出されたものである。 したがって、本件マンション低層階の敷地部分について、土地賃貸借契約 が締結されたものの、亡AからFに何ら経済的利益が移転しておらず、Fに 帰属すべき利益がないという経済的実態が認められるから、同部分の価額は相当地代通達8に基づき評価すべきである。 ⑵ 仮に、本件各土地にFを地上権者とする地上権が設定されていたとしても、Fは、あえて亡Aとの間で土地賃貸借契約を締結し、無償返還合意をしたのであるから、Fが有する地上権の目的物である土地も将来無償で返還する旨 合意したというべきである。その上で、F及び亡Aは、土地賃借権の目的物であり、かつ、地上権の目的物でもある土地を将来無償で返還する旨の本件無償返還届出書を提出している。 また、亡A及びFの代表者である原告は、親子という利害の共通する特殊な関係にあり、利害対立のある第三者のように権利主張がされることは想定 されない。さらに、Fは、Eから地上権の移転登記を受けた後も、土 A及びFの代表者である原告は、親子という利害の共通する特殊な関係にあり、利害対立のある第三者のように権利主張がされることは想定 されない。さらに、Fは、Eから地上権の移転登記を受けた後も、土地賃貸借契約を解約したり、賃料の支払を停止したりすることはなく、亡Aの相続開始に至るまで、本件無償返還届出書に係る土地の所有使用関係に変動が生じた旨の届け出もしていない。亡Aの相続開始時点において、Fが、地上権の存在を理由として、将来土地の無償返還を拒むことは想定されなかったも のである。 したがって、仮に、本件マンション低層階の敷地部分について、土地賃借権と地上権とが併存していたとしても、Fに帰属すべき利益はないという経済的実態が存するから、同部分の価額は相当地代通達8に基づき評価すべきである。 ⑶ なお、亡Bが、Eから、本件マンション低層階を適法に建設所有するための敷地利用権として、地上権持分2分の1を譲り受けたとの事実は争わないが、Fは同地上権持分を承継取得しておらず、時効取得もしていない。 また、亡AとFとの間では、本件賃貸借契約書のとおり賃貸借契約が有効に成立している。仮に同契約が無効であったとしても、Fはこれを追認して いるものである。 (原告の主張)⑴ 本件無償返還届出書は、亡A及びFの代表者である原告が、十分に検討することなく、経営コンサルタントのアドバイスに従って提出したものであるから、法人税において課税免除の利益を付与するという制度趣旨を有する相当地代通達8を、本件無償返還届出書の提出があったという事実だけで機械 的に適用し、相続税上の不利益を課すのは不合理である。相続税法22条の規定する「時価」を算定するに当たっては、課税対象の土地に負荷されている土地利用権の具体的内容、来歴 たという事実だけで機械 的に適用し、相続税上の不利益を課すのは不合理である。相続税法22条の規定する「時価」を算定するに当たっては、課税対象の土地に負荷されている土地利用権の具体的内容、来歴、利用実態などの間接事実を総合考慮して評価すべきである。 そして、後記⑵のとおり、本件マンション低層階の敷地部分にはFを地上 権者とする地上権が設定されているところ、本件無償返還届出書は土地賃借権を前提とするものであるから、同届出書の効力は上記地上権には及ばない。 また、後記⑶のとおり、亡AとFとの間の土地賃貸借契約は無効であるから、同契約を前提とする本件無償返還届出書も無効である。 したがって、本件各土地のうちFを使用者とする部分の時価は、地上権の 負担のある貸宅地として評価すべきであり、財産評価通達25⑴に基づき、自用地としての価額から借地権割合70%相当額を控除した価額として評価すべきである。 ⑵ Fによる地上権の取得ア亡Bから原告を通じての承継取得 (ア) 亡Bは、本件マンションの建設当時、Eから、本件各土地上に設定されたEを地上権者とする地上権を、建物持分割合に応じて譲り受けた。 すなわち、本件各土地にはEのために地上権が設定されており、亡Bには本件各土地の所有権とは別に本件マンション低層階を適法に所有するための敷地利用権が必要であったところ、亡BとEの合理的意思解釈に より、亡BにおいてEから地上権持分を譲り受け、自己の所有地である 本件各土地上に自己借地権として本件マンションの地上権持分を有することになったとの事実が認められるべきである。もっとも、当時自己借地権制度(借地借家法15条)はなく、亡Bは、自らが本件マンションの地上権持分を取得したことの認識は持っていなかった。 (イ) 原 ことになったとの事実が認められるべきである。もっとも、当時自己借地権制度(借地借家法15条)はなく、亡Bは、自らが本件マンションの地上権持分を取得したことの認識は持っていなかった。 (イ) 原告は、昭和61年に死亡した亡Bの遺産に係る遺産分割協議におい て、本件マンション低層階を取得したところ、同遺産分割協議の結果として、又は本件マンション低層階の所有権の従たる権利として、その敷地利用権である地上権も取得した。 (ウ) 原告は、平成10年、Fの財務体質強化等のため、Fに対して本件マンション低層階を売却し、その敷地利用権である地上権も、従たる権利 としてFに移転した。 なお、亡AとFにおいて本件土地賃貸借契約書を作成して本件無償返還届出書を提出したのは、Fが本件マンション低層階の敷地利用権としての地上権を有している旨認識していなかったからである。 (エ) 以上のとおり、Fは、本件マンション低層階の敷地利用権である地 上権を、亡Bから原告を通じて承継取得したものである。 原告及びFは、当時、本件マンション低層階の敷地利用権である地上権を自らが取得した旨認識していなかったものの、平成21年にEから申出を受けたことを契機に、Fは、実体的な権利関係に適合させるため、本件マンションの所有を目的とする地上権持分について移転登記を受け ている。 イ Eからの直接の承継取得仮に、本件マンション低層階の敷地利用権である地上権が、Eから亡Bに承継されていなかったとしても、Fは、平成21年1月にEから同地上権の譲渡を受けた。 ウ時効取得 原告は、本件マンション低層階の所有者として、亡Bが死亡した昭和61年▲月▲日以降、平穏公然と地上権行使の意思で、敷地部分の占有を開始した。そして、原告は、平成8年 ウ時効取得 原告は、本件マンション低層階の所有者として、亡Bが死亡した昭和61年▲月▲日以降、平穏公然と地上権行使の意思で、敷地部分の占有を開始した。そして、原告は、平成8年▲月▲日に、本件マンション低層階の敷地利用権である地上権を時効取得した。 ⑶ 土地賃貸借契約の効力 ア錯誤無効Fは、本件マンション低層階の敷地部分について、既に地上権を承継取得していたにもかかわらず、これを取得していないものと誤信して、亡Aとの間で土地賃貸借契約を締結したものであるから、同土地賃貸借契約は錯誤により無効である。 イ持分を目的とする賃貸借契約の無効亡Aは、本件各土地の持分2分の1を目的として、Fとの間で賃貸借契約を締結しているが、共有持分を目的とする賃貸借契約は無効である。 ウ地上権が設定された土地を目的とする賃貸借契約の無効本件各土地には本件マンション高層階の敷地利用権として地上権が設定 されているから、亡Aは、本件各土地につき賃貸権限を有しない。したがって、亡AとFとの間の賃貸借契約は、原始的不能として無効である。 エ Fは無効な賃貸借契約を追認していないことFと亡Aとの間の賃貸借契約は無効であるところ、Fがこれを追認したことはない。 第3 当裁判所の判断 1 相続財産の価額の評価枠組み⑴ 相続税法22条は、相続等により取得した財産の価額を当該財産の取得の時における時価によるとするが、ここにいう時価とは当該財産の客観的な交換価値をいうものと解される。したがって、相続税の課税価格に算入される 財産の価額は、当該財産の取得の時における客観的な交換価値としての時価 を上回らない限り、同条に違反するものではないというべきである(最高裁令和2年(行ヒ)第283号 に算入される 財産の価額は、当該財産の取得の時における客観的な交換価値としての時価 を上回らない限り、同条に違反するものではないというべきである(最高裁令和2年(行ヒ)第283号同4年4月19日第三小法廷決定参照)。 そして、評価通達及び相当地代通達は、上記の意味における時価の評価方法を定めたものであるところ、上級行政機関が下級行政機関の職務権限の行使を指揮するために発した通達であり、これが国民に対して直接の法的効力 を有するというべき根拠は見当たらない。もっとも、評価通達及び相当地代通達は相続財産の価額の評価の一般的な方法を定めたものであり、課税庁がこれに従って画一的に評価を行っていることを踏まえると、相続財産の客観的な交換価値を評価するに当たっては、評価通達及び相当地代通達に定める評価方法の趣旨を踏まえて検討するのが相当である。 ⑵ そこで、土地上の建物を所有する第三者が、建物所有を目的とする地上権又は土地の賃借権に基づき当該土地を利用している場合における当該土地の客観的な交換価値の評価方法について検討する。 このような場合、借地人は借地借家法の保護を受けて強い権利を有することになるほか、土地所有者にとっては、将来、土地の価額の上昇に応じて地 代の値上げができるという保証がないこと等の理由から、当該土地の客観的な交換価値は、いわゆる底地価額として評価するのが相当である。そして、建物所有を目的とする借地権の内容は、地域的な格差はあるものの、概ね一様であることから、借地権の客観的な交換価値は、当該土地の自用地としての価額に、普通借地権の売買実例価額、精通者意見価格及び地代の額等を基 とし、状況類似地域ごとに定められた国税局長の定める割合を乗じて評価するのが相当である(評価通達25⑴、27及 用地としての価額に、普通借地権の売買実例価額、精通者意見価格及び地代の額等を基 とし、状況類似地域ごとに定められた国税局長の定める割合を乗じて評価するのが相当である(評価通達25⑴、27及び同通達の逐条解説(乙26)参照)。 もっとも、借地権設定契約がされても、土地所有者が現にその利用につき一定の制限を受けるほかには、借地人に対し何ら経済的利益が移転していな い場合がある。このような場合、当該土地の客観的な交換価値を評価するに 当たっては、当該利用制限から受ける価値減少分を考慮すれば足りるところ、当該利用制限が事実上のものにとどまるといえることからすれば、その客観的な交換価値は自用地としての価額の80%相当額を下回るものではないということができる。そして、借地契約に係る経済的実態は様々であるものの、①借地権の設定に際しその設定の対価として通常権利金を支払う取引慣行が あると認められる地域であるにもかかわらず、権利金の授受がされておらず、②実際に支払っている地代がその地域における通常の借地権設定契約における地代(通常の地代)と同程度かそれよりも低い額であって、③土地所有者と借地人との間で、将来借地人が当該土地を無償で返還する旨合意されている場合には、特段の事情がない限り、借地権設定契約がされても、土地所有 者から借地人に対しては何ら経済的利益が移転していないというべきである(相当地代通達5及び8参照)。なぜなら、このような場合、借地権者は、借地権の経済的利益に相当する権利金を支払わず(①)、かつ、地代として、底地権の経済的利益に相当する通常の地代程度かそれよりも低い額の支払しかしておらず(②)、また、権利金や立退料相当額が土地所有者から借地権者に 贈与されたものともいい難い(③)からである。 底地権の経済的利益に相当する通常の地代程度かそれよりも低い額の支払しかしておらず(②)、また、権利金や立退料相当額が土地所有者から借地権者に 贈与されたものともいい難い(③)からである。 なお、土地所有者及び借地人から無償返還届出書の提出があれば、通常は、土地所有者から借地人に対して何ら経済的利益が移転していないとの事実が裏付けられることから、相当地代通達8は、無償返還届出書が提出されている場合の当該土地に係る貸宅地の価額を、当該土地の自用地としての価額の 80%相当額によって評価する旨定めたものと解される。そうすると、土地所有者及び借地人から無償返還届出書が提出されていることは、相続税法上は、土地所有者から借地人に対し何ら経済的利益が移転していないとの事実を推認させる事情として考慮されるにとどまるというべきである。 2 本件各土地のうちFを使用者とする部分の時価 本件各土地は、借地権の設定に際しその設定の対価として通常権利金を支払 う取引慣行があると認められる地域に所在するものの(乙19の3、26)、亡AとFとの間では、本件土地賃貸借契約書の作成時に、権利金の授受は行われなかったものと認められる(原告第5準備書面6頁、乙12、証人G)。 次に、Fは亡Aに対し、本件各土地のうちFを使用者とする部分の利用の対価として月額10万円を支払っている(甲28、乙12、18の1~4)。この 点、本件各土地のうちFを使用者とする部分の自用地としての価額は亡Aの死亡時において約1億8881万円であり(別表4-1順号⑪参照)、底地価額の6%を通常の地代の額とした場合、その額は月額約28万円(1 億8881 万円×(1-借地権割合(0.7))×6%×1/12)であること、本件各土地は都心に近い人口密集地に所在し(甲 )、底地価額の6%を通常の地代の額とした場合、その額は月額約28万円(1 億8881 万円×(1-借地権割合(0.7))×6%×1/12)であること、本件各土地は都心に近い人口密集地に所在し(甲14)、Fは本件各土地を利用することにより、各階床面積 約300㎡で5階分相当の本件マンション低層階から収益を上げられることを考慮すれば、本件マンションが築後50年を経過していたことを考慮しても、本件各土地の利用の対価である月額10万円という金額は、その所在地域における通常の借地権設定契約における地代と同程度かそれよりも低いものということができる。 さらに、Fは、本件土地賃貸借契約書を作成した際、亡Aに対し、将来本件各土地を無償で返還する旨約束したものと認められる(乙12)。 加えて、亡AとFが、目黒税務署長に対し、本件無償返還届出書を提出していることは、亡AからFに対し何ら経済的利益が移転していないとの事実を裏付けるものである。 したがって、本件各土地のうちFを使用者とする部分については、Fが本件マンション低層階の敷地部分として利用することにより現に一定の制限を受けるにとどまり、亡AからFに対しては何ら経済的利益が移転していないと認めるのが相当であるから、その客観的な交換価値は、自用地としての価額の80%相当額を下回るものではないと認められる。 3 原告の主張について ⑴ Fを地上権者とする地上権ア原告は、本件マンションの敷地部分にはFを地上権者とする地上権が設定されているから、同敷地部分の時価は、自用地としての価額から借地権割合70%相当額を控除した価額として評価すべきであると主張する。 イ相続税の課税価格に算入される財産の価額は、当該財産の取得の時にお ける客観的な交換価値とし 、自用地としての価額から借地権割合70%相当額を控除した価額として評価すべきであると主張する。 イ相続税の課税価格に算入される財産の価額は、当該財産の取得の時にお ける客観的な交換価値としての時価を上回らない限り、相続税法22条に違反するものではないところ、本件において、仮に本件マンション低層階の敷地部分にFを地上権者とする地上権が設定されていた場合、これにより、同敷地部分の客観的な交換価値が、同敷地部分の自用地としての価額の80%相当額を下回ることになるか否かについて検討する。 まず、原告は、亡B、亡A、原告及びFのいずれもが、本件マンション低層階の敷地利用権である地上権が存在するとの認識がなかった旨自認しているところ、同人らにおいて同認識がなかったことは、以下の各事情等から事実と認められる。すなわち、まず、①亡B相続時の遺産分割協議書に同地上権に関する記載がない(甲8、乙7)。また、②亡Bの遺産分 割時に相続人間で法定相続分どおりに分割する方針が採られたところ(甲24、乙40、42、43)、同地上権を遺産に算入することなく、ほぼ法定相続分による遺産分割協議が成立しており(乙39)、他方、原告が本件マンション低層階の地上権を取得したとしても法定相続分に反しないとするD作成に係る陳述書(甲26)の記載は、その理由が断片的なも のにとどまり、採用することができない。そして、③亡Bの遺産相続時の相続税申告書には本件マンション低層階の敷地部分につき、地上権が設定されていたのであれば貸宅地として記載されるはずであるにもかかわらず、貸家建付地(所有する土地に建築した家屋を他に貸し付けている場合の当該土地。乙32参照)である旨記載されており(甲9、乙39)、④ 亡Bの死亡後、本件マンション低層階は原告が所有し かわらず、貸家建付地(所有する土地に建築した家屋を他に貸し付けている場合の当該土地。乙32参照)である旨記載されており(甲9、乙39)、④ 亡Bの死亡後、本件マンション低層階は原告が所有し、本件各土地は亡A が所有することになったにもかかわらず、原告と亡Aとの間で同地上権に関する契約書の作成も地代の支払もされておらず(乙41)、⑤原告がFに本件マンション低層階を売却した際、同地上権が売買の対象になっておらず(乙11)、売買代金額も固定資産税評価額に消費税を加算した価額とされ、同地上権の対価が含まれていない(乙11、34の1・2)。さ らに、⑥亡A及びFにおいて本件土地賃貸借契約書を作成しているが、本件マンション低層階の敷地利用権として地上権が存在する旨認識していれば不要な行動というほかない。 また、亡A及びFは、Fが平成21年1月にE名義で残存していた地上権持分2分の1全部について移転登記を受けたことにより、本件マンショ ンの敷地部分にFを地上権者とする地上権が登記簿上存在することを明確に認識したにもかかわらず、土地賃貸借契約を解約したり、同契約に基づく賃料の支払を停止したりしておらず(甲28、乙18の1~4)、亡A及びFは、本件マンション低層階の敷地利用権である地上権が存することを前提とした行動は一切採っていない。 さらに、本件マンション低層階の所有を目的する地上権の対価として、本件各土地を所有していた亡B又は亡Aに対し、権利金や地代として何らかの金員を支払われたことを認めるに足りる証拠はない。Eが本件各土地上に本件マンション高層階の所有目的で地上権を設定した際、Eは亡Bに地上権取得対価として2220万円の権利金を支払っているものの(乙 4)、同金員は、本件マンション高層階の所有を目的 件各土地上に本件マンション高層階の所有目的で地上権を設定した際、Eは亡Bに地上権取得対価として2220万円の権利金を支払っているものの(乙 4)、同金員は、本件マンション高層階の所有を目的とする地上権の対価として支払われたにとどまる。 以上のとおり、亡B、亡A、原告及びFのいずれもが、本件マンション低層階の敷地利用権である地上権が存在するとの認識を有していなかったこと、亡A及びFは、本件マンション低層階の敷地利用権である地上権 が登記簿上存することを知った後も、これを前提とした行動は一切採らな かったこと、本件マンション低層階の敷地利用権である地上権の対価として権利金も地代も支払われていないことからすれば、仮に、原告が主張するように本件マンションの敷地部分にFを地上権者とする地上権が設定されていたとしても、亡AとFとの間では、当該地上権の経済的価値はないものとして取り扱われていたものと認められる。したがって、当該地上 権の存在により、同敷地部分の客観的な交換価値が、同敷地部分の自用地としての価額の80%相当額を下回ることにはならないというべきである。 ウ原告は、Fが平成21年1月にEから、本件マンション低層階の敷地利用権である地上権を承継取得した旨主張する。 しかし、Eは本件マンション全体の敷地利用権として地上権の設定登記手続を受けているものの、本件マンション低層階の敷地利用権である地上権の取得名目で亡Bに金銭を支払っておらず、また、EからFへの地上権持分の移転登記手続(前提事実⑸イ)の際に、EとFとの間で地上権の移転に関する契約書が作成されたことはなく(証人G)、登記移転原因も贈 与とされている。 そうすると、平成21年1月にEからFに対して地上権設定登記の持分移転登記がされてい との間で地上権の移転に関する契約書が作成されたことはなく(証人G)、登記移転原因も贈 与とされている。 そうすると、平成21年1月にEからFに対して地上権設定登記の持分移転登記がされているものの、これに伴い、Fが本件マンション低層階の敷地利用権として何らかの経済的価値のある権利を取得したと認めることはできず、これにより、本件マンション低層階の敷地部分の客観的交換 価値が減少したということはできない。 エ原告は、平成8年▲月▲日に本件マンション低層階の敷地利用権である地上権を時効取得した旨主張するが、本件マンション低層階を所有することによりその敷地部分を継続的に用益していることについて、それが地上権設定の意思に基づくことが客観的に表現されていることを認めるに足り る証拠はないから、同主張は採用できない。 オよって、本件マンション低層階の敷地部分にFを地上権者とする地上権が設定されていることを理由に、同敷地部分の時価は、自用地としての価額から借地権割合70%相当額を控除した価額として評価すべきであるとの原告の主張は採用することができない。 ⑵ 土地賃貸借契約の効力 ア原告は、亡AとFとの間の土地賃貸借契約が無効であるから、同契約を前提とする本件無償返還届出書も無効である旨主張する。 イ原告の上記主張の趣旨は明らかではないものの、亡AとFとの間の土地賃貸借契約が無効であれば、本件マンション低層階の敷地利用権である土地賃借権は存在しないことになる。そうすると、本件各土地のうちFを使 用者とする部分について、亡AからFに対しては何ら経済的利益が移転していないことになる。したがって、同部分は、Fが本件マンション低層階の敷地部分として利用することにより現に一定の制限を受けるにとどまり、 する部分について、亡AからFに対しては何ら経済的利益が移転していないことになる。したがって、同部分は、Fが本件マンション低層階の敷地部分として利用することにより現に一定の制限を受けるにとどまり、その客観的な交換価値は、自用地としての価額の80%相当額を下回るものではないと認められる。 ウ原告の上記主張は、土地賃貸借契約が無効であるから、同契約を前提とする本件無償返還届出書の届出行為も無効であり、相当地代通達8条の適用要件を欠くという趣旨のものとも解される。 しかし、上記1で説示したとおり、無償返還届出書が提出されていることは、相続税法上は、土地所有者から借地人に対し何ら経済的利益が移転 していないとの事実を裏付ける事情として考慮されるにとどまるから、本件無償返還届出書の届出行為が無効であったとしても、そのことが本件各土地のうちFを使用者とする部分の客観的な交換価値についての上記認定判断を左右するものにはならない。 エよって、亡AとFとの間の土地賃貸借契約の無効を前提に、本件無償返 還届出書が無効である旨の原告主張は、本件マンション低層階の敷地部分 の客観的な交換価値の評価を左右するものにはならない。 4 本件各処分の適法性以上によれば、本件各土地のうちFを使用者とする部分の客観的な交換価値は、亡Aの死亡時において、同部分の自用地としての価額の80%相当額を下回るものではなかったと認められる。そして、本件更正処分において、同部分 は自用地としての価額の80%相当額として相続税の課税価格に算入されているから、当該課税価格は同部分の取得の時における客観的な交換価値としての時価を上回らない。したがって、本件更正処分は、相続税法22条に違反するものではなく、国税通則法65条4項に規定する「正当 ているから、当該課税価格は同部分の取得の時における客観的な交換価値としての時価を上回らない。したがって、本件更正処分は、相続税法22条に違反するものではなく、国税通則法65条4項に規定する「正当な理由」があるとは認められないから、本件更正処分を前提としてなされた本件賦課決定処分も適法 である。 5 結論以上によれば、原告の請求は理由がないからいずれも棄却することとして、主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第2部 裁判長裁判官品田幸男 裁判官片瀬亮 裁判官横井靖世 (別紙1及び別表1ないし5は省略) 別紙2課税処分等の経緯(単位:円)順号区分年月日課税価格納付すべき税額過少申告加算税 当初申告平成27 年9 月18 日127,147,00022,266,300- 修正申告平成29 年6 月19 日127,147,00024,811,100- 過少申告加算税賦課決定処分平成29 年9 月27 日--254,000 更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分平成29 年10 月31 日163,596,00036,457,3001,164,000 再調査の請求平成30 年1 月23 日127,147,00024,811,100順号4の取消し 再調査決定平成30 年5 月10 日 審査請求平成30 年6 月7 日127,147,00024,811,100順号4の取消し 裁決平成31 年4 月1 日棄却棄却 別紙3 月10 日 審査請求平成30 年6 月7 日127,147,00024,811,100順号4の取消し 裁決平成31 年4 月1 日棄却棄却 別紙3課税の根拠及び計算第1 相続税の課税の根拠相続税の課税価格及び納付すべき税額は、別表1に記載したとおりであり、その計算根拠の詳細は、次のとおりである。 1 課税価格の合計額4億6853万1000円上記金額は、共同相続人であるC、D及び原告並びに受遺者であるHが、それぞれ相続又は遺贈により取得した下記⑴の財産の価額から、下記⑵の債務等の金額を控除した後の各人の課税価格の合計額である。ただし、各人の課税価 格は、1000円未満の端数を切り捨て。 ⑴ 相続又は遺贈により取得した財産の価額4億9141万1229円上記金額は、C、D、原告及びHが、相続又は遺贈により取得した財産の総額であり、次のアないしカの合計額である。 ア土地の価額4億7361万7035円上記金額は、C、D、原告及びHが、相続又は遺贈により取得した土地の価額の合計額であり、その内訳は、別表3に記載したとおりである。 なお、別表3順号1の土地がFに対する貸宅地部分であり、その価額の 算定過程は、別表4-1及び4-2のとおりである。 イ家屋、構築物の価額188万8810円上記金額は、C、D及び原告が相続により取得した家屋の価額の合計額である。 ウ有価証券の価額 2万0900円上記金額は、C、D及び原告が相続により取得した有価証券の価額の合計額である。 エ現金・預貯金等の価額788万6438円 上記金額は、C、D及び原告が相続により取得した現金・預貯金等の価額の合計額である。 が相続により取得した有価証券の価額の合計額である。 エ現金・預貯金等の価額788万6438円 上記金額は、C、D及び原告が相続により取得した現金・預貯金等の価額の合計額である。 オ家庭用財産の価額10万円上記金額は、C、D及び原告が相続により取得した家庭用財産の価額の 合計額である。 カその他の財産の価額789万8046円上記金額は、C、D及び原告が相続により取得した財産のうち、上記アないしオ以外の財産の価額の合計額である。 ⑵ 債務等の金額2287万7980円上記金額は、亡Aの債務及び葬式費用のうち、C、D及び原告の負担に属する部分の金額の合計額である。 2 納付すべき相続税額 原告の納付すべき相続税の額は、相続税法15条ないし17条の各規定に基づき、別表2及び別表1順号12ないし15のとおり算定したものである。 ⑴ 課税遺産総額3億8853万1000円上記金額は、上記1の課税価格の合計額4億6853万1000円から、 相続税法15条の規定により、5000万円と1000万円に相続人の数で ある3を乗じた金額3000万円との合計額8000万円を控除した後の金額である。 ⑵ 法定相続分に応ずる取得金額ア原告(法定相続分3分の1) 1億2951万円イ原告を除く本件共同相続人(法定相続分各3分の1) 2億5902万円 上記各金額は、相続税法16条の規定により、C、D及び原告が上記1の金額を民法900条の規定による相続分に応じて取得したものとした場合の各人の取得金額である。ただし、各人ごとに1000円未満の端数を切り捨て。 ⑶ 相続税の総額 1億0441万2000円上記金額は、前記⑵の各人の金額に、 応じて取得したものとした場合の各人の取得金額である。ただし、各人ごとに1000円未満の端数を切り捨て。 ⑶ 相続税の総額 1億0441万2000円上記金額は、前記⑵の各人の金額に、それぞれ相続税法16条に定める税率を乗じて算出した各金額の合計額である。 ⑷ 原告の算出税額3645万7322円 上記金額は、相続税法17条の規定により、前記⑶の金額に、原告の課税価格(別表1順号10の「原告」欄の金額)が前記1の課税価格の合計額に占める割合(別表1順号12の「原告」欄の割合)を乗じて算出した金額である。 ⑸ 原告の納付すべき相続税額3645万7300円 上記金額は、前記⑷の原告の算出税額について、100円未満の端数を切り捨てた後の金額である。 第2 過少申告加算税の賦課決定処分(平成29年10月31日付け)の根拠過少申告加算税の額116万4000円 上記金額は、更正処分により原告が新たに納付すべきこととなった税額11 64万円(原告の納付すべき相続税額3645万7300円から、修正申告における原告の納付すべき税額2481万1100円を控除した後の金額。ただし、1万円未満の端数を切り捨て)に、国税通則法65条1項の規定に基づき100分の10の割合を乗じて算出した金額(別表5順号12の「原告」欄の金額)である。

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