平成17(わ)1100 道路交通法違反

裁判年月日・裁判所
平成18年7月20日 神戸地方裁判所
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判決文本文3,667 文字)

- 1 -主文被告人を罰金6万円に処する。 その罰金を完納することができないときは,金5000円を1日に換算した期間,被告人を労役場に留置する。 訴訟費用は被告人の負担とする。 理由 (犯罪事実)被告人は,平成17年4月18日午前11時28分ころ,公安委員会が道路標識により,その最高速度を40キロメートル毎時と指定した神戸市A区B通a丁目b番c号付近道路において,その最高速度を33キロメートル超える73キロメートル毎時の速度で普通乗用自動車を運転して進行した。 (証拠(括弧内の甲乙の表示及び番号は,証拠等関係カードの甲乙の符号)及び番号を示す。他の欄においても同じ)。 省略(補足説明) 弁護人は,被告人は判示の日時・場所において普通乗用自動車を運転して進行していたものの,その際の速度が時速73キロメートルであるとは認められないと主張し,被告人も弁護人の主張に沿う供述をしている。しかしながら,当裁判所は,判示のとおり認定したので,以下その理由について補足して説明することとする。 関係各証拠によれば,以下の事実が明らかである。 (1)兵庫県C警察署の警察官Dらは,平成17年4月18日午前11時19分ころから午後0時56分ころまでの間,判示の道路(以下「本件現場付近道路」という)において,本件現場付近道路の南側の車道に。 接する歩道の縁石上に取り付けた三脚上に設置したE株式会社製の○○- 2 -ー○○○○/○○形レーダスピードメータ(以下「本件速度測定装置」という)を投射角25度に設定して使用して,東方から西方に向け走。 行してくる車両について,速度違反の取締りを行った(以下,この取締りを「本件取締り」ということがある。 。)(2)本件当時,本件現場付近道路は,片側2車線の直線道路となっており,最高速度40キロの てくる車両について,速度違反の取締りを行った(以下,この取締りを「本件取締り」ということがある。 。)(2)本件当時,本件現場付近道路は,片側2車線の直線道路となっており,最高速度40キロの速度規制がされていた(なお,進行方向に向かって左側からそれぞれ「第1車線「第2車線」という。また,本件」,。)速度測定装置の設置地点から東方約100メートルには,信号機による交通整理が行われている交差点(以下「本件交差点」という)があっ。 た。 なお,本件速度測定装置は,いわゆるドップラー効果を利用して,送信した電波ビーム内を走行する車両に反射した電波を受信し,その周波数の変化から車両の速度を測定する装置であるが,本件当時,同装置は正常に作動していた。 (3)被告人は,判示の日時に,普通乗用自動車(以下「被告人運転車両」という)を運転して,本件現場付近道路を東方から西方に向けて。 走行していたが,Dが本件速度測定装置により被告人運転車両に向けて電波ビームを送信してその速度を測定したところ,時速73キロという測定結果(以下「本件測定結果」という)が出た。 。 (4)本件取締りにおいて停止係として従事した警察官Fは,速度違反車両の存在を知らせる警報音を聞き,まず第2車線上を走行していた車両を停止させた後に,被告人運転車両を停止させ,記録装置操作係の警察官に対しどちらの車両が違反車両なのか確認した。 検討(1)弁護人は,本件測定結果につき,被告人運転車両の速度をDが測定- 3 -した際に,第2車線上の2重又は3重のドップラー効果が発生しうる位置にFが停止させた車両又はその他の車両が走行していたため,被告人運転車両について実際の速度と異なる速度が測定された可能性を指摘する。 ,(2)そこで,被告人運転車両の速度を測定した際の うる位置にFが停止させた車両又はその他の車両が走行していたため,被告人運転車両について実際の速度と異なる速度が測定された可能性を指摘する。 ,(2)そこで,被告人運転車両の速度を測定した際の状況についてみるとDは「被告人運転車両の速度を測定した際には第2車線も含めてその,前後50メートルに他の車両はなかったので,記録装置操作係に『1車,白色,普通乗用,335,単独』と通報した『単独』とは,測定時に。 前後に他の車両がないという意味である」旨証言している。 。 関係各証拠によれば,①Dは,本件取締り時までに6年ほど現認測定係として従事した経験があること,②Dの測定位置から本件現場付近道路の道路状況が明確に視認できること,③本件速度測定装置の操作説明書には,投射角25度の場合には電波を発射し50メートル以内に他車がいないことを確認する旨記載されており,Dもその記載に従った測定をした旨明言していること,④被告人運転車両の速度を測定したのは本件取締り開始から約10分後である上に,それまでに既に2件の速度違反を検挙していたことに徴すると,誤測定のおそれのある車両を後日の紛糾の可能性を押してまであえて検挙しなければならない必要性があったとは解されないこと,⑤「速度取締用通報記録紙」の走行状況欄には「単独」という記載や,速度測定カードのうち記録装置操作係の警察官が作成した部分には「①白フジ 単独」との記載があり,それらの記載はその筆跡などに照らしてDの証言を裏付けていることが認められ,これらを考え併せると,上記D証言には高度の信用性を認めることができる。 (3)これに対し,被告人は「本件現場道路付近の第2車線上は,車両が,- 4 -渋滞していた」旨公判廷において供述する。しかしながら,被告人の。 公判供述は上記のとおり信 認めることができる。 (3)これに対し,被告人は「本件現場道路付近の第2車線上は,車両が,- 4 -渋滞していた」旨公判廷において供述する。しかしながら,被告人の。 公判供述は上記のとおり信用できるD証言に反するばかりか,被告人が供述するように第2車線が渋滞しているような状況にあったのであれば,上記認定のとおりFが速度違反を犯した可能性のある車両であるかもしれないとして第2車線を走行している車両を停止させるという行動に出るとは考え難いから,上記の被告人の公判供述は信用性に乏しいというべきである。 また,被告人は「本件交差点の手前で警察官が何らかの取締りをし,ているのに気付いたので,制限速度を超過して進行したことはない」旨公判廷において供述している。しかしながら,①既に指摘したとおり第2車線が渋滞していたという被告人の公判供述の重要部分が信用できないことに加え,②速度制限違反の事実を認める旨記載された交通事件原票の供述書欄に被告人が署名指印していること,③被告人の母親も被告人運転車両が速度を出していなかった旨証言しているが,その証言は特段の根拠を示すことのない感覚的なものにすぎない上に,被告人との関係も考慮すると,その証言に被告人の供述を裏付けるだけの証拠価値があるとは解されないことに照らして,この点に関する被告人の公判供述も信用することはできない。 なお,被告人は,交通事件原票の供述書欄に署名指印したことにつき「当初から速度超過はしていないと主張していたが,事実と異なっ,ていても署名等をしなければならないと警察官に言われたため,交通,事件原票に署名指印した」旨公判廷において供述する。しかしながら①交通事件原票の作成に従事した警察官Gは,被告人が供述するようなことは述べていない旨明確に証言しているところ,本件測定結果が 通,事件原票に署名指印した」旨公判廷において供述する。しかしながら①交通事件原票の作成に従事した警察官Gは,被告人が供述するようなことは述べていない旨明確に証言しているところ,本件測定結果が出ていたのであるから,警察官においてあえて被告人をだましてまで- 5 -署名指印させる必要性があったとは考え難いこと,②被告人は過去に交通事件原票に署名指印した経験があるのであるから,被告人が供述するところのGの説明をそのまま信じたというのも直ちには納得し難いことに鑑みると,被告人の供述は信用できない。 (4)以上のとおり信用できるD証言によれば,弁護人が主張する2重,3重のドップラー効果を発生させるような車両は本件測定時に存在しなかったと認められ,その他に本件測定結果の正確性に疑いを生じさせるような事情の存在は証拠上窺えないから,判示の日時・場所において,被告人が時速73キロで普通乗用自動車を運転していたと認めることができる。そして,被告人は検察官に対し本件道路の制限速度は時速40キロメートルくらいであると思っていた旨供述しており,その制限速度を超過していたことは自己の運転操作を通じて五官の作用により感得していたと十分推認できるから,判示のとおりの制限速度違反の事実を認定することができる。 (法令の適用)省略平成18年7月20日神戸地方裁判所第1刑事部裁判官西野吾一

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