平成9(ワ)2310 土地所有権移転登記等請求事件

裁判年月日・裁判所
平成16年1月13日 神戸地方裁判所
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判決文本文49,934 文字)

主文 1 土地所有権確認請求(1) 土地全体の所有権確認請求(請求1)原告の被告市に対する土地全体の所有権確認を求める訴えを却下する。 (2) 二重売却部分の所有権確認請求ア被告市に対する請求(請求2)(ア) 原告と被告市との間において,原告が別紙図面2(2)のK237・A・247・B・L18-1・K237の各点を結ぶ直線で囲まれた範囲の土地の所有権を有することを確認する。 (イ) 原告の被告市に対するその余の二重売却部分の所有権確認請求を棄却する。 イ被告NTTに対する請求(請求3)原告の被告NTTに対する二重売却部分の所有権確認を求める訴えを却下する。 2 保安林存在確認請求(請求4)原告と被告市との間において,別紙図面1(2)の赤線で囲まれた範囲の土地内に保安林が存在することを確認する。 3 損害賠償請求(1) 現在の損害賠償請求ア被告市に対する請求(請求5)(ア) 被告市は,原告に対し,損害賠償金50万円,及びこれに対する平成13年1月1日から完済まで年5分の割合による金員を支払え。 (イ) 原告の被告市に対するその余の損害賠償請求を棄却する。 イ被告NTTに対する請求(請求6)原告の被告NTTに対する損害賠償請求を棄却する。 (2) 将来の損害賠償請求(請求7)原告の被告市に対する損害賠償請求を棄却する。 4 所有権移転登記請求(請求8)原告の被告市に対する主位的所有権移転登記手続請求,予備的所有権移転登記手続請求をいずれも棄却する。 5 構築物撤去,土地明渡請求等(1) 構築物撤去,土地明渡請求(主位的請求,請求9)原告の被告NTTに対 移転登記手続請求,予備的所有権移転登記手続請求をいずれも棄却する。 5 構築物撤去,土地明渡請求等(1) 構築物撤去,土地明渡請求(主位的請求,請求9)原告の被告NTTに対する構築物撤去,土地明渡請求を棄却する。 (2) 損害賠償請求(予備的請求)ア被告NTTに対する請求(請求10)原告の被告NTTに対する損害賠償請求を棄却する。 イ被告市に対する請求(請求11)(ア) 被告市は,原告に対し,損害賠償金26万1144円,及びこれに対する昭和57年7月1日から完済まで年5分の割合による金員を支払え。 (イ) 原告の被告市に対するその余の損害賠償請求を棄却する。 6 保安林指定解除請求(請求12)原告の被告市に対する保安林指定解除手続請求を棄却する。 7 通行権存在確認請求(1) 被告市に対する請求(請求13)原告の被告市に対する通行権存在確認請求を棄却する。 (2) 被告NTTに対する請求(請求14)原告の被告NTTに対する通行権存在確認請求の訴えを却下する。 8 訴訟費用の負担訴訟費用は原告の負担とし,補助参加に関する訴訟費用は補助参加人の負担とする。 事実及び理由 第1 原告の請求 1 土地所有権確認請求(1) 土地全体の所有権確認請求(請求1)原告と被告市との間で,原告が,別紙図面1(1)の赤線で囲まれた範囲の土地について,所有権を有することを確認する。 (2) 二重売却部分の所有権確認請求(請求2・3)原告と被告らとの間で,原告が,別紙図面2(1)の赤線で囲まれた範囲の土地について,所有権を有することを確認する。 2 する。 (2) 二重売却部分の所有権確認請求(請求2・3)原告と被告らとの間で,原告が,別紙図面2(1)の赤線で囲まれた範囲の土地について,所有権を有することを確認する。 2 保安林存在確認請求(請求4)原告と被告市との間において,別紙図面1(1)の赤線で囲まれた範囲の土地内に保安林が存在することを確認する。 3 損害賠償請求(1) 現在の損害賠償請求(請求5・6)被告らは連帯して原告に対し,金18億4297万円及びこれに対する平成13年1月1日から完済まで年5分の割合による金員を支払え。 (2) 将来の損害賠償請求(請求7)被告市は,原告に対し,平成13年1月から第4項の所有権移転登記手続をするまで,毎月末日限り金500万円,及び同各金員に対する各支払期日の翌日から完済まで年5分の割合による金員を支払え。 4 所有権移転登記請求(請求8)(1) 主位的請求被告市は,原告に対し,別紙図面1(1)の赤線で囲まれた範囲の土地につき,所有権移転登記手続をせよ。 (2) 予備的請求被告市は,原告に対し,別紙図面1(3)の赤線で囲まれた範囲の土地につき,所有権移転登記手続をせよ。 5 構築物撤去,土地明渡請求等(1) 構築物撤去,土地明渡請求(主位的請求,請求9)被告NTTは,原告に対し,別紙図面2(1)の赤線で囲まれた範囲の土地内にある構築物(電波塔管理建物,同塔基,関連施設〔ヘリポート〕)を撤去して,同土地を明け渡せ。 (2) 損害賠償請求(予備的請求,請求10・11)被告らは連帯して原告に対し,金82万8528円及びこれに対する昭和57年7月1日から完済まで年5分の割合による金員を支払え。 6 2) 損害賠償請求(予備的請求,請求10・11)被告らは連帯して原告に対し,金82万8528円及びこれに対する昭和57年7月1日から完済まで年5分の割合による金員を支払え。 6 保安林指定解除手続請求(請求12)被告市は,原告に対し,A市a町b丙463番11の土地(以下,土地を地番で表すときは,A市a町bの地番を意味することとし,単に「丙463番11」などという。)につき,保安林指定の解除手続をせよ。 7 通行権存在確認請求(請求13・14)原告と被告らとの間で,原告が,別紙図面3の赤色部分について,通行権を有することを確認する。 第2 事案の概要 1 事案の骨子本件は,被告市から被告市所有の山林を買い受けた原告が,同売買契約が同山林で牧場及び観光事業を行うことを目的とするものであったにもかかわらず,同山林が開発制限の課される保安林に指定されていたこと,同山林の一部が第三者である被告NTTに売却されたこと,売買対象地の一部の所有権移転登記を受けていないことなどを主張し,上記第1記載のとおり,被告市に対しては,損害賠償,所有権移転登記請求,保安林指定の解除手続請求,上記山林の所有権確認,保安林存在確認等を求め,被告NTTに対しては,損害賠償,上記山林の一部の明渡請求及び所有権確認等を求める事案である。 2 前提事実末尾括弧内に証拠等の記載がなければ,当事者間に争いのない事実である。 (1) 当事者ア原告は,精肉卸小売業及び牧畜業を営む者であり,補助参加人の代表者である。 イ被告市は,兵庫県下の地方公共団体である。 ウ被告NTTは,昭和60年,日本電信電話公社の解散に伴い,その権利義務の一切を承継したものである(日本電信電話 である。 イ被告市は,兵庫県下の地方公共団体である。 ウ被告NTTは,昭和60年,日本電信電話公社の解散に伴い,その権利義務の一切を承継したものである(日本電信電話株式会社等に関する法律附則4条1項。以下では,便宜上,昭和60年の権利義務承継前の日本電信電話公社も含めて,単に「被告NTT」という。)。 (2) 原告・被告市間の土地売買,分筆・所有権移転登記ア本件売買契約の締結,本件土地所有権の取得原告と被告市は,次のとおり,被告市所有の山林について,売買契約を締結した。 (ア) 原告と被告市は,昭和42年6月16日,原告が被告市から丙463番9の土地等の一部を買い受けるとの合意をし,その際,売買対象地の範囲等については,後日実測を行って確定する旨合意した(甲2,以下これを「本件仮契約」という。)。 (イ) 原告と被告市は,本件仮契約に基づき実測を行い,昭和43年4月30日,上記実測によって作成された別紙図面1(3)(以下「本件契約図面」という。)の赤線で囲まれた範囲の土地74万9882㎡を売買対象地とし,売買代金を1935万7013円とする旨合意した(乙5,以下これを「本件追加契約」という。)。 (ウ) 以下,上記(ア)(イ)で認めた契約を「本件売買契約」といい,本件売買契約の対象地を「本件土地」という。 イ分筆及び所有権移転登記被告市は,本件売買契約に基づき,被告市所有地の一部を次のとおり分筆の上,昭和43年6月1日,原告に対し,所有権移転登記をした(甲4~8)。 (ア) 丙463番12(地目山林・地積4万3783㎡)丙463番9から分筆(昭和43年5月29 3年6月1日,原告に対し,所有権移転登記をした(甲4~8)。 (ア) 丙463番12(地目山林・地積4万3783㎡)丙463番9から分筆(昭和43年5月29日受付)(イ) 丙463番11(地目保安林・地積2万5281㎡)丙463番2から分筆(昭和43年5月29日受付)(ウ) 丙463番13(地目保安林・地積5560㎡)丙463番10から分筆(昭和43年5月30日受付)(エ) 丙463番14(地目保安林・地積3312㎡)丙463番10から分筆(昭和43年5月30日受付)(3) 被告市・被告NTT間の土地売買,NTT施設の建設ア被告NTTは,昭和57年7月1日,被告市との間で,被告NTTが丙463番9の一部(敷地面積5784.34㎡)を無線中継所用地として代金694万1208円で買い受ける旨の契約を締結した(丙1,以下同契約を「本件NTT契約」という。)。 イ被告市は,被告NTTに対し,本件NTT契約に基づき,上記売買対象地について,丙463番9から丙463番35ないし41に分筆の上,昭和57年8月6日,同年7月1日付け売買を原因とする所有権移転登記をした(丙9~15)。 ウ被告NTTは,本件NTT契約締結後,別紙図面4の赤線で囲まれた範囲の土地(丙22,以下「NTT土地」という。)において造成工事を開始し(丙20参照),昭和59年ころまでに,同土地内に無線中継所施設(電波塔管理建物,同塔基及び関連施設〔ヘリポート〕・以下「本件NTT施設」という。)及び林道からの取付道路を建設した(弁論の全趣旨)。 第3 当 照),昭和59年ころまでに,同土地内に無線中継所施設(電波塔管理建物,同塔基及び関連施設〔ヘリポート〕・以下「本件NTT施設」という。)及び林道からの取付道路を建設した(弁論の全趣旨)。 第3 当事者の主張 1 請求1(被告市に対する本件土地全体の所有権確認請求)(1) 原告(請求原因)ア本件売買契約の締結,本件土地所有権の取得前記第2の2(2)アのとおり。 イ本件土地の範囲原告と被告市は,本件売買契約の締結に際し,売買対象地の範囲を本件契約図面(別紙図面1(3))の赤線で囲まれた範囲の土地とすることに合意した。 そして,本件契約図面を基に原告において再度調査・測量の上,正確に図面化したものが,別紙図面1(1)(甲37〔これをマイラー化した図面が乙8〕,以下「原告主張図面」ともいう。)である。 したがって,本件土地の正確な範囲は,原告主張図面(別紙図面1(1))の赤線で囲まれた範囲であり,その総面積は76万1339㎡である。 ウ確認の利益ところが,被告市は,本件土地の範囲が原告主張図面(別紙図面1(1))の赤線で囲まれた範囲とは異なると主張して,これを争っている。 エ結論よって,原告は,被告市に対し,原告が別紙図面1(1)の赤線で囲まれた範囲の土地の所有権を有することの確認を求める。 (2)  被告市(請求原因に対する認否等)(前記第2の2〔前提事実〕については,認否の記載を省略する。以下同じ。)ア請求原因イ(本件土地の範囲)について原告と被告市が,本件土地の範囲を本件契約図面(別紙図面1(3))のとおりとすることを合意したことは認める。 以下同じ。)ア請求原因イ(本件土地の範囲)について原告と被告市が,本件土地の範囲を本件契約図面(別紙図面1(3))のとおりとすることを合意したことは認める。 しかし,被告市は,本件契約図面について,その作成当時の座標データを基に公共座標変換を行い,これをマイラー化し,乙第6号証図面(別紙図面1(2),以下「被告主張図面」ともいう。)を作成した。 よって,本件土地の正確な範囲は,被告主張図面(別紙図面1(2))の赤線で囲まれた範囲であり,その総面積は75万3928㎡である。 イ請求原因ウ(確認の利益)について上記のとおり,原告・被告市間では,本件土地の範囲を原告主張図面(別紙図面1(1))と被告主張図面(別紙図面1(2))のいずれとすべきかで争いがあるものの,両図面を比較すると,土地の範囲はおおむね一致しており,本件土地の範囲の大部分については当事者間に争いがない。 よって,請求1は確認の利益を欠く。 2 請求2(被告市に対する二重売却部分の所有権確認請求)(1) 原告(請求原因)ア本件売買契約の締結,本件土地所有権の取得前記第2の2(2)アのとおり。 イ本件土地の一部の二重売買被告市は,前記第2の2(3)アのとおり,昭和57年ころ,被告NTTに対し,NTT土地(別紙図面4の赤線で囲まれた範囲の土地)を売却した。しかし,NTT土地は,本件土地の一部と重複しており(以下,重複部分の土地を「二重売却部分」という。),被告市は,被告NTTと共謀の上,二重売却部分上に本件NTT施設を建設して,同部分を不法に占拠している。 二重売却部分の範囲は,別紙図面2(1)の赤線で囲ま 二重売却部分」という。),被告市は,被告NTTと共謀の上,二重売却部分上に本件NTT施設を建設して,同部分を不法に占拠している。 二重売却部分の範囲は,別紙図面2(1)の赤線で囲まれた範囲であり,その面積は690.44㎡である。 ウ確認の利益被告市は,NTT土地と本件土地の一部が重複していることを否認し,仮に重複しているとしても,その重複の範囲は,別紙図面2(2)の赤色部分である旨主張し,原告の二重売却部分(別紙図面2(1)の赤線で囲まれた範囲の土地)の所有権を争っている。 エ結論よって,原告は,被告市に対し,原告が別紙図面2(1)の赤線で囲まれた範囲の土地(二重売却部分)の所有権を有することの確認を求める。 (2)  被告市(請求原因に対する認否等)ア NTT土地と本件土地は重複していない。 イ仮に,両土地の一部が重複しているとしても,二重売却部分の範囲は,別紙図面2(2)の赤色部分であり,同部分の面積は217.62㎡である。 3 請求3(被告NTTに対する二重売却部分の所有権確認請求)(1) 原告(請求原因)ア本件売買契約の締結,本件土地所有権の取得前記第2の2(2)アのとおり。 イ本件土地の一部の二重売買前記第3の2(1)イのとおり。 ウ確認の利益被告NTTは,NTT土地と本件土地の一部が重複していることを否認し,仮に重複しているとしても,その重複の範囲は,別紙図面2(2)の赤色部分である旨主張し,原告の二重売却部分(別紙図面2(1)の赤線で囲まれた範囲の土地)の所有権を争っている。 エ結論よって,原告は,被告NTTに 別紙図面2(2)の赤色部分である旨主張し,原告の二重売却部分(別紙図面2(1)の赤線で囲まれた範囲の土地)の所有権を争っている。 エ結論よって,原告は,被告NTTに対し,原告が別紙図面2(1)の赤線で囲まれた範囲の土地(二重売却部分)の所有権を有することの確認を求める。 (2) 被告NTT(請求原因に対する反論)ア確認の利益の欠缺NTT土地は,平成11年7月に被告NTTの組織が再編成されたことに伴い,被告NTTからエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社(以下「NTTコミュニケーションズ」という。)に移転された。 よって,被告NTTは,現在,二重売却部分を所有しておらず,原告の被告NTTに対する本件土地の一部の所有権確認請求は,確認の利益を欠く。 イ NTT土地と本件土地との関係(ア) NTT土地と本件土地は重複していない。 (イ) 仮に,両土地の一部が重複しているとしても,二重売却部分の範囲は,別紙図面2(2)の赤線で囲まれた範囲であり,その面積は217.62㎡である。 4 請求4(被告市に対する保安林存在確認請求)(1) 原告(請求原因)ア保安林の存在本件土地内には,保安林が存在する。 イ確認の利益被告市は,本件売買契約に基づき,本件土地内に保安林が存在する場合には,その指定の解除に必要な措置をとるべき義務を負い,これを怠った場合には,原告に対し,債務不履行又は不法行為による責任を負う。 ところが,被告市は,本件土地内の保安林の存在を否認して,上記保安林指定の解除に関する義務及び損害賠償義務等を争っている。 ウ結論よっ よる責任を負う。 ところが,被告市は,本件土地内の保安林の存在を否認して,上記保安林指定の解除に関する義務及び損害賠償義務等を争っている。 ウ結論よって,原告は,被告市に対し,本件土地内に保安林が存在することの確認を求める。 (2)  被告市(請求原因に対する認否)本件土地内に保安林が存在する事実は否認する。その理由は,次のとおりである。 ア本件土地周辺のような公図混乱地域においては,公簿上の地番と公図上の位置は一致しないから,本件土地の一部の登記簿上の地目が保安林となっているとしても,このことは本件土地内に保安林が存在することの裏付けにはならない。 イ保安林台帳附属図(乙29の2)に,被告主張図面(乙6,別紙図面1(2))を投影してその位置関係をみると,本件土地は保安林指定区域外である(乙33)。 5 請求5・7(被告市に対する損害賠償請求)(1) 原告(請求原因)ア本件売買契約の締結,本件土地所有権の取得前記第2の2(2)アのとおり。 イ被告市の債務不履行ないし不法行為(ア) 保安林指定の解除に関する義務違反(義務違反1)a 保安林の存在本件土地内には,保安林が存在する。 b 本件売買契約における被告市の義務(a) 本件売買契約は,「放牧並びに観光事業の企業化」を目的としている(本件仮契約の契約書〔以下「本件仮契約書」という。〕7条,甲2)。このように,原告と被告市は,本件売買契約の内容として,被告市が上記目的達成のために必要な措置をとらなければならないことを合意したものである。 (b) 本件土地内に ,甲2)。このように,原告と被告市は,本件売買契約の内容として,被告市が上記目的達成のために必要な措置をとらなければならないことを合意したものである。 (b) 本件土地内には保安林が存在しており,このままでは,立木伐採等の制限が課され,上記契約目的を達成できない。 よって,被告市は,上記(a)の義務の具体化として,本件売買契約の締結に際して,保安林指定の解除に必要な措置をとるべき義務を負っていたのであり,本件売買契約締結後においても,引き続き保安林指定の解除に必要な措置をとるべき義務を負っていたというべきである。 c 被告市の義務違反被告市には,次の各点において,上記義務違反がある。 (a) 本件売買契約締結時の義務違反被告市は,本件土地内に保安林が存在することを認識していながら,原告に対しこれを秘匿し,保安林指定がなされたままの状態で本件土地を売却した。 (b) 本件売買契約締結後の義務違反また,被告市は,本件売買契約締結後も,保安林指定の解除に必要な措置をとることなく放置し,あるいは保安林指定に協力するなどした。 d 本件開発行為の不能(a) 原告は,昭和61年ころから,本件土地において,放牧及び観光事業のための開発行為(以下「本件開発」という。)に着手した。 (b) ところが,その直後の昭和61年5月ころ,原告は,兵庫県から,本件土地に保安林が存在することを理由として,開発工事の中止と森林の修復等をするよう命令を受け,同命令に従って開発工事の中止と伐採森林の修復等を行った。 (c) 兵庫県から,本件土地に保安林が存在することを理由として,開発工事の中止と森林の修復等をするよう命令を受け,同命令に従って開発工事の中止と伐採森林の修復等を行った。 (c) そのため,本件土地の開発は不能となった。 (イ) 二重売買(義務違反2)a 義務違反行為被告市は,被告NTTと共謀の上,昭和57年ころ,被告NTTに対し,本件土地の一部を二重売却し,それ以降,二重売却部分(別紙図面2(1)の赤線で囲まれた範囲の土地)上に本件NTT施設を建設して,同部分を不法に占拠している。 b 本件開発不能による損害発生との因果関係被告NTTに二重売却された土地は,本件土地の一部にすぎないが,本件土地で唯一道路と接続できる部分なので,本件開発には重要な場所であり,この部分がなくなると本件土地が袋地となり,本件開発を遂行することができない。 よって,上記aの行為と本件開発の不能による損害の発生との間には,相当因果関係がある。 ウ現在の損害(ア) 原告の損害被告市の債務不履行ないし不法行為により原告が被った損害は,次のとおりである。 a 本件開発の不能により生じた損害(a) 販売利益(逸失利益) 13億9805万4000円本件土地で放牧育成可能であった食肉牛1500頭分について,放牧育成期間14年間(昭和62年初め~平成12年末)にわたり原告が得たであろう販売利益は,次の計算式のとおり,13億9805万4000円である。 (計算式) 昭和62年初め~平成12年末)にわたり原告が得たであろう販売利益は,次の計算式のとおり,13億9805万4000円である。 (計算式)6万6574円(1頭1年当たり)×1500(委託した牛の頭数)×14年(昭和62年初め~平成12年末)=13億9805万4000円(b) 食肉牛の育成委託費 12億8534万円原告は,本件土地で放牧育成すべく買い受けていた幼牛1500頭について,本件土地での放牧育成が不可能となったため,補助参加人に飼育委託をなした。しかし,補助参加人は,遠隔地(鹿児島)でしか飼育できなかったため,鹿児島県所在の農家に育成を委託した。そのために生じた委託費は,昭和62年初め~平成12年末までの14年間分合計で,12億8534万円となる。 (c) 賃料相当損害金(逸失利益) 1億7082万円仮に原告自身が本件土地での食肉牛の放牧育成を行わないとしても,本件開発が不能とならなければ,原告は,昭和62年から平成15年6月末まで,補助参加人に対して本件土地を賃料月額60万円の割合で賃貸することが可能であった。 本件土地を補助参加人に対して賃貸した場合の賃料相当損害金及びこれに対する各年度ごとの遅延損害金(昭和62年~平成15年6月末まで)の合計は,1億7082万円である。 b 測量費(二重売却に関して生じた損害) 4000万円上記費用は,被告NTTに対する二重売買等に関する調査のため,測量図(甲37)を作成するのに要した費用である。 c 慰謝料 3000万円 円上記費用は,被告NTTに対する二重売買等に関する調査のため,測量図(甲37)を作成するのに要した費用である。 c 慰謝料 3000万円d 弁護士費用 3000万円(イ) 請求額a 主位的主張 18億4297万円上記金額は,上記(ア)a(a)(販売利益),同a(b)(食肉牛の育成委託費),同b(測量費),同c(慰謝料)及び同d(弁護士費用)の合計額27億8339万4000円の一部である。 b 予備的主張 16億6887万4000円上記金額は,上記(ア)a(a)(販売利益),同a(c)(賃料相当損害金),同b(測量費),同c(慰謝料)及び同d(弁護士費用)の合計額である。 (ウ) まとめよって,原告は,被告市に対し,本件売買契約の債務不履行又は不法行為に基づき,上記(イ)の損害賠償金(主位的に18億4297万円,予備的に16億6887万4000円),及びこれに対する平成13年1月1日から完済まで年5分の割合による遅延損害金の支払を求める(被告NTTとの連帯支払)。 エ将来の損害(ア) 損害発生のおそれa 被告市は,現在までの経緯に照らし,今後も保安林指定の解除に関する義務を履行しないことが予想される。 b したがって,被告市は,将来発生する原告の損害についても賠償すべき義務がある。 (イ) 原告が将来被るおそれのある損害額a 主位的主張 1か月500万円上記金額は,過去14年間の損害についての本訴請求額18億4297万円を1か月当たり 原告が将来被るおそれのある損害額a 主位的主張 1か月500万円上記金額は,過去14年間の損害についての本訴請求額18億4297万円を1か月当たりの損害に換算した金額である1097万0059円の一部である。 b 予備的主張 1か月60万円上記金額は,原告が補助参加人に本件土地を賃貸した場合の賃料月額である。 (ウ) まとめよって,原告は,被告市に対し,平成13年1月1日から被告市が原告に対して別紙図面1(1)又は別紙図面1(3)の各赤線で囲まれた範囲の土地についての所有権移転登記手続をするまで,毎月末日限り,上記(イ)の損害賠償金(主位的に500万円,予備的に60万円),及び同各金員に対する各支払期日の翌日から完済まで年5分の割合による遅延損害金の支払を求める。 (2) 被告市(請求原因に対する認否等)ア請求原因イ(被告市の債務不履行ないし不法行為)について(ア) 保安林指定の解除に関する義務違反についてa 請求原因イ(ア)a(保安林の存在)について否認する。その理由は,前記4(2)ア・イのとおり。 b 請求原因イ(ア)b(本件売買契約における被告市の義務)について否認する。被告市は,次のとおり,本件売買契約に基づき保安林指定の解除手続等をする義務はない。 (a) 本件仮契約書7条の趣旨は,被告市に「放牧並びに観光事業」の具体的な支援・協力を義務付けたものではなく,単に原告が本件土地を利用する場合の用途を限定したものにすぎない。 (b) 被告市は,保安林指定の解 告市に「放牧並びに観光事業」の具体的な支援・協力を義務付けたものではなく,単に原告が本件土地を利用する場合の用途を限定したものにすぎない。 (b) 被告市は,保安林指定の解除に関する権限を有しておらず,保安林指定解除の結果をもたらすことは客観的に不可能である。 (c) 本件土地の客観的状況に照らしても,本件土地全体において原告の主張するような開発を行うことは,元々極めて困難であった。 c 請求原因イ(ア)c(被告市の義務違反)について被告市が保安林指定の解除に必要な措置をとっていないことは認める。しかし,被告市は,本件売買契約締結時から,本件土地内に保安林が存在するとの認識を有していなかった。 d 請求原因イ(ア)d(本件開発の不能等)について不知ないし否認する。 (イ) 本件土地の一部の二重売買についてaNTT土地と本件土地の一部が重複していることは否認する。 b 仮に,両土地の一部が重複しているとしても,二重売却部分の範囲は,別紙図面2(2)の赤色部分であり,同部分の面積は217.62㎡にすぎない。 イ請求原因ウ(現在の損害),同エ(将来の損害)は否認する。 (3) 被告市(抗弁)-消滅時効ア債務不履行に基づく損害賠償請求権の消滅時効(ア) 保安林指定の解除等に関する債務等についての消滅時効a 原告の被告市に対する保安林指定の解除等に関する請求権及びその不履行に基づく損害賠償請求権の消滅時効の起算点は,本件追加契約の日である昭和43年4月30日とすべきである。 b よって,昭和53年4月30日の経過により,上記 請求権及びその不履行に基づく損害賠償請求権の消滅時効の起算点は,本件追加契約の日である昭和43年4月30日とすべきである。 b よって,昭和53年4月30日の経過により,上記請求権の時効は完成した。 c 被告市は,原告に対し,平成10年9月4日の本件準備的口頭弁論期日において,上記消滅時効を援用した。 (イ) 二重売買の債務不履行責任について消滅時効a 被告市が被告NTTに対してNTT土地を売却したのは昭和57年8月ころであり,同時期をもって二重売買による債務不履行に基づく損害賠償請求権の消滅時効の起算点とすべきである。 b よって,平成4年8月ころの経過により,上記請求権の消滅時効は完成した。 c 被告市は,原告に対し,平成10年12月1日の本件準備的口頭弁論期日において,上記消滅時効を援用した。 イ不法行為に基づく損害賠償請求権の消滅時効(ア) 原告は,遅くとも昭和63年2月17日には,被告市が保安林指定の解除に必要な措置をとっていないこと,及び被告市の被告NTTに対する二重売買の事実を知っていた。 (イ) よって,平成2年2月17日の経過により,原告の被告市に対する不法行為に基づく損害賠償請求権の消滅時効は完成した。 (ウ) 被告市は,原告に対し,平成11年2月26日の本件準備的口頭弁論期日において,上記消滅時効を援用した。 (4) 原告(抗弁に対する認否)消滅時効の起算点は,いずれも争う。 (5) 原告(再抗弁)-時効中断,時効援用の信義則違反ア事実関係本件売買契約に関する被告市の対応は,次のとおりであ 消滅時効の起算点は,いずれも争う。 (5) 原告(再抗弁)-時効中断,時効援用の信義則違反ア事実関係本件売買契約に関する被告市の対応は,次のとおりである。 (ア) 本件売買契約締結時の詐欺的行為被告市は,本件土地内にはあたかも保安林が存在しないかのごとく,あるいは,保安林が存在しても容易にその指定を解除し得るかのごとく装い,原告にその旨誤信させて本件売買契約を締結した。 (イ) 義務違反発覚後の交渉経過被告市は,昭和61年5月に原告が兵庫県から保安林伐採の中止命令等を受けた直後から継続して,自己の債務及びその不履行を全面的に承認し,平成4年10月16日までその態度は一貫していた。その具体的経過は,次のとおりである。 a 被告市は,原告が兵庫県から中止命令等を受けた直後,原告の厳重な抗議に対し,「保安林がないから売却した。兵庫県の中止命令の理由を調査して回答する。」と約束した。 b 昭和63年2月17日,被告市は,被告市助役c(以下「c助役」という。)名義で,原告に対し,二重売買に関して,被告市の責任を認める内容を記載した書面(甲3)を交付した。 c 被告市は,平成元年1月12日ころ,本件土地の一部(丙463番13・14)の地目を保安林から山林に変更するための手続を行った。 d 平成2年2月2日,被告市助役dらは,原告方において,本件土地内の保安林の存在及び被告NTTへの二重売買を認めた上,原告に対し,損害賠償の方法として本件土地の再売買を打診し,再売買価格を坪1万円としたい旨提案した。 e 平成4年6月18日,c 安林の存在及び被告NTTへの二重売買を認めた上,原告に対し,損害賠償の方法として本件土地の再売買を打診し,再売買価格を坪1万円としたい旨提案した。 e 平成4年6月18日,c助役らが原告と面談し,この時も同様に,保安林の存在及び二重売買を再確認し,被告市側は,原告に対し,再売買価格を坪7000~8000円としたい旨申し出た。 f 平成4年7月29日,被告市助役eらと原告は面談して交渉し,被告市担当者らは,保安林指定解除についての債務及び損害賠償義務を承認した。しかし,再売買価格は決定しなかった。 g 平成4年10月16日,被告市総務課長fらと原告が面談し交渉したが,賠償金額は決定しなかった。 イ法律構成(ア) 時効中断又は時効完成後の債務承認(再抗弁1)被告市の上記ア(イ)の各行為,とりわけ次のaないしdの各行為は,時効中断事由又は時効完成後の債務承認に当たる。 a 昭和63年2月17日に甲3号証書面を交付したこと(ア(イ)b)b 平成元年1月12日に「保安林」から「山林」への地目変更手続を行ったこと(ア(イ)c)上記行為は,保安林指定の解除に関する債務の一部履行であり,被告市は,これにより同債務を承認したものである。 c 平成2年2月2日の面談時に口頭で責任を認めたこと(ア(イ)d)d 平成4年7月29日の面談時に口頭で責任を認めたこと(ア(イ)f)(イ) 時効援用の信義則違反(再抗弁2)また,前記アの事実関係に照らせば,被告市が,詐欺的行為によって本件売買契約を締結し,かつ,交渉において債務を (ア(イ)f)(イ) 時効援用の信義則違反(再抗弁2)また,前記アの事実関係に照らせば,被告市が,詐欺的行為によって本件売買契約を締結し,かつ,交渉において債務を履行するかのごとく見せかけておきながら,期間の経過を待って消滅時効の援用を主張することは,信義則に反するというべきである。 (6) 被告市(再抗弁に対する認否等)ア再抗弁ア(事実関係)について(ア) 再抗弁ア(ア)(本件売買契約締結時の詐欺的行為)について否認する。被告市は,本件売買契約締結当時,本件土地内に保安林が存在するとの認識を有していなかった。 (イ) 再抗弁ア(イ)(義務違反発覚後の交渉経過)についてa 被告市が,原告との間で,本件売買契約に関して,円満解決を旨として折衝を行っていたことは認める。 しかし,上記折衝は,被告NTTへの土地売却をめぐる土地範囲の誤認に関するものであり,およそ,被告市が,原告に対し,保安林指定の解除に関する債務を認めた上でのものではなかった。 b 再抗弁ア(イ)cの地目変更は,兵庫県が,保安林指定について錯誤があったため,職権により行ったものであり,被告市は関与していない。 よって,上記行為は,本件売買契約上の債務に基づく履行ではない。 イ再抗弁イ(法律構成)は,いずれも争う。 6 請求6(被告NTTに対する損害賠償請求)(1) 原告(請求原因)ア本件土地所有権の取得前記第2の2(2)アのとおり。 イ被告NTTの不法占拠ところが,被告NTTは,被告市と共謀の上,昭和57年ころから,二重売却部分(別 本件土地所有権の取得前記第2の2(2)アのとおり。 イ被告NTTの不法占拠ところが,被告NTTは,被告市と共謀の上,昭和57年ころから,二重売却部分(別紙図面2(1)の赤線で囲まれた範囲の土地)に本件NTT施設を建設して,二重売却部分(本件土地の一部)を不法に占拠している。 ウ被告NTTの故意又は過失被告NTTには,二重売却部分の土地を占拠したことについて,故意又は過失がある。その具体的事情は,次のとおりである。 (ア) 被告NTTは被告市との間で本件NTT契約を締結したが,その際,被告NTTが同契約の売買対象地として被告市から所有権移転登記を受けた土地は,公図(別紙図面5)の記載からして,NTT土地ではなく,同土地から約1.5㎞離れた場所にある別個の土地である。 (イ) ところが,被告NTTは,被告市と共謀の上,NTT土地があたかも本件NTT契約の対象地であるかのごとく装って,二重売却部分の占有を開始したのである。 エ損害の発生前記5(1)ウ(ア)(イ)のとおり。 オ結論よって,原告は,被告NTTに対し,不法行為に基づき,上記エの損害賠償金(主位的に18億4297万円,予備的に16億6887万4000円),及びこれに対する平成13年1月1日から完済まで年5分の割合による遅延損害金の支払を求める(被告市との連帯支払)。 (2) 被告NTT(請求原因に対する認否)ア請求原因イ(被告NTTの不法占拠)について(ア) NTT土地と本件土地は重複していない。 (イ) 仮に,NTT土地と本件土地が一部重複していたとしても,a NTT土地 NTTの不法占拠)について(ア) NTT土地と本件土地は重複していない。 (イ) 仮に,NTT土地と本件土地が一部重複していたとしても,a NTT土地及び同土地上の本件NTT施設の所有権は,平成11年7月に被告NTTの組織が再編成されたことに伴い,被告NTTからNTTコミュニケーションズに移転された。 b よって,被告NTTは,現在,二重売却部分を占有していない。 イ請求原因ウ(被告NTTの故意・過失)は否認する。 ウ請求原因エ(損害の発生)について否認する。原告の主張を前提にしても,二重売却部分の面積は本件土地全体のごくわずかな一部であり,被告NTTの二重売却部分の占有によって本件土地全体の開発が不可能となり,原告主張の損害が発生したとは認められない。 7 請求8(被告市に対する所有権移転登記請求)(1) 原告(請求原因)ア本件売買契約の締結,本件土地所有権の取得前記第2の2(2)アのとおり。 イ登記義務の不履行ところが,前記第2の2(2)イのとおり,被告市は,原告に対し,本件土地の一部について所有権移転登記手続をしたのみで,その余の部分については所有権移転登記手続をしない。 ウ本件土地の範囲原告と被告市は,本件売買契約の締結に際し,売買対象地の範囲を別紙図面1(3)の赤線で囲まれた範囲の土地とすることに合意した。そして,同図面を基に原告において再度調査・測量の上正確に図面化したものが,別紙図面1(1)である。したがって,原告が被告市から買い受けた本件土地の範囲は,別紙図面1(1)の赤線で囲まれた範囲である。 エ結論よって,原告は, 図面化したものが,別紙図面1(1)である。したがって,原告が被告市から買い受けた本件土地の範囲は,別紙図面1(1)の赤線で囲まれた範囲である。 エ結論よって,原告は,被告市に対し,本件売買契約又は所有権に基づき,次の(ア)(イ)のとおり,本件土地について,所有権移転登記手続をすることを求める。 (ア) 主位的請求別紙図面1(1)の赤線で囲まれた範囲の土地についての所有権移転登記(イ) 予備的請求別紙図面1(3)の赤線で囲まれた範囲の土地についての所有権移転登記(2) 被告市(請求原因に対する認否)ア請求原因イ(登記義務の不履行)は認める。 イ請求原因ウ(本件土地の範囲)について(ア) 原告と被告市は,本件売買契約の締結に際し,売買対象地の範囲を別紙図面1(3)の赤線で囲まれた範囲の土地とすることに合意したことは認めるが,その余は否認する。 (イ) 本件土地の範囲は,被告主張図面(乙6,別紙図面1(2))の75万3928㎡が正確であり,原告主張図面(乙8,別紙図面1(1))の76万1339㎡ではない。 (3)  被告市(抗弁-登記に関する合意)原告と被告市は,本件売買契約が広大な市有地である山林の一部を売却するものであり,本件土地の公図上の位置も明確でないことから,市有地全部を実測し,地積更正の上合筆することが困難であることを双方で了解していた。 そこで,原告と被告市は,本件売買契約を実測売買とし,登記簿上,実測に見合う土地の分筆が困難であることを双方了解した上で,当時可能な範囲で分筆を行うこととし,現地測量した本件土地の形状や山の南側斜面の地権者との境界確認を踏ま 売買契約を実測売買とし,登記簿上,実測に見合う土地の分筆が困難であることを双方了解した上で,当時可能な範囲で分筆を行うこととし,現地測量した本件土地の形状や山の南側斜面の地権者との境界確認を踏まえ,公図(別紙図面5)の南方向から分筆する手法を採用して,丙463番9,丙463番2,丙463番10の各土地を分筆し,これをもって所有権移転登記手続を完了することに合意したのである。 したがって,被告市に登記義務に関する債務不履行はない。 (4) 原告(抗弁に対する認否)否認する。本件売買契約の契約書等(甲2,乙5)に上記合意に関する記載はなく,原告が登記を不要とすることに合意したことはない。 8 請求9(被告NTTに対する構築物撤去,土地明渡請求)(1) 原告(請求原因)ア原告の本件土地所有権の取得前記第2の2(2)アのとおり。 イ被告NTTの不法占拠ところが,被告NTTは,二重売却部分(別紙図面2(1)の赤線で囲まれた範囲の土地)に本件NTT施設(電波塔管理建物,同塔基,関連施設〔ヘリポート〕)を建設して,二重売却部分を不法に占拠している。 ウ結論よって,原告は,被告NTTに対し,二重売却部分の土地所有権に基づき,別紙図面2(1)の赤線で囲まれた範囲の土地内にある構築物(本件NTT施設)を撤去して,上記範囲の土地明渡しを求める。 (2)  被告NTT(請求原因イ〔被告NTTの不法占拠〕に対する認否等)ア NTT土地と本件土地は重複していない。 イ仮に,NTT土地と本件土地が一部重複していたとしても,(ア) NTT土地及び同土地上の本件NTT施設の所有権は,平成11年7月に被告NTTの組織 本件土地は重複していない。 イ仮に,NTT土地と本件土地が一部重複していたとしても,(ア) NTT土地及び同土地上の本件NTT施設の所有権は,平成11年7月に被告NTTの組織が再編成されたことに伴い,被告NTTからNTTコミュニケーションズに移転された。 (イ) よって,被告NTTは,現在,本件NTT施設を所有していないし,二重売却部分を占有していない。 9 請求10(被告NTTに対する損害賠償請求-請求9の予備的請求)(1) 原告(請求原因)仮に,請求9(構築物撤去,土地明渡請求)が認められない場合には,原告は,被告NTTに対し,次のとおり,二重売却部分の土地価格相当損害金及びその遅延損害金の支払を求める。 ア原告の本件土地所有権の取得前記第2の2(2)アのとおり。 イ被告NTTの不法占拠ところが,被告NTTは,本件NTT契約締結後,二重売却部分(別紙図面2(1)の赤線で囲まれた範囲の土地,本件土地の一部)に本件NTT施設を建設して,二重売却部分を不法に占拠している。 ウ被告NTTの故意又は過失前記6(1)ウのとおり。 エ原告の損害(ア) 本件NTT契約(昭和57年7月1日付け)では,売買対象地(NTT土地)の売買単価は,1㎡当たり1200円であった(甲101)。 (イ) 二重売却部分の面積は690.44㎡であるから,二重売却部分の土地代金相当額は82万8528円(690.44㎡×1200円)であり,原告は同額の損害を被った。 オ結論よって,原告は,被告NTTに対し,不法行為に基づき,損害賠償金82万8528円,及びこれに対する昭和57年7月 1200円)であり,原告は同額の損害を被った。 オ結論よって,原告は,被告NTTに対し,不法行為に基づき,損害賠償金82万8528円,及びこれに対する昭和57年7月1日から完済まで年5分の割合による遅延損害金の支払を求める(被告市との連帯支払)。 (2)  被告(請求原因に対する認否等)ア請求原因イ(被告NTTの不法占拠)について前記8(2)のとおり。 イ請求原因ウ(被告NTTの故意又は過失)は否認する。 10 請求11(被告市に対する損害賠償請求-請求9の予備的請求)(1) 原告(請求原因)仮に,請求9(構築物撤去,土地明渡請求)が認められない場合には,原告は,被告市に対し,次のとおり,二重売却部分の土地価格相当損害金及びその遅延損害金の支払を求める。 ア原告の本件土地所有権の取得前記第2の2(2)アのとおり。 イ被告市の債務不履行ないし不法行為(二重売買)被告市は,被告NTTと共謀の上,昭和57年ころ,被告NTTに対し,本件土地の一部を二重売却し,それ以降,二重売却部分(別紙図面2(1)の赤線で囲まれた範囲の土地)上に本件NTT施設を建設して,同部分を不法に占拠している。 ウ原告の損害原告は,被告市の債務不履行ないし不法行為(二重売買)によって,前記9(1)エのとおり,二重売却部分の土地代金相当額82万8528円の損害を被った。 エ結論よって,原告は,被告市に対し,不法行為に基づき,損害賠償金82万8528円,及びこれに対する昭和57年7月1日から完済まで年5分の割合による遅延損害金の支払を求める(被告NTTとの連帯支払) よって,原告は,被告市に対し,不法行為に基づき,損害賠償金82万8528円,及びこれに対する昭和57年7月1日から完済まで年5分の割合による遅延損害金の支払を求める(被告NTTとの連帯支払)。 (2)  被告市(請求原因に対する認否等)ア請求原因イ(被告市の債務不履行ないし不法行為-二重売買),同ウ(原告の損害)は否認ないし争う。 イ NTT土地と本件土地は重複していない。 仮に,両土地の一部が重複しているとしても,二重売却部分の範囲は別紙図面2(2)の赤色部分であり,同部分の面積は217.62㎡である。 (3) 被告市(抗弁)-消滅時効前記5(3)(ただし二重売買に関する部分)のとおり。 (4) 原告(抗弁に対する認否)消滅時効の起算点は,いずれも争う。 (5) 原告(再抗弁)-時効中断,時効援用の信義則違反前記5(5)(ただし二重売買に関する部分)のとおり。 (6) 被告市(再抗弁に対する認否等)前記5(6)(ただし二重売買に関する部分)のとおり。 11 請求12(被告市に対する保安林指定解除手続請求)(1) 原告(請求原因)ア本件売買契約の締結前記第2の2(2)アのとおり。 イ被告市の保安林指定の解除に関する義務前記5(1)イ(ア)a,bのとおり。 ウ結論よって,原告は,被告市に対し,本件売買契約に基づき,本件土地のうち丙463番11について,保安林指定の解除手続をすることを求める。 (2)  被告市(請求原因イに対する認否等)ア本件土地内に保安林が存在することは否認する。その理由は,前記4(2)ア,イのと 3番11について,保安林指定の解除手続をすることを求める。 (2)  被告市(請求原因イに対する認否等)ア本件土地内に保安林が存在することは否認する。その理由は,前記4(2)ア,イのとおり。 イ被告市に保安林指定の解除手続をする義務があることは否認する。その理由は,前記5(2)ア(ア)b(a)ないし(c)のとおり。 12 請求13・14(被告両名に対する通行権存在確認請求)(1) 原告(請求原因)ア通行権の存在本件土地においては,その最東端から公道に通ずる道路がなければ本件開発が不可能であった。そこで,被告市は,本件売買契約の締結に際し,原告に対し,本件土地の東端部分から公道に通ずる部分(別紙図面3の赤色部分)の道路を整備することを約した。 イ確認の利益ところが,被告らは,上記通行権に関する約定を否認して,その存在を争っている。 ウ結論よって,原告は,被告らに対し,上記約定に基づき,原告が上記通行権を有することの確認を求める。 (2)  被告ら(請求原因に対する認否)請求原因ア(通行権の存在)は否認する。 第4 当裁判所の判断 1 保安林の指定,解除等に関する法の定め(以下に摘示する規定はいずれも現行法のものであるが,その内容については,森林法の改正前においても基本的な点に変わりはない。)(1) 保安林制度の目的保安林制度は,公共の危害の防止,産業の保護その他の公共の福祉の増進を図るため,特定の森林を保安林として指定し,その森林の保全とその森林における適切な施業を確保することを目的とする。 (2) 保安林の指定,解除に関する権限関係保安林の指定及び解除に関する権限 特定の森林を保安林として指定し,その森林の保全とその森林における適切な施業を確保することを目的とする。 (2) 保安林の指定,解除に関する権限関係保安林の指定及び解除に関する権限は,農林水産大臣又は都道府県知事が有する(森林法25条,27条等)。 (3) 保安林指定の効果保安林においては,立木の伐採等一定の行為をするには,都道府県知事の許可等が必要とされる(同法34条1項,2項等)。そして,都道府県知事は,上記制限に違反した者等に対しては,伐採の中止を命じ,造林,復旧等に必要な措置をすべき旨を命ずることができる(同法38条各項)。 (4) 保安林指定の解除ア保安林の指定は,その理由が消滅したときは,その部分につきこれを解除しなければならず(同法26条1項),また,公益上の理由により必要が生じたときは,その部分につき,これを解除することができる(同条2項)。 イ保安林の指定若しくは解除について,利害関係を有する地方公共団体の長又は直接の利害関係を有する者は,書面により保安林指定の解除の申請をすることができる(同法27条1項)。 2 事実の認定前記第2の2の前提事実に,証拠(甲1~37,45〔一部〕,48,49,51~62,72,76,77,88,89〔一部〕,90〔一部〕,95~98,乙1~3,5~38,40~43,48~59,65〔各肢番を含む〕,丙1~17,証人k〔一部〕,証人g,証人z,文中記載の各証拠)及び弁論の全趣旨を総合すると,次の事実が認められる。 (1) 本件土地及びその周辺地の状況等ア本件土地の概況(ア) 本件土地は,面積およそ75万㎡(契約時に合意された面積は74万9882㎡であり,再測量後の正確な面積は当事者間に争いがある。)の山 及びその周辺地の状況等ア本件土地の概況(ア) 本件土地は,面積およそ75万㎡(契約時に合意された面積は74万9882㎡であり,再測量後の正確な面積は当事者間に争いがある。)の山林であり,別紙図面1(3)の②,⑤,⑦,⑧及び⑨の各部分で構成されている。 (イ) 本件土地の南西側(別紙図面1(3)の①)には,原告の牧場地(B牧場)が隣接している(以下同地を「本件隣接地」という。)。 (ウ) 本件土地の最東端部分(別紙図面1(3)の⑨の東端)は,くちばし状の形となっており,NTT土地は同部分付近に存在する(同部分がNTT土地と重複しているかについて,当事者間に争いがある。)。 (エ) 本件土地の東側部分は,車両の通行が可能な道路と接続していないが,西側部分においては,別紙図面1(3)の②と⑤を挟むかたちで,県道(別紙図面6〔乙62〕の②と⑤の間の道路)が通じており,同県道から本件土地への車両による進入が可能となっている。 イ本件土地周辺の公図(ア) 本件土地周辺地域においては,明治ないし大正時代に旧公図(乙27)が作成され,その後,地番の変遷の都度各地番の土地が記入され,昭和61年ころにマイラー化された現在の公図(乙28,別紙図面5,以下「本件公図」という。)が作成された(乙10~28)。 (イ) 本件公図(別紙図面5)に図示された土地の位置関係についてみると,次のとおりである。 a 丙463番2の位置が,本来は丙463番7あるいは丙464番2の周辺に図示されるべきであるのに,本件公図(別紙図面5)では,現実の位置とは異なった位置(丙463番9の南側)に図示されている(証人g)。 b 丙463番8は,昭和27年7月2日にh寺の敷地として保存登記されたものであ ,本件公図(別紙図面5)では,現実の位置とは異なった位置(丙463番9の南側)に図示されている(証人g)。 b 丙463番8は,昭和27年7月2日にh寺の敷地として保存登記されたものであり,同寺敷地の実際の場所は,i池(丙463-3)の北東方向に位置する(甲33,別紙図面6参照)。ところが,本件公図(別紙図面5)上の丙463番8は,i池(丙463-3)のほぼ真東に位置しており,現実の位置とは大幅に異なっている。 c さらに,その後,NTT土地の分筆によって昭和57年ころに図示された丙463番35ないし41(NTT電波塔)は,現実には,丙463番8(h寺)よりもはるか南側に図示されるべきであったのに(甲33,別紙図面6参照),本件公図(別紙図面5)では,上記のとおり丙463番8が不正確な位置に図示されたことから,丙463番8の北東側に図示されている。 (ウ) 以上のとおり,本件公図(別紙図面5)に図示された土地の位置は,現実の土地の場所とは明らかに異なっている部分が少なくなく,その正確性が乏しいことから(証人g),本件公図から地番に対応する土地の位置関係等を正確に把握することは著しく困難な状態にある。 (2) 本件売買契約に至る経緯ア被告市の勧誘原告は,昭和42年当時,本件隣接地(別紙図面1(3)の①)において,補助参加人の専務取締役として,原告の実父とともに牧場を経営していた。 被告市は,昭和42年当時財政難にあったことから,その窮余の策として,本件隣接地で牧場経営を開始していた原告又は原告の父に対し,本件土地の売却を申し入れた。 これに対し,原告は,本件隣接地に隣接する本件土地を買い受けて放牧及び観光牧場事業を行いたいとの希望を有していたことか していた原告又は原告の父に対し,本件土地の売却を申し入れた。 これに対し,原告は,本件隣接地に隣接する本件土地を買い受けて放牧及び観光牧場事業を行いたいとの希望を有していたことから,上記申入れに応諾した。 イ本件売買契約における合意内容原告と被告市は,被告市所有の丙463番9のうち,75町歩を売買対象地とし,売買代金を反当たり2万5600円とするとの基本合意をし,これを受けて,昭和42年6月16日,本件仮契約(甲2)を締結した。 その際,原告と被告市は,売買対象地の範囲については,後日実測を行って確定することを合意した。 (3) 本件土地の範囲確定の経過等ア原告及び被告市は,上記(2)イの合意に基づき,昭和42年7月ころから売買対象地の境界付近の刈り上げや測量等の作業を開始し,同年10月3日及び同年11月22日には,原告と被告市担当者による境界現場の立会いが実施され,売買対象地の範囲を確定するための作業が進められた(証人g)。 イ原告は,昭和42年12月19日ころ,被告市に対し,上記作業によって確認した売買対象地の範囲を一部変更することを申し入れる旨の書面(乙52の1)を送付し,被告市は上記申入れを承諾した。 同書面添付の図面(乙52の2)では,売買対象地の最東端が後のNTT土地よりも手前の山頂地点(以下「東側頂上地点」という。)となっており,売買対象地がNTT土地とは重複しない位置関係となっていた。 ウ原告は,本件土地の測量をy株式会社に依頼し,同社は,現地で測量を行った上,昭和43年2月29日までに本件契約図面(別紙図面1(3))を完成させた。 エ原告及び被告市は,現地において境界確認をした上,本件売買対象地を本件契約 依頼し,同社は,現地で測量を行った上,昭和43年2月29日までに本件契約図面(別紙図面1(3))を完成させた。 エ原告及び被告市は,現地において境界確認をした上,本件売買対象地を本件契約図面の範囲(別紙図面1(3)の②⑤⑦⑧⑨)とすることで合意し,昭和43年4月30日,本件追加契約を締結した(乙5)。 オ被告市は,本件追加契約の締結から2年以上経過した昭和45年8月19日ころ,原告に対し,本件土地と被告市所有地との境界の再確認等に関する協議を求めたが(乙54の1・2),原告はこれに応じなかった(乙55の1・2)。 (4) 本件土地の分筆及び所有権移転手続等ア被告市は,本件売買契約に基づき,丙463番9の南西の一画を同12に分筆したほか,本件公図上,本件土地南側に隣接する部落共有山林との境界部分に位置する地番であった丙463番2を同11に,丙463番10を同13及び同14に分筆した上(別紙図面5参照),原告に対し,丙463番11~14の所有権移転登記をした。 イ上記登記手続がされたほかには,原告・被告市間において,本件土地に関する登記手続はなされていない。 (5) 本件NTT契約締結の経緯等ア被告市は,昭和50年代中ころ,被告NTTから,無線中継所施設建築用地として,本件土地東端の北方土地の売却方の申出を受けた。 被告市担当者は,当時,本件土地東端が東側頂上地点であるとの認識を有していたことから,かかる認識を前提に,被告NTTに対する売却地の範囲を定め,同土地の測量を行った(乙57,証人g)。 イそして,原告は,被告市から求められて,昭和56年12月1日,被告NTTが本件NTT施設を設置することについての同意書に署名した(甲58)。 ウそこで,被告市と被告NTTは 人g)。 イそして,原告は,被告市から求められて,昭和56年12月1日,被告NTTが本件NTT施設を設置することについての同意書に署名した(甲58)。 ウそこで,被告市と被告NTTは,昭和57年7月1日,本件NTT契約を締結した(丙1)。 (6) 保安林指定等ア本件土地及びその周辺地の保安林指定状況(ア) 本件売買契約締結当時の保安林の指定状況本件土地あるいはその周辺地においては,本件売買契約締結前,次のとおり,保安林の指定等が行われていた。 a 大正元年10月丙463番2(昭和43年5月29日に丙463番11が分筆される前の元地番)が,保安林(航行目標保安林)に編入された(乙11,証人g)。 b 昭和30年7月8日丙463番9(昭和43年5月29日に丙463番12が分筆される前の元地番)の一部が,保安施設地区(防火林)に指定された(甲76の1)。 (イ) 本件売買契約後の保安林指定の経過本件売買契約締結後においては,次のとおり,保安林の指定が行われた(甲35,36,51,52の1~3)。 a 昭和43年6月25日(a) 所在場所A市a町b丙462,丙463の6,丙463の7,丙463の9(一部)ほか(b) 指定の目的水源のかん養b 昭和58年2月12日(a) 所在場所A市a町b丙462,丙463の1,丙463の2,丙463の5,丙463の6(一部),丙463の7(一部),丙463の9,丙463の10,丙463の29~32,丙464の1,丙464の5,丙464の7,丙465の1ほか( 63の2,丙463の5,丙463の6(一部),丙463の7(一部),丙463の9,丙463の10,丙463の29~32,丙464の1,丙464の5,丙464の7,丙465の1ほか(b) 指定の目的公衆の保健c 昭和58年8月20日(a) 所在場所A市a町b丙463の1,丙463の2,丙463の5,丙463の10,丙464の1,丙464の5,丙464の7,丙465の1(b) 指定の目的水源のかん養イ保安林台帳附属図上の保安林指定区域の範囲他方,保安林台帳附属図(乙29の2・昭和58年当時のもの)上は,本件土地のほぼ北側に保安林指定区域が存在し,本件土地の大部分は上記保安林指定区域の範囲外となっているが,本件土地の北側の一部は,同区域の範囲内に含まれている(甲93の1~3,乙33)。もっとも,別紙図面1(3)の②は保安林指定区域には含まれていない。 ウ原告が所有権移転登記を受けた土地の地目(ア) 本件売買契約締結当時の地目原告が所有権移転登記を受けた土地の地目は,本件売買契約(昭和42年6月16日〔仮契約〕,昭和43年4月30日〔追加契約〕)締結当時,次のとおりであった。 a 丙463番2(平成463番11の元地番) 保安林b 丙463番9(丙463番12の元地番)  山林c 丙463番1(丙463番13・14の元地番)  山林(イ) 地目変更a 昭和43年5月16日,丙463番1から丙463番10が分筆されたが,その際,地目が山林から保安林に変更された。 b 昭和43年5月 (イ) 地目変更a 昭和43年5月16日,丙463番1から丙463番10が分筆されたが,その際,地目が山林から保安林に変更された。 b 昭和43年5月30日,丙463番10から丙463番13・14が分筆されたが,地目は保安林のままであった。 c 平成元年1月12日,丙463番13・14の地目が,保安林から山林に戻された。 (ウ) 現在の地目したがって,原告が所有権移転登記を受けた土地の現在の地目は,次のとおりとなっている。 a 丙463番11 保安林b 丙463番12 山林c 丙463番13 山林d 丙463番14 山林(7) 本件開発の不能及びその後の交渉経過ア本件開発の中止(ア) 原告は,昭和61年ころから,別紙図面1(3)の②(本件土地内)において,本件開発に着手した。 (イ) ところが,原告は,その直後の昭和61年5月ころ,兵庫県知事(兵庫県A農林水産事務所の担当者)から,公法上の規制に違反するとの理由で,立木伐採の中止並びに上記開発によって伐採した立木の復旧及び防護柵の設定を命ずる旨の命令を受けた。 そこで,原告は,同命令に従い,上記工事を中止するとともに,昭和62年3月ころまでに,伐採した森林の復旧及び防護柵の設置工事を行った(甲81の1・2,82)。 (ウ) なお,別紙図面1(3)の②は保安林指定区域に含まれていないので,兵庫県知事が,保安林指定区域であるとの理由で,原告に対し,上記(イ)の命令をした(原告はこのように主張している。)と認めることには疑問がある。 イその後の交渉経過(ア) 原告の調査確認要求 ,保安林指定区域であるとの理由で,原告に対し,上記(イ)の命令をした(原告はこのように主張している。)と認めることには疑問がある。 イその後の交渉経過(ア) 原告の調査確認要求原告は,遅くとも昭和62年11月ころまでに,被告市に対し,本件土地内の保安林の存否,及び本件土地とNTT土地との重複部分の有無等について,調査確認を求めた。 (イ) 被告市の二重売買に関する調査及び回答被告市は,原告の求めに基づいて,本件土地とNTT土地の境界について調査を行ったところ,上記境界の誤認があったこと,すなわち両土地が重複している事実が判明した。 そこで,被告市は,昭和63年2月17日,c助役名義で,原告に対し,本件土地とNTT土地の境界に誤認があったことが判明したことを認め,その早期解決に努める旨を記載した書面(甲3,61の1,87)を作成し,原告に交付した。 また,被告市は,調査の上で把握した本件土地とNTT土地との重複部分について,その範囲を記入した現場写真を交付して,原告に説明した(甲86)。 (ウ) 被告市の保安林の存否に関する調査及び回答さらに,被告市は,本件土地内の保安林の有無を調査した上,本件土地内の保安林の指定状況を示した図面(甲84)を作成して,これを原告に交付し,原告に対し,本件土地のうち地目が保安林となっている丙463番13・14は,地目の誤りである旨説明した(甲83の1~4,84)。 (エ) 解決案の提示及び交渉の決裂その後,原告・被告市間の交渉は,主に二重売買に関して平成4年ころまで重ねられ,その間,被告市側からは,解決案として,NTT土地に隣接する被 (エ) 解決案の提示及び交渉の決裂その後,原告・被告市間の交渉は,主に二重売買に関して平成4年ころまで重ねられ,その間,被告市側からは,解決案として,NTT土地に隣接する被告市所有地の一部を代替地として原告に提供する案や,被告市が本件土地を買い戻す案などが示されたが,いずれも合意に達しなかった(甲97,98)。 (オ) 本件訴訟での和解状況さらに,本件訴訟においても,裁判所の和解勧告のもと,原告・被告市間で,多数回にわたり和解が試みられた。 そして,当裁判所は,平成15年4月22日の和解期日に,原告及び被告市に対し,被告市が原告に1億円程度を支払い,原告から本件土地を買い戻すことを内容とする和解案を提示した。 これに対し,被告市は,同和解案を真剣に検討する旨前向きの回答をしたが,原告は,損害賠償金として8億円程度の支払を受けなければ和解に応ずることができないとして,上記和解案の受入れをかたくなに拒否した。 (8) 本件土地等の測量原告及び被告市は,本件訴訟係属後,次のとおり,本件土地の範囲等を確定するため,それぞれ測量を実施した。 ア原告側による測量(ア) 本件土地の測量原告は,j合同事務所(担当者・土地家屋調査士k(以下「k調査士」という。)に対し,本件土地の測量を依頼した。 k調査士は,本件契約図面(別紙図面1(3))の作成当時の座標データを入手できなかったことから,まず,本件契約図面から読み取りを行う方法で本件土地を任意座標値化した上,対象範囲について基準点(東端,中央部,西端の3点)測量及び現況平面測量を実施し,これを基に任意座標値を公共座標に変換し, ら,まず,本件契約図面から読み取りを行う方法で本件土地を任意座標値化した上,対象範囲について基準点(東端,中央部,西端の3点)測量及び現況平面測量を実施し,これを基に任意座標値を公共座標に変換し,現地の境界点に杭を設置して,その位置を確認した。 以上の結果作成された図面が,原告主張図面(別紙図面1(1)〔甲37〕)であり,これをマイラー化した図面が乙第8号証である。 (イ) NTT土地の測量また,原告は,上記の方法により,NTT土地(別紙図面4の赤線で囲まれた範囲の土地)の位置についても,調査・測量を実施した。 (ウ) 別紙図面2(1)以上の結果得られた本件土地とNTT土地の位置関係を示した図面が,別紙図面2(1)である。 イ被告らによる測量(ア) 本件土地の測量被告市は,本件契約図面(別紙図面1(3))の作成当時の座標データ(乙1)を基に測量を行うこととし,現地検分によって発見した本件売買契約当時のものと思われる古い木杭4点のうち3点を任意座標とし,公共座標変換を行うとともに,上記座標データをマイラー化して図面を作成した。 以上により作成された図面が,被告主張図面(乙6,別紙図面1(2))である。 (イ) NTT土地の測量他方,NTT土地については,被告市が上記のとおり得た測量データを基に,被告NTTにおいて,本件土地との境界部分について測量を実施した。 (ウ) 別紙図面2(2)以上の結果得られた本件土地とNTT土地の位置関係を示した図面が,別紙図面2(2)(丙17)である。 3 請求1(被告市に対する本件土地全体の所有権確認請求)の検討(1) (2)以上の結果得られた本件土地とNTT土地の位置関係を示した図面が,別紙図面2(2)(丙17)である。 3 請求1(被告市に対する本件土地全体の所有権確認請求)の検討(1) 確認の利益の検討本件においては,本件土地の所有権が原告に帰属していること,及び本件土地の範囲が別紙図面1(3)(本件契約図面)の赤線で囲まれた範囲の土地であること自体は,当事者間に争いがなく,本件契約図面を正確化したものが,原告主張図面(別紙図面1(1),乙8)と被告主張図面(別紙図面1(2),乙6)のいずれであるかについて争いがあるにすぎない。しかも,上記両図面(乙8と乙6)を照らし合わせると,本件土地の範囲の大部分は一致している。 そうすると,原告は,原告が所有権を有することについて争いのない部分(別紙図面1(1)の赤線で囲まれた範囲の土地の大部分)については,所有権確認の訴えの利益を欠き,その余の争いのある部分(わずかな範囲)の所有権確認を求める限度において,確認の利益を有するにすぎないというべきである。 (2) 争いある部分の特定の検討アそこで,次に,当事者間に争いのある部分が特定されているかについて,以下検討する。 イ前記2(8)ア・イの各(ア)の事実によれば,原告主張図面(別紙図面1(1),乙8,本件土地の面積76万1339㎡)と被告主張図面(別紙図面1(2),乙6,本件土地の面積75万3928㎡)は,いずれも本件契約図面(別紙図面1(3))を基としているものの,測量の基礎となる座標データや基準点等が異なるため,提出済みの両図面(乙6と乙8)を対照しても,当事者間に争いのある部分は不明であるといわざるを得ない。 ウそこで,当裁判所は,平成14年2月7日の第25回口頭 ータや基準点等が異なるため,提出済みの両図面(乙6と乙8)を対照しても,当事者間に争いのある部分は不明であるといわざるを得ない。 ウそこで,当裁判所は,平成14年2月7日の第25回口頭弁論期日において,原告代理人に対し,原告及び被告市がそれぞれ本件土地の正確な範囲であると主張する各図面に基づき,当事者間に争いのある部分を別紙図面1(1)上で特定し,同特定された争いのある部分について,原告の所有権確認を求めるようにと釈明した。 ところが,原告代理人は,上記期日において,当事者間に争いのある部分を図面上で特定する作業はしないと明言した(第25回口頭弁論調書参照)。 (3) まとめ以上の次第で,原告の本件土地全体(別紙図面1(1)の赤線で囲まれた範囲の土地)の所有権確認を求める訴えについては,当事者間に争いのある部分についての特定を欠くので,不適法であるといわざるを得ず,却下を免れない。 4 請求2(被告市に対する二重売却部分の所有権確認請求)の検討(1) 本件土地とNTT土地の重複の有無の検討ア原告は,本件土地とNTT土地とが,別紙図面2(1)の赤線で囲まれた範囲で重複していると主張するのに対し,被告市は,上記重複の事実自体を否認するので,以下検討する。 イ確かに,本件追加契約締結前の本件土地範囲を確定する経過の中で作成された図面には,本件土地の最東端が,NTT土地手前の東側頂上地点にとどまっている図面(乙52の2)も存在するところである(前記2(3)イ)。 ウしかし,原告及び被告市間においては,本件売買契約における売買対象地の範囲が,別紙図面1(3)(本件契約図面)の赤線で囲まれた範囲の土地であること自体に争いがなく,両者は,現地において境界確認をした上,本件売買対 び被告市間においては,本件売買契約における売買対象地の範囲が,別紙図面1(3)(本件契約図面)の赤線で囲まれた範囲の土地であること自体に争いがなく,両者は,現地において境界確認をした上,本件売買対象地を本件契約図面の範囲とすることで合意し,昭和43年4月30日,本件追加契約を締結しているのである(前記2(3)エ)。 それゆえ,本件土地の範囲は,本件契約図面(別紙図面1(3))を基に判断するのが相当である。 エそこで,本件契約図面(別紙図面1(3))を基に,本件土地の範囲を検討する。 (ア) 前記2(8)の事実によれば,原告及び被告らが行った本件土地とNTT土地の境界部分の位置関係についての測量結果は,次のとおりである。 a 原告測量別紙図面1(1)(乙8)に基づき作成された別紙図面2(1)のとおりであり,赤線で囲まれた範囲の土地が重複部分である(その面積690.44㎡)b 被告ら測量別紙図面1(2)(乙6)に基づき作成された別紙図面2(2)のとおりであり,赤色部分が重複部分である(その面積217.62㎡)。 (イ) そうすると,本件契約図面(別紙図面1(3))を基として本件土地とNTT土地の位置関係を調査・検討した場合,原告・被告らのいずれの測量結果によっても,両土地の重複部分(二重売却部分)が存在することが認められる。 (2) 本件土地とNTT土地の重複部分の範囲についての検討そこで,次に,本件土地とNTT土地の重複部分(二重売却部分)の範囲について,当事者双方の測量結果を中心に,それぞれ検討する。 ア被告らの測量について前記2(8)イのとおり,被告市は,本件契約図面( T土地の重複部分(二重売却部分)の範囲について,当事者双方の測量結果を中心に,それぞれ検討する。 ア被告らの測量について前記2(8)イのとおり,被告市は,本件契約図面(別紙図面1(3))の作成当時の座標データを用いて測量を行っており,その測量結果(別紙図面1(2),別紙図面2(2))は,より本件契約図面(別紙図面1(3))に忠実なものであり,その正確性・信用性に疑問を抱かせる事情は存在しない。 以上によれば,被告側の測量結果(別紙図面1(2),別紙図面2(2))は,その正確性について信用するに足りるものと評価することができる。 イ原告の測量について他方,原告の測量結果(別紙図面1(1),別紙図面2(1))についてみると,証拠(証人k)によれば,同測量は,本件契約図面(別紙図面1(3))の作成当時の座標データを入手できなかったことから,やむを得ず,本件契約図面から読み取りを行う方法で本件土地を任意座標値化したものであり,その正確性については,当時の座標データ自体を使用した被告らの測量に比して,誤差の生ずる可能性が高いというべきである。 さらに,証拠(証人k)によれば,原告側の測量においては,本件土地の東端部分の基準点を定めるに当たり,原告が現場で指示した地点をもって基準点としていることが認められ,原告の上記指示自体が客観的な根拠に乏しいものであることからすると,上記部分の基準点の決定についても,正確性,信用性に疑問があるといわざるを得ない。 (3) まとめア以上によれば,本件土地の範囲については,被告主張図面(別紙図面1(2),乙6,面積75万3928㎡)の方が,原告主張図面(別紙図面1(1),乙8,面積76万1339㎡)よりも正確 まとめア以上によれば,本件土地の範囲については,被告主張図面(別紙図面1(2),乙6,面積75万3928㎡)の方が,原告主張図面(別紙図面1(1),乙8,面積76万1339㎡)よりも正確であり,本件土地とNTT土地の位置関係は,被告らの測量結果に基づいて作成された別紙図面2(2)のとおりと認めるのが相当であって,両土地は,同図面の赤色部分において重複しており,重複部分(二重売却部分)の面積は217.62㎡であると認められる。 したがって,原告が請求2で所有権確認を求める土地であり,二重売却部分の土地は,別紙図面2(2)のK237・A・247・B・L18-1・K237の各点を結ぶ直線で囲まれた範囲の土地である。 イそして,別紙図面2(2)の243~248点は,別紙図面1(1)(乙8)で特定しており,別紙図面2(2)のK235~K240点は,別紙図面1(2)(乙6)で特定しているので,その交点である別紙図面2(2)のA,B点も特定している。また,L18-1点も,同図面の求積図によって特定している。 ウよって,請求2(被告市に対する二重売却部分の所有権確認請求)は,別紙図面2(2)のK237・A・247・B・L18-1・K237の各点を結ぶ直線で囲まれた範囲の土地の所有権確認を求める限度で理由がある。 5 請求3(被告NTTに対する二重売却部分の所有権確認請求)の検討(1) 請求3は,原告が,被告NTTに対し,本件土地のうちの二重売却部分について,原告が現在その所有権を有することの確認を求める訴えである。 (2) しかし,証拠(丙18の1~7,丙19)及び弁論の全趣旨によれば,被告NTTは,平成11年7月に組織が再編成されたことに伴い,同年12月3日ころまでに,NTTコミュニケーシ る。 (2) しかし,証拠(丙18の1~7,丙19)及び弁論の全趣旨によれば,被告NTTは,平成11年7月に組織が再編成されたことに伴い,同年12月3日ころまでに,NTTコミュニケーションズに対し,NTT土地及び同土地上の本件NTT施設の所有権を譲渡し,これらを所有権移転登記の上引き渡したことが認められる。 (3) そうすると,被告NTTは,既に二重売却部分の所有権及び占有を喪失しているから,原告が,被告NTTとの間において,二重売却部分の現在の所有権の帰属について確認を求める利益はないというべきである。 (4) よって,原告の請求3(被告NTTに対する二重売却部分の所有権確認請求)の訴えは,確認の利益を欠く不適法なものであり,却下を免れない。 6 請求4(被告市に対する保安林存在確認請求)の検討(1) 確認の利益の検討請求4は,原告と被告市との間において,本件土地内に現在保安林が存在することの確認を求める訴えである。 ところで,原告は,本件土地内に保安林が存在することを前提に,被告市には,保安林指定の解除等に関する義務があるとして,損害賠償や保安林指定の解除手続を求めているのであるから,原告・被告市間においては,本件土地内の保安林の存否が,本件損害賠償請求や保安林指定解除手続請求に関する重要な争点となっている。そして,本件土地内の保安林の存否について確定することが,それから派生する原告・被告市間の現在の紛争を抜本的に解決するのに適切・有効な手段である。 以上の点にかんがみれば,原告が被告市に対し,本件土地内に保安林が存在することの確認を求める利益はあるものと認めるのが相当である。 (2) 保安林の存否の検討ア当裁判所の調査嘱託に対する兵庫県農林水 ば,原告が被告市に対し,本件土地内に保安林が存在することの確認を求める利益はあるものと認めるのが相当である。 (2) 保安林の存否の検討ア当裁判所の調査嘱託に対する兵庫県農林水産局治山課室長の回答(乙29の1)によれば,保安林の指定は,その範囲を特定する方法として地番を用いており,地番ごとの境界が隣接土地所有者同士で定められるものであることから,本件土地の周辺地における保安林区域の範囲の特定は困難であるものとされている。 イしかし,上記兵庫県農林水産局治山課室長から送付されてきた保安林台帳附属図(乙29の2・3)においては,保安林指定区域の範囲がおおむね明確に図示されていること,他方,本件土地の範囲も,本件売買契約当時の実測及びその後になされた再測量等によって,その形状や位置関係がおおむね確定されていることからすると,本件土地内の保安林の存否については,保安林台帳附属図に示された保安林指定区域の範囲と本件土地の形状・位置関係とを対照することによって,一応の判断をなし得るものというべきである。 ウそこで,保安林台帳附属図(乙29の2・昭和58年当時のもの)に照らして,これを検討すると,前記2(6)イのとおり,本件土地の大部分は保安林指定区域の範囲外であるものの,その北側の一部については保安林指定区域に含まれていることが認められる。 ことに,被告作成に係る乙第33号証や,原告の平成11年4月15日付け準備書面添付の末尾図面の黄色部分を熟視すれば,本件土地のどの部分が保安林指定区域に含まれるのかがよく理解できる。 以上によれば,少なくとも昭和58年以降においては,本件土地の一部が保安林に指定されていることが認められ,その後,上記部分の保安林の指定が解除されたことをう るのかがよく理解できる。 以上によれば,少なくとも昭和58年以降においては,本件土地の一部が保安林に指定されていることが認められ,その後,上記部分の保安林の指定が解除されたことをうかがわせる証拠はない。 (3) まとめアよって,本件土地内には,現在,その一部に保安林が存在すると認められるので,請求4(被告市に対する保安林存在確認請求)は理由がある。 イなお,前記のとおり,本件土地の範囲については,被告主張図面(別紙図面1(2),乙6)の方が,原告主張図面(別紙図面1(1),乙8)よりも正確である(前記4(3)ア)。 そこで,本判決の主文では,別紙図面1(2)の赤線で囲まれた範囲の土地(本件土地)内に保安林が存在することを確認することとする。 7 請求5・7(被告市に対する損害賠償請求)の検討(1) 請求原因イ(被告市の債務不履行ないし不法行為)の検討ア請求原因イ(ア)(保安林指定の解除に関する義務違反)の検討(ア) 本件売買契約の目的及び被告市の義務前記第2の2(2)ア,第4の2(2)の事実に,証拠(甲2,乙5)及び弁論の全趣旨を総合すれば,被告市は,本件隣接地で牧場経営を行っていた原告に対し,本件仮契約書(甲2)に本件土地の利用目的を「牧場並びに観光事業の企業化」と明示して,本件売買契約(昭和42年6月16日〔仮契約〕,昭和43年4月30日〔追加契約〕)を締結したのであるから,上記事項が本件売買契約の重要事項となっていたことは否定し難いところである。 そうすると,被告市は,信義則上,本件土地の売主として,社会通念上相当な範囲で,本件土地における上記契約目的の実現に支障が生じないよう協力すべき義務を負っていた ところである。 そうすると,被告市は,信義則上,本件土地の売主として,社会通念上相当な範囲で,本件土地における上記契約目的の実現に支障が生じないよう協力すべき義務を負っていたというべきである。 (イ) 本件売買契約締結時の義務違反の有無a 本件売買契約締結時における被告市の義務保安林に指定された区域においては,立木の伐採等について制限が課されることなどから(森林法34条,34条の2等),本件土地内に保安林が含まれる場合には,本件開発の遂行にとって重大な障害となることは明らかである。 そうすると,被告市は,上記(ア)の義務の具体化として,本件売買契約締結時(昭和42年6月16日〔仮契約〕,昭和43年4月30日〔追加契約〕)に,売買対象地内に保安林が含まれていないかを十分に調査し,保安林が存在することが判明した場合には,同区域が売買対象地に含まれないようにその範囲を定めるなど,本件開発に支障が生じないように配慮すべき義務があったものというべきである。 b 本件売買契約締結当時における本件土地内の保安林の存否そこで,本件売買契約(昭和42年6月16日〔仮契約〕,昭和43年4月30日〔追加契約〕)締結当時,本件土地内に保安林が存在したかについて検討する。 (a) 保安林台帳附属図についてこの点,少なくとも,昭和58年以降,本件土地内の一部に保安林が存在することは,前記6(2)ウで認定したとおりである。 しかし,昭和58年当時の保安林台帳附属図(乙29の2)に示された保安林指定区域が,本件売買契約(昭和42年6月16日〔仮契約〕,昭和43年4月30日 たとおりである。 しかし,昭和58年当時の保安林台帳附属図(乙29の2)に示された保安林指定区域が,本件売買契約(昭和42年6月16日〔仮契約〕,昭和43年4月30日〔追加契約〕)締結当時に既に指定されていた保安林を示すものかは,同図からは判然とせず,むしろ,本件土地周辺地域における保安林の大部分が本件売買契約締結後に指定されたものであること(前記2(6)ア)に照らすと,上記保安林台帳附属図のみからでは,本件売買契約締結当時,本件土地内に保安林が存在していたことを認めることはできない。 (b) 登記簿上の地目についてⅰ 丙463番13・14の地目丙463番1(山林,乙10)が,昭和43年5月16日,丙463番1(保安林,乙19)と丙463番10(保安林,乙24)に分筆された。さらに,丙463番10(保安林,乙24)が,昭和43年5月30日,丙463番10(保安林,乙24)と丙463番13(保安林,甲7)と丙463番14(保安林,甲8)に分筆された。 しかし,昭和43年5月16日,丙463番13・14の地目が保安林として登記されたのは誤りである。前記2(6)アで認定した事実に照らしても,丙463番13・14が保安林に指定される理由がないからである。 だからこそ,兵庫県A農林水産事務所長が,平成元年1月11日,神戸地方法務局A支局長に対し,丙463番13・14につき,保安林に指定された該当がないとして,保安林から山林への地目変更をするよう依頼し(乙56),それを受けて,同月12日,丙463番13・14の地目が,錯誤を原因として,保安林から山林に変更されたのである(甲7,8)。 いとして,保安林から山林への地目変更をするよう依頼し(乙56),それを受けて,同月12日,丙463番13・14の地目が,錯誤を原因として,保安林から山林に変更されたのである(甲7,8)。 ⅱ 丙463番11の地目丙463番11は,本件売買契約(昭和42年6月16日〔仮契約〕,昭和43年4月30日〔追加契約〕)当時も現在も,地目が保安林である(甲6)。丙463番11は,昭和43年5月29日,丙463番2(地目保安林)から分筆された(乙11,甲6)。 しかし,前記2(1)イ(イ)aで認定したように,丙463番2の位置が,本来は丙463番7あるいは丙464番2の周辺に図示されるべきであるのに,本件公図(別紙図面5)上は,現実の位置とは異なった位置(丙463番9の南側)に記載されている。 それゆえ,丙463番2から分筆された丙463番11も,本来は,本件公図(別紙図面5)に記載された位置にあるのではなく,丙463番7あるいは丙464番2の周辺に所在するものである。 現に,原告自身も,平成10年8月20日付け準備書面添付の売買対象土地経緯一覧表の中で,丙463番11が本件売買契約の対象地(別紙図面1(3)の赤線で囲まれた範囲の土地)に含まれるとは考えられないと主張している。 兵庫県農林水産部治山課でも,丙463番2(保安林)が本件公図(別紙図面5)上に図示された位置にあるはずがないとの理由で,本件土地とは全く異なる場所に,丙463番2(保安林)を記載している(乙29の1~3,乙33)。 ⅲ まとめ原告が,本件売買契約 で,本件土地とは全く異なる場所に,丙463番2(保安林)を記載している(乙29の1~3,乙33)。 ⅲ まとめ原告が,本件売買契約締結後,被告市から所有権移転登記を受けた土地のうち,丙463番13・14については一定期間,また,丙463番11については現在に至るまで,登記簿上の地目が保安林として登記されている。 しかし,上記ⅰ,ⅱの認定判断に照らせば,これらの登記簿の記載は,本件土地(別紙図面1(3)の赤線で囲まれた範囲の土地)が,本件売買契約当時,本件土地の一部が保安林であったことを裏付ける証拠であるとは認められない。 (c) 小括以上によれば,本件売買契約(昭和42年6月16日〔仮契約〕,昭和43年4月30日〔追加契約〕)締結当時,本件土地内に保安林が存在したとの事実は,その真相は不明であるといわざるを得ない。 むしろ,本件土地周辺地域における保安林の大部分が,本件売買契約締結後に指定されたものであること(前記2(6)ア)に照らすと,本件売買契約締結当時,本件土地内に保安林は存在しなかった可能性の方が大というべきである。 c  昭和43年6月25日の保安林指定についてなお,本件売買契約締結後になされた保安林指定のうち,昭和43年6月25日付けのもの(前記2(6)ア(イ)a)は,本件追加契約締結のわずか約2か月後に行われている。この点について,原告は,被告市が本件契約締結時に上記保安林指定の予定があることを知りながら,これを放置し,あるいは積極的に上記保安林指定に協力した旨主張する。 しかし,被告市が保安林指定に関する権 告市が本件契約締結時に上記保安林指定の予定があることを知りながら,これを放置し,あるいは積極的に上記保安林指定に協力した旨主張する。 しかし,被告市が保安林指定に関する権限を有するものでないことは,前記1(2)で考察したとおりである上,被告市が上記保安林指定の予定があることを知っていたことを認めるに足りる証拠はないから,原告の上記主張は採用できない。 d 小括そうすると,本件売買契約当時の義務違反に関する原告の主張は,その前提を欠くことになるから,理由がないというべきである。 (ウ) 本件売買契約締結後の解除手続義務等の有無a 原告の主張さらに,原告は,本件売買契約締結後においても,保安林が新たに指定され,あるいはその存在が後に判明した場合,被告市には保安林指定の解除に必要な措置をとるべき義務があると主張する。 b 検討(a) 被告市は,保安林の指定・解除に関する権限を有するものではなく(森林法25条,27条等),利害関係を有する地方公共団体として指定,解除の申請をし得る余地があるにすぎず(同法27条1項),また,仮に被告市が上記解除の申請を行っても,指定の理由が消滅したとき又は公益上の理由により必要が生じたときでない限り,農林水産大臣又は県知事は保安林の指定を解除することはできないものとされている(同法26条1項・2項)。 それゆえ,被告市は,森林法上,保安林指定の解除を実現させる的確な手段を有していないものといわざるを得ない。 (b) 上記のような立場にある被告市に対し,本件売買契約の締結を根拠に,本件土地の売主としての立場から,本件売買契 現させる的確な手段を有していないものといわざるを得ない。 (b) 上記のような立場にある被告市に対し,本件売買契約の締結を根拠に,本件土地の売主としての立場から,本件売買契約締結後も,保安林指定の解除に必要な措置をとるべき義務を負わせることは,本件売買契約内容として不合理であり,本件売買契約において,「放牧並びに観光事業の企業化」という契約目的が定められていることの一事をもって,被告市がこのような義務を負うと解することは,契約の解釈としても困難であるといわざるを得ない。 (c) なお,保安林指定解除の申請自体は,原告自身も利害関係人として独自になし得るものであり(森林法27条1項),売主たる被告市の協力がなければできないものではない。 (d) 以上の点にかんがみれば,本件売買契約における契約の内容,目的に照らして,被告市が,本件契約締結後にまで,保安林指定の解除に関する義務を負うとは認められない。 また,原告及び被告市において,本件売買契約締結に際し,契約締結後の上記義務を負う旨の合意を明示的に行ったことを認めるに足りる証拠もない。 (e) よって,原告の上記aの主張は,理由がないというべきである。 (エ) 総括以上によれば,原告主張の請求原因イ(ア)(保安林指定の解除に関する義務違反)は理由がない。 イ請求原因イ(イ) (二重売買)の検討(ア) 本件土地及びNTT土地の位置関係の検討本件土地及びNTT土地が,別紙図面2(2)の赤色部分において重複し,その面積が217.62㎡であることは,前記4で認定判断したとおりであり,被告市が,被告NTT 置関係の検討本件土地及びNTT土地が,別紙図面2(2)の赤色部分において重複し,その面積が217.62㎡であることは,前記4で認定判断したとおりであり,被告市が,被告NTTに対し,本件土地の一部を二重に売却したことが認められる。 (イ) 帰責事由若しくは故意・過失の有無の検討a そこで,本件土地の一部(別紙図面2(2)の赤色部分)の二重売買について,被告市に帰責事由若しくは故意又は過失が認められるかについて,以下検討する。 b 前記2(2)(3)の認定によると,被告市の担当者は,本件NTT契約締結当時,本件土地の最東端が東側頂上地点であり,本件土地と本件NTT土地とは重複していないとの認識のもとに,本件NTT契約を締結したものであり,被告市が,NTT土地(別紙図面4の赤線で囲まれた範囲の土地)と本件土地(別紙図面1(3)の赤線で囲まれた範囲の土地)が一部重複していることを知りながら,殊更に本件NTT契約を締結したものではない。 しかし,前記2(3)エの認定によると,原告と被告市は,本件契約図面(別紙図面1(3))を基に,現場において境界を確認の上本件売買契約を締結したのであるから,被告市は,本件NTT契約を締結するに際し,上記によって確定された本件土地の範囲を的確に把握し,本件土地とNTT土地との重複が生じないよう十分に注意すべきであったのに,被告市は,これを怠った過失があると認められる。 c したがって,被告市には,別紙図面2(2)の赤色部分について二重売買をしたことについて,帰責事由ないしは過失があり,これにより原告が被った損害について,債務不履行ないしは不法行為責任があるというべきである。 (2) 請求原因ウ(損 2)の赤色部分について二重売買をしたことについて,帰責事由ないしは過失があり,これにより原告が被った損害について,債務不履行ないしは不法行為責任があるというべきである。 (2) 請求原因ウ(損害)の検討ア請求原因ウ(ア)a(本件開発の不能により生じた損害)の検討(ア) 原告は,被告市の二重売却行為により,本件土地の東端部分において道路との接続が不可能となって,本件開発が不能となり,これによって,販売利益13億9805万4000円,食肉牛の育成委託費12億8534万円,賃料相当損害金1億7082万円(請求原因ウ(ア)a(a)(b)(c))の損害を被ったと主張する。 (イ) しかし,前記2(1)ア(エ)のとおり,本件土地の東端部分は,車両の通行が可能な道路と接続していないが,西側部分においては,別紙図面1(3)の②と⑤の部分を挟むかたちで県道が通じており,同県道から本件土地への車両による進入が可能となっている(別紙図面6参照)。それゆえ,本件土地の東端部分が道路と接続されていなくても,そのことによって,本件土地の開発が不能となるとは認められない。 そして,上記事実に,二重売却部分の面積(217.62㎡,前記4(3)ア)は,本件土地全体の面積(75万3928㎡,前記4(3)ア)のごくわずかにすぎないこと(面積比では0.03%にも満たない。)をも考え併せると,被告市の二重売買の義務違反と本件開発の不能による損害の発生との間には,到底因果関係を認めることができない。 (ウ) よって,原告主張の請求原因ウ(ア)a(本件開発の不能により生じた損害)は認められない。 イ請求原因ウ(ア)b(測量費4000万円)の検討(ア) 前記2(8)アの認定によると,原告は,本件訴訟係属後,本件土地の ア)a(本件開発の不能により生じた損害)は認められない。 イ請求原因ウ(ア)b(測量費4000万円)の検討(ア) 前記2(8)アの認定によると,原告は,本件訴訟係属後,本件土地の範囲,二重売却部分の範囲を確定させるため,業者に依頼して測量を実施し,これにより相当額の費用を支出したことが認められる。 (イ) しかし,二重売却部分(217.62㎡)が本件土地(75万3928㎡)のうちのごくわずかな部分にすぎないこと(前記7(2)ア(イ)),原告の実施した上記測量結果自体は,その正確性に疑問があり,これを採用することはできないこと(前記4(3)ア)に照らすと,原告が支出した測量費のうち50万円の限度において,被告市の二重売却行為(債務不履行,不法行為)と相当因果関係のある原告の損害と認めるのが相当である。 ウ請求原因ウ(ア)c,d(慰謝料3000万円,弁護士費用3000万円) の検討次の各事実に照らせば,原告主張の慰謝料及び弁護士費用は,被告市の二重売却行為(債務不履行,不法行為)と相当因果関係のある原告の損害と認めることができない。 (ア) 二重売却部分の面積(217.62㎡)は,本件土地全体の面積(75万3928㎡)のごくわずかにすぎない(面積比では0.03%にも満たない。)こと(前記7(2)ア(イ))。 (イ) 被告市は,被告NTTとの間で,本件NTT契約を締結するに先立ち,原告に対し,被告NTTが本件土地付近に本件NTT施設を設置することについての同意を求め,原告からその同意を得ていること(前記2(5))。 (ウ) 被告市は,本件NTT契約締結当時,本件土地の最東端が東側頂上地点であり,本件土地とNTT土地とは重複していないとの認識のもとに,本件NTT契約を締結し ていること(前記2(5))。 (ウ) 被告市は,本件NTT契約締結当時,本件土地の最東端が東側頂上地点であり,本件土地とNTT土地とは重複していないとの認識のもとに,本件NTT契約を締結したものであり,被告市が,NTT土地(別紙図面4)と本件土地(別紙図面1(3))が一部重複していることを知りながら,殊更に本件NTT契約を締結したものではないこと(前記7(1)イ(イ)b)。 (エ) 原告が昭和42年12月,被告市に送付した図面では,売買対象地がNTT土地とは重複しない位置関係となっていた。しかも,原告は,昭和45年8月,被告市から本件土地と被告市所有地との境界の再確認を求められながら,これに応じていない(前記2(3)イ・オ)。被告市が,NTT契約を締結した当時,本件土地の所在を誤ったことについては,原告の上記行為もその一端となっていたこと。 (オ) 被告市は,原告から,本件土地の一部の二重売買を指摘されるや,直ちに事実関係について調査を開始し,原告と被告NTTに本件土地の一部を二重売却していたことを確認するや,原告にそれを認めて,原告との間でその善後策について和解交渉を始め,解決案として,被告市所有地の一部を代替地として原告に提供する案や,被告市が本件土地を買い戻す案などを提示していること(前記2(7)イ(ア)(イ)(エ))。 (カ) 当裁判所は,被告市が,原告に1億円程度を支払い,原告から本件土地を買い戻すことを内容とする和解案を提示したところ,被告市は,同和解案を真剣に検討する意向を示したが,原告は,8億円もの損害賠償金の支払を求め,上記和解案を拒否していること(前記2(7)イ(オ))。 エ請求原因エ(将来の損害)の検討(ア) 原告の主張原告 告は,8億円もの損害賠償金の支払を求め,上記和解案を拒否していること(前記2(7)イ(オ))。 エ請求原因エ(将来の損害)の検討(ア) 原告の主張原告は,次のとおり,被告市の二重売却行為(債務不履行,不法行為)によって将来被るおそれのある損害賠償金の支払を求めている。 a 主位的主張 1か月500万円上記金額は,過去14年間の損害についての本訴請求額18億4297万円(請求原因ウ(ア)a(a)(b),同bないしd合計額27億8339万4000円の一部)を1か月当たりの損害に換算した金額である1097万0059円の一部である。 b 予備的主張 1か月60万円上記金額は,原告が補助参加人に本件土地を賃貸した場合の賃料月額(請求原因ウ(ア)a(c))である。 (イ) 検討a しかし,前記ア,ウで認定判断したとおり,原告が主張する次の(a)(b)(c)の損害は,いずれも被告市の二重売却行為(債務不履行,不法行為)と相当因果関係のある損害とは認められない。 (a) 本件開発の不能により生じた損害(請求原因ウ(ア)a(a)(b)(c),すなわち,販売利益13億9805万4000円,食肉牛の育成委託費12億8534万円,賃料相当損害金1億7082万円)(b) 慰謝料3000万円(請求原因ウ(ア)c)(c) 弁護士費用3000万円(請求原因ウ(ア)d)b もっとも,原告が主張する測量費4000万円(請求原因ウ(ア)b)については,50万円の限度で,被告市の二重売却行為(債務不履行,不法行為)と相当因果関係のある損害と認められる(前記イ)。 もっとも,原告が主張する測量費4000万円(請求原因ウ(ア)b)については,50万円の限度で,被告市の二重売却行為(債務不履行,不法行為)と相当因果関係のある損害と認められる(前記イ)。 しかし,原告が,被告市の二重売却行為によって,測量費50万円の損害を被った事実が認められるからといって,原告が前記(ア)で主張する将来の損害を裏付ける根拠にはならない。 c それゆえ,原告が前記(ア)で主張する将来の損害は,いずれも認めることができない。 オまとめ以上によれば,原告が被告市の二重売却行為(債務不履行,不法行為)によって被った損害は,測量費50万円の限度でしか認められない。 (3) 抗弁(消滅時効)の検討ア債務不履行に基づく損害賠償請求権の消滅時効前記第2の2(3)ア・イの事実によれば,被告市は,昭和57年8月ころまでに,被告NTTとの間で,本件NTT契約を締結の上,NTT土地について所有権移転登記を了したことが認められるから,原告の被告市に対する債務不履行に基づく損害賠償請求権の消滅時効の起算点は,遅くとも昭和57年8月ころと認めるのが相当である。 そうすると,上記起算点の10年後である平成4年8月ころには,上記損害賠償請求権の消滅時効期間が経過したものと認められる。 イ不法行為に基づく損害賠償請求権の消滅時効他方,前記第4の2(7)イ(イ)の事実によれば,原告は,遅くとも昭和63年2月17日ころには,被告市から本件土地とNTT土地との境界に誤認があることを認める旨の書面を受領したことにより,本件二重売買の事実を知ったというべきであるから,その3年後である平成2年2月17日ころの経過により,不法行為 から本件土地とNTT土地との境界に誤認があることを認める旨の書面を受領したことにより,本件二重売買の事実を知ったというべきであるから,その3年後である平成2年2月17日ころの経過により,不法行為に基づく損害賠償請求権の消滅時効期間も経過したものと認められる。 ウまとめ以上の次第で,被告市の原告に対する二重売却行為(債務不履行,不法行為)による損害賠償金支払義務は,再抗弁1・2が認められなければ,消滅時効が完成しているものというべきである。 (4) 再抗弁1・2(債務承認・時効援用の信義則違反)の検討ア事実関係前記2(7)イ(イ)(エ)のとおり,次の事実が認められる。 (ア) 被告市は,原告から本件土地とNTT土地との調査確認要求を受けて,両土地の境界について調査を行ったところ,両土地が一部重複している事実が判明したため,昭和63年2月17日,原告に対し,書面によって,同事実を認めて早期解決に努めることを約した。 (イ) その後,原告と被告市との間の二重売買に関する交渉は,平成4年ころまで続けられ,被告市は,代替地としての被告市所有地の一部提供や,本件土地の買戻しなどの解決案を提示した。 イ検討(ア) 債務承認の有無上記アの事実によれば,被告市の交渉経過における各行為に,損害賠償義務を認める言動や書面の文言が存在したとまでは認められないから,上記各行為が債務承認に当たるとはいえない。 よって,再抗弁1(債務承認)は理由がない。 (イ) 時効援用の信義則違反a しかし,被告市は,原告に対し,本件土地とNTT土地との重複が生じている事実を認め,その解決のため,原 再抗弁1(債務承認)は理由がない。 (イ) 時効援用の信義則違反a しかし,被告市は,原告に対し,本件土地とNTT土地との重複が生じている事実を認め,その解決のため,原告との間で,本件訴訟提起の前年である平成4年ころまで継続的に交渉を進めていたのであり,その間,代替地の一部提供など,被告市側にとって不利な解決案を提示するにまで及んでいたのである。 それゆえ,上記交渉が合意に至らなかったとはいえ,上記アで指摘した被告市側の一連の行動により,原告が,少なくとも二重売買の点については,その責任が履行されるものと信頼していたことは明らかであり,かかる信頼自体は,十分に保護に値するということができる。 b それにもかかわらず,被告市が前記消滅時効を援用することは,原告の上記正当な信頼を根底から損なうものであって,信義則に反するといわなければならない。 c よって,再抗弁2(時効援用の信義則違反)は理由がある。 (5) 総括以上によれば,請求5・7(被告市に対する現在及び将来の損害賠償請求)は,原告が,被告市に対し,損害賠償金50万円,及びこれに対する平成13年1月1日(測量費の出費後)から完済まで年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由がある。 8 請求6(被告NTTに対する損害賠償請求)の検討(1) 既に認定した事実原告が本件売買契約により本件土地を所有するに至ったこと,本件土地とNTT土地とは一部重複すること,本件土地とNTT土地との重複部分(二重売却部分)は,別紙図面2(2)の赤色部分であること,被告NTTは,昭和57年ころから,二重売却部分に本件NTT施設を建設して,二重売却部分を占有していたことは,前記第2 TT土地との重複部分(二重売却部分)は,別紙図面2(2)の赤色部分であること,被告NTTは,昭和57年ころから,二重売却部分に本件NTT施設を建設して,二重売却部分を占有していたことは,前記第2の2(2)ア,同第2の2(3),同第4の4で認定したとおりである。 (2) 事実の認定前記2(1)イ(イ),同(3)(5)の認定事実に,証拠(甲1〔別紙図面1(3)〕,丙22〔別紙図面4〕)を総合すると,次のとおり認めることができる。 ア被告市と被告NTTは,本件NTT契約の締結に際し,売買対象地を測量し境界を図面等によって確定したが,その際作成された図面(別紙図面4,丙22)からは,本件土地(別紙図面1(3))とNTT土地(別紙図面4)の一部が重複していることは明らかになっていなかった。 イ被告市は,本件NTT契約締結当時,本件土地の東端がNTT土地より手前の東側頂上地点であり,本件土地とNTT土地が重複しているとの認識を有していなかったため,被告NTTに対しても,本件土地との重複の可能性等については一切告知していなかった。 ウ本件土地及びNTT土地の周辺地は,本件公図(別紙図面5)や地番からは土地の境界を正確に把握することが著しく困難な地域である。 (3) 検討ア上記(2)の事実によると,被告NTTが,本件NTT契約を締結した当時,NTT土地と本件土地が一部重複していることを知らなかったことは明らかであり,それを知らなかったことに過失があったものとも認められない。 イこのように,請求原因ウ(被告NTTの故意又は過失)が認められないので,請求6(被告NTTに対する損害賠償請求)は理由がない。 9 請求8(被告市に対する所有権移転登記請求)の検討(1) 請求原因の検討 因ウ(被告NTTの故意又は過失)が認められないので,請求6(被告NTTに対する損害賠償請求)は理由がない。 9 請求8(被告市に対する所有権移転登記請求)の検討(1) 請求原因の検討ア請求原因ア(本件売買契約の締結,本件土地所有権の取得)は,認められる(前記第2の2(2))。 イ請求原因イ(登記義務の不履行)は,当事者間に争いがない。 ウ請求原因ウ(本件土地の範囲)は,別紙図面1(2)の赤線で囲まれた範囲の土地の限度で認められる(前記4(3)ア)。 (2) 抗弁(登記に関する合意)の検討ア事実の認定前記2(1)イ,同(4)の認定事実に,証拠(乙28,35~38〔各肢番を含む。〕,証人g,文中記載の各証拠)を総合すると,次の事実が認められる。 (ア) 本件土地(別紙図面1(2),乙6)は広大な山林であるとともに,本件公図(別紙図面5,乙28)が極めて不正確なものであって,本件土地の公図上の位置も明確でないことから,本件土地全体を正確に実測して地積更正を行って分筆し移転登記をするには,多大な労力と費用を要する状態にあった。 (イ) 原告と被告市は,上記(ア)の事情を考慮して,本件売買契約の締結に際し,本件仮契約書(甲2)上は公簿上で一番面積の広い丙463番9を代表地番として記載し,分筆及び所有権移転登記については,本件契約図面(別紙図面1(3),甲1)にできる限り対応した本件公図上に位置する土地から行うことで合意した。 (ウ) そこで,被告市は,上記(イ)の方針に基づき,本件土地南側に隣接する部落共有山林との境界付近の部分について,分筆及び所有権移転登記を行った。 すなわち,被告市は,本件公図上の丙 そこで,被告市は,上記(イ)の方針に基づき,本件土地南側に隣接する部落共有山林との境界付近の部分について,分筆及び所有権移転登記を行った。 すなわち,被告市は,本件公図上の丙463番9のうちの南側部分の一部を同12に分筆したほか,本件公図上,上記共有山林との隣接部分に位置する地番であった丙463番2を同11に,丙463番10を同13及び同14に分筆し(別紙図面5参照),原告に対し,それぞれ所有権移転登記をした(証人g)。 上記所有権移転登記のなされた各土地の登記簿上の地積の合計は7万7936㎡であり,本件土地全体の面積の10分の1未満である(甲5~8)。 (エ) 被告市は,上記登記手続のほかには,本件土地に関する登記手続を行っていない。 しかし,原告は,本件開発の不能により原告・被告市間で交渉が行われるようになった昭和62年ころまで,本件土地全体について分筆及び所有権移転手続がなされていないことについて,異議を述べたことはなかった(証人g)。 イ検討上記アの事実によれば,原告と被告市は,本件土地全体を正確に分筆し所有権移転登記を行うことが著しく困難な状態にあったことを前提に,本件売買契約を締結し,可能な限りで分筆登記及び所有権移転登記を行ったこと,原告は,上記移転登記済みの土地の登記簿上の地積が本件土地全体の面積の10分の1に満たないものであったのに,残り10分の9強については登記がなされていないことについて,長年にわたって特に異議を述べていなかったことが認められる。 これらの事実に照らせば,原告と被告市は,本件売買契約の締結ないしはその後なされた登記手続の際に,本件売買契約に基づく分筆及び所有権移転登記手続を,前記ア なかったことが認められる。 これらの事実に照らせば,原告と被告市は,本件売買契約の締結ないしはその後なされた登記手続の際に,本件売買契約に基づく分筆及び所有権移転登記手続を,前記ア(ウ)の登記の限度にとどめ,その余の部分については登記手続を不要とすることについて,明示ないし黙示に合意していたものというべきである。 それゆえ,抗弁(登記に関する合意)が認められる。 (3) まとめよって,請求8(被告市に対する所有権移転登記請求)については,抗弁が認められるので,主位的請求(別紙図面1(1)の赤線で囲まれた範囲の土地についての所有権移転登記請求),予備的請求(別紙図面1(3)の赤線で囲まれた範囲の土地についての所有権移転登記請求)のいずれも理由がない。 10 請求9(被告NTTに対する構築物撤去,土地明渡請求)の検討(1) 既に認定した事実原告が本件売買契約により本件土地を所有するに至ったこと,本件土地とNTT土地とは一部重複すること,本件土地とNTT土地との重複部分(二重売却部分)は,別紙図面2(2)の赤色部分であること,別紙図面2(2)の赤色部分には,本件NTT施設が設置されていることは,前記第2の2(2)ア,同第2の2(3),同第4の4で認定したとおりである。 (2) 請求原因イ(被告NTTの不法占拠)の検討しかし,証拠(丙18の1~7,丙19)及び弁論の全趣旨によれば,被告NTTは,平成11年7月に組織が再編成されたことに伴い,同年12月3日ころまでに,NTTコミュニケーションズに対し,NTT土地及び同土地上の本件NTT施設の所有権を譲渡し,これらを所有権移転登記の上引き渡したことが認められる。 そうすると,被告NTTは,現在,NTT土地及び同 ュニケーションズに対し,NTT土地及び同土地上の本件NTT施設の所有権を譲渡し,これらを所有権移転登記の上引き渡したことが認められる。 そうすると,被告NTTは,現在,NTT土地及び同土地上の本件NTT施設を占有しているとは認められないから,請求原因イ(被告NTTの不法占拠)は認められない。 (3) まとめよって,その余の点について判断するまでもなく,請求9(被告NTTに対する構築物撤去,土地明渡請求)は理由がない。 11 請求10(被告NTTに対する土地価格相当額の損害賠償請求-請求9の予備的請求)の検討(1) 既に認定した事実原告が本件売買契約により本件土地を所有するに至ったこと,本件土地とNTT土地とは一部重複すること,本件土地とNTT土地との重複部分(二重売却部分)は,別紙図面2(2)の赤色部分であること,被告NTTは,昭和57年8月から平成11年ころまでの間,二重売却部分を占有していたことは,前記第2の2(2)ア,同第2の2(3),同第4の4,同第4の10(2)で認定したとおりである。 (2) 故意又は過失しかし,前記8(2)(3)で認定判断したとおり,被告NTTが,昭和57年8月から平成11年ころまでの間,二重売却部分を占有していたことについて,不法行為の要件である故意又は過失が認められない。 (3) まとめよって,その余の点について判断するまでもなく,請求10(被告NTTに対する土地価格相当額の損害賠償請求)も理由がない。 12 請求11(被告市に対する土地価格相当額の損害賠償請求-請求9の予備的請求)の検討(1) 既に認定した事実原告が本件売買契約により本件土地を所有するに至ったこと,本件土地とNTT土地と (被告市に対する土地価格相当額の損害賠償請求-請求9の予備的請求)の検討(1) 既に認定した事実原告が本件売買契約により本件土地を所有するに至ったこと,本件土地とNTT土地とは一部重複すること,本件土地とNTT土地との重複部分(二重売却部分)は,別紙図面2(2)の赤色部分217.62㎡であること,被告市が,本件土地の一部の二重売買について,原告に対し,債務不履行責任又は不法行為責任を負うこと,同債務不履行又は不法行為に基づく損害賠償請求権の消滅時効の援用が信義則に反し許されないことは,前記第2の2(2)ア,同第2の2(3),同第4の4,同第4の7(1)イ,同第4の7(3)(4)で認定判断したとおりである。 (2) 原告の損害の検討ア前記(1)によると,原告は,被告市の債務不履行ないし不法行為(二重売買)によって,二重売却部分(別紙図面2(2)の赤色部分217.62㎡)の土地代金相当額の損害を被ったことが認められる。 イそして,証拠(甲101)によれば,本件NTT契約締結当時の本件土地の売買価格は,1㎡当たり1200円であったことが認められるので,昭和57年当時の二重売却部分217.62㎡の土地価格は,26万1144円(1200円×217.62㎡)となる。 (3) 主観的予備的請求の検討ア請求11は,請求9(被告NTTに対する構築物撤去,土地明渡請求)が認容されないことを条件とする主観的予備的請求である。 イしかし,本訴は,原告が,被告両名を被告として,多数の請求を併合して提起した訴訟であり,本訴の主たる被告は被告市であって,たまたま,被告市は,請求11についてのみ,主観的予備的被告とされているにすぎない。そして,請求11の内容自体も,他の請求と同様,原・ 併合して提起した訴訟であり,本訴の主たる被告は被告市であって,たまたま,被告市は,請求11についてのみ,主観的予備的被告とされているにすぎない。そして,請求11の内容自体も,他の請求と同様,原・被告市間の一連の紛争から生じたものである。 ウ以上の諸点に照らせば,被告市は,請求11で主観的予備的被告の立場にあるが,そのことから,被告市の訴訟上の地位が著しく不安定であり,多大な不利益を受けているものとは認められないから,請求11の主観的予備的請求は,適法であると認めるのが相当である。 (4) まとめ以上によると,請求11(被告市に対する土地価格相当額の損害賠償請求)は,損害賠償金26万1144円,及びこれに対する昭和57年7月1日(本件NTT契約締結日)から完済まで年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由がある。 13 請求12(被告市に対する保安林指定解除手続請求)の検討(1) 請求12は,被告市が,原告に対し,本件売買契約に基づき保安林指定の解除に必要な措置をとるべき義務を負うことを前提に,原告が,被告市に対し,本件土地のうち丙463番11について,保安林指定の解除手続をすることを求めるものである。 (2) しかし,被告市が,本件売買契約に基づき,原告に対し,本件土地内に存在する保安林指定の解除に必要な措置をとるべき義務を負うものでないことは,前記7(1)アで認定判断したとおりである。 しかも,そもそも,丙463番11が,本件土地(別紙図面1(2)の赤線で囲まれた範囲内の土地)(すなわち,本件売買契約の対象地)ではないことについて,前記7(1)ア(イ)b(b)ⅱで認定したとおりである。 (3) よって,請求12(被告市に対する保安林指定解除手続請求)も理由がない (すなわち,本件売買契約の対象地)ではないことについて,前記7(1)ア(イ)b(b)ⅱで認定したとおりである。 (3) よって,請求12(被告市に対する保安林指定解除手続請求)も理由がない。 14 請求13(被告市に対する通行権存在確認請求)の検討(1) 原告は,被告市が,本件売買契約の締結に際し,原告に対して,別紙図面3の赤色部分の土地について,本件土地の東端部分から公道に通ずる部分の道路として整備することを約したと主張する。 (2) しかし,上記合意があったことを裏付ける客観的な証拠は皆無である。その上,証拠(証人z,甲1,乙62)によれば,本件土地の東端付近から自動車道に通ずる公道(林道)が舗装され整備されるに至ったのは,昭和56年から62年にかけての時期であり,本件売買契約(昭和42年6月16日〔仮契約〕,昭和43年4月30日〔追加契約〕)締結当時は,いまだ本件土地最東端から出入りできる道路を整備できる状況にはなかったことが認められる。しかも,本件土地(別紙図面1(3)の赤線で囲まれた範囲の土地)は,西側部分(別紙図面1(3)の②と⑤の間)で県道が通じており(前記2(1)ア(エ)),東端部分からの自動車等の出入りができなくても,本件開発に著しい支障が生ずるとまではいえないことが認められる。 (3) 以上によれば,原告と被告市との間で,本件売買契約の締結当時,通行権に関する上記合意があったとは到底認めることができず,原告の上記(1)の主張は採用できない。 (4) よって,請求13(被告市に対する通行権存在確認請求)も理由がない。 15 請求14(被告NTTに対する通行権存在確認請求)の検討(1) 原告は,被告NTTに対しても,請求13と同様の通行権存在の確認を求めている。 権存在確認請求)も理由がない。 15 請求14(被告NTTに対する通行権存在確認請求)の検討(1) 原告は,被告NTTに対しても,請求13と同様の通行権存在の確認を求めている。 (2) しかし,原告の主張する通行権は,被告NTTとの間で締結したものではなく,被告NTTが原告の主張する通行権の行使を妨害していると主張しているわけでもない。 また,被告NTTは,平成11年7月に組織が再編成されたことに伴い,同年12月3日ころまでに,NTTコミュニケーションズに対し,NTT土地及び同土地上の本件NTT施設の所有権を譲渡し,これらを所有権移転登記の上引き渡しているので(前記5(2)),本件土地とは何らの利害関係もなくなっている。 (3) したがって,原告は,被告NTTとの間で,上記通行権の存在を確認する利益はないというべきである。 よって,請求14(被告NTTに対する通行権存在確認請求)の訴えは,確認の利益を欠く不適法な訴えであり,却下を免れない。 第5 結論よって,主文のとおり判決する。 神戸地方裁判所第2民事部裁判長裁判官紙浦健二裁判官今中秀雄裁判官五十嵐章裕別紙図面一覧表 内容備考別紙図面1(1)  原告の測量に基づく本件土地の範囲 内容備考別紙図面1(1)  原告の測量に基づく本件土地の範囲平成14年2月7日付け請求の趣旨及び原因の変更申立書添付図面(一) (甲37と同じ)別紙図面1(2)  被告市の測量に基づく本件土地の範囲乙6別紙図面1(3)  本件売買契約時の本件土地の測量図訴状添付図面(一)(甲1の縮小図)別紙図面2(1)  原告の測量に基づく本件土地とNTT  平成14年2月7日付け請求の趣旨及び土地の位置関係原因の変更申立書添付図面(二)別紙図面2(2) 被告らの測量に基づく本件土地とNTT  丙17土地の位置関係別紙図面3 原告主張の通行権の範囲平成14年2月7日付け請求の趣旨及び原因の変更申立書添付図面(三)別紙図面4 本件NTT契約締結当時のNTT土地丙22の測量図別紙図面5 本件土地周辺の公図乙28別紙図面6 本件土地周辺の広域地図乙62

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