平成26(ワ)23732 特許権侵害差止等請求事件

裁判年月日・裁判所
平成27年6月26日 東京地方裁判所
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平成27年6月26日判決言渡同日原本交付裁判所書記官平成26年(ワ)第23732号特許権侵害差止等請求事件口頭弁論終結日平成27年5月11日判決横浜市<以下略>原告株式会社ニューテックジャパン同訴訟代理人弁護士千木良正同渡邊茉樹同訴訟代理人弁理士竹内裕同木村浩幸京都府京田辺市<以下略>被告株式会社さくらコーポレーション同訴訟代理人弁護士久世勝之同訴訟代理人弁理士谷田龍一同杉本丈夫 主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実 及び理由第1 請求 1 被告は,別紙物件目録記載の製品を製造し,販売し,販売の申出をしてはならない。 2 被告は,別紙物件目録記載の製品を廃棄せよ。 3 被告は,原告に対し,4620万円及びこれに対する平成26年11月15日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要 本件は,発明の名称を「妻面を有する折り畳み自在な屋根構造体」とする特許(特許第4576395号。以下「本件特許」という。)についての特許権(以下「本件特許権」という。)を有する原告が,被告に対し,被告の製造,販売及び販売の申出(以下「販売等」という。)に係る別紙「物件目録」記載の各製品(型式番号により材質が異なるが,構造は同一であるため,以下,両者を併せて「被告製品」という。)が,本件特許の特許請求の範囲 び販売の申出(以下「販売等」という。)に係る別紙「物件目録」記載の各製品(型式番号により材質が異なるが,構造は同一であるため,以下,両者を併せて「被告製品」という。)が,本件特許の特許請求の範囲の請求項1ないし3に係る各発明(以下,請求項の番号に従い,「本件特許発明1」などといい,これらを併せて「本件各特許発明」という。)の技術的範囲に属すると主張して,特許法100条1項及び2項に基づき,被告製品の販売等の差止め及び廃棄を求めるとともに,不法行為(特許権侵害)に基づく損害賠償金4620万円及びこれに対する平成26年11月15日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまでの民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 1 前提事実等(証拠等を付記しない事実は,当事者間に争いがない。)(1) 当事者ア原告は,スポーツ用品,釣具用品,日用品雑貨,園芸品,園芸資材の販売等を目的とする株式会社である。 イ被告は,各種テント製品の開発及び販売等を目的とする株式会社である。 (2) 本件特許権原告の有する本件特許権の内容は,次のとおりである。 特許番号第4576395号発明の名称妻面を有する折り畳み自在な屋根構造体出願日平成19年2月15日出願番号特願2007-035319公開日平成20年8月28日公開番号特開2008-196276登録日平成22年8月27日 (3) 発明の内容等ア本件特許の特許請求の範囲(以下,明細書及び図面と併せて,「本件明細書」という。参照の便宜のため,本件特許に係る特許公報の写し〔甲4〕を本判決末尾に別添1として添付する。)における請求項1ないし請求項3の記載は,次のとおりである。 【請 図面と併せて,「本件明細書」という。参照の便宜のため,本件特許に係る特許公報の写し〔甲4〕を本判決末尾に別添1として添付する。)における請求項1ないし請求項3の記載は,次のとおりである。 【請求項1】少なくとも4本の支柱と,該支柱を相互に折り畳み自在に連結する複数のシザー組立体と,幕体の中央部を間隔をおいて山型の屋根形状に支持する複数の幕体支持ポールとを含み,シザー組立体は2本のバーをX字状に回動自在に連結してパンタグラフ状に折り畳み自在とした構造とし,屋根構造体の短手方向に支柱を連結するシザー組立体の中央部に前記幕体支持ポールを垂直に連結し,支柱の上端に固定される固定ブラケットと支柱の途中にスライド自在に挿着されるスライドブラケットで支柱とシザー組立体を相互に連結し,且,幕体支持ポールの下端に固定される固定ブラケットと幕体支持ポールの途中にスライド自在に挿着されるスライドブラケットで,幕体支持ポールとシザー組立体を相互に連結した屋根構造体において,最も外側に位置するシザー組立体の中央に設置する幕体支持ポールと該シザー組立体と隣接するシザー組立体の中央に設置する幕体支持ポールとの間に補強フレームを着脱自在に張設し,該補強フレームの一端は最も外側に位置する幕体支持ポールの上端位置に,補強フレームの他端は隣接する幕体支持ポールに挿着されたスライドブラケットに近接した位置において,幕体支持ポールに係止させて,補強フレームにより幕体支持ポールの上端を上方に押し上げるとともに,スライドブラケットを下方に押し下げ,シザー組立体の伸長を助勢しテントを展張して側面の強度を向上しつつ,直立する妻面を構成するようにしたことを特徴とする妻面を有する折り畳み自在な屋根構造体。 【請求項2】補強フレームは,2本以上のバー部材からなり,伸縮自在 ントを展張して側面の強度を向上しつつ,直立する妻面を構成するようにしたことを特徴とする妻面を有する折り畳み自在な屋根構造体。 【請求項2】補強フレームは,2本以上のバー部材からなり,伸縮自在であることを特徴とす る請求項1記載の妻面を有する折り畳み自在な屋根構造体。 【請求項3】補強フレームは,両端に幕体支持ポールの太さと略同一の凹部を有するブラケットを備えており,該凹部で幕体支持ポールを狭持して幕体支持ポールとスライドブラケットの間に張設したことを特徴とする請求項1又は2記載の妻面を有する折り畳み自在な屋根構造体。 イ構成要件の分説本件各特許発明を構成要件に分説すると,次のとおりである(以下,各構成要件を符号に対応して「構成要件1A-①」などという〔枝番(ハイフン)を付した構成をまとめていうときは「構成要件1A」などという。〕。)。 (ア) 本件特許発明11A-① 少なくとも4本の支柱と,該支柱を相互に折り畳み自在に連結する複数のシザー組立体と,幕体の中央部を間隔をおいて山型の屋根形状に支持する複数の幕体支持ポールとを含み,1A-② シザー組立体は2本のバーをX字状に回動自在に連結してパンタグラフ状に折り畳み自在とした構造とし,1A-③ 屋根構造体の短手方向に支柱を連結するシザー組立体の中央部に前記幕体支持ポールを垂直に連結し,1A―④ 支柱の上端に固定される固定ブラケットと支柱の途中にスライド自在に挿着されるスライドブラケットで支柱とシザー組立体を相互に連結し,1A―⑤ 且,幕体支持ポールの下端に固定される固定ブラケットと幕体支持ポールの途中にスライド自在に挿着されるスライドブラケットで,幕体支持ポールとシザー組立体を相互に連結した屋根構造体において,1B 最も外側に位置するシザー 定される固定ブラケットと幕体支持ポールの途中にスライド自在に挿着されるスライドブラケットで,幕体支持ポールとシザー組立体を相互に連結した屋根構造体において,1B 最も外側に位置するシザー組立体の中央に設置する幕体支持ポールと該シザー組立体と隣接するシザー組立体の中央に設置する幕体支持ポールとの間に補強フレームを着脱自在に張設し, 1C-① 該補強フレームの一端は最も外側に位置する幕体支持ポールの上端位置に,補強フレームの他端は隣接する幕体支持ポールに挿着されたスライドブラケットに近接した位置において,幕体支持ポールに係止させて,1C-② 補強フレームにより幕体支持ポールの上端を上方に押し上げるとともに,スライドブラケットを下方に押し下げ,シザー組立体の伸張を助勢しテントを展張して側面の強度を向上しつつ,直立する妻面を構成するようにしたことを特徴とする1D 妻面を有する折り畳み自在な屋根構造体。 (イ) 本件特許発明22C 補強フレームは,2本以上のバー部材からなり,伸縮自在であることを特徴とする2D 請求項1記載の妻面を有する折り畳み自在な屋根構造体。 (ウ) 本件特許発明33C 補強フレームは,両端に幕体支持ポールの太さと略同一の凹部を有するブラケットを備えており,該凹部で幕体支持ポールを狭持して幕体支持ポールとスライドブラケットの間に張設したことを特徴とする3D 請求項1又は2記載の妻面を有する折り畳み自在な屋根構造体。 (4) 被告の行為ア被告は,平成23年頃から,業として,被告製品を製造し,被告のウェブサイト及び関東営業所(埼玉県春日部市<以下略>所在)において,その販売及び販売の申出を行っている。 イ被告製品の具体的構成は,別紙「被告製品説明書」(以下,単 て,被告製品を製造し,被告のウェブサイト及び関東営業所(埼玉県春日部市<以下略>所在)において,その販売及び販売の申出を行っている。 イ被告製品の具体的構成は,別紙「被告製品説明書」(以下,単に「被告製品説明書」という。)記載のとおりであり,本件各特許発明との対比の便宜上,これを分説すると,次のとおりとなる(以下,分説に係る構成を符号に対応して「被告構成a-1」などという〔枝番(ハイフン)を付した構成をまとめていうときは「被告構成a」などという。〕。)。 a−1 6本の支柱3と,該支柱を相互に折り畳み自在に連結する22 のシザー組立体2と,幕体6の中央部を間隔をおいて山型の屋根形状に支持する5本の幕体支持ポール4とを含み,a−2 シザー組立体2は2本のバーをX字状に回動自在に連結してパンタグラフ状に折り畳み自在とした構造とし,a−3 屋根構造体の短手方向に支柱3を連結するシザー組立体2α ,2βとの連結部に幕体支持ポール4を垂直に連結し,a−4 支柱3の上端に固定される固定ブラケット33aと支柱3の途中にスライド自在に挿着されるスライドブラケット33 で支柱3とシザー組立体2α,2βそれぞれとを相互に連結し,a−5 に,幕体支持ポール4の下端に固定される固定ブラケット44aと幕体支持ポール4の途中にスライド自在に挿着されるスライドブラケット44で,幕体支持ポール4とシザー組立体2α,2βそれぞれとを相互に連結した屋根構造体において,最も外側に位置するシザー組立体2αと同2βとの連結部に設置する幕体支持ポール4aとシザー組立体2α,2βと隣接するシザー組立体2α ’ と同2β’との連結部に設置する幕体支持ポール4 との間に補強フレーム5を着脱自在に架設し,c−1 該補強フレーム5の一端は最も外 ール4aとシザー組立体2α,2βと隣接するシザー組立体2α ’ と同2β’との連結部に設置する幕体支持ポール4 との間に補強フレーム5を着脱自在に架設し,c−1 該補強フレーム5の一端は最も外側に位置する幕体支持ポール4aの上端位置に係止し,補強フレーム5の他端は隣接する幕体支持ポール4 に挿着されたスライドブラケット44 ’に固定させて,c−2 補強フレーム5により幕体支持ポール4aを支持しており,c−3 該補強フレーム5は,2本のバー部材からなり,固定部材により所定の長さで固定されるようになっており,c−4 該補強フレーム5は,一端に幕体支持ポール4の太さと略同一の凹部を有するブラケット55aを備えて該凹部で幕体支持ポール4aを狭持し, 他端には挿通穴を有するブラケット55 を備えており,該ブラケット5 5 とスライドブラケット44 ’を,相互に重ね合わせ,それぞれの挿通穴に挿通ピンを挿通して固定した,d 妻面を有する折り畳み自在な切妻型テント。 2 争点(1) 被告製品は本件各特許発明の技術的範囲に属するか否か(争点1)なお,被告は,被告製品が本件特許発明1における構成要件1D,本件特許発明2における構成要件2Cを充足することは争っていない。 (2) 損害額(争点2)第3 争点に対する当事者の主張 1 争点1(被告製品は本件各特許発明の技術的範囲に属するか否か)について(原告の主張)(1) 本件特許発明1について被告構成a「6本の支柱3と,該支柱を相互に折り畳み自在に連結する22 のシザー組立体2と,幕体6の中央部を間隔をおいて山型の屋根形状に支持する5本の幕体支持ポール4とを含み,シザー組立体2は2本のバーをX字状に回動自在に連結してパンタグラフ状に折り畳み自在とした構造とし,屋根構造 2と,幕体6の中央部を間隔をおいて山型の屋根形状に支持する5本の幕体支持ポール4とを含み,シザー組立体2は2本のバーをX字状に回動自在に連結してパンタグラフ状に折り畳み自在とした構造とし,屋根構造体の短手方向に支柱3を連結するシザー組立体2α,2βとの連結部に幕体支持ポール4を垂直に連結し,支柱3の上端に固定される固定ブラケット33aと支柱3の途中にスライド自在に挿着されるスライドブラケット33 で支柱3とシザー組立体2α,2βそれぞれとを相互に連結し, に,幕体支持ポール4の下端に固定される固定ブラケット44aと幕体支持ポール4の途中にスライド自在に挿着されるスライドブラケット44 で,幕体支持ポール4とシザー組立体2α,2βそれぞれとを相互に連結した屋根構造体において」は,構成要件1A「少なくとも4本の支柱と,該支柱を相互に折り畳み自在に連結する複数のシザー組立体と,幕体の中央部を間隔をおいて山型の屋根形状に支持する複数の幕体支持ポールとを含み,シザー組立体は 2本のバーをX字状に回動自在に連結してパンタグラフ状に折り畳み自在とした構造とし,屋根構造体の短手方向に支柱を連結するシザー組立体の中央部に前記幕体支持ポールを垂直に連結し,支柱の上端に固定される固定ブラケットと支柱の途中にスライド自在に挿着されるスライドブラケットで支柱とシザー組立体を相互に連結し,且,幕体支持ポールの下端に固定される固定ブラケットと幕体支持ポールの途中にスライド自在に挿着されるスライドブラケットで,幕体支持ポールとシザー組立体を相互に連結した屋根構造体において」を充足する。 被告構成 「最も外側に位置するシザー組立体2αと同2βとの連結部に設置する幕体支持ポール4aとシザー組立体2α,2βと隣接するシザー組立体2α ’ と同2β’との連結部に設 おいて」を充足する。 被告構成 「最も外側に位置するシザー組立体2αと同2βとの連結部に設置する幕体支持ポール4aとシザー組立体2α,2βと隣接するシザー組立体2α ’ と同2β’との連結部に設置する幕体支持ポール4 との間に補強フレーム5を着脱自在に架設し」は,構成要件1B「最も外側に位置するシザー組立体の中央に設置する幕体支持ポールと該シザー組立体と隣接するシザー組立体の中央に設置する幕体支持ポールとの間に補強フレームを着脱自在に張設し」を充足する。 被告構成c「該補強フレーム5の一端は最も外側に位置する幕体支持ポール4aの上端位置に係止し,補強フレーム5の他端は隣接する幕体支持ポール4 に装着されたスライドブラケット44 ’に固定させて,補強フレーム5により幕体支持ポール4aを支持しており,該補強フレーム5は,2本のバー部材からなり,固定部材により所定の長さで固定されるようになっており,該補強フレーム5は,一端に幕体支持ポール4の太さと略同一の凹部を有するブラケット55aを備えて該凹部で幕体支持ポール4aを狭持し,他端には挿通穴を有するブラケット55 を備えており,該ブラケット55 とスライドブラケット44 ’を,相互に重ね合わせ,それぞれの挿通穴に挿通ピンを挿通して固定した」は,構成要件1C「該補強フレームの一端は最も外側に位置する幕体支持ポールの上端位置に,補強フレームの他端は隣接する幕体支持ポールに挿着されたスライドブラケットに近接した位置において,幕体支持ポールに係止させて,補強フレームにより幕体支持ポールの上端を上方に押し上げるとともに,スライドブラケットを下方に押し下げ,シザー組 立体の伸張を助勢しテントを展張して側面の強度を向上しつつ,直立する妻面を構成するようにしたことを特徴とする」を充足する。 ( げるとともに,スライドブラケットを下方に押し下げ,シザー組 立体の伸張を助勢しテントを展張して側面の強度を向上しつつ,直立する妻面を構成するようにしたことを特徴とする」を充足する。 (2) 本件特許発明2について被告構成dは,構成要件2D「請求項1記載の妻面を有する折り畳み自在な屋根構造体」を充足する。 (3) 本件特許発明3について被告構成cは,構成要件3C「補強フレームは,両端に幕体支持ポールの太さと略同一の凹部を有するブラケットを備えており,該凹部で幕体支持ポールを狭持して幕体支持ポールとスライドブラケットの間に張設したことを特徴とする」を充足する。 被告構成dは,構成要件3D「請求項1又は2記載の妻面を有する折り畳み自在な屋根構造体」を充足する。 (4) まとめ被告製品の作用効果は,本件各特許発明の効果と実質的に同一であり,被告製品は,本件各特許発明の技術的範囲に属する。 (5) 被告の主張に対する反論ア構成要件1A-③及び同1Bについて被告は,「シザー組立体の中央部」のうち,シザー組立体は,2本のバーで構成されているX字状のもので,シザー組立体の中央部とは,シザー組立体のXの2本のバーの交差する箇所と解されるとし,被告製品における幕体支持ポールは,シザー組立体のXのバーの交差する箇所で連結していないとして,構成要件1A-③及び同1Bを充足しないと主張する。 しかし,本件明細書の段落【0016】には,「図4に示すように屋根構造体は,長手方向にシザー組立体(2)を4つ,短手方向にシザー組立体(2)を2つ連結した構造とし,中央のシザー組立体(2)同士が連結される位置に前記幕体支持ポール(4)が固定されている。」と記載されており,二つのシザー組立体の中央部に幕体 支持ポールが連結される つ連結した構造とし,中央のシザー組立体(2)同士が連結される位置に前記幕体支持ポール(4)が固定されている。」と記載されており,二つのシザー組立体の中央部に幕体 支持ポールが連結されるもので,「屋根構造体の短手方向に支柱を連結するシザー組立体の中央部」が二つのシザー組立体が連結される中央部を意味していることは明らかである。 また,被告は,シザー組立体は,2本のバーで構成されているX字状のもので1単位であると主張するが,屋根構造体の短手方向に支柱を連結するシザー組立体が一つに限定されるとは記述されておらず,そのように解する必然性もない。本件特許の審査過程において引用された文献である実開平1-119757号公報(以下「甲7公報」という。)に開示された組立てテントにおいても,幕体支持ポールは,二つのシザー組立体の中央部に連結される構造を有しており,特許庁審査官は,本件特許発明1におけるシザー組立体を甲7公報記載のものと同様の構造であると理解していたものと推察される。 これに対し,被告製品も二つのシザー組立体(2α),(2β)が連結される中央部に幕体支持ポールが連結されており,構成要件1Aの構成と同一である。また,被告製品説明書の図4は,本件明細書の図4と同一である。 したがって,被告製品は,構成要件1A-③及び同1Bを充足する。 イ構成要件1C-①について(ア) 被告は,被告製品の補強フレームが,幕体支持ポールに装着されたスライドブラケットそのものに固定され,スライドブラケットと独立して幕体支持ポールに係止されていないことを理由に,被告製品は,構成要件1C-①を充足しない旨主張する。 しかし,構成要件1C-①は,補強フレームの下端でスライドブラケットを下方に押し下げて,その反力で最外端の幕体支持ポールの倒れ込みを阻止す に,被告製品は,構成要件1C-①を充足しない旨主張する。 しかし,構成要件1C-①は,補強フレームの下端でスライドブラケットを下方に押し下げて,その反力で最外端の幕体支持ポールの倒れ込みを阻止する作用を果たすことを目的としているのであって,補強フレームの係止の位置は問題ではない。 補強フレームが幕体支持ポールに直接的に係止している場合も,間接的に係止している場合も含めて解釈すべきである。文言上も,スライドブラケットから「独立して」とは記載されておらず,仮に,補強フレームがスライドブラケットに係止した としても,それは「スライドブラケットに近接した位置」であることに変わりはなく,そのスライドブラケットが幕体支持ポールに係止されているのであれば,間接的に幕体支持ポールに係止されているということができる。 したがって,被告製品の補強フレームの他端は,スライドブラケットに近接した位置において,幕体支持ポールに係止されているといえる。 (イ) 本件特許発明1の目的は,本件明細書の段落【0005】及び同【0007】によれば,複数のテントを並べて配置したときに屋根が連続するように,屋根に直行する妻面を有するテントを得ることを目的としている。これに対し,被告製品の広告には,「複数のテントを連棟して設営できる!」,「屋根の側面がピッタリ合うので,連棟に向いています。」などと説明されており,本件特許発明1の目的と同一である。また,本件特許発明1は,本件明細書の段落【0012】によれば,屋根構造体の「最も外側の幕体支持ポールが直立状態で内側に倒れ込むことなく安定に支持されるため,妻面を長手方向に沿った2枚の屋根に対し直立した状態に維持することが出来る。この妻面の存在により雨水が妻面側に流れ落ちることを防止でき,これにより折り畳み式のテントを長手 なく安定に支持されるため,妻面を長手方向に沿った2枚の屋根に対し直立した状態に維持することが出来る。この妻面の存在により雨水が妻面側に流れ落ちることを防止でき,これにより折り畳み式のテントを長手方向に複数並べた場合であっても,並べたテント間に雨水が滴り落ちることを防止でき,連続した屋根下空間を有効に使用することが出来るという効果を有する。又,2枚の屋根面をそれぞれ平面に形成することが出来るため,該屋根面に施した模様・広告等を美麗に表示できるという効果を有する。」というものである。 被告製品も,支えポール(補強フレーム)により,屋根構造体の最も外側のフレーム(幕体支持ポール)が内側に倒れ込むことがないように直立状態で支持されているので,妻面を二つの屋根に対して直立状態で維持することができ,複数のテントを長手方向に連棟して,連続した屋根下空間を使用できるとしており,本件特許発明1と同様の効果を有している。また,天幕面積が大きいので,大きな文字入れが可能との効果も,本件特許発明1の2枚の屋根面をそれぞれ平面に形成することができる効果から付随的に生ずる効果であり,実質的に同様の効果を有するもので ある。 被告製品は,本件特許発明1の特徴をすべて満足しているのであり,仮に,補強フレームの係止位置が幕体支持ポールか,スライドブラケットかという点で相違するとの見解によるとしても,このような係止位置の相違は,当業者が必要に応じて行う単なる設計変にすぎない。被告製品はこのような設計変によっても,本件特許発明1の特徴を十分に満足しており,本件特許発明1の作用,効果を有している。 したがって,被告製品は,本件特許発明1とその目的,作用及び効果を同一にするもので,構成要件1C-①を充足する。 ウ構成要件1C-②について被告は,本 許発明1の作用,効果を有している。 したがって,被告製品は,本件特許発明1とその目的,作用及び効果を同一にするもので,構成要件1C-①を充足する。 ウ構成要件1C-②について被告は,本件明細書の段落【0018】の記載から,本件特許発明1の補強フレームは,弾性体による付勢力を有するものであり,弾性体を有せず,単なる「つっかえ棒」にすぎない被告製品の補強フレームは,本件特許発明1の作用効果を奏しない旨主張する。 しかし,上記段落【0018】は,本件特許発明1において,最も好ましい実施の形態を説明した記載であって,必ず弾性体による付勢力が必要だと述べているものではない。本件特許発明1の補強フレームは,最外端の幕体支持ポールの上端とこれに隣接する幕体支持ポールに取り付けられたスライドブラケットとの間に架け渡された「つっかえ棒」であり,最外端の幕体支持ポールの上端と隣接する幕体支持ポールのスライドブラケットとが,相互に接近するのを阻止する機能を果たしている。この相互の接近を阻止することにより,力学上の帰結として,最外端の幕体支持ポールの上端は上方に押し上げられるとともに,隣接する幕体支持ポールのスライドブラケットは下方に押し下げられる。このような補強フレームによるスライドブラケットの下方への押し下げにより,シザー組立体の伸張が助勢され,テントを展張すると共に,最外端の幕体支持ポールが内側へ倒れ込むのを防止し,テントの妻面を垂直に直立させることができる。かかる機能は,単なる一本のつっかえ棒 である補強フレームによってもたらされるもので,補強フレームに内蔵されたスプリングを必要としない。 (被告の主張)(1) 本件特許発明1についてア構成要件1A-②及び1Bについて本件特許発明1において,「幕体支持ポール」は,「 で,補強フレームに内蔵されたスプリングを必要としない。 (被告の主張)(1) 本件特許発明1についてア構成要件1A-②及び1Bについて本件特許発明1において,「幕体支持ポール」は,「シザー組立体の中央部に」「垂直に連結」されている(構成要件1A-③)。「シザー組立体」は,構成要件1A-②において,「2本のバーをX字状に回動自在に連結してパンタグラフ状に折り畳み自在とした構造」のものとされているから,「シザー組立体」は,2本のバーで構成されているX字状のものということになる。また,本件明細書の段落【0016】には,「図4に示すように屋根構造体は,長手方向にシザー組立体(2)を4つ,短手方向にシザー組立体(2)を2つ連結した構造」とされている。そうすると,「シザー組立体」が2本のバーで構成されているX字状のものを1単位としていることは明白であり,構成要件1A-②及び同1B中の「シザー組立体の中央部」とは,Xの2本のバーの交差をする箇所と解するほかない。 これに対し,被告製品は,「屋根構造体の短手方向に支柱3を連結するシザー組立体2α,2βとの連結部に幕体支持ポール4を垂直に連結し」(被告構成a-3),「最も外側に位置するシザー組立体2αと同2βとの連結部に設置する幕体支持ポール4aとシザー組立体2α,2βと隣接するシザー組立体2α’と同2β’との連結部に設置する幕体支持ポール4 との間に補強フレーム5を着脱自在に架設し」(被告構成 )ており,幕体支持ポールはシザー組立体のXのバーの交差する箇所で連結していない。 したがって,被告製品は,本件特許発明1構成要件1A-②,同1Bを充足しない。 イ構成要件1C-①本件特許発明1では,「補強フレームの他端が隣接する幕体支持ポールに挿着さ れたスライドブラケットに近 品は,本件特許発明1構成要件1A-②,同1Bを充足しない。 イ構成要件1C-①本件特許発明1では,「補強フレームの他端が隣接する幕体支持ポールに挿着さ れたスライドブラケットに近接した位置において,幕体支持ポールに係止」されているのであるから,補強フレームの他端(下端)は,スライドブラケットとは別の位置で幕体支持ポールに係止されており,その係止位置はスライドブラケットと近接した位置であるといえる。また,同発明では,「補強フレーム下端のブラケットが,当該幕体支持ポールのスライドブラケットに当接して押し下げることによって,シザー組立体の伸長が助勢されてテントが展張する」ことが解決原理の要素となっており,この解決原理を併せて考慮すると,本件特許発明1における補強フレームの下端は,幕体支持ポールに装着されたスライドブラケットとは独立して,当該スライドブラケットの上部で同ブラケットに当接するように幕体支持ポールに係止されているものと解される。 これに対し,被告製品の補強フレームは,幕体支持ポールに装着されたスライドブラケットそのものに固定され,スライドブラケットと独立して幕体支持ポールに係止されてはいない。 したがって,被告製品は,構成要件1C-①を充足しない。 ウ構成要件1C-②本件特許発明1の構成要件1C-②は,作用効果を記載したものであって,その具体的な構成が明らかでないところ,本件明細書の段落【0018】によれば,同発明は,補強フレームを単なる「つっかえ棒」ではなく,付勢力を持たせて特有の設置方法を採用することで,幕体支持ポールの押し上げとスライドブラケットの押し下げという作用を持たせ,この作用により,幕体支持ポールの内倒現象を防止して直立する妻面を構成できるようにし, にシザー組立体の伸張を助勢し,テントを 支持ポールの押し上げとスライドブラケットの押し下げという作用を持たせ,この作用により,幕体支持ポールの内倒現象を防止して直立する妻面を構成できるようにし, にシザー組立体の伸張を助勢し,テントを展張して側面の強度を向上するという効果を奏するようにしたものというべきである。そうすると,係止された補強フレームが弾性体による付勢力を有しないものは,構成要件1C-②を充足しないことになる。 被告製品の補強フレームは,固定部材で固定された固定長のもので,単なる「つっかえ棒」であって,何ら付勢力を有していないため,本件特許発明1の作用効果 を奏することはない。 したがって,被告製品は,構成要件1C-②を充足しない。 (2) 本件特許発明2について本件特許発明2の構成要件2Dは,本件特許発明1の構成要件を引用するものであるから,被告製品がこれを充足しないことは明らかである。 (3) 本件特許発明3について本件特許発明3の構成要件3Dは,本件特許発明1の構成要件を引用するものであるから,被告製品がこれを充足しないことは明らかである。 また,本件特許発明3の構成要件3Cによれば,補強フレームの両端にあるブラケットは,いずれも幕体支持ポールの太さと略同一の凹部を有しており,かつ,いずれの凹部も幕体支持ポールを挟持していなければならない。これに対し,被告製品の補強フレームは,他端(下端部)では,幕体支持ポールの太さと略同一の凹部を備えておらず,他端(下端部)の凹部が幕体支持ポールを挟持していない(被告製品の補強フレームの他端(下端部)では,「挿通穴を有するブラケットを備えており,該ブラケットとスライドブラケットを,相互に重ね合わせ,それぞれの挿通穴に挿通ピンを挿通して固定」するようになっており,幕体支持ポールを挟持していない。)。し 挿通穴を有するブラケットを備えており,該ブラケットとスライドブラケットを,相互に重ね合わせ,それぞれの挿通穴に挿通ピンを挿通して固定」するようになっており,幕体支持ポールを挟持していない。)。したがって,被告製品は,この点からも,構成要件3Cを充足しない。 2 争点2(損害額)について(原告の主張)(1) 特許法102条1項に基づく主張被告は,被告製品を過去3年間に少なくとも600台は製造販売していると推測される。上記被告製品の製造販売がなければ,原告が販売することができたテント1台あたりの利益の額は少なくとも7万円である。 したがって,原告の損害額は,原告が販売するテント1台当たりの利益額7万円に被告製品の製造販売台数600台を乗じた4200万円と算定される。 また,弁護士費用としては,上記4200万円の10パーセントに当たる420 万円が相当である。 (2) 特許法102条3項に基づく主張(予備的主張)被告製品の標準価格は,型式番号「KG/8W」が1台当たり22万6800円,型式番号「KG/8WA」が1台当たり24万3000円である。少なくとも1台当たりの販売価格を15万円として計算した場合,販売台数が600台であれば,売上高は9000万円となる。また,本件各特許発明に関する技術分野,被告製品の市場,コスト構造,類似事例,実務慣行に鑑みれば,本件各特許発明の実施に係る実施料率は,売上高の10パーセントを下らない。 したがって,原告の損害額は,被告製品の売上高9000万円の10パーセントに当たる900万円を下らない。 また,弁護士費用としては,上記900万円の10パーセントに当たる90万円が相当である。 (被告の主張)争う。 第4 当裁判所の判断 1 争点1(被告製品は本件各特許発明の技術的範囲に 。 また,弁護士費用としては,上記900万円の10パーセントに当たる90万円が相当である。 (被告の主張)争う。 第4 当裁判所の判断 1 争点1(被告製品は本件各特許発明の技術的範囲に属するか否か)について(1) 本件特許発明1についてア本件明細書の発明の詳細な説明の欄には,要旨,以下の記載がある。 (ア) 技術分野この発明は,テント,日除け等の骨組を構成する折り畳み自在なテントの屋根構造体であって,特に妻面を有する屋根構造体に関するものである(段落【0001】)。 (イ) 背景技術及び発明が解決しようとする課題従来,天蓋やタープとも呼ばれる支柱で屋根幕を支える形式のテントには,屋根幕を支柱と紐で緊張させて設置するものや頂点部を中心に傘型に拡がり,その裾野を支柱で支えるもの,或いは屋根幕支持構造を施して,雨水等の重みによる屋根幕 の弛みを軽減するように工夫されたものがあった(屋根幕支持構造を施してなるテントの代表例として,特許公報第2836956号があげられる。)(段落【0002】)。 しかし,このようなテントは,比較的小型のテントしか作ることが出来ず,大型や長方形等の形状のテントを形成することは困難であった。そこで,特開2005-002699号公報に示されるようなテントが開発された。当該テントは比較的大型なテントであるが,雨天時の使用に際しては屋根の四方から雨水が滴り落ちてしまい,複数のテントを近接して並べたとき,テント間に雨水が落ちてしまい,結果,複数のテントを並べても連続した屋根下空間を確保できないという欠点があった(段落【0004】)。 そこで,テントを並べたときに屋根が連続するように,妻面を有する組み立て式テントが望まれた。しかし,この種の組み立て式テントは,可搬性を重視するため屋根 という欠点があった(段落【0004】)。 そこで,テントを並べたときに屋根が連続するように,妻面を有する組み立て式テントが望まれた。しかし,この種の組み立て式テントは,可搬性を重視するため屋根構造体や支柱に比較的軽量で曲げ強度の低い部材を使用するのが一般的であり,妻面を形成するために屋根構造体からフレームを立設させる構造をとると,張設した幕体の重量が妻面に立設したフレームの頂点にかかり,フレームが屋根構造体中央側へ撓んでしまうという問題が発生した(段落【0005】)。 (ウ) 発明の目的この発明は,屋根構造体や支柱に比較的軽量で曲げ強度の低い部材を使用した可搬性の折り畳み式のテントでありながら,従来のスチールパイプ製の組み立て式テントのように,常に屋根に直行する妻面を有するテントを得ることを目的とするものである(段落【0007】)。 (エ) 課題を解決するための手段上記課題を解決するためにこの発明が採った手段は,少なくとも4本の支柱と,該支柱を相互に折り畳み自在に連結する複数のシザー組立体と,幕体の中央部を間隔をおいて山型の屋根形状に支持する複数の幕体支持ポールとを含み,シザー組立体は2本のバーをX字状に回動自在に連結してパンタグラフ状に折り畳み自在とし た構造とし,屋根構造体の短手方向に支柱を連結するシザー組立体の中央部に前記幕体支持ポールを垂直に連結し,支柱の上端に固定される固定ブラケットと支柱の途中にスライド自在に挿着されるスライドブラケットで支柱とシザー組立体を相互に連結し,且,幕体支持ポールの下端に固定される固定ブラケットと幕体支持ポールの途中にスライド自在に挿着されるスライドブラケットで,幕体支持ポールとシザー組立体を相互に連結した屋根構造体において,最も外側に位置するシザー組立体の中央に設置する幕体 ブラケットと幕体支持ポールの途中にスライド自在に挿着されるスライドブラケットで,幕体支持ポールとシザー組立体を相互に連結した屋根構造体において,最も外側に位置するシザー組立体の中央に設置する幕体支持ポールと該シザー組立体と隣接するシザー組立体の中央に設置する幕体支持ポールとの間に補強フレームを着脱自在に張設し,該補強フレームの一端は最も外側に位置する幕体支持ポールの上端位置に,補強フレームの他端は隣接する幕体支持ポールに挿着されたスライドブラケットに近接した位置において,幕体支持ポールに係止させて,補強フレームにより幕体支持ポールの上端を上方に押し上げるとともに,スライドブラケットを下方に押し下げ,シザー組立体の伸張を助勢しテントを展張して側面の強度を向上しつつ,直立する妻面を構成するようにしたことを特徴とする(段落【0008】)。 (オ) 発明の効果本発明によれば,補強フレームにより妻面を形成する,屋根構造体の内,最も外側の幕体支持ポールが直立状態で内側に倒れ込むことなく安定に支持されるため,妻面を長手方向に沿った2枚の屋根に対し直立した状態に維持することが出来る。 この妻面の存在により雨水が妻面側に流れ落ちることを防止でき,これにより折り畳み式のテントを長手方向に複数並べた場合であっても,並べたテント間に雨水が滴り落ちることを防止でき,連続した屋根下空間を有効に使用することが出来るという効果を有する。又,2枚の屋根面をそれぞれ平面に形成することが出来るため,該屋根面に施した模様・広告等を美麗に表示できるという効果を有する(段落【0012】,【0022】)。 (カ) 発明を実施するための最良の形態① 屋根構造体の構造について 屋根構造体は,四隅及び中間に垂直に立設される支柱(3),隣接する2本の支柱を水平に連結 2】,【0022】)。 (カ) 発明を実施するための最良の形態① 屋根構造体の構造について 屋根構造体は,四隅及び中間に垂直に立設される支柱(3),隣接する2本の支柱を水平に連結するシザー組立体(2),並びに幕体を展帳する幕体支持ポールから構成される。シザー組立体(2)は,2本のバーを中央でX字状に回動自在に連結してパンタグラフ状に屈伸自在としたものであり,各バーの自由端の一方は支柱(3)の上端に固定され,他の一方は支柱に沿ってスライド自在に支柱(3)に連結される。 幕体支持ポール(4)は,下端を支柱間短手方向,即ち妻面(7)と並行する方向に連結されたシザー組立体(2)の下側連結部に固定されると共に,幕体支持ポール(4)に挿着したスライドブラケットを介して上方連結部に固定され,シザー組立体(2)が伸張されるとき,伸張に応じて自動的に上方に持ち上げられる。幕体支持ポール(4)に折り畳み自在な防水性及び耐久性を有し所望の強度を備える合成樹脂製シート,或いは織物からなる幕体(6)を被覆し,テントの屋根を作出する(段落【0014】)。 図3は屋根構造体を伸張し,幕体を被覆した状態の透視図である。図示のようにシザー組立体(2)は一端を支柱(3)の上端に固定ブラケット(2a)を介して固定されつつ,他端をスライドブラケット(2 )を介して支柱に対しスライド自在に固定されている。又,支柱のない連結部においてはシザー組立体(2)の上下端が交差して連結されている。幕体支持ポール(4)は,支柱(3)を上下逆に取り付けたようにシザー組立体に接続されている。すなわち,幕体支持ポール(4)の下端は固定ブラケット(2a)を介してシザー組立体(2)の下方の一端に接続され,スライドブラケット(2 )を介してスライド自在に固定され,シザー組立体(2)の伸 いる。すなわち,幕体支持ポール(4)の下端は固定ブラケット(2a)を介してシザー組立体(2)の下方の一端に接続され,スライドブラケット(2 )を介してスライド自在に固定され,シザー組立体(2)の伸張に伴い,上方に持ち上げられるように固定されている(段落【0015】)。 図4に示すように屋根構造体は,長手方向にシザー組立体(2)を4つ,短手方向にシザー組立体(2)を二つ連結した構造とし,中央のシザー組立体(2)同士が連結される位置に前記幕体支持ポール(4)が固定されている。これにより屋根構造体を伸張したとき,長手方向中央列を頂点とする。2枚の屋根面及び妻面(7)を有するテントを展帳することができる。該幕体支持ポール(4)の頂点には幕体(6)を破損 させないように保護キャップ(41)が装着されている(図7参照)。尚,シザー組立体(2),支柱(3)及び幕体支持ポール(4)の数はこれに限定されるものではなく,任意の数を設定することが出来る(段落【0016】)。 従来のテントにあっては,シザー組立体(2)と幕体支持ポール(4a)(4 )(4c)のみで幕体(6)を展帳しようとすると,幕体(6)の重みで妻面(7)を支持する幕体支持ポール(4a)が屋根構造体中央側,すなわち幕体支持ポール(4 )側へ傾斜してしまう。そこで,本発明ではこれを解消するために,図3,4に示すように,幕体支持ポール(4a)の頂点と隣接する幕体支持ポール(4 )の下方に位置するスライドブラケット(2 )に近接した位置に補強フレーム(5)を張設させる。これにより,幕体(6)の重量により幕体支持ポール(4a)が内側に倒れ込んでしまうことを防ぐことが可能となり,屋根面に対し直立する妻面(7)を得ることができる。尚,該補強フレーム(5)は屋根構造体とは別体のものであり,任意に 量により幕体支持ポール(4a)が内側に倒れ込んでしまうことを防ぐことが可能となり,屋根面に対し直立する妻面(7)を得ることができる。尚,該補強フレーム(5)は屋根構造体とは別体のものであり,任意に取り外し出来る構造である(段落【0017】)。 ② 補強フレーム(5)の屋根構造体への取り付け方法補強フレーム(5)を適切な長さにするために,収納状態(図5a)から固定部材(57)を開放して太径バー(51)と細径バー(52)とを互いにスライド可能な状態にした後,細径バー(52)を太径バー(51)より引き出す。規定の長さで固定部材(57)により締結して,両バー(51)(52)を使用状態(図5 )とする。次にこの補強フレーム(5)の細径バー(52)側のブラケット(55a)を,幕体支持ポール(4a)に係止させる。係止は図7に示すように幕体(6)を展帳した状態で幕体支持ポール(4a)の上端を,ブラケット(55a)の係止凹部(55c)で狭持させるように行う。尚,幕体支持ポール(4a)の上端には保護キャップ(41)が固定されているため,係止凹部(55c)は該保護キャップ(41)の下面に当接し,幕体支持ポール(4a)から飛び抜けることなく幕体支持ポール(4a)の上端に係止することが出来る(段落【0020】)。 前記幕体支持ポール(4a)への係止を行った後,太径バー(51)を細径バー(5 2)側へ向け,スプリング(54)に抗するように押圧しスライドさせる。これにより,スライド部材(53)内に細径バー(52)が入り込み,補強フレーム(5)の全長を短縮させることができる。次に該短縮状態の補強フレーム(5)の他端のブラケット(55 )の係止凹部(55c)を,前記幕体支持ポール(4a)に隣接する幕体支持ポール(4 )のスライドブラケット(2 )近傍を狭 ることができる。次に該短縮状態の補強フレーム(5)の他端のブラケット(55 )の係止凹部(55c)を,前記幕体支持ポール(4a)に隣接する幕体支持ポール(4 )のスライドブラケット(2 )近傍を狭持させるようにセットした後,太径バー(51)のスライドを解除する。スライドを解除された補強バー(5)はスプリング(54)の力により全長を復元するため,ブラケット(55 )は幕体支持ポール(4 )に沿って下方へ移動する。この時,支持バー(4 )上に位置するスライドブラケット(2 )に前記ブラケット(55)が当接し,該スライドブラケット(2 )を押し下げつつ係止する。これにより幕体支持ポール(4a)(4 )間に補強フレーム(5)が斜めに張設され,幕体支持ポール(4a)を妻面(7)側へ押し出すことが出来,幕体の重量が幕体支持ポール(4a)にかかっていても妻面(7)を屋根面に対し直立した状態に保つことが出来る(段落【0021】)。 イ(ア) 特許請求の範囲の記載のほか,本件明細書の上記記載に照らせば,本件特許発明1は,屋根構造体や支柱に比較的軽量で曲げ強度の低い部材を使用した可搬性の妻面を有する折り畳み式テントにおいて,妻面を形成するために屋根構造体から立設したフレームが,張設した幕体の重量により屋根構造体中央側へ撓んでしまうという課題を解決するための発明であると解される。そして,同発明は,上記の課題を解決するため,最も外側に位置するシザー組立体の中央に設置する幕体支持ポールと該シザー組立体と隣接するシザー組立体の中央に設置する幕体支持ポールとの間に着脱自在の補強フレームを張設することとした上,当該補強フレームの取付方法としては,補強フレームの一端を最も外側に位置する幕体支持ポールの上端位置に,他端を隣接する幕体支持ポールに装着されたスライドブラケッ の補強フレームを張設することとした上,当該補強フレームの取付方法としては,補強フレームの一端を最も外側に位置する幕体支持ポールの上端位置に,他端を隣接する幕体支持ポールに装着されたスライドブラケットに近接した位置で幕体支持ポールに係止させることとし,このような位置に補強フレームを設置する方法で,補強フレームが幕体支持ポールの上端を上方に押し上げるとともにスライドブラケットを下方に押し下げることにより,シザー組立体の伸張を助勢 し,テントを展張して側面の強度を向上させようとするものである。つまり,張設した幕体の重量により屋根構造体中央側へ撓んでしまうという課題に対し,同発明は,単に補強フレームを最も外側に位置する幕体支持ポールと隣接する幕体支持ポールとの間に補強フレームを設けるという構造を採用しただけでなく,補強フレームの取付方法も併せて具体的に規定することにより,上記の課題を解決しようとしたものと解するのが相当である。 (2) 以上を前提に,被告製品が本件特許発明1の技術的範囲に属するか否かについて検討する。 ア構成要件1A-②及び1Bについて構成要件1A―②において,「シザー組立体は2本のバーをX字状に回動自在に連結してパンタグラフ状に折り畳み自在とした構造」と明確に規定されていること,本件明細書の段落【0016】によれば,「図4に示すように屋根構造体は,長手方向にシザー組立体(2)を4つ,短手方向にシザー組立体(2)を2つ連結した構造」としていることからすれば,本件特許発明1における「シザー組立体」とは,2本のバーでX字状に構成されたものを1単位としているものと解される。そして,上記の「シザー組立体」の定義を前提とすれば,構成要件1B「最も外側に位置するシザー組立体の中央に設置する幕体支持ポールと該シザー組立体と 状に構成されたものを1単位としているものと解される。そして,上記の「シザー組立体」の定義を前提とすれば,構成要件1B「最も外側に位置するシザー組立体の中央に設置する幕体支持ポールと該シザー組立体と隣接するシザー組立体の中央に設置する幕体支持ポール」の「シザー組立体の中央」とは,2本のバーがX字状に交わった箇所を指すものと解すべきである。 これに対し,被告構成a-2は,「シザー組立体2は2本のバーをX字状に回動自在に連結してパンタグラフ状に折り畳み自在とした構造」を有しているから,この点に関する限り,被告製品は,構成要件1A-②を充足するものといえる。 しかし,被告製品における幕体支持ポールは,「最も外側に位置するシザー組立体2αと同2βとの連結部に設置する幕体支持ポール4aとシザー組立体2α,2βと隣接するシザー組立体2α’と同2β’との連結部に設置する幕体支持ポール 4 」(被告構成 )として設置されている。したがって,被告製品においては, 構成要件1Bの「シザー組立体の中央」,つまり,2本のバーがX字状に交わった箇所に幕体支持ポールが設置されていないことは明らかであって,被告製品は構成要件1Bを充足しない(その前提として,屋根構造体全体のシザー組立体と幕体支持ポールの位置を規定した構成要件1A-③「シザー組立体の中央部に前記幕体支持ポールを垂直に連結し」も充足しないこととなる。)。 付言するに,本件明細書の【図2】,【図4】には,二つのシザー組立体の連結部に幕体支持ポールを設置することが示されているが,図面が特許請求の範囲を画するものではないことはいうまでもないところであるし,本件明細書の発明の詳細な説明には,段落【0008】のように,構成要件1A-③及び1Bに対応する記載も存するところであるから,これらの構成要件に係る るものではないことはいうまでもないところであるし,本件明細書の発明の詳細な説明には,段落【0008】のように,構成要件1A-③及び1Bに対応する記載も存するところであるから,これらの構成要件に係る特許請求の範囲の記載が単なる誤記にすぎないことが明らかであると認めることは,困難であると言わなければならない。 イ構成要件1C-①について(ア) 被告構成c-1は,「該補強フレーム5の一端は最も外側に位置する幕体支持ポール4aの上端位置に係止し,補強フレーム5の他端は隣接する幕体支持ポール4 に挿着されたスライドブラケット44 ’に固定させ」としており,補強フレーム5は,幕体支持ポールに装着されたスライドブラケットそのものに固定され,スライドブラケットと独立して幕体支持ポールには係止されていないことが明らかである。 したがって,被告製品は,少なくとも構成要件1C-①の文言を充足しない。 (イ) この点,原告は,補強フレームは直接的でも間接的でも幕体支持ポールに係止されていればよく,また,被告製品の補強フレームの取付方法においても,本件特許発明1の作用効果を有するから,補強フレームの取付方法(係止位置を幕体支持ポールとするか,スライドブラケットとするか)は,単なる設計事項にすぎないなどと主張する。 しかし,前記のとおり,本件特許発明1においては,妻面を有する折り畳み式テ ントにおいて,張設した幕体の重量により屋根構造体中央側へ撓んでしまうという課題を解決するため,両幕体支持ポールの間に補強フレームを単に設置する構造を採用しただけでなく,その取付方法をも具体的に規定して課題を解決しようとするものであって,この点は,単なる設計事項とはいえない。また,そもそも,補強フレームが幕体支持ポールに直接係止されるか否かにより,作用効果の発 く,その取付方法をも具体的に規定して課題を解決しようとするものであって,この点は,単なる設計事項とはいえない。また,そもそも,補強フレームが幕体支持ポールに直接係止されるか否かにより,作用効果の発生機序も異なるというべきである。 すなわち,補強フレームを屋根構造体の最も外側に位置する幕体支持ポールとこれに隣接する幕体支持ポールとの間に設け,単に補強フレームをつっかえ棒として用いるとすれば,補強フレームの係止方法がどのような形態であっても,最も外側に位置する幕体支持ポールが,張設した幕体の重量によって,隣接する幕体支持ポール側(屋根構造体中央側)に撓むのを防止する機能を一様に有するというものではなく,本件特許発明1においては,補強フレームを幕体支持ポールにどのように係止するかという具体的な取付方法をも,上記課題の解決方法として特許請求の範囲に記載したものと解される。 この点,被告製品において,スライドブラケット44 ’が,幕体支持ポール4の途中にスライド自在に挿着され,かつ,シザー組立体とも連結されている点は,本件特許発明1と共通する。しかし,被告製品においては,補強フレームが,幕体支持ポールには係止されず,スライドブラケット44 ’に直接固定されていることにより,補強フレームとスライドブラケット44 ’とシザー組立体の動きが一体化するのであって,補強フレームは,スライドブラケット44 ’とシザー組立体の動きと常に連動するものとして取り付けられているといえる。 そうとすれば,補強フレームをスライドブラケットに近接した位置の幕体支持ポールに直接係止させ,補強フレームが幕体支持ポールの上端を上方に押し上げるとともにスライドブラケットを下方に押し下げることにより,シザー組立体の伸張を助勢し,かつ,テントを展張するという本件特許発明1にお 直接係止させ,補強フレームが幕体支持ポールの上端を上方に押し上げるとともにスライドブラケットを下方に押し下げることにより,シザー組立体の伸張を助勢し,かつ,テントを展張するという本件特許発明1における補強フレームと,上述した被告製品における補強フレームとでは,その構成(取付位置)の違いによ り,上記作用効果を発揮する機序が異なるというべきである。 したがって,原告の主張はいずれも採用することができない(なお,原告は,「単なる設計事項」との主張はしているものの,均等論による侵害の主張はしていないが〔そもそも,被告製品が本件特許発明1の構成要件1C-①を文言上充足するといえないことは,原告が提出した訴状及び2通の訴状訂正申立書(平成26年11月6日付け及び同月25日付け)の記載それ自体から相当に明白であったところであり,原告が均等論による侵害の主張をしようとしなかったのは,不可解である。〕,上記説示したところによれば,仮に,そのような主張がされたとしても,これを認めることはできない。)。 2 小括以上より,被告製品は,少なくとも,本件特許発明1の構成要件1B(その前提としての構成要件1A-③),構成要件1C-①を充足しないから,その余の構成要件の充足性を検討するまでもなく,本件特許発明1の技術的範囲に属するものとはいえないことが明らかである。 また,被告製品は,上記のとおり,本件特許発明1の技術的範囲に属するものといえない以上,本件特許発明2の構成要件2Dを充足せず,本件特許発明3の構成要件3Dも充足しないといえるから,本件特許発明2及び同3の技術的範囲に属するものともいえないことが明らかである。 3 原告が本件訴訟の係属後にした訂正審判請求について付言しておく。 (1) 原告は,平成27年3月11日付けで訂正審判(訂正 明2及び同3の技術的範囲に属するものともいえないことが明らかである。 3 原告が本件訴訟の係属後にした訂正審判請求について付言しておく。 (1) 原告は,平成27年3月11日付けで訂正審判(訂正2015-39022。 以下「本件訂正審判」という。)を請求し,本件特許に係る明細書及び特許請求の範囲の訂正を求めているが(甲8,9),明細書,特許請求の範囲又は図面の訂正は,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変するものであってはならない(特許法126条6項)から,本件訂正審判の結果によって,被告製品が本件各特許発明の技術的範囲に属するものとは認められない旨の前記判断が覆ることは,理論上,あり得ない(仮に,誤ってそのような訂正が認められたときは,特許法123条1 項8号所定の無効事由が生じたことになる。)。 (2) 原告が本件訂正審判において求めている特許請求の範囲の訂正には,本件特許発明1の構成要件1A―③及び1-Bについて,「尾根構造体の短手方向に支柱を連結する複数のシザー組立体の中央部に前記幕体支持ポールを垂直に連結し」,「複数のシザー組立体」(下線部は,いずれも訂正箇所を示す。)などとすることが含まれる(甲8)。 しかし,構成要件1A-②は,「シザー組立体は2本のバーをX字状に回動自在に連結してパンタグラフ状に折り畳み自在とした構造とし」としているから,シザー組立体は2本のバーをX字状に連結したものを1単位と解すべきであるところ,仮に,構成要件1A-③を「複数のシザー組立体の中央部」と訂正したとしても,シザー組立体が三つ,又は,五つなど奇数単位存在する場合には,その中央部は,シザー組立体とシザー組立体の間ではなく,2本のX字状のバーの交差する箇所を中央部として幕体支持ポールを垂直に連結することを示すと解さざるを得ない。こ つなど奇数単位存在する場合には,その中央部は,シザー組立体とシザー組立体の間ではなく,2本のX字状のバーの交差する箇所を中央部として幕体支持ポールを垂直に連結することを示すと解さざるを得ない。このような例は,本件明細書に記載されておらず,シザー組立体の単位数が奇数か偶数かで幕体支持ポールの位置が異なることになる。 したがって,本件訂正審判に係る訂正は,少なくとも,特許法126条5項に違反するものであって,認められるべきものではないと思われる。 (3) 原告は,本件訂正審判の請求後,特許庁長官に対し,審判請求書を補正する旨の同年4月7日付け手続補正書(甲9)を提出したが,同補正書によれば,原告が求めている特許請求の範囲の訂正には,構成要件1Cについて,「該補強フレームの一端は最も外側に位置する幕体支持ポールの上端位置に係止し,補強フレームの他端は隣接する幕体支持ポールに挿着されたスライトブラケットに上方から当接させることにより,幕体支持ポールを垂直に保持しながら,シザー組立体の伸張を維持しテント側面の強度を向上しつつ,直立する妻面を構成するようにしたことを特徴とする」(下線部は,いずれも訂正箇所を示す。)などとすることが含まれるようである(同補正書の1頁には,「補正対象項目名」として「請求の理由」とあ り,「請求の趣旨」とは記載されていないが,訂正特許請求の範囲を含む同補正書2頁以下の記載によれば,請求の趣旨を補正することが当然の前提となっているものと考えざるを得ないし,原告の同月8日付け準備書面2〔4頁〕にも,これに沿う記載がある。)。 しかし,訂正審判における審判請求書について,請求の趣旨を補正することは認められていない(特許法131条の2第1項1号)。 なお,仮に,原告が本件訂正審判に係る請求の趣旨の補正を求めていな 。)。 しかし,訂正審判における審判請求書について,請求の趣旨を補正することは認められていない(特許法131条の2第1項1号)。 なお,仮に,原告が本件訂正審判に係る請求の趣旨の補正を求めていないとすれば,同補正書の記載はおよそ無意味であるというほかはなく,原告がいかなる目的で同補正書を特許庁長官に提出し,また,本件訴訟において書証として申し出たのか,理解に苦しむところといわなければならない。 (4) 以上より,本件訴訟において,原告が本件訂正審判において求めている訂正を前提として,本件各特許発明の技術的範囲に被告製品が属するか否かを検討する必要がないことは,明らかである。 第5 結論以上によれば,その余の点を検討するまでもなく,原告の本件請求はいずれも理由がないから,これらを棄却することとし,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第29部 裁判長裁判官 嶋末和秀 裁判官 鈴木千帆 裁判官 天野研司

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