【DRY-RUN】主 文 本件上告を棄却する。 当審における未決勾留日数中千百日を本刑に算入する。 理 由 弁護人大橋誠一の上告趣意について。 弁護人が原審第一回公
主文 本件上告を棄却する。 当審における未決勾留日数中千百日を本刑に算入する。 理由 弁護人大橋誠一の上告趣意について。 弁護人が原審第一回公判において証人Aの訊問請求をしたが原裁判所がこれを却下して訊問しなかつたことは、所論のとおりである。しかし、憲法三七条二項の規定は、裁判所が被告人又は弁護人から申請した証人は、不必要と思われる者まで悉く訊問しなければならないという趣旨のものでないことは、当裁判所累次の判例である。そして、原審第一回公判において原裁判所は前述のごとく証人訊問請求を却下したけれども、その却下前に第一審の公判調書司法警察官並びに検事の各聴取書、予審判事の検証調書及び各訊問調書、被害始末書、各被害届書、各始末書、各顛末書、各鑑定書、捜査報告書並びに押収の証拠品につき証拠調を行つたばかりでなく右証人訊問請求と同時に弁護人より申請した同証人に対する公訴記録の取寄を許可し、その後弁護人においてもこれが取寄記録中の一部を証拠として援用していることも記録上明らかなところである。従つて、原審裁判所は審理の経過に鑑み所論証人訊問を不必要と認めたものであること明瞭であつて、その裁量について違法の点を見出すことはできない。 また、憲法三七条一項にいわゆる公平な裁判所の公開裁判とは、裁判所の組織、構成において偏頗でも不公平でもない裁判所の裁判を指し、裁判の内容、手続が当事者から見て不公平と思われるものをいうものでないことも当裁判所累次の判例である。そして、原判決挙示の証拠を綜合すれば、原判示の事実認定を肯認できないわけではないし、所論請求については前述のごとく多数の証拠調を施行した後に却下したものであるから、原審裁判所が当初より被告人が犯人なりとの予断を以て証- 1 -人喚問申請を拒 実認定を肯認できないわけではないし、所論請求については前述のごとく多数の証拠調を施行した後に却下したものであるから、原審裁判所が当初より被告人が犯人なりとの予断を以て証- 1 -人喚問申請を拒否したものとも断じ難い。 されば、所論証人訊問請求を却下した一事を以て憲法三七条一、二項に違反するとの所論は採用できない。 よつて、旧刑訴四四六条に従い、なお当審における未決勾留日数を本刑に算入するについては刑法二一条に則り、裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。 検察官竹原精太郎関与昭和二七年一一月二七日最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官岩松三郎裁判官真野毅裁判官斎藤悠輔裁判官沢田竹治郎は退官したので署名押印ができない。 裁判長裁判官岩松三郎- 2 -
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