主文 一審被告の控訴に基づき,原判決第1項から第6項を以下のとおり変更する。 (1)一審被告が一審原告に対して平成17年1月28日付けでした別紙文書目録記載1から3までの公文書の一部開示決定(ただし,同18年3月9日付け一部開示決定による一部取消し後のもの)のうち,同文書目録記載2の公文書のうちの別紙開示目録記載2の(2)から(4)の部分を非開示とした部分を取り消す。 (2)一審被告が一審原告に対して平成17年1月28日付けでした別紙文書目録記載4及び5の公文書の非開示決定のうち,同文書目録記載4の公文書のうちの別紙開示目録記載4の(2)及び(3)の部分を非開示とした部分並びに同文書目録記載5の公文書のうちの同開示目録記載5の部分を非開示とした部分を取り消す。 (3)一審被告が一審原告に対して平成17年1月28日付けでした別紙文書目録記載6及び7の公文書の非開示決定のうち,同文書目録記載6の公文書のうちの別紙開示目録記載6の(2)及び(3)の部分を非開示とした部分並びに同文書目録記載7の公文書のうちの同開示目録記載7の部分を非開示とした部分を取り消す。 (4)一審被告が一審原告に対して平成17年1月28日付けでした別紙文書目録記載8から11までの公文書の一部開示決定(ただし,同18年3月9日付け一部開示決定による一部取消し後のもの)のうち,同文書目録記載9の公文書のうちの同開示目録記載9の(2)から(4)の部分を非開示とした部分,同文書目録記載10の公文書のうちの同開示目録記載10の部分を非開示とした部分及び同文書目録記載11の公文書のうちの同開示目録記載11の部分を非開示とした部分を取り消す。 (5)一審被告が一審原告に対して平成17年1月28日付けでした別紙 文書目録記載12及び13の公文書の非開示決定(ただ 1の公文書のうちの同開示目録記載11の部分を非開示とした部分を取り消す。 (5)一審被告が一審原告に対して平成17年1月28日付けでした別紙 文書目録記載12及び13の公文書の非開示決定(ただし,同18年3月9日付け一部開示決定により一部取消し後のもの)のうち,同文書目録記載12の公文書のうちの別紙開示目録記載12の部分を非開示とした部分及び同文書目録記載13の公文書のうちの同開示目録記載13の部分を非開示とした部分を取り消す。 (6)一審原告のその余の請求をいずれも棄却する。 一審原告の本件控訴を棄却する。 訴訟費用は,第1,2審を通じ,これを6分し,その5を一審原告の負担とし,その余を一審被告の負担とする。 事実 及び理由第1控訴の趣旨(一審原告) 原判決を以下のとおり変更する。 一審被告が一審原告に対して平成17年1月28日付けでした別紙文書目録記載1から3までの公文書の一部開示決定(ただし,同18年3月9日付け一部開示決定による一部取消し後のもの)のうち,同目録記載1の公文書について次の(1)の部分を非開示とした部分,同目録記載2の公文書について次の(2)の部分を非開示とした部分及び同目録記載3の公文書について次の(3)の部分を非開示とした部分を取り消す。 (1)ア非管理職職員の印影イ上記ア以外の情報(2)ア非管理職職員の氏名イ非管理職職員の印影ウ上記ア及びイ以外の情報(3)ア法人職員,法人又は法人代表者の印影イ法人職員個人に付与された番号 一審被告が一審原告に対して平成17年1月28日付けでした別紙文書目録記載4及び5の公文書の非開示決定を取り消す。 一審被告が一審原告に対して平成17年1月28日付けでした別紙文書目録記載6及び7の公文書の非開示決定を取り消す。 1月28日付けでした別紙文書目録記載4及び5の公文書の非開示決定を取り消す。 一審被告が一審原告に対して平成17年1月28日付けでした別紙文書目録記載6及び7の公文書の非開示決定を取り消す。 一審被告が一審原告に対して平成17年1月28日付けでした別紙文書目録記載8から11までの公文書の一部開示決定(ただし,同18年3月9日付け一部開示決定による一部取消し後のもの)のうち,同目録記載8の公文書について次の(1)の部分を非開示とした部分,同目録記載9の公文書について次の(1)の部分を非開示とした部分,同目録記載10の公文書について次の(1)の部分を非開示とした部分及び同目録記載11の公文書について次の(2)の部分を非開示とした部分を取り消す。 (1)ア非管理職職員の氏名イ非管理職職員の印影ウ上記ア及びイ以外の情報(2)法人職員,法人又は法人代表者の印影 一審被告が一審原告に対して平成17年1月28日付けでした別紙文書目録記載12及び13の公文書の非開示決定(ただし,同18年3月9日付け一部開示決定による一部取消し後のもの)のうち,同目録記載12の公文書について次の(1)から(3)までの部分を非開示とした部分及び同目録記載13の公文書の全部を非開示とした部分を取り消す。 (1)非管理職職員の氏名(2)非管理職職員の印影(3)上記(1)及び(2)以外の情報(一審被告) 原判決中,一審被告敗訴部分を取り消す。 上記取消部分に係る一審原告の一審被告に対する請求を棄却する。 第2事案の概要等 本件は,一審原告が,平成16年11月29日,東京都情報公開条例(平成11年東京都条例第5号。本件条例)に基づき,一審被告に対し,①平成12年度分の警視庁本部少年事件課及び交通捜査課の捜査報償費(都費)の支出に関す ,平成16年11月29日,東京都情報公開条例(平成11年東京都条例第5号。本件条例)に基づき,一審被告に対し,①平成12年度分の警視庁本部少年事件課及び交通捜査課の捜査報償費(都費)の支出に関する財務会計帳票及び支出証拠書類のすべての開示(本件開示請求1,②)平成15年度分の警視庁本部少年事件課及び交通捜査課の捜査報償費(都費)の支出に関する財務会計帳票及び支出証拠書類のうち捜査諸雑費に関するもののすべての開示(本件開示請求2)並びに③平成15年度分の警視庁本部少年事件課及び交通捜査課の捜査報償費(都費)の支出に関する財務会計帳票及び支出証拠書類のうち捜査諸雑費に関するものを除いたその余のすべての開示(本件開示請求3)をそれぞれ請求したところ,一審被告が,本件開示請求1の対象とされた公文書は別紙文書目録記載1から5までの公文書(以下,別紙文書目録記載の公文書については「本件文書1」などという)であり,本,。 件開示請求2の対象とされた公文書は本件文書6及び7であり,本件開示請求3の対象とされた公文書は本件文書6及び同8から同13であるとした上,同17年1月28日付けで,本件開示請求1については,①本件文書1のうち,<「」,A>非管理職職員の印影並びに<B>捜査費の受入れ及び支出等に係る日欄「摘要」欄「払」欄及び「残」欄の一部を非開示とし,その余を開示し,本,件文書2のうち,<A>非管理職職員の氏名,<B>非管理職職員の印影,<C>少年事件課の少年事件課長の取扱いに係る捜査費総括表,捜査費支出伺,課経理精算書及び支払精算書(ただし,上記各公文書のいずれかに添付されている領収書を除く)のうちの,捜査費の受入れ及び支出等に係る情報並びに管理職。 職員の氏名,印影及び職名又は階級,並びに<D>上記<C>の領収書のうちの,法 だし,上記各公文書のいずれかに添付されている領収書を除く)のうちの,捜査費の受入れ及び支出等に係る情報並びに管理職。 職員の氏名,印影及び職名又は階級,並びに<D>上記<C>の領収書のうちの,法人職員,法人又は法人代表者の印影及び捜査費の支出等に係る情報を非開示とし,その余を開示し,本件文書3のうち,<A>法人職員,法人又は法人代表者の印影及び<B>法人職員個人に付与された番号を非開示とし,その余を開示 する旨の一部開示決定(ただし,同18年3月9日付け一部開示決定による一部取消し後のもの。本件決定1)をし,②本件文書4及び5の全部を非開示とする旨の非開示決定(本件決定2)をし,本件開示請求2については,③本件文書6及び7の全部を非開示とする旨の非開示決定(本件決定3)をし,本件開示請求3については,④本件文書8のうち,<A>非管理職職員の氏名,<B>非管理職職員の印影並びに<C>捜査費の受入れ及び支出等に係る日欄摘「」,「要」欄「払」欄及び「残」欄を非開示とし,その余を開示し,本件文書9の,,,,,うち<A>非管理職職員の氏名<B>非管理職職員の印影<C>捜査費総括表捜査費支出伺,中間取扱者経理精算書及び支払精算書(ただし,上記各公文書のいずれかに添付されている領収書を除く)のうちの,捜査費の受入れ及び。 支出等に係る情報並びに管理職職員の氏名,印影及び職名又は階級,並びに<D>上記<C>の領収書のうちの,法人職員,法人又は法人代表者の印影及び捜査費の支出等に係る情報を非開示とし,その余を開示し,本件文書10のうち,,,,,<A>非管理職職員の氏名<B>非管理職職員の印影<C>表紙捜査費総括表捜査費支出伺,支払精算書及び立替払報告書(ただし,上記各公文書のいずれかに添付されている領収書を除く ち,,,,,<A>非管理職職員の氏名<B>非管理職職員の印影<C>表紙捜査費総括表捜査費支出伺,支払精算書及び立替払報告書(ただし,上記各公文書のいずれかに添付されている領収書を除く)のうちの,捜査費の受入れ及び支出等に。 係る情報並びに管理職職員の氏名,印影及び職名又は階級,並びに<D>上記<C>の領収書のうちの,法人職員,法人又は法人代表者の印影及び捜査費の支,,,,出等に係る情報を非開示としその余を開示し本件文書11のうち法人職員法人又は法人代表者の印影を非開示とし,その余を開示する旨の一部開示決定(ただし,同18年3月9日付け一部開示決定による一部取消し後のもの。本件決定4)をし,⑤本件文書12のうち,<A>非管理職職員の氏名,<B>非管理職職員の印影,<C>捜査費総括表,捜査費支出伺,中間取扱者経理精算書及び(,。)支払精算書ただし上記各公文書のいずれかに添付されている領収書を除くのうちの,捜査費の受入れ及び支出等に係る情報並びに管理職職員の氏名,印影及び職名又は階級,並びに<D>上記<C>の領収書のうちの,法人職員,法人 又は法人代表者の印影及び捜査費の支出等に係る情報を非開示とし,その余を開示し,本件文書6及び同13の全部を非開示とする旨の非開示決定(ただし,。 。)同18年3月9日付け一部開示決定による一部取消し後のもの本件決定5をした。 これを不服として,一審原告が,一審被告に対し,本件各決定のうち非開示とした処分の取消しを求めた訴訟である。 原審は,一審被告が非開示とした氏名のうち非管理職職員の氏名及び非開示とした印影のうち非管理職職員の印影の一部については,本件条例7条2号所定の個人に関する情報に当たるが,同号ただし書ハの「当該公務員の職及び当該職務遂行の内容に係る部分」に 理職職員の氏名及び非開示とした印影のうち非管理職職員の印影の一部については,本件条例7条2号所定の個人に関する情報に当たるが,同号ただし書ハの「当該公務員の職及び当該職務遂行の内容に係る部分」に該当するとして,非開示処分を取り消し,その余の非管理職職員の氏名及び印影については,本件条例7条4号の「公にすることにより,犯罪の予防,鎮圧又は捜査,公訴の維持,刑の執行その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると実施機関が認めることにつき相当の理由がある情報」に該当するとして,一審被告が非開示とした処分は,その判断に相当の理由があるとして違法であるとはいえないが,その余の金額欄,摘要欄等の記載の一部,管理職職員の氏名,印影,職名又は階級,それぞれの文書を構成する個々の書類が何通あるかという構成を開示しなかったのは違法であるとして,非開示処分を取り消した。また,法人やその代表者,職員の印影のうち,職員の印影については個人に関する情報として本件条例7条2号本文に該当するが,法人又はその代表者の印影は個人に関する情報とはいえないとし,押捺された文書の性質等に照らし,当該法人の競争上の地位や社会的信用その他の正当な利益が損なわれるとはいえないし,犯罪の予防等に支障を及ぼすおそれがあるともいえないから,同条3号及び4号にも該当しないとして,これを非開示とした処分を取り消し,同領収書記載の法人が管理のために職員に付与した番号は,個人に関する情報であって,公にする慣行があったことは認められないとして,本件条例7条2号本文に該当し,そのただし 書には該当しないものとして,非開示とした処分は違法ではないとした。 これを不服として,一審原告及び一審被告の双方が控訴したものである。 事案の概要は,当審における主張を以下のとおり付加するほか,原判 には該当しないものとして,非開示とした処分は違法ではないとした。 これを不服として,一審原告及び一審被告の双方が控訴したものである。 事案の概要は,当審における主張を以下のとおり付加するほか,原判決「事実及び理由」欄の「第2事案の概要」に記載のとおりであるから,これを引用する(ただし,原判決25頁5行目から6行目にかけて(左欄「株式会社)○○」とあるのを「株式会社○○(○○)と改める。 」。)(一審原告)(1)本件非開示氏名等に含まれる警察職員(非管理職職員)の個人識別情報は,本件条例7条2号ただし書イに該当するものとして開示されるべきであり,一審原告は,これらが同号ただし書ハに該当するものであるとの主張は黙示的にもしていない。 東京都においては,東京都公文書の開示等に関する条例(旧条例)下にお,「(。)いて個人に関する情報事業を営む個人の当該事業に関する情報を除くで特定の個人が識別され得るもの」を非開示情報とし,本件条例7条2号ただし書ハに該当する規定がないにもかかわらず,東京都職員の氏名や印影を公開していた。この様な解釈運用が旧条例の解釈運用として誤りであるという指摘も議論もされず,本件条例に引き継がれているのであるから,本件条例の解釈としても,公務員個人が職務において自己を表す氏名及び使用する「」。 印章の印影は個人に関する情報に該当しないと解するのが合理的である仮に,公務員個人が職務において自己を表す氏名及び使用する印章の印影が「個人に関する情報」に該当するとしても,東京都では従来から職員の氏名及び印影を慣行として公開していたから,警視庁職員の氏名及び印影も,同様に本件条例7条2号ただし書イに該当するものとして公開すべきである。 (2)本件文書は,警察の捜査費の支出に関する領収証等であり,これに記載 行として公開していたから,警視庁職員の氏名及び印影も,同様に本件条例7条2号ただし書イに該当するものとして公開すべきである。 (2)本件文書は,警察の捜査費の支出に関する領収証等であり,これに記載された法人職員の氏名及び印影は,当該領収証の成立の真正に関する情報であるから,公にすることの公共性は高く,実際に日常的に公にされているか ら,本件条例7条2号ただし書イに該当するものと解すべきである。また,法人職員の当該法人内での識別のための番号(本件番号)についても,会計処理文書の管理確認の合理化のために付けられているに過ぎず,当該職員個人にとって特別の意味を持つものではなく,氏名や印影と同様,当該法人職員が当該取引を間違いなく行い,真正に領収証を作成したかどうかを確認させるためのものであるから,本件条例7条2号ただし書イに該当するものと解すべきである。 (一審被告)(1)本件氏名24,本件印影1,本件印影8,本件印影22,本件印影42及び本件印影43については,いずれも本件条例7条4号所定の非開示情報に該当する。 警察職員の氏名に係る情報はこれが明らかにされるとその警察職員非,,(管理職職員)及びその家族の生命若しくは身体に危害が加えられ,又はその地位若しくは正常な生活が脅かされるなど,犯罪の予防及び捜査その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあるから,本件条例7条4号の非開示情報に該当する。本件印影1,本件印影8,本件印影22,本件印影43に含まれる情報はいずれも,少年事件課の非管理職職員である会計事務を担当する職員の姓であるところ,会計事務を担当する職員であっても,少年事件課の職員である以上,捜査活動に直接従事することもある。また,本件氏名24及び本件印影42に含まれる情報は,警視庁総務部会計課主事の氏名及 姓であるところ,会計事務を担当する職員であっても,少年事件課の職員である以上,捜査活動に直接従事することもある。また,本件氏名24及び本件印影42に含まれる情報は,警視庁総務部会計課主事の氏名及び姓であるところ,上記立場にある者は捜査に従事することはないが,過去に捜査を担当する部署で勤務したり,将来そのような部署で勤務することにより,捜査活動に直接従事する可能性がある。 第3当裁判所の判断 本件文書1から13の各記載内容等については,以下のとおり改めるほか,原判決の「事実及び理由」欄の「第3争点に対する判断」1記載のとおりであ るから,これを引用する。 (1)原判決66頁16行目から17行目にかけて「甲9の10及び12」()とあるのを「甲9の10及び12,乙20,21」と改める。 ,()(2)原判決93頁6行目から8行目を,以下のとおり改める。 「オ本件印影21は,慰労費領収書⑫-2及び慰労費領収書⑫-3の作成名義人である法人の名下に当該法人若しくはその代表者又はその職員の印章が押印された際の印影である」。 ,。 (3)原判決108頁6行目から109頁4行目までを以下のとおり改める「イ証拠(甲9の10及び12,乙20,21)によると,慰労費領収書⑫-1及び慰労費領収書⑫-4の作成名義人はP1であり,本件印影19は,慰労費領収書⑫-1及び慰労費領収書⑫-4にはられた印紙の割り印の印影であること,慰労費領収書⑫-2及び慰労費領収書⑫-3の作成名義人はP2であり,本件印影20は,慰労費領収書⑫-2及び慰労費領収書⑫-3にはられた印紙の割り印の印影であり,本件印影21は,P2名下に押印された印影であること,慰労費領収書⑫-2の割り印(本件印影20 ,P)2名下の印影(本件印影21)及び慰労費領収書⑫-3の割り印 にはられた印紙の割り印の印影であり,本件印影21は,P2名下に押印された印影であること,慰労費領収書⑫-2の割り印(本件印影20 ,P)2名下の印影(本件印影21)及び慰労費領収書⑫-3の割り印(本件印影,P2名下の印影(本件印影21)は,いずれも円形であり,同一の印)章によって顕出されたものであることが認められる。 本件印影20は,上記アに照らすと,P2という法人又はその代表者の印影であると認めるには足りず,これと同一の印章により顕出された本件印影21についても,P2名下という位置にはあるということのみでは,法人又はその代表者の印影であるとはいえない。また,本件印影19も,上記アに照らすと,P1という法人又はその代表者の印影であると認めるには足りないというべきであり,他にこれを認めるに足りる証拠はない」。 (4)原判決109頁15行目から20行目までを以下のとおり改める。 「エ以上認定,判断したところを総合すると,本件印影17及び本件印影18の いずれも作成名義人である法人又はその代表者の印章が使用された際の印影であると認めるには足りないというべきであり,他にこれを認めるに足りる証拠はない」。 一審被告は,本件非開示氏名及び本件非開示印影1にそれぞれ含まれる情報が,本件条例7条2号所定の非開示情報に該当すると主張しているところ,一審原告は,本件条例7条2号本文には,公務員の職務遂行に係る情報は含まれないものと解すべきであると主張しているので,この点について検討する(争点(1)及び(2) 。 )(1)本件条例は,都が都政に関し,都民に説明する責務を全うし,都民の理解と批判の下に公正で透明な行政を推進し,都民による都政への参加を進めるのに資することを目的とし,そのために公文書の開示を請求する都民の権利を明らか 都政に関し,都民に説明する責務を全うし,都民の理解と批判の下に公正で透明な行政を推進し,都民による都政への参加を進めるのに資することを目的とし,そのために公文書の開示を請求する都民の権利を明らかにし,情報公開の総合的な推進のために必要な事項を定めるもの(1条)であるから,都の都政に関する情報を広く都民に公開することを目的としているものといえる。そこで,本件条例は,7条で「実施機関は,開示請求があったときは,開示請求に係る公文書に次の各号のいずれかに該当する情報(以下「非開示情報」という)が記録されている場合を除き」当。 該公文書を開示するものと定め,非開示情報として,同条2号本文で「個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く)で特定の。 個人を識別することができるもの」として,同号ただし書所定の除外事由に,。 当たるものを除き同号本文に該当する情報を非開示とすることとしているそして,都政に関する情報の大部分が,都の公務員の職務の遂行に関する情報であること等から,本件条例7条2号のただし書イとして「法令等の規定により又は慣行として公にされ,又は公にすることが予定されている情報,ただし書ハとして「当該個人が公務員等(中略」である場合に「当」,),該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは,当該情報のうち,当該公務員等の職及び当該職務遂行の内容に係る部分」とそれぞれ定め,公務員の 職務に関する情報を明示して,非開示情報から除外する規定を設けている。 (2)本件条例の法文上,同条2号本文には,当該個人が公務員等である場合を除外する旨の文言は存在しておらず,同号ただし書において,公務員の職務に関する情報を明示して除外していることに照らせば,同号本文にいう個人に関する情報は,公務員の職務に関する情報を除外する る場合を除外する旨の文言は存在しておらず,同号ただし書において,公務員の職務に関する情報を明示して除外していることに照らせば,同号本文にいう個人に関する情報は,公務員の職務に関する情報を除外するものではなく,これを同条2号ただし書ハにより除外したものと解するのが法文の構成上合理的な解釈であり,この様に解したことにより,都政に関する情報を広く都民に公開するとの本件条例の目的が阻害されるともいえない。 (3)また,証拠(乙12から14)によると,旧条例を改正して,本件条例を制定するに当たり「東京都における情報公開制度のあり方に関する懇談,会」を設置して検討を行ったが,同懇談会は,本件条例について,行政機関の保有する情報の公開に関する法律との調整を図ることの外,プライバシーを保護しつつ,原則公開の趣旨を明確にし,非開示条項について安易な拡大解釈がされないよう明確に規定することを目的としていたこと,個人識別情報を非開示情報としたが,公務員の職務に関する情報については,本件条例7条2号ただし書ハにより,これを除外することとし,公務員の氏名に関する情報については法令の規定により又は慣行として公にされ,又は公にすることが予定されている情報(同号ただし書イ)の規定により開示するか否か判断することとしたことが認められる。 (4)本件条例7条が公務員の職務に関する情報についての規定を欠いている場合であれば格別,明確にこれを定めた規定を持つ本件条例において,明文の規定がないのに,本件条例7条2号本文が公務員の職務遂行に係る情報を除くものと制限的に解した上,同条2号ただし書ハが法文上は特段の意味がなく,念のために制定されたものと解すべき合理的な理由は見当たらない。 一審原告は,旧条例においては,公務員が職務において自己を表す氏名及び使用する印章の印影 同条2号ただし書ハが法文上は特段の意味がなく,念のために制定されたものと解すべき合理的な理由は見当たらない。 一審原告は,旧条例においては,公務員が職務において自己を表す氏名及び使用する印章の印影が「個人に関する情報」に該当しないものとの解釈が されており,これが本件条例においても引き継がれていると主張するが,本件条例の制定に際し,旧条例における上記のような解釈を前提として条文を策定していたことを認めるに足りる証拠はないから,一審原告の上記主張は理由がない。 (5)したがって,上記認定の本件条例制定の趣旨に照らせば,公務員の氏名及び役職については,個人に関する情報で,特定の個人を識別することがで,,きる情報であるとして本件条例7条2号本文に該当するものと解したうえそのただし書に該当するか否かにより開示の可否を判断すべきであり,本件非開示氏名及び本件非開示印影1に含まれる各情報は,本件条例7条2号本文所定の非開示情報に該当するものというべきである。 次に,一審原告は,本件非開示氏名及び本件非開示印影1は,本件条例7条2号ただし書イに該当するから,開示すべきであるとも主張するので,これについて検討する。 (1)本件非開示氏名及び本件非開示印影1について,これを公にし,あるいは公にすることを予定している法令等の規定は見当たらない。 (2)慣行として公にされ,又は公にすることが予定されていたかについて,行政改革推進本部長が平成18年に作成した審査基準案(甲34)では,慣習法としての法規範的な根拠を要するものではないが,個別的な事例で同種の情報が公開されただけでは足りないとし,事実上の慣習として公にされ,又は公にすることが予定されていれば足りると解釈していたことが認められる。 そして,証拠(甲35(枝番を含む,41)によると, の情報が公開されただけでは足りないとし,事実上の慣習として公にされ,又は公にすることが予定されていれば足りると解釈していたことが認められる。 そして,証拠(甲35(枝番を含む,41)によると,平成6年4月。)に作成された東京都監査事務局総務課で作成された旅行命令簿では,公務員の氏名や印影が開示されていたこと,高知県警察本部長は,平成14年4月4日から同年10月30日までに作成された捜査費支出伺や支払精算書の,非管理職職員の役職や印影を開示したことが認められる。 ,,(),,他方都においては 証拠 乙14によると本件条例の制定にあたり都公安委員会(警視庁)を実施機関に加えたものであることが認められ,旧条例において一審被告は実施機関となっていなかったのであり,上記認定の事実のみでは,他の道府県の各警察本部長において,非管理職職員の役職や印影を開示することが慣行となっていたことまでを認めるに足りない。 したがって,上記認定の事実から,本件非開示氏名及び本件非開示印影1について,これを開示することが慣行となっていたとはいえず,他にこれを認めるに足りる証拠はないから,本件非開示氏名及び本件非開示印影1は,本件条例7条2号ただし書イ所定の情報には当たらない。 以上のとおりであるから,本件非開示氏名(本件氏名1,本件氏名2,本件氏名10から本件氏名13まで,本件氏名20,本件氏名24,本件氏名25)及び本件非開示印影1(本件印影1から本件印影8まで,本件印影22,本件印影24から本件印影29まで,本件印影37から本件印影39まで,本件印影42,本件印影43)はいずれも本件条例7条2号本文の非開示情報に当たり,同号ただし書イに該当せず,その余のただし書に該当することについては主張がない。 したがって,本件非開示氏名及び本 で,本件印影42,本件印影43)はいずれも本件条例7条2号本文の非開示情報に当たり,同号ただし書イに該当せず,その余のただし書に該当することについては主張がない。 したがって,本件非開示氏名及び本件非開示印影1については,本件条例7条4号の非開示情報に該当することについて判断するまでもなく,その非開示処分の取消しを求める一審原告の請求は理由がない。 次に,争点(3)のうち,①本件氏名3から本件氏名9まで,本件氏名14から本件氏名19まで及び本件氏名21から本件氏名23まで,②本件印影9から本件印影18まで,本件印影23,本件印影30から本件印影36まで,本件印影40及び本件印影41,③本件非開示支出等情報1から本件非開示支出等情報17まで,④本件階級1から本件階級23まで,並びに⑤本件構成が,本件条例7条4号に該当するか否か及び争点(4)について判断する。 (1)当裁判所も,警察職員(非管理職職員)の氏名及び印影については,本件条例7条4号に該当するとしてこれを開示しなかった一審被告の判断には ,,「」相当の理由があるものと判断するがその理由は原判決の 事実及び理由 欄の「第3争点に対する判断」4(1),(2)に記載のとおりであるから,これを引用する。 したがって,上記4で非開示情報と判断するもののほか,本件氏名22,本件氏名23を開示しなかった一審被告の処分は違法といえない。 (2)なお,一審原告は,本件各文書が捜査費の支出に関する公文書であっても,会計処理のための会計文書に過ぎないから,本件条例7条4号の該当性を問題にすべきではなく,同7条6号により開示すべきであると主張しているので,これについて判断する。 ア本件条例7条6号は「都の機関又は国,独立行政法人等若しくは他の,地方公共団体が行う事務又は事業に関す べきではなく,同7条6号により開示すべきであると主張しているので,これについて判断する。 ア本件条例7条6号は「都の機関又は国,独立行政法人等若しくは他の,地方公共団体が行う事務又は事業に関する情報であって,公にすることにより,次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上,当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの」とし,次に掲げる事項として,「イ監査,検査,取締り又は試験に係る事務に関し,正確な事実の把握を困難にするおそれ又は違法若しくは不当な行為を容易にし,若しくはその発見を困難にするおそれロ契約,交渉又は争訟に係る事務に関し,国,独立行政法人等又は地方公共団体の財産上の利益又は当事者としての地位を不当に害するおそれハ調査研究に係る事務に関し,その公正かつ能率的な遂行を不当に阻害するおそれ」と定め,一般的な都の機関等が行う事務又は事業に関する情報のうち所定のおそれが生じるものを非開示情報とするものである。 ,,,他方本件条例7条4号は犯罪捜査に係る情報について定めるもので開示の可否の判断に,高度の専門的技術的判断あるいは政策的判断を要す ることから,実施機関の第一次的判断を尊重するものとしたことは上記のとおりである。 イ本件各文書は捜査費の支出に関する公文書であるところ,捜査費は,具体的な犯罪捜査に使用するものとして支出されるものであるから,本件各,,文書は捜査活動に密接に関わる事項が記載された文書というべきであり単なる会計文書とはいえないことは明らかである。 したがって,その開示の可否の判断には,高度の専門的技術的判断あるいは政策的判断を要するものとして,本件条例7条4号の適用があると解,。 するのが相当であり同条6号の適用をいう一審原告の主張は理由がない(3)取扱者出納簿 判断には,高度の専門的技術的判断あるいは政策的判断を要するものとして,本件条例7条4号の適用があると解,。 するのが相当であり同条6号の適用をいう一審原告の主張は理由がない(3)取扱者出納簿,取扱者証拠書類,中間者出納簿,中間者証拠書類,取扱者領収書及び中間者領収書のうち,警察職員(非管理職職員)の氏名及び印影を除いたその余の部分を一審被告が開示しなかった理由は原判決の事,,「実及び理由」欄の「第3争点に対する判断」4(3)ア記載のとおりであるから,これを引用する。 ア当裁判所も,取扱者出納簿の本件非開示支出等情報1及び本件非開示支出等情報17が,本件条例7条4号に該当するとして,これを開示しなかった一審被告の判断には相当な理由があるものと判断するが,その理由は,以下のとおり訂正するほかは,原判決の「事実及び理由」欄の「第3争」,。 点に対する判断4(3)イ(ア)記載のとおりであるからこれを引用する原判決126頁12行目から127頁7行目までを以下のとおり改める。 「b取扱者出納簿に記録されている少年事件課長が受け入れた捜査費の出納の状況に関する情報には,各月ごとの受入額及び執行額の合計金額があり,その増減の状況は,少年事件課の捜査活動の活発さをある程度反映している。また,各月ごとの個々の執行額は,これを公にすることによって,特定の事件の捜査状況が把握される可能性があり, その結果,被疑者等の逃亡又は罪証隠滅等が図られる可能性も否定できない。 そして,本件非開示支出等情報1及び本件非開示支出等情報17は,少年事件課長が受け入れた捜査費の各月ごとの個々の執行額を明らかにし得る可能性があるといえるから,一審被告が,取扱者出納簿の非開示情報について,これを公にすることによって,少年事件課の捜査活動の内容等 事件課長が受け入れた捜査費の各月ごとの個々の執行額を明らかにし得る可能性があるといえるから,一審被告が,取扱者出納簿の非開示情報について,これを公にすることによって,少年事件課の捜査活動の内容等が明らかになることから,犯罪の予防及び捜査その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあるものと判断したことには,相当の理由があるということができる」。 イ当裁判所も,取扱者証拠書類のうち取扱者総括表の本件非開示支出等情報2及び本件非開示支出等情報3が,本件条例7条4号に該当するとしてこれを開示しなかった一審被告の判断には相当な理由がなく,開示しなかったことは違法であると判断するが,その理由は,以下のとおり訂正するほか,原判決の「事実及び理由」欄の「第3争点に対する判断」4(3)イ(イ)記載のとおりであるから,これを引用する。 原判決128頁4行目から15行目までを以下のとおり改める。 「b取扱者総括表の非開示情報は,取扱者総括表に記録されている少年事件課長が受け入れた捜査費の現金出納の状況に関する情報のうち,各月ごとの受入額及び執行額の合計金額の増減を明らかにするものであるが,その増減の状況は,少年事件課の捜査活動の活発さをある程度反映していると考えられるものの,その増減の状況から,直ちに,特定の事件の捜査状況が把握されるものとはいえない証拠乙2枝。 ((番を含む。以下同じ,3,19)によれば,過激派組織が警察無。)線を傍受したり,警察官の個人情報を収集していること,暴力団組織も同様に警察車両等に関する情報を収集していることが認められるが,このことを考慮しても,一審被告が,取扱者総括表の非開示情報 について,これを公にすることによって,少年事件課の捜査活動の内容等が明らかになることから,犯罪の予防及び捜査その他の 認められるが,このことを考慮しても,一審被告が,取扱者総括表の非開示情報 について,これを公にすることによって,少年事件課の捜査活動の内容等が明らかになることから,犯罪の予防及び捜査その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると判断したのは,合理性を欠くものというべきである」。 ウ当裁判所も,取扱者証拠書類のうち取扱者支出伺について,取扱者支出伺の非開示情報2(本件階級等2及び本件非開示支出等情報4)については本件条例7条4号に該当するとしてこれを開示しなかった一審被告の判断には相当な理由があり,取扱者支出伺の非開示情報1(本件印影9,本件階級等1,本件氏名3,本件氏名4,本件階級等3及び本件印影10)について本件条例8条1項により開示しないことができるものと判断するが,その理由は,原判決の「事実及び理由」欄の「第3争点に対する判断」4(3)イ(ウ)記載のとおりであるから,これを引用する。 エ当裁判所も,取扱者証拠書類のうち取扱者経理精算書の非開示情報(本件印影11,本件階級等4,本件氏名5,本件階級等5,本件氏名6,本件印影12,本件非開示支出等情報5)について,本件条例7条4号に該当するとしてこれを開示しなかった一審被告の判断には相当な理由がなく,開示しなかったことは違法であると判断するが,その理由は,以下のとおり改めるほか,原判決の「事実及び理由」欄の「第3争点に対する判断」4(3)イ(エ)記載のとおりであるから,これを引用する。 原判決132頁9行目から133頁5行目までを以下のとおり改める。 「,,b取扱者経理精算書の非開示情報のうち本件非開示支出等情報5は中間取扱者ごとに各月ごとの受入額及び執行額の合計金額の増減を明らかにするものがあるが,その増減の状況は,各中間取扱者が担当する少年事件 取扱者経理精算書の非開示情報のうち本件非開示支出等情報5は中間取扱者ごとに各月ごとの受入額及び執行額の合計金額の増減を明らかにするものがあるが,その増減の状況は,各中間取扱者が担当する少年事件課内の部署の捜査活動の活発さをある程度反映しているものと考えられる。しかし,前記前提となる事実のとおり,少年事件課には4名の中間取扱者がおり,各人がそれぞれ少年事件課内に設けら れた2つの係を担当していることからすると,各中間取扱者の各月ごとの受入額及び執行額の合計金額の増減の状況から,特定の事件の捜査状況が把握されるものとはいえず,本件印影11,本件階級等4,本,,,件氏名5本件階級等5本件氏名6及び本件印影12が公にされても捜査状況が把握されるものとはいえないから,一審被告が,取扱者経理精算書の非開示情報について,これを公にすることによって,少年事件課の捜査活動の内容等が明らかになることから,犯罪の予防及び捜査その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあるものと判断したのは,合理性を欠くものというべきである」。 オ当裁判所も,取扱者証拠書類のうち取扱者支払精算書について,取扱者支払精算書の非開示情報2(本件階級等7及び本件非開示支出等情報6)については本件条例7条4号に該当するとしてこれを開示しなかった一審被告の判断には相当な理由があり,取扱者支払精算書の非開示情報1(本件階級等6,本件氏名7,本件階級等8,本件氏名8,本件印影13,本件印影14,本件印影15,本件階級等9,本件氏名9及び本件印影16)について本件条例8条1項により開示しないことができるものと判断するが,その理由は,原判決の「事実及び理由」欄の「第3争点に対する判断」4(3)イ(オ)記載のとおりであるから,これを引用する。 カ中間者出納簿,中 条1項により開示しないことができるものと判断するが,その理由は,原判決の「事実及び理由」欄の「第3争点に対する判断」4(3)イ(オ)記載のとおりであるから,これを引用する。 カ中間者出納簿,中間者証拠書類のうち中間者表紙,中間者総括表及び中間者支出伺,中間者証拠書類A⑮のうち交付書兼精算書及び支払報告書,中間者証拠書類のうち中間者支払精算書及び立替払報告書,取扱者領収書及び中間者領収書の非開示情報並びに本件構成についての当裁判所の判断は原判決の事実及び理由欄の第3争点に対する判断4(3)イ(カ),「」「」から(ソ)に記載のとおりであるから,これを引用する。 (4)一審被告は,暴力団等の犯罪集団が継続的に警察情報を収集しており,少年事件課が,各警察署の生活安全課少年係だけでは十分な捜査体制を確保 できない事件や高度に専門的な判断及び経験を要する事件の捜査に当たることから,少年事件課さらには中間取扱者単位の捜査の活発さを反映する情報を公開することになれば,特定の犯罪を敢行した者には自らの身辺に捜査が及んでいるか,その捜査がどの程度の規模で行われているかを推測することが可能になり,その逃亡や罪証隠滅を容易にしたり,新たなアリバイ工作を助長するなど犯罪捜査等に支障を及ぼす可能性があると主張している。 しかし,上記認定のとおり,各中間取扱者はそれぞれ二つの係を担当しているのであって,少年事件課長や中間取扱者の捜査費の受入額や執行額,中間者出納簿の記載行数等の増減が,その捜査活動の活発さをある程度反映するものであるとはいいうるものの,そのことと,暴力団等の犯罪集団が継続的に警察情報を収集していることを併せ考慮しても,上記各情報が公開されることによって,特定の犯罪を敢行した者にとって,当該事件の捜査の具体的捜査状況を推測しうる そのことと,暴力団等の犯罪集団が継続的に警察情報を収集していることを併せ考慮しても,上記各情報が公開されることによって,特定の犯罪を敢行した者にとって,当該事件の捜査の具体的捜査状況を推測しうるとまではいえず,犯罪の予防,捜査等に支障を及ぼすものとした一審被告の判断は合理性を欠くものというべきである。 (5)一審原告は,管理職職員の氏名,印影及び階級又は職名等が,慣行として公にされているからといって,その具体的な氏名押印は不明であるから,本件条例8条1項により非開示とすることは許されないと主張している。 しかし,管理職職員である取扱者及び中間取扱者の階級及び氏名は,慣行として公にされていることから,既に公表されているのであり,非開示情報を除いた情報が既に公表されている情報のみである場合には,特段の事情がない限り,開示請求の趣旨が損なわれるものというべきである。そして,一審被告が,本件条例8条1項により非開示としたのは,取扱者支出伺,取扱者支払精算書,中間者支出伺,交付書兼精算書,中間者支払精算書及び立替払報告書の作成者や宛先の階級,氏名,印影又は決裁に係る印影であり,その部分に記載されている既に公開されている情報のみが開示されることにより,開示の目的が達成されることを認めるに足りる事情は見当たらない。 したがって,一審原告の上記主張は理由がない。 上記に認定したところを総合すると,一審被告は,本件文書2については別紙開示目録記載2の(2)から(4)を,本件文書4については同開示目録記載4の(2)及び(3)を,本件文書5については同開示目録記載5の(1)から(3)を,本件文書6については同開示目録記載6の(2)及び(3)を,本件文書7については同開示目録記載7の(1)から(3)を本件文書9については同開示目録記載9の(2), 目録記載5の(1)から(3)を,本件文書6については同開示目録記載6の(2)及び(3)を,本件文書7については同開示目録記載7の(1)から(3)を本件文書9については同開示目録記載9の(2),から(4)を,本件文書10については同開示目録記載10の(1)から(3)を,本件文書12については同開示目録記載12の(1)から(3)を,本件文書13については同開示目録記載13の(1)から(3)をそれぞれ開示すべきであるから,これを非開示とした処分は違法であり,取消しを免れない。 最後に,本件印影17から本件印影21まで,本件印影44及び本件印影45並びに本件番号について,本件条例7条2号ないし4号に該当するか(本件争点(5)から本件争点(8))について,当裁判所は,本件印影45を除き,いずれも非開示情報に当たると判断するが,その理由は,以下のとおり改めるほか,原判決の「事実及び理由」欄の「第3争点に対する判断」5から8に記載のとおりであるから,これを引用する。 (1)原判決165頁3行目から6行目までを以下のとおり改める。 「ア前記認定事実のとおり,本件非開示印影2(本件印影17から本件印影21まで及び本件印影44)は,いずれも法人又はその代表者若しくは職員の印影である」。 (2)原判決166頁2行目から8行目までを以下のとおり改める。 「オ以上によれば,本件非開示印影2は,いずれも法人又はその代表者若しくは職員の印影であるから,上記各印影に含まれる情報は,本件条例7条2号本文所定の非開示情報に当たり得るものである」。 (3)原判決167頁16行目から18行目までを以下のとおり改める。 「ウしたがって,本件非開示印影2に含まれる情報は,本件条例7条2号た だし書イ所定の情報には当たらない」。 (4)原判決168頁2行目 67頁16行目から18行目までを以下のとおり改める。 「ウしたがって,本件非開示印影2に含まれる情報は,本件条例7条2号た だし書イ所定の情報には当たらない」。 (4)原判決168頁2行目から4行目までを以下のとおり改める。 「本件非開示印影2に含まれる情報は,本件条例7条2号ただし書ロ及びハ所定の情報に当たるとの主張立証はない」。 (5)原判決168頁6行目から10行目を以下のとおり改める。 「以上によれば,本件非開示印影2に含まれる情報は,本件条例7条2号所定の非開示情報には当たり得るものであるところ,同号本文中の除外事由に当たるとは認めるに足りない」。 (6)原判決168頁11行目及び13行目の各「本件非開示印影3」の次に「のうち本件印影45」をいずれも加え,11行目の「それぞれ」を削る。 (7)原判決168頁17行目から170頁12行目までを以下のとおり改める。 「,,イ前記認定事実のとおり本件印影45は法人又はその代表者の印影であり警視庁の捜査員等が飲食の代金として捜査費を支払った際に得た領収証に押印されていた印影である。 ウ通常は銀行取引に使用する印章(以下「銀行印」という)を領収証に。 押なつすることはないと考えられるから,本件印影45は,領収証を発行した法人の銀行印の印影ではないものと認められる。 そうすると,本件印影45に含まれる情報は,これを開示しても,当該法人の競争上又は事業運営上の地位,社会的信用その他正当な利益が損なわれると認めることはできないから,本件条例7条3号本文所定の非開示情報に当たるということはできない」。 (8)原判決170頁14行目の「本件非開示印影3」を「本件印影45」と改める。 (9)原判決171頁1行目から8行目までを以下のとおり改め,9行目,11行目及び17 ということはできない」。 (8)原判決170頁14行目の「本件非開示印影3」を「本件印影45」と改める。 (9)原判決171頁1行目から8行目までを以下のとおり改め,9行目,11行目及び17行目の各「本件非開示印影4」をいずれも「本件印影45」と 改める。 「(2)本件非開示印影4のうち,本件印影19から本件印影21まで及び本件印影44については,本件条例7条2号所定の非開示情報に当たり得るもので,。 あることは既に認定したとおりであるから本件印影45について判断する前記認定事実のとおり,本件印影45は,警視庁の捜査員等が飲食の代金として捜査費を支払った際に得た領収証に押印されていた印影であり,領収証を発行した法人の銀行印の印影ではない」。 (10)原判決171頁19行目から172頁19行目までを以下のとおり改める。 「そうすると,本件印影17及び本件印影18に含まれる情報が,取扱者領収書及び中間者領収書の非開示情報として本件条例7条4号に該当することは既に認定したとおりであり,本件印影17から本件印影21まで及び本件印影44に含まれる情報は,本件条例7条2号所定の非開示情報には当たり得るものであるから,本件印影17から本件印影21まで及び本件印影44は,これを開示することはできない。 しかし,本件印影45(慰労費領収書⑮のうちP3名下の「印影)に含」まれる情報は,本件条例7条3号及び4号所定の非開示情報に当たらないというべきであるところ,一審被告は,本件印影45に含まれる情報が本件条例7条3号及び4号以外の非開示情報に当たる旨主張していない。 したがって,一審被告が慰労費領収書⑮のうち法人職員,法人及び法人代表者の「印影」として開示しなかったもののうち本件印影45(本件文書11のうち別紙開示目録記載11の部分)は たる旨主張していない。 したがって,一審被告が慰労費領収書⑮のうち法人職員,法人及び法人代表者の「印影」として開示しなかったもののうち本件印影45(本件文書11のうち別紙開示目録記載11の部分)は,これを開示すべきである」。 (11)原判決174頁5行目の「本件非開示印影2」とあるのを「本件番号」と改める。 (12)一審被告は,本件印影45につき,みだりに公開されない利益を有していると主張するが,本件印影45が領収書に押捺された印影であることは上記認 定のとおりであり,警視庁の職員に交付する領収書であるなど,特別の顧客に対してのみ当該印章を用いて領収書を発行していたなど特段の事情の認められない本件においては,これを開示することにより正当な利益が損なわれるものとはいえないから,一審被告の上記主張は理由がない。 以上のとおりであるから,一審被告の控訴は一部理由があるから,一審被告の控訴に基づき,原判決を主文のとおり変更することとし,一審原告の控訴は理由がないからこれを棄却することとして,主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第2民事部裁判長裁判官太田幸夫裁判官森一岳裁判官石栗正子 文書目録別紙 少年事件課の少年事件課長の取扱いに係る平成12年度分の現金出納簿 少年事件課の少年事件課長の取扱いに係る平成12年度分の捜査費証拠書類のうち,激励慰労費に係る領収書を除いたその余の公文書 少年事件課の少年事件課長の取扱いに係る平成12年度分の捜査費証拠書類のうち,激励慰労費に係る領収書 少年事件課の課長代理の取扱いに係る平成12年度分の現金出納簿 少年事件課の課長代理の取扱いに係る平成12年度分の捜査費証拠書類 少年事件課の課長代理の取扱いに係る平成15年度分の現金出 書 少年事件課の課長代理の取扱いに係る平成12年度分の現金出納簿 少年事件課の課長代理の取扱いに係る平成12年度分の捜査費証拠書類 少年事件課の課長代理の取扱いに係る平成15年度分の現金出納簿 少年事件課の課長代理の取扱いに係る平成15年度分の「諸雑費のもの」に関する捜査費証拠書類 少年事件課の少年事件課長の取扱いに係る平成15年度分の現金出納簿 少年事件課の少年事件課長の取扱いに係る平成15年度分の「諸雑費以外のもの」に関する捜査費証拠書類(ただし,平成16年3月分) 少年事件課の課長代理の取扱いに係る平成15年度分の「諸雑費以外のもの」に関する捜査費証拠書類(ただし,平成15年5月分)のうち,激励慰労費に係る領収書を除いたその余の公文書 少年事件課の課長代理の取扱いに係る平成15年度分の「諸雑費以外のもの」に関する捜査費証拠書類(ただし,平成15年5月分)のうち,激励慰労費に係る領収書 少年事件課の少年事件課長の取扱いに係る平成15年度分の「諸雑費以外のもの」に関する捜査費証拠書類(ただし,平成15年4月分から同16年2月分まで) 少年事件課の課長代理の取扱いに係る平成15年度分の「諸雑費以外のもの」に関する捜査費証拠書類(ただし,平成15年4月分及び同年6月分から同16 年3月分まで) 開示目録別紙 非管理職職員の印影2(1)返納決議書のうち非管理職職員の印影(2)捜査費総括表の全部(3)課経理精算書の全部(4)別紙文書目録記載2の公文書を構成する個々の書類が何通あるかという構成3(1)株式会社P2の平成12年12月13日付け領収証の作成名義人名下の印影(2)株式会社P2の同13年2月8日付け領収証の作成名義人名下の印影4(1)非管理職職員の印影 かという構成3(1)株式会社P2の平成12年12月13日付け領収証の作成名義人名下の印影(2)株式会社P2の同13年2月8日付け領収証の作成名義人名下の印影4(1)非管理職職員の印影(2)ア捜査費の受入れに係る「月日」欄「摘要」欄「受」欄「払」欄及び,,,「残」欄にそれぞれ記載された月日,事項及び金額イ追加捜査費の受入れに係る「月日」欄「摘要」欄「受」欄「払」欄及,,,び「残」欄のうち「月日」欄「摘要」欄及び「受」欄にそれぞれ記載さ,,れた月日,事項及び金額ウ各月末における捜査費の残高を示すものとして「残」欄に記載された金額エ各月ごとの捜査費の支払額の合計額を示すものとして「摘要」欄に「月分計」と記載された行に係る「月日」欄「摘要」欄「受」欄「払」欄及び,,,「残」欄にそれぞれ記載された月日,事項及び金額オ平成12年度の初日である平成12年4月1日から各月の月末までの捜査費の支払額の累計額を示すものとして「摘要」欄に「累計」と記載された行に係る「月日」欄「摘要」欄「受」欄「払」欄及び「残」欄にそれぞれ,,,記載された月日,事項及び金額「」「」,「」,「」,「」「」カ前葉繰越に係る月日欄摘要欄受欄払欄及び残 欄にそれぞれ記載された月日,事項及び金額(ただし,月の途中で次葉に繰「」「」。)り越す箇所における払欄及び残欄にそれぞれ記載された金額を除く「」「」,「」,「」,「」「」キ次葉繰越に係る月日欄摘要欄受欄払欄及び残欄にそれぞれ記載された月日,事項及び金額(ただし,月の途中で次葉に繰「」「」。)り越す箇所における払欄及び残欄にそれぞれ記載された金額を除くク平成12年度 欄受欄払欄及び残欄にそれぞれ記載された月日,事項及び金額(ただし,月の途中で次葉に繰「」「」。)り越す箇所における払欄及び残欄にそれぞれ記載された金額を除くク平成12年度末である平成13年3月31日における捜査費の残高を示すものとして「残」欄に記載された金額ケ別紙文書目録記載4の公文書から,①前記ア,ウからオまで及びク,②追「」,「」,「」,「」「」加捜査費の受入れに係る月日欄摘要欄受欄払欄及び残欄にそれぞれ記載された月日,事項及び金額,③捜査費の支払又は返納等に係る「月日」欄「摘要「受」欄「払」欄及び「残」欄にそれぞれ記載,」,,,,「」「」,「」,された月日事項及び金額④前葉繰越に係る月日欄摘要欄「」,「」「」,,受欄払欄及び残欄にそれぞれ記載された月日事項及び金額並びに⑤「次葉繰越」に係る「月日」欄「摘要」欄「受」欄「払」欄及,,,び「残」欄にそれぞれ記載された月日,事項及び金額を除いたその余の部分(3)管理職職員の印影5(1)表紙の全部(2)捜査費総括表の全部(3)別紙文書目録記載5の公文書を構成する個々の書類が何通あるかという構成6(1)非管理職職員の印影(2)ア捜査費の受入れに係る「月日」欄「摘要」欄「受」欄「払」欄及び,,,「残」欄にそれぞれ記載された月日,事項及び金額イ追加捜査費の受入れに係る「月日」欄「摘要」欄「受」欄「払」欄及,,,び「残」欄のうち「月日」欄「摘要」欄及び「受」欄にそれぞれ記載さ,,れた月日,事項及び金額 ウ各月末における捜査費の残高を示すものとして「残」欄に記載された金額エ各月ごとの捜査費の支払額の合計額を示すも 日」欄「摘要」欄及び「受」欄にそれぞれ記載さ,,れた月日,事項及び金額 ウ各月末における捜査費の残高を示すものとして「残」欄に記載された金額エ各月ごとの捜査費の支払額の合計額を示すものとして「摘要」欄に「月分計」と記載された行に係る「月日」欄「摘要」欄「受」欄「払」欄及び,,,「残」欄にそれぞれ記載された月日,事項及び金額オ平成15年度の初日である平成15年4月1日から各月の月末までの捜査費の支払額の累計額を示すものとして「摘要」欄に「累計」と記載された行に係る「月日」欄「摘要」欄「受」欄「払」欄及び「残」欄にそれぞれ,,,記載された月日,事項及び金額「」「」,「」,「」,「」「」カ前葉繰越に係る月日欄摘要欄受欄払欄及び残欄にそれぞれ記載された月日,事項及び金額(ただし,月の途中で次葉に繰「」「」。)り越す箇所における払欄及び残欄にそれぞれ記載された金額を除く「」「」,「」,「」,「」「」キ次葉繰越に係る月日欄摘要欄受欄払欄及び残欄にそれぞれ記載された月日,事項及び金額(ただし,月の途中で次葉に繰「」「」。)り越す箇所における払欄及び残欄にそれぞれ記載された金額を除くク平成15年度末である平成16年3月31日における捜査費の残高を示すものとして「残」欄に記載された金額ケ別紙文書目録記載6の公文書から,①前記ア,ウからオまで及びク,②追「」,「」,「」,「」「」加捜査費の受入れに係る月日欄摘要欄受欄払欄及び残欄にそれぞれ記載された月日,事項及び金額,③捜査費の支払又は返納等に係る「月日」欄「摘要「受」欄「払」欄及び「残」欄にそれぞれ記載,」,,, 月日欄摘要欄受欄払欄及び残欄にそれぞれ記載された月日,事項及び金額,③捜査費の支払又は返納等に係る「月日」欄「摘要「受」欄「払」欄及び「残」欄にそれぞれ記載,」,,,,「」「」,「」,された月日事項及び金額④前葉繰越に係る月日欄摘要欄「」,「」「」,,受欄払欄及び残欄にそれぞれ記載された月日事項及び金額並びに⑤「次葉繰越」に係る「月日」欄「摘要」欄「受」欄「払」欄及,,,び「残」欄にそれぞれ記載された月日,事項及び金額を除いたその余の部分(3)管理職職員の印影7(1)表紙の全部 (2)捜査費総括表の全部あるかという構(3)別紙文書目録記載7の公文書を構成する個々の書類が何通成8(1)非管理職職員の氏名(2)非管理職職員の印影9(1)返納決議書のうち非管理職職員の印影(2)捜査費総括表の全部(3)中間取扱者経理精算書の全部(4)別紙文書目録記載9の公文書を構成する個々の書類が何通あるかという構成10(1)表紙の全部(2)捜査費総括表の全部(3)別紙文書目録記載10の公文書を構成する個々の書類が何通あるかという構成 株式会社P3の領収証の作成名義人名下の印影12(1)捜査費総括表の全部(2)中間取扱者経理精算書の全部(3)別紙文書目録記載12の公文書を構成する個々の書類が何通あるかという構成13(1)表紙の全部(2)捜査費総括表の全部(3)別紙文書目録記載13の公文書を構成する個々の書類が何通あるかという構成(注記上記のうちゴシック体部分以外は,当審において,開示とする原審の判断を変更したものである)。 書類が何通あるかという構成(注記上記のうちゴシック体部分以外は,当審において,開示とする原審の判断を変更したものである)。
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