- 1 -主文 本件控訴をいずれも棄却する。 控訴費用は控訴人らの負担とする。 事実 及び理由第1控訴の趣旨 原判決を取り消す。 被控訴人市長は,Aに対し,1億円を大阪市に支払うよう請求せよ(96号事件。 ),,,,(,「」3(1)被控訴人市長はBCDE以下この4名を本件総務局長らという)に対し,各自3000万円を大阪市に支払うよう請求せよ(96。 号事件。 )(2)被控訴人市長は,本件総務局長らに対し,各自3000万円の賠償命令をせよ(96号事件。 )4(1)被控訴人市長は,F,G,H(以下,この3名を「本件教職員課長ら」という)に対し,各自3000万円を大阪市に支払うよう請求をせよ(9。 6号事件。 )(2)被控訴人市長は,本件教職員課長らに対し,各自3000万円の賠償命令をせよ(96号事件。 ),,,,(,「」 被控訴人水道局長はIJKL以下この4名を本件水道局長らという)に対し,各自5000万円を大阪市に支払うよう請求せよ(97号。 事件。 ),,,,(,「」 被控訴人交通局長はMNOP以下この4名を本件交通局長らという)に対し,各自5000万円を大阪市に支払うよう請求せよ(98号。 事件。 ) 訴訟費用は第1,2審とも被控訴人らの負担とする。 第2事案の概要- 2 - 事案の骨子本件は,大阪市の住民である控訴人ら外3名が,大阪市において違法な特別昇給制度の運用がされていたとして,平成7年度から平成16年度までの特別昇給制度の実施(支出負担行為)及びこれに基づく給与支給決定(支出命令)に関与した大阪市長,大阪市水道局長,大阪市交通局長の職にあった者に対する善管注意義務違反の債務不 度から平成16年度までの特別昇給制度の実施(支出負担行為)及びこれに基づく給与支給決定(支出命令)に関与した大阪市長,大阪市水道局長,大阪市交通局長の職にあった者に対する善管注意義務違反の債務不履行又は不法行為に基づく損害賠償責任の,大阪市総務局長及び大阪市教育委員会事務局教務部教職員課長の地位にあった者に対する地方自治法243条の2第1項後段に基づく損害賠償責任の各追及を,被控訴人らに対して求めた事案である。 前提事実(争いのない事実並びに証拠(特記しない限り枝番を含む。以下同じ)及び弁論の趣旨により容易に認められる事実)。 (1)当事者(争いがない)。 ア控訴人らは,いずれも大阪市の住民である。 イ被控訴人市長は大阪市の執行機関であり,損害賠償金又は不当利得返還金の支払を請求する権限及び賠償命令を発令する権限を有する行政庁である。 Qは,平成7年12月19日から平成15年12月18日まで大阪市長の職にあった者であり,Aは,同月19日から平成19年12月まで大阪市長の職にある者である。 ウ大阪市総務局長は,被控訴人市長の権限に属する事務のうち,職員の昇給及び昇格の決定に関する事項につき専決する権限を有する行政機関である(大阪市事務専決規程(昭和38年達第3号)4条7号。 )Bは平成7年度,Cは平成8年度から平成10年度まで,Dは平成11年度から平成13年度まで,Eは平成14年度から平成16年度まで,いずれも大阪市総務局長の地位にあった者である。 (「」。)エ大阪市教育委員会事務局教務部教職員課長以下教職員課長という- 3 -は,大阪市教育委員会の権限に属する事務のうち,教職員の昇格(昇任を伴う場合を除く)及び昇給の決定に関する事項につき専決する権限を有。 する行政機関である地方教育行政の組織及び運営に関する 3 -は,大阪市教育委員会の権限に属する事務のうち,教職員の昇格(昇任を伴う場合を除く)及び昇給の決定に関する事項につき専決する権限を有。 する行政機関である地方教育行政の組織及び運営に関する法律以下地((「教行法」という)23条3号,58条,大阪市教育委員会教育長専決規。 則(昭和41年(教)規則第5号)1条,3条,大阪市教育委員会事務局等専決規程(昭和46年(教育長)達第2号)9条1号。 )Fは平成7年度から平成8年度まで,Gは平成9年度から平成11年度,(),までR平成▲年▲月に死亡は平成12年度から平成15年6月までHは平成15年7月から少なくとも平成16年度まで,それぞれ教職員課長の地位にあり,又はあった者である。 オ被控訴人水道局長は,大阪市の営む水道事業及び工業用水道事業の管理者であり,水道局所属職員の給与に関する事項のほか,当該業務の執行に関し大阪市を代表する権限を有する行政庁である(地方公営企業法2条1項,7条,8条,9条2号。 )Iは平成7年度から平成10年度まで,Jは平成11年度から平成12年度まで,Kは平成13年度から平成14年度まで,Lは平成15年度か,。 ら平成16年度までそれぞれ被控訴人水道局長の地位にあった者であるカ被控訴人交通局長は,大阪市の営む高速鉄道事業,自動車運送事業及び,,中量軌道事業の管理者であり交通局所属職員の給与に関する事項のほか当該業務の執行に関して大阪市を代表する権限を有する行政庁である(地方公営企業法2条1項,7条,8条,9条2号。 )Mは平成7年度,Nは平成8年度から平成11年度まで,Oは平成12年度から平成15年度まで,Pは平成16年度から平成18年度まで,それぞれ被控訴人交通局長の地位にあった者である。 (2)給与及び特別昇給に関する制度の 平成8年度から平成11年度まで,Oは平成12年度から平成15年度まで,Pは平成16年度から平成18年度まで,それぞれ被控訴人交通局長の地位にあった者である。 (2)給与及び特別昇給に関する制度の概要ア給与条例主義- 4 -,,,普通地方公共団体はその常勤職員等に対し法律又は条例に基づいて給与等を支給しなければならない(地方自治法204条1項,3項,204条の2,地方公務員法24条6項,25条1項,地方公営企業法38条4項。 )イ特別昇給制度(ア)市長部局地方自治法204条3項,地方公務員法24条6項,25条3項を受,(。 ,け職員の給与に関する条例昭和31年大阪市条例第29号ただし平成17年大阪市条例第20号による改正前のもの。以下「本件職員給与条例」という。乙1)5条5項は,職員が現に受けている号給を受けるに至ったときから,12月を下らない期間を良好な成績で勤務したときは1号給上位の号給に昇給させることができるとして普通昇給を規定し,同条6項は,職員の勤務成績が特に優秀である場合その他市長が特に必要と認めた場合においては,普通昇給を定めた前項の規定にかかわらず,同項に規定する期間を短縮し,又はその現に受けている号給より上位の号給に昇給させることができると規定していた。 (イ)水道局及び交通局地方自治法204条3項,地方公務員法57条,地方公営企業法38条4項を受け,企業職員の給与の種類及び基準に関する条例(昭和41年大阪市条例第62号。以下「本件企業職員給与条例」という。乙2)18条は,条例の施行に関し必要な事項は,管理者が定めると規定している。 交通局企業職員の給与に関する規程(昭和36年大阪市交通事業管理規程第96号。ただし,平成17年大阪市交通事業管理規程第16号による改正前のもの。以下 必要な事項は,管理者が定めると規定している。 交通局企業職員の給与に関する規程(昭和36年大阪市交通事業管理規程第96号。ただし,平成17年大阪市交通事業管理規程第16号による改正前のもの。以下「本件交通局給与規程」という。乙6)7条5項は,職員が現に受けている号給を受けるに至ったときから12月を下- 5 -らない期間を良好な成績で勤務したときは,1号給上位の号給に昇給させるとして普通昇給を規定し,同条7項は,職員の勤務成績が特に優秀である場合その他交通局長が特に必要と認めた場合においては,普通昇給を定めた規定にかかわらず,その規定する期間を短縮し,若しくはその現に受けている号給より上位の号給に昇給させ,又はそのいずれをもあわせ行うことがあると規定していた。 (。 水道局企業職員給与規程昭和42年大阪市水道事業管理規程第2号,。 ただし平成17年大阪市水道事業管理規程第8号による改正前のもの以下「本件水道局給与規程」という。乙7)6条5項は,職員が現に受けている号給を受けるに至ったときから12月を下らない期間を良好な成績で勤務したときは,1号給上位の号給に昇給させるとして普通昇給を規定し,同条6項は,職員の勤務成績が特に優秀である場合その他水道局長が特に必要と認めた場合においては,普通昇給を定めた前項の規定にかかわらず,同項に規定する期間を短縮し,又はその現に受けている号給より上位の号給に昇給させることがあると規定していた。 (ウ)単純労務職員地方公務員法57条,地方公営企業等の労働関係に関する法律附則5項,地方公営企業法38条4項を受け,単純な労務に雇用される職員の給与の種類及び基準に関する条例(昭和28年大阪市条例26号。以下「単純労務職員給与条例」という)15条は,条例の施行に関し必要。 な事項は市規則で定めると規 項を受け,単純な労務に雇用される職員の給与の種類及び基準に関する条例(昭和28年大阪市条例26号。以下「単純労務職員給与条例」という)15条は,条例の施行に関し必要。 な事項は市規則で定めると規定している。 単純な労務に雇用される職員の初任給及び昇給等の基準に関する規則(昭和59年大阪市規則第18号。ただし,平成17年大阪市規則第63号による改正前のもの。以下「本件単純労務職員給与規則」という。 乙16)9条1項は,職員が現に受けている号給を受けるに至ったときから12月を下らない期間を良好な成績で勤務したときは,1号給上位- 6 -の号給に昇給させることができるとして普通昇給を規定し,13条は,職員の勤務成績が特に優秀である場合その他市長が特に必要と認めた場,,,合においては普通昇給を定めた規定にかかわらず昇給期間を短縮し又はその現に受けている給料月額より上位の給料月額に昇給させることができると規定していた。 (エ)教育委員会所管の学校園の教職員教育委員会所管の学校園の教職員には,大阪府が給与を負担する教員(以下「府費負担教職員」という)と,大阪市が給与を負担する教員。 (以下「市費負担教職員」という,それ以外の職員があるが,この。)うち,府費負担教職員は大阪府の条例に基づいて給与が支給されるので(地教行法42条,大阪府において特別昇給の事務が行われる。 )市費負担教職員については,地方公務員法57条,教育公務員特例法13条1項を受け,本件職員給与条例5条5項に普通昇給が規定され,同条6項,附則7項,教育委員会所管の学校の教員の給料に関する規程(()。 「」平成6年教委高第24号他以下本件市費負担教職員給与規程という。乙17)4条1項は,職員の勤務成績が特に良好であると判定される事実が認められるとき の給料に関する規程(()。 「」平成6年教委高第24号他以下本件市費負担教職員給与規程という。乙17)4条1項は,職員の勤務成績が特に良好であると判定される事実が認められるときは,別に定める基準に基づき,その昇給期間を短縮して直近上位の給料月額に昇給させることができると規定していた。 府費負担教職員及び市費負担教職員以外の職員については,地方公務員法24条6項を受け,本件職員給与条例が適用されるので,普通昇給及び特別昇給は,市長部局と同様である。 (オ)特別昇給の種類大阪市においては,上記各条例,規則,規程に基づき,特別昇給事由ごとに,定数内特別昇給,表彰による特別昇給,長期勤続者に対する特別昇給,中堅職員に対する特別昇給,基準職務職昇任による昇給短縮措- 7 -置,昇格時の昇給期間短縮措置を設けている(弁論の全趣旨。 )ウ定数内特別昇給(弁論の全趣旨)(ア)市長部局大阪市における市長部局の職員を対象とした定数内特別昇給は,職員の勤労意欲の向上と,国や他都市との均衡にかんがみ,昭和34年度から実施されたものであり,市長決裁(基本決裁)により制度の基本的枠組み(定数及び効果月数)を定め,これらを受けて各実施年度ごとに総務局長決裁(各年決裁)により具体的な対象者の範囲を定め,総務局長が昇給期(4月,7月,10月,1月)ごとに,具体的な昇給者を決定している(決定決裁。 )定数及び効果月数は,平成14年度に,職員の概ね20パーセントを3月,15パーセントを6月,それぞれ昇給期間を短縮する旨の基本決裁がされており,その範囲内で,平成16年度の各年決裁及び決定決裁(,,。)ただし実際には職員の25パーセントを昇給期間6月短縮したがされた(各年度ごとの定数及び効果月数は原判決別紙定数内特別昇給定数( の範囲内で,平成16年度の各年決裁及び決定決裁(,,。)ただし実際には職員の25パーセントを昇給期間6月短縮したがされた(各年度ごとの定数及び効果月数は原判決別紙定数内特別昇給定数(百分率)一覧表のとおり。 。)(イ)水道局及び交通局大阪市における水道局及び交通局の職員を対象とした定数内特別昇給は,基本決裁,各年決裁,決定決裁がいずれも交通局長又は水道局長であることのほかは,市長部局における定数内特別昇給と同様である。 (ウ)教育委員会所管の学校園の教職員大阪市における教育委員会所管の学校園の教職員のうち,市費負担教職員については,府費負担教職員に対する大阪府の制度に準じて,特別昇給制度(基準内特別昇給)を実施している。 大阪市は,昭和54年度から,府費負担教職員の定数内特別昇給の基準を用いて,定数の概ね30パーセント以内の教員に対し昇給期間を6- 8 -月短縮し,平成16年度において,3月短縮換算で定数の概ね60パーセント以内の教員に対し昇給期間を3月又は6月短縮した。なお,大阪府は,平成10年度から平成14年度まで,財政難による人件費抑制措置のため,府費負担教職員の定数内特別昇給を実施しなかったので,大阪市は,市費負担教職員の定数内特別昇給を実施しなかった。 市費負担教職員の定数内特別昇給は,勤務成績が特に良好であると判,,定される事実が認められる教職員を対象として実施年度ごとに教育長総務局長,財政局長の合議決裁により定め,それに基づき,教職員課長決裁により,昇給期間の短縮を受けたことにより昇給する者を決定している。 大阪市における教育委員会所管の学校園の教職員のうち,府費負担教職員及び市費負担教職員以外の職員を対象とした定数内特別昇給は,各年決裁権者が教育長であり,決定決裁権者が教職員課長であることの いる。 大阪市における教育委員会所管の学校園の教職員のうち,府費負担教職員及び市費負担教職員以外の職員を対象とした定数内特別昇給は,各年決裁権者が教育長であり,決定決裁権者が教職員課長であることのほかは,市長部局における定数内特別昇給と同様である。 (エ)単純労務職員単純労務職員に対する定数内特別昇給は,市長部局における定数内特別昇給の中で行われている。 (3)控訴人らが問題とする財務会計行為(争いがない)。 ア市長部局(単純労務職員を含む)における定数内特別昇給。 本件総務局長らは,平成7年度から平成16年度まで,職員の昇給及び昇格の決定に関する事項につき専決する権限を有する行政機関として,定数内特別昇給によって昇給させる者を決定し(支出負担行為,これを前)提とする給与の支出(支出命令)をした。 大阪市総務局長(当時)は,平成16年3月18日以降,平成16年度の定数内特別昇給として,総職員数3万1664人中,定数内特別昇給の対象とならない課長代理級以外の者を除いた2万9229人のうち,その- 9 -25パーセントの範囲内である7298人に対し,昇給期間6月短縮の措置(支出負担行為)をとり,これを前提とした給与の支出(支出命令)をした。 イ水道局における定数内特別昇給本件水道局長らは,平成7年度から平成16年度まで,定数内特別昇給によって昇給させる者を決定し(支出負担行為,これに基づく給与の支)出(支出命令)をした。 大阪市水道局長(当時)は,平成16年3月18日以降,平成16年度の定数内特別昇給として,定数内特別昇給の対象たり得る職員2170人中458人 1パーセントに対し昇給期間6月短縮の措置支,(. ),(出負担行為)をとり,これを前提とした給与の支出(支出命令)をした。 ウ交通局におけ り得る職員2170人中458人 1パーセントに対し昇給期間6月短縮の措置支,(. ),(出負担行為)をとり,これを前提とした給与の支出(支出命令)をした。 ウ交通局における定数内特別昇給本件交通局長らは,平成7年度から平成16年度まで,定数内特別昇給によって昇給させる者を決定し(支出負担行為,これに基づく給与の支)出(支出命令)をした。 大阪市交通局長(当時)は,平成16年3月18日以降,平成16年度の定数内特別昇給として,定数内特別昇給の対象たり得る職員8072人中,2167人(26.8パーセント)に対し,昇給期間6月短縮の措置(支出負担行為)をとり,これを前提とした給与の支出(支出命令)をした。 エ教育委員会所管の学校園の教職員のうち府費負担教職員以外の者に対する定数内特別昇給本件教職員課長らは,平成7年度から平成16年度まで,定数内特別昇給によって昇給させる者を決定し(支出負担行為,これに基づく給与の)支出(支出命令)をした。 教職員課長(当時)は,平成16年3月18日以降,平成16年度の定- 10 -数内特別昇給として,定数内特別昇給の対象となり得る市費負担教職員1708人中,683人(40.0パーセント)に対して昇給期間3月の短縮の措置(支出負担行為,定数内特別昇給の対象となり得る教員以外の)職員2921人中,630人(21.5パーセント)に対し,昇給期間6月短縮の措置支出負担行為をとりこれらを前提とした給与の支出支(),(出命令)をした。 (4)控訴人らの主張を前提とした場合の損害額(試算(争いがない))。 ア市長部局(単純労務職員を含む)。 上記のとおり,市長部局では,平成16年度定数内特別昇給として,7298人に対し,昇給期間6月短縮の措置をとった。 定期昇給であ 額(試算(争いがない))。 ア市長部局(単純労務職員を含む)。 上記のとおり,市長部局では,平成16年度定数内特別昇給として,7298人に対し,昇給期間6月短縮の措置をとった。 定期昇給であれば,12月を下らない期間を良好な成績で勤務すれば1号給上位の号給に昇給するから(本件職員給与条例5条5項,定数内特)別昇給によって,各人が6か月早く昇給したことと評価できる。したがって,年間を通じてみた場合,概ね1号給昇給することの2分の1の効果があると評価できる。1号給昇給することの2分の1といっても,昇給額は,,()各号給によって異なるがその平均は各号給の平均間差額6624円の2分の1に近似する。 ,,,定数内特別昇給の影響は本給だけではなく各種手当等に波及するがその影響額は,各人により異なる。1か月当たりの本給月額を1として,12月分の想定所要額を係数化すると,22.2744ポイントになるの,,,で平成16年度の定数内特別昇給による影響は本給の増加額の平均に上記係数を乗じた金額に,定数内特別昇給者数を更に乗じた金額(5億3839万3987円)に近似する。 (平均間差額の2分の1)×22.2744×(昇給者数)=6624円/2×22.2744×7298人=5億3839万3987円- 11 -イ水道局平均間差額(6625円)及び想定所要額係数(22.2323)を用いて試算すると,平成16年度の定数内特別昇給による影響は,各人の本給の増加額の平均に,上記係数を乗じた金額に,定数内特別昇給者数を更に乗じた金額(3372万9178円)に近似する。 (平均間差額の2分の1)×22.2323×(昇給者数)=6625円/2×22.2323×458人=3372万9178円ウ交通局平均間差額(6669円)及び想定所要 万9178円)に近似する。 (平均間差額の2分の1)×22.2323×(昇給者数)=6625円/2×22.2323×458人=3372万9178円ウ交通局平均間差額(6669円)及び想定所要額係数(22.292)を用いて試算すると,平成16年度の定数内特別昇給による影響は,各人の本給の増加額の平均に,上記係数を乗じた金額に,定数内特別昇給者数を更に乗じた金額(1億6107万8904円)に近似する。 (平均間差額の2分の1)×22.292×(昇給者数)=6669円/2×22.292×2167人=1億6107万8904円エ教職員()(. 市費負担教職員の平均間差額9532円及び想定所要額係数 6861)を用いて試算すると,平成16年度の定数内特別昇給による影響は,各人の本給の増加額の平均に,上記係数を乗じた金額に,定数内特別昇給者数を更に乗じた金額(3692万3646円)に近似する。 (平均間差額の4分の1)×22.6861×(昇給者数)=9532円/4×22.6861×683人=3692万3646円()(. 教員以外の職員の平均間差額6149円及び想定所要額係数 9988)を用いて試算すると,平成16年度の定数内特別昇給による影- 12 -響は,各人の本給の増加額の平均に,上記係数を乗じた金額に,定数内特別昇給者数を更に乗じた金額(4261万0245円)に近似する。 (平均間差額の2分の1)×21.9988×(昇給者数)=6149円/2×21.9988×630人=4261万0245円(5)監査請求及び本訴提起控訴人ら外3名は,大阪市監査委員に対し,平成17年3月18日,大阪市において条例に定めのない違法な昇給制度が設けられ,長年に渡り市長決裁のみで特別昇給と称して違法に公金が支出されており,大 訴提起控訴人ら外3名は,大阪市監査委員に対し,平成17年3月18日,大阪市において条例に定めのない違法な昇給制度が設けられ,長年に渡り市長決裁のみで特別昇給と称して違法に公金が支出されており,大阪市はこれに関与した歴代市長,三役,局長など市の幹部らに対して損害賠償請求権を有しているから,特別昇給制度が開始されたときから現在に至るまでの上記幹部らに対し損害賠償請求その他の必要な措置を講ずるよう勧告を求める旨の住民監査請求をした(甲1,2。 )大阪市監査委員は,平成17年5月16日,控訴人ら外3名の上記監査請求は,特別昇給の適用決定を違法又は不当な支出負担行為として監査を求めているものと理解し,監査請求の1年前(平成16年3月18日)以後にされたものに限り審理し,大阪市における特別昇給制度は直ちに違法とまではいえないなどとして監査請求を棄却し(甲2,そのころ,控訴人ら外3名)にその旨通知した(弁論の全趣旨。 )控訴人ら外3名は,平成17年6月14日,本件訴えを提起した(顕著な事実。 )(6)原審は,控訴人ら外3名の本件訴えのうち,監査請求のされた平成17年3月18日から1年以上前にされた財務会計行為(平成7年度から平成1)(,,5年度の定数特別昇給に係る支出に関する部分控訴の趣旨2項3項(2)4項(2),5項,6項の各請求のうち,上記各年度の定数内特別昇給に係る支出に関する部分)については,監査請求期間を経過したことにつき正当な- 13 -理由を認めることができず,賠償命令の対象となる者について損害賠償請求を求めた部分(控訴の趣旨3項(1),4項(1)の各請求に係る部分)は訴訟類型に適合しない不適法なものであるとして,いずれも却下し,その余の部分(控訴の趣旨2項,3項(2),4項(2),5項,6項の各請求のうち,平成 の趣旨3項(1),4項(1)の各請求に係る部分)は訴訟類型に適合しない不適法なものであるとして,いずれも却下し,その余の部分(控訴の趣旨2項,3項(2),4項(2),5項,6項の各請求のうち,平成16年度の定数内特別昇給に係る支出に関する部分)は,当該財務会計行為をするについて過失等を認めることができないとして棄却した。なお,控訴人ら外3名は,本件訴え当初,平成7年12月19日から平成15年12月18日まで大阪市長の職にあったQに対し1億円を大阪市に支払うよう被控訴(「」),,人大阪市長に請求していたが原判決第1請求1項当審においてこの請求を取り下げ,被控訴人大阪市長はこれに同意した。 なお,控訴人ら外3名のうち,控訴人ら以外の3名は控訴を提起しなかった。 争点及び争点に関する当事者の主張(1)後記(2)のとおり当審における当事者の主張を付加するほか原判決事,,「実及び理由」中の「第2事案の概要」2欄に記載のとおりであるから,これを引用する。 (2)当審における当事者の主張ア控訴人ら(ア)監査請求期間について(本案前の争点1)について複数の公金支出について,各別の財務会計上の行為が観念できるとしても,それぞれが相互に密接に関連し不可分一体となり,全体としてみなければその違法性ないし不当性を判断することができないような特別な事情がある場合には,これを一体としてとらえ,最終的な財務会計上の行為が行われた日をもって当該行為の終わった日と解すべきところ,①本件定数内特別昇給の場合,被控訴人大阪市長は,単に特別昇給対象者の上限を画する基準としてではなく,当該定数まで特別昇給を行うと- 14 -いう意思で,基本決裁として,特別昇給対象者の定数を百分率によって決定し,かかる決裁に基づいて,市長部局をは 別昇給対象者の上限を画する基準としてではなく,当該定数まで特別昇給を行うと- 14 -いう意思で,基本決裁として,特別昇給対象者の定数を百分率によって決定し,かかる決裁に基づいて,市長部局をはじめとした各部局は,各,,年度における支出負担行為及び支出命令を行ったのでありそうすると各年度における支出負担行為及び支出命令は,個別の財務会計上の行為であるように観念できるが,実際には,一個の基本決裁に導かれた一連の行為であることは明白であること,②大阪市の定数内特別昇給制度の運用は,各年度だけで完結するものではなく,職員は,全就労期間中定期的に特別昇給が受けられるのであることからすると,上記した特別の事情があるといわなければならないから,平成7年度から平成15年度までの特別昇給措置及び昇給額の支払行為も,平成16年度のそれが終わった日をもって判断すべきである。 (イ)過失の有無等(本案の争点2)について給与決定権限者らは,成績主義によらないこと(具体的には勤務評定を行わないこと)を認識しつつ,定数内特別昇給を行っているから,故。 ,意をもって違法な財務会計上の行為を行ったことは明らかである仮に,,権限者らが自己の財務会計上の行為を適法と信じていたとしても本来定数内特別昇給が成績主義に基づいて運用されなければならないことは,被控訴人ら提出の証拠類からも明らかなことである上,地方自治法に関する注釈書や総務省からの通知・通達類を参照すれば容易に知り得たものであり,それにもかかわらず,権限者らがこれを知らなかったとすれば,その注意義務違反は甚だしいものであって,軽過失にとどまらず,重過失に相当するものといわざるを得ない。 イ被控訴人ら(ア)監査請求期間について(本案前の争点1)について市長の基本決裁は,あくまで10%「以内」 は甚だしいものであって,軽過失にとどまらず,重過失に相当するものといわざるを得ない。 イ被控訴人ら(ア)監査請求期間について(本案前の争点1)について市長の基本決裁は,あくまで10%「以内」などと定数の上限を定めているにすぎないし,大阪市の定数内特別昇給制度の運用は,各年度だ- 15 -けで完結するものであり,職員は全就労期間中に定期的に特別昇給が受,,けられるとは限らないなど控訴人らの主張は事実関係を曲解しており理由がない。 (イ)過失の有無等(本案の争点2)についてこの点に関する控訴人らの主張については争う。 第3当裁判所の判断 監査請求期間について(本案前の争点1)について当裁判所も,控訴人らがした監査請求のうち,平成16年3月18日が到来するまでにされた財務会計行為に係る部分(平成7年度から平成15年度までの定数内特別昇給に係る部分)は,監査期間を経過した後にしたものであり,そのことについての正当な理由があるとは認められないから,不適法であると判断する。その理由は,原判決「事実及び理由」中の「第3争点に対する判断」1欄に記載のとおりであるから,これを引用する。 控訴人らは,当審において,複数の公金支出について,各別の財務会計上の,,行為が観念できるとしてもそれぞれが相互に密接に関連し不可分一体となり全体としてみなければその違法性ないし不当性を判断することができないような特別な事情がある場合には,これを一体としてとらえ,最終的な財務会計上の行為が行われた日をもって当該行為の終わった日と解すべきところ,①本件定数内特別昇給の場合,被控訴人大阪市長は,単に特別昇給対象者の上限を画する基準としてではなく,当該定数まで特別昇給を行うという意思で,基本決裁として,特別昇給対象者の定数を百分率によって決定し,かかる 内特別昇給の場合,被控訴人大阪市長は,単に特別昇給対象者の上限を画する基準としてではなく,当該定数まで特別昇給を行うという意思で,基本決裁として,特別昇給対象者の定数を百分率によって決定し,かかる決裁に基づいて,市長部局をはじめとした各部局は,各年度における支出負担行為及び支出命令を行ったのであり,そうすると,各年度における支出負担行為及び支出命令は,個別の財務会計上の行為であるように観念できるが,実際には,一個の基本決裁に導かれた一連の行為であることは明白であること,②大阪市の定数内特別昇給制度の運用は,各年度だけで完結するものではなく,職員は,全- 16 -就労期間中定期的に特別昇給が受けられるのであることからすると,上記「特別の事情」があるといわなければならないから,平成7年度から平成15年度までの特別昇給措置及び昇給額の支払行為も,平成16年度のそれが終わった日をもって判断すべきである旨主張する。 しかし,上記①の点は,被控訴人大阪市長が,単に特別昇給対象者の上限を画する基準としてではなく,当該定数まで特別昇給を行うという意思で,基本決裁として,特別昇給対象者の定数を百分率によって決定したとの事実を認めるに足りる証拠はないから,その前提を欠く主張というべきである。上記②の点については,特別昇給の対象者はあくまでも各年度において総務局長が決定するものである上,対象者となったとしても勤怠等による審査を受け,総務局長が個々の昇給についてその可否を判断しているのであり,各年度の対象者の決定と対象者に対する個々の昇給の決定という手続を経なければ特別昇給を受けることはできないのであり(後記4,職員が全就労期間中定期的に特別昇)給が受けられるという確証はないというべきである。 そうすると,本件において,控訴人ら主張のように,複数の公金支 ば特別昇給を受けることはできないのであり(後記4,職員が全就労期間中定期的に特別昇)給が受けられるという確証はないというべきである。 そうすると,本件において,控訴人ら主張のように,複数の公金支出について,それぞれが相互に密接に関連し不可分一体となり,全体としてみなければその違法性ないし不当性を判断することができないような特別な事情があると認めることはできないから,この点に関する控訴人らの主張は採用できない。 監査請求前置の有無(本案前の争点2)について当裁判所も,本件監査請求は,交通局及び水道局に係る定数内特別昇給についての支出負担行為及び支出命令をも監査の対象としていたものと判断する。 その理由は,原判決「事実及び理由」中の「第3争点に対する判断」2欄に記載のとおりであるから,これを引用する。 本件総務局長ら及び本件教職員課長らに対する訴えの適法性(本案前の争点3)について当裁判所も,(1)本件監査請求のうち,本件総務局長ら及び本件教職員課長- 17 -らに係る部分は,平成16年度の支出負担行為及び支出命令を行ったE(平成14年度から平成16年度までの総務局長)及びH(平成15年7月から少なくとも平成16年度までの教職員課長)に係る部分についてのみ適法なものであり,(2)本件総務局長及び本件教職員課長らに対して各自3000万円の賠償命令を求める旨の請求に補正する旨の補正書(2006年2月14日付け)の陳述による訴えの(交換的)変更(ただし,監査請求期間を遵守している平成16年度の定数内特別昇給に係るもの)は適法であり,(3)上記訴えの変更前の訴えに係る部分(監査請求期間を遵守している平成16年度の定数内特別昇給に係るもの)は不適法であって却下を免れないものと判断する。その理由は,原判決「事実及び理由」中の「第3 争点 記訴えの変更前の訴えに係る部分(監査請求期間を遵守している平成16年度の定数内特別昇給に係るもの)は不適法であって却下を免れないものと判断する。その理由は,原判決「事実及び理由」中の「第3争点に対する判断」3欄に記載のとおりであるから,これを引用する。 定数内特別昇給制度の違法性(本案の争点1)について(1)上記のとおり,控訴人らのした本件監査請求は,平成16年度の定数内特別昇給に係る支出負担行為及び支出命令に係る部分についてのみ適法であるから,以下,この支出負担行為及び支出命令の違法性について検討する。 (2)控訴人らは,大阪市における定数内特別昇給は,本件職員給与条例5条6項等に反して違法と主張する。 地方公務員の給与は条例で定めることとされているが(地方自治法204条3項,地方公務員法24条6項,その給与は,生計費並びに国及び地方)公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮して定めなければならないとして,いわゆる均衡の原則が定められている(地方公務員法24条3項。この原則は,民間や他の公務員に匹敵する給与を支給し)ないと労働力の確保が困難になるという要請と公務員の給与について国民,住民の納得を得るという要請とを調和させるものといえるが,国家公務員の給与は,生計費や民間事業の従事者の給与を調査,考慮してされた人事院勧告を踏まえて国会において定められるから(国家公務員法28条,この原)- 18 -,。 ,則は国家公務員の給与に準ずることにより実現されると解されるそして本件職員給与条例及び後記一般職給与法における特別昇給に関する各規定の文言を併せて考慮すれば,本件職員給与条例における特別昇給も,国家公務員における特別昇給に準ずるものとして規定されたと解される。そこで,まず,国家公務員における特 法における特別昇給に関する各規定の文言を併せて考慮すれば,本件職員給与条例における特別昇給も,国家公務員における特別昇給に準ずるものとして規定されたと解される。そこで,まず,国家公務員における特別昇給制度について概観する。 (3)一般職の国家公務員の給与は,法律により定められる給与準則に基づいてされ(国家公務員法63条1項,給与準則には,俸給表のほか(同法6)4条1項,昇給の基準その他の事項が規定されなければならないと規定さ)れている(同法65条1項1号。 )これらの規定を受けて,一般職の国家公務員の給与準則として一般職の職員の給与に関する法律が規定され,平成17年法律第113号による改正前の同法(一般職給与法)8条6項は,職員が現に受けている号俸を受けるに至ったときから12月を下らない期間を良好な成績で勤務したときは,1号俸上位の号俸に昇給させることができ,同条7項は,職員の勤務成績が特に良好である場合においては,前項の規定にかかわらず,同項に規定する期間を短縮し,若しくはその現に受けている号俸より2号俸以上上位の号俸まで昇給させ,又はそのいずれをもあわせ行うことができると規定していた。 ,,一般職給与法の実施及びその技術的解釈のために定められた初任給昇格昇給等の基準(昭和44年人事院規則第9-8。ただし,平成18年人事院規則第9-8-57による改正前のもの。以下「本件昇給基準」という)。 37条及び37条の2は,定数内特別昇給として,職員の勤務評定記録書に記録されている職員の勤務実績に係る評語が上位の段階(勤務成績の評定の手続及び記録に関する内閣府令(昭和41年総理府令第4号。以下「勤務)評定府令」という)に決定され,かつ,執務に関連してみられた性格,能。 力及び適性が優秀である職員は,定員に100分の10を乗じて得 及び記録に関する内閣府令(昭和41年総理府令第4号。以下「勤務)評定府令」という)に決定され,かつ,執務に関連してみられた性格,能。 力及び適性が優秀である職員は,定員に100分の10を乗じて得た数に相当する数を超えない範囲内で人事院が定めた数の範囲内で上位の号俸に昇給- 19 -させることができ(以下「成績特昇」という,更に,上記職員のうち,。)特に繁忙な業務に精励したなどの事由に該当し,当該職員の公務に対する貢献が顕著であると認められるときは,定員に100分の5を乗じて得た数に相当する数を超えない範囲内で人事院が定めた数の範囲内で上位の号俸に昇給させることができると規定していた(以下「公務貢献特昇」という。 。)国家公務員法72条1項は,職員の執務については,その所属庁の長は,定期的に勤務成績の評定を行い,その評定の結果に応じた措置を講じなければならないと規定し,同条2項は,その勤務成績の評定の手続及び記録に関し必要な事項は政令で定めると規定している。これを受けて制定された,勤務成績の評定の手続及び記録に関する政令(昭和41年政令第13号。以下「勤務評定政令」という)は,勤務評定の手続を評定,調整,確認の3段。 階に分け(7条1項,所定の審査等を経て(同条2項,3項,最終的に))所属庁の長又はその指定した部内の上級の職員(実施権者)が適当と認めた場合に確認を行うことと規定し(同条4項,その他必要な事項は内閣府令)で定めると規定している。これを受けて制定された勤務評定府令は,勤務評定の実施権者は,勤務評定政令7条4項の確認を行うに当たっては,勤務実績に係る評定及び調整の結果を総括的に表示する評語を決定し,記録書に記録しなければならず(6条1項,その評語は,3つの段階に区分したもの)を用いなければならず(同条2項 を行うに当たっては,勤務実績に係る評定及び調整の結果を総括的に表示する評語を決定し,記録書に記録しなければならず(6条1項,その評語は,3つの段階に区分したもの)を用いなければならず(同条2項,実施権者がその評語を決定しようとす)るときは,職務の複雑と責任の度が,ほぼ同等と認められる職員の集団ごとに,及びそれらの集団相互の間において,その分布が公正で均衡がとれていること(同条3項1号,上位の段階の評語を決定される職員の数が,当該)評定を受けた職員の数の概ね10分の3以内であること(同項2号)の2つの基準に従ってしなければならない(同条3項柱書)と規定している。 (4)上記の各規定にかんがみれば,国家公務員における定数内特別昇給制度は,原則として12月ごとに行われる普通昇給の例外的措置として,勤務評- 20 -定政令及び勤務評定府令に従ってされた勤務評定が上位の者で,執務に関連してみられた職員の性格,能力及び適性が優秀であること(成績特昇)又は公務に対する貢献が顕著であること(公務貢献特昇)のいずれかの要件を満たす者を対象として行われるものということができる。また,勤務評定が上,,,,位の者であるか否かは勤務評定政令及び勤務評定府令に従い評定調整確認の3段階に分けて審査され,しかも,上位者を全体の概ね30パーセントに限定し,その成績分布は,職務の複雑と責任の度がほぼ同等と認められる職員の集団ごと及びそれらの集団相互の間において公正で均衡がとられていることが要件とされているから,厳密な勤務評定を経た上で判断されるべきものということができる。そして,定数内特別昇給が認められる範囲も,成績特昇については定員の10パーセント,公務貢献特昇については定員の5パーセントを上限としており,比較的狭い範囲に限定されている。更に, いうことができる。そして,定数内特別昇給が認められる範囲も,成績特昇については定員の10パーセント,公務貢献特昇については定員の5パーセントを上限としており,比較的狭い範囲に限定されている。更に,上記のとおり,一般職員給与法8条6項は,現に受けている号俸を受けるに至ったときから12月を下らない期間を経なければ1号俸昇給させることはできないと規定していたが,同条7項はその昇給期間を短縮して上位の号俸に昇給させることや,2号俸以上上位の号俸まで昇給させることができると規定していたから,上記の定数内特別昇給は,12月以上の場合も含む大きな昇給期間短縮の効果(以下「効果月数」という)を有することとなる。 。 このように,国家公務員の定数内特別昇給は,全職員を対象として公正に実施された厳格な成績評価を経て,評定が上位30パーセント以内に収まった成績優秀者を対象として,定員の合計15パーセントという比較的狭い範囲に限定されて実施され,その反面,特別昇給の効果月数も12月と大きいという特徴を指摘できる。これらの特徴にかんがみれば,国家公務員の定数内特別昇給は,勤務成績の特に優秀な少数の職員を,給与上特に優遇することにより,成績主義を実態的に確保する趣旨のものというべきである。 (5)しかして,上記のとおり,本件職員給与条例5条6項の規定する特別昇- 21 -給は,国家公務員における特別昇給に準ずるものとして規定されたと解され,,,るから本件職員給与条例5条6項も勤務成績の特に優秀な少数の職員を給与上特に優遇することにより,成績主義を実態的に確保する趣旨で定められたものというべきである。また,交通局の企業職員を対象とする特別昇給を規定した本件交通局給与規程7条7項,水道局の企業職員を対象とする特別昇給を規定した本件水道局給与規程6条6項,市 趣旨で定められたものというべきである。また,交通局の企業職員を対象とする特別昇給を規定した本件交通局給与規程7条7項,水道局の企業職員を対象とする特別昇給を規定した本件水道局給与規程6条6項,市費負担教職員を対象とする本件市費負担教職員給与規程4条1項,単純労務職員を対象とする特別昇給を規定した本件単純労務職員給与規則13条は,いずれも本件職員給与条例5条6項とほぼ同一の文言を用いているから,これらも本件職員給与条例5条6項と同趣旨で定められたものと解される。 なお,本件職員給与条例5条6項は,勤務成績が特に優秀である場合その他市長が特に必要と認めた場合に特別昇給させることができる旨規定しているが,同項の「市長が特に必要を認めた場合」との規定については,その判(,断を広く市長の裁量に委ねることは給与条例主義地方公務員法24条6項25条1項,地方自治法204条3項,204条の2)の許容するところではないというべきであり,この規定は,勤務成績が特に優秀である場合と同等の評価が得られる事由を市長がその合理的裁量により認めた場合に特別昇給を行うことができるとの趣旨の規定と解するのが,その文言や給与条例主義からして相当である。そして,市長は,本件職員給与条例5条6項の規定する特別昇給が,国家公務員におけるそれに準ずるものとして,勤務成績の特に優秀な少数の職員を,給与上特に優遇することにより,成績主義を実態的に確保する趣旨で定められたものであることをふまえて,合理的にその裁量権を行使すべきものである。 そこで,大阪市における定数内特別昇給が,上記の趣旨に解釈されるべき本件職員給与条例5条6項等の各根拠規定に適合するように実施,運用されていたか否かを検討する。 - 22 -(6)上記前提事実のとおり,大阪市は,部局により決裁者に違いはある 趣旨に解釈されるべき本件職員給与条例5条6項等の各根拠規定に適合するように実施,運用されていたか否かを検討する。 - 22 -(6)上記前提事実のとおり,大阪市は,部局により決裁者に違いはあるものの,基本決裁により定数内特別昇給の基本的枠組み(定数及び効果月数は原判決別紙定数内特別昇給定数(百分率)一覧表のとおり)を定め,これら。 を受けて,各実施年度ごとに各年決裁により具体的な対象者の範囲を定め,これに基づいて具体的な昇給者を決定していた。そして,証拠(乙4,5,13ないし15,18)及び弁論の全趣旨によれば,市長部局における定数内特別昇給は,勤務成績が特に優秀なものを対象として実施することとしていたが,その対象者の選定基準は,普通昇給の例により欠格条項を定めるにとどまっていたこと,普通昇給の要件である「良好な成績で勤務した」ことの基準は,昇給月の2月前の月の末日から逆算して12月を成績調査期間として,成績調査期間中に①病気欠勤が45日以上,②休職,勤務停止,育児,(),休業等が1日以上③産前産後休暇が16週多胎妊娠の場合20週以上④公傷が引き続き45日以上あり,昇給日現在公傷であること等の欠格要件を基準とすると規定されていたこと,市長部局における平成16年度の定数内特別昇給の対象者は,採用区分に従い,採用年次で特定していたが,その採用区分に該当する職員数は合計7633人であり,そのうち実際に定数内特別昇給をした者(7298人)はその約95パーセントに上っていたことが認められる。 ,,これらの事実に上記前提事実を総合すれば大阪市の市長部局においては勤務成績が特に優秀であることという定数内特別昇給の要件は,良好な成績で勤務したことという普通昇給の要件と同一のものとして運用されており,その成績は勤怠のみで判断さ すれば大阪市の市長部局においては勤務成績が特に優秀であることという定数内特別昇給の要件は,良好な成績で勤務したことという普通昇給の要件と同一のものとして運用されており,その成績は勤怠のみで判断されていたこと,定数内特別昇給の定数は概ね30パーセントと比較的大きい上,上記採用年次に該当する職員の大多数に定数内特別昇給をさせていたこと,その反面,昇給の効果月数は3月から6月と比較的小さいこと,他部局においてもほぼこれと同様の定数内特別昇給の運用をしてきたことが認められる。 - 23 -このように,大阪市においては,定数内特別昇給について,勤務成績が特に優秀である(ないしこれと同等の評価が得られる)か否かの判断は勤怠のみによっており,普通昇給と要件において差がない状態になっていたというほかなく,実態は,採用年次に応じてほぼ順送りに特別昇給をさせるといったものになっていたと評価せざるを得ないものである。そして,このような運用実態に照らせば,大阪市において勤務評定の制度が存在しており,勤務の成果が数字に表われにくいという公務の特性(公務の目的である公共の福祉の増進は金銭によって表示し得ないものであるといえる)や集団的執務。 体制の維持が重視される職場風土の中で,適切な評価基準が設定されておらず,具体的な運用基準も規則化されなかったことにやむを得ない面がなかったわけではないとしても,大阪市における定数内特別昇給の運用は,勤務成績の特に優秀な少数の職員を給与上特に優遇することにより,成績主義を実態的に確保するという本件職員給与条例5条6項の趣旨に反した違法なものであったというべきである。 (7)以上のとおり,大阪市における定数内特別昇給は,本件職員給与条例5条6項及びこれと同旨の本件交通局給与規程7条7項,本件水道局給与規程6条6項,本件市 違法なものであったというべきである。 (7)以上のとおり,大阪市における定数内特別昇給は,本件職員給与条例5条6項及びこれと同旨の本件交通局給与規程7条7項,本件水道局給与規程6条6項,本件市費負担教職員給与規程4条1項,本件単純労務職員給与規則13条に反するものであったから,平成16年度に定数内特別昇給としてされた昇給期間短縮の措置(支出負担行為)はいずれも違法である。 そこで,これによって大阪市が被った損害について検討する。 ア上記第2の2(4)のとおり,平成16年度の定数内特別昇給の実施による影響額は,次のとおりである。 (ア)市長部局(単純労務職員を含む)5億3839万3987円。 (イ)水道局3372万9178円(ウ)交通局1億6107万8904円(エ)教育委員会所管の学校園の教職員- 24 -a教員3692万3646円b教員以外の職員4261万0245円イところで,後記のとおり,国家公務員の定数内特別昇給制度は,少なくとも結果においては,大阪市のそれと同様,全職員を対象として順番に昇給をしたのとほとんど同様の実態にあったものであり,これを前提とすると,仮に,大阪市が上記違法とされた平成16年度の定数内特別昇給を実施せず,国と同じ定数内特別昇給(15%の職員に対して1号給の昇給措置)を行ったとして,その場合の影響額は,計算上,次のとおりとなる。 (ア)市長部局(単純労務職員を含む)6億4684万0022円。 計算式6624円×222744× 229×0 昇(). (,. (給者数))=6億4684万0022円(イ)水道局4786万8920円(計算式)6625円×22.2323×(2,170×0.15)=4786万8920円(ウ)交通局1億7988万 給者数))=6億4684万0022円(イ)水道局4786万8920円(計算式)6625円×22.2323×(2,170×0.15)=4786万8920円(ウ)交通局1億7988万5071円(計算式)6669円×22.292×(8,072×0.15)=1億7988万5071円(エ)教育委員会所管の学校園の教職員a教員5535万8439円(計算式)9532円×22.6861×(1,708×0.15)=5535万8439円b教員以外の職員5924万8532円(計算式)6149円×21.9988×(2,921×0.15)=5924万8532円ウ本件職員給与条例における特別昇給が,国家公務員における特別昇給に- 25 -準ずるものとして規定されたと解されることは上記のとおりであるところ,上記ア,イからすると,仮に,大阪市が上記違法とされた平成16年度の定数内特別昇給を実施せず,国と同じ定数内特別昇給(15%の職員に対して1号給の昇給措置)を行ったとするならば,計算上,大阪市が上記定数内特別昇給を実施した場合より多額の金員を支出していたことになる。そうすると,平成16年度の大阪市における定数内特別昇給により大阪市が損害を被ったとまでは認めることはできないというべきであり,他にこれを認めるに足りる証拠はない。 (8)仮に,平成16年度の大阪市における定数内特別昇給の実施により大阪市が損害を被ったといえるとしても,後記5項で判断するとおり,大阪市における本来的な給与決定(支出命令)権限者(市長,水道局長,交通局長)及び専決によりこれらの者の権限を行使することとなった者(総務局長,教職員課長)において上記実施について過失等があったとは認められない。 過失等の有無(本案の争点2)について(1)控訴人らは, 及び専決によりこれらの者の権限を行使することとなった者(総務局長,教職員課長)において上記実施について過失等があったとは認められない。 過失等の有無(本案の争点2)について(1)控訴人らは,大阪市の定数内特別昇給を実施した者が,勤務成績を問わずに広範囲の者を対象とする違法なものであることを十分に認識し得たと主張する。そこで,平成16年度における定数内特別昇給としてされた昇給期間短縮の措置(支出負担行為)に当たり,平成16年度の総務局長(E)及び教職員課長(H)に故意又は重過失があったか否か,市長(A)にこれらの者に対する指揮監督上の権限不行使に故意,過失があったか否か,平成16年度の水道局長(L)及び交通局長(P)に故意又は過失があったか否かを検討する。 (2)上記前提事実によれば,国家公務員に対する昇給制度は,一般職給与法8条6項に普通昇給が,同条7項に定数内特別昇給が規定され,定数内特別昇給の要件として,勤務成績が特に良好であるとの要件が規定されていたこと,本件昇給基準37条及び37条の2には,その具体的要件として,国家- 26 -公務員法72条を受けた勤務評定政令及び勤務評定府令の定める手続により成績が一定以上と決定されたことと規定していたから,国家公務員に対しては,定数内特別昇給を厳正な成績評価に基づいて運用するための関係法令が整備されていたというべきである。しかし,証拠(乙9の1・2,11,12)及び弁論の全趣旨によれば,定数内特別昇給は,その具体的運用は各省庁の判断に任されており,成績主義の原則に則った適正な運用が図られるべきであるとされていたが,国家公務員の勤務評定は,評定の項目が必ずしも適切ではなく,評価の基準が具体的に設定されておらず,評価結果の用途が明確にされてないこと等の問題点があることから,十分に機 るべきであるとされていたが,国家公務員の勤務評定は,評定の項目が必ずしも適切ではなく,評価の基準が具体的に設定されておらず,評価結果の用途が明確にされてないこと等の問題点があることから,十分に機能するものとはなっておらず,公務員制度改革に当たり,現行の勤務評定に替え,職員の能力や業績を適正に評価し得る新たな評価制度を整備する予定との政府答弁が平成14年にされていたこと,人事院による平成11年度の調査段階で,昭和45年に採用された職員(中級,初級)の特別昇給回数には平均で2回弱の差しかなく,最多回数では約6回,最少回数でも約4回,平均で4回から5回程度実施されていたことが認められる。 このように,成績評価のための関係法令が整備されていながら,これが十分に機能しないと指摘される中で,国家公務員が約30年で平均4~5回の特別昇給を受けているということは,全職員を対象として,5~6年に1回程度,成績を度外視して順番に特別昇給を実施しているのと,結果としてはほとんど差異がないといってよい状態にあったものであり,大阪市における本来的な給与決定(支出命令)権限者(市長,水道局長,交通局長)及び専決によりこれらの者の権限を行使することとなった者(総務局長,教職員課長)は,このように,国の定数内特別昇給制度が,少なくとも結果においては,大阪市における定数内特別昇給と同様,全職員を対象として順番に昇給をしたのとほとんど同様の実態にあったと認識していたものである(乙23ないし31,弁論の全趣旨。 )- 27 -(3)一方,上記前提事実に,証拠(甲2,乙23ないし31)及び弁論の全趣旨を総合すると,大阪市における定数内特別昇給制度は,職員の勤労意欲の向上と,国や他の地方公共団体との均衡にかんがみ,昭和34年度から実施された制度であり,昇給の対象者及 ないし31)及び弁論の全趣旨を総合すると,大阪市における定数内特別昇給制度は,職員の勤労意欲の向上と,国や他の地方公共団体との均衡にかんがみ,昭和34年度から実施された制度であり,昇給の対象者及び効果月数は年度によって変動はあるものの,制度の骨子は平成16年度に至るまで特段の変更はなく,当初から平成16年度まで一貫して国家公務員に対する定数内特別昇給の総ボリューム(定数の割合に短縮月数を乗じたもの)の範囲内で実施され,現に,大阪市における定数内特別昇給による影響額は,国基準を当てはめた場合よりも低額であったこと,平成16年12月23日から全国紙で「ヤミ昇給」と指摘されるまで,大阪市における定数内特別昇給が違法であるとの指摘が具体的にされなかったこと,大阪市における本来的な給与決定(支出命令)権限者(市長,水道局長,交通局長)及び専決によりこれらの者の権限を行使することとなった者(総務局長,教職員課長)は,これらのことを認識していたことが認められる。 (4)そうすると,大阪市における本来的な給与決定(支出命令)権限者(市長,水道局長,交通局長)及び専決によりこれらの者の権限を行使することとなった者(総務局長,教職員課長)において,定数内特別昇給の対象者が勤務成績が特に優秀であるとの認定手続を経た者ではないと認識していたとしても,そのことを違法であるとする具体的な指摘がなかったこと,国家公務員の定数内特別昇給制度が,少なくとも結果においては,大阪市のそれと同様,全職員を対象として順番に昇給をしたのとほとんど同様の実態にあったこと,大阪市の定数内特別昇給制度が,当初から一貫して国家公務員に対する定数内特別昇給の総ボリュームの範囲内で実施され,現に,大阪市における定数内特別昇給による影響額は,国基準を当てはめた場合よりも低額であったこ 数内特別昇給制度が,当初から一貫して国家公務員に対する定数内特別昇給の総ボリュームの範囲内で実施され,現に,大阪市における定数内特別昇給による影響額は,国基準を当てはめた場合よりも低額であったこと,平成16年当時は,国の給与法と異なり,本件職員給与条例には,定数内特別昇給の要件として「職員の勤務成績が特に優秀である場合,- 28 -その市長が特に必要と認めた場合」と定めて,文言上は「職員の勤務成績,が特に優秀である場合」が例示として規定されるにとどまっていたことなどから,昭和34年から長年にわたって継続している定数内特別昇給制度について,これが本件職員給与条例の趣旨に反して違法の疑いがあると認識することなく,従前の枠組みどおりに運用してしまったことに,過失を認めることはできないというべきである。 同様に,平成16年度における定数内特別昇給としてされた昇給期間短縮の措置(支出負担行為)に当たり,同年度の総務局長(E)及び教職員課長(H)に重過失があったとは認められず,市長(A)にこれらの者に対する指揮監督上の権限不行使に故意,過失があったとも認められない。また,同年度の水道局長(L)及び交通局長(P)にも,同年度の定数内特別昇給としてされた昇給期間短縮の措置(支出負担行為)に当たり,過失があったとも認められないそしてそうである以上これらの昇給期間短縮の措置支。 ,,(出負担行為)を前提としてされた給与の支出(支出命令)につき,上記の各支出権限者に過失等を認めることもできない。 まとめ以上の次第で,控訴人らの本件訴えのうち,監査請求のされた平成17年3月18日から1年以上前にされた財務会計行為(平成7年度から平成15年度)(,,,の定数特別昇給に係る支出に関する部分控訴の趣旨2項3項(2) 4項(2)5項, 査請求のされた平成17年3月18日から1年以上前にされた財務会計行為(平成7年度から平成15年度)(,,,の定数特別昇給に係る支出に関する部分控訴の趣旨2項3項(2) 4項(2)5項,6項の各請求のうち,上記各年度の定数内特別昇給に係る支出に関する部分)については,監査請求期間を経過したことにつき正当な理由を認めることができず,賠償命令の対象となる者について損害賠償請求を求めた部分(控訴の趣旨3項(1),4項(1)の各請求に係る部分)は訴訟類型に適合しない不適法なものであるから,いずれも却下し,その余の部分(控訴の趣旨2項,3項(2),4項(2),5項,6項の各請求のうち,平成16年度の定数内特別昇給に係る支出に関する部分)は,この定数内特別昇給により大阪市が損害を被った- 29 -とまでは認めることができず,また,当該財務会計行為をするについて過失等を認めることができないから,これを棄却すべきである。 第4 結論 よって,原判決は相当であり,本件控訴は理由がないから棄却することとして,主文のとおり判決する。 大阪高等裁判所第1民事部裁判長裁判官横田勝年裁判官塚本伊平裁判官植屋伸一
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