平成25(ワ)7202 地位確認等請求事件

裁判年月日・裁判所
平成27年4月23日 東京地方裁判所
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判決文本文19,349 文字)

平成27年4月23日判決言渡平成25年(ワ)第7202号地位確認等請求事件 主文 1 原告が,被告に対し,労働契約上の権利を有する地位にあることを確認する。 2 被告は,原告に対し,平成25年4月から本判決確定の日まで,毎月24日限り22万1400円及びこれに対する各支払日の翌日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。 3 訴訟費用は被告の負担とする。 4 この判決は,第2項に限り,仮に執行することができる。 事実 及び理由第1 請求主文第1項及び第2項と同旨なお,訴状の「請求の趣旨」においては,主文第1項に対応する請求として,「原告が,被告との間において,平成25年4月1日から労働契約上の地位を有することを確認する。」との記載があるが,本件訴えの提起日が平成25年3月21日であり,後述のとおり,被告が,原被告間の従前の労働契約について,同月31日付けでの終了を主張していることに加え,その他,原告の主張全体の趣旨にも照らせば,上記記載の趣旨は,本件訴えの提起時において,同年4月1日以降に到来するものと予想される口頭弁論終結時における原告の被告に対する労働契約上の権利を有する地位の確認(主文第1項と同旨)を求めるものと善解するのが相当である。 第2 事案の概要本件は,従前被告において雇用され,定年を迎えた原告が,平成24年法律第78号による改正前の高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(以下「高年法」という。)9条2項所定の「継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基 準(以下「継続雇用基準」という。)を満たす者を採用する旨の制度により再雇用されたと主張して,被告に対し,労働契約上の権利を有する地位にあることの確認並びに同契約に基づく月額賃金(22万14 準(以下「継続雇用基準」という。)を満たす者を採用する旨の制度により再雇用されたと主張して,被告に対し,労働契約上の権利を有する地位にあることの確認並びに同契約に基づく月額賃金(22万1400円)及びこれに対する各支払日の翌日から支払済みまで商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 1 前提事実以下の各事実は,当事者間に争いがないか,後掲各証拠及び弁論の全趣旨により認められる。 (1)当事者ア被告被告は,郵便業務,銀行窓口業務,保険窓口業務,印紙の売りさばき,地方公共団体からの受託業務,上記以外の銀行業,生命保険業及び損害保険業の代理業務,国内・国際物流業,不動産業,物販業等を行う株式会社である。なお,被告は,平成19年10月1日の郵政民営・分社化により,P1株式会社及びP2株式会社として発足し,平成24年10月1日の郵政民営化の一部見直しにより,P1株式会社を存続会社として商号を「P3株式会社」に変更の上,P2株式会社を吸収合併した。 イ原告原告は,昭和51年4月1日,被告の前身である郵政省東京中央郵便局に採用され,郵政事業庁(平成13年1月6日以降),日本郵政公社(平成15年4月1日以降),P2株式会社(平成19年10月1日以降)を経て,被告において勤務していた者である。原告は,平成16年9月以降,P4郵便局(P2株式会社当時はP4支店)に勤務しており(甲24),遅くとも平成22年4月以降は第四集配営業課(平成25年3月1日以降は第四集配営業部)主任として,郵便物の集配業務のほか,郵便切手類等の販売,郵便・ゆうパック等の普及・利用勧奨等の業務を行っていたところ,後述 の定年制による原告の退職日は,平成25年3月31日であった。 なお,原告は,労働組合であるP5 郵便切手類等の販売,郵便・ゆうパック等の普及・利用勧奨等の業務を行っていたところ,後述 の定年制による原告の退職日は,平成25年3月31日であった。 なお,原告は,労働組合であるP5ユニオンの組合員である。 (2)被告における継続雇用制度ア定年制被告の社員就業規則(乙1)では,「社員は,定年に達したときは,定年に達した日以後における最初の3月31日に退職する。」(14条1項),「前項の定年は,年齢60歳とする。」(同条2項)と規定されている。 イ定年後の継続雇用制度被告は,高年法9条1項2号,2項所定の継続雇用制度の導入として,高齢再雇用社員就業規則(甲2)を定め,同就業規則(ただし,平成25年3月31日以前。)において,「会社は,社員就業規則14条の規定により退職した者のうち,高齢再雇用を希望する者の中から選考により適格と認めた者を…採用する。」(4条1項),「前項の規定により会社が適格と認めるのは,次の各号の全てに該当するときとする。(1)選考における面接試験及び作文試験の評価が著しく低くない場合 (2)退職前2年間の勤務成績が不良でない場合 (3)身体検査の結果,就業可能と判断された場合」(同条2項),「(上記高齢再雇用をされた場合の)雇用契約期間は,毎年4月1日から翌年3月末日までとする。」(8条2項),「雇用契約期間が満了した場合,次の各号のいずれかに該当しない限り,雇用期間を更新する。(1)本人の希望がない場合 (2)満65歳に達した日以後における最初の3月31日が到来したとき (3)雇用契約期間満了時に,傷病のため勤務していない社員又は休職中の社員であって,早期の職務復帰が困難と認められる場合 (4)業務能力又は勤務成績が不良で契約更新に達しない場合」(9条1項)と規定していた。 被 満了時に,傷病のため勤務していない社員又は休職中の社員であって,早期の職務復帰が困難と認められる場合 (4)業務能力又は勤務成績が不良で契約更新に達しない場合」(9条1項)と規定していた。 被告は,上記継続雇用制度(以下「高齢再雇用制度」といい,高齢再雇用制度により再雇用された社員を,以下「高齢再雇用社員」という。)を平 成19年10月1日の郵政民営・分社化と同時に導入するに当たり,高年法9条2項所定の書面による労使協定として,被告の持株会社であるP6株式会社において,郵政民営化法171条に従い,当時のP7労働組合及びP8ユニオンを含む主要労働組合との間で団体交渉を行い,同年9月頃,被告社員の高齢再雇用制度を含む人事の取扱いに関し,各組合と同一内容の「人事に関する協約」(乙2。以下「協約」という。)及び「『人事に関する協約』附属覚書」(乙3。以下「附属覚書」という。)を締結した。協約では,高齢再雇用社員の継続雇用基準について,「定年退職者のうち再雇用を希望する者であって,次の各号に掲げるすべてに該当すると会社が認めた者は,高齢再雇用社員として採用する。(1)選考における面接試験又は作文試験の評価が著しく低くない場合 (2)身体検査の結果,就業可能と判断された場合 (3)第3章第1節に規定する正社員の人事評価に基づき実施した人事評価結果を別に定める人事評価結果の点数化の方法により,200点満点で点数化した直近2年間の人事評価結果がいずれも80点以上である者又は80点未満であっても面接試験の評価が良好と判定された者」(88条)と規定されているほか,附属覚書36条・別紙11では,協約88条3号所定の「別に定める人事評価結果の点数化の方法」について,後述のとおり規定されている。 なお,原告が組合員として所属するP5ユニオ と規定されているほか,附属覚書36条・別紙11では,協約88条3号所定の「別に定める人事評価結果の点数化の方法」について,後述のとおり規定されている。 なお,原告が組合員として所属するP5ユニオンは,平成24年7月1日,従前のP7労働組合が,P8ユニオンと組織統合し,その名称を上記のとおり変更したものであるが,P7組合として締結した労働協約であって,同年6月30日時点で効力を有するものは,同年7月1日以降,P5ユニオンとの労働協約として効力を有することが,当時のP2株式会社とP5ユニオンとの間の同年8月9日付け労働協約によって確認されている(乙4)。 ウ高齢再雇用社員の選考試験 高齢再雇用社員の採用については,上記継続雇用基準に基づいて,応募者の中から,作文試験,面接試験,身体検査及び退職前2年間の勤務成績(人事評価結果)により選考する。 (ア)勤務成績(人事評価結果)について社員の人事評価の方法については,協約(乙2)第3章第1節及び附属覚書(乙3)に規定されており,評価期間を4月1日から3月31日までとして,業績評価と職務行動評価の合計点により決定される。 業績評価とは,「どういう仕事をどれだけ行ったか」という,実際に行った仕事における実績及び結果を評価対象とするもの,職務行動評価とは,「どのような仕事ぶりだったか」という,実績・結果や能力とは異なる「していたか,していなかったか」という行動の有無を評価対象とするものである(乙10の1・2,乙16)。 原告の業績評価における評価項目は,①営業・業務実績,②お客さまサービス,③業務プロセス,④人材開発の四つであり(協約8条1項,別紙第1),各評価項目について,それぞれ評価のための観察ポイントに加え,評価基準として「◎」及び「△」と評価すべき事情が定められ まサービス,③業務プロセス,④人材開発の四つであり(協約8条1項,別紙第1),各評価項目について,それぞれ評価のための観察ポイントに加え,評価基準として「◎」及び「△」と評価すべき事情が定められているところ(協約8条1項,乙10の1・2),各評価項目の各評価基準について,それぞれ「評価期間を通じて常に(又はほとんどの場合)◎だった」場合に「◎」,「評価期間を通じて常に(又はほとんどの場合△だった)場合に「△」,上記以外の場合に「〇」との3段階評価を行い,評価項目ごとに,各評価基準の評価結果がすべて「◎」の場合は「◎」,「△」が一つ以上ある場合は「△」,「△」が一つ以上あるが,他に「◎」がある場合は「〇」,上記以外の場合は「〇」と評価するものとされている(協約8条2項,附属覚書1条2項,別紙1,乙16)。 原告の職務行動評価における評価項目は,①顧客志向,②自律志向,③チームワーク,④品質・生産性向上(業務改善),⑤指導・育成,⑥倫 理・規律の六つであり(協約10条1項,別紙第2・第3),各評価項目について,それぞれ評価のための観察ポイントが定められているところ(協約10条2項,乙10の1・2),各評価項目について,これらの観察ポイントにつき,「評価期間を通じて常に(ほとんどの場合)行って(守って)いた。」場合は「◎」,「評価期間を通じて常に(ほとんどの場合)行って(守って)いなかった。」場合は「△」,上記以外の場合は「〇」との3段階評価を行うものとされている(協約10条3項,附属覚書3条2項,別紙3,乙16)。 そして,附属覚書36条・別紙11においては,原告に係る協約88条3号所定の「別に定める人事評価結果の点数化の方法」として,業績評価の点数につき,各評価項目の点数を「◎」につき7.5点,「〇」につき3.7 附属覚書36条・別紙11においては,原告に係る協約88条3号所定の「別に定める人事評価結果の点数化の方法」として,業績評価の点数につき,各評価項目の点数を「◎」につき7.5点,「〇」につき3.75点,「△」につき0点として4項目の総和を算出すること,職務行動評価の点数につき,各評価項目の点数を,「◎」につき28.33点,「〇」につき14.17点,「△」につき0点として6項目の総和を算出すること,人事評価結果の点数は,これらの各総和の合計点(満点200点)とする旨が規定されている。 なお,人事評価の手続としては,被評価者が自己評価を行った上で,被告の担当者により,第一次評価,第二時評価及び最終評価が行われる(乙10の1・2,乙16)。すなわち,被評価者が,人事評価シート(乙10の1・2)に自己評価を記入して第一次評価者に提出し,第一次評価者及び第二次評価者が,順次,それまでの評価内容を参照しつつ,各自の行った評価をそれぞれ人事評価シートに記入して次順位の評価者に提出し,最終評価者によって人事評価シートに記入された最終評価が被評価者についての評価結果となる(上記人事評価シートは,被告の前身である日本郵政公社時代の平成15年から現在に至るまで,ほぼ同内容・同型式のものが人事評価に使用されている。)。原告を始めとする主 任職の者については,第一次評価者が被評価者の所属課の課長代理等,第二次評価者が所属課の担当課長等,最終評価者が所属支店の支店長とされていた。各年度の人事評価結果については,各社員に対し,個別に配布される「人事評価結果のフィードバックシート」(乙5の1・2。以下「フィードバックシート」という。)により,各評価項目についての被告による「◎」・「○」・「△」の3段階での評価結果が通知されるが,上記評価結果に基づく のフィードバックシート」(乙5の1・2。以下「フィードバックシート」という。)により,各評価項目についての被告による「◎」・「○」・「△」の3段階での評価結果が通知されるが,上記評価結果に基づく点数自体を被告から各社員に通知することはない(乙16)。 (イ)面接試験について受験者1名に対し,主任面接者1名と面接者1名の合計2名による15分程度の個別面接を行い,被告の社員として引き続き勤務することについての適格性の有無,これまでの経験や引き続き勤務することへの意思や意欲等を確認するための質問を行うものである。評定及び判定は,主任面接者及び面接者の2名がそれぞれ行い,主任面接者が面接者の判定を踏まえ,総合判定を行う。 評定においては,「協調性」,「積極性」,「堅実性」,「表現力」,「態度」という五つの評定項目に即して,受験者が高い就労意欲を有し,在職時に培った知識や経験,能力を今後も十分発揮することができるか等の観点から行われ,各評定項目について,a(優れている:5点),b(やや優れている:4点),c(普通:3点),d(やや劣っている:2点),e(劣っている:1点)の5段階評価を行う(乙7の1・2,乙18)。 判定においては,各評定項目の点数の合計点により,被告の高齢再雇用社員としての適格性について,A(大いにある:25~23点),B(かなりある:22~18点),C(ある:17~13点),D(疑問がある:12~8点),E(ない:7~5点)の5段階評価を行う(乙7の1・2)。 その上で,主任面接者は面接者と十分な協議を行い,同様にAからEま での5段階で総合判定を行う(乙7の1・2,乙18)。 なお,被告の高齢再雇用制度における継続雇用基準において,直近2年間の人事評価結果のいずれかが80点未満である場合に,合格に必要 での5段階で総合判定を行う(乙7の1・2,乙18)。 なお,被告の高齢再雇用制度における継続雇用基準において,直近2年間の人事評価結果のいずれかが80点未満である場合に,合格に必要とされる「面接試験の評価が良好である場合」とは,C以上の判定を指し,直近2年間の人事評価結果がいずれも80点以上である場合に,合格に必要とされる「面接試験の評価が著しく低くない場合」とは,D以上の判定を指すものとされている(証人P9)。 (3)原告に対する選考試験の実施及び結果原告は,平成25年3月31日限りで定年退職が予定されていた者として,被告の平成25年度高齢再雇用社員選考試験に応募し,平成24年10月28日,被告のP10支社において,作文試験と面接試験を受験した。 上記選考試験の結果,原告の作文試験の評価は著しく低いものではなく,身体検査についても,従前の定期健康診断の結果,就業自体は可能と判定された。 他方で,原告の退職前2年間(平成22年度及び平成23年度)の勤務成績(人事評価結果)及び面接試験の評価については,被告において,後述のとおり判定された。そのため,原告は,200点満点で点数化した直近2年間(平成22年度及び平成23年度)の人事評価結果において80点未満が存在し,かつ,面接試験の評価が「良好」である場合に該当するC以上の判定に至らず,高齢再雇用社員就業規則(甲2)4条2項及び協約(乙2)88条3号所定の継続雇用基準を満たさない者として,上記選考試験において不合格と判定された。上記不合格の判定については,平成24年12月21日付け選考結果通知書(甲5)により,被告のP10支社長から原告に対して通知された。 ア退職前2年間(平成22年度及び平成23年度)の人事評価結果(乙5の1・2,乙10の1・2,乙17,証人 日付け選考結果通知書(甲5)により,被告のP10支社長から原告に対して通知された。 ア退職前2年間(平成22年度及び平成23年度)の人事評価結果(乙5の1・2,乙10の1・2,乙17,証人P11) 平成22年度の原告の人事評価結果は,業績評価及び職務行動評価を通じて,全ての評価項目がいずれも「○」とされており,これを附属覚書36条・別紙11所定の点数化の方法に従って点数化すると,合計100. 02点(3.75点×4+14.17点×6)となり,80点以上の点数となる。 これに対し,平成23年度の原告の人事評価結果は,業績評価のうち,「営業・業務実績」及び「業務プロセス」の2評価項目について「△」,その他の「お客様サービス」及び「人材開発」の2評価項目について「○」とされており,職務行動評価のうち,「顧客志向」の評価項目において「△」,その他の「自律志向」,「チームワーク」,「品質・生産性向上(業務改善)」,「指導育成」及び「倫理・規律」の5評価項目についていずれも「○」とされていた。これを附属覚書36条・別紙11所定の点数化の方法に従って点数化すると,合計78.35点((3.75点×2+0点×2)+(14.17点×5+0点×1))となり,80点未満の点数となる。 平成22年度と平成23年度の各人事評価結果の相違は,業績評価における「営業・業務実績」及び「業務プロセス」並びに職務行動評価における「顧客志向」の各評価項目における評価が,平成22年度における「○」から平成23年度において「△」に変更されたことに起因する。 なお,業績評価のうち,「営業・業務実績」及び「業務プロセス」の2評価項目における評価規準ごとの評価については,以下のとおりとなっている。すなわち,平成22年度の「営業・業務実績」においては,「担当 なお,業績評価のうち,「営業・業務実績」及び「業務プロセス」の2評価項目における評価規準ごとの評価については,以下のとおりとなっている。すなわち,平成22年度の「営業・業務実績」においては,「担当の仕事を迅速に処理し,求められる時間内に終了した。」(「◎」の評価規準の一つ)に該当する一方,「手空き時間等を利用して販売支援活動や他者の援助を行うことがなかった。」(「△」の評価基準の一つ)に該当するものとされていることから,協約8条2項,附属覚書1条2項,別紙1所定の方法によりこれらを総合して「○」との評価がされているところ,平成23年度 の「営業・業務実績」においては,「能率が劣り担当の仕事を超過勤務で処理したり,同僚等の援助を受けて処理した。」及び「手空き時間等を利用して販売支援活動や他者の援助を行うことがなかった。」(いずれも「△」の評価基準)に該当するものとされ,「◎」の評価基準において該当するものはないとされていることから,上記方法によりこれらを総合して「△」との評価がされている。また,平成22年度の「業務プロセス」においては,「定められたチェックや検査により事故等がなかった。」(「◎」の評価基準の一つ)に該当するものとされ,「△」の評価基準において該当するものはないとされていることから,上記方法によりこれらを総合して「○」との評価がされているところ,平成23年度の「業務プロセス」においては,「仕事の質を高める方法やしやすくする方法を提案することがなかった。」及び「関係書類や機器等の整備が悪かった。」(いずれも「△」の評価基準)に該当するものとされ,「◎」の評価基準において該当するものはないとされていることから,上記方法によりこれらを総合して「△」との評価がされている。また,職務行動評価のうち,「顧客志向」の評 価基準)に該当するものとされ,「◎」の評価基準において該当するものはないとされていることから,上記方法によりこれらを総合して「△」との評価がされている。また,職務行動評価のうち,「顧客志向」の評価項目における評価のための観察ポイントとしては,「接遇・マナー(挨拶,表情,身だしなみ,態度,言葉遣い)がきちんとしている。」,「適切な電話応対を行っている。」,「お客さまに迷惑をかけない,正確・迅速な事務処理を行っている。」,「お客さまからの日常的な問い合わせ,苦情等に対し,その内容に応じて的確に対応している。」,「自分だけでは解決できない顧客からの要望・指示・質問に対し,関連部門に要領よく伝達している。」及び「商品の販売,サービス提供に向けた的確なお客さまへの働きかけを行っている。」との事項が挙げられている。 イ面接試験の評価(乙7の1・2,乙11,18,証人P9)主任面接者及び面接者は,五つの評定項目のうち「協調性」,「積極性」及び「堅実性」について,いずれも「d(やや劣っている:2点)」と評価 し,「態度」について,いずれも「c(普通:3点)」と評価した。また,「表現力」の評定項目について,主任面接者は「d(やや劣っている:2点」と評価し,面接者は「c(普通:3点)」と評価した。 主任面接者の評定に基づいて点数を合計すると11点となり,面接者の評定に基づいて点数を合計すると12点となり,両者で協議を行った結果,いずれの点数によっても,被告の高齢再雇用社員としての適格性について「D(疑問がある)」と判定されることから,主任面接者の総合判定において「D(疑問がある)」と判定された。 (4)高齢再雇用制度に基づいて再雇用された場合の原告の賃金額原告の定年退職時(平成25年3月31日)において適用されていた基本給 任面接者の総合判定において「D(疑問がある)」と判定された。 (4)高齢再雇用制度に基づいて再雇用された場合の原告の賃金額原告の定年退職時(平成25年3月31日)において適用されていた基本給表及び職務の級は,一般職群基本給表及び3級であるところ(甲6),高齢再雇用社員就業規則(甲2)は,「(高齢再雇用)社員の給与については,高齢再雇用社員給与規程の定めるところによる。」と規定しており(45条),高齢再雇用社員給与規程(甲3)は,「高齢再雇用社員の基本給制度は,その職及び職種並びにこれらに対応する基本給表及び基本給の調整額により定める。」(4条),「高齢再雇用社員の職種は,別表第1『高齢再雇用社員職種分類表』に基づき,高齢再雇用社員の担当する職務内容により定める。」(5条1項)と規定するほか,高齢再雇用社員の基本給表(6条2項,別表第2)及び退職時に適用されていた基本給表及び職務の級の適用状況に応じて定められた新採用の高齢再雇用社員の基本給の号(7条1項,別表第3)を規定する。原告の定年退職時に適用されていた上記基本給表及び職務の級を上記各条文にあてはめた場合,原告が高齢再雇用社員として採用された場合の基本給表の号は6号となり,これに対応する基本給月額は22万1400円となる(高齢再雇用社員給与規程別表第2・第3)。また,高齢再雇用社員給与規程(甲3)30条は,「高齢再雇用社員の基本給は,毎月1回,その月の給与の支給日(以下「給与支給日」という。)にその月の月額の全額を支給する。」 (1項)及び「給与支給日は24日とする。」(2項)と規定する。 2 争点及び当事者の主張本件の争点は,被告の高齢再雇用制度に基づく再雇用契約の成否(原告が所定の継続雇用基準を満たしているか否か)であり,具体的には,①平成23年度の人 (2項)と規定する。 2 争点及び当事者の主張本件の争点は,被告の高齢再雇用制度に基づく再雇用契約の成否(原告が所定の継続雇用基準を満たしているか否か)であり,具体的には,①平成23年度の人事評価結果における業績評価のうち「営業・業務実績」及び「業務プロセス」並びに職務行動評価のうち「顧客志向」の各評価項目の評価,②面接試験の評価である。これらに関する当事者の主張は,以下のとおりである。 (1)原告の主張使用者が,過半数労働組合と書面による協定により,継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準を定め,当該基準に基づく制度を導入すれば,高年法9条1項2号所定の継続雇用制度を導入したものとみなされる。この場合,定年後継続雇用の申込みをした労働者が選定基準を満たすときは,使用者には継続雇用を承諾する義務が課せられており,これに反して不承諾とした場合には,解雇権濫用法理が類推適用され,不承諾は使用者の権利濫用に当たり,不承諾を当該労働者に主張することができない結果,継続雇用契約が成立したと扱われる。原告は,以下のとおり,選定基準を満たしているため,被告には再雇用する義務が課されており,解雇権濫用法理が類推適用されるところ,本件不採用は被告の権利濫用であって,再雇用契約が成立する。 ア平成23年度の人事評価について原告は,以下のとおり,平成23年度の人事評価において,少なくとも平成22年度と同様の評価を受けるべきものであり,これを点数化すれば,原告の直近2年間の人事評価結果は,いずれも80点以上(100点超)となる。 (ア)「営業・業務実績」について被告は,平成23年度の原告の人事評価における業績評価のうち,「営業・業務実績」の評価項目において,平成22年度の人事評価において 該当すると判断された「◎」の評価 務実績」について被告は,平成23年度の原告の人事評価における業績評価のうち,「営業・業務実績」の評価項目において,平成22年度の人事評価において 該当すると判断された「◎」の評価規準の一つである「担当の仕事を迅速に処理し,求められる時間内に終了した。」には該当せず,いずれも「△」の評価基準である「能率が劣り担当の仕事を超過勤務で処理したり,同僚等の援助を受けて処理した。」及び「手空き時間等を利用して販売支援活動や他者の援助を行うことがなかった。」に該当するものと判断している。しかしながら,原告は,平成23年度も,平成22年度と同様に,正社員として担当していた対面配達(速達,書留等を顧客に対面して配達する業務)及び配達後の事故処理(転送・還付)を勤務時間内に残すことなく処理し,残余の時間があれば,主として正社員以外が担当していた受箱配達(通常郵便物等を顧客に対面しないで配達する業務)における配達後の事故処理を手伝っていたものであり,「能率が劣り担当の仕事を超過勤務で処理したり,同僚等の援助を受けて処理した。」ものと認めるべき事実はなく,平成22年度と同様に,「◎」の評価規準の一つである「担当の仕事を迅速に処理し,求められる時間内に終了した。」に該当するものと評価されるべきである。また,「手空き時間等を利用して販売支援活動や他者の援助を行うことがなかった。」との評価についても,原告の営業実績は,平成22年度において「年賀はがき50枚,カタログ販売0個」であったものが,平成23年度においては「年賀はがき40枚,暑中・残暑見舞いはがき10枚,カタログ販売1個」と上昇していることや,原告のような集配係員については,営業専門社員とは異なり,営業活動や営業実績が評価上重視されていないことなどを考慮しないでなされた不当なもの いはがき10枚,カタログ販売1個」と上昇していることや,原告のような集配係員については,営業専門社員とは異なり,営業活動や営業実績が評価上重視されていないことなどを考慮しないでなされた不当なものである。したがって,原告は,平成23年度の「営業・業務実績」の評価項目において,平成22年度と同様の「〇」の評価がなされるべきものであり,これに反する被告の評価は,人事評価における裁量権の逸脱・濫用に該当する。 (イ)「業務プロセス」について 被告は,平成23年度の原告の人事評価における業績評価のうち,「営業・業務実績」の評価項目において,平成22年度の人事評価において該当すると判断された「◎」の評価規準の一つである「定められたチェックや検査により事故等がなかった。」には該当せず,いずれも「△」の評価基準である「仕事の質を高める方法やしやすくする方法を提案することがなかった。」及び「関係書類や機器等の整備が悪かった。」に該当するものと判断している。しかしながら,被告の主張する後述の返納印の押印忘れが,人事評価の際に考慮されるべき事務処理上の過誤に相当するほどのものとはいえないし,原告において仕事の質を高める方法等を提案することがなく,また,パソコン操作による配達原簿の現行化,転出入処理を行うことがなかったとの事情についても,職場において上記提案の制度が既に廃止あるいは形骸化しており,パソコン操作による上記一連の処理についても,原告の時間的余裕の欠如や,同処理について正社員全員が行うべきものとされていたわけではなく,パソコン操作のできる一部の者が行っていた旨の事情も存在するほか,そもそも上記一連の処理の有無が,書類や機器等の管理・保全の問題とは異なることにも照らし,これらを理由として「△」の評価をするのは,評価対象となら できる一部の者が行っていた旨の事情も存在するほか,そもそも上記一連の処理の有無が,書類や機器等の管理・保全の問題とは異なることにも照らし,これらを理由として「△」の評価をするのは,評価対象とならないことをあえて取り上げた不当な恣意的評価である。したがって,原告は,平成23年度の「業務プロセス」の評価項目において,平成22年度と同様の「〇」の評価がなされるべきものであり,これに反する被告の評価は,人事評価における裁量権の逸脱・濫用に該当する。 (ウ)「顧客志向」について被告は,平成23年度の原告の人事評価における職務行動評価のうち,「顧客志向」の評価項目において,平成22年度における「〇」の評価とは異なり,「△」の評価をしている。しかしながら,被告の主張する決められた配達時間に遅れることがあったとか,商品の販売等に向けた顧 客への働きかけをほとんどの場合行っていなかったとの事情については,昨今の人員削減による集配担当エリアの拡大,携帯端末機による入力作業等の手間の増大等による業務量の増加,日々の業務量の変動等の事情を考慮に入れない不当な低評価であるし,原告は,配達を優先させた上で,時間に余裕のあるときには,配達に際して被告の年賀はがき等の販売促進用のちらしを携帯し,配布するなどしていたものであり,評価の根拠となる各事情の程度についても,明確な数字上の根拠は存在しない。 したがって,原告は,平成23年度の「顧客志向」の評価項目において,平成22年度と同様の「〇」の評価がなされるべきものであり,これに反する被告の評価は,人事評価における裁量権の逸脱・濫用に該当する。 (エ)被告の人事評価制度の内容自体の不合理性前述の個別の評価項目における評価の不当性は,そもそも被告の人事評価制度の内容自体が,考慮要素や判断過程の面で における裁量権の逸脱・濫用に該当する。 (エ)被告の人事評価制度の内容自体の不合理性前述の個別の評価項目における評価の不当性は,そもそも被告の人事評価制度の内容自体が,考慮要素や判断過程の面で評価方法の一貫性を欠き,年度ごと,評価者ごとに恣意的に変動し得る評価を許す不合理なものであることに起因するものである。 イ面接試験の評価について被告の面接者らは,面接試験において,各受験者に対し,統一された内容ではないそれぞれ異なる恣意的な質問を発しており,原告についても,その再雇用を阻むために,誘導的な質問を発し,原告の回答を正確に聴取せず,恣意的に歪曲して捉えた上で,被告の高齢再雇用社員としての適格性に疑問がある旨の「D」判定を行ったものである。したがって,上記判定は不当であり,原告の面接試験の結果については,最低でも「C」判定がなされるべきものである。 (2)被告の主張原告主張の高齢再雇用制度に基づく再雇用契約の成立については争う。原告は,以下のとおり,高齢再雇用社員の継続雇用基準を満たさなかったもの であるから,原告に解雇権濫用法理が類推適用される余地はない。 ア平成23年度の人事評価について被告の原告に対する平成23年度の人事評価結果は,以下のとおり適正であり,この点に人事評価に係る裁量権の逸脱・濫用はないところ,上記評価結果を点数化すれば80点未満となる。 (ア)「営業・業務実績」について原告においては,平成22年度において,班内の調整により,郵便物数及び配達箇所数が多い受箱配達の指定がなくなり,担当の対面配達及び帰店後の郵便物等の処理について,勤務時間内にこれらを行うことができるようになったが,他の正社員が行っている通常郵便物の事故処理等は,仕事の能率が劣るため,ほとんどこれを行わないままで 対面配達及び帰店後の郵便物等の処理について,勤務時間内にこれらを行うことができるようになったが,他の正社員が行っている通常郵便物の事故処理等は,仕事の能率が劣るため,ほとんどこれを行わないままであり,平成23年度においても,同様の状況が続いていたことから,被告においては,原告につき,他の正社員の負担との公平をも考慮しつつ,平成23年度においては,平成22年度の人事評価において該当すると判断された「◎」の評価規準の一つである「担当の仕事を迅速に処理し,求められる時間内に終了した。」には該当せず,「△」の評価基準の一つである「能率が劣り担当の仕事を超過勤務で処理したり,同僚等の援助を受けて処理した。」に該当するものと判断した。なお,この点,原告は,平成22年度と比較して,平成23年度は仕事に対する意欲を失っており,作業の能率が目に見えて悪くなっていた。また,原告の販売実績は,平成22年度において「年賀はがき50枚,カタログ販売0個」,平成23年度において「年賀はがき40枚,暑中・残暑見舞いはがき10枚,カタログ販売1個」といずれも極めて低調であることから,被告においては,原告につき,上記各年度を通じて「△」の評価基準の一つであるである「手空き時間等を利用して販売支援活動や他者の援助を行うことがなかった。」に該当するものと判断した。この点,原告の業務内容には, 郵便物等の集配のみならず,郵便及びゆうパック等の普及及び利用勧奨といった営業活動も含まれており,実際に行った仕事における実績及び結果を対象とする業績評価において,上記販売実績が評価の対象に含まれることは当然である。 (イ)「業務プロセス」について原告については,平成23年度において,自転車の鍵,薄物・小物ゆうパック及び携帯端末機の返納時における帳簿への返納印 実績が評価の対象に含まれることは当然である。 (イ)「業務プロセス」について原告については,平成23年度において,自転車の鍵,薄物・小物ゆうパック及び携帯端末機の返納時における帳簿への返納印の押印忘れという,事務処理上本人の責めに帰することが明白な過誤が存在したほか,口頭や適宜の書面による提案は可能であるにもかかわらず,仕事の質を高める方法やしやすくする方法を提案することがなく,また,パソコン操作による配達原簿の現行化,転出入処理を行うことがなかったことから,被告においては,原告につき,平成22年度の人事評価において該当すると判断された「◎」の評価規準の一つである「定められたチェックや検査により事故等がなかった。」には該当せず,いずれも「△」の評価基準である「仕事の質を高める方法やしやすくする方法を提案することがなかった。」及び「関係書類や機器等の整備が悪かった。」に該当するものと判断した。 (ウ)「顧客志向」について被告は,平成23年度において,原告につき,商品の販売等に向けた顧客への働きかけをほとんどの場合行っていなかったことに加え,決められた配達時間に遅れることがあったこと等を総合考慮した上,平成22年度における「〇」評価とは異なり,「△」の評価をした。なお,この点,原告については,年賀はがき,暑中・残暑見舞いはがき等の販売促進のためのちらしの配布について,平成23年度においては,平成22年度と異なり,これを行わない状況が目立つようになっており,配達時間に遅れる状況についても,平成22年度より平成23年度の方が目立 つようになっていた。 (エ)原告の勤労意欲の低下等原告は,平成22年度と比べて,平成23年度においては勤労意欲が明らかに低下していたものであり,前述の人事評価結果は,上記実態を反映 つようになっていた。 (エ)原告の勤労意欲の低下等原告は,平成22年度と比べて,平成23年度においては勤労意欲が明らかに低下していたものであり,前述の人事評価結果は,上記実態を反映した妥当なものというべきである。原告においても,自らに対する平成23年度の人事評価結果について,就業規則(人事評価規程)に基づく被告に対する苦情相談や労働協約に基づく苦情申告を行っておらず,上記評価結果について納得していたものというべきである。 イ面接試験の評価について被告の高齢再雇用社員選考の面接試験は,受験者が引き続き被告の社員として勤務することに対する適格性があるかどうかを判断することを目的とし,その勤務経験や引き続き勤務することへの意思,意欲等を確認するものであるところ,各評定項目について判定できるものであれば,具体的な質問内容が同一である必要はなく,受験者の従事していた業務や勤務経験,勤務状況もそれぞれ異なる以上,質問内容も当然,異なる場合があり得るから(なお,面接者らは,面接時に,当該受験者の人事評価結果及びその点数そのものは把握していない。),これを理由として上記面接試験における判定の恣意性をいうのは失当である。また,被告の面接者らが,原告の再雇用を阻むために,誘導的な質問を発し,原告の回答を正確に聴取せず,恣意的に歪曲して捉えた旨の原告の主張は,事実に反するものであり,各評定項目における各面接者の評定及び総合判定「D」については,いずれも面接者の必要十分な質問に対する原告の具体的な回答内容に基づくものであり,その根拠及び判断過程に不当な点はない。 第3 当裁判所の判断 1 被告の高齢再雇用制度は,高年法9条2項所定の継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る継続雇用基準を定め,再雇用を希望する高年齢者のうち当該基 程に不当な点はない。 第3 当裁判所の判断 1 被告の高齢再雇用制度は,高年法9条2項所定の継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る継続雇用基準を定め,再雇用を希望する高年齢者のうち当該基 準を満たす者を再雇用する旨の制度として導入されていたものであり,上記高齢再雇用制度の具体的内容は,前記第2の1(2)及び(4)のとおりであるところ,被告は,原告が所定の継続雇用基準を満たしていないとして,原告を再雇用しなかったものである。この場合,原告において,作文試験の評価及び身体検査の結果が所定の継続雇用基準を満たしていること(前記第2の1(3)柱書)に加え,前記第2の2に記載の争点部分を除く平成22年度及び平成23年度の人事評価(前記第2の1(3)の一部内容)については,当事者間に争いがないところ,平成23年度の人事評価における争点とされた各評価項目に加え,面接試験の結果に対する当裁判所の事後的な評価によって,原告が上記継続雇用基準を満たしているものと判断される場合には,本件において,原被告間の従前の雇用契約が定年により終了したものとすることをやむを得ないものと認めるべき特段の事情はうかがわれない(この点に関する特段の主張立証はない。)以上,客観的に合理的な理由を欠き,社会通念上相当であると認められないものといわざるを得ない。したがって,この場合は,高年法の趣旨等に鑑み,原被告間において,原告の定年後も被告の高齢再雇用制度に基づき再雇用されたのと同様の雇用関係が存続しているとみるのが相当であり,その期限や賃金等の労働条件については,被告の高齢再雇用制度の定めに従うことになるものと解される(最高裁昭和45年(オ)第1175号同49年7月22日第一小法廷判決・民集28巻5号927頁,最高裁昭和56年(オ)第225号同61年12月 告の高齢再雇用制度の定めに従うことになるものと解される(最高裁昭和45年(オ)第1175号同49年7月22日第一小法廷判決・民集28巻5号927頁,最高裁昭和56年(オ)第225号同61年12月4日第一小法廷判決・裁判集民事149号209頁,最高裁平成23年(受)第1107号同24年11月29日第一小法廷判決・裁判集民事242号51頁参照)。 上記の場合,原被告間の雇用契約の期間は平成25年4月1日から1年間,賃金は月額22万1400円,締日・支払日は各月末日締め・当月24日払いとなるものと認められるが,上記雇用期間については,高齢再雇用社員就業規則(甲2)9条1項において,原則として満65歳に達した日以後における最 初の3月31日が到来したときまで更新される旨が規定されており,同項所定の不更新事由の存在もうかがわれないことから,平成25年4月1日から1年以上が経過した後の本件口頭弁論終結時においても,上記雇用関係が存続しているものと認めるのが相当である。 2 そこで,争点とされている平成23年度の人事評価における「営業・業務実績」,「業務プロセス」及び「顧客志向」の各評価項目の評価並びに面接試験の評価について検討するに,少なくとも「営業・業務実績」の評価項目については,以下のとおり,被告による「△」の評価が人事評価の裁量権の範囲を逸脱した不当なものであり,本来「○」と評価されるべきものと認められることから,上記人事評価の他の各評価項目の評価及び面接試験の評価に関する被告の主張を前提としても,平成23年度の人事評価結果を附属覚書36条・別紙11所定の点数化の方法に従って点数化した合計点は,80点以上の点数(82. 1点(3.75点×3+14.17点×5))となる。したがって,原告は,被告の高齢再雇用制度における所定の 覚書36条・別紙11所定の点数化の方法に従って点数化した合計点は,80点以上の点数(82. 1点(3.75点×3+14.17点×5))となる。したがって,原告は,被告の高齢再雇用制度における所定の継続雇用基準を満たしているものと認められる。 すなわち,関係証拠(甲24,乙10の1・2,乙17,証人P11,原告本人)及び弁論の全趣旨によれば,原告においては,平成22年度及び平成23年度を通じて,担当の対面配達業務(速達,書留等を顧客に対面して配達する業務)及び帰店後の郵便物等の処理業務(転送・還付)をおおむね勤務時間内に残すことなく処理していたが,所属班(22班)において,自らが担当していない受箱配達(通常郵便物等を顧客に対面しないで配達する業務)における配達後の郵便物等の処理業務(転送・還付)についてはほとんど行っておらず,原告のこのような業務遂行の状況は,上記2年間を通じて特段の変更はなかったものと認められるところ,当該業務遂行状況について,平成22年度の被告の人事評価においては,「営業・業務実績」の評価項目における「担当の仕事を迅速に処理し,求められる時間内に終了した。」(「◎」の評価基準の一 つ)に該当する一方,「手空き時間等を利用して販売支援活動や他者の援助を行うことがなかった」(「△」の評価基準の一つ)に該当するものされ,人事評価シート上,第一次評価者より「手空き時間を利用して他者への応援が不足していた」とのコメントが付されていたのに対し,平成23年度の被告の人事評価においては,「営業・業務実績」の評価項目における「担当の仕事を迅速に処理し,求められる時間内に終了した。」(「◎」の評価基準の一つ)には該当せず,「能率が劣り担当の仕事を超過勤務で処理したり,同僚等の援助を受けて処理した。」及び「手空き時間等を 担当の仕事を迅速に処理し,求められる時間内に終了した。」(「◎」の評価基準の一つ)には該当せず,「能率が劣り担当の仕事を超過勤務で処理したり,同僚等の援助を受けて処理した。」及び「手空き時間等を利用して販売支援活動や他者の援助を行うことがなかった」(いずれも「△」の評価基準)に該当するものと判断しており,当該評価の変更根拠について,被告からは,「営業・業務実績」の評価項目や,同評価項目における上記各評価基準の趣旨に照らして,十分合理的な主張立証があるとはいえない。この点,被告は,原告の業務実績や業務態度について,平成23年度においては平成22年度と比較して明らかな減退がみられた旨主張しており,平成23年度における原告の第二次評価を担当した当時の被告P4支店第四集配営業課担当課長であったP11においても,同旨の供述をしているが(乙17,証人P11),これらの主張・供述を裏付けるべき十分な証拠は存在しない。それに,原告において「能率が劣り」,「超過勤務で処理し」,あるいは「同僚等の援助を受けて処理した。」ものと認められる業務内容について,証人P11の供述は種々変遷して全体として不明瞭であるし,被告の主張自体にも変遷がみられるなど(原告担当の対面配達後の郵便物等の処理業務(転送・還付)か,あるいは受箱配達後に残存する郵便物等の処理業務(転送・還付)か。),当該評価の変遷を裏付けるべき十分な事実的,評価的根拠が存在するとはいえない。 以上によれば,平成23年度の人事評価における「営業・業務実績」の評価項目については,前述の各評価基準についての評価を含め,平成22年度と同様の評価をするのが相当であると認められる。 第4 結論以上によれば,原告の請求はいずれも理由があるからこれらを認容し,主文のとおり判決する。 なお, を含め,平成22年度と同様の評価をするのが相当であると認められる。 第4 結論 以上によれば,原告の請求はいずれも理由があるからこれらを認容し,主文のとおり判決する。 なお,仮執行免脱宣言については,相当でないからこれを付さない。 東京地方裁判所民事第11部 裁判官戸畑賢太

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