【DRY-RUN】主 文 本件上告を棄却する。 理 由 弁護人金森義徳の上告趣意一について。 記録によると、原審では、第一回ないし第三回公判(第三回は判決宣告)期日に ついて
主文 本件上告を棄却する。 理由 弁護人金森義徳の上告趣意一について。 記録によると、原審では、第一回ないし第三回公判(第三回は判決宣告)期日についてはいずれも予め一〇日以上前に被告人に対する召喚状及び弁護人に対する通知書を送付したのに被告人はいずれの公判期日にも前頭しなかつたが弁護人大橋一郎は第二回公判期日にのみ出廷したので裁判所は同期日に口頭弁論を開き同弁護人の控訴趣意書に基く弁論を聴いた上弁論を終結して第三回公判期日に判決を宣告したのであつて、以上の被告人及び弁護人の各不出頭が正当の事由によるものであることについては何らの疎明も提出されておらず、また、被告人を立会わせないで右口頭弁論を行うことについては弁護人において何らの異議がなかつたことも明らかである。そして第一審判決は、被告人が前に窃盗罪により懲役一年但し三年間執行猶予という判決を受け早くもその猶予期間満了の翌月より五回に本件窃盗をした事実を認定して被告人を懲役一年二月に処したのに対し、検察官より控訴なく、弁護人の控訴趣意は量刑不当のみを主張するに止まるものであることその他記録に現われた事情に照らすときは、原審で被告人に公判への出頭を命じたのは、原審が刑訴三九〇条但書に基き被告人の出頭をもつてその権利保護のため重要と認めたためでないことを知るに足るから、このような特別の場合でない一般の控訴審公判期日には被告人は必しも出頭することを要しないのであり(刑訴三九〇条)、また、必要弁護事件であつても判決宣告のためにのみ開く公判廷には必しも弁護人の立会を要するものではないこと当裁判所の判例(昭和二八年(あ)四四九二号同三〇年一月一一日第三小法廷判決、集九巻一号九頁)とするところであるから、前示のように被告人及び弁護人の出頭なくしてなされた 立会を要するものではないこと当裁判所の判例(昭和二八年(あ)四四九二号同三〇年一月一一日第三小法廷判決、集九巻一号九頁)とするところであるから、前示のように被告人及び弁護人の出頭なくしてなされた原審の審理判決及び宣告は違法ではない。 - 1 -また、憲法三七条一項にいわゆる「公平な裁判所の裁判」とは偏頗や不公平のおそれのない組織と構成をもつた裁判所による裁判を意味するものであること当裁判所の屡次の判例(昭和二二年(れ)四八号同二三年五月二六日大法廷判決参照)の趣旨とするところであり、今この判例を変更すべきものと考えられないから、右の点について原判決は憲法同条項に違反するものということはできない。論旨はなお弁護人不出頭のまま公判の審理をすることを非難して違憲をいうが前記のように原審公判においては弁護人は出廷しているのであるから所論は前提を欠き採用できない。 論旨はすべて採用できない。 同二について。 所論は単なる量刑不当の主張をいでず、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。 記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。 よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。 昭和三一年一二月二五日最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官垂水克己裁判官島保裁判官小林俊三裁判官本村善太郎- 2 -
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