- 1 -主文 本件訴えを却下する。 訴訟費用は,原告の負担とする。 事実 及び理由第1請求 被告が平成14年10月7日付けで公告した東京都市計画事業環状第○号線α・β地区第二種市街地再開発事業の事業計画の決定を取り消す。 被告が平成21年3月18日付けで原告に対して通知した東京都市計画事業環状第○号線α・β地区第二種市街地再開発事業の管理処分計画の決定を取り消す。 第2事案の概要本件は,被告が東京都市計画事業環状第○号線α・β地区第二種市街地再開発事業(以下「本件再開発事業」という)の事業計画を決定し,その管理処。 分計画を決定したことについて,本件再開発事業の施行地区内の宅地及び建築物の共有者である原告が,同宅地上に公共性のない営業棟を建築する必要性はなく,また,上記の管理処分計画において譲り受けることとなるものとされた建築施設の部分によっては生活が成り立たなくなることから違法であるなど主張し,上記の事業計画の決定及び管理処分計画の決定の各取消しを求めた事案である。 前提事実(各項の末尾に記載した証拠により容易に認められる事実又は弁論の全趣旨により認められる事実を含む)。 (1)原告等,(。 「」。)ア原告は港区γ×番21所在の土地宅地以下本件土地という上の建築物(事務所・居宅。以下「本件建物」という)に居住するとと。 もに,そこで塗装店を営んでいる(甲1,2,33)。 イ本件土地については,登記簿上は,原告の兄であり既に死亡したA(以- 2 -下「亡A」という)が所有者となっており,本件建物については登記さ。 れていないところ,亡Aの法定相続人である原告,その兄であるB及び姉であるCの間において遺産の分割の協議が調っておらず,現在,同人らが本件土地及び本件建物を なっており,本件建物については登記さ。 れていないところ,亡Aの法定相続人である原告,その兄であるB及び姉であるCの間において遺産の分割の協議が調っておらず,現在,同人らが本件土地及び本件建物を共有している(甲2,33)。 (2)本件再開発事業の経過等ア本件再開発事業に係る都市計画の決定等,,,東京都知事は以下の各都市計画を決定して平成10年12月24日その旨を告示し,その事務所において公衆の縦覧に供した(乙1)。 (ア)本件再開発事業に係る都市計画(以下「本件再開発都市計画」という)。 種類東京都市計画第二種市街地再開発事業環状第○号線α・β地区第二種市街地再開発事業都市計画を定める土地の区域港区δ,ε,γ,ζ,η及びθ各地内(イ)地区計画(以下「本件地区計画」という)。 種類東京都市計画再開発地区計画環状第○号線α・β地区再開発地区計画都市計画を定める土地の区域港区ι,δ,ε,γ,ζ,η及びθ各地内イ本件再開発都市計画の変更被告は,本件再開発都市計画を変更(施行区域を約8.0ヘクタールに拡大)する旨を決定して,平成12年6月26日,その旨を告示し,その事務所において公衆の縦覧に供した(乙2,弁論の全趣旨)。 ウ本件再開発事業の事業計画の決定(ア)被告は,本件再開発事業について,都市再開発法51条1項(平成15年法律第101号による改正前のもの)の規定により,施行規程及- 3 -び以下の内容の事業計画(以下「本件再開発事業計画」という)を決。 定し,平成14年10月7日,同法54条1項の規定により,所定の事項を公告した(乙3)。 a市街地再開発事業の種類及び名称東京都市計画事業環状第○号線α・β地区第二種市街地再開発事業b事業施行期間平成14年10月7日から平成24年3月31日ま ,所定の事項を公告した(乙3)。 a市街地再開発事業の種類及び名称東京都市計画事業環状第○号線α・β地区第二種市街地再開発事業b事業施行期間平成14年10月7日から平成24年3月31日までc施行地区及び工区(施行地区)港区δ,ε,γ,ζ,η及びθの各一部(なお,本件土地は,本件再開発事業計画の施行地区に含まれている)。 (工区)第1工区港区γの一部第2工区港区δの一部第3工区港区δ,ε,γ,ζ,η及びθの各一部d施行者の名称被告(「」e事務所の所在地中野区κ×番5号D事務所以下地区事務所という)。 f事業計画において定めた設計の概要についての認可の年月日平成14年9月20日g譲受け希望の申出及び賃借り希望の申出をすることができる期限平成14年11月5日(イ)本件再開発事業計画の概要(乙14,18,弁論の全趣旨)本件再開発事業は,都市の骨格を形成し東京の都市構造を再編,誘導する環状第○号線を整備するとともに,立体道路制度を活用して当該道路の上空及び路面下において建築物等の整備を一体的に行い,魅力と個- 4 -性ある複合市街地を形成することを目的として,公共施設に係る計画としては,環状第○号線のα・β間については,本線部分を地下化し,連続的な立体交差により整備するとともに,沿道宅地のアクセス機能を持つ側道を整備し,一部区間には立体道路制度を活用し,歩車道の分離,,,植栽等の整備により良好な市街地の整備を図るなどすることとしまた施設建築物に係る計画としては,3つの街区を設置し,その有効利用及び周辺街区との調和を図り,良好な市街地を形成することができるよう整備することとし,Ⅰ街区(α街区)では,店舗と住宅・事務所を,Ⅱ街区(λ街区)では,公益施設と住宅を,それぞれ整備し,Ⅲ街区( 用及び周辺街区との調和を図り,良好な市街地を形成することができるよう整備することとし,Ⅰ街区(α街区)では,店舗と住宅・事務所を,Ⅱ街区(λ街区)では,公益施設と住宅を,それぞれ整備し,Ⅲ街区(β街区)では,業務,店舗,住宅を整備し,土地の高度利用により,シンボル性の高い建物を配置して,特徴的な都市景観を形成するなどすることとしている。 ,,(),またⅢ街区においては事務所7層及び店舗4層のⅢ-1業務棟事務所39層及び店舗3層のⅢ-2超高層棟店舗3層のⅢ-3商(),(業棟)及び住宅26層のⅢ-4(住宅棟)の4棟並びに3層の駐車場の整備が計画されていたところ,Ⅲ-4(住宅棟)は,本件土地等上に建築するものとされていた。 エ原告等による譲受け希望の申出(乙24,原告本人,弁論の全趣旨)(ア)原告及びBは,平成14年10月28日,本件再開発事業の施行者である被告から払渡しを受けることとなる本件土地及び本件建物の対償に代わる建築施設の部分の譲受けの希望の申出をするため,地区事務所を訪問した。その際,被告の職員は,原告及びBに対し,本件土地と本件建物とで所有者が異なるので,それぞれ別の申出書を作成すべきことを説明した上,本件建物については,原告,B及びCが共有しているのか区分所有しているのかが不明であっため,3名の連名で申出書を提出し,代表者と連絡先を決めるべきことを説明し,本件建物に係る「譲受- 5 -け希望申出書(乙4の1。以下「本件譲受け希望申出書1」という)」。 の表面の「譲受け希望の申出をしようとする者」欄には,代表者としてBを記載し,その裏面の同欄には,上記の3名を記載してもらうこととし,原告及びBは,それぞれ上記の各欄にそのように氏名及び住所を記載するとともに押印し,連絡先を原告とした。 また,被 ,代表者としてBを記載し,その裏面の同欄には,上記の3名を記載してもらうこととし,原告及びBは,それぞれ上記の各欄にそのように氏名及び住所を記載するとともに押印し,連絡先を原告とした。 また,被告の職員は,本件土地については,原告,B及びCの間で遺産の分割の協議が調っていないため,登記名義人である亡Aを申出者とするしかないことなどを説明し,原告は,本件土地に係る「譲受け希望申出書(乙4の2。以下「本件譲受け希望申出書2」といい,本件申」出書1と本件申出書2を併せて「本件各譲受け希望申出書」という)。 の表面の「譲受け希望の申出をしようとする者」欄に亡Aの氏名を記載するとともに,連絡先として欄外に原告の氏名及び住所を記載して提出した。 被告の職員は,原告及びBの依頼により,Cに連絡し,上記の取扱いについての了承を得た。 (イ)Cは,平成14年11月3日,地区事務所を訪問し,本件譲受け希望申出書1の裏面の「譲受け希望の申出をしようとする者」欄に氏名及び住所を記載するとともに押印して提出し,被告の職員は,原告,B及びCが都市再開発法118条の2第1項(平成15年法律第100号による改正前のもの)の規定により譲受け希望の申出をしたものとして,本件各譲受け希望申出書を受理した(乙5の1及び2)。 (ウ)原告は,平成14年11月3日までに,Ⅲ街区の業務棟(Ⅲ-1)の事務所(4~10F,住宅棟(Ⅲ-4)の住宅(1~26F)及び)商業棟(Ⅲ-3)の店舗を希望する旨の「入居希望街区届出書(乙4」の1)を提出した。 オE協議会の設立等- 6 -(「」。),,(ア)E協議会以下協議会というは平成14年12月11日本件再開発事業の施行地区内に土地又は建物に関する権利を有し将来地区内の権利床の取得を予定している者,東 (「」。),,(ア)E協議会以下協議会というは平成14年12月11日本件再開発事業の施行地区内に土地又は建物に関する権利を有し将来地区内の権利床の取得を予定している者,東京都及び港区並びに事業協力者及び特定建築者が協議することにより,相互に理解を深め,事業の円滑な推進に質(資)することを目的として設立され,原告は,協議会のβ街区部会に属することとなった(乙15,24,弁論の全趣旨)。 (イ)平成18年3月8日に開催された協議会のβ街区部会(第11回),,。(,,において原告は同部会を退会する旨の発言をした乙16 弁論の全趣旨)カ本件都市計画及び本件再開発事業の変更等(ア)協議会及びそのβ街区部会において本件再開発事業計画について協議がされた結果,β街区については,ホテル,カンファレンス等の文化,,・交流施設を計画に加えるととに施設建築物を4棟から2棟に変更し広場を大きくするという計画に変更することとなった(乙17,弁論。 の全趣旨)(イ)被告は,以下のとおり,都市計画を変更して,平成20年6月20,,。(,日その旨を告示しその事務所において公衆の縦覧に供した乙620の1及び2,弁論の全趣旨)a本件再開発都市計画の変更(Ⅲ街区(β街区)の施設計画変更)都市計画を定める土地の区域変更する部分港区δ,ε,γ,ζ,η及びθ各地内b本件地区計画の変更都市計画を定める土地の区域変更する部分港区ι,δ,ε,γ,ζ,η及びθ各地内(ウ)被告は,都市再開発法56条の規定により,本件再開発事業計画の事業計画の変更(以下「本件再開発事業計画の変更」という)をし,。 - 7 -同法136条の2及び都市再開発法施行規則40条の規定により国土交通大臣から権限の委任を 定により,本件再開発事業計画の事業計画の変更(以下「本件再開発事業計画の変更」という)をし,。 - 7 -同法136条の2及び都市再開発法施行規則40条の規定により国土交通大臣から権限の委任を受けた国土交通省関東地方整備局長は,平成20年12月5日,都市再開発法56条において準用する同法51条1項後段の規定により,本件再開発事業計画において定めた設計の概要の変更(Ⅲ街区(β街区)の設計計画変更)の認可をし,被告は,同月16日,同法56条において準用する同法54条1項の規定により,所定の事項を公告した。本件再開発事業計画の変更の概要は,以下のとおりである(甲12の3,乙7,17,19,弁論の全趣旨)。 (本件再開発事業計画の変更の概要)(),,Ⅲ街区β街区について前記ウ(イ)の4棟等の整備の計画からホテル7層,住宅・ホテル11層,事務所30層及び店舗・カンファレンス5層のⅢ-1(高層部)並びに店舗3層のⅢ-1(低層部)の2棟並びに駐車場・機械室5層の整備の計画に変更されたところ,Ⅲ-1(低層部)は,本件土地等上に建築するものとされていた。 キ管理処分計画の決定等(ア)平成20年12月19日に開催された協議会のβ街区部会(第29回)において,今後の管理処分計画の事務手続等が説明された(乙1。 6,弁論の全趣旨)(イ)Cは,平成20年12月25日,被告に対し,本件各譲受け希望申出書に記載した権利の対償に代えて取得する建築施設の部分(床)の位置について,住宅(区画番号○及び○)を単独で取得することを希望する旨を記載した「β街区権利床取得希望申出書(乙22)を,Bは,」同月26日,被告に対し,上記の位置について,住宅(区画番号○及び○)を単独で取得することを希望する旨を記載した「β街区権利床取得希望申出書(乙2 β街区権利床取得希望申出書(乙22)を,Bは,」同月26日,被告に対し,上記の位置について,住宅(区画番号○及び○)を単独で取得することを希望する旨を記載した「β街区権利床取得希望申出書(乙23)を,それぞれ提出したのに対し,原告は,上記」の位置の希望を表明しなかった(弁論の全趣旨)。 - 8 -(ウ)被告は,都市再開発法118条の10において準用する同法84条1項の規定により,東京都市計画事業環状第○号線α・β地区市街地再開発審査会以下審査会というに対し定めようとしている東(「」。),「京都市計画事業環状第○号線α・β地区第二種市街地再開発事業(第三工区)の管理処分計画(以下「本件管理処分計画」という)を付議」。 し,審査会は,平成21年1月15日,これを審議した結果,原案のとおり議決をし,被告に対し,これを報告した(乙8)。 (エ)被告は,平成21年1月23日,都市再開発法118条の10において準用する同法83条1項の規定により,同月27日から同年2月9日までの期間,定めようとしている本件管理処分計画を公衆の縦覧に供する旨を公告するとともに,同日付けで,原告に対し,その旨を通知した(乙9,10)。 (オ)被告は,都市再開発法118条の10において準用する同法84条2項及び同項において準用する同条1項の規定により,審査会に対し,同法118条の10において準用する同法83条2項の規定により提出,,,された意見書の採否について付議し審査会は平成21年2月20日これを審議した結果,上記の意見書を不採択とすることを議決し,被告に対し,これを報告した。なお,原告は,被告に対し,上記の意見書を提出しなかった(乙11,弁論の全趣旨)。 (カ)被告は,都市再開発法118条の6第1項前段の規定によ 採択とすることを議決し,被告に対し,これを報告した。なお,原告は,被告に対し,上記の意見書を提出しなかった(乙11,弁論の全趣旨)。 (カ)被告は,都市再開発法118条の6第1項前段の規定により,本件管理処分計画を決定し,平成21年2月23日付けで,国土交通大臣から権限の委任を受けた国土交通省関東地方整備局長に対し,本件管理処分計画について,同項後段の規定による認可の申請をし,同局長は,同年3月6日,これを認可した(甲12の1,乙12)。 (キ)被告は,平成21年3月18日,都市再開発法118条の10において準用する同法86条1項の規定により,本件管理処分計画の認可を- 9 -受けた旨を公告するとともに,原告に対し,別紙「管理処分計画書」記載の本件管理処分計画のうち原告に係る部分等の関係事項を通知した。 同通知の通知書(甲1)には,教示として「この通知に不服があると,きは,この通知を受け取った日の翌日から起算して60日以内に国土交通大臣に対して審査請求を行うことができます「また,行政事件訴。」,訟法の規定により,この通知を受け取った日から6箇月以内に東京都を被告として取消訴訟を提起することができます」と記載されていた。 。 本件管理処分計画においては,譲受け希望の申出をした従前の権利者が取得する建築施設の部分(いわゆる権利床)と,同法118条の28第2項において準用する同法99条の2第2項の規定により,その余のいわゆる特定建築者に取得させる建築施設の部分(いわゆる保留床)とが定められている。本件管理処分計画のうち原告に係る部分等においては,原告が居住用住宅として1区画(Ⅲ街区Ⅲ-1棟番号○,資産運)用用の住宅として1区画(同棟番号○,店舗として1区画(同棟番号)○)を,Cが住宅として2区画(同棟番号○及び○)を,B においては,原告が居住用住宅として1区画(Ⅲ街区Ⅲ-1棟番号○,資産運)用用の住宅として1区画(同棟番号○,店舗として1区画(同棟番号)○)を,Cが住宅として2区画(同棟番号○及び○)を,Bが住宅とし(),,て2区画同棟番号○及び○をそれぞれ取得することを想定した上上記の7区画の建築施設の部分のすべてが原告,B及びCの共有とされていた(甲1,弁論の全趣旨)。 (ク)被告は,平成21年4月7日,都市再開発法118条の28第2項において準用する同法99条の3第1項の規定により,本件再開発事業(),,Ⅲ街区Ⅲ-1に係る特定建築者の公募の公告をし同年9月30日特定建築者を決定した(乙13,弁論の全趣旨)。 (3)審査請求(甲9の1及び2)ア原告は,本件管理処分計画の通知を不服として,平成21年5月2日付けで,国土交通大臣に対し,審査請求をした。 イ国土交通大臣は,平成21年7月2日付けで,前記アの審査請求につい- 10 -て,不適法であるとして,これを却下する裁決をした。 (4)本件訴えの提起原告は,平成21年7月6日,本件訴えを提起し,同年8月5日,訴えの追加的変更申立書を提出した(顕著な事実)。 当事者の主張の要点及び争点(1)原告の主張の要点ア原告は,かつて,本件土地が本件再開発事業の道路予定地に入っていないから心配はいらないと言われていたが,その後,被告の職員から,早く立ち退くよう脅迫を受けた。原告は,被告の職員から,2000万円のマンションを建築すること,駐車場を持っている者には地下駐車場を2台分を与えること,管理費については1平方メートル当たり300円以内であることなどの説明を受け,そのような条件であるならば,再開発後も,固定資産税を支払うことができ,生活も成り立つであろ 駐車場を2台分を与えること,管理費については1平方メートル当たり300円以内であることなどの説明を受け,そのような条件であるならば,再開発後も,固定資産税を支払うことができ,生活も成り立つであろうと考え,上記の条,。 ,件を約束し本件再開発事業に同意したものであるそれにもかかわらず本件管理処分計画においては原告が高額なマンションを取得することとされており,近年,都心にマンションが乱立し,高額なマンションについては入居者がみつからない状況であるから,原告が取得するマンションについても入居者がみつからないと考えられるところ,被告の職員は,入居者がみつかると言うだけで,被告が賃料を保証してくれることもなく,それでは,現在の20倍以上の固定資産税を支払わねばならず,また,再開発後,実際には約450万円もの管理費を支払う必要があるとのことであるから,年金生活者である原告の生活は成り立たなくなってしまう。このため,原告は,本件再開発事業計画の変更後の営業棟(Ⅲ-1(低層部))であれば入居者がみつかりやすいので,被告の職員に対し,その片すみに入居させるよう求めたものの,被告の職員から,それは無理だと言われる。 ,,,だけであるそして原告は被告の職員との上記の約束にもかかわらず- 11 -駐車場を取得することもできない。原告が被告の職員に対して生活が成り立つような案を出すよう求めても,無視されるだけである。このように,本件管理処分計画は,被告の職員の説明に反するものであり,原告の生活が成り立たなくなるものであるから,違法である。 イ本件再開発事業計画の変更後の事業計画においては,原告が共有する土(()),地上に営業棟Ⅲ-1低層部が建築されることとなっているところ公共性のない営業棟の建築や植樹のために,本件土地及 本件再開発事業計画の変更後の事業計画においては,原告が共有する土(()),地上に営業棟Ⅲ-1低層部が建築されることとなっているところ公共性のない営業棟の建築や植樹のために,本件土地及び本件建物が収用されるのは理解することができない。原告宅の隣のビルについては,当初の計画では入っていたが,現在の計画では入っていない。本件再開発事業計画は,違法であり,原告を本件土地及び本件建物に残してもらいたい。 ウ以上のとおり,本件管理処分計画及び本件再開発事業計画の各取消しを求める。 (2)被告の主張の要点ア本件再開発事業計画の決定の取消しを求める部分について(ア)本案前の主張本件訴えは,平成14年10月7日付けの本件再開発事業計画の決定から6年以上も経過した後の平成21年7月6日に提起されたものであるから,本件訴えの提起の時点で,行政事件訴訟法14条1項及び2項に規定する出訴期間を経過していたことは明らかであり,正当な理由があるともいえないから,本件訴えのうち本件再開発計画の決定の取消しを求める部分は,不適法な訴えである。 (イ)なお,本件再開発都市計画において定められた施行区域(以下「本件再開発事業施行区域」という)は,都市再開発法3条の2各号が規。 定する第二種市街地再開発事業の施行区域としての条件に該当する。 すなわち,同条1号は,同法3条各号に掲げる条件に該当することを求めているところ,①本件再開発事業施行区域は,都市計画法12条の- 12 -4第1項1号に規定する本件地区計画の区域に該当し,②本件地区計画における地区整備計画において高度利用地区で定められるべき事項が定められ,③港区が制定した「港区地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例(平成3年条例第21号)には,上記の高度利用地区」(),で定 備計画において高度利用地区で定められるべき事項が定められ,③港区が制定した「港区地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例(平成3年条例第21号)には,上記の高度利用地区」(),で定められるべき事項についても定められている上5条ないし9条同条例が環状第○号線α・β地区地区計画整備計画の区域(平成20年6月20日に変更された本件地区計画のうち地区整備計画が定められた区域)にも適用されることから,本件再開発事業施行区域は,都市再開発法2条の2第1項3号が規定する特定地区計画等区域内にあるので,同法3条1号に該当する。本件再開発事業施行区域においては,土地の有効・高度利用が周辺地区と比べて進んでおらず,同条2号の要件も満たしている。本件再開発事業施行区域においては,地区広場や道路の整備が不十分であった上,都心の一等地であるにもかかわらず,容積率が都市計画決定に伴う都市計画制限により平均約230パーセントにとど,,。 まるなど土地の利用状況が著しく不健全であり同条3号に該当する本件再開発事業において,立体道路制度を活用して道路と建築物を立体的に整備し,土地の高度利用を図ることは,同条4号の要件にも該当する。したがって,本件再開発事業施行区域は,同条1号ないし4号に掲,。 げる条件に該当するので同法3条の2第1号に掲げる条件に該当するまた,環状第○号線においては,既に供用が開始されている区間(μ町~β間)と臨海部(ν)とをつなげる区間(α~β間)の整備が緊急課題となっているため,本件再開発事業施行区域は,重要な公共施設を早急に整備する必要がある区域である。本件再開発事業施行区域の周辺,,地域は都市再生特別措置法に基づく都市再生緊急整備地域に指定され都市機能の高度化及び都市の居住環境の向上を図る必要があるところ,本 整備する必要がある区域である。本件再開発事業施行区域の周辺,,地域は都市再生特別措置法に基づく都市再生緊急整備地域に指定され都市機能の高度化及び都市の居住環境の向上を図る必要があるところ,本件再開発事業においては,立体道路制度を活用して環状第○号線の上- 13 -空及び路面下で建築物等の整備を一体的に行い,魅力と個性ある複合市街地を形成する計画となっており,整備後には区域内の権利者も引き続き再開発ビルに残ることができるから,重要公共施設の整備と併せて区域内の建築物及び建築敷地の整備を一体的に行うことが合理的であるという要件にも該当する。したがって,本件再開発事業施行区域は,同法3条の2第2号に掲げる条件に該当する。 以上によれば,本件再開発事業施行区域は,都市再開発法3条の2各号が規定する第二種市街地再開発事業の施行区域としての条件に該当する。 イ本件管理処分計画の決定の取消しを求める部分について(ア)本案前の主張都市再開発法118条の10は,第二種市街地再開発事業における管理処分計画に関する手続について,第一種市街地再開発事業における権利変換計画に関する同法86条1項を準用し,施行者が管理処分計画の認可を受けたときは,その旨を公告するとともに,関係権利者に関係事項を書面で通知しなければならないものとしているが,同条2項は準用していない。 第一種市街地再開発事業においては,原則として,施行地区内に宅地を有する者に対しては施設建築敷地の所有権が与えられなければならず,施行地区内に借地権を有する者及び施行地区内の土地に権原に基づき建築物を所有する者に対しては施設建築物の一部等が与えられなければならないものとされ,権利変換期日における権利変換によって,従前,,の土地に関する権利は所有権及び担保権等を除き消滅することとなり 建築物を所有する者に対しては施設建築物の一部等が与えられなければならないものとされ,権利変換期日における権利変換によって,従前,,の土地に関する権利は所有権及び担保権等を除き消滅することとなり一括して新たな権利関係に返還されるところ,この権利の変換に係る具体的な内容は,権利変換計画の関係事項を関係権利者に通知することによって実現されるものではなく,権利変換計画の定めるところに従い,- 14 -直接都市再開発法の規定により実現されるものであるから,本来,同法86条1項の通知を受けた関係権利者は,権利変換計画に不服があっても,審査請求や取消訴訟の提起をすることができないことから,同法86条2項は,上記の通知をもって,権利変換に関する行政処分として,関係権利者に対して不服申立ての機会を与え,その権利・利益の保護を図ろうとしたものであり,また,権利変換計画においては,施設建築物に入居する者及び地区外転出者の従前の資産の価額を定めるとともに,施設建築物に入居する者に与える同建築物の一部等の価額の概算額を定めている。 これに対し,第二種市街地再開発事業においては,建築施設の部分の譲受けを希望する者がその申出をすることとされ,その申出も撤回が可能であり,申出することができる期間の経過後には,施行者の同意が必要であるものの,施行者は,事業の遂行に重大な支障がない限り,同意しなければならないものとされているのであるから,管理処分計画に不服のある関係権利者は,管理処分計画に対する不服申立てをするのではなく,他の収用適格事業と同様に,従前の価額に係る収用裁決について,,,不服申立てをして財産的価値の多寡を争うべきものであり実際にも管理処分計画には,主として施行地区内の現有資産の見積額と,譲り受けることとなる建築施設の部分の価額の概算額が参 裁決について,,,不服申立てをして財産的価値の多寡を争うべきものであり実際にも管理処分計画には,主として施行地区内の現有資産の見積額と,譲り受けることとなる建築施設の部分の価額の概算額が参考的に記載されてい()。 ,,るにすぎない同法118条の7このため同法118条の10は第二種市街地再開発事業における管理処分計画については,第一種市街地再開発事業における権利変換計画のように処分性を創設する必要はなく,また,そもそも行政処分となる性格を有していないことから,同法86条2項を準用していないものである。 また,被告が施行する第二種市街地再開発事業については,すべての施設建築物を特定建築者制度(同法118条の28)により整備してい- 15 -るところ,同制度により施設建築物の建築をいわゆる特定建築者に行わせる場合には,管理処分計画の決定後も特定建築者の公募を開始する前は,管理処分計画において定めた譲受け希望の申出をした従前の権利者が取得する建築施設の部分を変更することが可能である。そして,譲受け希望の申出期間経過後も施設建築物の建築工事完了の公告までの間は,施行者の同意を得ることを条件に,申出を撤回することが可能である。このことからすれば,管理処分計画の内容は,その通知時に確定するものではなく,その後も変更が可能である。 なお,被告は,本件管理処分計画について原告に対して通知した際,その通知に不服があるときは国土交通大臣に対する審査請求及び取消訴訟の提起をすることができる旨を教示しているが,これは,管理処分計画の計画(の通知)について取消訴訟の対象となるか否かについて,司法判断が示されていなかったことから,権利保護の観点から,教示していたにすぎない。 以上によれば,管理処分計画の決定(の通知)は,取消訴訟の対象とな )について取消訴訟の対象となるか否かについて,司法判断が示されていなかったことから,権利保護の観点から,教示していたにすぎない。 以上によれば,管理処分計画の決定(の通知)は,取消訴訟の対象となる行政処分には当たらない。 (イ)本案の主張被告は,管理処分計画等の手続を円滑に進めるため,任意に関係権利者が取得する建築施設の部分について位置の希望の申出又は聴取の手続を行っているところ,本件土地及び本件建物の共有者であるC及びBからは,共有物の分割を前提として,それぞれの意向に基づき上記の位置の希望の申出がされたのに対し,被告の職員は,原告の位置の希望を確認するため,面接の場を何度も設定したが,原告は,いずれの場においても,参加を拒否し,又は途中退席し,希望を表明しなかった。このため,被告は,原告が共有していた本件土地及び本件建物の利用状況やその価額等を考慮して,従前の資産と取得する建築施設の部分の各価額に- 16 -差額が生じないようにしながら,従前の資産の範囲内で建築施設の部分を取得することができるように配慮し(都市再開発法118条の10において準用する77条2項参照,原告に係る建築施設の部分として,)居住用の住宅を1区画,資産運用用の住宅を1区画及び自己使用用の店舗を1区画,B及びCに係る部分として,それぞれ住宅を2区画とし,それらの7区画を原告,B及びCの共有として,本件管理処分計画を決定したものであり,本件管理処分計画は,都市再開発法が定める管理処分計画の作成基準に適合している。 以上のとおり,本件管理処分計画は,都市再開発法の定める手続に従って,適法にされたものである。 (3) 争点 以上によれば,本件の争点は,①本件再開発事業計画の決定の取消しを求める部分については,本案前の争点として,出訴期間を経過した後に提起さ 定める手続に従って,適法にされたものである。 (3) 争点 以上によれば,本件の争点は,①本件再開発事業計画の決定の取消しを求める部分については,本案前の争点として,出訴期間を経過した後に提起さ,,,れた不適法なものであるか否か本案の争点として同決定の適法性であり②本件管理処分計画の決定の取消しを求める部分については,本案前の争点として,第二種市街地再開発事業における管理処分計画の決定が取消訴訟の対象となる行政処分に当たるか否か,本案の争点として,同決定の適法性である。 第3当裁判所の判断 本件再開発事業計画の決定の取消しを求める部分について前記前提事実(第2の1)に述べたとおり,被告は,平成14年10月7日に本件再開発事業計画の決定につき所定の事項を公告し,その施行地区内にある本件土地及び本件建物の共有者である原告は,同月28日,本件土地及び本件建物の対償に代わる建築施設の部分の譲受けの希望の申出をする旨の本件各譲受け希望申出書に自己又は亡Aの氏名及び住所を記載するなどし,被告の職,,,員は同年11月3日本件各譲受け希望申出書を受理しているのであるから- 17 -原告は,遅くとも同年10月28日には本件再開発事業計画が決定されたことを知っていたと認めることができる。原告は,平成21年7月6日,本件訴えを提起し,同年8月5日,訴えの追加的変更申立書を提出して,行政事件訴訟法7条の規定によりその例によるとされる民事訴訟法143条1項の規定により本件再開発事業計画の決定の取消しを求める訴えを追加したと解することができることから,本件訴えのうち本件再開発事業計画の決定の取消しを求める部分については,行政事件訴訟法14条1項本文に規定する出訴期間(処分又は裁決があったことを知った日から6か月)及び同条2項本文に規定する出 ら,本件訴えのうち本件再開発事業計画の決定の取消しを求める部分については,行政事件訴訟法14条1項本文に規定する出訴期間(処分又は裁決があったことを知った日から6か月)及び同条2項本文に規定する出訴期間(処分又は裁決の日から1年)を経過した後に提起されたものであることは明らかである。 そして,原告は,本件訴えのうち本件再開発事業計画の決定の取消しを求める部分につき出訴期間を経過した後に提起したことについて上記の各項ただし書に規定する正当な理由があることを主張していない上,上記に述べた事情からすると,原告が出訴期間内に本件再開発事業計画の決定の取消しを求める訴えを提起することを妨げる事情があったとは認め難く,他に上記の正当な理由があることを認めるに足りる証拠ないし事情は見当たらない。 したがって,本件訴えのうち本件再開発事業計画の決定の取消しを求める部分については,不適法というべきである。 本件管理処分計画の決定の取消しを求める部分について(1)本案前の争点(第二種市街地再開発事業における管理処分計画の決定が取消訴訟の対象となる行政処分に当たるか否か)についてア行政事件訴訟法3条2項は,同法において,処分の取消しの訴えとは,「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」の取消しを求める訴訟をいう旨を規定するところ,ここでいう取消訴訟の対象となる「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」とは,公権力の主体たる国又は公共団体が行う行為のうち,その行為によって直接国民の権利義務を形成し- 18 -又はその範囲を確定することが法律上認められているものをいうと解される(最高裁昭和28年(オ)第1362号同30年2月24日第一小法廷判決・民集9巻2号217頁,最高裁昭和37年(オ)第296号同39年10月29日第一小法廷判決・民集1 れているものをいうと解される(最高裁昭和28年(オ)第1362号同30年2月24日第一小法廷判決・民集9巻2号217頁,最高裁昭和37年(オ)第296号同39年10月29日第一小法廷判決・民集18巻8号1809頁参照。 )イ市街地再開発事業は,市街地の土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新とを図るための建築物及び建築敷地の整備並びに公共施設の整備に関する事業並びにこれに付帯する事業をいい,第一種市街地再開発事業と第二種市街地再開発事業とに区分される(都市再開発法2条1号。 ),,,このうち第一種市街地再開発事業は同法第3章の規定により行われ施行地区内に存在する宅地,建築物等についての種々の権利を,新たに建築される施設建築物及びその敷地に関する権利に変換し,又はこれを消滅させて金銭補償に転化させる権利変換手続の手法を用い権利変換計画同,(法72条以下)に基づいて従前の土地等を権利変換期日において一斉に新しい資産に変換するものであり(同法87条等,施行者は,権利変換計)画等の認可を受けたとき等は,遅滞なく,その旨を公告し,及び関係権利者に関係事項を書面で通知しなければならないものとされ(同法86条1項,権利変換に関する処分は,同項の通知をすることによって行うもの)とされているところ(同条2項,これは,権利変換手続において,上記)の関係権利者に対する通知をもって行政処分として,関係権利者に対して不服申立ての機会を与えることとしたものと解される。 ウこれに対し,第二種市街地再開発事業は,権利者の数が多い大規模な市街地の区域の再開発の場合には上記のような権利変換手続では権利の調整に多くの時間を要しがちとなることから,大規模で公益性及び緊急性の高い再開発事業(同法3条の2参照)の円滑な実施を図ることを目的として導 区域の再開発の場合には上記のような権利変換手続では権利の調整に多くの時間を要しがちとなることから,大規模で公益性及び緊急性の高い再開発事業(同法3条の2参照)の円滑な実施を図ることを目的として導入された制度であり,同法第4章の規定により行われ,施行者が従前の宅地等を収用又はいわゆる任意買収によりすべて取得するものとした上,- 19 -施行地区内に残留等をすることを希望する者に対しては,収用等に係る従前の宅地等の対償に代えて新しく建築される建築施設の部分を給付する管理処分手続の手法を用いるものである。 すなわち,地方公共団体が施行する第二種市街地再開発事業における事業計画の決定の公告(同法54条1項)があったときは,施行地区内の宅地の所有者,その宅地について借地権を有する者又は施行地区内の土地に権原に基づき建築物を所有する者は,その公告があった日から起算して30日以内に,施行者に対し,その者が施行者から払渡しを受けることとなる当該宅地,借地権又は建築物の対償に代えて,建築施設の部分の譲受けを希望する旨の申出(以下「譲受け希望の申出」という)をすることが。 でき(同法118条の2第1項,上記の建築物に借家権を有する者は,)上記の期間内に,施行者に対し,施設建築物の一部の賃借りを希望する旨()。 ,の申出をすることができる同条5項譲受け希望の申出をした者等は,,同条1項の期間を経過した後においては施行者の同意を得た場合に限りその譲受け希望の申出等を撤回することができ(同法118条の5第1項,この場合,施行者は,事業の遂行に重大な支障がない限り,同意を)しなければならない(同条2項。施行者は,同法118条の2の規定に)よる手続に必要な期間の経過後,遅滞なく,施行地区ごとに管理処分計画を定め,この場合においては,国土交通 障がない限り,同意を)しなければならない(同条2項。施行者は,同法118条の2の規定に)よる手続に必要な期間の経過後,遅滞なく,施行地区ごとに管理処分計画を定め,この場合においては,国土交通大臣の認可を受けなければならず(同法118条の6第1項,この認可を受けたときは,遅滞なく,その)旨を公告し,及び関係権利者に関係事項を通知しなければならない(同法118条の10,86条1項。管理処分計画においては,配置設計,譲)受け希望の申出をした者で建築施設の部分を譲り受けることができるものの氏名又は名称及び住所,その者が施行地区内に有する宅地,借地権又は建築物及びその見積額並びにその者がその対償に代えて譲り受けることとなる建築施設の部分の明細及びその価額の概算額等を定めなければならず- 20 -(同法118条の7,譲受け希望の申出をした者に対しては建築施設の)部分を譲り渡すように定めるなどしなければならない(同法118条の8。そして,施行者は,管理処分計画において建築施設の部分を譲り受)けることとなる者として定められた者(特定事業参加者を除く。以下「譲受け予定者」という)に対しては,その者が施行地区内に有する宅地,。 ,,,,借地権又は建築物が契約に基づき又は収用により施行者に取得され又は消滅するときは,その取得又は消滅につき施行者が払い渡すべき対償に代えて,当該建築施設の部分が給付されるものとされ(同法118条の11,施行者は,施設建築物の建築工事が完了したときは,速やかに,)その旨を公告するとともに,譲受け予定者等に通知しなければならず(同法118条の17,その公告の日の翌日において,譲受け予定者等は管)理処分計画において定められた建築施設の部分を取得するものとされている(同法118条の18。 )エ に通知しなければならず(同法118条の17,その公告の日の翌日において,譲受け予定者等は管)理処分計画において定められた建築施設の部分を取得するものとされている(同法118条の18。 )エこのように,第二種市街地再開発事業にあっては,事業計画の決定の公告があると,施行地区内の宅地等の所有者等は,後に施行者が契約に基づくなどして当該宅地等を取得するなどしたときに当該宅地等の対償の払渡しを受けることとなることを基本とした上で,当該所有者等は,その後の一定の期間内に譲受け希望の申出をすることができるものとし,管理処分計画においてその者が譲り受けることとなる建築施設の部分の明細等が定められても,事業の遂行に重大な支障がない限り上記の申出を撤回することができるものとしているのであって,建築施設の部分による対償の給付について,当該所有者等と施行者との間における契約の締結に類似する仕組みを採用しているということができる。そして,管理処分計画が決定されると,後に施行者が契約に基づくなどして当該宅地等を取得するなどしたときに譲り受けることとなる建築施設の部分が特定されるが,この点をひとまず除くと,管理処分計画が決定されることにより,直接当該所有者- 21 -等の権利義務が形成され又はその範囲が確定されるというべき法令上の根拠は見当たらない。 ところで,管理処分計画を定めるに当たっては,都市再開発法118条の10の規定により,第一種市街地再開発事業における権利変換計画の決定の基準として同計画は関係権利者間の利害の衡平に十分考慮を払って定めるべきものとする同法74条2項の規定や,譲受け希望の申出をした者に対して与えられる建築施設の部分等について,権利変換の対象となる者が権利を有する施行地区内の土地等の位置,地積又は床面積,環境及び利用状況とそ する同法74条2項の規定や,譲受け希望の申出をした者に対して与えられる建築施設の部分等について,権利変換の対象となる者が権利を有する施行地区内の土地等の位置,地積又は床面積,環境及び利用状況とそれらの者に与えられる施設建築物の一部の位置,床面積及び環境とを総合的に勘案して,それらの者の間に不均衡が生じないように,かつ,その価額と従前の価額との間に著しい差額が生じないように定めなければならないとする同法77条2項の規定が準用されるが,第一種市街地再開発事業においては,権利変換期日に権利変換計画に基づき一斉に権利変換がされることを基本に,権利変換計画において施行地区内の宅地等の価額を定めた上で上記のような考量をすべきものとされているのに対し(同法73条1項2号参照,第二種市街地再開発事業においては,施行)地区内の宅地等の所有者等に払い渡される当該宅地等の対償の金額は後に施行者が契約に基づくなどして当該宅地等を取得するなどしたときにその契約等によって確定されることとなることを基本にしており,このことを受けて,管理処分計画においては,当該宅地等の見積額等が記載されるにとどまり(同法118条の7第1項3号参照,両者の間においては,前)提となる事情に相違がみられる。また,上記の準用に係る同法74条2項や77条2項に掲げられた考量についても,第二種市街地再開発事業においては,考量の基礎となる対償の金額がいまだ確定していないことを踏まえると,やはり確定的な性格のものとしてこれを行うことには困難を伴うというべきであり,このようなやむを得ない限界があることを受けて,第- 22 -二種市街地再開発事業においては,管理処分計画が定められた後にあっても,譲受け希望の申出をした者は任意にその撤回をすることができ,施行者は事業の遂行に重大な支障がない限 とを受けて,第- 22 -二種市街地再開発事業においては,管理処分計画が定められた後にあっても,譲受け希望の申出をした者は任意にその撤回をすることができ,施行者は事業の遂行に重大な支障がない限りこれについての同意をしなければならないものとして,調整を図る仕組みを採用しているものと解される。 その上で,同法118条の10の規定は,第一種市街地再開発事業においては権利変換計画等の認可を受けた施行者が関係権利者に対して関係事項の通知をすることによって権利変換に関する処分が行われるものとする旨の同法86条2項の規定を準用しておらず,同法においては,第二種市街地再開発事業において定められる管理処分計画について,行政処分の取消しの訴え等について定める行政事件訴訟法の適用はないこととする立法政策を採用したものと解される。そして,施行地区内の宅地等の所有者等であって譲受け希望の申出をした者について,管理処分計画により,後に施行者が契約に基づくなどして当該宅地等を取得するなどしたときにその者が譲り受けることとなる建築施設の部分が特定され,その者にとって将来譲り受けることとなる建築施設の部分の位置等がどのようなものであるかは高い関心の対象であろうことは否定し難いものの,その者がその時点で現に当該宅地等について有する権利義務に関しては,上記のように特定されることにより直接その内容が新たに形成され又はその範囲が確定されるものではないこと,既に述べたような第一種市街地再開発事業における権利変換計画と第二種市街地再開発事業における管理処分計画との間における内容や性格等の相違,譲受け希望の申出の撤回以外の方法による利害,,の調整の困難さ等を考慮すると上記のような立法政策上の判断をもって立法政策上の裁量権の範囲から逸脱している等とまでいうことは困難という 格等の相違,譲受け希望の申出の撤回以外の方法による利害,,の調整の困難さ等を考慮すると上記のような立法政策上の判断をもって立法政策上の裁量権の範囲から逸脱している等とまでいうことは困難というべきである。 そうすると,第二種市街地再開発事業における管理処分計画の決定は,行政事件訴訟法3条2項にいう「行政庁の処分その他公権力の行使に当た- 23 -る行為」に当たらないと解するのが相当である。したがって,本件訴えのうち本件管理処分計画の決定の取消しを求める部分は,不適法である。上記の判断は,本件管理処分計画につき原告に対して送付された通知書における教示に係る記載のいかんによって,直ちに左右されるものではない。 (2)本案の争点(本件管理処分計画の適法性)に係る原告の主張についてなお,本件の経緯にかんがみ,以下に,念のため,上記の点についても検討する。 原告は,要するに,被告の職員から,入居者の見つかりやすい価額のマンションを建築して,その部分を原告に与えること,建築施設の地下駐車場を2台分与えること,管理費も高額にならないことなどの説明を受け,その約束をしたにもかかわらず,被告は,その約束に反し,高額なマンションを建築する計画を立て,本件管理処分計画においては,原告にこれを与えることとする一方,地下駐車場を与えないこととしており,それでは,原告は,固定資産税や管理費等の負担が著しく増加するなどするのに,入居者がみつからず,生活が成り立たなくなることなどから,せめて本件再開発事業計画の変更後の営業棟(Ⅲ-1(低層部)に入居させるよう定めるべきであると)して,本件管理処分計画が違法であると主張する。 しかしながら,管理処分計画の決定については,都市再開発法118条の10において準用する決定の基準等(同法73条2項ないし4項,74条, であると)して,本件管理処分計画が違法であると主張する。 しかしながら,管理処分計画の決定については,都市再開発法118条の10において準用する決定の基準等(同法73条2項ないし4項,74条,75条1項及び3項,77条2項前段,79条,82条)に従うことを前提に,施行者の裁量にゆだねられているものと解される。そして,本件管理処分計画について,原告,B及びCを含む譲受け希望の申出をした者が有する施行地区内の宅地等の位置,地積又は床面積,環境及び利用状況とそれらの者に与えられる建築施設の部分の位置,床面積及び環境とを総合的に勘案して,原告と他の関係権利者との間で不均衡が生じ,衡平に反するような内容になっていることを認める足りる証拠はなく,他の決定の基準等に反してい- 24 -ることをうかがわせる証拠ないし事情も見当たらない。 前記前提事実に述べたように,本件管理処分計画のうち原告,B及びCに係る部分については,原告が居住用住宅として1区画(Ⅲ街区Ⅲ-1棟番号○,資産運用用の住宅として1区画(同棟番号○,店舗として1区画(同))棟番号○)を,Cが住宅として2区画を,Bが住宅として2区画を,それぞれ取得することを想定した上,上記の7区画の建築施設の部分のすべてが原告,B及びCの共有とされたものである。これは,原告については,本件土地上の本件建物に居住し,塗装店を営んでいることから,居住用住宅及び店舗を与えるとともに,生活の再建を考慮して資産運用用の住宅を与えたものであり,原告の従前の生活状況や今後の生活再建に配慮して定められたことがうかがわれ,原告が,本件再開発事業計画の変更後,被告が行っていた希望の聴取の手続において,建築施設の部分の位置の希望の申出はしなかったことをも併せ考慮すれば,本件管理処分計画のうち原告に係る部分が裁量権 れ,原告が,本件再開発事業計画の変更後,被告が行っていた希望の聴取の手続において,建築施設の部分の位置の希望の申出はしなかったことをも併せ考慮すれば,本件管理処分計画のうち原告に係る部分が裁量権の範囲からの逸脱等に当たるような著しく不合理なものであるとは認め難い。 そして,上記の原告が取得することが想定される部分の価額の概算額の合計が約1億2000万円であること(甲1,昨今の経済情勢の下,上記の)資産運用用の住宅(価額の概算額は約5300万円。甲1)への入居者をみつけることが必ずしも容易ではない可能性があり,原告が現在年金生活をしており,将来の生活に不安を抱いていること(原告本人)は理解することができるものの,そうであるからといって,原告に対してその希望するとおりに営業棟(Ⅲ-1(低層部)に与えなければならないというべき根拠も見)当たらない。また,原告と被告との間で,原告が主張するような約束が成立していたことを認めるに足りる証拠はない。 以上に述べたところによれば,本件管理処分計画の決定について,被告がその裁量権の範囲から逸脱し,又はこれを濫用したものとは認められないと- 25 -いうのが相当である。 なお,原告は,本件再開発事業計画の変更後の事業計画においては,原告が共有する土地上に営業棟(Ⅲ-1(低層部)が建築されることとなって)いるところ,公共性のない営業棟の建築や植樹のために,本件土地及び本件建物が収用されるのは理解することができず,また,原告宅の隣のビルについては,当初の計画では入っていたが,現在の計画では入っていないのであるから,原告を本件土地及び本件建物に残してもらいたいと主張する。 しかしながら,前記前提事実に述べたように,本件再開発事業計画については,協議会及びそのβ街区部会での協議を経て,施設建築物を4棟か るから,原告を本件土地及び本件建物に残してもらいたいと主張する。 しかしながら,前記前提事実に述べたように,本件再開発事業計画については,協議会及びそのβ街区部会での協議を経て,施設建築物を4棟から2棟に変更するなどの計画の変更をすることとなり,本件再開事業計画の変更等がされたものであることからすれば,変更後の本件再開発事業の事業計画の内容等に照らし,原告の主張するように営業棟(Ⅲ-1(低層部)が公)共性がないとまでは認め難い。また,本件土地及び本件建物については,平成14年10月の本件再開発事業計画の決定における施行地区内に存在しており,原告が任意の買収に応じなければ,収用されることが想定されていたものであり,本件再開発事業計画の変更後のⅢ街区の敷地平面図(乙19)における道路,施設建築物,本件土地等の位置関係に照らし,本件土地が本件再開発事業の実施にとって不要であるとは認め難く,原告が主張するように,原告宅の隣のビルが本件再開発事業計画における施行地区外にあるとしても,そのことをもって,本件再開発事業計画の決定や本件管理処分計画が違法となるとはいえない。 上記の原告の主張は,採用することはできない。 第4 結論 以上のとおり,本件訴えは不適法であるから却下することとし,訴訟費用の負担について,行政事件訴訟法7条,民事訴訟法61条を適用して,主文のとおり判決する。 - 26 -東京地方裁判所民事第3部裁判長裁判官八木一洋裁判官田中一彦裁判官高橋信慶
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