【DRY-RUN】主 文 本件抗告を棄却する。 理 由 本件抗告の理由は、申立人(弁護人)高木定義、石田市郎提出(連名)の抗告申 立書記載のとおりであるからこれを引用する。しか
主 文 本件抗告を棄却する。 理 由 本件抗告の理由は、申立人(弁護人)高木定義、石田市郎提出(連名)の抗告申 立書記載のとおりであるからこれを引用する。しかして、その要旨は、昭和四五年 一一月一三日飯塚簡易裁判所は、被告人Aに対する賍物故買被告事件につきなした 保釈許可決定の執行を抗告の裁判があるまで停止する旨の決定をしたが、検察官の 福岡高等裁判所に対する執行の停止の申立につき、自らかかる停止決定をなすこと は不当であり、また執行を停止しながら抗告は理由がない旨の意見を付しているこ とは彼是矛盾するもので失当である。なお、検察官の抗告申立の理由は被告人が罪 証を隠滅する虞があるというにあるけれども、検察官申請にかかる証人はすべて取 調を終り次回公判期日に被告人の父および妻を情状証人として取調べが予定されて いる審理の現況からみれば、も早罪証を隠滅することはありえない。したがつて、 保釈の許可決定の執行を停止すべき理由がないから原決定を取消す旨の裁判を求め るというにある。 よつて、関係記録を調査するに、飯塚簡易裁判所が、昭和四五年一一月一三日被 告人Aに対する前記被告事件につき保釈許可決定をしたところ、これに対し検察官 から抗告申立とともに執行の停止を求めたので、同日右保釈許可決定の執行を停止 する旨の決定をなしたことが明らかである。 ところで、裁判所のした決定に対しては、原則として抗告することができるので あるが、訴訟手続に関し判決前にした決定に対するものである限り、即時抗告がで きる場合を除き、勾留、保釈、押収、押収物の還付又は鑑定留置に関する決定に対 するもの以外、これに対し抗告できないことは刑事訴訟法四二〇条一、二項により 明らかである。 <要旨>しかして、抗告の裁判があるまで執行を停止する決定は、右にいう訴訟手 又は鑑定留置に関する決定に対 するもの以外、これに対し抗告できないことは刑事訴訟法四二〇条一、二項により 明らかである。 <要旨>しかして、抗告の裁判があるまで執行を停止する決定は、右にいう訴訟手 続に関し判決前にした決定そのも</要旨>のにはあたらないが、決定手続において も、終局決定前になされた決定に対しては、判決前の右決定に準じて処置さるべき であるから独立の抗告は許されないものと解するのが相当である。けだし、かかる 附随的決定は終局決定に対する上訴によつて救済するをもつて足る点において、判 決前の右決定の場合と何ら選ぶところはないからである。殊に、抗告の裁判がある まで執行を停止する旨の決定は、抗告審における終局決定前になされた暫定的決定 であつて、且つ終局決定と同時に失効するものであるから、既に係属する抗告手続 の外に、更に独立の抗告を許す理由も存しないものである。 次に、右のとおりであつても、保釈に関する決定に対しては抗告できるのである から、本件抗告がこれにあたるかどうかをなお検討すべきであるが、保釈に関する 決定とは、保釈そのものに関する決定(許否又は取消の決定)であつて、更に該決 定に関する決定までも含むものではない。そうなると、本件抗告の対象たる「保釈 を許す決定」の「執行を停止する決定」は先行の決定の執行に関する別個の決定で あつて、保釈に関する決定にあたらないことは明らかである。 以上のように見てくると、保釈許可決定の執行停止決定に対する本件抗告は、刑 事訴訟法四二〇条二項の場合にあたらないので同条一項に則り許されないものとい もなければならない。したがつて、抗告理由につき判断をするまでもなく、不適法 として棄却を免れない。 よつて、同法四二六条一項に則り主文のとおり決定する。 (裁判長裁判官 藤田哲夫 裁判官 平田勝雅 裁判官 井上武次) したがつて、抗告理由につき判断をするまでもなく、不適法 として棄却を免れない。 よつて、同法四二六条一項に則り主文のとおり決定する。 (裁判長裁判官 藤田哲夫 裁判官 平田勝雅 裁判官 井上武次)
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