平成3(行ウ)2 建築確認処分不作為の違法確認請求事件

裁判年月日・裁判所
平成4年2月24日 甲府地方裁判所 警察関係
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【DRY-RUN】○ 主文 一 原告が平成三年三月一八日に被告に対してなした別紙物件目録記載の建築物の 確認申請について、被告がなんらの許否の処分をしないことは違法であることを確 認する。 二 訴訟費用は被告の負担とす

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○ 主文一原告が平成三年三月一八日に被告に対してなした別紙物件目録記載の建築物の確認申請について、被告がなんらの許否の処分をしないことは違法であることを確認する。 二訴訟費用は被告の負担とする。 ○ 事実及び理由第一請求主文一項と同旨第二事案の概要一争いのない事実(一部に公知の事実又は裁判所に顕著な事実を含む) 1 本件建築確認申請に至る経緯(一) 県要領ないし高根町指導要綱の本件建築計画への適用原告は、主としてマンションの建設及び分譲を業とする会社であり、平成二年七月以前に別紙物件目録記載の建物(以下「本件建物」という。)を建築する計画を立てた。そして、本件建物は、都市計画区域外であるので建築基準法上は建築物の高さの制限を受けない。 ところが、右当時に山梨県(以下「県」という。)において施行されていた大規模建築物等取扱要領(以下「県要領」という。)は、大規模建築物(最高の高さが一三メートル以上の建物)を建築しようとする者に対し、建築確認申請前に地元市町村長に対して当該建築計画の内容を明らかにする大規模建築物等設置協議書を提出することを求め、かつ、県知事が市町村長の意見に基づいて右計画の承認をした後に建築確認申請を行うことを求め、他方、本件建物が所在する同県北巨摩郡<地名略>において施行されていた土地開発事業の適正化に関する指導要綱(以下「高根町指導要綱」という。)は、同町内で一定の開発行為をしようとする者に対し、開発計画協議書等を同町長に提出して協議したうえその同意を得ることを求めており、本件建物(最高の高さ一九・九五メートル)は、右の県要領及び高根町指導要綱に基づく指導対称となる大規模建築物であった。 (二) 県要領及び高根町指導要綱上の手続履践と駅前行政区、高根町及び県の対応そこで、原告は、まず、平成二年七月一 ル)は、右の県要領及び高根町指導要綱に基づく指導対称となる大規模建築物であった。 (二) 県要領及び高根町指導要綱上の手続履践と駅前行政区、高根町及び県の対応そこで、原告は、まず、平成二年七月一九日、高根町指導要綱に基づき同町長に対し本件建物について開発計画協議書を提出したところ、高根町長は、同年八月一三日、高根町指導要綱に基づき、清里駅前地区行政区(同町条例に基づき同町の事務を補助連絡する職務を与えられている組織であり、以下「駅前行政区」という。)の同意を得ることを求める開発計画通知(指示)書を原告に交付した。 そこで、原告は、同日から平成三年二月ごろまでの間、弁護士を同行するなどして駅前行政区と本件建物建築計画について同意を得るべく協議をした。しかし、駅前行政区は、本件建物建築計画につき、住民以外の者が駅前行政区内で建物の最高の高さが一三メートルを越える建物の建築をすることを認めない旨の内規に違反するとして、同意を拒否し続けた。そのため、原告は、同年一月一二日、駅前区長その他三名の役員に対し、原告代理人弁護士名義で本件建物建築計画に同月末日までに同意して欲しい旨及びもし同意書の交付がない場合にはやむを得ず法的措置を採る旨の内容証明郵便を発送し、これが同月一四日に送達されたところ、かえって同区長ら役員の態度が硬化し、駅前行政区との協議がより困難となった。 そこで、原告は、同年二月一六日、同町長に対し、駅前行政区との協議経過を報告したうえ、県要領に基づく、大規模建築物等設置協議書を提出し、本件建物建築計画に対する承認を求めたが、同町長は、同月一八日、駅前行政区の同意が得られないことを理由に、県に対し、同計画に「支障がある」旨の意見書を提出した。そのため、県は、原告に対し、高根町長が右の意見書を出している以上、県要領に基づき、大規模建築 八日、駅前行政区の同意が得られないことを理由に、県に対し、同計画に「支障がある」旨の意見書を提出した。そのため、県は、原告に対し、高根町長が右の意見書を出している以上、県要領に基づき、大規模建築物等設置承認書を交付することはできないと主張し、これを交付しなかった。 (三) 本件建物建築確認申請しかして、原告は、大規模建築物等設置承認書の交付を受けた後に本件建物について建築確認申請をするという県要領に従った手続きの履践を止め、平成三年三月一八日、本件建物につき、建築基準法六条一項に基づく被告宛の建築確認申請書を県韮崎土木事務所に提出した(以下「本件建築確認申請」という。)。 2 本件行政指導に至る経緯(一) 景観条例の施行ところで、県要領の施行は同年三月三一日に終わり、県では、平成三年四月一日から県要領に替わって山梨県景観条例(以下「景観条例」という。)、同施行規則(以下「施行規則」という。)及び同施行事務処理要領(以下「事務処理要領」という。)が施行された(これは公知の事実である)。そして、景観条例は、大規模建築物(最高の高さが一五メートル以上の建物)を建てようとする者に対し、事前に建築内容を明らかにした大規模行為届出書を知事に提出することを義務付け、事務処理要領は、建築確認申請前に右届出書を当該大規模建築物の用地のある市町村長に提出し、当該市町村長をしてこれに意見を付させたうえ、土木事務所に送付させることを求めているところ、本件建物は右の大規模建築物にあたる。 (三) 原告の対応ないし交渉経過(1) 原告は、同年六月一一日、高根町長と協議をしたが、右の協議も結局奏功しなかったので、更に、県土木部建築住宅課を訪れ、県に対し、駅前行政区及び高根町と協議したが平行線であるので、県が説得して欲しい旨の協力を求め、県は、これを請けて、原告 をしたが、右の協議も結局奏功しなかったので、更に、県土木部建築住宅課を訪れ、県に対し、駅前行政区及び高根町と協議したが平行線であるので、県が説得して欲しい旨の協力を求め、県は、これを請けて、原告と駅前行政区及び高根町に対し、両者の調停の労をとることを約し、双方を説得し始めたが、両者の主張はなお平行線のままであった。 (2) そのため、原告は、まず、同年七月一五日ごろ、県建築審査会に対し、被告が同三月一八日以降約四か月間本件建築確認申請に対する何らの許否の処分をしないことについて審査請求をし(以下「本件審査請求」という。)、次いで、同年七月一六日、本訴請求を提起し(これは当裁判所に顕著な事実である。)、被告は、同月一五日に本件審査請求の事実を、同月二二日に本件訴状の送達により本訴請求提起の事実を知った(これは当裁判所に顕著な事実である。)。 (3) ところで、原告は、平成二年一〇月ごろに駅前行政区に対し本件建物の最高の高さを同建物の敷地の既存建物(サンパークホテル)の最高の高さと同じ一七・七五メートルにする旨の譲歩案を示していた。そこで、県は、両者の利害調整として右の案を県の斡旋案(以下「県斡旋案」という。)とし、平成三年七月一五日ごろから、高根町長に対し、これを受け容れるように説得したところ、同町長がこれを基本的に了承したので、同月一八日、原告に県斡旋案を示したが、原告はこれを拒否した。 (4) もっとも、他方において、原告は、同月二六日、高根町長に対し、本件建物建築計画について、景観条例に規定されている大規模行為届出書を提出した。 (三) 本件行政指導と原告の対応(1) これに対し、高根町長は、平成二年一〇月一日に高根町指導要綱が改正され、大規模建築物の最高の高さが一三メートル以下に規制され、かつ、駅前行政区が本件建物建築計画に同意し 行政指導と原告の対応(1) これに対し、高根町長は、平成二年一〇月一日に高根町指導要綱が改正され、大規模建築物の最高の高さが一三メートル以下に規制され、かつ、駅前行政区が本件建物建築計画に同意していなかったため、平成三年八月一日、県韮崎土木事務所に対し、本件建物建築計画について支障ある旨の意見書を添えて右届出書を提出した。 (2) そこで、県は、同月二八日、原告に対し、主として建物の最高の高さについての県斡旋案に沿い清里駅前地区の景観形成を維持させる趣旨で、施行規則九条一項に基づき、以下の事項の遵守を求める行政指導(以下「本件行政指導」という。)を行ったが、原告はこれに応じていない。 (1) JR小海線及び国道一四一号からの眺望を柔らかなものとし、建築物が周囲に与える威圧感をなくすため、敷地境界からの後退距離を十分に確保し(三ないし五メートル)、高木による高密度の植栽を行う。 (2) 建築物の高さは、高根町がこれからの清里地区のあるべき方向を示した「高根町土地開発事業の適正化に関する指導要綱(改正後の高根町指導要綱)」や周辺の樹高を考慮したものとする。 (3) 山岳の近傍であるため、勾配屋根を設ける。 (4) 外壁タイルは、周辺の樹木と調和するよう素材としての土の色合い、質感が生かされたものとする。 3 被告の本件不作為そして、被告は、本件口頭弁論終結時まで、建築基準法所定の確認処分要件の具備がないことではなく、原告が本件行政指導に応じていないことを理由として本件建築確認申請に対しなんらの許否の処分をしていない(以下「本件不作為」という。)。 二争点本件の争点は、原告が建築基準法所定の確認処分の要件を具備しないことを理由とするのではなく、本件行政指導に従わないことを理由とする被告の本件不作為が違法とならないか否かである。 1 被告の 二争点本件の争点は、原告が建築基準法所定の確認処分の要件を具備しないことを理由とするのではなく、本件行政指導に従わないことを理由とする被告の本件不作為が違法とならないか否かである。 1 被告の主張(一) 本件行政指導の目的及び必要性山梨県は、三つの国立公園と一つの国定公園に囲まれ、自然景観に非常に恵まれた地形的特性を有しており、これが住民の生活の場としての魅力を高め、商業や観光などの地域振興の基盤にもなっているところ、近年、優れた自然景観が基盤となっている地域に中高層のリゾートマンションが次々と建築され、これが一変したばかりでなく、交通渋滞、給水不足、下水道の設置、廃棄物の処理等の夥しい行政需要を生み出し、市町村に著しい財政負担を強い、その地域的な行政サービスを低下させる事態を招いている。そこで、県は、地域住民による地域住民のための快適な街づくり、景観づくりを推進する目的で景観条例、施行規則及び事務処理要領を制定、施行したものである。 ところで、清里駅前地区では、原告が本件建物の外にデュークガーデンII(最高の高さ二〇メートルで建築確認済み、以下「II建物」という。 )及び同V(同二〇メートルで建築確認未申請)の建築を計画しているばかりでなく、四事業者がそれぞれ高根町指導要綱の基準に従い駅前行政区の同意を得て建物の最高の高さが一二・九五メートルのリゾートマンションを建築する予定であり、右のうち、二事業者は当初建物の最高の高さを一九メートル以上にする予定であったのを右の高さまで下げたものであり、この他に三事業者が建物の最高の高さが一九メートル以上のリゾートマンションをそれぞれ建築すべく駅前行政区と協議中である。 しかるに、もし、被告が本件建物について建築基準法に違反しないという名目で建築確認をしたならば、現在駅前行政区と協議中の事業 ル以上のリゾートマンションをそれぞれ建築すべく駅前行政区と協議中である。 しかるに、もし、被告が本件建物について建築基準法に違反しないという名目で建築確認をしたならば、現在駅前行政区と協議中の事業者はもとより、既に高根町指導要綱に従った事業者も改めて最高の高さが一九メートルを超える建物の建築確認を求めてくることが予想され、その結果、清里駅前地区における中高層のリゾートマンションの乱立を招くことになる。 そして、かかる事態を招けば、高根町及び駅前行政区住民の自主的な街づくりないし景観形成の努力ひいては景観条例の前記の基本的精神が踏みにじられることになる。 そこで、県は、本件行政指導において、原告が県斡旋案に従うことなどを求めているものである。 (二) 本件不受理合意の存在及び有効性原告は、被告との間で、平成三年三月二七日及び同年四月二三日に本件建築確認申請を不受理扱いとする旨を確認し、同年六月一一日、景観条例に従い原告から大規模行為届書が提出されこれに基づく県の行政指導がされるまでは本件建築確認申請を不受理扱いとする旨の合意(以下「本件不受理合意」という。)をした。この合意は、右(一)の景観条例の目的を達成するために必要であり、本件行政指導の方法、程度も相当であり、かつ、原告が任意に応じたものであるから、無効ないし違法ではない。ところが、原告は、未だ本件行政指導に応じていない。したがって、被告は、本件建築確認申請を受理したことにはならず、これに対する許否の処分をする義務はない。 (三) 正当事由の存在仮に、本件建築確認申請について受理の効力が生じているとしても、本件不作為には正当事由があり、なんら違法ではない。 (1) 本件行政指導の正当性と本件不作為の必要性県は、地域住民による地域住民のための快適な街づくり、景観づくりを推進する目的 じているとしても、本件不作為には正当事由があり、なんら違法ではない。 (1) 本件行政指導の正当性と本件不作為の必要性県は、地域住民による地域住民のための快適な街づくり、景観づくりを推進する目的で景観条例、施行規則及び事務処理要領を制定、施行したのであり、被告が本件行政指導が実現されないのに建築基準法に違反しないという名目で本件建築確認をすれば、今後、清里駅前地区における中高層のリゾートマンションの乱立を招き、高根町及び駅前行政区住民の自主的な街づくりないし景観形成の努力ひいては景観条例の右目的が踏みにじられることになることは前記(一)のとおりである。したがって、被告の本件不作為は、目的の正当性があり、かつ、右目的実現のために必要不可欠である。 (2) 原告の不協力が信義に反することまた、県は、原告が駅前行政区及び高根町長の説得を要請したため両者の調停を始めた。ところが、原告は、右調停開始以前の交渉経過において、駅前行政区との間で本件建物建築計画についてだけでなくII建物の建築計画についても同意を求める協議を並行していたところ、本件建物建築計画についてはII建物についてと異なり十分な協議がなされていなかったにもかかわらず、弁護士を同行して法律論をふりかざし、又は、駅前行政区長その他の役員らに弁護士名義で内容証明郵便を送付するなど、駅前行政区住民らの理解を得るのにふさわしくなく、むしろ、その態度を硬化させる交渉態度に終始していた。そのため、県は、両者の利害を調整しようとしても、条件面以外の点でも困難であったのであり、その原因は県による調停開始以前に原告が作っていたものと言えるのである。 しかし、県は、原告がかって提示しており、その高さでもリゾートマンションとして分譲すれば採算が採れ、原告に不利益はないと思われ、他方、駅前行政区及び高根 以前に原告が作っていたものと言えるのである。 しかし、県は、原告がかって提示しており、その高さでもリゾートマンションとして分譲すれば採算が採れ、原告に不利益はないと思われ、他方、駅前行政区及び高根町が既存建物と同じ高さであるためその建築に反対する合理的理由がないと思われる建物の最高の高さについての案(一七・七五メートル)を県斡旋案として双方に提示し、これを高根町長に了承させた。 しかるに、原告は、本件建物建築計画に対する駅前行政区及び高根町長の同意が得られないとみて、本件審査請求及び本訴請求をし、県斡旋案を「時期が遅すぎる」との一言で一方的に拒否し、県の右の利害調整の努力を水泡に帰させたものであって、かかる本件行政指導に対する原告の不協力は甚だ信義に反する。 (3) 以上によれば、本件行政指導に対する原告の不協力は、社会通念上正義の観念に反すると言えるから、被告の本件不作為はなんら違法ではない。 2 原告の主張(一) 本件不受理合意の不存在ないし無効性(1) 原告は、被告との間で、平成三年三月二七日及び同年四月二三日に本件建築確認申請を不受理扱いとする確認をしたことはないし、本件不受理合意もしていない。 (2) 本件不受理合意は、仮に成立していたとしても無効である。 まず、行政主体は、法規によって賦与された行政権を当然には自己の意思によって処分することはできないから、行政法規がある行政を公権力の発動として行うべきことを規定する限り、明文上の根拠もないのに私人との間において右規定を変更するような公法上の契約を成立させる権限はない。ところで、本件不受理合意は、建築確認処分という公権力の行使の分野での公法上の契約であり、しかも、建築主事が建築基準法により建築確認の許否の処分を右申請後二一日以内にすることを義務付けられているところ、これをいつ終了 合意は、建築確認処分という公権力の行使の分野での公法上の契約であり、しかも、建築主事が建築基準法により建築確認の許否の処分を右申請後二一日以内にすることを義務付けられているところ、これをいつ終了するか未確定な本件行政指導の実施後に延期する合意である。したがって、本件不受理合意は無効と考えられ、原告に対する法的拘束力のない紳士協定に止まるものというべきである。 (二) 正当事由の不存在(1) 建築確認とは、当該建築物の計画が、敷地の構造及び建築設備に関する法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定に適合するものであることについての建築主事の判断の表示であるところ、景観条例は、右の確認にあたっての適合性判断の対象法令には含まれないから、建築確認と切り離してそれ自体を運用すべき筋合であって、同条例上の手続が済んでいないことを理由とする確認の留保は違法である。被告は、景観条例の重要性をしきりに説いているが、これは、行政指導を内容とするに過ぎず、国民がこれに応じるか否かは全く自由であって、建築確認手続とは無関係のものである。 しかるに、原告は、県要領、景観条例及び高根町指導要綱に基づく、県又は高根町の行政指導に長期にわたり真剣かつ熱心に協力して来た。 また、原告は、駅前行政区に対し、かって、県斡旋案と同一内容の案に同意する余地があるか否かを質問したことがあるが、右の質問は、その当時の不動産市況では利益も損失もない最低の採算が採れる状態であったことから金利負担等を勘案して行ったものであって、これを積極的な意思の下に提案したものではない。そして、県が原告に対し、県斡旋案を提示したころには、既に不動産市況が悪化し、本件建物の最高の高さを一九・九五メートルから一七・七五メートルに変更すれば、一階分一九戸の建設分譲が不可能となり、一二億円以上の分譲代金が入 し、県斡旋案を提示したころには、既に不動産市況が悪化し、本件建物の最高の高さを一九・九五メートルから一七・七五メートルに変更すれば、一階分一九戸の建設分譲が不可能となり、一二億円以上の分譲代金が入らず、本件建物建設は原告に大幅な赤字をもたらすことになる。 したがって、本件行政指導に対する原告の不協力は、到底社会通念上正義の観念に反するとは言えず、被告の本件不作為の正当事由とはなりえない。 (2) 更に、県は、原告が平成三年二月六日に県要領に基づき大規模建築物設置協議書を提出していたにもかかわらず、駅前行政区の同意を得られないという理由で承認を遅延させ、県要領の施行期間内に承認を得られなくなったことから、原告が抗議したところ、景観条例の手続は形式的にしてもらうだけであり、実体的には問題がないと表明した。また、県は、清里駅前地区のII建物(最高の高さ二〇メートル)及びアーバンリゾートマンション(同一九・九五メートル)の建築確認をしている。しかるに、被告は、平成三年七月一〇日になり、景観条例の承認が降りない間は確認を留保する旨言明し、これを理由に依然として本件不作為を継続しているのであり、本件不作為は行政指導の公平及び信義に反しこそすれ、およそ正当事由に基づくものとは言えない。 第三争点に対する判断一建築基準法六条三項の趣旨と被告の権限ないし義務建築主事は、建築基準法六条三項により、当該建築計画の関係法令適合性の有無を審査、確認の対象とすることを求められているのであり、当該建築計画が関係法令に適合しているときは法の定める場合を除いて確認するか否かの裁量権を有するものではない。また、右条項が建築確認処分について応答期限(申請から二一日以内)を設けた趣旨は、違法な建築物の出現を防止するために建築確認の制度を設け、建築主が一定の建築物を建築し の裁量権を有するものではない。また、右条項が建築確認処分について応答期限(申請から二一日以内)を設けた趣旨は、違法な建築物の出現を防止するために建築確認の制度を設け、建築主が一定の建築物を建築しようとする場合には予めその建築計画が関係法令の規定に適合するものであるかどうかについて建築主事の審査、確認を受けなければならず、確認を受けない建築物の建築又は大規模の修繕等の工事はすることができないこととし、その違反に対しては罰則をもって臨むこととしたこと(同法六条一項、五項、九九条一項二号、四号)の反面として、右確認申請に対する応答を迅速にすべきものとし、建築主に資金の調達や工事期間中の代替住居、営業場所の確保等の事前準備等の面で支障を生ぜしめることのないように配慮し、建築の自由との調和を図ろうとしたものと解される。したがって、建築主事が当該確認申請について行う確認処分自体は、基本的に裁量の余地のない確認的行為の性格を有するものと解するのが相当であるから、審査の結果、適合又は不適合の確認が得られるなど、所定の処分要件を具備するに至った場合には、建築主事は原則として速やかに確認ないし不確認の処分を行う義務があり、右期間制限を超える建築主事の不作為は原則として違法である。 本件において、原告が本件建築確認申請をしたのは平成三年三月一八日であり(前記第二の一1(三))、被告が本件建築確認申請に対し確認処分をしないのは建築基準法所定の確認処分要件の具備がないからではなく、原告が本件行政指導に応じないためである(同第二の一3)。したがって、被告は、原則として、遅くとも同年四月九日までに本件建物について建築確認処分を行う義務を負っていたものと言わねばならず、同日以降の確認処分の留保は原則として違法である。 しかしながら、被告は、原告が本件建築確認申請をし 遅くとも同年四月九日までに本件建物について建築確認処分を行う義務を負っていたものと言わねばならず、同日以降の確認処分の留保は原則として違法である。 しかしながら、被告は、原告が本件建築確認申請をした後の同年三月二七日及び同年四月二三日に被告に対し本件建築確認申請を不受理扱いとすることを確認(以下「本件不受理扱いの確認」という。)するとともに景観条例に基づく行政指導に応じる意向を示し、同年六月一一日には本件不受理合意をしたと主張し、また、原告が同年六月一一日には県土木部住宅建築課を訪れて高根町及び駅前行政区に対する説得を依頼し(前記第二の一2(二)(1))、同年七月二六日には景観条例に従い大規模行為届出書を提出したこと(前記第二の一2(二)(4))は争いがないのであるから、県の景観条例に基づく本件行政指導に応じない以上、本件建築確認申請について受理の効力は生じていないから被告に確認処分義務はなく、仮に本件建築確認申請について受理の効力が生じていたとしても原告が本件行政指導に応じないことはその目的、具体的経緯等に照らし信義ないし正義の観念に反するから、確認処分を留保することは違法ではないと主張するので、以下には、まず、本件不受理合意の効力について検討し、次いで、本件不受理合意ないし本件不受理扱いによる確認処分の留保が例外的に適法と認められる余地があるか否かについて順次検討する。 二本件不受理合意の無効性被告がその成立を主張する本件不受理合意は、建築基準法が被告に課している前記一の確認義務を、いつ終了するか未確定な本件行政指導の実施後に延期する行政契約である。しかし、右の確認義務は、建築確認制度が建築の事由の制約となることから、これとの調和を図るために法律上定められた基本的に裁量の余地のない義務であり、応答期限の徒過が原則として違法とな 政契約である。しかし、右の確認義務は、建築確認制度が建築の事由の制約となることから、これとの調和を図るために法律上定められた基本的に裁量の余地のない義務であり、応答期限の徒過が原則として違法となることは前記一のとおりであるところ、明文上の根拠もないのに被告が自己の意思によってこれを右のように変更する行政契約を成立させることを許容すると、右の確認義務に関し建築基準法上定められた制度の趣旨が事実上没却されるおそれがある。そこで、原被告間の合意により、建築確認処分を行う時期を変更することは、建築基準法に反し許されないものというべきであって、仮に本件不受理合意が原被告間で成立していたとしても無効であり、被告がこれによって確認義務を免れるものではないと解すべきである。したがって、被告の前記主張は、本件不受理合意の有無について判断するまでもなく理由がない。 三正当事由の存否 1 被告の不受理扱いの原則的違法性(一) もっとも、原告は、平成三年三月一八日本件建築確認申請を行って以降、後述のように同年七月一五日建築審査会に対し本件審査請求をし、建築確認処分を留保したままでの行政指導に応じない旨の意思を表明するまで、本件建物建築計画について同意を得るべく高根町長と協議をし、かつ、県土木部建築住宅課に原告と駅前行政区及び高根町との間の調停の労をとるよう求め、同課の説得を受けるなどしていることもあり(前記第二の一2(二))、たとえ被告が存在したと主張する本件不受理合意が行政契約として無効であるとしても、その後、被告が本件行政指導の未了を理由として建築確認処分の留保の是認を認め、これに対し原告が任意に協力し、服従した場合であると認める余地がない訳ではなく、前記の本件不受理扱いについてもこれと同様に考えられる。 (二) ところで、普通地方公共団体は、地方公 留保の是認を認め、これに対し原告が任意に協力し、服従した場合であると認める余地がない訳ではなく、前記の本件不受理扱いについてもこれと同様に考えられる。 (二) ところで、普通地方公共団体は、地方公共の秩序を維持し、住民の安全、健康及び福祉を保持すること並びに公害の防止その他の環境の整備保全に関する事項を処理することをその責務の一つとしているのであり(地方自治法二条三項一号、七号)、また、建築基準法は、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もって公共の福祉の増進に資することを目的として、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めている(同法一条)。そこで、これらの規定の趣旨目的に照らせば、関係地方公共団体が、当該建築確認申請に係る建築物が建築計画どおりに建築されると付近住民に対し少なからぬ被害を及ぼし、良好な居住環境を損なうことになるものと考えて、当該地域の生活環境の維持を図る目的で、建築主に対し、当該建築物の建築計画につき一定の譲歩、協力を求める行政指導を行い、建築主がこれに任意に応じているものと認められる場合においては、社会通念上合理的と認められる期間建築主事が申請に係る建築計画に対する確認処分を留保し、行政指導の結果に期待することがあったとしても、これをもって直ちに違法な措置であるとまではいえないものというべきであり(最高裁判所昭和六〇年七月一六日第三小法廷判決)、右の理は、地方公共団体が同様の目的に基づき、建築主から既に提出を受けた建築確認申請を不受理扱いとするときにも妥当するというべきである。 そこで、仮に、本件不受理扱いの確認があり又は本件不受理合意が成立していたとすると、原告が、平成三年三月二七日ないし同年六月一一日まで、本件建物建築について高根町及び駅前行政区の同意を得ることができる建築物にする旨の行政指導 いの確認があり又は本件不受理合意が成立していたとすると、原告が、平成三年三月二七日ないし同年六月一一日まで、本件建物建築について高根町及び駅前行政区の同意を得ることができる建築物にする旨の行政指導に任意に協力する意向を示していたものとも考えられ、これを理由として被告が建築確認処分を留保しても、これをもって直ちに違法な措置とまでは言い難い。 (三) しかしながら、このような建築確認処分の留保は、建築主の任意の協力、服従の下に行政指導が行われていることに基づく事実上の措置に止まるものであるから、建築主が一旦行政指導に応じて関係者と協議を開始した場合でも、右協議の進行状況及び四囲の客観的状況により、建築主事に対し、当該建築確認処分を留保したままでの行政指導にはもはや応じられないとの意思を真摯かつ明確に表明し、当該申請に直ちに応答すべきことを求めているものと認められる場合には、かかる建築主の明示の意思に反してその受忍を強いることは許されない筋合のものであると言わなければならず、建築主が右のような行政指導に不協力、不服従の意思を表明している限り、当該建築主が受ける不利益と右行政指導の目的とする公益上の必要性とを比較衡量して、右行政指導に対する建築主の不協力が社会通念上正義の観念に反するものと言えるような特段の事情が存在しない限り違法となるものと考えられる。 ところで、原告は平成三年七月一五日ごろに県建築審査会に対し本件審査請求をし、被告は同日これがされたことを知ったのであるから(前記第二の一2(二)(2))、原告が被告に対し同日の時点で本件建築確認申請を不受理扱いとして建築確認処分を留保したままでの行政指導に応じられない旨の意思を真摯かつ明確に表明したものと認められる。したがって、被告による本件建築確認申請の不受理扱いを理由とする建築確認処分の 不受理扱いとして建築確認処分を留保したままでの行政指導に応じられない旨の意思を真摯かつ明確に表明したものと認められる。したがって、被告による本件建築確認申請の不受理扱いを理由とする建築確認処分の留保は、本件不受理扱いの確認及び本件不受理扱いの合意の成否を認定するまでもなく、少なくとも同日以降は、前記特段の事情がない限り違法と認められる。 2 本件行政指導の未了を理由とする建築確認処分の留保の原則的違法性次に、普通地方公共団体の責務及び建築基準法一条の趣旨に照らせば、関係地方公共団体が、当該建築確認申請に係る建築物が建築計画どおりに建築されると付近住民に対し少なからぬ被害を及ぼし、良好な居住環境等を損なうことになるものと考えて、当該地域の生活環境の維持を図る目的で、建築主に対し、当該建築物の建築計画につき一定の譲歩を求める行政指導を行い、建築主が任意にこれに応じているものと認められる場合には、社会通念上合理的と認められる期間、建築主事が申請に係る建築計画に対する建築確認処分を留保し、行政指導の結果に期待することがあったとしても、これをもって直ちに違法な措置であるとまでは言えないというべきであるが、他方、このような建築確認処分の留保が建築主の任意の協力、服従の下に行政指導が行われていることに基づく事実上の措置に止まるから、建築主が自己の申請に対する建築確認処分を留保されたままでの行政指導には応じられないとの意思を表明している場合には、かかる建築主の明示の意思に反してその受忍を強いることは許されず、行政指導が行われているという理由だけで建築確認処分を留保することは、当該建築主が受ける不利益と右行政指導の目的とする公益上の必要性とを比較衡量して、右行政指導に対する建築主の不協力が社会通念上正義の観念に反するものと言えるような特段の事情がない を留保することは、当該建築主が受ける不利益と右行政指導の目的とする公益上の必要性とを比較衡量して、右行政指導に対する建築主の不協力が社会通念上正義の観念に反するものと言えるような特段の事情がない限り違法であると解すべきことは、いずれも建築確認申請の不受理扱いについて既に述べたところと同様である(前掲最高裁判決。前記1(二)、同(3))。 ところで、原告は、県が平成三年六月一一日以降本件建物の最高の高さについて原告と駅前行政区及び高根町との調停を開始したものの両者の主張がなお平行線のままであったことから、同年七月一五日ごろに本件審査請求をし、同月一六日に本訴請求を提起し、更に、同月一八日に県から提示を受けた県斡旋案を拒否したのであり、本件行政指導は、その後の同年八月二八日に開始されたものである(前記第二の一2(二)の(1)ないし(3)並びに同第二の一2(三)(2))。右の事実経過によれば、原告が本件行政指導の開始の時点であくまで本件建築確認申請に係る建物の最高の高さ規制を主たる内容とする本件行政指導に不協力、不服従の意思を表明していたものと認めることができる。したがって、本件行政指導の未了を経由とする被告の本件不作為も前記特段の事情がない限り違法と解すべきである。 3 特段の事情(正当事由)の存否そこで、被告による本件不受理扱い及び本件不受理合意を理由とする建築確認処分の留保(前記1)並びに本件行政指導の未了を理由とする建築確認処分の留保(前記2)について、当該建築主が受ける不利益と本件行政指導の目的とする公益上の必要性とを比較衡量して、本件行政指導に対する建築主の不協力が社会通念上正義の観念に反するものと言えるような特段の事情が存在するか否かについて検討する。 (一) 本件行政指導の目的の正当性と本件不作為の必要性まず、証拠(乙一、 政指導に対する建築主の不協力が社会通念上正義の観念に反するものと言えるような特段の事情が存在するか否かについて検討する。 (一) 本件行政指導の目的の正当性と本件不作為の必要性まず、証拠(乙一、二、一七の一及び二、一八、二〇、二一の一及び二並びに弁論の全趣旨)によると、被告が主張する前記第二の二1(一)(本件行政指導の目的及び必要性)の各事実が認められる。そして、原告が本件行政指導を拒否している以上(前記第二の一3)、被告の本件不作為を肯認しない限り、地域住民の自主的な街づくりの努力を基に県が意図するとおりの景観保護等の公共的利益を確保するという本件行政指導の目的を達成できなくなるおそれがある。 しかしながら、景観維持の利益は日照、通風の阻害等の被害から地域住民を守る利益に比べれば、建築物の高さに起因する度合が低いこと、争いのない事実(前記第二の一2(二)(3)、同2(三))及び証拠(甲一、乙一八、一九)によると、本件建物敷地には既存の一七・七五メートルの建物(サンバークホテル)が存在し、本件建物は右建物より容積が相当程度大きいものの僅か二・二メートル高いだけであること、本件建物建築予定地の周囲の状況、本件行政指導が高さ規制のみならずマンションの周囲に高木を植え、外観を周囲の風景に添うようにするなどの景観維持のための事項を含むことが認められることを総合すると、本件行政指導のうち高根町指導要綱上の高さ規制に配慮することが景観維持の目的を達成するために必ずしも不可欠なものとは認められない。 (二) 原告の不利益の程度次に、原告は、平成二年一〇月ごろに駅前行政区に対し本件建物の最高の高さを本件建物建築計画における一九・九五メートルから同建物の敷地の既存建物の最高の高さと同じ一七・七五メートルにする旨の県斡旋案と同じ内容の譲歩案を示していた ろに駅前行政区に対し本件建物の最高の高さを本件建物建築計画における一九・九五メートルから同建物の敷地の既存建物の最高の高さと同じ一七・七五メートルにする旨の県斡旋案と同じ内容の譲歩案を示していたこと(前記第二の一2(二)(3))があるが、証拠(乙一〇)によると、本件建物は地上七階建て(一階の高さが三・六五メートル、二階の高さが二・八五メートル、三ないし七階の高さが各二・八メートルであり、各階の天井の高さはいずれも二・四メートルである。)であり、右の譲歩案(二・二メートルの削減)が本件建物の七階部分の削減に相当し、原告がそのための設計変更を余儀なくされることが認められ、原告が本件行政指導に応じれば本来その自由な事業活動によって手にすることができるはずである右七階部分の建設分譲による利益等の正当な利益を損なうことになる。また、証拠(甲一、乙八)によると、原告は、本件建物敷地を取得する資金を金融機関から借り入れていることが認められ、原告が本件建築確認申請をしてから本件口頭弁論終結までに既に八ヵ月弱が経過しているのであり(前記第二の一1(三)及び当裁判所に顕著な事実)、この間に看過できない金利負担による損失が発生しており、被告の本件不作為が継続する限り、これが不断に生じ続けることになる。 (三) 原告の不協力が信義に反するか否かについて更に、被告は原告の本件行政指導に対する不協力がその経緯に照らし信義に反するものと主張するが、原告は、本件建物建築計画について景観条例に基づく県、高根町又は被告の一連の行政指導を受ける前に、景観条例の前身である県要領及び改正前の高根町指導要綱に則り、高根町及び駅前行政区と平成二年七月一九日ごろから平成三年二月ごろまで協議を重ねたにもかかわらず、これが整わず、県からも県要領に基づく大規模建築物等設置承認書の交付を 改正前の高根町指導要綱に則り、高根町及び駅前行政区と平成二年七月一九日ごろから平成三年二月ごろまで協議を重ねたにもかかわらず、これが整わず、県からも県要領に基づく大規模建築物等設置承認書の交付を受けられず、県要領所定の手続を践んでから本件建物建築計画について建築確認を申請することを止め、本件建築確認申請をした経緯があるのであり(前記第二の一1)、右経緯と本件建物の建築工事着工予定日が平成三年五月一五日であったこと(乙一〇)、県による同年六月一一日からの調停作業が本件審査請求の提起当時(同年七月一五日ごろ)まで不調のままであったこと(前記第二の一2(二)の(1)及び(2))、原告の不利益(前記3)、元来、行政指導はこれを受けるものの任意の協力、服従を前提として初めて成立する筋合のものであることを合わせて考えれば、原告は、長期にわたり関係自治体、団体と協議の努力をし、建築工事着工予定日を経過してもなお同年六月一一日以降の県の調停にいわば最後の解決の望みを託したものということができ、これが不調のまま約一か月が経過していた以上、その後の本件行政指導に対する原告の不協力は、必ずしも信義に反するとはいえない。 (四) 以上によれば、本件行政指導に対する原告の不協力には、社会通念上正義の観念に反するといえるような特段の事情が存在すると認めることはできず、これが認められるとする被告の主張は理由がない。 四よって、被告の本件不作為は、違法である。 第四結論以上によれば、本訴請求は理由があるからこれを認容し、訴訟費用の負担につき行訴法七条、民訴法八九条を適用して主文のとおり判決する。 (裁判官豊永格石栗正子日下部克通)別紙物件目録(省略) 主文 して主文のとおり判決する。 理由 (裁判官豊永格石栗正子日下部克通) 別紙物件目録(省略)

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