平成14(行ウ)221 損害賠償(住民訴訟)請求

裁判年月日・裁判所
平成14年8月30日 東京地方裁判所
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判決文本文3,084 文字)

平成14年8月30日判決言渡平成14年(行ウ)第221号損害賠償(住民訴訟)請求事件判決当事者の表示別紙当事者目録記載のとおり 主文 1 被告は,武蔵村山市に対し,金1344万円及びこれに対する平成14年4月30日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 訴訟費用は被告の負担とする。 3 この判決は仮に執行することができる。 事実及び理由 原告らは,主文第1項,第2項と同旨の判決及び仮執行の宣言を求め,請求原因として,「1 原告らは,武蔵村山市の住民であり,被告は,武蔵村山市長の職にあった者である。 2 被告は,平成14年2月12日,武蔵村山市長として,訴外株式会社Aとの間において請負代金を1102万5000円と定めて旧第五小学校屋内運動場等解体工事請負契約を,訴外有限会社Bとの間において請負代金を241万5000円と定めて主要市道10号線整備工事請負契約をそれぞれ締結し,同年4月30日,上記各請負代金を支払った(以下「本件支出負担行為等」という。)。 3 本件支出負担行為等の違法性について(1)被告は,武蔵村山市内に特定の医療法人を主体とする総合病院を誘致すべく,平成13年度予算に病院誘致関連予算として病院予定地に存在する体育館の解体工事費,不動産等鑑定評価委託料及び市道10号線接続道路整備費を計上したが,武蔵村山市議会は,これを全額削除した上で同年度予算を可決した。 (2)被告は,平成14年1月21日,武蔵村山市議会臨時会を招集し,病院誘致関連予算を柱とする補正予算案を提出したが,武蔵村山市議会は,これを否決した。 (3)被告は,平成 年度予算を可決した。 (2)被告は,平成14年1月21日,武蔵村山市議会臨時会を招集し,病院誘致関連予算を柱とする補正予算案を提出したが,武蔵村山市議会は,これを否決した。 (3)被告は,平成14年1月30日,担当職員に対して予算の流用(以下「本件予算流用」という。)を指示し,費用を捻出した上,本件支出負担行為等をした。 (4)予算は,普通地方公共団体の長がこれを調製し,議会の議決を経てこれを執行するものであり,議会が否決した予算は,原則として執行することができないのであるから,本件支出負担行為等は,議会の議決権を否定するものとして明らかに地方自治法(以下,単に「法」という。また,以下,地方自治法施行令を単に「施行令」と,地方自治法施行規則を単に「規則」とそれぞれいう。)96条1項2号に違反するというべきである。なお,法217条2項は,予備費について,議会の議決権を尊重し,併せて普通地方公共団体の長の予算執行権限の濫用を防止するため,議会の否決した費途に充てることができないと明確に規定しているのであり,この規定の趣旨からしても,本件支出負担行為等が法に違反することは明らかである。 4 武蔵村山市は,本件支出負担行為等により1344万円の損害を被った。 5 被告は,武蔵村山市議会が病院誘致関連予算を否決したことを認識しながら,本件予算流用をし,本件支出負担行為等をしたのであり,故意又は過失があったことは明らかである。 6 原告らは,違法な予算の流用に基づく違法な公金の支出が行われるおそれがあるとして,平成14年2月12日,武蔵村山市監査委員に対し,住民監査請求をしたが,武蔵村山市監査委員は,同年4月15日,監査委員の合議が整わなかった旨を通知した。 よって,原告らは,法242条の2第1項4号に基づき,武蔵村山市に代位して, 委員に対し,住民監査請求をしたが,武蔵村山市監査委員は,同年4月15日,監査委員の合議が整わなかった旨を通知した。 よって,原告らは,法242条の2第1項4号に基づき,武蔵村山市に代位して,被告に対し,損害金1344万円及びこれに対する本件支出負担行為等の終了した日である平成14年4月30日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める。」と述べた。 被告は,適式の呼出しを受けながら,本件口頭弁論期日に出頭しないし,答弁書その他の準備書面も提出しないから,請求原因事実を争うことを明らかにしないものと認め,これを自白したものとみなす。 そこで,本訴請求について判断するに,弁論の全趣旨によれば,本件予算流用は,款項の間においてされたものではなく,目節の間においてされたものであると認められるところ,法は,歳出予算の経費の金額は,各款の間又は各項の間において相互にこれを流用することができない(法220条2項本文)と定めているが,目節の間における予算の流用については,これを禁止していないこと,目節は,款項が議会の議決の対象となる予算科目である(法216条)のと異なり,予算執行のために定められる予算科目でしかない(施行令150条1項3号)ことからすると,普通地方公共団体の長は,当該普通地方公共団体の財務規則等に別段の定めがない限り,目節の間における予算の流用をすることができるというべきである。しかし,①普通地方公共団体の議会は,予算について議決権を有しており(法96条1項2号),普通地方公共団体の長は,予算を調製し,議会の議決を経なければならず(法211条1項),長が予算を議会に提出するときにあわせて提出しなければならない予算に関する説明書においては,目節の内容を明らかにしなければならない(同条2項,施行令144 議決を経なければならず(法211条1項),長が予算を議会に提出するときにあわせて提出しなければならない予算に関する説明書においては,目節の内容を明らかにしなければならない(同条2項,施行令144条2項,規則15条の2,別記予算に関する説明書様式)のであるから,議会は,予算について議決するに当たり,目節の内容について考慮することができること,②普通地方公共団体の執行機関は,当該普通地方公共団体の条例,予算その他の議会の議決に基づく事務を誠実に管理し及び執行する義務を負う(法138条の2)のであるから,長は,予算を執行するに当たり,議会の議決を尊重しなければならないこと,③法217条2項は,このような趣旨から,予備費について,議会の否決した費途に充てることができないと定めていると解されることによれば,議会の否決した費途に充てるためにされた予算の流用は,それが目節の間における予算の流用であったとしても,議会の議決権を侵害する違法なものであり,このような予算の流用を受けてされた財務会計行為は,財務会計法規に違反する違法なものというべきである。したがって,本件支出負担行為等は,財務会計法規に違反する違法な財務会計行為に当たるところ,上記事実によれば,武蔵村山市は,本件支出負担行為等により1344万円の損害を被ったというべきであり,かつ,被告には,故意又は過失があったというべきである。 以上によれば,本訴請求は理由があるからこれを認容することとし,訴訟費用の負担について行政事件訴訟法7条,民事訴訟法61条を,仮執行の宣言について行政事件訴訟法7条,民事訴訟法259条1項をそれぞれ適用して,主文のとおり判決する。 〔口頭弁論終結の日平成14年7月12日〕東京地方裁判所民事第38部裁判長裁判官 事訴訟法259条1項をそれぞれ適用して,主文のとおり判決する。 〔口頭弁論終結の日平成14年7月12日〕東京地方裁判所民事第38部裁判長裁判官北澤晶裁判官内野俊夫裁判官村田一広

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