昭和29(く)22 再審請求棄却決定に対する即時抗告申立事件

裁判年月日・裁判所
昭和29年6月17日 東京高等裁判所 棄却
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【DRY-RUN】主    文      本件抗告を棄却する。          理    由  本件抗告理由の要旨は  抗告人は昭和二六年一日三〇日横浜地方裁判所において銃砲等所持禁止令違反被 告事件につき「法定の除

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判決文本文2,492 文字)

主    文      本件抗告を棄却する。          理    由  本件抗告理由の要旨は  抗告人は昭和二六年一日三〇日横浜地方裁判所において銃砲等所持禁止令違反被 告事件につき「法定の除外事由なく昭和二五年九月二一日頃鎌倉市ab番地の自宅 でロイヤル自動拳銃一挺及び同案砲三三発を所持した」旨認定されて懲役六月に処 する旨の判決をうけ、控訴及び上告の申立をしたところ何れも棄却され、昭和二八 年五月一九日右第一審判決は確定するに至つたのである。  しかし乍ら抗告人は右犯罪の真犯人ではなく、真実は内縁の妻Aの犯行にかかる ものである。今回同人の自供書及びその間の真相を知るB、C各作成名義の書面 (証明書)を入手し得たので、原裁判所に対し再審請求の申立を為したが、原裁判 所は右自供書及証明書は刑事訴訟法第四三五条第六号にいう無罪若しくは免訴を言 渡し又は原判決において認めた罪より軽い罪を認めるべき「明らかな証拠を」「あ らたに発見されたもの」とすることはできないとの理由で本件請求は理由のないも のとしてこれを棄却したのであるが、これは証拠能力と証拠価値とを混同したもの であり、又「あらたに発見されたもの」の意義を誤解したものである。人違を理由 に再審請求のあつたとき相当の証拠と理由が拳示されている限り煩を厭わず再審を 開始してその審理の結果によつて請求の当否を判断すべきものであつて、単に訴訟 記録の検討のみによつて軽々に再審開始自体を退けるべきものではない。何れにし ても原決定は失当であるから原決定を取り消し、更に相当の裁判を求める為本件即 時抗告に及ぶというにある。  よつて本件再審請求事件記録及び抗告人に対する銃砲等所持禁止令違反被告事件 記録によれば、抗告人が所論の如き判決を受け該判決が確定していること及び所論 の理由で再審の請求を為したところ、所論の如き理由で よつて本件再審請求事件記録及び抗告人に対する銃砲等所持禁止令違反被告事件 記録によれば、抗告人が所論の如き判決を受け該判決が確定していること及び所論 の理由で再審の請求を為したところ、所論の如き理由で請求棄却の決定をうけたも のであることを認めるに十分である。そこですすんで本件抗告の当否につき按ずる に、所論の如く、相当の証拠と理由が挙示されて再審請求が為された場合即ち刑事 訴訟法第四三五条第六号の要件が具備されている限り再審を開始すべきものである ことはいうまでもないところである。  <要旨>而して同条に所謂明らかな証拠とは証拠能力さえあればよいので証拠価値 の有無を問はないものとは解する</要旨>ことはできない。証拠能力は勿論一応証拠 価値をも有するものと認められるものであることを必要とするものと解する。  そこで、Aの自供書、B、Cの各証明書を検討するのに、何れも作成名義人によ つて任意に作成されたものと認めうるけれども、Aは抗告人の内縁の妻であり、そ の自供書には作成年月日が記載されていないので果して何時作成されたものか自供 書自体によつてはこれを知るに由ないものであるが、抗告人作成名義の昭和二八年 五月一三目附書面の記載及びB、Cの証明書の作成年月日から考察すれば、その作 成されたのは右五月一三日頃と認められ、本件再審請求書が原裁判所に提出された のは同年同月二〇日であつて本件抗告人の犯行日時は昭和二五年九月二一日頃とい うのであるから、Aが本件拳銃は自己が所持していたもので抗告人が所持していた ものでない旨自供した時は最早その犯罪の公訴時効が近く完成しようとしている際 であることが明かである。  しかのみならず女性である同人が自供書記載のような理由ならBの手から拳銃を 取り上げ一時預つて置くというのなら格別、買受けるということは誠に理解に苦し むところである。 際 であることが明かである。  しかのみならず女性である同人が自供書記載のような理由ならBの手から拳銃を 取り上げ一時預つて置くというのなら格別、買受けるということは誠に理解に苦し むところである。  要するに自供書記載の事実はその記載自体から見ても又右銃砲等所持禁止令違反 被告事件の一件記録に徴してもAを取り調べるまでもなく到底信用するに足らない ものと認められる。又Bは抗告人の共同被告人、CはAの当時使用人であり、その 証明書はその作成の年月日(上告棄却の判決言渡後である)から考えて結局抗告人 の再審請求に符合するように作成されたものと認められ、右被告事件の記録に徴し て全く信用するに足らないものである。しからば右各証拠は所謂明らかな証拠と認 めることのできないものである。  又右自供書も証明書も右上告棄却の判決が言渡された後に作成されたものではあ るが、Aは前記の如く抗告人の内縁の妻であつて、右被告事件の審理中抗告人と同 居していたものであり、Bは共同被告人で抗告人と共に審理されていたものであ る。又CはAの使用人として当時抗告人と同居していたものであることが窺える。 しからば抗告人においてこれらの証拠の存在を充分認識していたもので、何時でも 証拠(証人)として公判廷に顕出し取調を請求し得たものであるから所謂あらたに 発見した証拠とは認め難い。  何れにしても右自供書、証明書は刑事訴訟法第四三五条第六号所定の要件を具備 した証拠とは認められず、他に右所定の要件を具備した証拠は存在せず、且つ同条 その他各号の要件をも具備しない本件再審請求を理由のないものとして棄却した原 決定はまことに相当である。  従つて本件抗告は理由のないものであるから刑事訴訟法第四二六条第一項に則り 主文のとおり決定する。  (裁判長判事 山田要治 判事 石井麻佐雄 判事 石井文治) 定はまことに相当である。  従つて本件抗告は理由のないものであるから刑事訴訟法第四二六条第一項に則り 主文のとおり決定する。  (裁判長判事 山田要治 判事 石井麻佐雄 判事 石井文治)

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