平成25(行ウ)677 政務調査研究費返還請求事件

裁判年月日・裁判所
平成28年3月11日 東京地方裁判所 住民訴訟
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判決文本文56,295 文字)

平成28年3月11日判決言渡平成25年(行ウ)第677号政務調査研究費返還請求事件 主文 1 被告は,被告補助参加人P1に対し,371万2236円及びこれに対する平成24年4月21日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。 2 被告は,被告補助参加人P2に対し,23万1487円及びこれに対する平成24年4月21日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。 3 原告のその余の請求をいずれも棄却する。 4 訴訟費用はこれを3分し,その2を原告の負担とし,その余を被告の負担とし,補助参加により生じた費用は,各自の負担とする。 事実 及び理由第1 請求 1 被告は,被告補助参加人P1に対し,939万9481円及びこれに対する平成24年4月21日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。 2 被告は,P3に対し,154万9258円及びこれに対する平成24年4月21日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。 3 被告は,被告補助参加人P2に対し,33万1624円及びこれに対する平成24年4月21日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。 第2 事案の概要 1 本件は,東京都千代田区の住民である原告が,平成23年度に千代田区が同区議会の各会派に交付した政務調査研究費(地方自治法(平成24年法律第72号による改正前のもの。以下同じ。)100条14項所定の政務調査費) について,一部の会派の使途の一部は違法なものであり,これらの会派は違法な使途相当額を悪意で不当に利得しているが,被告はその返還請求を怠っているとして,同法242条の2第1項4号に基づき,被告に対し,当該会派に対 会派の使途の一部は違法なものであり,これらの会派は違法な使途相当額を悪意で不当に利得しているが,被告はその返還請求を怠っているとして,同法242条の2第1項4号に基づき,被告に対し,当該会派に対して,上記不当利得の返還及びこれに対する政務調査研究費決算報告書の提出期限の翌日である平成24年4月21日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による法定利息の支払を請求するように求めた住民訴訟である。 2 関係法令の定め等(1) 政務調査費ア地方自治法100条14項は,普通地方公共団体は,条例の定めるところにより,その議会の議員の調査研究に資するため必要な経費の一部として,その議会における会派又は議員に対し,政務調査費を交付することができ,この場合において,当該政務調査費の交付の対象,額及び交付の方法は,条例で定めなければならない旨規定する。 イ地方自治法100条15項は,前項の政務調査費の交付を受けた会派又は議員は,条例の定めるところにより,当該政務調査費に係る収入及び支出の報告書を議長に提出するものとする旨規定する。 ウなお,これらの規定は,地方自治法283条1項により,特別地方公共団体である特別区にも適用される。 (2) 政務調査費の交付に関する条例(甲1,6)ア趣旨千代田区議会政務調査研究費の交付に関する条例(平成13年千代田区条例第1号。平成25年千代田区条例第2号(乙6)による廃止前のもの。 以下「本件条例」という。)1条は,本件条例は地方自治法100条の規定に基づき,千代田区議会議員(以下「議員」という。)の調査研究の推進を図るため,その必要な経費の一部(以下「政務調査研究費」という。) を千代田区議会の会派(以下「会派」という。)に交付することに関し,必要な事項を定めるものとする旨 いう。)の調査研究の推進を図るため,その必要な経費の一部(以下「政務調査研究費」という。) を千代田区議会の会派(以下「会派」という。)に交付することに関し,必要な事項を定めるものとする旨規定する。 イ定義本件条例2条1項は,本件条例で会派とは,議員で構成する議会内の団体で,議長が別に定める規程に基づき届出をしたものをいい,1人で結成する会派を含むものとする旨,同条2項は,本件条例で政務調査研究費とは,議員が,会派又は会派の一員として活動する場合の調査研究に要する経費をいう旨それぞれ規定する。 ウ交付対象本件条例4条は,政務調査研究費は,会派に対し交付する旨規定する。 エ政務調査研究費の会計年度及び額本件条例5条1項は,政務調査研究費の会計年度は,毎年4月1日から翌年3月31日までとする旨,同条2項は,政務調査研究費は,議員1人あたり月額15万円に,会派を構成する議員(以下「所属議員」という。)数を乗じた額とする旨それぞれ規定する。 オ政務調査研究費の申請本件条例7条1項は,政務調査研究費の交付を受けようとする会派の代表者は,毎年度各四半期の最初の月の5日までに,政務調査研究費交付申請書を議長に提出しなければならない旨,同条2項は,各四半期の途中で,新たに会派を結成したときは,速やかに同申請書を議長に提出しなければならない旨それぞれ規定する。 カ政務調査研究費の交付決定本件条例8条1項は,議長は,前条1項に規定する申請書の提出があったときは,その内容を調査した上で交付決定し,速やかに政務調査研究費交付決定通知書を会派の代表者に送付しなければならない旨規定する。 キ政務調査研究費の交付 本件条例9条1項は,議長は,前条の交付決定をしたときは,各会派に対し,各四 に政務調査研究費交付決定通知書を会派の代表者に送付しなければならない旨規定する。 キ政務調査研究費の交付 本件条例9条1項は,議長は,前条の交付決定をしたときは,各会派に対し,各四半期の最初の月の10日までに当該四半期の合計額を交付するものとし,ただし,本件条例7条2項に規定する申請書に基づく交付決定をしたときは,当該交付決定の日が1日の場合は,当月分から交付し,2日以降の場合は,その翌月分から交付する旨規定する。 ク政務調査研究費の使途範囲本件条例13条は,会派及び所属議員は,別に定める政務調査研究費使途基準に基づき,適正に使用しなければならない旨規定する。 ケ政務調査研究費の収支報告本件条例14条1項は,会派の代表者は,政務調査研究費に係る四半期ごとの中間収支を議長に報告しなければならない旨,同条2項は,会派の代表者は,毎会計年度終了後4月20日までに,別記第5号様式による政務調査研究費決算報告書を議長に提出しなければならない旨それぞれ規定し,本件条例別記第5号様式は,各「年月」ごと及びその「計」の各段の「収入」欄に「政務調査研究費交付額」,「その他の収入」及びこれらの合計である「収入計(A)」,前月からの「繰越額(B)」並びにそれらの「計C(A)+(B)」の各金額,「支出」欄に「人件費」,「会議費」,「視察・研修費」,「通信費」,「交通費」,「印刷費」,「消耗品費」,「備品費」,「図書・資料費」,「レンタル・リース費」,「課題別経費」,「他の項目に属さない経費」及びこれらの「計(D)」の各金額,並びに「差引残高E(C)-(D)」の金額を記載すべきものとなっている。 コ政務調査研究費の返還(ア) 本件条例15条1項は,会派の代表者は,前条2項の規定により決算報告をす ,並びに「差引残高E(C)-(D)」の金額を記載すべきものとなっている。 コ政務調査研究費の返還(ア) 本件条例15条1項は,会派の代表者は,前条2項の規定により決算報告をする場合において,政務調査研究費の交付を受けた会派がその年度において交付を受けた政務調査研究費の総額から,当該会派がその年度において政務調査研究を推進するため必要な経費として支出した総 額を控除して残余を生じた場合は,当該残余の額を議長に返還しなければならない旨規定する。 (イ) 本件条例15条2項は,議長は,会派が本件条例13条に規定する政務調査研究費使途基準に基づかない支出があると認められるときは,当該支出に係る経費の全額の返還を求めなければならない旨規定する。 (ウ) 本件条例15条3項は,前項の規定により,政務調査研究費に返還金が発生したときは,本件条例5条2項にかかわらず,当該返還額をすでに交付した額から減額した額を交付額とするものとする。 サ政務調査研究費交付額の見直し本件条例16条1項は,議長は,少なくとも3年に1回,政務調査研究費の交付額を見直さなければならない旨,同条2項は,前項の見直しをするときは,別に定める方法により意見聴取等を行った上で,議会運営委員会に諮り決定しなければならない旨,同条3項は,前項の決定をした場合において,千代田区長に対して決定した内容を書面により通知しなければならない旨それぞれ規定する。 (3) 政務調査費の交付に関する規則及び使途基準(乙2)ア千代田区議会政務調査研究費の交付に関する条例施行規則(平成13年千代田区議会規則第1号。平成25年千代田区議会規則第1号(乙7)による廃止前のもの。以下「本件規則」という。)5条は,本件条例13条に規定する政務調 査研究費の交付に関する条例施行規則(平成13年千代田区議会規則第1号。平成25年千代田区議会規則第1号(乙7)による廃止前のもの。以下「本件規則」という。)5条は,本件条例13条に規定する政務調査研究費の使途基準は,別表によるものとする旨規定し,本件規則別表(第5条関係)は,政務調査研究費使途基準として,次のとおり,各費目について使途内容及び使途禁止事項を規定する(以下「本件使途基準」という。)。 (ア) 人件費調査研究を補佐又は補助するための人的経費を使途内容とし,日常的な事務員及び家族の雇用を使途禁止事項とする。 (イ) 会議費調査研究のための外部折衝に必要な経費・会費(飲食費は1人5000円以内)を使途内容とし,飲食を主目的とした会議及び政党のパーティーを使途禁止事項とする。 (ウ) 視察・研修費視察及び研修会,報告会に係る経費(講師又は協力者への謝礼を含む。)を使途内容とし,所属政党の研修会・大会を使途禁止事項とする。 (エ) 通信費会派については,電話・ファクシミリ・インターネットに係る料金,携帯電話料金,切手・はがき等の郵便料金,宅配便等の発送に係る料金を使途内容とし,自宅については,電話を2回線保有している場合で,議員活動専用に使用し,議長に届け出ている1回線に係る料金,インターネットのプロバイダー及び通信に係る料金を使途内容とする。 (オ) 交通費鉄道運賃(JR・私鉄・地下鉄),バス代,タクシー料金,航空運賃等の移動のための経費を使途内容とし,自家用車のガソリン代,高速道路等の利用料及び駐車料金を使途禁止事項とする。 (カ) 印刷費議会報告,チラシ,コピー料金などの印刷に係る経費を使途内容とする。 (キ 家用車のガソリン代,高速道路等の利用料及び駐車料金を使途禁止事項とする。 (カ) 印刷費議会報告,チラシ,コピー料金などの印刷に係る経費を使途内容とする。 (キ) 消耗品費文房具,コピー用紙,プリンターインク,ファクシミリトナー,フロッピーディスクなどの消耗する物品を使途内容とする。 (ク) 備品費パソコン,プリンター,ファクシミリ,カメラ,事務機器など1物品が10万円以上の物品にかかる経費を使途内容とする。 (ケ) 図書・資料費新聞・書籍・資料,CD-ROMなどに係る経費を使途内容とし,所属する政党発行の新聞を使途禁止事項とする。 (コ) レンタル・リース費備品やレンタカーなどの一時的な使用などに係る経費を使途内容とし,日常的に使用する自動車・バイク等を使途禁止事項とする。 (サ) 課題別経費会派が個々具体的な課題解決のために支出する経費(ただし,支出にあたっては上記費目及び使途内容等に基づくものとする。)を使途内容とする。 (シ) 他の項目に属さない経費他の費目に属さない経費を使途内容とする。 イ(ア) 本件規則6条1項は,本件条例14条1項に規定する四半期ごとの中間収支報告書は,別記第4号様式の政務調査研究費使途明細中間報告書(以下「中間報告書」という。)によるものとする旨規定し,本件規則別記第4号様式は,本件条例別記第5号様式と同様のものとなっている。 (イ) 本件規則6条2項は,同条1項に規定する四半期ごとの中間報告書は,各四半期が終了する月の翌月末までに提出するものとし,ただし,第4四半期分の報告については,本件条例14条2項に規定する政務調査研究費決算報告書(以下「決算報告書」という。)の提出をもってこれに代えるものとする旨規定する。 末までに提出するものとし,ただし,第4四半期分の報告については,本件条例14条2項に規定する政務調査研究費決算報告書(以下「決算報告書」という。)の提出をもってこれに代えるものとする旨規定する。 (ウ) 本件規則6条4項は,中間報告書には,支出の内容を明らかにする領収書等の原本を添付するものとする旨規定する。 (エ) 本件規則6条5項は,決算報告書には,第4四半期分の領収書等の原本及び会計帳簿を添付するものとする旨規定する。 (4) 使途基準に関する注意事項及び指摘事項ア千代田区議会は,平成13年4月1日,政務調査研究費が使途基準に沿って適正に執行されるよう「使途基準注意事項」を申し合わせた。 イその後,千代田区議会政務調査研究費交付額等審査会に関する規程(平成14年千代田区議会議長訓令第1号。甲7。平成25年千代田区議会議長訓令第2号(乙8)による改正前のもの。)が平成14年2月1日に施行された。 同規程2条は,本件条例16条1項及び2項に規定する政務調査研究費の交付額の見直しについて,議長の意見聴取機関として,千代田区議会政務調査研究費交付額等審査会(以下「審査会」という。)を置く旨,同規程3条は,議長は,当該見直しを行おうとするときは,あらかじめ審査会の意見を聞かなければならない旨それぞれ規定する。 ウ審査会は,千代田区議会議長に対して意見書等を提出し,千代田区議会運営委員会は,当該意見書等を踏まえて,上記アの「使途基準注意事項」に追加,修正する形で,「使途基準注意事項・指摘事項等」と改称し,別紙1記載の内容(以下「本件注意事項」という。)を定めている(甲8,乙25。なお,別紙1に(18.12)等とあるのは,平成の年月を表し,当該年月に当該事項が加えられた事項であることを示すものである。)。 記載の内容(以下「本件注意事項」という。)を定めている(甲8,乙25。なお,別紙1に(18.12)等とあるのは,平成の年月を表し,当該年月に当該事項が加えられた事項であることを示すものである。)。 3 前提事実(当事者間に争いがないか,文中記載の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認定することができる事実)(1) 当事者等ア原告は,東京都千代田区内に居住する者である。 イ被告は,特別地方公共団体たる特別区である東京都千代田区の執行機関である。 ウ被告補助参加人P1(以下「P1会派」という。)は,千代田区議会の会派であり,平成23年度において,P4(以下「P4」ないし「P4議 員」という。),P5(以下「P5」ないし「P5議員」という。),P6(以下「P6」ないし「P6議員」という。),P7(以下「P7」ないし「P7議員」という。),P8(以下「P8」ないし「P8議員」という。),P9(以下「P9」ないし「P9議員」という。),P10(以下「P10」ないし「P10議員」という。),P11(以下「P11」ないし「P11議員」という。),P12(以下「P12」ないし「P12議員」という。)及びP13(以下「P13」ないし「P13議員」という。)の10名が所属議員であった。 エ P3(以下「P3会派」という。)は,千代田区議会の会派であり,平成23年度において,P14(以下「P14」ないし「P14議員」という。)及びP15(以下「P15」ないし「P15議員」という。)の2名が所属議員であった。 オ被告補助参加人P2(以下「P2会派」という。)は,千代田区議会の会派であり,平成23年当時から,P16(以下「P16」ないし「P16議員」という。)1名が所属議員であったが,同議員の議員としての任期が平成2 人P2(以下「P2会派」という。)は,千代田区議会の会派であり,平成23年当時から,P16(以下「P16」ないし「P16議員」という。)1名が所属議員であったが,同議員の議員としての任期が平成27年4月30日に満了したことにより,会派としては解散したものの,清算の目的の範囲内において,なお存続するものとみなされる(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律207条類推)。 (2) 政務調査研究費の交付ア平成23年4月23日,任期満了に伴う議員の一般選挙が実施され,第18期議員25名が確定した。 イ同年5月,千代田区議会議長は,P1会派,P3会派及びP2会派(以下,これらを併せて「本件各会派」という。)から,上記選挙に伴い新たに会派が結成された旨の届出(千代田区議会の会派に関する規程(平成13年議会議長訓令第2号)4条1項)を受けた(乙A1,乙B1,乙C1)。 ウ本件各会派は,千代田区議会議長に政務調査研究費交付申請書を提出し,平成23年5月分から平成24年3月分までの政務調査研究費として,それぞれ申請どおりのP1会派においては合計1650万円(15万円×10名×11月),P3会派においては合計330万円(15万円×2名×11月),P2会派においては合計165万円(15万円×1名×11月)(以下「本件政務調査研究費」と総称する。)の各交付を受けた(乙12ないし19,乙A2,3,5,6,8,9,11ないし13,乙B2,3,5,6,8,9,11ないし13,乙C2,3,5,6,8,9,11ないし13)。 (3) 政務調査研究費の収支報告本件各会派は,それぞれ平成23年度の政務調査研究費について,第1ないし第3四半期分の中間報告書を千代田区議会議長に提出し,平成24年4月20日までに,P1会派においては, 調査研究費の収支報告本件各会派は,それぞれ平成23年度の政務調査研究費について,第1ないし第3四半期分の中間報告書を千代田区議会議長に提出し,平成24年4月20日までに,P1会派においては,交付された政務調査研究費1650万円に対し1745万0699円を執行し,P3会派においては交付された政務調査研究費330万円に対し312万9773円を執行し,P2会派においては交付された政務調査研究費165万円に対し165万9340円を執行した旨の決算報告書を,領収書等の原本及び会計帳簿を添付して千代田区議会議長に提出し,P3会派はその頃差額の17万0227円を本件条例15条1項に基づき不用額として返還した(乙A4,7,10,13,乙B4,7,10,13,乙C4,7,10,13)。 上記の各中間報告書及び決算報告書には,個々の支出に関する領収書の原本のほか,それを集計するための整理書面が添付されている(なお,添付書面の様式はP1会派とそれ以外の会派とで異なり,P1会派の場合,政務調査報告書,会計整理表及び費目ごとの会計整理票から成っている。)。 P1会派に関する別紙2-1支出一覧表(以下「P1一覧表」という。),P3会派に関する別紙2-2支出一覧表(以下「P3一覧表」という。),P 2会派に関する別紙2-3支出一覧表(以下「P2一覧表」といい,P1一覧表及びP3一覧表と合わせて,単に「支出一覧表」という。)は,それぞれ,上記の各中間報告書及び決算報告書とそれらの添付書面の内容を整理したものであり,本件各会派の議員は,支出一覧表の各「日付」欄記載の日に,同「費目」欄記載の費目として,同「内容」欄記載の使途に,同「金額」欄記載の金額(金額の記載のないものは除く。)を,政務調査研究費として支出したとされている。 (4) 本件 付」欄記載の日に,同「費目」欄記載の費目として,同「内容」欄記載の使途に,同「金額」欄記載の金額(金額の記載のないものは除く。)を,政務調査研究費として支出したとされている。 (4) 本件訴えに至る経緯と本件各会派の対応ア原告は,平成24年9月20日,千代田区議会情報公開条例(平成12年千代田区条例第37号)5条及び7条1項に基づき,千代田区議会議長に対し,対象を「政務調査研究費に係る収支報告書等の一切平成23年度分について」,開示方法を写しの交付とする情報公開請求を行ったところ,千代田区議会議長は,収支報告に係る書面(中間報告書及び決算報告書とそれらの添付書面)を順次開示した。(乙21,乙A14,乙B14,乙C14)イ原告は,平成24年12月25日,千代田区監査委員に対し,地方自治法283条1項,242条1項に基づき,本件各会派に係る本件政務調査研究費のうち1111万8490円が不当,違法,不明な使われ方をしているとして,その返還を求めて,千代田区の被った損害を補填する措置を講ずべき旨の住民監査請求をし,監査中の平成25年1月7日に返還を求める額を1490万3378円に補正した(乙22,乙25の本文3頁)。 ウ P1会派は,平成25年1月18日,21日,22日及び28日,本件政務調査研究費のうち,P1一覧表の「金額」欄に「返金済」と記載のあるものを含む28万2413円を千代田区議会議長に返還した(乙25の別表)。 エ千代田区監査委員は,平成25年2月21日,原告に対し,当該監査請 求に理由がないものとする監査結果を通知した(乙25)。 オ原告は,平成25年3月21日,被告を千代田区議会議長として,地方自治法283条1項,242条の2第1項4号に基づき,P1会派の違法な支出として940万9730円 査結果を通知した(乙25)。 オ原告は,平成25年3月21日,被告を千代田区議会議長として,地方自治法283条1項,242条の2第1項4号に基づき,P1会派の違法な支出として940万9730円,P3会派の違法な支出として154万9258円及びP2会派の違法な支出として33万1624円並びにこれらに対する法定利息の不当利得返還請求をするよう求める住民訴訟を当庁に提起したところ,当庁は,同年7月19日,千代田区議会議長は当該訴えの被告適格を有しないとして,口頭弁論を経ないで,当該訴えを却下する判決をした。 原告は,同年8月1日,上記判決に対して東京高等裁判所に控訴を提起し,同年9月20日,行政事件訴訟法15条1項に基づき,被告を千代田区長に変更することの許可を申し立てたところ,同年10月9日,同裁判所は,当該被告変更を許可し,変更後の訴えが当庁に移送されたのが本件である。(顕著な事実)カ P3会派は,千代田区議会議長に対し,平成26年4月17日,P3会派に係る本件政務調査研究費のうち上記請求に係る元本と同額の154万9258円の返還を申し出て,千代田区議会はこれを収受し,同年5月26日,上記元本に対する利息額を下回らない15万4289円の返還を申し出て,千代田区議会はこれを収受した(乙B16ないし20)。 キ P1会派は,平成26年6月,本件政務調査研究費のうち,P1一覧表のP4に係る支出番号91ないし93及び96ないし98に対応するものの一部である各720円の計4320円を千代田区議会議長に返還した(これらの支出番号に係る「金額」欄記載の金額は,この返還額控除後の金額である。)。 ク原告は,平成27年10月2日の本件第11回口頭弁論期日までに,上記キの返還額に相当する金額を控除するほか,誤記があったものを訂正す 」欄記載の金額は,この返還額控除後の金額である。)。 ク原告は,平成27年10月2日の本件第11回口頭弁論期日までに,上記キの返還額に相当する金額を控除するほか,誤記があったものを訂正す る等して,P1会派に対し不当利得返還請求するよう求める元本額を939万9481円に減縮し,その結果,被告が,本件各会派に対し,それぞれ対応する支出一覧表記載の支出のうち「金額」欄に記載のあるもの(「返金済」,「未計上」,「判読不能」及び空欄を除くもの。以下「本件各支出」といい,うちP1一覧表に係るものを「本件P1支出」と,P3一覧表に係るものを「本件P3支出」と,P2一覧表に係るものを「本件P2支出」という。)について,当該金額相当額及びこれらに対する悪意の受益者に係る法定利息の不当利得返還を請求するよう求めている。 4 争点及び争点についての当事者の主張本件の争点は,被告が,本件各会派に対する本件各支出相当額の不当利得返還請求をしないことが違法に財産の管理を怠る事実に該当するか否かであり,具体的には,(1)本件各会派に対する不当利得返還請求権の管理に共通するものとして,①本件各支出の違法性の判断基準(争点1),(2)P1会派に対する不当利得返還請求権について,②本件P1支出の違法性(争点2)及び③不当利得の成立範囲(争点3),(3)P3会派に対する不当利得返還請求権について,④本件P3支出の違法性(争点4)及び⑤不当利得返還請求権の存否(争点5),並びに(4)P2会派に対する不当利得返還請求権について,⑥本件P2支出の違法性(争点6)である。 (1) 本件各支出の違法性の判断基準(争点1)について(原告の主張の要旨)ア政務調査研究費の交付は,地方自治法に基づき,議員の調査研究に資するため必要な経費の一部とし である。 (1) 本件各支出の違法性の判断基準(争点1)について(原告の主張の要旨)ア政務調査研究費の交付は,地方自治法に基づき,議員の調査研究に資するため必要な経費の一部として交付されるものであり,本件条例も,調査研究の推進を図る目的で交付するものと規定し,さらに,地方財政法4条1項は,地方公共団体の経費は,その目的を達成するための必要かつ最少の限度を超えて支出してはならない旨定めている。これらの諸規定に照らせば,政務調査費の支出が,①議員としての調査研究を目的としない場合 (目的該当性の欠如),②当該支出が目的達成のために合理的に必要なものと認められない場合(合理的必要性の欠如),③当該支出額と目的との均衡が失している場合(相当性の欠如)のいずれかに該当する場合,違法な支出に該当するというべきであり,当該会派は当該違法な支出相当額について法律上の原因なくして不当に利得し,千代田区は同額の損失を被っている。 イこの点,本件各支出について,上記の違法性を審査するに当たっては,本件条例13条に基づき定められた本件使途基準のほか,千代田区議会運営委員会においてその内容を具体化した注意事項及び指摘事項として決定され,努力目標などとは全く異なり,形式的にも手続的にも実質的にも本件使途基準と一体の,すべての会派と議員が従うべき,守るべきものとして制定された本件注意事項における定めも基準とすべきである。もとより本件注意事項の中に,本件条例の趣旨に反する又は不合理な規定はなく,本件注意事項に反する支出は本件使途基準に違反するものとして,違法な支出となる。 ウそして,政務調査費が,使途基準に適合しない支出に充てられたことを推認させる一般的・外形的な事実が立証されたときには,適切な反論がないかぎり当該政務調査費は るものとして,違法な支出となる。 ウそして,政務調査費が,使途基準に適合しない支出に充てられたことを推認させる一般的・外形的な事実が立証されたときには,適切な反論がないかぎり当該政務調査費は不当利得と判断される。 本件条例15条2項においては,使途基準に基づかない支出について,会派に対し当該支出に係る経費の全額の返還を義務付け,千代田区議会議長が会派に対して返還を請求するよう定めているところ,一般的・外形的な事実から,政務調査研究目的ではないことや本件使途基準に違反する支出であることが推認されるにもかかわらず,その内容,必要性及び合理性について主張立証がされない場合,当該支出は違法として返還を求めなければならない。 (被告の主張の要旨) ア議会の機能を十分に発揮するためには,その構成員である議員の所属会派の活動の自由を尊重することが重要であり,区政の向上に資する限り,議員による調査研究の対象が相当程度広範にわたることが許容されるべきであり,かつ,その調査研究の手段選択について,議員の自主性,自律性が尊重されなければならない。 イそして,千代田区においては,本件条例上,議長は,会派から中間収支報告及び決算収支報告を受け,本件使途基準に適合しない支出があったと認めるときに返還を求めるものとされており,政務調査研究費を千代田区議会において自律的に運営する仕組みをとっている。 他方で,被告は,本件条例上,政務調査研究費に係る収支報告を受けるものとはされておらず,形式的な審査権を有していない。 ウ以上を前提として,被告は,本件各支出については,千代田区議会議長の判断により適正に執行されているものと認識しており,千代田区の条例上,かかる被告の判断には違法はなく,被告は不当利得返還請求権の行使を違法に怠っ て,被告は,本件各支出については,千代田区議会議長の判断により適正に執行されているものと認識しており,千代田区の条例上,かかる被告の判断には違法はなく,被告は不当利得返還請求権の行使を違法に怠っていない。 (P1会派の主張の要旨)ア千代田区における政務調査研究費は,地方自治法100条14項規定の政務調査費として,議会活動の基礎となる調査研究との間の合理的関連性が認められる行為に要する経費に該当することを前提として,本件使途基準に適合しなければならず,政務調査費に該当しない場合又は本件使途基準に適合しない支出の場合には,当該会派は,千代田区に対し不当利得返還義務を負う。 イ一方,本件注意事項は,審査会の意見を受けて,議会運営委員会で申し合わせた事実上のものにすぎず,法規範性を有するものではない。すなわち,本件注意事項は,千代田区議会運営委員会の決定であり,あえて議会で議決された条例でも,条例の委任を受けて長が制定した規則でも,議会 が設けた会議規則でもないということは,議会内で自主規制を申し合わせたものにすぎないことを意味し,それが不当性の判断基準になり得ることはあっても,違法性の判断の基準となるものではない。 ウまた,不当利得返還請求権の発生原因たる具体的事実,すなわち,会派が,政務調査費に該当しない又は本件使途基準に適合しない支出に充てたという事実は,原告が主張立証しなければならないところ,政務調査費の使途を明らかにするに際し,政務調査活動の密行性に配慮する必要があることなどに照らすと,原告において,選挙活動,後援会活動,私人としての活動等の政務調査活動以外の活動の経費に充てたといった一般的,抽象的な主張をするだけでは足りず,個別の本件各支出が政務調査費に該当しない又は本件使途基準に適合しない支出であ 後援会活動,私人としての活動等の政務調査活動以外の活動の経費に充てたといった一般的,抽象的な主張をするだけでは足りず,個別の本件各支出が政務調査費に該当しない又は本件使途基準に適合しない支出であることについて,客観的資料に基づいて合理的な主張立証がされなければならない。 (2) 本件P1支出の違法性(争点2)について(原告の主張の要旨)本件P1支出は,いずれも,本件使途基準に反し,政務調査研究のための支出ではないことが一般的,外形的に認められる。費目ごとの違法性の概要は次のとおりであり,個別の支出についての補充主張は,P1一覧表の「原告の主張」欄記載のとおりである。 ア人件費本件使途基準は,人件費の支出範囲を,「調査研究を補佐又は補助するための人的経費」に限定し,「日常的な事務員の雇用」と「家族の雇用」を禁止している。また,本件注意事項は,勤務日や時間の記入,出勤簿の常備,勤務内容の明確化を要求している。 しかしながら,P1会派は,人件費の支出に関する報告において,出勤簿の提出を怠り,勤務時間の記載はなく,勤務内容の記載が明確でなく,本件使途基準及び本件注意事項に違反しているといえ,政務調査研究以外 の議員活動を補佐させるためのものであることが一般的,外形的に認められる。 仮に,P1会派が雇用した事務員が,政務調査研究との間に合理的な関連性を有するとしても,50%にとどまると解すべきである。 イ会議費(ア) 茶菓子その他の飲食代飲食は会議を妨げるものであり,P1会派による茶菓子類の購入や喫茶店等での飲食について,政務調査研究のための会議における合理的な必要に基づくものではないと一般的,外形的に認められる。 (イ) 懇親会などの会費本件使 1会派による茶菓子類の購入や喫茶店等での飲食について,政務調査研究のための会議における合理的な必要に基づくものではないと一般的,外形的に認められる。 (イ) 懇親会などの会費本件使途基準は,会議費の支出範囲を,「調査研究のための外部折衝に必要な経費・会費」とし,「飲食費は1人5000円以内」とし,本件注意事項は,参加人数の明記,会議内容の記載,5000円を超えた場合の理由の記載を求めている。 しかしながら,P1会派は,会合の内容を明らかにしていないところ,P1会派の議員が参加した懇親会等は,会員,団員間の懇親を深める目的のもとで,アルコールを含む飲食が提供されるのが通常であり,さらには支持,支援を有権者から獲得することをも目的とするものであるといえるから,本件使途基準及び本件注意事項に反し,政務調査研究のための会議に係る支出ではないことが一般的,外形的に認められる。 (ウ) 領収書の宛名を議員自身が記入したもの本件使途基準は,領収書について「宛先の一致」を要求しているところ,その趣旨に照らせば,もともと宛名の記載がなかった領収書に議員自身が自分や会派の名前を記入した場合も本件使途基準に違反すると解される。 (エ) 年会費 政務調査研究との関連性が明らかでない団体の年会費の支出は,政務調査研究目的での会議費として認める余地はない。 (オ) 懇親旅行,後援者向けの催し本件注意事項は,後援会等に関わる経費を明確に支出範囲外としているところ,懇親旅行における支出や,後援者向けの催しでの支出は,本件使途基準及び本件注意事項に反し,政務調査研究のための会議ではないことは一般的,外形的に認められる。 ウ視察・研修費(ア) 学費学問は,個人が学業を身につ での支出は,本件使途基準及び本件注意事項に反し,政務調査研究のための会議ではないことは一般的,外形的に認められる。 ウ視察・研修費(ア) 学費学問は,個人が学業を身につける場であり,議員として活動する場ではないところ,政務調査研究費とは,議員が会派又は会派の一員として活動する場合の調査研究に要する経費をいうのであり,本件使途基準は,「視察及び研修会,報告会に係る経費(講師又は協力者への謝礼を含む)」としていることから,議員が個人で学ぶための経費は,本件使途基準に違反し,政務調査研究費に当たらない。 仮に,大学院で学ぶことが政務調査研究に該当しうるとしても,大学院課程で学業を修めることがもつ社会的意義の大半は,当該個人に帰属することに鑑みると,支出額の全額が議員としての立場で行う政務調査研究と合理的関連性を有すると認めることはできないから,合理的関連性を認めうるのは,支出額の4分の1にとどまると解すべきである。 (イ) 年会費本件使途基準は,研修費の対象を「視察及び研修会,報告会に係る経費」と定めており,任意団体の年会費がそれに含まれないことは明らかであるところ,ボランティア組織での活動は会派として行うものではないから,本件使途基準に違反し,政務調査研究のための視察研修ではない。 仮に,会派として行う政務調査研究のための視察,研修と解するとしても,合理的関連性を有するのは,4分の1にとどまると解すべきである。 エ通信費・印刷費(ア) 領収書に宛名の記載されていないもの宛名が記載されていない領収書による支出は,領収書について「宛先の一致」を要求している本件使途基準に違反している。 (イ) はがき代P1会派は,はがきの使途について明らかにし もの宛名が記載されていない領収書による支出は,領収書について「宛先の一致」を要求している本件使途基準に違反している。 (イ) はがき代P1会派は,はがきの使途について明らかにしていないところ,議員がはがきを送付するのは,議員としての活動や政党の活動の状況について報告し,議員や政党に対する支援を得ることが目的であるというべきであり,かかる挨拶目的のはがきの送付を政務調査研究のためのものとはいえない。 仮に,はがきの送付が政務調査研究の必要に基づいて行われていたと解するとしても,議員の社交辞令的な挨拶の部分が大きな割合を占め,政務調査研究に関するものと認め得るのはごくわずかであり,合理的関連性を認め得るのは多くても50%にとどまる。 (ウ) 切手代大量の切手を郵送物に貼り付けるのには多大な時間と労力を要するところ,料金別納制度や市内割引料金制度を利用すれば無駄な労力を節約できる上に費用も大幅に節約できるにもかかわわず,切手売り捌き人から切手を購入するという,労力と費用をかさむ方法をとることには説明できない側面があり,切手の購入を政務調査研究のための必要に基づくものと認める余地はない。 仮に,切手の購入が政務調査研究の必要に基づくものを含むとしても,私的利用を含む政務調査研究以外の目的でも使われたことを推認させる 外形的事実が存在するというべきであり,政務調査研究と合理的関連性を有するのは支出額の4分の1にとどまる。 オ交通費公共交通機関の利便性が極めて高い千代田区内において,タクシー利用が政務調査研究活動のために必要となることは考え難く,本件使途基準が定める利用目的,乗降地の記載を欠いているものもあり,支出したタクシー代は,本件使途基準に反し,政務調査研究のための利用とも ー利用が政務調査研究活動のために必要となることは考え難く,本件使途基準が定める利用目的,乗降地の記載を欠いているものもあり,支出したタクシー代は,本件使途基準に反し,政務調査研究のための利用とも認められない。 仮に,政務調査研究のためのタクシー利用があったとしても,私的な利用の可能性も排除できないことから,政務調査研究費として認められる割合は4分の1を超えることはない。 カ消耗品費(ア) 本件使途基準は,消耗品の支出について,購入品名の記入,購入物品の内訳の記載を求めているところ,これらの記載を欠くものが多く,これらの消耗品の購入を政務調査研究のための必要費として認めることはできない。 仮に,消耗品が政務調査研究の目的で購入されたとしても,政務調査研究以外の目的で使用された蓋然性が高く,政務調査研究費として認められるのは4分の1にとどまる。 (イ) パソコンの購入については,千代田区の場合,パソコンが1台ずつ無償貸与されている中で,政務調査活動のためにパソコンの購入が必要になるということは考え難く,本件使途基準に反し,政務調査研究費としても認められない。 仮に,購入したパソコンを政務調査研究のために使用することがあったとしても,必然的に他の議員活動目的によるものが混在するものであるから,政務調査研究費として認められるのは4分の1にとどまる。 キ図書・資料費個人的な興味に基づく書籍の購入を政務調査研究費として認める余地はなく,一般的な知識を得るための書籍の購入は,政務調査研究費として認められないから,書籍の題名から推測される内容が区議として行う政務調査研究活動と関係するという事情を認めることはできず,一般的・外形的に政務調査研究以外の目的で購入が行われたものである。 認められないから,書籍の題名から推測される内容が区議として行う政務調査研究活動と関係するという事情を認めることはできず,一般的・外形的に政務調査研究以外の目的で購入が行われたものである。 (P1会派の主張の要旨)本件P1支出は,いずれも,本件使途基準に反するものではなく,政務調査研究費に該当するものであり,各議員に係る本件P1支出についての反論は次のとおりである。 ア P4(ア) 喫茶・料理代,茶菓子代,会合・行事の会費・年会費等P1一覧表のP4に係る支出番号3,4,15,24,29,30,39,44,45,60,61,68,82ないし84及び135ないし141は喫茶・料理代,同5,6,16ないし18,20ないし23,26,27,32ないし35,69ないし71,76,78ないし81及び85は茶菓子代,同7,12ないし14,19,40ないし43,47ないし55,64ないし67及び86は会合・行事の会費,年会費等である。 P1会派は,区民,事業者と交流し,区民相談,会合・行事,区政報告会における苦情・要望の受付,意見交換,情報収集などを通じて,区政の課題を把握し,議会活動に反映させているところ,これらのために,上記喫茶・料理代,茶菓子代,会合・行事の会費・年会費等の費用を要したものであり,政務調査研究費に該当する。 また,会合・行事には会議・年会費等の案内があり,議員として会合・行事に参加するために,その会費・年会費等を支払っていることか らすれば,これらは会合・行事への参加費であり,飲食費とは性質の異なるものであるから,本件使途基準に反しない。 (イ) チケット代P1一覧表のP4に係る支出番号87は,チケット代であるところ,同チケット代は,文化・芸術活動であるP17O は性質の異なるものであるから,本件使途基準に反しない。 (イ) チケット代P1一覧表のP4に係る支出番号87は,チケット代であるところ,同チケット代は,文化・芸術活動であるP17OBのレビューショーを視察し,それに対する行政支援の在り方を調査研究するために要した費用であって,地域・町会関係者に同行してもらい,区や町会のイベント等に招くのに相応しいものかなどについて意見交換をするためのものであり,政務調査研究費に該当する。 (ウ) 書籍・雑誌代P1一覧表のP4に係る支出番号90ないし100及び102ないし104は,書籍・雑誌代であるところ,同書籍・雑誌代は,歴史,伝統・文化・芸能等を調査研究したり,区政に関連する情報を幅広く収集するために要した費用であり,政務調査研究費用に該当する。 (エ) タクシー代P1一覧表のP4に係る支出番号106ないし120及び122ないし134は,タクシー代であるところ,同タクシー代は,政務調査活動のための移動に要した費用であり,政務調査研究費に該当する。 イ P5(ア) 会合の会費・年会費,喫茶店代P1一覧表のP5に係る支出番号1ないし26,28ないし33,62及び63は会合の会費・年会費であり,同支出番号27は喫茶店代である。 上記会合の会費・年会費,喫茶店代が政務調査研究費に該当することは,P4と同様である。 また,上記会合の会費・年会費が,本件使途基準に反しないこともP 4と同様である。 (イ) タクシー代P1一覧表のP5に係る支出番号34ないし57は,タクシー代であるところ,同タクシー代が政務調査研究費に該当することは,P4と同様である。 (ウ) 書籍・雑誌代P1一覧表のP5に係る支出 一覧表のP5に係る支出番号34ないし57は,タクシー代であるところ,同タクシー代が政務調査研究費に該当することは,P4と同様である。 (ウ) 書籍・雑誌代P1一覧表のP5に係る支出番号58ないし61は,書籍・雑誌代であるところ,同書籍・雑誌代が政務調査研究費に該当することは,P4と同様である。 同支出番号59は,「○」を購入した費用である。 (エ) 文具代P1一覧表のP5に係る支出番号64は,文具代であるところ,同文具代は,政務調査活動に使用した手帳の代金であり,政務調査研究費に該当する。 (オ) 沖縄視察P1一覧表のP5(沖縄)に係る支出番号1は,ホテル代と飛行機代がセットになったチケット代であるところ,同チケット代は,中国人観光客を千代田区に呼び込むために,沖縄に訪れる人に対するビザの制度を調査するなど,沖縄県の行政を中心に調査するために要した費用であり,政務調査研究費に該当する。 同支出番号2及び3は,往路及び復路のタクシー代であるところ,同タクシー代は,沖縄視察の移動のために要した費用であり,政務調査研究費に該当する。 ウ P6(ア) 会合の会費P1一覧表のP6に係る支出番号1ないし24は,会合の会費である ところ,同会合の会費が政務調査研究費に該当することは,P4と同様である。 また,上記会合の会費が,本件使途基準に反しないこともP4と同様である。 (イ) タクシー代P1一覧表のP6に係る支出番号25ないし68は,タクシー代であるところ,同タクシー代が政務調査研究費に該当することは,P4と同様である。 (ウ) はがき代P1一覧表のP6に係る支出番号70ないし72は,はがき代であるところ,同はがき代は,議会活動や区 るところ,同タクシー代が政務調査研究費に該当することは,P4と同様である。 (ウ) はがき代P1一覧表のP6に係る支出番号70ないし72は,はがき代であるところ,同はがき代は,議会活動や区政に関する政策について区民に情報提供するとともに,区民から苦情,要望,意見,情報を求めるために行っている区政報告に要した費用であり,政務調査研究費に該当する。 エ P7(ア) 研修会の会費P1一覧表のP7に係る支出番号1は,P18の宿泊研修会の会費であるところ,同研修会の会費は,消火活動,住民指導,災害救助等の知識を習得するとともに,地域防災を含む区政について,苦情・要望の受付,意見交換,情報収集をするために要した費用であり,政務調査研究費に該当する。 (イ) 会合の会費P1一覧表のP7に係る支出番号2ないし10は会合の会費であるところ,同会合の会費が政務調査研究費に該当することは,P4と同様である。 また,上記会合の会費が,本件使途基準に反しないこともP4と同様である。 (ウ) はがき代・切手代・印刷代P1一覧表のP7に係る支出番号11ないし13及び15ははがき代,同支出番号14は切手代,同支出番号16は印刷代であるところ,同はがき代・切手代が政務調査研究費に該当することは,P6と同様である。 また,同印刷代は,区政報告の印刷代であり,政務調査研究費に該当する。 オ P8(ア) 会合の会費P1一覧表のP8に係る支出番号1ないし24は,会合の会費であるところ,同会合の会費が政務調査研究費に該当することは,P4と同様である。 また,上記会合の会費が,本件使途基準に反しないこともP4と同様である。 (イ) 切手代・はがき代P1一覧表のP 同会合の会費が政務調査研究費に該当することは,P4と同様である。 また,上記会合の会費が,本件使途基準に反しないこともP4と同様である。 (イ) 切手代・はがき代P1一覧表のP8に係る支出番号25は切手代及びはがき代,同支出番号26及び27ははがき代であるであるところ,同切手代・はがき代が政務調査研究費に該当することは,P6と同様である。 (ウ) アルバイト代P1一覧表のP8に係る支出番号28ないし30は,アルバイト代であるところ,同アルバイト代は,平成23年第2回定例会(6月議会)に関する区政報告の事務,平成23年第3回定例会(9月議会)の準備,平成23年第4回定例会(12月議会)及び平成24年第1回定例会(3月議会)に関する区政報告の事務を補助するアルバイト1名を雇い入れるために要した費用であり,政務調査研究費に該当する。 また,上記アルバイトは,区政報告の事務及び議会の準備を補助させるために,必要の都度,臨時的に雇い入れたものであるから,本件使途 基準に反しない。 (エ) タクシー代P1一覧表のP8に係る支出番号31ないし33は,タクシー代であるところ,同タクシー代は,政務調査活動のための移動のために要した費用であり,政務調査費に該当する。 カ P9(ア) 会合の会費・喫茶代P1一覧表のP9に係る支出番号1ないし18は会合の会費,同支出番号19は喫茶代であるところ,同会合の会費・喫茶代が政務調査研究費に該当することは,P4と同様である。 また,上記会合の会費が,本件使途基準に反しないこともP4と同様である。 (イ) タクシー代P1一覧表のP9に係る支出番号20ないし30は,タクシー代であるところ,同タクシー代が政務調査研究費に 合の会費が,本件使途基準に反しないこともP4と同様である。 (イ) タクシー代P1一覧表のP9に係る支出番号20ないし30は,タクシー代であるところ,同タクシー代が政務調査研究費に該当することは,P4と同様である。 (ウ) はがき代・切手代P1一覧表のP9に係る支出番号31,32及び34ははがき代,同支出番号33は切手代であるであるところ,同はがき代・切手代が政務調査研究費に該当することは,P6と同様である。 (エ) 雑誌代P1一覧表のP9に係る支出番号36は,雑誌代であるところ,同雑誌代が政務調査研究費に該当することは,P4と同様である。 (オ) 学費P1一覧表のP9に係る支出番号38及び41は,P19大学大学院P20科の学費であるところ,同学費は,高度な専門知識,情報分析能 力を習得する実践教育の場である同研究科への通学により,議員個人の能力を高め,区政に還元することで区政の充実に役立つものであり,政務調査研究費に該当する。 (カ) 研修会の会費P1一覧表のP9に係る支出番号40及び42は,研修会の会費であるところ,同支出番号40は,東日本大震災の被災地を視察するとともに,消防団からその経験・教訓を聞くために要した費用,同支出番号42は,道徳・教育問題について調査研究するために要した費用であり,いずれも政務調査研究費に該当する。 キ P10(ア) アルバイト代P1一覧表のP10に係る支出番号1ないし10はアルバイト代であるところ,同アルバイト代は,区政報告の企画・編集・発送を補助するアルバイト1名を雇い入れるために要した費用であり,政務調査研究費に該当する。 また,上記アルバイトは,区政報告の企画・編集・発送を補助させる アルバイト代は,区政報告の企画・編集・発送を補助するアルバイト1名を雇い入れるために要した費用であり,政務調査研究費に該当する。 また,上記アルバイトは,区政報告の企画・編集・発送を補助させるために,必要の都度,臨時的に雇い入れたものであるから,本件使途基準に反しない。 (イ) 会合の会費・年会費P1一覧表のP10に係る支出番号11ないし29は会合の会費・年会費であるところ,同会合の会費・年会費が政務調査研究費に該当することは,P4と同様である。 また,上記会合の会費・年会費が,本件使途基準に反しないこともP4と同様である。 (ウ) 切手代,ラベルシール代,印刷代P1一覧表のP10に係る支出番号30ないし36は切手代,同支出 番号80はラベルシール代,同支出番号81は印刷代であるところ,同切手代が政務調査研究費に該当することは,P6と同様である。また,同ラベルシール代は宛名のラベルシール代であり,同印刷代は封筒の印刷代であり,いずれも区政報告を送付するために要した費用であって,政務調査研究費に該当する。 (エ) タクシー代P1一覧表のP10に係る支出番号37ないし40,42ないし44,47ないし53及び82ないし84は,タクシー代であるところ,同タクシー代が政務調査研究費に該当することは,P4と同様である。 (オ) 書籍代・雑誌代P1一覧表のP10に係る支出番号55,60,61,65及び66ないし68は書籍代,同支出番号56,57,59及び63は雑誌代であるところ,同書籍代・雑誌代が政務調査研究費に該当することは,P4と同様である。 (カ) 文具代P1一覧表のP10に係る支出番号64は文具代であるところ,同文具代は,政務調査活動に使用した手帳の 書籍代・雑誌代が政務調査研究費に該当することは,P4と同様である。 (カ) 文具代P1一覧表のP10に係る支出番号64は文具代であるところ,同文具代は,政務調査活動に使用した手帳の代金であり,政務調査研究費に該当する。 ク P11(ア) 会合の会費P1一覧表のP11に係る支出番号1ないし5は,会合の会費であるところ,同会合の会費が政務調査研究費に該当することは,P4と同様である。 また,上記会合の会費が,本件使途基準に反しないこともP4と同様である。 (イ) パソコン代 P1一覧表のP11に係る支出番号6は,パソコン代であるところ,同パソコン代は,議員控え室用として政務調査活動に使用するノートパソコンの購入代金であり,政務調査研究費に該当する。 (ウ) 学費P1一覧表のP11に係る支出番号10は,P21大学大学院P22科(公共政策大学院)の学費であるところ,同学費が政務調査研究費に該当することは,P9と同様である。 ケ P12(ア) 会合の会費・飲食代P1一覧表のP12に係る支出番号1ないし9及び11ないし30は会合の会費,同支出番号10及び31は飲食代であるところ,同会合の会費・飲食代が政務調査研究費に該当することは,P4と同様である。 また,上記会合の会費が,本件使途基準に反しないこともP4と同様である。 (イ) タクシー代P1一覧表のP12に係る支出番号32ないし41は,タクシー代であるところ,同タクシー代が政務調査研究費に該当することは,P4と同様である。 (ウ) 梱包発送代P1一覧表のP12に係る支出番号49は,梱包発送代であるところ,同梱包発送代は,政務調査活動に使用しているプリンター 査研究費に該当することは,P4と同様である。 (ウ) 梱包発送代P1一覧表のP12に係る支出番号49は,梱包発送代であるところ,同梱包発送代は,政務調査活動に使用しているプリンターを修理するための梱包発送代であり,政務調査研究費に該当する。 (エ) はがき代P1一覧表のP12に係る支出番号56及び57ははがき代であるところ,同はがき代が政務調査研究費に該当することは,P6と同様である。 コ P13(ア) 飲食代,会合の会費・年会費P1一覧表のP13に係る支出番号1及び9は飲食代,同支出番号2ないし7,10ないし21,23ないし26,28ないし32,49及び52は会合の会費,同支出番号8はP23の例会費,同支出番号27はP23の新年会費,同支出番号46はP23の委員会報告・新旧役員懇談会費,同支出番号47はP23の年会費の半期分,同支出番号48はP23の特別会費,同支出番号50はP23の年会費の半期分と60周年記念の特別会費,同支出番号51はP23の例会費であるところ,同飲食代,会合の会費・年会費が政務調査研究費に該当することは,P4と同様である。 また,上記会合の会費が,本件使途基準に反しないこともP4と同様である。 (イ) 切手代P1一覧表のP13に係る支出番号35及び36は切手代であるところ,同切手代が政務調査研究費に該当することは,P6と同様である。 (ウ) タクシー代P1一覧表のP13に係る支出番号37及び42ないし45は,タクシー代であるところ,同タクシー代が政務調査研究費に該当することは,P4と同様である。 (エ) アルバイト代P1一覧表のP13に係る支出番号53は,アルバイト代であるところ,同アルバイト代は あるところ,同タクシー代が政務調査研究費に該当することは,P4と同様である。 (エ) アルバイト代P1一覧表のP13に係る支出番号53は,アルバイト代であるところ,同アルバイト代は,議会活動及び政務調査活動に関する書類を整理するなど事務作業を補助するアルバイト1名を雇い入れるために要した費用であり,政務調査研究費に該当する。 また,上記アルバイトは,書類整理等の事務作業を補助させるために, P13と生計を同じくする親族に当たらない,P13の長女を,必要の都度,臨時的に雇い入れたものであるから,本件使途基準に反しない。 サ P1会派(ア) アルバイト代P1一覧表のP1会派に係る支出番号1ないし11は,アルバイト代であるところ,同アルバイト代は,区政報告の宛名書き,切手貼り,発送と委員会資料の整理を補助するアルバイト1名を雇い入れるために要した費用であり,政務調査研究費に該当する。 また,上記アルバイトは,区政報告の宛名書き,切手貼り,発送と委員会資料の整理を補助させるために,1か月26時間の範囲内で,必要の都度,臨時的に雇い入れたものであるから,本件使途基準に反しない。 (イ) 喫茶代・飲食代・会合の会費P1一覧表のP1会派に係る支出番号12,19,20,22,24及び26は喫茶代・飲食代,同支出番号21は会合の会費であるところ,同喫茶代・飲食代・会合の会費が政務調査研究費に該当することは,P4と同様である。 同支出番号13ないし18,23,25及び27も喫茶代・飲食代であるところ,同喫茶代・飲食代は,他会派の所属議員を交えて,議会の本会議や委員会での質問等に備えて千代田区の諸課題の調査研究のために開催した会議に要した費用であり,政務調査研究費に該当する。 るところ,同喫茶代・飲食代は,他会派の所属議員を交えて,議会の本会議や委員会での質問等に備えて千代田区の諸課題の調査研究のために開催した会議に要した費用であり,政務調査研究費に該当する。 (ウ) 切手代P1一覧表のP1会派に係る支出番号28ないし30は切手代であるところ,同切手代が政務調査研究費に該当することは,P6と同様である。 (エ) シュレッダー代・扇風機代・事務用品代P1一覧表のP1会派に係る支出番号31はシュレッダー代,同支出 番号32はシュレッダーの送料,同支出番号33は扇風機代,同支出番号34ないし40は事務用品代であるところ,同シュレッダー代・扇風機代は,議員控え室用のシュレッダー,扇風機の代金であり,同事務用品代は,政務調査活動に使用する事務用品の代金であり,政務調査研究費に該当する。 (3) P1会派の不当利得の成立範囲(争点3)について(P1会派の主張の要旨)本件条例15条1項によれば,政務調査研究費の交付を受けた会派は,その年度において交付を受けた政務調査研究費の総額(交付額)から当該会派がその年度において政務調査研究を推進するために必要な経費として支出した総額(執行額)を控除して生じた残余の額(不用額)を議長に返還するものとされているところ,P1会派の本件政務調査研究費の交付額は1650万円,決算報告書上の執行額は1745万0699円で,不用額に95万0699円のマイナスが生じているから,P1会派が不当利得返還義務を負うとしても,違法とされる額が95万0699円を超えた場合に限られる。なお,P1会派は,その後に,前提事実(4)ウ及びキの合計28万6733円を自主返還したが,交付額及び執行額ともに同額を控除した金額となり,不用額として計算される金額は変 円を超えた場合に限られる。なお,P1会派は,その後に,前提事実(4)ウ及びキの合計28万6733円を自主返還したが,交付額及び執行額ともに同額を控除した金額となり,不用額として計算される金額は変わらない。 (原告の主張の要旨)本件訴訟における請求は,使途基準に基づかない支出がある場合の本件条例15条2項及び民法上の不当利得返還請求権の管理を怠る事実に基づくものであって,同条1項の剰余金の返還を求めるものではないから,マイナスの「不用額」が生じていたとしても,支出を返還すべき範囲がそれによって何らかの影響を受けることにはならない。同条3項もその旨を注意的に規定しており,使途基準に違反して支出した場合(目的外の支出分も同様に解される。),その額は根拠なく交付された額として,同項により交付額がその分 減額され,換言すれば,その支出分について交付を受ける法的根拠を喪失し,法律上の原因なくして千代田区から金銭を受領したことになるものである。 (4) 本件P3支出の違法性(争点4)について(原告の主張の要旨)本件P3支出は,いずれも,本件使途基準に反し,政務調査研究のための支出ではないことが一般的,外形的に認められる。個別の支出についての主張は,P3一覧表の「原告の主張」欄記載のとおりである。 (被告の主張の要旨)本件P3支出は,本件使途基準に違反する支出には当たらない。 (5) P3会派に対する不当利得返還請求権の存否(争点5)について(被告の主張の要旨)前提事実(4)カのとおり,P3会派から本件P3支出に係る政務調査研究費を返還する旨の申出があった。被告は,P3会派に対する返還請求権を有しないとの立場ではあったが,政務調査研究費は交付金であり,交付を受けた者が政務調査研究 3会派から本件P3支出に係る政務調査研究費を返還する旨の申出があった。被告は,P3会派に対する返還請求権を有しないとの立場ではあったが,政務調査研究費は交付金であり,交付を受けた者が政務調査研究費を充てることのできる費用に,一旦これを充てたものの,その後,他の財源を充てることとしたために政務調査費が充てられないこととなった場合に,任意に政務調査研究費を返還することは,本件条例15条1項により当然に想定,許容されている(この点,他の財源を充てるかを判断する余地のない旅費とは異なる。)。しかるところ,上記申出は,既に受領した金員について,自主的に政務調査研究費として取り扱わないことにする趣旨の申出と理解することができ,この理解によれば,P3会派が当初受領した金員は,それを保有する法律上の原因を欠くことになったものである。 このように千代田区は,上記P3会派からの申出により一旦は本件P3支出相当額の金員返還請求権を有することになったが,直ちに民法703条及び404条に基づき同額及び利息を受領したため,千代田区は,P3会派に 対する不当利得返還請求権を有しない。 (原告の主張の要旨)会派は,受領した政務調査研究費を任意に返還することはできず,千代田区がこれを受領した場合,当該行為は公職選挙法199条の2で禁止されている寄附に該当する。被告は,政務調査研究費と同様に議員としての活動のために要する経費を区が負担する趣旨で費用弁償されている議員の旅費については,議員が返還を申し出た場合にもこれを受領せず,その理由について,支給の有無を各議員が任意に決められるものではないため,一旦支給されたものを返還することは公職選挙法199条の2で禁止されている寄附に該当すると説明していたのであり,これと上記被告の主張は明らかに矛盾してい 無を各議員が任意に決められるものではないため,一旦支給されたものを返還することは公職選挙法199条の2で禁止されている寄附に該当すると説明していたのであり,これと上記被告の主張は明らかに矛盾している。 そうすると,P3会派が返還を申し出たことにより,不当利得返還請求権が発生する根拠とはなり得ず,発生した不当利得返還請求権について支払を受けたとはいえない。 また,P3会派による返還が本件条例15条1項による剰余金の返還としてされたのだとすれば,P3会派から平成23年度の決算報告書について訂正の申出があったはずであるが,P3会派から訂正の申出はされておらず,P3会派からの金銭の受入れの事実関係と整合しない。 (6) 本件P2支出の違法性(争点6)(原告の主張の要旨)本件P2支出は,いずれも,本件使途基準に反し,政務調査研究のための支出ではないことが一般的,外形的に認められる。個別の支出についての主張は,P2一覧表の「原告の主張」欄記載のとおりである。 (P2会派の主張の要旨)本件P2支出は,別紙3の「P16の説明および反論」欄記載のとおり,いずれも,本件使途基準に反するものではなく,政務調査研究のために支出 したものである。 第3 当裁判所の判断 1 本件各支出の違法性の判断基準(争点1)(1) 交付された政務調査研究費が不当利得となる場合についてア前記第2の2のとおり,地方自治法100条14項は,政務調査費の交付につき,普通地方公共団体が,条例の定めるところにより,その議会の議員の調査研究に資するため必要な経費の一部として,その議会における会派又は議員に対して政務調査費を交付することができるとしつつ,その交付の対象,額及び方法は,条例で定めなければならないと定めている 議員の調査研究に資するため必要な経費の一部として,その議会における会派又は議員に対して政務調査費を交付することができるとしつつ,その交付の対象,額及び方法は,条例で定めなければならないと定めているところ,同条の規定に基づいて政務調査研究費の交付に関し必要な事項を定める本件条例は,政務調査研究費の使途範囲について,その交付を受けた会派及び所属議員が,別に定める使途基準に基づき,適正に使用しなければならない旨規定している(1条,4条,13条)。 そして,この別に定める使途基準として,千代田区議会規則として本件使途基準が定められ,本件使途基準においては,人件費,会議費,視察・研修費,通信費,交通費,印刷費,消耗品費,備品費,図書・資料費,レンタル・リース費及び課題別経費のそれぞれについて,使途内容及び使途禁止事項が定められている。 さらに,本件条例は,本件使途基準に基づかない支出があると認められるときは,当該支出に係る経費の全額を返還しなければならず,返還金が発生したときは,当該返還額をすでに交付した額から減額した額を交付額とするものとする旨規定している(15条2項,3項)。 以上の法令の規定によれば,千代田区における地方自治法上の政務調査費である政務調査研究費は,本件使途基準に合致する使途にのみ使用されることを前提として,これを会派に交付するものとしていることが明らかであって,ある会派において政務調査研究費が本件使途基準に適合しない 使途に充てるために支出された場合(以下「使途範囲外支出」という。)には,条例の根拠なく金員の交付を受けて利得を得たことになり,また,地方自治法が条例に委任した趣旨に反して政務調査研究費の交付を受けているものとして違法な状態にあることにもなるから,その利得については法律上の 根拠なく金員の交付を受けて利得を得たことになり,また,地方自治法が条例に委任した趣旨に反して政務調査研究費の交付を受けているものとして違法な状態にあることにもなるから,その利得については法律上の原因を欠き,これにより損失を被る千代田区は当該会派に対して民法上の不当利得返還請求権を有するものと解される。 イところで,本件使途基準においては,人件費,会議費等の費目に区分し,それぞれについて許容される使途内容をやや抽象的に規定した上,一定の費目につき,特定の経費を「使途禁止事項」と規定している(例えば,人件費につき,日常的な事務員の雇用などが使途禁止事項とされる。)。このような定めに照らすと,上記のうち,使途禁止事項とされている経費に係る支出については,直ちに使途範囲外支出に当たると解される。また,経費の支出の対象となる行為が,その客観的な目的や性質に照らして議員の議会活動の基礎となる調査研究活動との間に合理的関連性を欠く場合や,当該行為に係る経費の支出の必要性に関する当該議員の判断が合理性を欠く場合などには,使途範囲外支出に当たると解される。(最高裁平成21年(行ヒ)第214号同22年3月23日第三小法廷判決・集民233号279頁,最高裁平成22年(行ヒ)第42号平成25年1月25日第二小法廷判決・集民243号11頁参照)ウまた,本件使途基準については,千代田区議会運営委員会によって,本件注意事項が定められているところ,この本件注意事項は,千代田区議会における任意の自主的な申し合わせの類にすぎないと考えられるとはいえ,政務調査研究費が地方自治法上の「議会の議員の調査研究に資するため必要な経費」として本件使途基準に合致する経費の支出に充てられたことを明確にするため,政務調査研究費の適正かつ透明性を確保するために設置 調査研究費が地方自治法上の「議会の議員の調査研究に資するため必要な経費」として本件使途基準に合致する経費の支出に充てられたことを明確にするため,政務調査研究費の適正かつ透明性を確保するために設置された審査会の意見書等を踏まえて,会派及び議員が従うべき注意事項及 び指摘事項として,具体化,明確化されたものであり,議会の自律性が尊重されるべき制度下において当該議会の意思が発現されたものと考えられることからすると,地方自治法及び本件使途基準の趣旨に合致しない不合理なものと認められない限り,本件使途基準の解釈の指針として(すなわち,上記の合理的関連性の有無や必要性の有無の判断の指針として)参照すべきものであると解される。 しかるところ,本件注意事項には,使途の合理的関連性又は必要性の点に配慮し,社会通念等に照らして第三者から誤解を受けかねないものについては政務調査研究費の対象外とする旨の規定(例えば,会議費につき,会議に不向きな場所での打合せ等は対象外とすることなど)や,使途の明瞭性に配慮し,支出の内容に関して一定程度具体的な立証を求める旨の規定(例えば,宛名が会派又は議員名である領収書が必要であること,人件費については,勤務日や時間を記入し,出勤簿を備え,勤務内容を明確にすることなど)が置かれており,これらの規定を含め,本件注意事項中に,地方自治法及び本件使途基準の趣旨に反するものとして不合理である点は見当たらない。 (2) 主張立証責任不当利得返還請求権の発生原因事実の一つである法律上の原因がないことは,当該請求権があると主張する者において主張立証しなければならないと解するのが相当である(最高裁昭和37年(オ)第1185号同39年4月7日第三小法廷判決・集民73号35頁,最高裁昭和58年(オ)第934号同59年 と主張する者において主張立証しなければならないと解するのが相当である(最高裁昭和37年(オ)第1185号同39年4月7日第三小法廷判決・集民73号35頁,最高裁昭和58年(オ)第934号同59年12月21日第二小法廷判決・集民143号503頁参照)。 しかるに,上記(1)イで判示したところに照らせば,本件条例及び本件規則の下においては,本件使途基準が使途禁止事項として規定した特定の経費については,原告において,本件各支出がそれに該当することを主張立証すれば,使途範囲外支出であると認められることとなる。 また,本件条例及び本件規則の下において,会派は,四半期ごとに中間報告書及び決算報告書を提出し,これらの報告書には支出の内容を明らかにする領収書等の原本を添付することとされ,また,各会派の運用上,上記報告書には会計整理表及び会計整理票を添付して,個別の領収書に対応する形でその支出に関する概括的な内容を記載する扱い(P1会派の場合,人件費であれば作業内容に応じた4類型,会議費であれば支出理由に応じた5類型から選択するなどの扱い)がされているところ,これらの書面(以下「会計整理票及び領収書等」という。)から個別の支出の内容を概括的に知ることはできるとしても,本件使途基準に合致した支出かどうかを判断するに足りる詳細な情報を必ずしも得ることはできないという状況にあることを勘案すると,原告において,本件各支出に関して,本件使途基準に合致した支出でないことを推認させる一般的,外形的な事実の存在を主張立証した場合には,当該支出が使途範囲外支出であることが事実上推認されるというべきである。 そして,原告は,上記の外形的事実として,行為の目的や性質に照らして議員の調査研究活動との間に明らかに合理的関連性を欠くことを基礎付ける事実や,支出の であることが事実上推認されるというべきである。 そして,原告は,上記の外形的事実として,行為の目的や性質に照らして議員の調査研究活動との間に明らかに合理的関連性を欠くことを基礎付ける事実や,支出の必要性に関する当該議員の判断が明らかに合理性を欠くことを基礎付ける事実を主張立証する必要があると解され(上記(1)イ参照),それらの主張立証がされた場合は,被告においてこれを覆す適切な立証を行わない限り,使途範囲外支出であると認められることとなる。 さらに,上記(1)ウで判示したとおり,本件注意事項において,使途の明瞭性に配慮した注意事項等が規定されていることからすると,原告において,本件各支出に関して,上記の注意事項等を遵守しないものがあるという外形的事実を主張立証した場合にも,当該支出が使途範囲外支出であることが事実上推認され,その場合は,被告においてこれを覆す適切な立証を行わない限り,使途範囲外支出であると認められると解することが相当である。 (3) 不当利得返還請求権の存在が認められた場合と違法に怠る事実 被告は,議会の機能を十分に発揮するためには議員の所属会派の活動の自由を尊重することが重要であり,議員による調査研究の対象が相当程度広範にわたることが許容されるべきで,その調査研究の手段選択について,議員の自主性,自律性が尊重されなければならないところ,本件条例上,被告は政務調査研究費に係る収支報告を受けるものとはされておらず,形式的な審査権も有していないとして,本件各支出については,千代田区議会議長の判断により適正に執行されているものと認識している以上,被告は不当利得返還請求権の行使を違法に怠っていないと主張する。 しかしながら,被告が政務調査研究費に係る収支報告を受ける立場にはなく,また,千代田区議会議長に されているものと認識している以上,被告は不当利得返還請求権の行使を違法に怠っていないと主張する。 しかしながら,被告が政務調査研究費に係る収支報告を受ける立場にはなく,また,千代田区議会議長において本件各支出が適正に執行されているとの認識があるとしても,本件条例及び本件規則に照らして本件各支出が使途範囲外支出に充てられたことが認められる場合においては,前記(1)アに判示したとおり,地方自治法が条例に委任した趣旨に反して政務調査費の交付を受けているものとして違法な状態にあると考えられる以上,被告においてその不当利得返還請求権の行使を怠ることが違法でないということはできない。上記被告の主張は,採用することができない。 (4) 以下では,上記判断基準及び主張立証責任を前提に,本件各会派ごとに,本件使途基準が定める費目の順に従い,本件各支出の違法性を個別に判断する。(なお,P1会派は,本件訴訟に補助参加しているものの,前記第2・4(2)(P1会派の主張の要旨)のとおり概括的な主張をするにとどまり,一部を除き,本件P1支出が本件使途基準に合致していることについて,原告の主張を踏まえた具体的な主張立証をしていない。) 2 P1会派に対する不当利得返還請求権(争点2及び3)について(1) 本件P1支出の違法性(争点2)についてア人件費(ア) 本件使途基準は,人件費について,調査研究を補佐又は補助するた めの人的経費を使途内容とし,日常的な事務員及び家族の雇用を使途禁止事項として定めている。また,本件注意事項は,調査研究を補佐又は補助する者の勤務日,時間を記入し,勤務内容を明確にし,出勤簿を備えることを定めている。 そうすると,本件条例及び本件規則の下においては,人件費を政務調査研究費として支出する場合 究を補佐又は補助する者の勤務日,時間を記入し,勤務内容を明確にし,出勤簿を備えることを定めている。 そうすると,本件条例及び本件規則の下においては,人件費を政務調査研究費として支出する場合,①日常的な事務員の人的経費に係る支出,②家族の人的経費にかかる支出については,いずれも使途範囲外支出とされるべきであるし,③会計整理票及び領収書等において勤務日や勤務内容が明確にされていない支出などについては,使途範囲外支出であることが事実上推認されるというべきである。 この点に関し,P1会派は,本件使途基準が禁止している「家族の雇用」(上記②)は,生計を同じくする親族に限られると主張する。しかしながら,本件使途基準が家族の雇用を禁止した趣旨は,家族は議員と密接な関係にあるがゆえに勤務実態や支出実態を欠いたものとなる危険があり,また,お手盛りとなる危険があることを勘案したものと解されるのであり,上記の「家族」を生計を同じくする親族に限定する理由は見当たらない。したがって,少なくとも議員の両親,配偶者及び子の人的経費に係る支出であれば,家族の雇用に当たるというべきであり,かかるP1会派の主張は採用できない。 なお,本件注意事項には,「領収書の宛名が会派や議員名と違うもの」は政務調査研究費として支出できない旨の定めがあるが,これと異なり,領収書に宛名が記載されていないものや,宛名が議員等自身により記入されたことが疑われるものについては,世上,領収書が金額及びただし書のみを記されて交付される場合も少なくはないと考えられることからすると,これらの事情をもって上記の定めの場合と同視することはできないというべきであり,このことから直ちに使途範囲外支出であること が事実上推認されることにはならないというべきである(以下,この点につき, 事情をもって上記の定めの場合と同視することはできないというべきであり,このことから直ちに使途範囲外支出であること が事実上推認されることにはならないというべきである(以下,この点につき,各費目を通じて同じ。)。 (イ) P8が雇用した者に係る経費P1一覧表のP8に係る支出番号28及び29については,会計整理票及び領収書等(乙A7)によれば,P24を平成23年8月1日から5日まで,同年9月12日から16日まで雇用した経費であることを報告していることが認められるが,これによっても,勤務内容が明確にされていないから,上記③に該当し,使途範囲外支出であることが事実上推認される。 これについて,P1会派は,区政報告又は議会準備を補助するアルバイトであった旨主張するが,これを認めるに足りる証拠はないことからすると,上記支出は,使途範囲外支出であると認められる。 他方,P1一覧表のP8に係る支出番号30については,会計整理票及び領収書等(乙A13)によれば,雇用期間を平成24年3月12日ないし16日,作業内容を会派事務として,P24を雇用した経費であることを報告していることが認められる。これについて,原告は,P24がP8の経営する店の従業員であると主張するが,仮にそうであったとしても,上記の報告内容に係る事実を直ちに覆すものとまではいえず,他に同人が調査研究とは無関係の仕事に従事していたことを認めるに足りる証拠はない。そうすると,上記支出は,使途範囲外支出であるとは認められない。 (ウ) P10が雇用した者に係る経費P1一覧表のP10に係る支出番号1ないし10については,会計整理票及び領収書等(乙A4,7,10,13)によれば,勤務日を1月当たり4ないし8日,勤務内容を事務手伝いとして,P25を雇用した経費であること のP10に係る支出番号1ないし10については,会計整理票及び領収書等(乙A4,7,10,13)によれば,勤務日を1月当たり4ないし8日,勤務内容を事務手伝いとして,P25を雇用した経費であることを報告していることが認められる。もっとも,会計整理票には,その作業内容を「その他」として報告していて,その具体的内容の記載はなく,また,領収書記載の「事務手伝い」とあるだけでは,議員の調査研 究に資する費用であることを基礎付ける勤務内容が明確にされているとはいえない。したがって,上記③に該当し,使途範囲外支出であることが事実上推認される。これについて,P1会派は,区政報告の企画,編集,発送を補助するアルバイトであった旨主張するが,これを認めるに足りる証拠はないことからすると,上記支出は,使途範囲外支出であると認められる。 (エ) P13が雇用した者に係る経費P1一覧表のP13に係る支出番号53については,争いのない事実,会計整理票及び領収書等(乙A10)によれば,P13の長女であるP26を雇用した経費であることを報告していることが認められ,上記②に該当し,使途範囲外支出であるというべきである。 (オ) P1会派が雇用した者に係る経費P1一覧表のP1会派(固有)に係る支出番号1ないし11については,会計整理票及び領収書等(乙A4,7,10,13)によれば,勤務日を1月当たり13日ないし14日,勤務内容を会派事務ないし資料収集として,P27を雇用した経費であることを報告していることが認められるところ,これらが平成23年5月から平成24年3月までの本件政務調査研究費に係る期間のすべての月にわたって毎月13日程度雇用し定額の8万円を支出したとの内容であることにも鑑みると,会派事務又は資料収集を恒常的に行うために同一 月から平成24年3月までの本件政務調査研究費に係る期間のすべての月にわたって毎月13日程度雇用し定額の8万円を支出したとの内容であることにも鑑みると,会派事務又は資料収集を恒常的に行うために同一の人物を継続的に雇用していたことが推認されるから,日常的な事務員の人的経費として支出したものと認められ,上記①に該当し,使途範囲外支出であるというべきである。これについて,P1会派は,区政報告の宛名書き,切手貼り,発送と委員会資料の整理を補助させるために必要の都度臨時的に雇い入れたアルバイトである旨主張するが,上記の勤務態様及び雇用態様に照らし,臨時的な雇用であると認めることはできない。 (カ) 以上のとおり,費目を人件費とする本件P1支出のうち,P1一覧表「類型」欄に人件①ないし③として記載している支出については,上記①ないし③に該当すると認められ,使途範囲外支出であるというべきである。 イ会議費(ア) 本件使途基準は,会議費について,調査研究のための外部折衝に必要な経費及び会費を使途内容とし,飲食費は1人当たり5000円以内とすることを定め,飲食を主目的とした会議及び政党のパーティーを使途禁止事項と定めている。また,本件注意事項は,当該会議の参加人数と会議内容を記載すること,飲食費が1人当たり5000円を超えた場合にはその理由を記載することを定め,会議に不向きな場所での打ち合わせ,後援会で使用した茶菓代及び同窓会年会費は政務調査研究費の対象外とすると定めている。他方,上記の定めからすると,本件使途基準及び本件注意事項は,後援会以外で使用する茶菓代を会議費とすることを明示的には禁じていないが(なお,食事の時間帯以外に開催する政務調査活動のための会議等において喉を潤す程度のものとして供される茶菓に係る経費は,その は,後援会以外で使用する茶菓代を会議費とすることを明示的には禁じていないが(なお,食事の時間帯以外に開催する政務調査活動のための会議等において喉を潤す程度のものとして供される茶菓に係る経費は,その性質上,上記の飲食費には含まれないということができる。),茶菓代の金額が社会通念上相当な範囲を超える場合は,調査研究のための外部折衝たる会議とは合理的関連性を欠くものとして,本件使途基準に適合しないものとなると解される。 以上の諸点を勘案すると,本件条例及び本件規則の下においては,会議費を政務調査研究費として支出する場合,①会合が飲食を伴うものであって会議費の実質が飲食費であると認められるときは,1人当たり5000円を超える金額の部分は使途範囲外支出に当たるというべきであり,②会計整理票及び領収書等において,会議の参加人数の記載がない支出は,使途範囲外支出であることが事実上推認され,③会計整理票及び領収書等における会議の参加人数や会議内容の記載からして,支出の前提となった会 合の存在が明らかではない支出は,使途範囲外支出であることが事実上推認されると解される。そして,④会合が茶菓を伴うものであって会議費の実質が茶菓代であると認められるときは,社会通念上相当な範囲を超える金額の部分は,明らかに合理的関連性を欠くものとして使途範囲外支出であることが事実上推認されるというべきである。 (イ) 懇親会,総会,忘年会,新年会,祝賀会,懇親旅行会など飲食を伴う会合に係る経費P1一覧表のP4に係る支出番号7,12ないし14,40,42,43,47ないし49,51ないし54,64及び66,同P5に係る支出番号1ないし4,6ないし8,10ないし18,20ないし26及び28ないし33,同P6に係る支出番号1ないし6,8ないし13及び 3,47ないし49,51ないし54,64及び66,同P5に係る支出番号1ないし4,6ないし8,10ないし18,20ないし26及び28ないし33,同P6に係る支出番号1ないし6,8ないし13及び15ないし24,同P7に係る支出番号1,2,7及び10,同P8に係る支出番号2ないし5,7,9ないし14及び17ないし23,同P9に係る支出番号1,2,4,5,7ないし13,15,17及び18,同P10に係る支出番号11ないし15,18及び21ないし29,同P11に係る支出番号1ないし5,同P12に係る支出番号1ないし3,5ないし7,11,13ないし18,20ないし25及び27ないし30並びに同P13に係る支出番号1ないし7,10ないし21,23及び25ないし31については,会計整理票及び領収書等(甲A31,32,乙A4,7,10,13)によれば,P28,P29,P30,P31,P32,P33,P34,P35,P36,P37,P38,P39,P40,P18,P41,P42,P43,P44,P45,P46,P47,P48,P49,P50,P51などの各種団体が開催した,懇親会,総会,忘年会,新年会,祝賀会,懇親旅行会,宿泊研修会などの会合に係る会費等の支出であり,飲食を伴う会合に係る経費であることが報告されていることが認められる。 これらの会合は,その性質上,本来的に区政に関する議論を行う場ではないことが明らかであるが,区議会議員の職務が地域に根ざしたものであり,地域で開催される各種の会合に出席して他の出席者との間で情報交換等を行うことは,議員としての調査研究のための外部折衝であるという側面を有することは一概に否定できないことに照らすと,原告がこれらの会合に関して種々主張することを勘案したとしても,議員の調査研究活動との間に とは,議員としての調査研究のための外部折衝であるという側面を有することは一概に否定できないことに照らすと,原告がこれらの会合に関して種々主張することを勘案したとしても,議員の調査研究活動との間に明らかに合理的関連性を欠くとまではいえない。 しかしながら,これらの会合のうち,懇親会,総会,忘年会,新年会,祝賀会等の会費等は,上記のような会合の態様と出席の性格等に照らせば,いずれもその実質において飲食費であると推認される。そうすると,その金額が1人当たり5000円を超える部分は,使途範囲外支出に当たるというべきである(上記①に該当)。また,町内会の懇親旅行会及び消防団の宿泊研修会の会費等は,飲食費以外にも,宿泊費,交通費等に係る経費の部分を含むことが推認されるが,これらの会合が本来的に区政に関する議論を行う場ではないことをふまえれば,遠方への移動のために必要となる上記の経費の部分は政務調査活動との合理的関連性を欠くことが明らかであり,その余の部分は会議費に係る飲食費として検討することになるところ,結局,会費等の金額が1人当たり5000円を超える部分は,使途範囲外支出に当たるというべきである(上記①に該当)。 (ウ) 会議の参加人数が不明な会合に係る経費P1一覧表のP4に係る支出番号15,17,21及び27については,会計整理票及び領収書等(乙A4,7,10)によれば,会議の参加人数が明らかとされることなく報告されていることが認められる。これらは,使途範囲外支出であることが事実上推認されるところ(上記②に該当),被告及びP1会派の主張立証によっても,会議の参加人数が明らかとされていない。したがって,これらの支出は,使途範囲外支出と認められる。 (エ) 会合の存在自体が不明なものに係る経費P1一覧表のP 主張立証によっても,会議の参加人数が明らかとされていない。したがって,これらの支出は,使途範囲外支出と認められる。 (エ) 会合の存在自体が不明なものに係る経費P1一覧表のP4に係る支出番号3,4,19,34,39,41,50,55,60,61,65,67,68,84,86及び87,同P5に係る支出番号5,9,19及び63,同P6に係る支出番号7及び14,同P7に係る支出番号3ないし6及び9,同P8に係る支出番号1,6,8,15,16及び24,同P9に係る支出番号3,6及び14,同P10に係る支出番号16,17,19及び20,同P12に係る支出番号4,8,9,12,19及び26並びに同P13に係る支出番号24及び32については,会計整理票及び領収書等(甲A7,13,17,24,33,乙A4,7,10,13)によれば,喫茶店などにおける会議の参加人数を1人とする支出,町会,協会,医師会,消防団などの団体に支払った何らかの費用としての支出,寄付金及び協賛金としての支出,年会費の支出,レビューショーのチケット代としての支出などであることが報告されていることが認められる。 これらの支出は,いずれも会合に参加することの対価として支出する経費とはいえず,支出の前提となった会議の存在が明らかではないことからすれば,使途範囲外支出であることが事実上推認される(上記③に該当)。 そして,これらの支出に伴い,調査研究のための外部折衝が行われていたことを認めるに足りる証拠はないから,これらの支出は使途範囲外支出と認められる。 (オ) 茶菓として高額なものに係る経費P1一覧表のP4に係る支出番号33,44,85及び135ないし141並びに同P5に係る支出番号27については,会計整理票及び領収書等(乙A4,7,10,13 ) 茶菓として高額なものに係る経費P1一覧表のP4に係る支出番号33,44,85及び135ないし141並びに同P5に係る支出番号27については,会計整理票及び領収書等(乙A4,7,10,13)によれば,会議で使用した茶菓代に相当する支出であって,会議の参加人数1人当たりの金額が相当程度高額なものであることが報告されていることが認められる。 これらの支出のうち,少なくとも,会議の参加人数1人当たりの金額が500円を超える部分は,社会通念上相当な範囲を上回り,明らかに合理的関連性を欠くものとして,使途範囲外支出であることが事実上推認されるというべきである(上記④に該当)。そして,これを覆すに足りる被告及びP1会派の主張立証はないことからすると,上記支出は,使途範囲外支出であると認められる。 (カ) 使途範囲外支出とは認められないものP1一覧表のP4に係る支出番号5,6,16,18,20,22ないし24,26,29,30,32,35,45,69ないし71,76及び78ないし83,同P7に係る支出番号8,同P9に係る支出番号16及び19,同P12に係る支出番号10及び31,同P13に係る支出番号8,9及び22並びに同P1会派に係る支出の12ないし27については,会計整理票及び領収書等(乙A4,7,10,13,丙4の2)によれば,飲食を伴う会合の経費であり会議の参加人数当たり5000円を超えない飲食に係る経費,会議の参加人数1人当たり500円を超えない茶菓の購入に係る経費,飲食を伴う会合であることが明らかではない会合に参加するための費用であることが報告されていることが認められる。 これらの会合の中には,ホテル,飲食店,喫茶店等で開催されているものがあるが,会議の目的達成の上で関係者との会食等を要する場合や,当 参加するための費用であることが報告されていることが認められる。 これらの会合の中には,ホテル,飲食店,喫茶店等で開催されているものがあるが,会議の目的達成の上で関係者との会食等を要する場合や,当該会議を行う日時について食事以外の日程をとることが困難である場合もあり得ることや,本件使途基準における使途内容として1人当たり5000円を超えない飲食費を支出することが許容されていることを勘案すると,これらの場所における会合が,一概に会議に不向きな場所での打合せ等であると断定することはできないし,これらの会合が,飲食を主目的とするものであると断定することもできない。また,これらの費用の中には,千代田区議会議長においては議長交際費として支出しているものがあるが (甲9),そうであるからといって,他の議員において直ちに政務調査研究のための外部折衝ではないとまではいえない。したがって,上記の各点をもってしても,議員の調査研究活動との間に合理的関連性を欠くことが明らかであるとまではいえない。 (キ) 以上のとおり,費目を会議費とする本件各支出のうち,支出一覧表「類型」欄に会議①ないし④として記載している支出については,それぞれ上記①ないし④に該当すると認められ,支出一覧表の「使途範囲外支出と認められる額」欄記載の金額について使途範囲外支出であるというべきである。 ウ視察・研修費(ア) 本件使途基準は,視察・研修費について,視察,研修会及び報告会に係る経費(講師又は協力者への謝礼を含む。)を使途内容とし,所属政党の研修会及び大会を使途禁止事項として定めている。また,本件注意事項は,視察の経費は実費額とすること,視察先及び研修会での講師又は協力者への謝礼は,区の講師謝礼支出基準を参考とし,基準に当てはまらない場合は び大会を使途禁止事項として定めている。また,本件注意事項は,視察の経費は実費額とすること,視察先及び研修会での講師又は協力者への謝礼は,区の講師謝礼支出基準を参考とし,基準に当てはまらない場合は理由を明確に記載することなどを定めている。 そうすると,本件条例及び本件規則の下においては,①所属政党の研修会及び大会に係る支出は使途範囲外支出に当たるというべきであり,②また,視察又は研修先とされる団体が,議員の視察対象となり得る事業又は研修事業を行っていないなど,その活動内容等に照らし政務調査活動との合理的関連性を明らかに欠く場合の支出は,使途範囲外支出であることが事実上推認されると解される。 (イ) 区議会議員連絡協議会に係る経費P1一覧表のP1会派に係る支出番号41については,会計整理票及び領収書等(甲A41,乙A13)によれば,P52党の区議会議員連絡協議会に必要な経費であることが報告されていることが認められる。 そして,かかる支出は政党の研修会ないし大会に要した費用であるというべきであり(上記①に該当),使途範囲外支出であると認められる。 (ウ) P23に係る経費P1一覧表のP13に係る支出番号46ないし48,50及び51については,会計整理票及び領収書等(甲20,甲A14,22,乙A10,13,弁論の全趣旨)によれば,P23に係る年会費,特別会費などの支出であることが報告されていることが認められる。しかるに,P23は,奉仕活動事業を行う社会奉仕団体であって,正会員及び賛助会員の支払う会費等から事業費を拠出しているものであるから,視察又は研修先とされる団体の活動内容等に照らし,政務調査活動との合理的関連性を明らかに欠くということができ,使途範囲外支出であることが事実上推認される( 等から事業費を拠出しているものであるから,視察又は研修先とされる団体の活動内容等に照らし,政務調査活動との合理的関連性を明らかに欠くということができ,使途範囲外支出であることが事実上推認される(上記②に該当)。そして,これを覆すに足りる被告及びP1会派の主張立証はないことからすると,これらの支出は,使途範囲外支出と認められる。 (エ) 使途範囲外支出とは認められないものP1一覧表のP5に係る支出番号62,同P9に係る支出番号38及び40ないし42,同P11に係る支出番号10並びに同P13に係る支出番号49及び52については,会計整理票及び領収書等(甲20,甲A17,35,乙A4,7,10)によれば,P53,P41,P54,P55などの団体等において実施される研修,宿泊研修(石巻被災地視察),講演会などに参加するために必要な費用や,P19大学大学院P20科,P21大学専門職大学院P22科において大学院生として研究するために必要な費用などであることが報告されていることが認められる。 これらの団体等の中には,必ずしも活動内容が明らかではないものもあるが,原告がこれらの支出に関して種々主張することを勘案したとし ても,政務調査活動との合理的関連性を明らかに欠くとまではいえない。 また,議員が大学院に通学することは議員の調査研究活動の基盤の充実を図るという政務調査研究費の趣旨に合致するものであるといえ,議員就任前から大学院に在籍していたとしても,議員就任後の期間に対応する学費についてはそのことが直ちに否定されるとはいえず(なお,P1一覧表のP9に係る支出番号38に対応する支出の一部返金額は,議員就任前の期間に対応する金額であると推認される。),政務調査活動との合理的関連性を明らかに欠くとまではいえない。 お,P1一覧表のP9に係る支出番号38に対応する支出の一部返金額は,議員就任前の期間に対応する金額であると推認される。),政務調査活動との合理的関連性を明らかに欠くとまではいえない。 (オ) 以上のとおり,費目を視察・研修費とする本件P1支出のうち,P1一覧表「類型」欄に視察研修①又は②として記載している支出については,それぞれ上記①又は②に該当すると認められ,使途範囲外支出であるというべきである。 エ通信費(ア) 通信費について,本件使途基準は,会派については,電話,ファクシミリ及びインターネットに係る料金,携帯電話料金,切手及びはがき等の郵便料金,宅配便等の発送に係る料金,自宅については,電話を2回線保有している場合で議員活動専用に使用し,議長に届け出ている1回線に係る料金,インターネットのプロバイダー及び通信費に係る料金を使途内容として定めている。また,本件注意事項は,電話,ファクシミリ及びインターネットに係る料金は会派又は自宅において,議員本人の使用に限ると定め,ホームページの作成及び保守に係る料金はホームページの内容に基づき按分することとして,その他の議員活動が混在する場合には経費のうち合理的に説明できる割合又は2分の1を上限とする適切な額を支出できると定めている。 他方,本件使途基準及び本件注意事項には,あいさつ状に係る通信費に関する定めはないが,公職選挙法147条の2の規定により,公職に ある者は,当該選挙区内にある者に対し,答礼のための自筆によるものを除き,年賀状,寒中見舞状,暑中見舞状その他これに類するあいさつ状(以下「年賀状等」という。)を出してはならないとされており,年賀状等の発出に係る経費は,政務調査活動との合理的関連性を明らかに欠くものとして,使途範囲外支出であること その他これに類するあいさつ状(以下「年賀状等」という。)を出してはならないとされており,年賀状等の発出に係る経費は,政務調査活動との合理的関連性を明らかに欠くものとして,使途範囲外支出であることが事実上推認されるというべきである。 (イ) 年賀状等に用いるはがき等の購入に係る経費P1一覧表のP6に係る支出番号70ないし72,同P7に係る支出番号11ないし14,同P8に係る支出番号27のうち年賀はがきに係る5000円,同P9に係る支出番号32及び34については,会計整理票及び領収書等(甲A18,乙A4,7,10,13)によれば,年賀はがき,暑中見舞いないし残暑見舞い用の夏はがき及び慶事用の切手の購入並びに議長就任のあいさつ用のはがきの送付に係る経費であることが報告されていることが認められる。これらは議員の調査研究の端緒となることが通常想定し難い郵便に係るものであって,政務調査活動との合理的関連性を明らかに欠くものの購入に係る支出であり,使途範囲外支出であることが事実上推認される。そして,これを覆すに足りる被告及びP1会派の主張立証はないことからすると,上記支出は,使途範囲外支出であると認められる。 (ウ) 使途範囲外支出とは認められないもの一方,P1一覧表のP7に係る支出番号15,同P8に係る支出番号25,26及び27のうちはがきに係る5万1500円,同P9に係る支出番号33及び35,同P10に係る支出番号30ないし36,同P12に係る支出番号56及び57,同P13に係る支出番号35及び36並びに同P1会派に係る支出番号28ないし30については,会計整理票及び領収書等(乙A7,10,13)によれば,はがき及び切手の 購入,国際スピード郵便の送付に係る経費であることが報告されていることが認められる。 こ 8ないし30については,会計整理票及び領収書等(乙A7,10,13)によれば,はがき及び切手の 購入,国際スピード郵便の送付に係る経費であることが報告されていることが認められる。 これらの切手の購入経費の中には,販売品であるフレーム切手の購入に係る経費もあるが,当該フレーム切手に含まれる切手の内訳は明らかではなく,直ちに通信に要した経費ではないとまではいえない。また,これらの切手等は,議員がその調査研究に役立てることを目的として地域住民等との間で通信をするために利用する可能性を一概に否定できないことに照らすと,原告がこれらの支出に関して種々主張することを勘案したとしてもなお,議員の調査研究活動との間に明らかに合理的関連性を欠くとまではいえない。 (エ) 以上のとおり,費目を通信費とする本件P1支出のうち,P1一覧表「類型」欄に通信①として記載している支出については,支出一覧表の「使途範囲外支出と認められる額」欄記載の金額について使途範囲外支出であるというべきである。 オ交通費(ア) 本件使途基準は,鉄道運賃(JR,私鉄,地下鉄),バス代,タクシー代料金,航空運賃等の移動のための経費を使途内容とし,自家用車のガソリン代,高速道路等の利用料及び駐車料金を使途禁止事項として定めている。また,本件注意事項は,交通の目的を記載すること,交通機関利用の場合には乗降地を記載すること,鉄道等の利用で自動券売機等で購入した場合に限り領収書は不要とすることを定めている。 そうすると,本件条例及び本件規則の下においては,交通費を政務調査研究費として支出する場合,①交通の目的の不明な支出,②交通機関利用において乗降地の不明な支出,③移動の実態がない支出などについては,使途範囲外支出であることが事実上推認されると解される。 務調査研究費として支出する場合,①交通の目的の不明な支出,②交通機関利用において乗降地の不明な支出,③移動の実態がない支出などについては,使途範囲外支出であることが事実上推認されると解される。 (イ) 使途範囲外支出と認められるもの P1一覧表のP5に係る支出番号42,同P10に係る支出番号47ないし52,82及び83並びに同P12に係る支出番号32については,会計整理票及び領収書等(乙A10,13)によれば,支出理由を明らかにしていないことが認められ,上記①に該当し,使途範囲外支出であることが事実上推認される。 また,P1一覧表のP4に係る支出番号113及び119,同P6に係る支出番号41並びに同P12に係る支出番号32については,会計整理票及び領収書等(乙A4,7,10)によっても,乗降地は明らかではないことからすれば,上記②に該当し,使途範囲外支出であることが事実上推認される。 さらに,P1一覧表のP6に係る支出番号45及び同P12に係る支出番号39については,会計整理票及び領収書等(乙A10)によれば,それぞれ,同P6に係る支出番号46,同P12に係る支出番号40と同一の支出であることから,交通費の支出の前提となる交通の実態が認められず,上記③に該当し,使途範囲外支出であることが事実上推認される。 上記の各支出については,上記の各推認を覆すに足りる被告及びP1会派の主張立証はないことからすると,使途範囲外支出であると認められる。 (ウ) 使途範囲外支出とは認められないものP1一覧表のP4に係る支出番号106ないし112,114ないし118及び120ないし134,同P5に係る支出番号34ないし41及び43ないし57,同P6に係る支出番号25ないし40,42ないし44及び46な P4に係る支出番号106ないし112,114ないし118及び120ないし134,同P5に係る支出番号34ないし41及び43ないし57,同P6に係る支出番号25ないし40,42ないし44及び46ないし68,同P8に係る支出番号31ないし33,同P9に係る支出番号20ないし30,同P10に係る支出番号37ないし44,53及び84,同P12に係る支出番号33ないし38,40 及び41並びに同P13に係る支出番号37及び42ないし45については,会計整理票及び領収書等(乙A4,7,10,13,丙5の2)によれば,いずれも,乗降地を明らかにした上で,打ち合わせ,情報収集,相談業務,各種会議出席等のための移動に要した交通費であることが報告されていることが認められる。そして,公共交通機関の利用が可能な地域であるとしても,タクシーによる移動であることをもって直ちに本件使途基準に反し,調査研究に資することのない経費であるとはいえないし,移動経路や交通状況によって乗降地から推定されるタクシー料金と異なることも想定し得ることからすれば直ちに乗降地が虚偽であると認められるものではない。原告がこれらの支出に関して種々主張することを勘案したとしても,これらの支出が,政務調査活動との合理的関連性を明らかに欠くということはできず,また,明らかに不必要であるともいえない。 (エ) 以上のとおり,費目を交通費とする本件P1支出のうち,P1一覧表「類型」欄に交通①,②又は③として記載している支出については,それぞれ上記①,②又は③に該当すると認められ,使途範囲外支出であるというべきである。 カ印刷費(ア) 本件使途基準は,印刷費について,議会報告,チラシ,コピー料金などの印刷に係る経費を使途内容として定めている。また,本件注意事項は,外注で議 であるというべきである。 カ印刷費(ア) 本件使途基準は,印刷費について,議会報告,チラシ,コピー料金などの印刷に係る経費を使途内容として定めている。また,本件注意事項は,外注で議会報告やチラシ等を作成した場合には完成品を添付することとし,後援会ニュースの作成経費及び名刺の印刷経費は政務調査研究費の対象外とすると定めている。 本件使途基準には,年賀状等の郵便物の印刷に係る支出についての明示的な定めはないが,前記エと同様に,このような支出は,使途範囲外支出であることが事実上推認されるというべきである。 (イ) P1一覧表のP7に係る支出番号16については,会計整理票及び領収書等(乙A7)によれば,議会報告等作成のために要した経費であることが報告されていることが認められるものの,送付された成果物(甲A18)によれば,残暑見舞いはがきの印刷に係るものであることが認められる。したがって,これは,政務調査活動との合理的関連性を明らかに欠くものの購入に係る支出であり,使途範囲外支出であることが事実上推認される。そして,これを覆すに足りる被告及びP1会派の主張立証はないことからすると,上記支出は,使途範囲外支出であると認められる。 (ウ) 以上のとおり,費目を印刷費とする本件P1支出のうち,P1一覧表「類型」欄に印刷①として記載している支出については,上記に該当すると認められ,使途範囲外支出であるというべきである。 キ消耗品費(ア) 消耗品について,本件使途基準は,文房具,コピー用紙,プリンターインク,ファクシミリトナー,フロッピーディスクなどの消耗する物品を使途内容として定めている。また,本件注意事項は,購入品名を記載すること,領収書には購入物品の内訳を記載することなどを定めている。 そうす シミリトナー,フロッピーディスクなどの消耗する物品を使途内容として定めている。また,本件注意事項は,購入品名を記載すること,領収書には購入物品の内訳を記載することなどを定めている。 そうすると,本件条例及び本件規則の下においては,消耗品費を政務調査研究費として支出する場合,購入品名が不明であるか,領収書において購入物品の内訳の記載がない支出は,使途範囲外支出であることが事実上推認されるというべきである。 (イ) 使途範囲外支出と認められるものP1一覧表のP10に係る支出番号70ないし72,77ないし79及び81,同P11に係る支出番号6,同P12に係る支出番号42ないし44,47ないし49,51ないし53及び55並びに同P1会派 に係る支出番号31ないし33,35ないし39については,会計整理票及び領収書等(乙A4,7,10,13)において,購入品名が不明であるか,領収書において購入物品の内訳の記載がないことからすれば,使途範囲外支出であることが事実上推認される。そして,これを覆すに足りる被告及びP1会派の主張立証はないことからすると,上記支出は,使途範囲外支出であると認められる。 (ウ) 使途範囲外支出とは認められないものP1一覧表のP5に係る支出番号64,同P10に係る支出番号73ないし76及び80,同P12に係る支出番号54並びに同P1会派に係る支出番号34及び40については,会計整理票及び領収書等(乙A4,7,10,13)によれば,いずれも文房具・事務用品である具体的な物品を購入した経費,写真を現像した経費などであることが報告されていることが認められるところ,政務調査研究に際して写真を撮影,整理することや,その他購入した文房具を用いて政務調査研究を行うことが通常想定できることからす 真を現像した経費などであることが報告されていることが認められるところ,政務調査研究に際して写真を撮影,整理することや,その他購入した文房具を用いて政務調査研究を行うことが通常想定できることからすれば,原告がこれらの支出に関して種々主張することを勘案したとしても,議員の調査研究活動との間に明らかに合理的関連性を欠くとはいえず,また,明らかに必要性を欠くともいえない。 (エ) 以上のとおり,費目を消耗品費とする本件P1支出のうち,P1一覧表「類型」欄に消耗品①として記載している支出については,使途範囲外支出と認められる。 ク図書・資料費(ア) 本件使途基準は,図書・資料費について,新聞・書籍・資料,CD-ROMなどに係る経費を使途内容とし,所属する政党発行の新聞を使途禁止事項と定めている。また,本件注意事項は,当該図書名及び資料名を記載しなければならないと定め,新聞及び雑誌,一般的にどこの家庭でも購読している5大紙などの商業新聞は政務調査研究費の対象外と すると定めている。 そうすると,本件条例及び本件規則の下においては,図書・資料費を政務調査研究費として支出する場合,図書名又は資料名が記載されていないことなどによりそれが不明な支出等については,使途範囲外支出であることが事実上推認されると解される。 (イ) 使途範囲外支出と認められるものP1一覧表のP4に係る支出番号91,93,96ないし98及び100,同P5に係る支出番号58,59及び61,同P6に係る支出番号69並びに同P10に係る支出番号54,55,58,60ないし64,66,68及び69については,会計整理票及び領収書等(甲A39,乙A4,7,10,弁論の全趣旨)によれば,購入した書籍又は雑誌名をすべて明らかにすることなく,又は 4,55,58,60ないし64,66,68及び69については,会計整理票及び領収書等(甲A39,乙A4,7,10,弁論の全趣旨)によれば,購入した書籍又は雑誌名をすべて明らかにすることなく,又は誤って報告していることからすれば,かかる支出は,使途範囲外支出であることが事実上推認される。 そして,上記事実上の推認を覆すに足りる被告及びP1会派の主張立証はないことからすると,上記支出は,使途範囲外支出であると認められる。なお,P10に係る支出のうちには,原告の主張立証によって購入した書籍又は雑誌名が明らかにされている支出があるものの,被告及びP1会派から,購入した書籍又は雑誌名を支出当初において明らかにできなかった合理的な理由等が相当の根拠,資料に基づき主張立証されているとは認められず,上記事実上の推認を覆すに足りるものではない。 (ウ) 使途範囲外支出とは認められないものP1一覧表のP4に係る支出番号90,94,95及び99並びに同P10に係る支出番号65については,会計整理票及び領収書等(乙A4,7,10,丙3(枝番を含む。))によれば,いずれも歴史,文化,経済,政治,地域等に関する図書を購入した経費であることが報告されていることが認められる。これらの図書は,一概に議員の調査研究活動 と無関係であるとまではいえず,原告が種々主張することを勘案したとしても,議員の調査研究活動との間に合理的関連性を欠くことが明らかとまではいえない。 また,P1一覧表のP4に係る支出番号92及び102ないし104,同P5に係る支出番号60,同P9に係る支出番号36,同P10に係る支出番号56,57,59については,会計整理票及び領収書等(乙A4,7,10,13)によれば,いずれも一般雑誌を購入した経費であることが報告されていることが認 9に係る支出番号36,同P10に係る支出番号56,57,59については,会計整理票及び領収書等(乙A4,7,10,13)によれば,いずれも一般雑誌を購入した経費であることが報告されていることが認められる。これらの一般雑誌は,一般的にどこの家庭でも購読している雑誌であるとまではいえないし,そこに掲載された記事が政務調査研究に資することも想定できないわけではないことからすれば,原告が種々主張することを勘案したとしても,これらの一般雑誌の購入が議員の調査研究活動との間に合理的関連性を欠くことが明らかとまではいえない。 (エ) 以上のとおり,費目を図書・資料費とする本件P1支出のうち,P1一覧表「類型」欄に図書資料①として記載しているものについては,使途範囲外支出であると認められる。 ケ課題別経費(ア) 本件使途基準は,課題別経費について,「会派が個々具体的な課題解決のために支出する経費」であって,本件使途基準に規定する各費目及び使途内容等に基づいて支出するものを使途内容として定めている。 また,本件注意事項は,本件注意事項に規定する各費目の注意事項に基づき支出し,課題別に取り組んだ期間を記入することを定めている。 そうすると,本件条例及び本件規則の下においては,課題別経費を政務調査研究費として支出する場合,上記アからクまでにおいて述べた各費目に係る考え方に従って,使途範囲外支出かどうかを判断すべきである。 (イ) P1一覧表のP5(沖縄)に係る支出番号1ないし3については,会計整理票及び領収書等(乙A10)によれば,調査研究期間を平成23年11月1日ないし20日,羽田那覇間の往復航空運賃,ホテル代,タクシー代として要した経費であることを報告していることが認められる。これらのうち,ホテル代は視察・研修 よれば,調査研究期間を平成23年11月1日ないし20日,羽田那覇間の往復航空運賃,ホテル代,タクシー代として要した経費であることを報告していることが認められる。これらのうち,ホテル代は視察・研修費の費目,航空運賃及びタクシー代は交通費の費目に相当する支出であるといえるところ,調査研究機関及び調査先を踏まえればホテル代の支出は宿泊を伴う視察の実費として本件使途基準に合致しないとは認められないし,調査研究のための移動に要した交通費であることは課題別経費の会計整理票に記載していることから本件使途基準に反して目的記載がないとは認められない。また,原告が主張するようにP15及びP16と異なる行程であり,過去にも沖縄視察を行っていた(甲10)としても,かかる沖縄視察が直ちに個人的旅行であると断定することまではできない。以上の点からすると,上記の各経費の支出は,直ちに使途範囲外支出であるということもできないし,使途範囲外支出であると事実上推認されるということもできない。 (ウ) 以上を踏まえると,費目を課題別経費とする本件P1支出については,いずれも使途範囲外支出であるとは認められない。 コなお,上記アからケまでの判示のうち,本件P1支出が使途範囲外支出であると認めることができないとした部分は,当該各支出の原因となった行為等につき議員の調査研究活動との間に十分な合理的関連性があること及び各支出をすることに十分な必要性があることを認めたものではないことを念のため付言する。 (2) P1会派の不当利得の成立範囲(争点3)についてP1会派は,政務調査研究費として1650万円の交付を受けたが,決算報告書において1745万0699円(なお,後に合計28万6733円が 返還されている。)を政務調査研究費として使用したとし,不用 派は,政務調査研究費として1650万円の交付を受けたが,決算報告書において1745万0699円(なお,後に合計28万6733円が 返還されている。)を政務調査研究費として使用したとし,不用額が「△95万0699円」であると報告しているところ,不当利得返還義務を負うとしても,違法に使途範囲外支出をしたとされる額がマイナスの不用額として報告した95万0699円を超えた場合に限られると主張する。 しかし,本件条例15条2項は,本件使途基準に基づかない支出があると認められるときに,当該支出に係る経費の全額の返還を求めなければならないと定めており,その返還義務は,各支出ごとに,マイナスの不用額の有無を問わず,交付を受けた総務調査研究費の総額を限度として発生すると解される(P1会派が一部の支出につき返還したのもこのことを前提としていたということができる。)。また,本件条例15条1項は,交付を受けた政務調査研究費の総額から,決算報告書により報告した政務調査研究費の支出総額を控除して残余を生じた場合の返還について定めるものにすぎず,決算報告書により報告した支出総額が,交付を受けた政務調査研究費の総額を超過する事態を想定しているとは解されない。超過する支出を報告した場合,使途範囲外支出かどうかの審査の対象となる金額が多くなるが,それは当該会派によって甘受されるべき事柄といわざるを得ない。 そうすると,P1会派が不用額を「△95万0699円」であると報告しているとしても,P1会派は,本件P1支出のうち使途基準に合致しない使途範囲外支出相当額について不当利得返還債務を負うものであり,この点に関するP1会派の主張は採用できない。 (3) 小括以上によれば,P1会派は,千代田区に対し,本件P1支出のうち使途範囲外支出相当額であるP1 て不当利得返還債務を負うものであり,この点に関するP1会派の主張は採用できない。 (3) 小括以上によれば,P1会派は,千代田区に対し,本件P1支出のうち使途範囲外支出相当額であるP1一覧表の「P1会派に係る認容額」欄記載の371万2236円の不当利得返還債務を負い,被告は,その不当利得請求権の行使を違法に怠っているものである。 なお,本件条例及び本件規則の下においては,議員又は会派が政務調査研 究費の交付を受けたが,それを本件使途基準に適合しない使途範囲外支出に充てた場合,当該支出に係る経費の全額の返還をする義務が生じるとされており(本件条例15条2項,3項),議員又は会派は,政務調査研究費を,本件使途基準に適合する範囲内で支出することを前提として受領することができるとされている。そして,千代田区議会は,政務調査研究費が使途基準に沿って適正に執行されるよう本件注意事項を申し合わせるなどして,その内容が議員及び会派に周知されている(関係法令の定め等(4))。このような本件条例等の趣旨と運用からすれば,議員又は会派は,支出が本件使途基準に適合しない使途範囲外支出となる場合や,その場合に返還金が生じることを十分に認識しているものというべきである。そうすると,政務調査研究費を受領したが,その支出につき本件使途基準に適合すると認められない場合には,当該会派又は議員は,使途範囲外支出でないとの認識を有しており,かつ,そのような認識を有するに至ったことについてやむを得ないといえる特段の事情があるときでない限り,法律上の原因がないことを知りながら,政務調査費を返還しない者,すなわち民法704条の「悪意の受益者」であると推定されると解するのが相当である(最高裁平成17年(受)第1970号同19年7月13日第二小法廷判決・民集 とを知りながら,政務調査費を返還しない者,すなわち民法704条の「悪意の受益者」であると推定されると解するのが相当である(最高裁平成17年(受)第1970号同19年7月13日第二小法廷判決・民集61巻5号1980頁参照)。 しかるに,P1会派の主張立証の状況等によれば,上記の特段の事情があるとは認め難い。そして,本件条例において,政務調査研究費の交付を受けた会派は,その年度において交付を受けた政務調査研究費の残余額を,決算報告時に返還しなければならないとされていることにも照らせば,P1会派は,本件政務調査研究費に係る決算報告書提出日の後である平成24年4月21日から前記不当利得額に対する法定利息の返還義務も合わせて負い,被告はその返還請求権の行使も違法に怠っているというべきである。 3 P3会派に対する不当利得返還請求権(争点4及び5)について(1) 不当利得返還請求権の存否(争点5)について 被告は,P3会派が法律上の原因を欠くことになった利得相当額と法定利息を支払ったため,P3会派に対する不当利得返還請求権を有していないと主張するので,便宜,争点5を先に検討する。 この点,前提事実(4)カのとおり,P3会派は,本件政務調査研究費のうち原告の請求に係る金額と同額の154万9258円及びこれに対する利息の返還を申し出て,千代田区はこれを収受しているところ,これが公職選挙法違反に当たるか否かは別として,P3会派は,もはや上記金額の本件政務調査研究費及びこれに対する利息相当額の利得を保持しておらず,千代田区はその損失を負担していない現状にあるというべきである。 そうすると,その余の点につき判断するまでもなく,千代田区は,P3会派に対して上記本件政務調査研究費及び利息相当額の不当利得返還請求権を有していない。 担していない現状にあるというべきである。 そうすると,その余の点につき判断するまでもなく,千代田区は,P3会派に対して上記本件政務調査研究費及び利息相当額の不当利得返還請求権を有していない。 (2) 小括以上によれば,争点4について判断するまでもなく,P3会派は,千代田区に対し,不当利得返還債務を負っているものではなく,被告がその不当利得返還請求権の行使を怠っているとはいえない。 4 P2会派に対する不当利得返還請求権(争点6)について(1) 本件P2支出の違法性(争点6)についてア視察・研修費(ア) 上記2(1)ウと同様に,本件条例及び本件規則の下においては,①所属政党の研修会及び大会に係る支出は使途範囲外支出に当たるというべきであり,②また,視察又は研修先とされる団体が,議員の視察対象となり得る事業又は研修事業を行っていないなど,その活動内容に照らし政務調査活動との合理的関連性を明らかに欠く場合の支出は,使途範囲外支出であることが事実上推認されると解される。 (イ) 使途範囲外支出と認められるもの P2一覧表のP16に係る支出番号112並びに同P16(沖縄)に係る支出番号3,6及び10ないし13については,会計整理票及び領収書等(乙C10,13)によれば,P30新年会会費,沖縄視察における昼食代,懇親会費及び夕食代並びに水族館チケット及び水族館への往復とうかがわれる交通費などとして報告されていることが認められる。 これらのうち,新年会会費,昼食代,夕食代,懇親会費は,視察及び研修に係る費用とはいえないし,また,水族館は,当然に議員の視察先又は研修先たる性格を有するとはいえず,これに関連する費用はいずれも政務調査活動との合理的関連性を明らかに欠くから,使途範囲外支出 び研修に係る費用とはいえないし,また,水族館は,当然に議員の視察先又は研修先たる性格を有するとはいえず,これに関連する費用はいずれも政務調査活動との合理的関連性を明らかに欠くから,使途範囲外支出であることが事実上推認される(上記②に該当)。P2会派は,水族館の視察につき,集客施設をどう生かしているかを知ることが課題の一つであり,観光資源を確認したと主張するが,視察先の関係者と面談した形跡もなく,視察とは名ばかりのものであったといわざるを得ず,他に上記推認を覆すに足りる被告及びP2会派の主張立証はない。したがって,これらの支出は,使途範囲外支出と認められる。 (ウ) 使途範囲外支出とは認められないものP2一覧表のP16に係る支出番号97及び111並びに同P16(沖縄)に係る支出番号1,2及び4については,会計整理票及び領収書等(乙C7,10)によれば,研修に参加するために必要な費用,視察に必要な費用,視察先までの交通費及び宿泊費,視察先への手土産であることが報告されていることが認められるところ,原告らが種々主張する点を勘案しても,これらの視察及び研修先が政務調査活動と合理的関連性を欠くことが明らかであるとまで認めることはできない。 (エ) 以上のとおり,費目を視察・研修費とする本件P2支出のうち,P2一覧表「類型」欄に視察研修①として記載している支出については,使途範囲外支出であるというべきである。 イ通信費(ア) 上記2(1)エと同様に,年賀状等の発出に用いると認められるはがき,切手など,政務調査活動との合理的関連性を明らかに欠くものの購入に係る支出については,いずれも,使途範囲外支出であることが事実上推認されるというべきである。 (イ) 使途範囲外支出と認められるものP2一 調査活動との合理的関連性を明らかに欠くものの購入に係る支出については,いずれも,使途範囲外支出であることが事実上推認されるというべきである。 (イ) 使途範囲外支出と認められるものP2一覧表のP16に係る支出番号114のうち夏はがきに係る2500円及び116ないし118については,会計整理票及び領収書等(乙C7,10,13)によれば,年賀はがき及び暑中見舞いないし残暑見舞い用の夏はがき並びに購入日から推して年賀答礼用であると推認されるはがきの購入に係る経費であることが報告されていることが認められるところ,これらは議員の調査研究の端緒となることが通常想定し難い郵便に係るものであって,政務調査活動との合理的関連性を明らかに欠くものの購入に係る支出であり,使途範囲外支出であることが事実上推認される。そして,これを覆すに足りる被告及びP2会派の主張立証はないことからすると,上記支出は,使途範囲外支出であると認められる。 (ウ) 使途範囲外支出とは認められないものP2一覧表のP16に係る支出番号113,114のうち官製はがきに係る1000円及び115については,会計整理票及び領収書等(乙C4,7)によれば,官製はがき又は切手の購入に係る経費であることが報告されていることが認められる。 これらの官製はがき等は,議員がその調査研究に役立てることを目的として地域住民等との間で通信をするために利用する可能性を一概に否定できないことに照らすと,原告がこれらの支出に関して種々主張することを勘案したとしてもなお,議員の調査研究活動との間に明らかに合 理的関連性を欠くとまではいえない。 (エ) 以上を踏まえると,費目を通信費とする本件P2支出のうち,P2一覧表「類型」欄に通信①として記載している支出については,支出一覧表の らかに合 理的関連性を欠くとまではいえない。 (エ) 以上を踏まえると,費目を通信費とする本件P2支出のうち,P2一覧表「類型」欄に通信①として記載している支出については,支出一覧表の「使途範囲外支出と認められる額」欄記載の金額について使途範囲外支出であるというべきである。 ウ交通費(ア) 上記2(1)オと同様に,本件条例及び本件規則の下においては,交通費を政務調査研究費として支出する場合,①交通の目的の不明な支出,②交通機関利用において乗降地の不明な支出,③移動の実態がない支出などについては,使途範囲外支出であることが事実上推認されると解される。 (イ) 使途範囲外支出と認められるものP2一覧表のP16に係る支出番号3ないし7,9ないし11,13ないし75については,会計整理票及び領収書等(乙C4,7,10,13)によれば,支出理由を移動のためとするのみであることが認められ,上記①に該当し,使途範囲外支出であることが事実上推認される。 そして,被告及びP2会派の主張立証によっても,支出理由を移動のためとするのみで報告していることの合理的な理由,政務調査研究のために移動が必要である合理的な理由は明らかではなく,上記推認を覆すに足りる事情は認められない。 また,P2一覧表のP16に係る支出番号25については,会計整理票及び領収書等(乙C10)によっても,乗降地は明らかではないことからすれば,上記②に該当し,使途範囲外支出であることが事実上推認される。そして,被告及びP2会派の主張立証によっても上記推認を覆すに足りる事情は認められない。 (ウ) 使途範囲外支出とは認められないもの P2一覧表のP16に係る支出番号1,2,8,12については,会計整理票及び領収書等(乙C4)によれ すに足りる事情は認められない。 (ウ) 使途範囲外支出とは認められないもの P2一覧表のP16に係る支出番号1,2,8,12については,会計整理票及び領収書等(乙C4)によれば,いずれも,乗降地を明らかにした上で,打ち合わせ等のための移動に要した交通費であることが報告されていることが認められるところ,公共交通機関の利用が可能な地域であるとしても,タクシーによる移動であることをもって直ちに本件使途基準に反し,調査研究に資することのない経費であるとはいえないし,移動経路や交通状況によって乗降地から推定されるタクシー料金と異なることも想定し得ることからすれば直ちに乗降地が虚偽であると認められるものではない。原告がこれらの支出に関して種々主張することを勘案したとしても,これらの支出が,政務調査活動との合理的関連性を明らかに欠くということはできず,また,明らかに不必要であるともいえない。 (エ) 以上を踏まえると,費目を交通費とする本件P2支出のうち,P2一覧表「類型」欄に交通①として記載している支出については,それぞれ上記①に該当すると認められ,使途範囲外支出であるというべきである。 エ図書・資料費(ア) 上記2(1)クと同様に,本件条例及び本件規則の下においては,図書・資料費を政務調査研究費として支出する場合,当該図書名又は資料名が不明な支出等については,使途範囲外支出であることが事実上推認されると解される。 (イ) P2一覧表のP16に係る支出番号76ないし87,89及び92ないし95については,会計整理票及び領収書等(乙C4,7,10,13)によれば,いずれも歴史,文化,経済,政治,地域等に関する図書を購入した経費であることが報告されていることが認められるところ,これらの図書は,一概に議員の調 票及び領収書等(乙C4,7,10,13)によれば,いずれも歴史,文化,経済,政治,地域等に関する図書を購入した経費であることが報告されていることが認められるところ,これらの図書は,一概に議員の調査研究活動と無関係であるとまではい えず,原告が種々主張することを勘案したとしても,議員の調査研究活動との間に合理的関連性を欠くことが明らかとまではいえない。 また,P2一覧表のP16に係る支出番号88,90,91及び96については,会計整理票及び領収書等(乙C13)によれば,いずれも写真を複数枚印刷したものとして報告されていることが認められるところ,写真を印刷して資料とすることで政務調査研究に資することも通常想定できることからすれば,これらの写真の印刷に係る支出が,資料費として,直ちに本件使途基準に合致しないものであると認めることはできず,議員の調査研究活動との間に合理的関連性を欠くことが明らかとまではいえない。 (ウ) 以上を踏まえると,費目を図書・資料費とする本件P2支出については,いずれも本件使途基準に合致しない使途範囲外支出であると認めることはできない。 オなお,上記アからエまでの判示のうち,本件P2支出が使途範囲外支出であると認めることができないとした部分は,当該各支出の原因となった行為等につき議員の調査研究活動との間に十分な合理的関連性があること及び各支出をすることに十分な必要性があることを認めたものではないことを念のため付言する。 (2) 小括以上によれば,P2会派は,千代田区に対し,使途範囲外支出相当額であるP2一覧表の「P2会派に係る認容額」欄記載の23万1487円の不当利得返還債務を負い,被告は,その不当利得請求権の行使を違法に怠っているものである。 また,P2会派の主張立証の状況等によれ るP2一覧表の「P2会派に係る認容額」欄記載の23万1487円の不当利得返還債務を負い,被告は,その不当利得請求権の行使を違法に怠っているものである。 また,P2会派の主張立証の状況等によれば,前記2(3)の特段の事情があるとは認め難く,P2会派は,本件政務調査研究費に係る決算報告書提出日の後である平成24年4月21日から上記不当利得額に対する法定利息の 返還義務も合わせて負い,被告はその返還請求権の行使も違法に怠っているというべきである。 5 結論よって,原告の請求は,被告に対し,上記2及び4に判示した不当利得返還請求権を行使するよう求める限度で理由があるからその範囲で認容し,その余は理由がないから棄却することとし,訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法7条,民事訴訟法61条,64条,66条を適用して,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第38部 裁判長裁判官谷口 豊 裁判官平山 馨 裁判官大西正悟

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