平成26年2月6日判決言渡同日原本領収裁判所書記官平成24年(ワ)第5664号特許権侵害差止等請求事件口頭弁論の終結の日平成25年12月5日判決岐阜県下呂市<以下略>原告有限会社金山化成岐阜県美濃加茂市<以下略>原告日本ポリ鉢販売株式会社上記両名訴訟代理人弁護士櫻林正己同訴訟代理人弁理士兼子直久岐阜県美濃市<以下略>被告株式会社東海化成同訴訟代理人弁護士後藤昌弘川岸弘樹鈴木智子古谷 渉同訴訟代理人弁理士廣江武典西尾 務服部素明主文原告らの請求をいずれも棄却する。 訴訟費用は原告らの負担とする。 事実 及び理由第1 請求 1 被告は,別紙物件目録記載1ないし6の育苗ポットを製造,販売してはならない。 2 被告は,別紙物件目録記載1ないし6の育苗ポット及びその製造のための金型を廃棄せよ。 3 被告は,原告らに対し,それぞれ7770万円及びこれに対する訴状送達の日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要本件は,育苗ポットに関する特許権を共有する原告らが,被告が製造,販売する育苗ポットは原告らの特許権の特許発明の技術的範囲に属すると主張して,被告に対し,特許法100条に基づき,育苗ポットの製造販売の差止め並びに育苗ポ する特許権を共有する原告らが,被告が製造,販売する育苗ポットは原告らの特許権の特許発明の技術的範囲に属すると主張して,被告に対し,特許法100条に基づき,育苗ポットの製造販売の差止め並びに育苗ポット及びその製造のための金型の廃棄を求め,民法709条に基づき,それぞれ損害金7770万円及びこれに対する訴状送達の日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 1 前提事実(当事者間に争いがないか,後掲の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認めることができる事実) 原告らの特許権ア原告らは,発明の名称を「育苗ポット及び表示板付育苗ポット」とする特許権(特許第3860176号。以下「本件特許権」といい,この特許を「本件特許」という。)を有している。本件特許は,平成16年2月25日にした原出願(特願2004-49086号)から,平成16年3月26日に分割出願されたものであり,願書に添付した明細書及び特許請求の範囲についての平成18年3月22日付手続補正書による補正(以下「本件補正」という。)を経て,同年9月29日に特許権の設定の登録がされた。本件補正は,本判決添付の公開特許公報の該当項のとおり記載されていた願書に最初に添付した明細書(以下「当初明細書」という。)及び特許請求の範囲(以下「当初特許請求の範囲」という。)を本判決添付の特許公報の該当項のとおり補正するというものである。 (甲2,乙5,12) イ被告は,平成24年4月11日,本件特許(請求項4及び7)に対し,特許無効審判を請求し,原告らは,同事件の係属中の平成25年4月22日,特許請求の範囲の減縮又は明瞭でない記載の釈明を目的として,願書に添付した明細書(以下「本件明細書」という。)及び特許請求の範囲の 無効審判を請求し,原告らは,同事件の係属中の平成25年4月22日,特許請求の範囲の減縮又は明瞭でない記載の釈明を目的として,願書に添付した明細書(以下「本件明細書」という。)及び特許請求の範囲の訂正(以下,この訂正を「本件訂正」という。)の請求をした。本件訂正は,特許請求の範囲の請求項4を削除し,本判決添付の特許公報の該当項のとおり記載されていた請求項7を別紙「本件訂正後の請求項7の記載」(訂正部分に下線を付す。)のとおり訂正するという内容を含むものである。 (甲19の1の1ないし3,19の2,乙1)ウ特許庁は,平成25年6月19日,上記事件について,本件訂正を認めるとした上,請求項7に係る本件特許を無効とするとの審決をした。原告らは,上記審決のうち,請求項7に係る本件特許を無効とする部分を不服として,知的財産高等裁判所にその取消しを求める訴え(同裁判所平成25年(行ケ)第10201号)を提起した。 (甲21ないし23,乙21) 原告らの発明本件訂正前の特許請求の範囲の請求項7の記載は,本判決添付の特許公報の該当項記載のとおりであり(以下,この請求項7に係る発明を「本件発明」という。),本件訂正後のそれは,別紙「本件訂正後の請求項7の記載」のとおりである(以下,本件訂正後の請求項7に係る発明を「本件訂正発明」という。)。 被告の行為被告は,平成18年9月30日以降,業として,別紙物件目録記載1ないし6の育苗ポット(以下,それぞれを目録の番号に従い「被告製品1」のようにいい,併せて「被告各製品」という。)を製造,販売している。 被告各製品の構成被告各製品の構成は,それぞれ別紙被告製品1説明書,被告製品2説明書,被告製品3説明書,被告製品4説明書,被告 「被告各製品」という。)を製造,販売している。 被告各製品の構成被告各製品の構成は,それぞれ別紙被告製品1説明書,被告製品2説明書,被告製品3説明書,被告製品4説明書,被告製品5説明書及び被告製品6説明書記載のとおりである。 構成要件充足性ア本件発明等の構成要件の分説 本件発明本件発明を構成要件に分説すると,次のとおりである(以下,それぞれの符号に従い「構成要件A」のようにいう。)。 A 底壁と,その底壁の縁部から上方に向かって立設する側壁と,その側壁と前記底壁とで囲まれる空間であって苗や培土を収納する収納空間と,その収納空間に培土や苗を入れるために前記側壁の上縁部により形成される開口面とを備えた育苗ポットにおいて,B 前記側壁は平面視多角形に形成されており,その多角形に形成された側壁の少なくとも1の面は,前記底壁側の側壁面が前記上縁部側の側壁面に対して段差部を有して前記収納空間側へ窪んで形成されており,C その段差部は,前記収納空間に前記培土を収納した場合にその培土によって埋没した状態となる位置に形成され,D その段差部の前記開口面を臨む部分に開口され,前記収納空間に収納される苗に関する情報が表示された表示板を差込む差込み口を有し,E その差込み口は,前記多角形に形成された側壁の1の面における周方向の略中央部に形成されていることを特徴とするG 育苗ポット。 本件訂正発明本件訂正発明を構成要件に分説すると,次のとおりである(以下,下 記E’を「構成要件E’」と,同Fを「構成要件F」という。)。 AないしD 本件発明の構成要件AないしDと同じ。 本件訂正発明を構成要件に分説すると,次のとおりである(以下,下 記E’を「構成要件E’」と,同Fを「構成要件F」という。)。 AないしD 本件発明の構成要件AないしDと同じ。 E’その差込み口は,前記多角形に形成された側壁の1の面における周方向の略中央部に形成され,F 前記段差部は,少なくともその差込み口が開口されている部分に形成されていることを特徴とするG 本件発明の構成要件Gと同じ。 イ本件発明等と被告各製品との対比被告各製品は,いずれも,本件発明の構成要件A,CないしE及びGを充足し,本件訂正発明の構成要件A,C,D,E’,F及びGを充足する。 2 争点 被告各製品が本件発明及び本件訂正発明の技術的範囲に属するか否か,すなわち,被告各製品が構成要件Bを充足するか否か(争点1) 本件発明に係る特許が特許無効審判により無効にされるべきものと認められるか否か,すなわち,本件補正における請求項7の補正が新規事項の追加に当たるか否か(争点2) 3 争点に関する当事者の主張 争点1(被告各製品が構成要件Bを充足するか否か)について(原告ら)ア被告各製品は,いずれも,側壁2は平面視四角形に形成されていて,上方に位置する上方側壁21と,その上方側壁21の下端全周から内方に屈曲する段差側壁22と,その段差側壁22と底壁1とに接続され下方に位置する下方側壁23とによって構成されており,その結果,側壁2は,底壁1側の側壁面(下方側壁23)が上縁部側の側壁面(上方側壁21)に対して,段差側壁22を境として,苗Bや培土Nを収納する空間側へ窪んで形成されているから,構成要件Bを充足する。 イ 「窪む」とは,国語的にも技術用語とし 側の側壁面(上方側壁21)に対して,段差側壁22を境として,苗Bや培土Nを収納する空間側へ窪んで形成されているから,構成要件Bを充足する。 イ 「窪む」とは,国語的にも技術用語としても,「落ち込んで低くなる」という意味である。本件明細書の発明の詳細な説明の段落【0032】及び【0035】は,本件発明が,差込み口が開口される段差部を培土によって埋没した状態となる位置に形成することで,表示板を育苗ポットに対して略直立した状態で固定することができるという効果を有することにつき記載しており,段落【0050】ないし【0053】及び【0082】は,第1凹部7は差込み口9を設ける部位としての機能と苗Nの根巻き防止機能とを有するが,第1凹部7には苗Nの根を底壁3側に導く機能を持たせず,差込み口9を設けるための部位としての機能だけを持たせるようにしても良い旨を記載しているから,本件発明の技術的意義は,差込み口9が開口される周方向に延びる次の説明図(当初図面の【図6】に説明を加えたもの。以下「本件説明図」という。)の横壁A(段差部)を培土によって埋没した状態となる位置に形成することにあり,上下に延びる本件説明図の縦壁B及びCに技術的意義はない。すなわち,本件発明は,収納空間側に窪んだ部分(段差部)に差込み口を形成するという技術的思想を開示するものである。 これらからすれば,構成要件Bの「窪んで形成され」とは,単に「落ち込んで低くなる」ことを意味するところ,被告各製品の下方側壁23が,上方側壁21に対して窪んで形成されていることは明らかである。 また,差込み口が開口されている部分以外の部分に段差部を連続して形成するか否かは,本件発明及び本件訂正発明の作用効果と全く無関係の事項であって,発明特定事項ではないから,「段 かである。 また,差込み口が開口されている部分以外の部分に段差部を連続して形成するか否かは,本件発明及び本件訂正発明の作用効果と全く無関係の事項であって,発明特定事項ではないから,「段差部」を側壁の水平方向に一定の幅を有するものと限定して解釈すべき理由もない。 (被告)ア原告らが上記(原告ら)アで主張する被告各製品の構成のうち,「窪んで形成されている」との点は否認し,その余は認める。 イ 「窪む」とは,一部分が落ち込んで低くなること,周りに比べてそこだけが低く落ち込むことを意味するから,構成要件Bの「窪んで形成され」とは,少なくとも3つの立壁に囲まれた底面が基準面に対してそこだけ低くなっている構成を意味する。しかるに,被告各製品は,「上方に位置する大径の上方側壁21と,下方に位置する小径の下方側壁23とが段差部(段差)22を介して接続された形態をなす」というべきものであり,窪んで形成されているものではない。また,本件発明及び本件訂正発明の「段差部」は,側壁の水平方向に一定の幅を有するものと限定して解釈すべきである。しかるに,被告各製品の段差側壁22は,全周に形成されているものであって,一定の幅を有するものではない。 したがって,被告各製品は,構成要件Bを充足しない。 争点2(本件補正における請求項7の補正が新規事項の追加に当たるか否か)について(被告)ア当初明細書,当初特許請求の範囲及び願書に最初に添付した図面(以下横壁A縦壁B縦壁C 「当初図面」といい,これらを併せて「当初明細書等」という。)に「段差部」の語は一切使用されず,本件発明の「段差部」に相当すると思われる第1凹部につ した図面(以下横壁A縦壁B縦壁C 「当初図面」といい,これらを併せて「当初明細書等」という。)に「段差部」の語は一切使用されず,本件発明の「段差部」に相当すると思われる第1凹部について,側壁の全周にわたるものや一つの側壁の全幅にわたるものの記載はなく,側壁の水平方向における幅よりも狭い一定の幅を有するものの記載しかない。すなわち,当初明細書の発明の詳細な説明の段落【0013】,【0014】,【0028】,【0030】,【0049】,【0081】,【0087】及び【0088】が,第1凹部の形状について,帯状に延びて形成されるものとし,段落【0016】,【0021】,【0033】,【0038】,【0052】,【0090】及び【0095】が,第1凹部7と第2凹部8の間又は複数の第1凹部7について,側壁の全周を略等分するように配置されるものとしていることなどからして,当初明細書には,第1凹部について,側壁水平方向における幅よりも短い幅で,差込み口の長さと同一の幅のものしか記載がないし,当初図面も,【図2】及び【図5】に第1凹部7の外側に側壁外形線が明確に実線で図示されているように,側壁の水平方向に一定の幅を有し,かつ,底壁側まで達する帯状のものしか開示していない。また,当初明細書等に,差込み口を設ける位置に選択の余地のない第1凹部しか記載がなく,略中央部に差込み口を設けることについての記載はない。 しかるに,第1凹部7を「段差部」として側壁の水平方向に無限定なものまで拡張すると,差込み口9を設けるための部位としての機能しか有しなかった第1凹部7が,差込み口9を設けない部位としての機能をも有することとなり,目印などがなくとも,表示板を育苗ポットに挿入する場合に誤差込みに気付く,すなわち,表示板を側壁の差込み口に しか有しなかった第1凹部7が,差込み口9を設けない部位としての機能をも有することとなり,目印などがなくとも,表示板を育苗ポットに挿入する場合に誤差込みに気付く,すなわち,表示板を側壁の差込み口に差し込むに当たり,その位置が多少ずれているときには,差込み口が形成されていない部分に当たってそれ以上差し込めないために,表示板を正しい位置へ差し込むことができるという新たな作用効果ないし技術的事項を導入すること になり,第三者に不測の損害を与える。 したがって,本件補正のうち,請求項7の補正は,当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものではなく,新規事項の追加に当たる。 イ当初明細書等は,表示板を差し込む孔の位置を把握するのが困難であるとの課題を解決する手段として,第1凹部が目印としての機能を果たすことを前提としているが,第1凹部に育苗ポットの全周に段差部が形成されたものが含まれるとすると,差込み口の周方向(水平方向)の位置を把握することができず,第1凹部が目印としての機能を果たさなくなってしまう。また,当初明細書の発明の詳細な説明の段落【0082】には,第1凹部が目印としての機能を果たさなくてもよいとの記載も示唆もないから,当初明細書等に接した当業者が段落【0082】の記載から第1凹部につき想定するのは,飽くまでも目印機能を果たし得る凹部,例えばえくぼ的に窪んだ凹部である。そして,差込み口の位置を外部から把握するための目印は,表示板が育苗ポットに対して上から下に略垂直方向に挿入されるものである以上,差込み口の高さというよりは,水平方向の位置が分かるようにする点にこそ重要な意義があり,当初明細書等にも第1凹部が高さ方向のみの目印を果たす旨を示唆する記載はない。そうであるから,当初明細書等における第1凹部を というよりは,水平方向の位置が分かるようにする点にこそ重要な意義があり,当初明細書等にも第1凹部が高さ方向のみの目印を果たす旨を示唆する記載はない。そうであるから,当初明細書等における第1凹部をもって,水平方向の位置決め機能を排除した段差部まで開示されているとはいえず,当初明細書等に接した当業者が,第1凹部から「段差部」のみを抽出して育苗ポットの全周に段差部が形成されたものや一つの側壁の全幅にわたって段差部が形成されたものを想定することはない。 なお,段落【0083】には,第1凹部7とは別に目印を必要とする場合についての記載があるが,これは,他の段落と同様の形状を有する第1凹部が,側壁の外部から窪むのではなく内面から突出するという形成方法の違いにより,本来は目印としての機能を果たすべき第1凹部7自体が外 部から視認することができなくなってしまう場合には,差込み口9の位置を把握することができないため,例外的に,側壁4の外面に差込み口9の位置を示す目印を別に設ける必要があることを記載するものであるに過ぎず,第1凹部7自体を外部から視認することができる場合には,これとは別に目印を設ける必要がないから,このような場合にまで別に目印を設けることを当業者が想定することはない。 (原告ら)ア当初明細書の発明の詳細な説明の段落【0049】及び当初図面の【図2】及び【図5】には,側壁4に形成された他の側壁4の外面よりも収納空間5側に窪んだ段差部が記載,図示されている。 イ当初明細書の発明の詳細な説明の段落【0050】ないし【0053】には,第1凹部7について,差込み口9を設ける部位としての機能と苗Nの根巻き防止機能とを有するとの記載があるが,段落【0082】には,第1凹部7には,苗Nの根を底壁3側に 050】ないし【0053】には,第1凹部7について,差込み口9を設ける部位としての機能と苗Nの根巻き防止機能とを有するとの記載があるが,段落【0082】には,第1凹部7には,苗Nの根を底壁3側に導く機能を持たせず,差込み口9を設けるための部位としての機能だけを持たせるようにしてもよく,かかる場合,第1凹部7は,帯状に形成する必要はなく,例えば,えくぼ的に収納空間5側に窪むように形成してもよいとの記載があるところ,当初明細書の発明の詳細な説明に記載された発明項1及び2は,段落【0043】ないし【0079】に記載された実施例を上位概念化した技術思想であり,発明項1の第1凹部は,段落【0086】,【0026】及び【0027】に差込み口のある凹部であることのみが記載されているから,必ずしも底壁側に向かって帯状に形成された根巻き防止の効果を有するものではないのに対し,発明項2の第1凹部は,段落【0087】,【0028】及び【0029】の記載のとおり,底壁側に向かって帯状に形成されたものであって,根巻き防止の効果を有するものである。これらからすれば,当初明細書は,第1凹部について,差込み口を設ける段差部と根巻き防止機能 を果たす縦壁とを別個の技術的構成要素として把握し,かつ,差込み口を設ける段差部を第1凹部から切り離された単独の構成として記載しているということができる。そして,育苗ポットの側面において縦壁が根巻き防止機能を果たすことは,本件特許の出願時において当業者にとって周知の技術的事項であり,2段以上の複数段に形成された育苗ポットは周知であるから,当初明細書の発明の詳細な説明の段落【0082】の記載に接した当業者にとって,段差部(本件説明図の横壁A)を,根巻き防止機能を有する縦壁(同じく縦壁B及びC)を伴わずに形成すること,すな あるから,当初明細書の発明の詳細な説明の段落【0082】の記載に接した当業者にとって,段差部(本件説明図の横壁A)を,根巻き防止機能を有する縦壁(同じく縦壁B及びC)を伴わずに形成すること,すなわち,「第1凹部の横壁Aを縦壁B及びCを伴わずに側壁の全周に連続的に形成したり,一つの側壁の全幅にわたって形成したりする」という技術的事項は,自明の技術的事項に属するものであり,結局,側壁の全周や側壁の幅全体に段差部を形成した育苗ポットは,当初明細書等に記載されているのと同視することができるのである。 ウさらに,当初明細書の発明の詳細な説明の段落【0055】,【0068】及び【0071】には,「培土に埋没する位置に第1凹部を形成し,その第1凹部の開口面を臨む部分に差込み口を開口することで,表示板を育苗ポットに対して略直立した状態で固定することができる」という技術的事項(以下「技術的事項1」という。)が記載されている。そして,段落【0052】及び当初図面の【図2】には,側壁4が平面視多角形に形成され,その側壁4の1の面における周方向の略中央部に差込み口9が開口されていることが記載されているところ,このことは,本件特許出願時の当業者にとって,周知の技術的事項であり,技術常識であったから,当初明細書には,「側壁を平面視多角形に形成し,その側壁の1の面における周方向の略中央部に差込み口を開口することで,表示板を取り付けるための位置を外部から容易に把握することができる」という技術的事項(以下「技術的事項2」という。)が記載されているということができる。 また,第1凹部7は,横壁Aと縦壁B及びCをもって特定されるが,当初明細書等において,第1凹部は,段差部を一つの側壁の一部に形成する場合の実施例に過ぎず,第1凹部を構成す る。 また,第1凹部7は,横壁Aと縦壁B及びCをもって特定されるが,当初明細書等において,第1凹部は,段差部を一つの側壁の一部に形成する場合の実施例に過ぎず,第1凹部を構成する縦壁B及びCは,技術的事項1に関して表示板を育苗ポットに対して略直立した状態で固定するのにも,技術的事項2に関して表示板を取り付けるための位置を外部から容易に把握するのにも,何ら作用しておらず,これらの技術的事項とは無関係である上,2段以上の複数段に形成された育苗ポットが周知であるから,技術的事項1及び2と当初明細書の発明の詳細な説明の段落【0080】の「本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能である」との記載に接した当業者は,第1凹部の横壁Aを縦壁B及びCを伴わずに側壁の全周に連続的に形成したり,一つの側壁の全幅にわたって形成したりするという技術的事項を自明のものとして把握することができ,結局,側壁の全周や側壁の幅全体に段差を形成した育苗ポットは,当初明細書に記載されているのと同視することができる。 エしたがって,本件補正のうち請求項7の補正は,当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであって,新たな技術的事項を導入するものではなく,新規事項の追加に当たらない。 第3 当裁判所の判断 1 争点1(被告各製品が構成要件Bを充足するか否か)について 被告各製品は,いずれも,側壁2は平面視四角形に形成されていて,上方に位置する上方側壁21と,その上方側壁21の下端全周から内方に屈曲する段差側壁22と,その段差側壁22と底壁1とに接続され下方に位置する下方側壁23とによって構成されているところ,これによれば,下方側壁23の4つの各面が,段差側壁22を介して,上方側壁21の面よりも苗Bや培土Nを収納す 差側壁22と底壁1とに接続され下方に位置する下方側壁23とによって構成されているところ,これによれば,下方側壁23の4つの各面が,段差側壁22を介して,上方側壁21の面よりも苗Bや培土Nを収納する空間側に落ち込んで低くなっていると認められる。 そして,証拠(甲5ないし9,乙7ないし9)によれば,「窪む」とは, 「一部分が落ち込んで低くなる」,「周囲より低く落ち込む」との意味であると認められるところ,被告各製品は,上記のとおり,側壁2を構成する下方側壁23の4つの各面が,同じく側壁2を構成する上方側壁21よりも苗Bや培土Nを収納する空間側に落ち込んで低くなっているから,下方側壁23が上方側壁21に対して段差部22を有して収納空間側へ窪んで形成されていると認められる。 したがって,被告各製品は,「前記側壁は平面視多角形に形成されており,その多角形に形成された側壁の少なくとも1の面は,前記底壁側の側壁面が前記上縁部側の側壁面に対して段差部を有して前記収納空間側へ窪んで形成されて」いるから,本件発明及び本件訂正発明の構成要件Bを充足する。 ア被告は,構成要件Bの「窪んで形成され」とは,少なくとも3つの立壁に囲まれた底面が基準面に対してそこだけ低くなっている構成を意味するから,被告各製品の下方側壁23は,上方側壁21に対して段差部を有して窪んで形成されているとはいえないと主張するが,少なくとも3つの立壁に囲まれた底面が基準面に対してそこだけ低くなっているのでなければ,「周囲より低く落ち込む」ということができないわけではないのであるから,被告の上記主張は,採用することができない。 イまた,被告は,本件発明及び本件訂正発明の「段差部」を,側壁の水平方向に一定の幅を有するものと限定して解釈すべきであると主 はないのであるから,被告の上記主張は,採用することができない。 イまた,被告は,本件発明及び本件訂正発明の「段差部」を,側壁の水平方向に一定の幅を有するものと限定して解釈すべきであると主張する。 しかしながら,証拠(甲2,19の1ないし3,乙21)によれば,本件発明に係る請求項7は,「前記底壁側の側壁面が前記上縁部側の側壁面に対して段差部を有して前記収納空間側へ窪んで形成されており」,「その段差部は,前記収納空間に前記培土を収納した場合にその培土によって埋没した状態となる位置に形成され」,「その段差部の前記開口面を臨む部分に開口され,前記収納空間に収納される苗に関する情報が表示された表示板を差込む差込み口を有し,その差込み口は,前記多角形に形成され た側壁の1の面における周方向の略中央部に形成され」として規定し,本件訂正発明に係る請求項7も,これらのほか,「前記段差部は,少なくともその差込み口が開口されている部分に形成されている」と規定していることが認められるところ,いずれにあっても,特許請求の範囲に,段差部を水平方向に一定の幅を有するものと限定して解釈すべきことを根拠付ける記載はない。また,証拠(甲2)によれば,本件明細書の発明の詳細な説明には,段落【0018】に,段差部について上記と同様の記載があるのみであり,段落【0035】に,本件発明の効果に関し,「請求項7記載の育苗ポットによれば,差込み口が開口されている段差部は,収納空間に培土を収納した場合に,その培土によって埋没した状態となる位置に設けられているので,差込み口に差込まれた表示板は,側壁の内面と培土とによって挟まれた状態とされる。よって,表示板を育苗ポットに対して略直立した状態で固定することができるという効果がある。また,側壁は平面視多角形 で,差込み口に差込まれた表示板は,側壁の内面と培土とによって挟まれた状態とされる。よって,表示板を育苗ポットに対して略直立した状態で固定することができるという効果がある。また,側壁は平面視多角形に形成されており,差込み口はその多角形に形成された側壁の1の面における周方向の略中央部に形成されているので,収納空間に培土を収納し,差込み口が培土に埋もれ,開口面から差込み口の位置を把握することができなくなったとしても,育苗ポットの側壁側から差込み口の位置を把握することができるという効果がある。」と記載されていることが認められるが,ここに記載された効果を得るために,段差部が水平方向の一定の幅を有するものである必要があるとは認められない。その他,本件明細書や本件図面に「段差部」を限定して解釈すべき根拠を見出すことはできない。 被告の上記主張は,採用することができない。 2 争点2(本件補正における請求項7の補正が新規事項の追加に当たるか否か)についてア本件発明の「段差部」は,多角形に形成された側壁の少なくとも1の面 において,底壁側の側壁面が上縁部側の側壁面に対して収納空間側へ窪んで形成されるに当たり,底壁側の側壁面と上縁部側の側壁面との間に存在し(構成要件B),収納空間に培土を収納した場合にその培土によって埋没した状態となる位置に形成され(構成要件C),開口面を臨む部分に開口され,収納空間に収納される苗に関する情報が表示された表示板を差込む差込み口を有するもの(構成要件D)である。 ところで,証拠(甲4)によれば,当初明細書等には「段差部」という語は用いられていないことが認められるほか,当初明細書の発明の詳細な説明には,「この目的を達成するために発明項1記載の育苗ポットは,底壁と,その底壁の縁部 によれば,当初明細書等には「段差部」という語は用いられていないことが認められるほか,当初明細書の発明の詳細な説明には,「この目的を達成するために発明項1記載の育苗ポットは,底壁と,その底壁の縁部から上方に向かって立設する側壁と,その側壁と前記底壁とで囲まれる空間であって苗や培土を収納する収納空間と,その収納空間に培土や苗を入れるために前記側壁の上縁部により形成される開口面と,前記側壁の一部であって,前記側壁の上縁部との間に所定間隔を開けた部分に他の側壁の外面よりも前記収納空間側に窪む第1凹部と,その第1凹部の前記開口面を臨む部分に開口され,前記収納空間に収納される苗に関する情報が表示された表示板を差込む差込み口とを備えていることを特徴とする育苗ポット。」(段落【0011】),「この発明項1に記載の育苗ポットによれば,苗に関する情報が表示された表示板は差込み口に差込まれることで育苗ポットに取付けられる。ここで,この差込み口は第1凹部の開口面を臨む部分に開口されているので,収納空間に培土を収納した後に,開口面からは差込み口を把握することはできない。一方,差込み口が開口されている第1凹部は,側壁の一部であって他の側壁の外面よりも収納空間側に窪んだ部分であるので,その第1凹部を目印とすることで,差込み口の位置は,育苗ポットの側壁側から把握される。また,第1凹部は,側壁の上縁部との間に所定間隔を開けた部分に設けられているので,その所定間隔を開けた部分では,差込み口に差込まれた表示板は, 側壁の内面と培土とによって挟まれた状態とされる。」(段落【0012】),「発明項1記載の育苗ポットによれば,差込み口が開口されている第1凹部は,側壁の上縁部との間に所定間隔を開けた部分に設けられているので,その所定間隔を開けた部分では,差込み口に差 落【0012】),「発明項1記載の育苗ポットによれば,差込み口が開口されている第1凹部は,側壁の上縁部との間に所定間隔を開けた部分に設けられているので,その所定間隔を開けた部分では,差込み口に差込まれた表示板は,側壁の内面と培土とによって挟まれた状態とされる。よって,表示板を育苗ポットに対して略直立した状態で固定することができるという効果がある。」(段落【0026】),「通常,表示板2は,育苗ポット1に培土Bを収納した後に差込み口9に差込まれ,育苗ポット1に取付けられる。また,培土Bは第1凹部7よりも高い位置になるまで収納される。よって,育苗ポット1に培土Bを収納した後には,差込み口9は,培土Bに埋まり,開口面6からは,差込み口9の位置を把握することができない。」(段落【0068】),「また,第1実施例の育苗ポット1のように,側面4に形成された凹部が第1凹部7であるか第2凹部8であるかを判断する必要はなく,側面4に形成された凹部は全て第1凹部7であり,その第1凹部7には差込み口9が開口されているので,収納空間5に培土Bによって差込み口9が埋もれ,差込み口9の位置を外部から把握できなくても,第1凹部7の窪みを目印とすることで,表示板2を差込む位置を外部から容易に判断することができる。」(段落【0079】)との記載があることが認められ,これらによれば,当初明細書における第1凹部は,側壁の一部であって,側壁の上縁部との間に所定間隔を開けた部分に他の側壁の外面よりも収納空間側に窪んでいて,収納空間に培土を収納した場合にその培土によって埋没し,開口面を臨む部分に収納空間に収納される苗に関する情報が表示された表示板を差込む差込み口を有するものであることが認められる。そして,証拠(甲4)によれば,当初図面には,第1凹部7について,【図1】及 口面を臨む部分に収納空間に収納される苗に関する情報が表示された表示板を差込む差込み口を有するものであることが認められる。そして,証拠(甲4)によれば,当初図面には,第1凹部7について,【図1】及び【図6】のような内容が図示されていることが認められる。そうすると,当初明細書等の「第1凹部」(第1凹部7を含 む。)が本件発明の「段差部」に対応し,これ以外に,本件発明の「段差部」に対応するものは,当初明細書等において見出すことができない。 イそこで,第1凹部がどのような技術的意義を有するかについて検討するに,証拠(甲4)によれば,当初特許請求の範囲に記載された発明は,苗に関する情報が表示された表示板を育苗ポットに対して略直立した状態で固定することができると共に,育苗ポット内に培土が収納されている状態であっても,その表示板を取付けるための位置を外部から容易に把握することができる育苗ポット及び表示板付育苗ポットを提供することを目的とするものであり(当初明細書の発明の詳細な説明の段落【0010】),①第1凹部には差込み口が開口され(同【0012】,【0020】,【0026】,【0027】,【0037】,【0039】,【0053】,【0055】,【0073】,【0077】ないし【0079】,【0082】,【0084】,【0086】,【0094】,当初図面の【図1】ないし【図6】等),②差込み口が培土に埋もれ,開口面から差込み口の位置を把握することができなくなったとしても,第1凹部を目印とすることで差込み口の位置を育苗ポットの側壁側から把握することができ(当初明細書の発明の詳細な説明の段落【0012】,【0027】,【0031】,【0069】,【0079】等),また,③第1凹部を側壁の上縁部との間に所定間隔を空けた位置から底壁側 握することができ(当初明細書の発明の詳細な説明の段落【0012】,【0027】,【0031】,【0069】,【0079】等),また,③第1凹部を側壁の上縁部との間に所定間隔を空けた位置から底壁側に向かって帯状に延びて形成すると,苗の根が根巻き状態になるのを防止して,苗の根を底壁側に導くことができる(同【0028】,【0034】,【0035】,【0038】,【0040】,【0041】,【0050】ないし【0053】,【0082】等)というものであることが認められるから,第1凹部は,差込み口が開口され(上記①。以下「差込み口設置機能」という。),差込み口の位置を把握するための目印となり(上記②。以下「目印としての機能」という。),根巻きを防止して苗の根を底壁側に導く (上記③。以下「根巻き防止機能」という。)という技術的意義を有するものである。 このうち,目印としての機能は,「育苗ポット内に培土が収納されている状態であっても,その表示板を取付けるための位置を外部から容易に把握することができる」という発明の目的を実現するための重要な機能であると解されるが,証拠(甲4)によれば,当初明細書の発明の詳細な説明の段落【0027】に,「また,差込み口が開口されている第1凹部は,側壁の一部であって他の側壁の外面よりも収納空間側に窪んだ部分であるので,収納空間に培土を収納し,差込み口が培土に埋もれ,開口面から差込み口の位置を把握することができなくなったとしても,第1凹部を目印とすることで,育苗ポットの側壁側から差込み口の位置を把握することができるという効果がある。」と記載され,実施例では他の側壁4の外面よりも収納空間5側に窪み,側壁4の上縁部との間に所定間隔を空けた位置から底壁3まで帯状に延びる形状とされる(段落【0049】, とができるという効果がある。」と記載され,実施例では他の側壁4の外面よりも収納空間5側に窪み,側壁4の上縁部との間に所定間隔を空けた位置から底壁3まで帯状に延びる形状とされる(段落【0049】,【0073】,【図1】ないし【図6】)ほか,例えば,えくぼ的に収納空間5側に窪むように形成していてもよいなどとされていること(段落【0082】)が認められるから,これらに照らすと,差込み口が開口される第1凹部は,垂直方向(高さ方向)においても水平方向においても目印としての機能を果たすべきものであり,かつ,かかる目印としての機能を果たすための第1凹部は,側壁側から差込み口の位置を把握することができる程度の一定の水平方向の幅を有する,側壁の一部分の窪みである必要があると考えられる。 ウ本件発明の「段差部」が水平方向の一定の幅を有するものに限定されないことは,前記1イのとおりであり,本件発明の「段差部」は,第1凹部と異なるものであって,当初明細書等に記載のない事項であるといわざるを得ない。 なお,証拠(甲4)によれば,当初明細書の発明の詳細な説明には,「また,上記実施例では,第1凹部7と第2凹部8とは,側壁4の外面から収納空間5側に窪むように形成する場合について説明した。しかしながら,第1凹部7と第2凹部8とは,側壁4の内面から収納空間5側に突出するように形成しても良い。但し,かかる場合には,側壁4の外面には,差込み口9の位置を示すような目印を設ける必要がある。」(段落【0083】)との記載があることが認められるが,この記載は,第1凹部7が側壁4の内面から収納空間5側に突出するように形成されることにより,側壁4の外面側から第1凹部7の位置を把握することができない場合に限定してのものであって,これを把握することが 記載は,第1凹部7が側壁4の内面から収納空間5側に突出するように形成されることにより,側壁4の外面側から第1凹部7の位置を把握することができない場合に限定してのものであって,これを把握することができる場合についてのものではない。そして,上記段落は,その記載内容からして,第1凹部7と第2凹部8を有し,第1凹部が差込み口設置機能,目印としての機能及び根巻き防止機能を有する実施例の改変例として記載されているものであり,このような実施例における第1凹部7は,他の側壁4の外面よりも収納空間5側に窪み,側壁4の上縁部との間に所定間隔を空けた位置から底壁3まで帯状に延びる形状のものであるから,この記載を根拠として,当初明細書等に段差部についての記載があるということはできない。 ア原告らは,当初明細書の発明の詳細な説明の段落【0049】及び当初図面の【図2】及び【図5】には,側壁4に形成された他の側壁4の外面よりも収納空間5側に窪んだ段差部が記載,図示されていると主張する。これは,側壁4の1つの面全体に段差部を設けることが記載,図示されているとの趣旨を主張するものと解されるが,証拠(甲4)によれば,同段落は,「また,側壁4には,他の側壁4の外面よりも収納空間5側に窪み,側壁4の上縁部との間に所定間隔を開けた位置から底壁3まで帯状に延びる1つの第1凹部7と3つの第2凹部8とが形成されている。」というもので,これは,【図1】ないし【図4】に基づく実施例の説明とし てであって,側壁4の1つの面の上縁部との間に所定間隔を開けた位置から底壁3まで延びる帯状の第1凹部についての記載であり,また,当初図面の【図2】及び【図5】は,上記のとおりの第1凹部を有する実施例の断面図を示すに過ぎないものであると認められるから,当初明細書等の上 まで延びる帯状の第1凹部についての記載であり,また,当初図面の【図2】及び【図5】は,上記のとおりの第1凹部を有する実施例の断面図を示すに過ぎないものであると認められるから,当初明細書等の上記の箇所に,側壁4の1の面全体に段差部を設けることが記載,図示されていると認めることはできない。 そうであるから,原告らの上記主張は,採用することができない。 イまた,原告らは,当初明細書の発明の詳細な説明の段落【0082】の記載に加え,発明の詳細な説明に記載された発明項1の第1凹部は,段落【0086】,【0026】及び【0027】に差込み口のある凹部であることのみが記載されていて,底壁側に向かって帯状に形成された根巻き防止の効果を果たすものとして段落【0087】,【0028】及び【0029】に記載された下位概念である発明項2の第1凹部とは異なり,必ずしも底壁側に向かって帯状に形成された根巻き防止の効果を果たすものではないことからすれば,当初明細書は,第1凹部について,差込み口を設ける段差部と根巻き防止機能を果たす縦壁とを別個の技術的構成要素として把握し,かつ,差込み口を設ける段差部を第1凹部から切り離された単独の構成として記載しているとした上,根巻き防止機能を果たすのは側面における縦壁であること及び2段以上の複数段に形成された育苗ポットはいずれも周知であることからすれば,上記段落【0082】の記載に接した当業者にとって,第1凹部の横壁Aを縦壁B及びCを伴わずに側壁の全周に連続的に形成したり,一つの側壁の全幅にわたって形成したりするという技術的事項が自明の技術的事項に属すると主張する。 当初明細書の発明の詳細な説明の段落【0082】の記載は,「また,上記実施例では,第1凹部7に,差込み口9を設けるための部位とし るという技術的事項が自明の技術的事項に属すると主張する。 当初明細書の発明の詳細な説明の段落【0082】の記載は,「また,上記実施例では,第1凹部7に,差込み口9を設けるための部位としての機能と,苗Nの根を底壁3側に導くための機能との2つの機能を持たせる 場合について説明した。しかしながら,第1凹部7には,苗Nの根を底壁3側に導く機能を持たせず,差込み口9を設けるための部位としての機能だけを持たせるようにしても良い。かかる場合,第1凹部7は,本実施例のように帯状に形成する必要はなく,例えば,えくぼ的に収納空間5側に窪むように形成していも(ママ)良い。」というものである。証拠(甲4)によれば,当初明細書の発明の詳細な説明には,実施例の第1凹部について,「一方,側壁4の外面側からは,側壁4の外面から窪む第1凹部7と第2凹部8との位置は簡単に把握でき,更に,側壁4の上縁部からの所定間隔や底壁3からの高さに注目すれば,第1凹部7の位置は簡単に把握することができる。即ち,差込み口9は,第1凹部7の開口面6を臨む位置に配置されているので,第1凹部7の位置を把握できれば,差込み口9の位置も把握することができる。」(段落【0069】),「また,第1実施例の育苗ポット1のように,側面4に形成された凹部が第1凹部7であるか第2凹部8であるかを判断する必要はなく,側面4に形成された凹部は全て第1凹部7であり,その第1凹部7には差込み口9が開口されているので,収納空間5に培土Bによって差込み口9が埋もれ,差込み口9の位置を外部から把握できなくても,第1凹部7の窪みを目印とすることで,表示板2を差込む位置を外部から容易に判断することができる。」(段落【0079】)との記載があることが認められ,これらの記載に照らすと,第1凹部は,目印と ても,第1凹部7の窪みを目印とすることで,表示板2を差込む位置を外部から容易に判断することができる。」(段落【0079】)との記載があることが認められ,これらの記載に照らすと,第1凹部は,目印としての機能をも有するものであるから,段落【0082】の記載は,第1凹部の3つの機能のうちから,当初特許請求の範囲に記載された発明の目的と関係のない根巻き防止機能のみの除外を許容する趣旨と解される。そして,段落【0086】,【0026】及び【0027】には差込み口設置機能の記載があるほか,段落【0027】には目印としての機能の記載があるところ,目印としての機能を果たすための第1凹部は,側壁側から差込み口の位置を把握することができる程度の一定の 水平方向の幅を有する側壁の一部分の窪みである必要がある。そうすると,当初明細書等が差込み口を設ける段差部を第1凹部から切り離された単独の構成として記載していると認めることはできないから,たとえ根巻き防止機能を果たすのが側面における縦壁であること及び2段以上の複数段に形成された育苗ポットがいずれも周知であるとしても,上記段落【0082】の記載に接した当業者にとって,第1凹部の横壁Aを縦壁B及びCを伴わずに側壁の全周に連続的に形成したり,一つの側壁の全幅にわたって形成したりするという技術的事項が自明の技術的事項に属するということはできず,側壁の全周や側壁の幅全体に段差部を形成した育苗ポットが当初明細書に記載されているのと同視することはできない。 原告らの上記主張は,採用することができない。 ウ原告らは,当初明細書等において,第1凹部は段差部を一つの側壁の一部に形成する場合の実施例に過ぎず,第1凹部を構成する縦壁B及びCは技術的事項1及び2とは無関係であり,2段以上の複数段に形成さ ウ原告らは,当初明細書等において,第1凹部は段差部を一つの側壁の一部に形成する場合の実施例に過ぎず,第1凹部を構成する縦壁B及びCは技術的事項1及び2とは無関係であり,2段以上の複数段に形成された育苗ポットが周知であることからすれば,技術的事項1及び2と当初明細書の発明の詳細な説明の段落【0080】の「本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能である」との記載に接した当業者は,第1凹部の横壁Aを縦壁B及びCを伴わずに側壁の全周に連続的に形成したり,一つの側壁の全幅にわたって形成したりするという技術的事項を自明のものとして把握することができると主張する。 しかしながら,証拠(甲4)によれば,当初明細書の発明の詳細な説明には,課題を解決するための手段として,第1凹部が不可欠な構成として記載されている(段落【0011】ないし【0025】)と認められるから,そもそも第1凹部が段差部を一つの側壁の一部に形成する場合の実施例に過ぎないということはできない。また,当初明細書等において,第1凹部が目印としての機能を果たすものであり,そのための第1凹部が側壁 側から差込み口の位置を把握することができる程度の一定の水平方向の幅を有する側壁の一部分の窪みである必要があることは,前記イのとおりである。さらに,原告らが2段以上の複数段に形成された育苗ポットが周知である根拠として援用する証拠(甲15及び16の各1ないし17)に記載された段差部は,いずれも,差込み口設置機能も,目印としての機能も有するものではない。そうであれば,技術的事項1及び2の記載がされているということができるとしても,当初明細書の発明の詳細な説明の段落【0080】の記載に接した当業者が,第1凹部の横壁Aを縦壁B及びCを伴わずに側壁の全周に連続的に形成し 事項1及び2の記載がされているということができるとしても,当初明細書の発明の詳細な説明の段落【0080】の記載に接した当業者が,第1凹部の横壁Aを縦壁B及びCを伴わずに側壁の全周に連続的に形成したり,一つの側壁の全幅にわたって形成したりするという技術的事項を自明なものとして把握することができるということはできず,側壁の全周や側壁の幅全体に段差部を形成した育苗ポットが当初明細書に記載されているのと同視することはできない。 原告らの上記主張は,採用することができない。 したがって,本件補正のうち,請求項7の補正は,当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものではなく,本件発明に係る本件特許は,特許法17条の2第3項に規定する要件を満たしていない補正をした特許出願に対してされたものであるから,本件発明に係る本件特許は,特許無効審判により無効にされるべきものと認められる。そして,本件訂正のうち請求項7の訂正も,その訂正内容に鑑みれば,上記の瑕疵を治癒するものとは認められないから,本件訂正発明に係る本件特許は,同様に特許無効審判により無効にされるべきものと認められる。 3 以上によれば,原告らの請求は,その余の点について判断するまでもなく,全て理由がない。 よって,原告らの請求をいずれも棄却することとして,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第47部 裁判長裁判官高野輝久 裁判官三井大有 裁判官志賀勝 <添付の特許公報は省略> 別紙物件目録 1 商品名:アルファポットⅡ品名:ALPⅡ-90,ALPⅡ-105,ALPⅡ-120 2 商品名:連結ア 勝 <添付の特許公報は省略> 別紙物件目録 1 商品名:アルファポットⅡ品名:ALPⅡ-90,ALPⅡ-105,ALPⅡ-120 2 商品名:連結アルファポット品名:TO-20ALP,TO-24ALP,TO-24ALPTS,TO-40ALP 3 商品名:アルファポットⅡ深型品名:ALPⅡ-75深,ALPⅡ-90深,ALPⅡ-105深,ALPⅡ-120深 4 商品名:アルファポット品名:ALP-90,ALP-105 5 商品名:硬質アルファポット品名:硬質アルファポット10.5cm 6 別紙被告製品6説明書記載の育苗ポット(商品名,品名は不明) 別紙 本件訂正後の請求項7の記載 底壁と,その底壁の縁部から上方に向かって立設する側壁と,その側壁と前記底壁とで囲まれる空間であって苗や培土を収納する収納空間と,その収納空間に培土や苗を入れるために前記側壁の上縁部により形成される開口面とを備えた育苗ポットにおいて,前記側壁は平面視多角形に形成されており,その多角形に形成された側壁の少なくとも1の面は,前記底壁側の側壁面が前記上縁部側の側壁面に対して段差部を有して前記収納空間側へ窪んで形成されており,その段差部は,前記収納空間に前記培土を収納した場合にその培土によって埋没した状態となる位置に形成され,その段差部の前記開口面を臨む部分に開口され,前記収納空間に収納される苗に関する情報が表示された表示板を差込む差込み口を有し,その差込み口は,前記多角形に形成された側壁の1の面における周方向の略中央部に形成され,前記段差部は,少なくともその差込み口が開口されている部分に形成されていることを特徴とする育苗ポット。 別 込み口は,前記多角形に形成された側壁の1の面における周方向の略中央部に形成され,前記段差部は,少なくともその差込み口が開口されている部分に形成されていることを特徴とする育苗ポット。 別紙 被告製品1説明書 1 商品名:アルファポットⅡ品名:ALPⅡ-90,ALPⅡ-105,ALPⅡ-120 2 図面の簡単な説明図1-1(a)は,被告製品1の一つであるALPⅡ-90の平面図である。 図1-1(b)は,被告製品1の一つであるALPⅡ-90の正面図である。 図1-2は,ラベルを差し込んだ状態を示す被告製品1の一つであるALPⅡ-90の斜視図である。 3 符号の説明 1 底壁 2 側壁 21 上方側壁 22 段差側壁 23 下方側壁 5 スリット 6 第1細溝B 培土N 苗L ラベル 4 ALPⅡ-90の構造の説明(1)図1-1に示すALPⅡ-90は,底壁1と,その底壁1から立設する側壁2とを備え,図1-2に示す通り,内部に苗Nや培土Bを収納し,苗Nを育苗する育苗ポットである。 (2)底壁1は,4つの角部が円弧状,4辺が各々長さaである四角形に形成されている。 (3)側壁2は,底壁1の縁部から上方に向かって外方に拡がりつつ立設し,その上縁部は,4つの角部が円弧状,4辺が各々長さbである四角形に形成されている。 (4)側壁2は,上方に位置する上方側壁21と,その上方側壁21の下端全周から内方に屈曲する段差側壁22と,その段差側壁22と底壁1とに接続され下方に位置する下方側壁23とによって構成されている。 (5)段差側壁22は,図1-2に示す通り,培土Bに埋没する位置に形成されている。 (6)段差側壁22には,細長い 壁22と底壁1とに接続され下方に位置する下方側壁23とによって構成されている。 (5)段差側壁22は,図1-2に示す通り,培土Bに埋没する位置に形成されている。 (6)段差側壁22には,細長いスリット5が上向きに開口されている。スリット5には,図1-2に示す通り,苗Nに関する情報が印刷された板状のラベルLを差し込むことができる。 (7)スリット5は,側壁2の各面に1箇所ずつ,合計4箇所開口されている。 (8)スリット5は,側壁2の各面において,その幅方向の中央部に形成されている。 (9)側壁2の各面には,スリット5を挟んで,内方に若干凹んだ2本の細長い第1細溝6が,底壁1から側壁2の上縁部まで延びている。 5 ALPⅡ-105,ALPⅡ-120の構造の説明ALPⅡ-105,ALPⅡ-120の構造は,上記の4(1)~(9)で説明したとおりである。 別紙 被告製品2説明書 1 商品名:連結アルファポット品名:TO-20ALP,TO-24ALP,TO-24ALPTS,TO-40ALP 2 図面の簡単な説明図2(a)は,被告製品2の一つであるTO-20ALPの平面図である。 図2(b)は,被告製品2の一つであるTO-20ALPの正面図である。 3 符号の説明 1 底壁 2 側壁 21 上方側壁 22 段差側壁 23 下方側壁 5 スリット 6 第1細溝 4 TO-20ALPの構造の説明図2に示すTO-20ALPは,被告製品1を,縦に4列,横に5列に合計20個並べ,隣合う側壁2の上縁部同士を連結したものである。各育苗ポットの構造は,被告製品1の4(1)~(9)で説明したとおりである。図2に TO-20ALPは,被告製品1を,縦に4列,横に5列に合計20個並べ,隣合う側壁2の上縁部同士を連結したものである。各育苗ポットの構造は,被告製品1の4(1)~(9)で説明したとおりである。図2において,被告製品1と同一の構成には同一の符号を付してある。またTO-20ALPは,被告製品4を,同様に,縦に4列,横に5列に合計20個並べ,隣合う側壁2の上縁部同士を連結したものもあるが構造は同様である。 5 TO-24ALP,TO-24ALPTSの構造の説明TO-24ALP,TO-24ALPTSは,前同様の育苗ポット(被告製品1,あるいは,被告製品4)を,縦に4列,横に6列に合計24個並べ,隣合う側壁2の上縁部同士を連結したものである。各育苗ポットの構造は,被告製品1の4(1)~(9)で説明し,あるいは被告製品4について説明するとおりで ある。 6 TO-40ALPの構造の説明TO-40ALPは,前同様の育苗ポット(被告製品1,あるいは,被告製品4)を,縦に5列,横に8列に合計40個並べ,隣合う側壁2の上縁部同士を連結したものである。各育苗ポットの構造は,被告製品1の4(1)~(9)で説明し,あるいは被告製品4について説明するとおりである。 別紙 被告製品3説明書 1 商品名:アルファポットⅡ深型品名:ALPⅡ-75深,ALPⅡ-90深,ALPⅡ-105深,ALPⅡ-120深 2 図面の簡単な説明図3(a)は,被告製品3の一つであるALPⅡ-90深の平面図である。 図3(b)は,被告製品3の一つであるALPⅡ-90深の正面図である。 3 符号の説明 1 底壁 2 側壁 21 上方側壁 22 段差側壁 90深の平面図である。 図3(b)は,被告製品3の一つであるALPⅡ-90深の正面図である。 3 符号の説明 1 底壁 2 側壁 21 上方側壁 22 段差側壁 23 下方側壁 5 スリット 6 第1細溝 4 ALPⅡ-90深の構造の説明 図3に示すALPⅡ-90深の構造は,被告製品1の4(1)~(9)で説明したとおりである。図3において,被告製品1と同一の構成には同一の符号を付してある。 5 ALPⅡ-75深,ALPⅡ-105深,ALPⅡ-120深の構造の説明 ALPⅡ-75深,ALPⅡ-105深,ALPⅡ-120深の構造は,被告製品1の4(1)~(9)で説明したとおりである。 別紙 被告製品4説明書 1 商品名:アルファポット 品名:ALP-90,ALP-105 2 図面の簡単な説明 図4(a)は,被告製品4の一つであるALP-90の平面図である。図4(b)は,被告製品4の一つであるALP-90の正面図である。 3 符号の説明 1 底壁 2 側壁 21 上方側壁 22 段差側壁 23 下方側壁 5 スリット 6 第1細溝 4 ALP-90の構造の説明 ALP-90は,被告製品1のALPⅡ-90と同一の構造を有している。すなわち,ALP-90は,次の構造を有している。 (1)図4に示すALP-90は,底壁1と,その底壁1から立設する側壁2とを備え,内部に苗Nや培土Bを収納し,苗Nを育苗する育苗ポットである。 (2)底壁1は,4つの角部が円弧状,4辺が各々長さaである四角形に形成されている。 (3)側壁2は,底壁1の縁部から上方に向かって外方に拡がりつ 培土Bを収納し,苗Nを育苗する育苗ポットである。 (2)底壁1は,4つの角部が円弧状,4辺が各々長さaである四角形に形成されている。 (3)側壁2は,底壁1の縁部から上方に向かって外方に拡がりつつ立設し,その上縁部は,4つの角部が円弧状,4辺が各々長さbである四角形に形成されている。 (4)側壁2は,上方に位置する上方側壁21と,その上方側壁21の下端全周から内方に屈曲する段差側壁22と,その段差側壁22と底壁1とに接続され下方に位置する下方側壁23とによって構成されている。 (5)段差側壁22は,培土Bに埋没する位置に形成されている。 (6)段差側壁22には,細長いスリット5が上向きに開口されている。スリット5には,苗Nに関する情報が印刷された板状のラベルLを差し込むことができる。 (7)スリット5は,側壁2の各面に1箇所ずつ,合計4箇所開口されている。 (8)スリット5は,側壁2の各面において,その幅方向の中央部に形成されている。 (9)側壁2の各面には,スリット5を挟んで,内方に若干凹んだ2本の細長い第1細溝6が,底壁1から側壁2の上縁部まで延びている。 5 ALP-105の構造の説明ALP-105の構造は,上記4(1)~(9)で説明したとおりである。 別紙 被告製品5説明書 1 商品名:硬質アルファポット品名:硬質アルファポット10.5cm 2 図面の簡単な説明図5(a)は,被告製品5の平面図である。 図5(b)は,被告製品5の正面図である。 3 符号の説明 1 底壁 2 側壁 21 上方側壁 22 段差側壁 23 下方側壁 5 スリット7a 第1細畝7b 第2細畝 3 符号の説明 1 底壁 2 側壁 21 上方側壁 22 段差側壁 23 下方側壁 5 スリット7a 第1細畝7b 第2細畝 4 構造の説明(1)図5に示す硬質アルファポット10.5cmは,底壁1と,その底壁1から立設する側壁2とを備え,内部に苗Nや培土Bを収納し,苗Nを育苗する育苗ポットである。 (2)底壁1は,4つの角部が円弧状,4辺が各々長さaである四角形に形成されている。 (3)側壁2は,底壁1の縁部から上方に向かって外方に拡がりつつ立設し,その上縁部は,4つの角部が円弧状,4辺が各々長さbである四角形に形成されている。 (4)側壁2は,上方に位置する上方側壁21と,その上方側壁21の下端全周から内方に屈曲する段差側壁22と,その段差側壁22と底壁1とに接続され下方に位置する下方側壁23とによって構成されている。 (5)段差側壁22は,培土Bに埋没する位置に形成されている。 (6)段差側壁22には,細長いスリット5が上向きに開口されている。スリット5には,苗Nに関する情報が印刷された板状のラベルLを差し込むことができる。 (7)スリット5は,側壁2の各面に1箇所ずつ,合計4箇所開口されている。 (8)スリット5は,側壁2の各面において,その幅方向の中央部に形成されている。 (9)下方側壁23の各面には,外方に若干突出した2本の細長い第1細畝7aが,スリット5を挟む間隔を空けて,底壁1から段差側壁22まで延びている。 (10)上方側壁23の各面には,外方に若干突出した2本の細長い第2細畝7bが,2本の第1細畝7aを挟む間隔を空けて,段差側壁22から側壁2の上縁部まで延びている。 別紙 被告製品6説明書 面には,外方に若干突出した2本の細長い第2細畝7bが,2本の第1細畝7aを挟む間隔を空けて,段差側壁22から側壁2の上縁部まで延びている。 別紙 被告製品6説明書 1 商品名:不明品名:不明 2 図面の簡単な説明図6(a)は,被告製品6の平面図である。 図6(b)は,被告製品6の正面図である。 3 符号の説明 1 底壁 2 側壁 21 上方側壁 22 段差側壁 23 下方側壁 5 スリット 6 第1細溝 4 構造の説明被告製品6は,被告製品1のALPⅡ-90と同一の構造を有している。すなわち,被告製品6は,次の構造を有している。 (1)図6に示す被告製品6は,底壁1と,その底壁1から立設する側壁2とを備え,内部に苗Nや培土Bを収納し,苗Nを育苗する育苗ポットである。 (2)底壁1は,4つの角部が円弧状,4辺が各々長さaである四角形に形成されている。 (3)側壁2は,底壁1の縁部から上方に向かって外方に拡がりつつ立設し,その上縁部は,4つの角部が円弧状,4辺が各々長さbである四角形に形成されている。 (4)側壁2は,上方に位置する上方側壁21と,その上方側壁21の下端全周から内方に屈曲する段差側壁22と,その段差側壁22と底壁1とに接続され下方に位置する下方側壁23とによって構成されている。 (5)段差側壁22は,培土Bに埋没する位置に形成されている。 (6)段差側壁22には,細長いスリット5が上向きに開口されている。スリット5には,苗Nに関する情報が印刷された板状のラベルLを差し込むことができる。 (7)スリット5は,側壁2の各面に1箇所ずつ,合計4箇所開口されている。 (8)スリット5は, 口されている。スリット5には,苗Nに関する情報が印刷された板状のラベルLを差し込むことができる。 (7)スリット5は,側壁2の各面に1箇所ずつ,合計4箇所開口されている。 (8)スリット5は,側壁2の各面において,その幅方向の中央部に形成されている。 (9)側壁2の各面には,スリット5を挟んで,内方に若干凹んだ2本の細長い第1細溝6が,底壁1から側壁2の上縁部まで延びている。
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