平成15年(ワ)第13639号商標権侵害行為差止等請求事件口頭弁論終結日平成17年4月19日判決原告愛眼株式会社訴訟代理人弁護士網本浩幸同井上圭吾同待場豊同安部将規同船戸貴美子同土田泰弘訴訟代理人弁理士東尾正博同鳥居和久同田川孝由同北川政徳被告有限会社広安被告有限会社光正被告株式会社天神愛眼被告有限会社メガネの愛眼被告ら訴訟代理人弁護士玉生靖人同秋山洋同見宮大介 主文 1 被告有限会社光正は、別紙被告店舗目録記載1の店舗の看板に別紙被告標章目録記載3の標章を付して展示し、又は別紙被告店舗目録記載1の店舗のちらしに別紙被告標章目録記載1又は3の標章を付して頒布してはならない。 2 被告有限会社光正は、別紙被告店舗目録記載1の店舗の看板から別紙被告標章目録記載3の標章を抹消せよ。 3 被告有 1の店舗のちらしに別紙被告標章目録記載1又は3の標章を付して頒布してはならない。 2 被告有限会社光正は、別紙被告店舗目録記載1の店舗の看板から別紙被告標章目録記載3の標章を抹消せよ。 3 被告有限会社光正は、別紙被告標章目録記載1又は3の標章を付した別紙被告店舗目録記載1の店舗のちらしを廃棄せよ。 4 被告有限会社光正は、原告に対し、108万2480円を支払え。 5 原告のその余の請求をいずれも棄却する。 6 訴訟費用は、原告及び被告有限会社光正に生じた費用の各8分の1を被告有限会社光正の負担とし、原告及び被告有限会社光正に生じたその余の費用、被告有限会社広安、被告株式会社天神愛眼、被告有限会社メガネの愛眼に生じた費用をいずれも原告の負担とする。 7 この判決は、第1ないし第4項に限り、仮に執行することができる。 事実 第1 当事者の求めた裁判 1 請求の趣旨(1) 被告らは、別紙被告店舗目録記載1、2の店舗の壁面、看板に別紙被告標章目録記載1ないし3の標章を付して展示し、又は別紙被告店舗目録記載1、2の店舗のちらしに別紙被告標章目録記載1ないし3の標章を付して頒布してはならない。 (2) 被告らは、別紙被告店舗目録記載1、2の店舗の壁面、看板から、別紙被告標章目録記載1ないし3の標章を抹消せよ。 (3) 被告らは、別紙被告標章目録記載1ないし3の標章を付した別紙被告店舗目録記載1、2の店舗のちらしを廃棄せよ。 (4) 被告らは、原告に対し、各自1000万円を支払え。 (5) 訴訟費用は被告らの負担とする。 (6) 仮執行宣言 2 請求の趣旨に対する答弁(1) 原告の請求をいずれも棄却する。 (2) 訴訟費用は 円を支払え。 (5) 訴訟費用は被告らの負担とする。 (6) 仮執行宣言 2 請求の趣旨に対する答弁(1) 原告の請求をいずれも棄却する。 (2) 訴訟費用は原告の負担とする。 第2 当事者の主張 1 請求原因(1) 当事者ア原告原告は、眼鏡等の販売を行う会社である。 イ被告ら被告らは、眼鏡等の販売を行う会社である。 (2) 商標権原告は、別紙原告商標目録記載1ないし3の商標権を有している(以下、別紙原告商標目録記載1の商標権を「原告商標権1」、その登録商標を「原告登録商標1」といい、同目録記載2の商標権を「原告商標権2」、その登録商標を「原告登録商標2」といい、同目録記載3の商標権を「原告商標権3」、その登録商標を「原告登録商標3」という。)。 (3) 商品等表示原告は、その店舗において、眼鏡の販売に原告登録商標1ないし3を使用し、また、テレビ、ちらしによる広告においても原告登録商標1ないし3を使用しており、原告登録商標1ないし3は、いずれも原告の商品等表示である。 (4) 周知、著名性ア原告の概要(ア) 設立日、資本金原告は、昭和36年1月11日に設立され、現在の資本金は54億7803万4895円である。 (イ) 沿革原告は、昭和36年5月、眼鏡の卸売店と併設された小売店を開設し、昭和39年4月、ダイエー庄内店ショッピングセンター内に眼鏡小売専門店を開設し、以後、眼鏡小売専門店を展開してきた。昭和45年10月、北海道にメガネの愛眼フランチャイズチェーン店を初めて開 開設し、昭和39年4月、ダイエー庄内店ショッピングセンター内に眼鏡小売専門店を開設し、以後、眼鏡小売専門店を展開してきた。昭和45年10月、北海道にメガネの愛眼フランチャイズチェーン店を初めて開設し、同年11月、関東地区に初めて眼鏡小売店を開設した。平成元年11月、大阪証券取引所市場第2部に上場し、平成9年6月、関東地区の大型店として横浜本店を開設し、平成12年10月、東京証券取引所市場第2部に上場し、平成13年3月、東京証券取引所及び大阪証券取引所の市場第1部に上場した。 (ウ) 売上原告の平成15年3月期決算の売上は249億6600万円であり、うち関東地方の売上は67億1800万円、うち東京都内の売上は16億6500万円であった。 眼鏡専門店のうちで、平成13年の売上は第2位であった。 (エ) 店舗数原告の平成15年3月現在の店舗数は、全国で283店、うち関東地方は75店、うち東京都内は19店である。 (オ) 従業員数原告の平成15年3月現在の従業員数は1061名であり、ほかにパートタイマーなどが約400名いる。 イ関東地区における広告(ア) テレビ、ラジオ原告は、テレビ朝日、テレビ神奈川、日本テレビ、スカイビジョン、TBSテレビ、テレビ東京を通じてテレビによる広告を行い、ラジオ日本、ニッポン放送、TBSラジオを通じてラジオによる広告を行っている。 テレビ、ラジオによる広告に要した経費は、各年度について、次のとおりである。 平成11年度 9500万円平成12年 る。 テレビ、ラジオによる広告に要した経費は、各年度について、次のとおりである。 平成11年度 9500万円平成12年度 1億3100万円平成13年度 1億0500万円平成14年度 1億1400万円(イ) ちらし原告のちらしによる広告に要した経費は、各年度について、次のとおりである。 平成11年度 4億0700万円平成12年度 4億3500万円平成13年度 4億5000万円平成14年度 3億8900万円ウアンケート本件訴訟とは関係なく、株式会社アイアンドエス・ビービーディーオー(I&S/BBDOINC)が平成14年12月に関東地区在住の20才ないし50才代の男女の度付き眼鏡の使用者を対象に行ったインターネットによるアンケート調査(有効回答者数400名)によると、9割以上の者が、「メガネの愛眼」の名称を認知しているという結果が出た。 エ周知、著名性上記アないしウの事実によれば、原告登録商標1ないし3は、遅くとも平成15年9月末までには、著名な商品等表示となっており、そうでなくとも、全国又は少なくとも東京都内を含む関東地方において、需要者に周知の商品等表示となっていた。 (5) 被告標章の使用ア被告らは、別紙被告店舗目録記載1、2の店舗(以下、別紙被告店舗目録記載1の店舗を「被告店舗1」といい、同目録記載2の店舗を「被告店舗2」という。)において、眼鏡の販売を行っている ア被告らは、別紙被告店舗目録記載1、2の店舗(以下、別紙被告店舗目録記載1の店舗を「被告店舗1」といい、同目録記載2の店舗を「被告店舗2」という。)において、眼鏡の販売を行っている。被告らは、被告店舗1においては、平成15年10月4日から、被告店舗2においては、同年11月19日から、各店舗の壁面、看板に別紙被告標章目録記載1ないし3の標章(以下、別紙被告標章目録記載1の標章を「被告標章1」、同目録記載2の標章を「被告標章2」、同目録記載3の標章を「被告標章3」という。)を付して展示し、また、各店舗のちらしに被告標章1ないし3を付して頒布している。 イ(ア) 被告らは、被告有限会社光正(以下「被告光正」という。)による被告標章1ないし3の使用が、被告株式会社天神愛眼(以下「被告天神愛眼」という。)から許諾された別紙被告商標目録記載1、2の商標権(以下、別紙被告商標目録記載1の商標権を「被告商標権1」、その登録商標を「被告登録商標1」といい、同目録記載2の商標権を「被告商標権2」、その登録商標を「被告登録商標2」という。)の通常使用権の行使である旨主張するから(抗弁)、被告標章1ないし3の使用は、少なくとも被告光正と被告天神愛眼の共同使用である。 (イ)a 被告有限会社広安(以下「被告広安」という。)、被告有限会社メガネの愛眼は、被告光正と同様に被告天神愛眼が主宰する天神愛眼グループの一員である。 b(a) P1は、被告天神愛眼の代表取締役、被告有限会社メガネの愛眼の取締役(平成12年1月まで代表取締役)であり、(b) P2は、被告有限会社メガネの愛眼の代表取締役であるほか、被告天神愛眼の取締役(平成15年12月まで代表取締役)でもあり、 月まで代表取締役)であり、(b) P2は、被告有限会社メガネの愛眼の代表取締役であるほか、被告天神愛眼の取締役(平成15年12月まで代表取締役)でもあり、(c) P3は、被告広安の代表者取締役であるほか、被告有限会社メガネの愛眼の取締役、被告天神愛眼の取締役(平成16年11月まで代表取締役)であり、(d) P4は、被告光正の代表者取締役であるほか、被告天神愛眼の取締役でもあり、被告有限会社メガネの愛眼の取締役でもあるところ、(e) P1とP2は夫婦であり、P3及びP4は実兄弟であって、上記夫婦の実子である。 c 被告光正の本店所在地及び同代表者の住所、被告広安の本店所在地、並びに被告広安の代表者であるP3の住所は、すべて同一であり、かつ、同所は、被告天神愛眼の支店所在地であり、かつ有限会社メガネの愛眼の支店所在地である。 d 被告店舗1、2の所在地は、被告天神愛眼の支店所在地であり、被告店舗1の所在地は、被告有限会社メガネの愛眼の支店所在地でもある。 e 被告店舗1の敷地、建物の所有者は被告広安である。 f 被告らが天神愛眼グループと称して設置するホームページには、被告店舗1、2が掲載されている。 g 被告らは、新聞広告に、「おかげさまでこの秋、東京に店をオープンさせていただくことになりました。」、「東京の新宿と中野に店をオープンさせていただくことになりました。」などと記載している。 h 被告店舗1、2において販売する眼鏡等は、経理処理上は被告天神愛眼からの仕入れの形式を採っているが、販売は、天神愛眼グループが共同で行っている ました。」などと記載している。 h 被告店舗1、2において販売する眼鏡等は、経理処理上は被告天神愛眼からの仕入れの形式を採っているが、販売は、天神愛眼グループが共同で行っていると考えられる。 i 被告広安及び被告有限会社メガネの愛眼は、被告光正と同様に天神愛眼グループの主要な構成員であり、九州地方で被告標章1ないし3を共同して使用しているから、仮に現在、東京で被告標章1ないし3を使用していないとしても、今後、被告光正と同様に被告天神愛眼の許諾を得て被告商標権1、2の通常使用権の行使として被告標章1ないし3を使用するおそれが大きい。 j 上記aないしiの事情からすると、被告らは、全員が共同して被告店舗1、2において被告標章1ないし3を使用しており、又は今後使用するおそれが大きいといえる。 (6) 原告登録商標と被告標章の類否ア原告登録商標1ないし3と被告標章1の類否(ア) 原告登録商標1と被告標章1の類否原告登録商標1は、「メガネの愛眼」という文字を縦書きにしたものであり、被告標章1は、「愛眼」の文字を大きく横書きにし、その左横に「天神」の文字を小さく縦書きにしたものである。 原告登録商標1の要部、すなわち自他識別機能を有する部分は、「愛眼」という部分である。「愛眼」という語は、本来は、「あいげん」と称呼され、仏の慈悲の目という意味を有する仏教用語であるが、そのことは一般に知られておらず、原告の商号及び原告の主宰するメガネの愛眼チェーンの略称として、「あいがん」と称呼されることが一般に認識されている。 これに対し、被告標章1の要部は、文字の大きさから、「愛眼」という部分であ 告の主宰するメガネの愛眼チェーンの略称として、「あいがん」と称呼されることが一般に認識されている。 これに対し、被告標章1の要部は、文字の大きさから、「愛眼」という部分である。 したがって、原告登録商標1と被告標章1は、要部について外観、称呼、観念が共通し、類似する。 (イ) 原告登録商標2と被告標章1の類否原告登録商標2は、「AIGAN」という文字を太ゴシック体で横書きにしたものである。 原告登録商標2と被告標章1の要部は、称呼、観念が共通するから、原告登録商標2と被告標章1は類似する。 (ウ) 原告登録商標3と被告標章1の類否原告登録商標3は、「愛眼」の文字を縦書きにしたものである。 原告登録商標3と被告標章1の要部は、外観、称呼、観念が共通するから、原告登録商標3と被告標章1は類似する。 イ原告登録商標1ないし3と被告標章2の類否(ア) 原告登録商標1と被告標章2の類否被告標章2は、「天神愛眼」という文字を同じ大きさの文字により横書きにしたものである。 被告標章2のうちの「天神」という語は、「天の神、菅原道真の神号」という意味と、被告天神愛眼及び被告有限会社メガネの愛眼の本店所在地である福岡市の天神地区という意味を有する。「愛眼」という語は、原告の商号及び原告の主宰するメガネの愛眼チェーンの略称として周知又は著名であるから、被告標章2において、「天神」の部分は、福岡市の天神地区を意味するものと観念され、自他識別機能はなく、「愛眼」の部分が要部であると解される。 し として周知又は著名であるから、被告標章2において、「天神」の部分は、福岡市の天神地区を意味するものと観念され、自他識別機能はなく、「愛眼」の部分が要部であると解される。 したがって、原告登録商標1と被告標章2は、要部について外観、称呼、観念が共通し、類似する。 (イ) 原告登録商標2と被告標章2の類否原告登録商標2と被告標章2の要部は、称呼、観念が共通するから、原告登録商標2と被告標章2は類似する。 (ウ) 原告登録商標3と被告標章2の類否原告登録商標3と被告標章2の要部は、外観、称呼、観念が共通するから、原告登録商標3と被告標章2は類似する。 ウ原告登録商標1ないし3と被告標章3の類否(ア) 原告登録商標1と被告標章3の類否被告標章3は、「愛眼ビル」の文字を大きく横書きにし、その左横に「天神」の文字を小さく縦書きにしたものである。 被告標章3のうち、「天神」の部分は、文字が小さいから、要部とはなり得ず、「ビル」の部分は、ビルに入居する眼鏡小売店の看板等に記載されるときは、自他識別機能を有しない付加的部分であるから、要部とはなり得ず、「愛眼」という部分が要部である。 したがって、原告登録商標1と被告標章3は、要部について外観、称呼、観念が共通し、類似する。 (イ) 原告登録商標2と被告標章3の類否原告登録商標2と被告標章3の要部は、称呼、観念が共通するから、原告登録商標2と被告標章3は類似する。 (ウ) 原告登録商標3と被告標章3の類否原告登録商標3と被告標章 標2と被告標章3の要部は、称呼、観念が共通するから、原告登録商標2と被告標章3は類似する。 (ウ) 原告登録商標3と被告標章3の類否原告登録商標3と被告標章3の要部は、外観、称呼、観念が共通するから、原告登録商標3と被告標章3は類似する。 (7) 混同前記(6)記載のとおり、被告標章1ないし3は、それぞれ、原告登録商標1ないし3と類似する。また、前記(3)記載のとおり、原告は原告登録商標1ないし3を眼鏡の販売に使用しているが、前記(5)記載のとおり、被告らも、被告標章1ないし3を眼鏡の販売に使用している。したがって、被告らは、被告標章1ないし3を使用することにより、需要者をして、原告と被告らの間に、親会社、子会社の関係や系列関係などの緊密な営業上の関係、又は同一の表示を使用して商品化事業を営むグループに属する関係が存在すると誤信させ、いわゆる広義の混同を生じさせている。 (8) 商標権侵害前記(5)記載のとおり被告店舗1、2の壁面、看板に被告標章1ないし3を付して展示すること、被告店舗1、2のちらしに被告標章1ないし3を付して頒布することは、いずれも原告商標権1ないし3の指定商品である眼鏡に関する広告に標章を付して展示することに該当し、前記(6)記載のとおり、被告標章1ないし3は、それぞれ、原告登録商標1ないし3と類似するから、前記(5)記載のとおり被告店舗1、2の壁面、看板に被告標章1ないし3を付して展示し、被告店舗1、2のちらしに被告標章1ないし3を付して頒布することは、商標法2条3項8号、37条1号により、原告商標権1ないし3を侵害するものとみなされる。 (9) 不正競争前記(5)記載のとおり被告店舗1、2の壁面、看板 して頒布することは、商標法2条3項8号、37条1号により、原告商標権1ないし3を侵害するものとみなされる。 (9) 不正競争前記(5)記載のとおり被告店舗1、2の壁面、看板に被告標章1ないし3を付して展示し、被告店舗1、2のちらしに被告標章1ないし3を付して頒布することは、不正競争防止法2条1項1号又は2号の不正競争に該当する。 (10) 営業上の利益の侵害被告らによる不正競争により、原告は営業上の利益を侵害された。 (11) 故意過失被告らには、商標権侵害、不正競争を行うにつき故意又は過失があった。 (12) 共同不法行為被告らは、共同して前記(5)記載のとおり被告標章1ないし3を使用し、商標権侵害の不法行為又は不正競争を行ったものであるから、被告らの不法行為又は不正競争は、共同不法行為を構成する。 (13) 損害ア被告らの得た利益(商標法38条2項、不正競争防止法5条2項による推定)原告は、平成15年10月18日以降の不法行為に基づく損害賠償を請求するものである。上記損害額を算定するために、被告らが、被告店舗1において平成15年11月1日から平成16年11月30日までに得た利益を計算すると、1340万4932円である。したがって、原告が、平成15年10月18日以降受けた損害の額は、同額を下るものではない。 イ使用料相当額(商標法38条3項、不正競争防止法5条3項1号による請求)また、上記損害額を算定するために、被告らによる被告店舗1における平成15年11月1日から平成16年11月30日までの原告登録商標1ないし3の使用料相当額を計算すると、被告らのメガネの売上額 また、上記損害額を算定するために、被告らによる被告店舗1における平成15年11月1日から平成16年11月30日までの原告登録商標1ないし3の使用料相当額を計算すると、被告らのメガネの売上額は2006万9592円であり、その使用料は売上額の7%を下らないから、使用料相当額は140万4871円となる。したがって、原告が、平成15年10月18日以降受けた損害の額として請求できる金額は、同額を下るものではない。 ウ弁護士費用原告は、本件訴訟の追行を弁護士に委任せざるを得なかったものであり、被告らによる商標権侵害の不法行為又は不正競争と相当因果関係にある損害としての弁護士費用は200万円を下らない。 (14) 結論よって、原告は、被告らに対し、次のとおり請求する。 ア商標法2条3項8号、37条1号、36条1項、又は不正競争防止法2条1項1号若しくは2号、3条1項に基づき、被告店舗1、2の壁面、看板に被告標章1ないし3を付して展示すること、及び被告店舗1、2のちらしに被告標章1ないし3を付して頒布することの差止めを求める。 イ商標法2条3項8号、37条1号、36条2項、又は不正競争防止法2条1項1号若しくは2号、3条2項に基づき、被告店舗1、2の壁面、看板から被告標章1ないし3を抹消すること、及び被告標章1ないし3を付した被告店舗目録1、2のちらしを廃棄することを求める。 ウ商標法2条3項8号、37条1号、38条2項若しくは3項、又は不正競争防止法2条1項1号若しくは2号、4条、5条2項若しくは3項1号、民法719条1項に基づき、商標権侵害又は不正競争によって営業上の利益を害されたことによる損害賠償として1340万4932円の内金800万円(前 1項1号若しくは2号、4条、5条2項若しくは3項1号、民法719条1項に基づき、商標権侵害又は不正競争によって営業上の利益を害されたことによる損害賠償として1340万4932円の内金800万円(前記(13)ア(被告らの得た利益)と同イ(使用料相当額)のうち多額と認定される額)、及び弁護士費用200万円の合計1000万円の支払を求める。 2 請求原因に対する認否(1)ア請求原因(1)(当事者)ア(原告)記載の事実は認める。 イ請求原因(1)イ(被告ら)記載の事実のうち、被告光正、被告天神愛眼、被告有限会社メガネの愛眼が眼鏡等の販売を行う会社であることは認め、その余は否認する。 被告広安は、不動産の賃貸、管理及び保有等を業とする会社であり、眼鏡等の販売は行っていない。また、被告店舗1、2において眼鏡の販売を行っているのは被告光正のみである。 (2) 請求原因(2)(商標権)は認める。 (3) 請求原因(3)(商品等表示)のうち、原告登録商標1ないし3が原告の営業表示であることは認め、原告がその店舗において眼鏡の販売に原告登録商標1ないし3を使用し、また、テレビ、ちらしによる広告において原告登録商標1ないし3を使用していることは不知であり、原告登録商標1ないし3が原告の商品表示であることは否認する。 原告の販売する眼鏡等の商品に「メガネの愛眼」や「愛眼」といったブランド名が付された商品はなく、原告登録商標1ないし3は商品表示ではない。 (4)ア請求原因(4)(周知、著名性)ア(原告会社の概要)(ア)ないし(オ)の事実は不知。 イ請求原因(4)イ(関東地区における広告)(ア)、(イ)の事実は不知。 ウ請求原因(4)ウ(アンケート)の事実 名性)ア(原告会社の概要)(ア)ないし(オ)の事実は不知。 イ請求原因(4)イ(関東地区における広告)(ア)、(イ)の事実は不知。 ウ請求原因(4)ウ(アンケート)の事実は不知。 エ請求原因(4)エ(周知、著名性)は争う。 原告登録商標1、2の出願日(昭和43年7月9日)及び原告登録商標3の出願日(昭和55年12月16日)のはるか前に、K1が、昭和34年12月10日、「愛眼」及び「アイガン」の文字で構成される商標を出願し、商標登録(第619883号)を受けており、その後も「愛眼」という語を含む「愛眼茶」、「愛眼飲料」等の商標が次々と出願、登録されている。「K9」、「愛眼薬局」等名称に「愛眼」という語を使用した眼鏡店、医療機関も多数存在する。また、「愛眼」という語は、「愛眼の日」、「愛眼用品」等一般的な用語として用いられている。これらの事実から明らかなとおり、「愛眼」という語は、決して原告のみを指し示すものではなく、原告の営業表示として著名性を獲得していない。 さらに、K1は、目薬を含む「薬剤」を指定商品として、上記商標登録第619883号の商標とは別に、平成15年5月2日、「愛眼」という商標を出願し、商標登録(第4740513号)を受けた。仮に「愛眼」という語が原告の略称として著名であったならば、「目薬」と「眼鏡」との近接的な関係に鑑み、K1の商標登録第4740513号の商標は、原告の業務と出所の混同を生じるから、商標法4条1項15号に該当するものとして、その登録は当然拒絶されたはずであり、このことは、特許庁においても「愛眼」という語が著名性のある語として扱われていないことを裏付けている。 (5)ア請求原因(5)(被告標章の使用)アの事実のうち、被告光 拒絶されたはずであり、このことは、特許庁においても「愛眼」という語が著名性のある語として扱われていないことを裏付けている。 (5)ア請求原因(5)(被告標章の使用)アの事実のうち、被告光正が被告店舗1、2において眼鏡の販売を行っていること、被告光正が、被告店舗1において平成15年10月4日から、看板に被告標章2、3を付して展示し、ちらしに被告標章1、2を付して頒布していること、被告店舗2において同年11月19日から、看板に被告標章2を付して展示していることは認め、その余は否認する。 被告店舗1、2において眼鏡を販売しているのは被告光正のみであり、その余の被告らは、被告店舗1、2において被告標章1ないし3を使用していない。 イ(ア) 請求原因(5)イ(ア)は争う。 被告光正による被告標章1ないし3の使用が、被告天神愛眼から許諾された被告商標権1、2の通常使用権の行使であるとしても、そのことによって、被告標章1ないし3の使用が直ちに被告光正と被告天神愛眼の共同使用であることにはならない。 (イ)a 請求原因(5)イ(イ)aないしgの事実は認める。 b 請求原因(5)イ(イ)hは争う。 c 請求原因(5)イ(イ)iのうち、被告広安及び被告有限会社メガネの愛眼が天神愛眼グループの構成員であることは認め、その余は争う。 d 請求原因(5)イ(イ)jは争う。 請求原因(5)イ(イ)aないしiの事情だけでは、各被告の独立性が否定されることはないし、被告らが共同して被告標章1ないし3を使用しており、又は今後使用するおそれが大きいとはいえない。 (6)ア(ア) 請求原因(6)ア(ア)(原告 けでは、各被告の独立性が否定されることはないし、被告らが共同して被告標章1ないし3を使用しており、又は今後使用するおそれが大きいとはいえない。 (6)ア(ア) 請求原因(6)ア(ア)(原告登録商標1と被告標章1の類否)は争う。 a 「愛眼」という語は、一般人にとって、「あいがん」という称呼を生じ、眼を愛す、眼をいたわる、眼に優しいなどの観念を想起させ、その自他識別機能は弱く、「愛茶」、「愛書」、「愛農」、「愛車」、「愛毛」のような語と同じレベルである。「愛眼」との語は、その語自体の創造性が乏しく(造語ではない)、「眼」に携わる商品を販売し、サービスを提供する者なら、又は一般人であっても、「愛毛」のように、「愛」の語を「眼」の語に冠することによって、「眼を愛す」、「眼をいたわる」、「眼に優しい」といった観念を持たせたり、その語を使用することによって、商品あるいはサービスに良好なイメージを付与するのは容易に考えつくことであって、「眼」との関係では、誰でも「愛眼」との語を自由に使用できる状況にあり、また、そういう状況になさしめなければならない。「愛眼」という語を含む「愛眼茶」、「愛眼飲料」等の商標が次々と商標登録されていることも、「愛眼」が一般人において「あいがん」と称呼され、かつ、「愛眼」という語が原告のみを指し示すものでないことを裏付けている。そして、「メガネ」という語は普通名称であるが、「愛眼」と組み合わせ、「メガネの愛眼」と一体的に表示することにより、初めて自他識別機能を備える。さらに、原告自身、ラジオ、テレビその他各種宣伝広告及び施設、営業活動の表示等あらゆる場面において、「愛眼」という語を単独で使用することなく、「メガネの愛眼」(横書き)という標章を一連一体のものとして使用し続けており、需要者に対し、 の他各種宣伝広告及び施設、営業活動の表示等あらゆる場面において、「愛眼」という語を単独で使用することなく、「メガネの愛眼」(横書き)という標章を一連一体のものとして使用し続けており、需要者に対し、原告を「愛眼」ではなく「メガネの愛眼」として印象付けし、認知を得ようとしているが、このこと自体、「メガネの愛眼」という一連一体の語としてはじめて識別機能を奏することを図らずも示している。したがって、原告登録商標1は、その全体が要部である。 被告標章1のうち「天神」という部分は、神の一つである「天神さま」に起源を発し、「天の神」、「あまつかみ」、「天界に住して仏法を守護する神」を意味し、「天神」と「愛眼」からなる被告標章1は、一体の造語として認識され、その全体が要部である。 また、「天神愛眼」という標章の全体の称呼である「テンジンアイガン」は、今日、複数の語を組み合わせて成る商標が採択、使用されている状況下においては、格別冗長なものではなく、よどみなく一連に称呼できるものであるから、この点からも、原告標章と被告標章の称呼のそれぞれの一体性は裏付けられる。 したがって、同じく一連一体の語である「天神愛眼」及び「メガネの愛眼」という標章からは、標章全体としてのみの称呼、観念を生じ、需要者にとっては、全体として、被告ら天神愛眼グループ又は原告「メガネの愛眼」を意味するものとしてとらえられ、ともに「愛眼」の部分からの出所の識別表示としての称呼、観念は生じない。 以上のとおり、原告登録商標1の全体と被告標章1の全体は、外観、観念、称呼が異なるから、原告登録商標1と被告標章1は類似しない。 b また、外観、観念、称呼といった事項は 以上のとおり、原告登録商標1の全体と被告標章1の全体は、外観、観念、称呼が異なるから、原告登録商標1と被告標章1は類似しない。 b また、外観、観念、称呼といった事項は、類否の一応の基準にすぎず、あくまで取引の実情からみて誤認混同するおそれがあるか否かが究極の判断基準であるところ、眼鏡購入客としては、眼鏡販売店の営業表示だけではなく、商品の品揃え、店舗の立地、店舗の内外装から生じるイメージ、店舗の営業スタイル、販売価格等により、利用する眼鏡店を選択するという実情にある。本件では、①原告、被告らともに、「愛眼」を含む語を付した商品を扱っていないから、一般消費者が商品表示から原告と被告らとを誤認混同して商品を購入することはあり得ないこと、②被告店舗1、2は、店舗の内外装や営業スタイルにおいて原告店舗を模倣していないこと、③被告店舗1、2においては、ブランド商品の品揃えのあり方が消費者に重視されていること、④被告店舗1の内外装は、原告の店舗が白を基調としているのとは異なり、黄色を基調としており、被告店舗2は、高級感を前面に押し出して「Garbo」という店舗名で完全会員予約制を採っていること等の取引の実情からして、一般消費者は、両者を確実に区別している状況にあり、やはり原告登録商標1と被告標章1とは類似しない。 (イ)a 請求原因(6)ア(イ)(原告登録商標2と被告標章1の類否)は争う。 b 原告登録商標2と被告標章1の全体は、外観、称呼、観念が異なるから、原告登録商標2と被告標章1は類似しない。 c また、取引の実情からして、一般消費者は、両者を確実に区別している状況にあり、やはり両者は類似しない。 (ウ) 請求原因(6)ア(ウ)(原告登録商標3 しない。 c また、取引の実情からして、一般消費者は、両者を確実に区別している状況にあり、やはり両者は類似しない。 (ウ) 請求原因(6)ア(ウ)(原告登録商標3と被告標章1の類否)は争う。 原告登録商標3と被告標章1の全体は、外観、称呼、観念が異なるから、原告登録商標3と被告標章1は類似しない。 また、取引の実情からして、一般消費者は、両者を確実に区別している状況にあり、やはり両者は類似しない。 イ(ア) 請求原因(6)イ(ア)(原告登録商標1と被告標章2の類否)は争う。 原告登録商標1の全体と被告標章2の全体は、外観、称呼、観念が異なるから、原告登録商標1と被告標章2は類似しない。 また、取引の実情からして、一般消費者は、両者を確実に区別している状況にあり、やはり両者は類似しない。 (イ) 請求原因(6)イ(イ)(原告登録商標2と被告標章2の類否)は争う。 原告登録商標2と被告標章2の全体は、外観、称呼、観念が異なるから、原告登録商標2と被告標章2は類似しない。 また、取引の実情からして、一般消費者は、両者を確実に区別している状況にあり、やはり両者は類似しない。 (ウ) 請求原因(6)イ(ウ)(原告登録商標3と被告標章2の類否)は争う。 原告登録商標3と被告標章2の全体は、外観、称呼、観念が異なるから、原告登録商標3と被告標章2は類似しない。 また、取引の実情からして、一般消費者は、両者を確実に区別している状況にあり、やはり両者は類似しない。 ウ(ア)a 請求原因(6)ウ( 3と被告標章2は類似しない。 また、取引の実情からして、一般消費者は、両者を確実に区別している状況にあり、やはり両者は類似しない。 ウ(ア)a 請求原因(6)ウ(ア)(原告登録商標1と被告標章3の類否)は争う。 b 原告登録商標1の全体と被告標章3の全体は、外観、称呼、観念が異なるから、原告登録商標1と被告標章3は類似しない。 c また、取引の実情からして、一般消費者は、両者を確実に区別している状況にあり、やはり両者は類似しない。人は、ある言葉を表す称呼を聴取したときには、その称呼から何らかの観念を感得しようとするから、必然的に全体として何らかの観念が感得できる商標は、まとまりのある一体不可分性の強い商標として取り扱われる。そして、その商標が表す観念に実存性が高ければ高いほど、当該商標の一体不可分性は強まるものである。しかるに、「天神愛眼ビル」という語からなる被告標章3は、被告ら天神愛眼グループのシンボル的存在として九州地方を中心に絶大な認知度を得ている被告ら天神愛眼グループの「天神愛眼ビル」を表し、明確な実存性を有するものであって、需要者が被告標章3に接した場合、そこから「天神愛眼ビル」という建物を想起し、被告ら天神愛眼グループによる眼鏡等小売の総合ビルという観念を得るのであって、その一体不可分性は顕著である。仮に、被告標章3が被告ら天神愛眼グループの本社ビル等を意味することが理解できない需要者であっても、需要者は、被告標章3が全体として特定のビルの名称、すなわち「天神愛眼」の「ビル」を表すものと理解するのはいうまでもなく、被告標章3はまとまりのある一体不可分性のある商標として取り扱われる。 d なお、少なくとも、「天神愛眼」という標章は、前記 愛眼」の「ビル」を表すものと理解するのはいうまでもなく、被告標章3はまとまりのある一体不可分性のある商標として取り扱われる。 d なお、少なくとも、「天神愛眼」という標章は、前記ア(ア)のとおり、全体が要部であるから、それと一体として使われる「ビル」の語が普通名称であるとか、付加部分であるなどといったことは、本件においては意味をもたない。 (イ) 請求原因(6)ウ(イ)(原告登録商標2と被告標章3の類否)は争う。 原告登録商標2と被告標章3の全体は、外観、称呼、観念が異なるから、原告登録商標2と被告標章3は類似しない。 また、取引の実情からして、一般消費者は、両者を確実に区別している状況にあり、やはり両者は類似しない。少なくとも、「天神愛眼」という標章は、前記ア(ア)aのとおり、全体が要部であるから、それと一体として使われる「ビル」の語が普通名称であるとか、付加部分であるなどといったことは、本件においては意味をもたない。 (ウ) 請求原因(6)ウ(ウ)(原告登録商標3と被告標章3の類否)は争う。 原告登録商標3と被告標章3の全体は、外観、称呼、観念が異なるから、原告登録商標3と被告標章3は類似しない。 また、取引の実情からして、一般消費者は、両者を確実に区別している状況にあり、やはり両者は類似しない。少なくとも、「天神愛眼」という標章は、前記ア(ア)aのとおり、全体が要部であるから、それと一体として使われる「ビル」の語が普通名称であるとか、付加部分であるなどといったことは、本件においては意味をもたない。 (7) 請求原因(7)(混同)は争う。 被告標章1ないし3は、いずれも原告登 ビル」の語が普通名称であるとか、付加部分であるなどといったことは、本件においては意味をもたない。 (7) 請求原因(7)(混同)は争う。 被告標章1ないし3は、いずれも原告登録商標1ないし3と類似せず、需要者は被告標章1ないし3と原告登録商標1ないし3を確実に区別している。また、眼鏡の購入者は、販売店の営業表示だけでなく、店舗の立地、店舗の内外装から生じるイメージ、品揃え、販売価格等によって眼鏡店を選択する。原告の店舗に「メガネの愛眼」、「愛眼」というブランド名を付する商品があるか否かにかかわりなく、被告らの店舗には、「天神愛眼」というブランド名を付する商品はなく、それよりもデザイナーズ・ブランドの商品をどれだけ品揃えできているかが一般消費者にとって重要である。被告店舗1、2は、店舗の内外装や営業スタイルにおいて原告の店舗を模倣することはなく、被告店舗1の内外装は、原告の店舗が白を基調としているのとは異なり、黄色を基調としており、被告店舗2は高級感を全面に押し出して「Garbo」という店舗名で完全会員予約制を採っている。被告らを含む天神愛眼グループは、長年にわたり、原告とは独立した企業体として周知性を獲得している。したがって、被告店舗1、2において被告標章1ないし3を使用しても、原告と誤認、混同を生ずることはない。 さらに、原告が、原告と誤認混同を生じさせる要因であるとする被告店舗1の広告ちらし及び頒布用の広告ティッシュについても、天神愛眼グループの店舗の内外装と同じく黄色を基調とし、かつ、すべて同じ書体、大きさ、色彩による「天神愛眼グループ」、「天神愛眼」という語が記載されている上、その目立つ場所に原告登録商標と形状、雰囲気、印象などを完全に異にする、ハートマークの中にいずれも黄色一色のトレーナ 大きさ、色彩による「天神愛眼グループ」、「天神愛眼」という語が記載されている上、その目立つ場所に原告登録商標と形状、雰囲気、印象などを完全に異にする、ハートマークの中にいずれも黄色一色のトレーナーを着た成人男女2名及び女児1名を配した個性的かつ特徴的な被告の商標(商標登録第3087787号)を配置しており、これらの広告ちらし等から、需要者が被告店舗1の営業主体を原告と誤認混同することはおよそない。 このように、原告が問題とする被告標章1が、同一の書体、大きさ、色彩で一体のものとして記載された被告登録商標1、「天神愛眼グループ」という語等とともに表示されている場合、一般需要者は、その相違する形態ごとに異なった観念、称呼をとらえることはなく、あくまで一連一体の「天神愛眼」という一つの被告登録商標1が、被告標章1のように表現形態を異ならしめて表示されていると考え、広告ちらし及び頒布用の広告ティッシュに接した場合には、その全体から、一連一体の「天神愛眼」という語は、「天神愛眼」という店舗名、会社グループ名を表すものと理解するのが通常である。このことからも、需要者が被告店舗1の営業主体をおよそ誤認、混同することがないことが裏付けられる。 のみならず、これまで被告ら天神愛眼グループは、被告標章1を含め、「天神愛眼」という語を含む商標及び標章を長年使用してきたが、原告と被告らとの出所混同が現実に生じたことは一切ない。現実の取引において、被告標章1ないし3の使用により出所の混同が生じていない以上、出所の混同が生じるとしてその使用を排除する理由は一切ない。 (8) 請求原因(8)(商標権侵害)は争う。 (9) 請求原因(9)(不正競争)は争う。 ア前記(6)記載のとおり、被告標章1ないし3が原告 用を排除する理由は一切ない。 (8) 請求原因(8)(商標権侵害)は争う。 (9) 請求原因(9)(不正競争)は争う。 ア前記(6)記載のとおり、被告標章1ないし3が原告登録商標1ないし3と類似しない以上、不正競争防止法2条1項1号及び2号に該当しない。 イ別紙「取引の経緯(被告ら主張)」「第2 取引の経緯等」のとおり、被告らが「メガネの愛眼」という標章を先使用してきたことの経緯、被告標章1ないし3が周知性を獲得していること、更には被告ら天神愛眼グループが、大阪高等裁判所昭和53年(ネ)第1756号において、昭和55年4月23日に成立した裁判上の和解(以下「前件和解」という。)の趣旨に則り、これまで営業主体が異なることを明瞭ならしめるよう努力してきたことに鑑みれば、まさにその努力の具体化である被告標章1ないし3の使用について、被告らに不正競争目的は一切存しない。 (10) 請求原因(10)(営業上の利益の侵害)は争う。 (11) 請求原因(11)(故意過失)は争う。 (12) 請求原因(12)(共同不法行為)は争う。 被告店舗1、2において被告標章1ないし3を使用しているのは、被告光正のみであるから、共同不法行為は成立しない。 (13) 請求原因(13)(損害)アないしウは争う。 3 抗弁(1) 通常使用権の行使ア被告商標権被告天神愛眼は、被告商標権1、2を有している。 イ通常使用権の許諾被告光正は、被告天神愛眼から、被告商標権1、2につき、通常使用権の許諾を受けている。 ウ通常使用権の行使(ア) 被告光正は、被告商標権1、2の通常使用権の行使とし 被告光正は、被告天神愛眼から、被告商標権1、2につき、通常使用権の許諾を受けている。 ウ通常使用権の行使(ア) 被告光正は、被告商標権1、2の通常使用権の行使として、被告店舗1、2において、被告標章1ないし3を使用している。 (イ)a 被告標章1「天神愛眼」(「天神」は小文字縦書き)という語からなる被告標章1は、被告登録商標1と同一の文字から構成され、外観が類似し、称呼、観念を完全に共通にする。 また、被告登録商標2は、被告標章1そのものと「ビル」という一般用語を結合したものであり(「天神愛眼」の部分は、「天神」が小文字縦書きであるという構成、文字の大きさ、種類等すべて同じである。)、被告標章1と外観が極めて類似し、かつ、その観念、称呼を含むものである。 そして、たとえ、「天神」という語が小さく表記されていたとしても、原告が「メガネの愛眼」と一連一体として使用している現状に鑑み、「通常有する注意力」をもった取引者、需要者であれば、被告標章と原告登録商標は充分区別でき、原告と被告らの役務に「出所混同の危険」が生ずるはずもない。 さらに、被告標章1は、「愛」の文字の「心」の点の部分、「眼」の文字の横棒部分が黒丸で表記されており、一般に使用される「愛」、「眼」という漢字とは異なった特徴的かつ個性的な外観を有するが、この点で被告登録商標2と全く同じである。 これらの事情に照らすと、被告標章1は、社会通念上又は取引通念上、自他識別標識としては、被告登録商標1、2と実質的に同一であり、被告光正による被告標章1の使用は、被告天神愛眼から許諾された被告商標権1、2の通常 照らすと、被告標章1は、社会通念上又は取引通念上、自他識別標識としては、被告登録商標1、2と実質的に同一であり、被告光正による被告標章1の使用は、被告天神愛眼から許諾された被告商標権1、2の通常使用権の権利行使の範囲内にある。 b 被告標章2被告標章2は、構成、文字の大きさ、種類等が被告登録商標1と全く同一であり、外観、称呼、観念がすべて共通する。 したがって、被告標章2の使用は、被告商標権1の行使である。 c 被告標章3被告標章3は、構成、文字の大きさ、種類等が被告登録商標2と全く同一であり、外観、称呼、観念がすべて共通する。 したがって、被告標章3の使用は、被告商標権2の行使である。 (2) 権利濫用及び信義則違反ア前記2(請求原因に対する認否)(9)イの第1段落及び第2段落のとおり、原告は、前件和解において、被告らは「メガネの愛眼」や「愛眼」という語を含む文字標章の使用を継続することを容認し、被告らが使用してきた。 イ被告ら天神愛眼グループによる被告標章の永年の使用実績に対し、原告は前件和解後、約20年以上にわたって使用差止請求をすることもなく経過してきた。にもかかわらず、天神愛眼グループが、東京都に新規店舗を出店するや、自己の商標権を振りかざして本訴請求に及ぶのは、自由競争の原則を逸脱した手段により、競業他社の営業・企業活動を押さえつけようとするものである。被告標章の使用が差し止められることになれば、これまで天神愛眼グループが「天神愛眼」との商標について、営々と築き上げてきた信用性や顧客吸引力、確立した取引関係の一切が損なわれ、商標権者の保護のほか 被告標章の使用が差し止められることになれば、これまで天神愛眼グループが「天神愛眼」との商標について、営々と築き上げてきた信用性や顧客吸引力、確立した取引関係の一切が損なわれ、商標権者の保護のほかに商品の出所表示機能という点にも重点を置いた法の趣旨に反する。 原告は、被告標章を永年使用している被告ら天神愛眼グループの既得権的地位を承認しなければならないのであって、今頃になってされた本訴請求は、信義則に反し、権利濫用に該当する。 4 抗弁に対する認否(1) 抗弁(1)(通常使用権の行使)についてア抗弁(1)ア(被告商標権)は認める。 イ抗弁(1)イ(通常使用権の許諾)の事実は認める。 ウ抗弁(1)ウ(通常使用権の行使)(ア)、(イ)は争う。 少なくとも被告標章1は、被告登録商標1、2と異なるから、被告商標権1、2の通常使用権の行使ではあり得ない。 (2) 抗弁(2)(権利濫用及び信義則違反)について争う。 前件和解の和解条項第五項の趣旨は、株式会社オガタ及び被告有限会社メガネの愛眼が、原告登録商標1、2と類似し、狭義又は広義の混同を生ずるおそれのある標章を使用しないことを約束するものであった。株式会社オガタ及び被告有限会社メガネの愛眼は、前件和解に係る控訴審係属中の昭和54年11月に、フランチャイズ契約の契約当事者でない被告天神愛眼をして、被告登録商標1の出願を行ったが、前件和解の際には、この出願をしていることは、原告に知らされておらず、和解成立後間もない昭和56年10月に被告登録商標1の出願公告がされ、原告が速やかに商標登録異議申立てを行っている。和解条項第五項の趣旨が被告ら主張のとおりであれば、原告は上記商標登録異議 おらず、和解成立後間もない昭和56年10月に被告登録商標1の出願公告がされ、原告が速やかに商標登録異議申立てを行っている。和解条項第五項の趣旨が被告ら主張のとおりであれば、原告は上記商標登録異議申立てをしない。また、被告天神愛眼も、同登録異議申立て手続において、前件和解について何ら触れていない。これは、前件和解の解釈として、被告ら主張のような解釈が成り立たない証左である。 また、そもそも原告は、前件和解で株式会社オガタ及び被告有限会社メガネの愛眼が退去した後の福岡ショッパーズフラザ店に「メガネの愛眼」の商標をもって出店するのである。被告ら主張のごとき非常識な合意はしない。 本件は、被告らが違法に「天神愛眼」「メガネの愛眼」を使用し、故意に混同を惹起して活動を行ってきた事案であるから、原告の請求権の行使が権利濫用や信義則違反になることはない。 5 再抗弁(商標の無効理由等)(1) 被告商標権1ア商標法4条1項10号、46条1項1号(平成3年法律第65号による改正前)(ア)a 原告は、被告商標権1の出願日である昭和54年11月5日以前の昭和51年7月当時、既に京阪神地区のみならず九州地区(福岡市、久留米市、宮崎市)にもメガネの愛眼チェーンの店舗を展開していた。同月当時、メガネの愛眼チェーンの店舗は、全部で45店舗に上り、ちらし、新聞、テレビによる広告などを行っており、原告登録商標1は、全国で既に周知、著名であった。 原告は、昭和51年7月以後も、メガネの愛眼チェーンの店舗を展開し、広告を行い、被告登録商標1の登録日である平成元年6月23日当時においても、原告登録商標1は、全国で周知、著名であった。その数か月後の同年11月、原告は、大阪証券取引所市場第2 ーンの店舗を展開し、広告を行い、被告登録商標1の登録日である平成元年6月23日当時においても、原告登録商標1は、全国で周知、著名であった。その数か月後の同年11月、原告は、大阪証券取引所市場第2部に上場した。 b 原告登録商標1の要部は「愛眼」という部分であり、被告登録商標1の要部も「愛眼」という部分であるから、原告登録商標1と被告登録商標1は、要部について外観、称呼、観念が共通であり、類似する。 c 原告登録商標1の指定商品は眼鏡であるところ、被告登録商標1も、指定商品が眼鏡であり、眼鏡について使用をするものである。 (イ)a(a) 原告と被告らの取引の経緯は、別紙「取引の経緯(原告主張)」記載のとおりであり、被告天神愛眼が被告登録商標1の出願をすることは、同取引の経緯からして不当である。 (b) なお、被告登録商標1の出願当時、出願人である被告天神愛眼の役員は、代表者が、株式会社オガタ代表者のP7(被告天神愛眼の現在の監査役)であり、取締役としてP1(P7の実子であり、被告天神愛眼の現在の取締役、被告有限会社メガネの愛眼の現在の取締役(平成12年1月までは代表取締役)である。)がおり、監査役としてP2(P1の妻であり、被告有限会社メガネの愛眼の現在の代表取締役であるほか、被告天神愛眼の現在の取締役(平成15年12月までは代表取締役)でもある。)がおり、被告天神愛眼は、株式会社オガタ及び被告有限会社メガネの愛眼と同一グループの会社であった。 b(a) また、原告と被告らの取引の経緯は、別紙「取引の経緯(原告主張)」記載のとおりであり、株式会社オガタ及び被告有限会社メガネの愛眼が被告登録商標1を使用することは、原告と株式会社オガタ及び被告有限 ) また、原告と被告らの取引の経緯は、別紙「取引の経緯(原告主張)」記載のとおりであり、株式会社オガタ及び被告有限会社メガネの愛眼が被告登録商標1を使用することは、原告と株式会社オガタ及び被告有限会社メガネの愛眼との間の昭和55年4月23日の和解の和解条項第五項に違反するものであった。 (b) そして、被告登録商標1の出願当時、前記a(b)のとおりであったから、被告天神愛眼は、被告登録商標1を株式会社オガタ及び被告有限会社メガネの愛眼に使用させるために同商標の商標登録を受けたものである。 c 被告らのグループの店舗には、被告登録商標1のとおり「天神愛眼」の各文字を同じ大きさで記載した標章を使用する店舗ばかりではなく、「メガネの愛眼」や「愛眼」を目立たせる標章を使用する店舗も少なくない。 被告天神愛眼は、被告登録商標1や「メガネの愛眼」、「愛眼」の標章を使い分けることによって被告らの営業と原告の営業を混同させるために、被告登録商標1の商標登録を受けたものである。 d 被告登録商標1の出願公告がされ、原告が商標登録異議申立てを行った際の審理において、被告天神愛眼は、昭和57年8月には答弁書を提出して、被告登録商標1は「一連不可分に『天神愛眼』と横書きしてなる」ことを強調し、昭和63年12月に上申書を特許庁に提出し、その中で「本出願人は、商標として『天神愛眼』を資料1(原告注・いずれもおなじ大きさの文字により横書きしたもの)のような態様で継続して使用し、『愛眼』だけでは一切使用しておりません。」と記載した。しかし、被告らは、実際は、昭和53年からは、「天神」との語が縦書き小文字の「天神愛眼」との語を含んだ標章の使用実績を積み重ねてきたのである。 けでは一切使用しておりません。」と記載した。しかし、被告らは、実際は、昭和53年からは、「天神」との語が縦書き小文字の「天神愛眼」との語を含んだ標章の使用実績を積み重ねてきたのである。 e このように、被告らは、あえて原告との契約に明確に違反し、原告登録商標権侵害行為を行い、また、特許庁に対して、商標の使用実態を秘し、事実を歪曲して被告商標1の登録を受けており、被告登録商標1は、不正競争の目的で商標登録を受けたものであって、設定登録の日から5年経過後も無効審判請求することができる。 (ウ) したがって、被告登録商標1には、商標法4条1項10号、46条1項1号(平成3年法律第65号による改正前)の無効理由が存在することが明らかである。 イ商標法53条1項(ア) 被告光正は、被告商標権1の通常使用権者であって、被告商標権1の指定商品である眼鏡について被告登録商標1に類似する被告標章1を使用したところ、被告標章1は原告登録商標1ないし3と類似しており、原告の業務に係る商品と混同を生じさせたから、被告商標権1には、商標法53条1項の取消理由が存在する。 (イ) 被告天神愛眼を中心とする天神愛眼グループに属する有限会社メガネの愛眼北九州本部、愛瞳販売有限会社、愛光販売有限会社、有限会社アイガン、有限会社愛眼クラブ、株式会社オガタ及び有限会社リアルアイは、被告商標権1の通常使用権者であって、被告商標権1の指定商品である眼鏡について被告登録商標1に類似する「メガネの愛眼」及び「愛眼」という標章を使用したところ、これらの標章は原告登録商標1ないし3と同一又は類似であり、原告の業務に係る商品と混同を生じさせたから、被告商標権1には、商標法53条1項の取消理由が存在する。 「愛眼」という標章を使用したところ、これらの標章は原告登録商標1ないし3と同一又は類似であり、原告の業務に係る商品と混同を生じさせたから、被告商標権1には、商標法53条1項の取消理由が存在する。 (2) 被告商標権2ア商標法4条1項8号、46条1項1号(ア)a 「愛眼」は、原告の略称であり、また、原告及びそのフランチャイズ加盟店からなるメガネの愛眼チェーンの略称である。 b 原告は、全国において、フランチャイズ加盟店を含め店舗を展開し、平成元年11月、大阪証券取引所市場第2部に上場し、平成8年3月、メガネの愛眼のレギュラーチェーンは200店に上り、平成12年10月、東京証券取引所の市場第2部に上場した。 c その結果、「愛眼」は、被告登録商標2の出願日である平成12年7月4日当時、及び登録日である平成13年9月14日当時、全国で既に原告及びメガネの愛眼チェーンの略称として著名であった。 (イ) 被告登録商標2は、原告及びメガネの愛眼チェーンの著名な略称である「愛眼」を含むものである。 (ウ) したがって、被告登録商標2には、商標法4条1項8号、46条1項1号の無効理由が存在することが明らかである。 イ商標法4条1項10号、46条1項1号(ア)a 前記ア(ア)bのとおりであり、その結果、原告登録商標1ないし3は、被告登録商標2の出願日である平成12年7月4日当時、及び登録日である平成13年9月14日当時、全国で既に周知、著名であった。 b 原告登録商標1の要部は「愛眼」という部分であり、被告登録商標2の要部も「愛眼」という部分であるから、原告登録商標1と被告登録商標1は、要部について 既に周知、著名であった。 b 原告登録商標1の要部は「愛眼」という部分であり、被告登録商標2の要部も「愛眼」という部分であるから、原告登録商標1と被告登録商標1は、要部について外観、称呼、観念が共通し、類似する。 原告登録商標2と被告登録商標2の要部は、称呼、観念が共通するから、原告登録商標2と被告登録商標2は類似する。 原告登録商標3と被告登録商標2の要部は、外観、称呼、観念が共通するから、原告登録商標3と被告登録商標2は類似する。 c 原告登録商標1の指定商品は眼鏡であり、原告登録商標2、3の指定商品に眼鏡が含まれているところ、被告登録商標2も、指定商品に眼鏡が含まれており、眼鏡について使用をするものである。 (イ) したがって、被告登録商標2には、商標法4条1項10号、46条1項1号の無効理由が存在することが明らかである。 ウ商標法4条1項11号、46条1項1号(ア) 原告登録商標1ないし3は、いずれも被告登録商標2の出願日前の出願に係る登録商標であり、前記イ(ア)b記載のとおり、原告登録商標1ないし3と被告登録商標2は、それぞれ類似し、前記イ(ア)cのとおり、被告登録商標2は、原告登録商標1ないし3の指定商品である眼鏡について使用をするものである。 (イ) したがって、被告登録商標2には、商標法4条1項11号、46条1項1号の無効理由が存在することが明らかである。 エ商標法4条1項15号、46条1項1号(ア)a 前記イ(ア)b記載のとおり、原告登録商標1ないし3と被告登録商標2は、それぞれ類似し、前記イ(ア)c記載のとおり、被告登録商標2は、原告登録 条1項15号、46条1項1号(ア)a 前記イ(ア)b記載のとおり、原告登録商標1ないし3と被告登録商標2は、それぞれ類似し、前記イ(ア)c記載のとおり、被告登録商標2は、原告登録商標1ないし3の指定商品である眼鏡について使用をするものである。 b 被告登録商標2は、原告の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある。 (イ) したがって、被告登録商標2には、商標法4条1項15号、46条1項1号の無効理由が存在することが明らかである。 オ商標法53条1項(ア) 被告光正は、被告商標権2の通常使用権者であって、被告商標権2の指定商品である眼鏡について被告登録商標2に類似する被告標章1を使用したところ、被告標章1は原告登録商標1ないし3と類似しており、原告の業務に係る商品と混同を生じさせたから、被告商標権2には、商標法53条1項の取消理由が存在する。 (イ) 被告天神愛眼を中心とする天神愛眼グループに属する有限会社メガネの愛眼、愛瞳販売有限会社、愛光販売有限会社、有限会社アイガン、有限会社愛眼クラブ、株式会社オガタ及び有限会社リアルアイは、被告商標権2の通常使用権者であって、被告商標権2の指定商品である眼鏡について被告登録商標2に類似する「メガネの愛眼」及び「愛眼」という標章を使用したところ、これらの標章は原告登録商標1ないし3と同一又は類似であり、原告の業務に係る商品と混同を生じさせたから、被告商標権2には、商標法53条1項の取消理由が存在する。 (3) 権利濫用被告商標権1、2は、上記のとおり無効理由が存在することが明らかであり、取消理由も存在するから、抗弁として被告商標権1、2の通常使用権の行使を主張することは、権利の濫 3) 権利濫用被告商標権1、2は、上記のとおり無効理由が存在することが明らかであり、取消理由も存在するから、抗弁として被告商標権1、2の通常使用権の行使を主張することは、権利の濫用として許されない。 6 再抗弁に対する認否(1)ア再抗弁(1)(被告商標権1)ア(商標法4条1項10号、46条1項1号(平成3年法律第65号による改正前))(ア)ないし(ウ)は争う。前記2(6)記載のとおり、被告標章1ないし3と原告登録商標1ないし3は類似しない。また、別紙「取引の経緯(原告主張)」に対する認否、及び原告と被告らの取引の経緯等については、別紙「取引の経緯(被告ら主張)」記載のとおりであり、不正競争の目的は一切ない。 イ再抗弁(1)イ(商標法53条1項)(ア)、(イ)は争う。 a 被告光正による被告標章1の使用は、被告商標権1の権利行使の範囲内にあり、その使用は正当な理由に基づくものであるが、そもそも、前記2(6)及び(7)記載のとおり、被告標章1は、原告登録商標1ないし3と類似しておらず、その使用によって、原告との役務の混同を生じるはずもない。 b 被告登録商標1は、「天神」と「愛眼」という語を組み合わせたものであるが、現実の取引において、商標権者は、登録された商標そのものを使用するのではなく、取引の状況や場面に応じ、最も効果的な使用態様を選択し、登録商標と使用態様を異ならしめて使用するのが通常である。被告らも、古くから取引状況や場面に応じ、使用態様を変えて被告登録商標1を使用してきており、その中には、被告標章1も含まれていた。そして、その使用開始の時期は、遅くとも昭和53年にまで遡るが、これまで、原告との役務の混同を生じた具体例はないこと、九州地区においては、被告ら天 てきており、その中には、被告標章1も含まれていた。そして、その使用開始の時期は、遅くとも昭和53年にまで遡るが、これまで、原告との役務の混同を生じた具体例はないこと、九州地区においては、被告ら天神愛眼グループが、被告標章1の下、原告をはるかに凌駕するシェア、認知度、知名度を誇っており、被告標章1に被告ら天神愛眼グループの業務上の信用が化体し、明白な顧客吸引力を有するに至っている事実に鑑みれば、被告標章1は、被告登録商標1の使用態様として、妥当な範囲にあることは明らかである。 c なお、「メガネの愛眼」その他「愛眼」という語を含む標章を使用するようになった経緯、理由は、別紙「取引の経緯(被告ら主張)」「第2 取引の経緯等」のとおりであり、被告ら天神愛眼グループは、P5商店との相互使用合意に基づき、原告登録商標1ないし3の出願より前に、「メガネの愛眼」及び「愛眼」という語を含む標章の使用を開始し、原告とは別個にそれらの標章を長年使用し、独自の営業努力、宣伝広告企業活動を続け、独自の商売上の信用と基盤を確立して、被告標章1ないし3の信用性、周知性を獲得してきたものであって、「メガネの愛眼」や「愛眼」という語からなる文字標章は、被告登録商標1の変更使用などという関係にはなく、本件請求とも全く無関係である。 d 「天神愛眼」との語からなる商標は、被告ら独自の標章であって、現実の取引においては、取引の状況や場面に応じ、最も効果的な使用態様を選択し、使用態様を異ならしめて使用するのが通常であり、「天神」が縦書き小文字の「天神愛眼」や「天神愛眼ビル」といった標章も、「天神愛眼」との標章の一態様として、原告商標とは無関係なものとして使用しているにすぎない。 (2)ア再抗弁(2)(被告商標権2)ア(商標法4条1項8 愛眼」や「天神愛眼ビル」といった標章も、「天神愛眼」との標章の一態様として、原告商標とは無関係なものとして使用しているにすぎない。 (2)ア再抗弁(2)(被告商標権2)ア(商標法4条1項8号、46条1項1号)は争う。 前記2(4)エ記載のとおり、「愛眼」という語は、原告及びその主宰するメガネの愛眼チェーンの「著名な略称」とはなっていない。 イ再抗弁(2)イ(商標法4条1項10号、46条1項1号)は争う。 前記2(6)記載のとおり、被告標章1ないし3と原告登録商標1ないし3は類似しない。また、別紙「取引の経緯(原告主張)」に対する認否、及び原告と被告らの取引の経緯等については、別紙「取引の経緯(被告ら主張)」記載のとおりであり、不正競争の目的は一切ない。 ウ再抗弁(2)ウ(商標法4条1項11号、46条1項1号)は争う。 前記2(6)記載のとおり、被告標章2と原告登録商標1ないし3は類似していない。 エ再抗弁(2)エ(商標法4条1項15号、46条1項1号)は争う。 前記2(6)及び(7)記載のとおり、被告標章1ないし3と原告登録商標1ないし3は、それぞれいずれも類似しておらず、取引の実情から見ても、出所混同を生ずるおそれは一切ない。 オ再抗弁(2)オ(商標法53条1項)は争う。 前記(1)イと同旨。 (3) 再抗弁(3)(権利濫用)は争う。 7 再々抗弁(権利濫用とならない事情)前記3(抗弁)(2)(権利濫用及び信義則違反)ア及びイの事実がある。 そして、原告が、被告らにおいて、被告登録商標1、2を従前から永年使用し続けていることを認識しながら、被告登録商標1につ 前記3(抗弁)(2)(権利濫用及び信義則違反)ア及びイの事実がある。 そして、原告が、被告らにおいて、被告登録商標1、2を従前から永年使用し続けていることを認識しながら、被告登録商標1については、平成元年1月20日に異議申立てには理由がないとの決定がされて同年6月23日に登録されてから、使用に対して異議を挟むことなく、また、被告登録商標2は、平成12年7月4日に登録出願されたのに対し、異議の申立てすら行わず、その使用を容認してきた。このような事情に鑑みれば、被告商標権1、2の通常使用権の行使は権利の濫用とはならない。 8 再々抗弁に対する認否争う。 理由 1 請求原因(1)(当事者)について(1) 原告原告が、眼鏡等の販売を行う会社であることは、当事者間に争いがない。 (2) 被告らア被告光正、被告天神愛眼、被告有限会社メガネの愛眼が眼鏡等の販売を行う会社であることは、当事者間に争いがない。 甲第20号証の1・2、第21、第22号証、乙第2号証、第3号証及び第4号証の各1・2、第5号証によれば、被告光正、被告天神愛眼、被告有限会社メガネの愛眼は、いずれも天神愛眼グループに属することが認められる。しかし、乙第5号証、第102号証及び第103号証の各1ないし6によれば、被告店舗1、2において眼鏡の販売を行っているのは被告光正のみであることが認められ、被告天神愛眼、被告有限会社メガネの愛眼が被告店舗1、2において眼鏡の販売を行っていることを認めるに足りる証拠はない。したがって、被告店舗1、2において眼鏡の販売を行っているのは被告光正のみであると認められる。 イ乙第1号証によれば、被告広安の履歴事項全部証明 を行っていることを認めるに足りる証拠はない。したがって、被告店舗1、2において眼鏡の販売を行っているのは被告光正のみであると認められる。 イ乙第1号証によれば、被告広安の履歴事項全部証明書の目的欄には、不動産の賃貸、管理及び保有等が記載されているが、眼鏡等の販売は記載されていないことが認められ、乙第13号証の1・2によれば、被告広安は、被告店舗1の敷地建物を所有していることが認められる。被告広安が眼鏡等の販売を行っていることを認めるに足りる証拠はない。したがって、被告広安は、不動産の賃貸、管理及び保有等を業とする会社であることが認められ、眼鏡等の販売を行っているとは認められない。 2 請求原因(2)(商標権)について原告が、原告商標権1ないし3を有していることは、当事者間に争いがない。 3 請求原因(3)(商品等表示)、請求原因(4)(周知、著名性)について(1) 原告登録商標1ないし3が原告の営業表示であることは、当事者間に争いがない。 (2) 甲第29ないし第43号証、第44号証の1ないし3、第45、第46号証、第47号証の1ないし5、第48、第49号証、第65号証、第67ないし第77号証及び弁論の全趣旨によれば、次の事実が認められる。 ア原告の概要(ア) 設立日、資本金原告は、昭和36年1月11日に設立された株式会社であり、昭和62年7月1日にその商号を当初の「瑞宝眼鏡光学株式会社」から「愛眼株式会社」に変更したものであり、現在の資本金は54億7803万4895円である。 (イ) 沿革原告は、昭和36年5月、眼鏡の卸売店と併設された小売店を開設し、昭和39年4月、ダイエー庄内店ショッピングセンター内に眼鏡小売専門店を開設し、以後、 (イ) 沿革原告は、昭和36年5月、眼鏡の卸売店と併設された小売店を開設し、昭和39年4月、ダイエー庄内店ショッピングセンター内に眼鏡小売専門店を開設し、以後、眼鏡小売専門店を展開してきた。昭和45年10月、北海道にメガネの愛眼フランチャイズチェーン店を初めて開設し、同年11月、関東地区に初めて眼鏡小売店を開設した。平成元年11月、大阪証券取引所市場第2部に上場し、平成9年6月、関東地区の大型店として横浜本店を開設し、平成12年10月、東京証券取引所市場第2部に上場し、平成13年3月、東京証券取引所及び大阪証券取引所の市場第1部に上場した。 (ウ) 売上原告の平成15年3月期決算の売上は249億6600万円であり、うち関東地方の売上は67億1800万円、うち東京都内の売上は16億6500万円であった。 全国の眼鏡専門店のうちで、平成13年の売上は第2位であった。 (エ) 店舗数原告の平成15年3月現在の店舗数は、全国で283店、うち関東地方は75店、うち東京都内は19店である。 (オ) 従業員数原告の平成15年3月現在の従業員数は1061名であり、ほかにパートタイマーなどが約400名いる。 イ関東地区における広告(ア) テレビ、ラジオ原告は、テレビ朝日、テレビ神奈川、日本テレビ、スカイビジョン、TBSテレビ、テレビ東京を通じてテレビによる広告を行い、ラジオ日本、ニッポン放送、TBSラジオを通じてラジオによる広告を行っている。 テレビ、ラジオによる広告に要した経費は、各年度について、次のとおりである。 平成1 オ日本、ニッポン放送、TBSラジオを通じてラジオによる広告を行っている。 テレビ、ラジオによる広告に要した経費は、各年度について、次のとおりである。 平成11年度 9500万円平成12年度 1億3100万円平成13年度 1億0500万円平成14年度 1億1400万円(イ) ちらし原告のちらしによる広告に要した経費は、各年度について、次のとおりである。 平成11年度 4億0700万円平成12年度 4億3500万円平成13年度 4億5000万円平成14年度 3億8900万円ウアンケート本件訴訟とは関係なく、株式会社アイアンドエス・ビービーディーオー(I&S/BBDOINC)が平成14年12月に関東地区在住の20才ないし50才代の男女の度付き眼鏡の使用者を対象に行ったインターネットによるアンケート調査(有効回答者数400名)によると、9割以上の者が、「メガネの愛眼」の名称を認知しているという結果が出た。 エ使用されている商標前記イ認定のテレビ、ちらしによる広告においては、原告登録商標1及び3が用いられており、原告登録商標2はほとんど用いられていない。 以上の事実が認められる。 (3)ア前記(2)アないしエの認定事実によれば、原告登録商標1及び3は、遅くとも平成15年9月末までには、著名になっていたとまでは認められないが、少なくとも東京都内を含む関東地方において、原告の商品等表示として需要者に周知になっていたことが認められる。原告登録商標2 遅くとも平成15年9月末までには、著名になっていたとまでは認められないが、少なくとも東京都内を含む関東地方において、原告の商品等表示として需要者に周知になっていたことが認められる。原告登録商標2は、原告の商品等表示として需要者に周知になっていたとは認められない。 イ被告らは、原告登録商標1及び3について、前記(1)のとおり原告の営業表示であることは認めるものの、原告の商品表示であることは争っている。 しかし、不正競争防止法2条1項1号は、周知の商品等表示を保護するものであるから、少なくとも営業表示として周知であることが認められるならば、同条項に基づいて保護されるということができる。また、甲第32ないし第38号証、第45、第46号証によれば、ちらしやテレビによる広告において、原告登録商標1及び3は、商品表示としても使用されていることが認められるから(横書きで使用されているが、それは原告登録商標1及び3の使用であると認められる。)、被告らの上記主張は、採用することができない。 ウ(ア) 被告らは、原告登録商標1ないし3の出願日前に、K1が、「愛眼」及び「アイガン」という文字で構成される商標の商標登録を受けており、その後も「愛眼」という語を含む「愛眼茶」、「愛眼飲料」等の商標が次々と出願、登録されていること、「愛眼堂」、「愛眼薬局」等名称に「愛眼」という語を使用した眼鏡店、医療機関も多数存在すること、「愛眼」という語は、「愛眼の日」、「愛眼用品」等一般的な用語として用いられていることを主張し、「愛眼」という語は、決して原告のみを指し示すものではなく、原告の営業表示として著名性を獲得していない旨主張する。 さらに、K1が、「薬剤」を指定商品として、上記商標登録とは別に、平成15年5月2日、「 て原告のみを指し示すものではなく、原告の営業表示として著名性を獲得していない旨主張する。 さらに、K1が、「薬剤」を指定商品として、上記商標登録とは別に、平成15年5月2日、「愛眼」という商標を出願し、商標登録(第4740513号)を受けたことから、特許庁においても「愛眼」という語が著名性のある語として扱われていない旨主張する。 (イ)a 後掲各証拠によれば、次のような商標登録が行われていることが認められる。 (a) 登録番号第619883号出願年月日昭和34年12月10日登録年月日昭和38年7月2日商品の区分旧商標法施行規則(大正10年農商務省令第36号)15条に定める商品類別第1類指定商品目薬登録商標図形と「愛眼」及び「アイガン」という縦書きの文字を組み合わせたもの商標権者名称 K1住所富山市(乙第27号証)(b) 登録番号第2165523号出願年月日昭和56年10月1日登録年月日平成元年8月31日商品の区分平成3年政令第299号による改正前の商標法施行令1条別表に定める商品区分第23類指定商品眼鏡、その部品及び附属品登録商標 「愛眼堂」という文字を毛筆体で横書きにしたもの 品区分第23類指定商品眼鏡、その部品及び附属品登録商標 「愛眼堂」という文字を毛筆体で横書きにしたもの商標権者名称 K2(乙第31号証)(c) 登録番号第2001892号出願年月日昭和60年5月23日登録年月日昭和62年11月20日商品の区分平成3年政令第299号による改正前の商標法施行令1条別表に定める商品区分第29類指定商品茶登録商標 「愛眼茶」という文字をゴチック体で横書きにしたもの商標権者名称 K3(乙第32号証)(d) 登録番号第2621016号出願年月日平成3年10月8日登録年月日平成6年2月28日商品の区分平成3年政令第299号による改正前の商標法施行令1条別表に定める商品区分第29類指定商品清涼飲料、その他本類に属する商品登録商標 「愛眼飲料」、「あいがんいんりょう」、「アイガンインリョウ」という文字を3列にゴチック体で横書きにしたもの商標権者名称 K4(乙第33号証)(e) 登録番号第4740513号出願年月日平成 商標権者名称 K4(乙第33号証)(e) 登録番号第4740513号出願年月日平成15年5月2日登録年月日平成16年1月16日商品の区分第5類指定商品薬剤登録商標標準文字で「愛眼」と記載したもの商標権者名称 K1(乙第40号証)b 後掲各証拠によれば、「愛眼」という文字が次のように用いられていることが認められる。 (a) K1は、「愛眼E」、「アイガンビューティ」という名称の目薬を販売しており、同社のホームページにその広告が掲載されている。(乙第43、第106号証)(b) インターフェニックスのホームページには、「愛眼サポート」という語が、「眼をいたわる」という意味で用いられている。(乙第44号証)(c) K5・K6の洗眼器販売のホームページにおいて、「愛眼用品」という語が、「眼をいたわる商品」という意味で用いられている。(乙第45号証)(d) 大阪府泉佐野市所在のホテルK7のホームページにおいて、「愛眼の日」という語が、「眼を愛おしむ日」という意味で用いられている。(乙第46号証)(e) 「K8シティネット」のホームページでは、市販の本を大きな字で書き写した拡大図書を「愛眼図書」と表示している。(乙第47号証)(f) インターネット上の「YAHOO!電話帳」には、眼鏡店としてK9、K1 ムページでは、市販の本を大きな字で書き写した拡大図書を「愛眼図書」と表示している。(乙第47号証)(f) インターネット上の「YAHOO!電話帳」には、眼鏡店としてK9、K10チェーン、K11などが掲載され、薬局としてK12が掲載されている。(乙第48号証)(g) K2のホームページには、同社が山梨県で眼鏡小売店を経営していることなどが掲載されている。(乙第49号証)(h) 「緑内障全国眼科施設ガイド」のホームページには、医療法人K13医院が掲載されている。(乙第50号証)(i) 神奈川県庁のホームページ内の小田原市内の一般診療所一覧には、K14診療所が掲載されている。(乙第51号証)(ウ)a 前記(イ)a、bの認定事実について検討すると、K1は、登録番号第619883号、第4740513号の商標権を有しており、「愛眼E」、「アイガンビューティ」という名称の目薬を販売しているが、その販売数量等は明らかではない。 bK2は、登録番号第2165523号の商標権を有しており、眼鏡小売店を経営しているが、同社のホームページに掲載されているのは、山梨県内の店舗のみである。また、インターネット上の「YAHOO!電話帳」には、「愛眼堂」という名称を含む眼鏡店が掲載されているが、乙第48号証によれば、その所在地は、宮城県、新潟県、山梨県、香川県、秋田県、福島県、熊本県、山形県であることが認められ、上記「YAHOO!電話帳」には、K15が掲載されているが、乙第48号証によれば、その所在地は宮城県であることが認められる。さらに、「緑内障全国眼科施設ガイド」のホームページには、医療法人K13医院が掲載されているが、その所在地は、新潟県である。し るが、乙第48号証によれば、その所在地は宮城県であることが認められる。さらに、「緑内障全国眼科施設ガイド」のホームページには、医療法人K13医院が掲載されているが、その所在地は、新潟県である。したがって、上記の「愛眼」という文字を含む眼鏡店、薬局、医療機関は、関東地方には存在しない。 c 登録番号第4740513号の商標が登録されたことからすると、特許庁は、その登録商標につき、商標法4条1項10号、11号、15号に該当する事由がないと判断したものと解されるが、特許庁がそのように判断したとしても、本件において提出された証拠による周知性に関する認定(前記ア)は左右されないというべきである。 d 「愛眼」という文字は、その各文字の意味に従って、「眼を愛おしむ」、「眼をいたわる」という意味として用いられる場合もあるが、 弁論の全趣旨によれば、「愛眼」という文字をそのような言葉として用いることは、国語辞典には掲載されていないことが認められ、一般的な用法であるとは認められない。 e 以上によれば、前記(イ)a、bの事実が認定されたとしても、前記(3)アの周知性に関する認定は左右されないというべきであり、前記(ア)の被告らの主張は、採用することができない。 4 請求原因(5)(被告標章の使用)について(1) 被告光正が被告店舗1、2において眼鏡の販売を行っていること、被告光正が、被告店舗1において平成15年10月4日から、看板に被告標章2、3を付して展示し、ちらしに被告標章1、2を付して頒布していること、被告店舗2において同年11月19日から、看板に被告標章2を付して展示していることは、当事者間に争いがない。 (2) 被告標章の使用の主体原告は、被告光正のみならず、被告天神愛眼、被告 店舗2において同年11月19日から、看板に被告標章2を付して展示していることは、当事者間に争いがない。 (2) 被告標章の使用の主体原告は、被告光正のみならず、被告天神愛眼、被告有限会社メガネの愛眼も、被告店舗1、2において眼鏡の販売を行っており、各店舗において被告標章1ないし3を使用している旨主張する。 しかし、被告店舗1、2において眼鏡を販売しているのは被告光正のみであり、その余の被告らは、被告店舗1、2において眼鏡の販売を行っておらず、その余の被告らが被告店舗1、2において被告標章1ないし3を使用していることを認めるに足りる証拠はない。したがって、原告の上記主張は、採用することができない。 (3) 被告店舗1における使用態様ア被告光正が、被告店舗1の壁面に被告標章1ないし3を付し、看板に被告標章1を付して展示していることを認めるに足りる証拠はない。 イ被告店舗1における被告標章1及び3の具体的な表示態様は、次のとおり認められる。 (ア) 被告標章1-表示態様①甲第9号証によれば、被告光正は、平成15年10月ごろに作成された被告店舗1のちらしに被告標章1を付して頒布していたことが認められ(以下、この表示態様を「被告標章1-表示態様①」という。)、この場合、被告標章1は、眼鏡又はコンタクトレンズの広告に付されていたものと認められる。 (イ) 被告標章3-表示態様①被告光正は、被告店舗1の看板に被告標章3を付して展示しており、甲第7号証、乙第11号証によれば、その態様は、看板の上方に被告標章3を付し、その下方に「・コンタクト・眼科2F」、「・メガネ・補聴器1F」と各階の案内を表示し、その下方に「天神愛眼コンタクト」と表示 第7号証、乙第11号証によれば、その態様は、看板の上方に被告標章3を付し、その下方に「・コンタクト・眼科2F」、「・メガネ・補聴器1F」と各階の案内を表示し、その下方に「天神愛眼コンタクト」と表示し、更にその下方にコンタクトレンズの価格例を表示していることが認められる(以下、この表示態様を「被告標章3-表示態様①」という。)。この表示態様においては、コンタクトレンズの広告に付されている標章は、「天神愛眼コンタクト」という標章であると認められ、被告標章3は、「天神愛眼コンタクト」という標章とは別に記載されていること、被告標章3の下に上記の各階の案内が記載されていることから、眼鏡又はコンタクトレンズの広告に付されているものではなく、建物としてのビルを指し示す表示として用いられているものと認められる。 (ウ) 被告標章3-表示態様②乙第84号証及び弁論の全趣旨によれば、被告光正は、平成15年11月に作成された被告店舗1のちらしに、被告標章3を付して頒布していたこと(以下、この表示態様を「被告標章3-表示態様②」という。)、そのうち、1つはちらし表面の右上に、1つは裏面下部の地図の中に、1つは上記地図の隣に記載し、地図の隣の被告標章3の下には、電話番号、更にその下に「東京都中野区」との住所の記載をしていたことが認められる。このうち、地図の中に記載された被告標章3は、眼鏡又はコンタクトレンズの広告に付されていたものではなく、建物としてのビルを指し示す表示として用いられていたものと認められる。また、上記地図の隣の被告標章3は、地図の隣に書かれていること及びその下方に住所と電話番号の記載があることから、これをみた取引者需要者からは、眼鏡又はコンタクトレンズの商標ではなく、隣に記載された地図中の建物(ビル)を示す表示と は、地図の隣に書かれていること及びその下方に住所と電話番号の記載があることから、これをみた取引者需要者からは、眼鏡又はコンタクトレンズの商標ではなく、隣に記載された地図中の建物(ビル)を示す表示と認識されるものと認められる。さらに、同ちらし右上の被告標章3も、同じちらしの中の地図中及び地図の隣に、同一表示が建物(ビル)を示す表示として記載されていること及び同標章末尾の「ビル」の語から、これをみた取引者需要者からは、同標章もまた他の被告標章3と同様、同チラシの地図中の建物(ビル)を示す表示と認識されるものと認められる。したがって、被告標章3-表示態様②も、建物としてのビルを指し示す表示として用いられているというべきである。 (エ) 被告光正が、被告店舗1において、前記(ア)ないし(ウ)以外の表示態様で被告標章1又は3を使用していることを認めるに足りる証拠はない。 (4) 被告店舗2における使用態様被告光正が、被告店舗2において、壁面に被告標章1ないし3を付して展示していること、看板に被告標章1又は3を付して展示していること、ちらしに被告標章1ないし3を付して頒布していることを認めるに足りる証拠はない。 (5) 原告は、被告光正による被告標章1ないし3の使用が被告天神愛眼から許諾された被告商標権1、2の通常使用権の行使であるとすれば、被告標章1ないし3の使用は、少なくとも被告光正と被告天神愛眼との共同使用である旨主張する。 しかし、商標権者から通常使用権の許諾を受けて商標を使用する場合には、その使用の主体は通常使用権者であり、その使用が通常使用権者と商標権者の共同使用とされる根拠はないから、原告の上記主張は、採用することができない。 (6)アまた、原告は、被告らが天神愛眼グループに属することなどの 常使用権者であり、その使用が通常使用権者と商標権者の共同使用とされる根拠はないから、原告の上記主張は、採用することができない。 (6)アまた、原告は、被告らが天神愛眼グループに属することなどの事実を挙げ、被告らは、全員が共同して被告店舗1、2において被告標章1ないし3を使用しており、又は今後使用するおそれが大きい旨主張するから(請求原因(5)イ(イ))、その点について検討する。 イ(ア) 原告の主張(請求原因(5)イ(イ)aないしi)に係る事実のうち、次の事実は、当事者間に争いがない。 a 被告広安、被告有限会社メガネの愛眼は、被告光正と同様に被告天神愛眼が主宰する天神愛眼グループの一員である。 b(a) P1は、被告天神愛眼の代表取締役、被告有限会社メガネの愛眼の取締役(平成12年1月まで代表取締役)であり、(b) P2は、被告有限会社メガネの愛眼の代表取締役であるほか、被告天神愛眼の取締役(平成15年12月まで代表取締役)でもあり、(c) P3は、被告広安の代表者(取締役)であるほか、被告有限会社メガネの愛眼の取締役で、被告天神愛眼の取締役(平成16年11月まで代表取締役)でもあり、(d) P4は、被告光正の代表者(取締役)であるほか、被告天神愛眼の取締役でもあり、被告有限会社メガネの愛眼の取締役でもあるところ、(e) P1とP2は夫婦であり、P3及びP4は実兄弟であって、上記夫婦の実子である。 c 被告光正の本店所在地及び同代表者の住所、被告広安の本店所在地、並びに被告広安の代表者であるP3の住所は、すべて同一であり、かつ、同所は、被告天神愛眼の支店所在地であり、かつ有限会社メガネの愛眼の支店 告光正の本店所在地及び同代表者の住所、被告広安の本店所在地、並びに被告広安の代表者であるP3の住所は、すべて同一であり、かつ、同所は、被告天神愛眼の支店所在地であり、かつ有限会社メガネの愛眼の支店所在地である。 d 被告店舗1、2の所在地は、被告天神愛眼の支店所在地であり、被告店舗1の所在地は、被告有限会社メガネの愛眼の支店所在地でもある。 e 被告店舗1の敷地、建物の所有者は被告広安である。 f 被告らが天神愛眼グループと称して設置するホームページには、被告店舗1、2が掲載されている。 g 被告らは、新聞広告に、「おかげさまでこの秋、東京に店をオープンさせていただくことになりました。」、「東京の新宿と中野に店をオープンさせていただくことになりました。」などと記載している。 (イ) 原告は、被告店舗1、2において販売する眼鏡等は、経理処理上は被告天神愛眼からの仕入れの形式を採っているが、販売は、天神愛眼グループが共同で行っていると考えられる旨主張する(請求原因(5)イ(イ)h)。 しかし、被告店舗1、2で眼鏡の販売を行っているのは、被告光正のみであるから、原告の上記主張は、採用することができない。 (ウ) 原告は、被告広安及び被告有限会社メガネの愛眼は、九州地方で被告標章1ないし3を共同して使用しているから、仮に現在、東京で被告標章1ないし3を使用していないとしても、今後、被告光正と同様に被告天神愛眼の許諾を得て被告商標権1、2の通常使用権の行使として被告標章1ないし3を使用するおそれが大きい旨主張する(請求原因(5)イ(イ)i)。また、被告ら全員が共同して被告店舗1、2において被告標章1ないし3を使用しており、又は今後使用するおそれが として被告標章1ないし3を使用するおそれが大きい旨主張する(請求原因(5)イ(イ)i)。また、被告ら全員が共同して被告店舗1、2において被告標章1ないし3を使用しており、又は今後使用するおそれが大きい旨主張する(請求原因(5)イ(イ)j)。 確かに、被告らは、天神愛眼グループに属するP1ら一族の同族会社であり、役員、本店所在地又は支店所在地について共通しているところがあり、被告店舗1、2は、天神愛眼グループに属する店舗として宣伝されている。しかし、被告広安は、眼鏡の販売を行っていないから、被告標章1ないし3を使用しているとは認められないし、使用するおそれがあるとも認められない。また、乙第5号証によれば、天神愛眼グループにおいては、グループに属する会社の役割が決められており、被告有限会社メガネの愛眼は、各会社に対する経営指導と前原店の経営を行っており、被告天神愛眼は、各店舗を経営する会社に対する卸売を行っていること、その他の各店舗については、経営する会社が決められており、被告店舗1、2は、被告光正が経営していることが認められ、乙第102号証及び第103号証の各1ないし6によれば、被告光正による被告店舗1、2の経営は実態を伴ったものであると認められる。したがって、被告天神愛眼及び被告有限会社メガネの愛眼が被告店舗1、2において被告標章1ないし3を使用しているとは認められないし、使用するおそれがあるとも認められず、原告の上記主張は、採用することができない。 5(1)ア請求原因(6)(原告登録商標と被告標章の類否)ア(原告登録商標1ないし3と被告標章1の類否)(ア)(原告登録商標1と被告標章1の類否)について(ア) 原告登録商標1a 原告登録商標1は、「メガネの愛眼」という文字を縦書きにしたも 1ないし3と被告標章1の類否)(ア)(原告登録商標1と被告標章1の類否)について(ア) 原告登録商標1a 原告登録商標1は、「メガネの愛眼」という文字を縦書きにしたものであり、「の」という文字が若干小さめに表示されている。 b 弁論の全趣旨によれば、「愛眼」という語は、国語辞典には、仏教用語に由来する言葉として、「あいげん」という音で、「仏の慈悲の眼」という意味として掲載されている場合のあることが認められるが、「愛眼」という語を、そのような音で読み、そのような意味として理解することは、一般的ではないものと認められる。「愛眼」という文字が、各文字の意味に従って、「眼を愛おしむ」、「眼をいたわる」という意味として用いられる場合もあるが、弁論の全趣旨によれば、「愛眼」という文字をそのような言葉として用いることは、国語辞典には掲載されていないことが認められ、一般的な用法であるとは認められない。したがって、「愛眼」という文字は、一般的には、特定の観念を生じさせるものではなく、造語の一種として理解されるものと認められる。 他方、原告商標権1の商品の区分は、平成3年政令第299号による改正前の商標法施行令1条別表に定める商品区分第23類であり、指定商品は眼鏡であるから、原告登録商標1のうち、「メガネの」という部分は、指定商品の名称を普通に用いられる方法で表示している部分であり、自他識別機能の弱い部分である。 また、原告登録商標1を不正競争防止法2条1項1号の周知商品等表示としてみた場合、原告登録商標1は、眼鏡等の販売を行う会社である原告の商品等表示として知られているから、同商標のうち、「メガネの」という部分は、その業種又は商品(眼鏡)の名称を普通に用いられる 表示としてみた場合、原告登録商標1は、眼鏡等の販売を行う会社である原告の商品等表示として知られているから、同商標のうち、「メガネの」という部分は、その業種又は商品(眼鏡)の名称を普通に用いられる方法で表示している部分であり、自他識別機能の弱い部分である。 そうであるとすると、原告登録商標1のうちでは、一種の造語である「愛眼」という部分が、需要者の注意を引き、要部と認められるというべきである。 c 被告らは、「愛眼」との語は容易に考えつくから、「眼」との関係では「愛眼」との語を自由に使用できる状況であり、またそういう状況にしなければならないとも主張するが、「愛眼」という一種の造語を創作することが容易であるとしても、その造語は、自他商品識別力がないとか、需要者の注意を引かないとか、というものではない。 また、被告らは、格助詞「の」は、後に来る言葉の内容や状態・性質などについて限定を加えることを表わす語であるから、「メガネの愛眼」は、「メガネ」との一般名詞によって、「愛眼」の語の内容・状態・性質を強く限定した、観念的に絞り込みを行った標章であるから、需要者が「メガネの愛眼」との標章に接した場合、「眼を愛するメガネ」、「眼をいたわるメガネ」、「眼に優しいメガネ」という印象を受け、その旨の観念が生じるから、不可分一体の語である旨主張する。しかし、格助詞「の」に関しては、「5月の10日」を5月には単に「10日」と言い、「大阪の中之島」を大阪について述べている中では単に「中之島」と言うような例もあるから、原告登録商標1「メガネの愛眼」を商品眼鏡に使用したときには、「メガネの」の部分は需要者の注意を引き難いことは明らかである。したがって、「メガネの愛眼」が不可分一体の語であるとの主張は、採用 るから、原告登録商標1「メガネの愛眼」を商品眼鏡に使用したときには、「メガネの」の部分は需要者の注意を引き難いことは明らかである。したがって、「メガネの愛眼」が不可分一体の語であるとの主張は、採用することができない。 d 「愛眼」という部分は一種の造語というべきであるが、「愛」、「眼」という各文字について多く用いられる読み方が「あい」、「がん」であることから、「愛眼」という部分は、「あいがん」と称呼されるものと認められる。 したがって、原告登録商標1は、その全体により「めがねのあいがん」と称呼され、又はその要部により「あいがん」と称呼されるものと認められる。 (イ) 被告標章1a 被告標章1は、「愛眼」という文字を大きく横書きにし、その左横に「天神」という文字を小さく縦書きにしたものである。 「愛眼」という文字が大きいことから、被告標章1のうちでは、「愛眼」という部分が、需要者の注意を引き、要部と認められるというべきである。 b 弁論の全趣旨によれば、「天神」という語について、国語辞典には、①天の神、②天界に住して仏法を守護する神、③菅原道真の神号などの意味が掲載されていることが認められ、一般にそのような意味の語として理解されていることが認められる。しかし、被告標章1においては、「愛眼」という部分が造語として理解されることから、「天神愛眼」という全体、又は要部である「愛眼」という部分のいずれについても、特定の観念は生じず、造語と理解されるものと認められる。 c 被告標章1は、その全体により「てんじんあいがん」と称呼され、又はその要部により「あいがん」と称呼されるものと認められる。 (ウ) 原告登録商標1と被 と認められる。 c 被告標章1は、その全体により「てんじんあいがん」と称呼され、又はその要部により「あいがん」と称呼されるものと認められる。 (ウ) 原告登録商標1と被告標章1の類否原告登録商標1の要部は、「愛眼」という部分であり、原告登録商標1は、その要部により「あいがん」と称呼される。他方、被告標章1の要部も、「愛眼」という部分であり、その要部により、「あいがん」と称呼されるものと認められるから、原告登録商標1と被告標章1は、要部について外観、称呼を共通にするものと認められる。 そして、原告登録商標1のうち要部以外の「メガネの」という部分と、被告標章1のうち要部以外の「天神」という部分は相違するが、原告登録商標1のうち「メガネの」という部分は、そもそも自他識別機能が弱いし、被告標章1のうち「天神」という部分も、文字が小さく、要部である「愛眼」という部分に比べて自他識別機能が弱いものと認められるから、これら要部以外の部分の相違による印象が、要部が共通することによって生じる類似の印象を超えることはないものと認められる。 したがって、原告登録商標1と被告標章1は類似するものと認められる。 イ請求原因(6)ア(イ)(原告登録商標2と被告標章1の類否)について(ア) 原告登録商標2原告登録商標2は、「AIGAN」という文字(アルファベット)をゴシック体で横書きにしたものであり、「あいがん」という称呼を生ずる。 (イ) 原告登録商標2と被告標章1との類否被告標章1の要部は、「愛眼」という部分であり、「あいがん」と称呼されるから、原告登録商標2は、被告標章1の要部と称呼が共通する。 (イ) 原告登録商標2と被告標章1との類否被告標章1の要部は、「愛眼」という部分であり、「あいがん」と称呼されるから、原告登録商標2は、被告標章1の要部と称呼が共通する。 被告標章1と原告登録商標2は外観が異なり、また、被告標章1は、その全体により「てんじんあいがん」と称呼される場合があり、そのように称呼される場合は、被告標章1と原告登録商標2は称呼も異なることとなる。しかし、漢字、ローマ字に関する一般的な知識に照らし、「愛眼」(被告標章1の要部)及び「AIGAN」(原告登録商標2)をいずれも「あいがん」と読むことは、一般国民にとって極めて容易であるものと認められるから、外観の相違は、類似性を否定する要素としてそれ程強い印象を与えるものではない。また、被告標章1のうち「天神」という部分は、文字が小さく、要部である「愛眼」という部分に比べて自他識別機能が弱いものと認められるから、その部分を含んで被告標章1の全体が「てんじんあいがん」と称呼される場合があるとしても、そのような場合は格別多いとは認められない。 そうであるとすれば、外観等に相違があるとしても、その相違による印象は、被告標章1の要部の称呼と原告登録商標2の称呼が共通することによって生じる類似の印象を超えることはないものと認められる。 したがって、被告標章1と原告登録商標2は類似するものと認められる。 ウ請求原因(6)ア(ウ)(原告登録商標3と被告標章1の類否)について(ア) 原告登録商標3原告登録商標3は、「愛眼」という文字を縦書きにしたものであり、「あいがん」という称呼を生ずる。 (イ) 原告登録商標3と被告標章1との類否被告 原告登録商標3は、「愛眼」という文字を縦書きにしたものであり、「あいがん」という称呼を生ずる。 (イ) 原告登録商標3と被告標章1との類否被告標章1の要部は、「愛眼」という部分であり、「あいがん」と称呼されるところ、この要部は、原告登録商標3と、外観において、縦書きと横書きの違いがあるにすぎず、その余は共通であり、また、称呼も共通である。 もっとも、被告標章1は、「天神」という文字を含み、その全体より「てんじんあいがん」という称呼を生ずる場合があるから、被告標章1と原告登録商標3は、外観が異なり、被告標章1が「てんじんあいがん」と称呼される場合は、称呼も異なることとなる。しかし、被告標章1のうち「天神」という部分は、文字が小さく、要部である「愛眼」という部分に比べて自他識別機能が弱いものと認められるから、「天神」という部分の有無による外観の相違は、類似性を否定する要素としてそれ程強い印象を与えるものではないし、また、その部分を含んで被告標章1の全体が「てんじんあいがん」と称呼される場合があるとしても、そのような場合は格別多いとは認められない。 そうであるとすれば、外観等に相違があるとしても、その相違による印象は、被告標章1の要部と原告登録商標3の外観、称呼が共通することによって生じる類似の印象を超えることはないと認められる。 したがって、被告標章1と原告登録商標3は類似するものと認められる。 (2)ア請求原因(6)イ(原告登録商標1ないし3と被告標章2の類否)(ア)(原告登録商標1と被告標章2の類否)について(ア) 被告標章2a 被告標章2は、「天神愛眼」という文字をすべて同じ大きさの文字に 1ないし3と被告標章2の類否)(ア)(原告登録商標1と被告標章2の類否)について(ア) 被告標章2a 被告標章2は、「天神愛眼」という文字をすべて同じ大きさの文字により横書きにしたものである。 b 「愛眼」という文字は、特定の観念を生じさせず、造語と理解され、他方、「天神」という語は、①天の神、②天界に住して仏法を守護する神、③菅原道真の神号などの意味として理解される。しかるところ、被告標章2のように、「天神」と「愛眼」の文字の大きさに大小等の区別をつけず、すべて同じ大きさの文字により「天神愛眼」と記載した場合は、「愛眼」という語が造語であることから、「天神」という語だけを切り離して上記のような本来の意味に理解しても、「天神愛眼」の全体として特定の観念を想起することができないから、「天神」という語だけを切り離して上記のような本来の意味に理解されることはなく、「天神愛眼」の全体で一まとまりとして、特定の観念を生じさせない造語と理解されるものと認められる。 被告標章2は、漢字4文字をすべて同じ大きさの文字により横書きにしたものであるから、その外観において、4文字の全体で一まとまりの標章と認識される。 また、被告標章2は、全体で「てんじんあいがん」という称呼を生じるが、発音数からして、格別冗長ではなく、一連の称呼を生ずるものと認められる。 上記認定事実によれば、特段の事情がなければ、被告標章2は、その全体が要部であると認められ、そのうちの「愛眼」という部分だけが要部であるとは認められないというべきである。したがって、被告標章2は、その全体により、「てんじんあいがん」という称呼を生ずるものと認められる。 c 原告 ちの「愛眼」という部分だけが要部であるとは認められないというべきである。したがって、被告標章2は、その全体により、「てんじんあいがん」という称呼を生ずるものと認められる。 c 原告は、被告標章2において、「天神」の部分は、福岡市の天神地区を意味するものと観念され、自他識別機能はなく、「愛眼」の部分が要部である旨主張する。 確かに、弁論の全趣旨によれば、福岡市及びその周辺においては、「天神」という語が地名として理解される場合のあり得ることが認められる。しかし、本件全証拠によっても、本件において被告標章2の使用が問題とされている東京都及びその周辺地域において、「天神」の部分が、亀戸天神や湯島天神の祭神(天神)を想起させる可能性はともかく、遠く離れた福岡市天神地区を意味するものと観念されるものとは認められない。 そして、「天神」を地名と観念できない以上、「天神愛眼」を「天神」の「愛眼」と分断して理解しようとしても、例えば「東京愛眼」が「東京」の「愛眼」と理解できるのとは異なり、全体としてそれが「愛眼」の一種であるような解釈をすることができず、結局意味不明であって、特定の観念を想起することができないことに変わりはない。そうだとすると、甲第67号証(特にその中の甲第18号証)、乙第28、第29号証から認められる平成14、5年ころの眼鏡小売市場の大きさ(売上高10億円以上の企業も60社以上あり、それらの売上高合計だけでも約4000億円に達し、業界全体では6000億円とも言われている。)、眼鏡小売店の店舗数(国内店舗数10店以上の眼鏡専門店チェーンが79社あり、その合計だけでも数千店に達するなど、チェーン店、個人店が乱立していると評されることもある。)からすれば、前認定に係る原告の売上高 売店の店舗数(国内店舗数10店以上の眼鏡専門店チェーンが79社あり、その合計だけでも数千店に達するなど、チェーン店、個人店が乱立していると評されることもある。)からすれば、前認定に係る原告の売上高、店舗数、広告宣伝の程度等から認められる原告登録商標1の東京都を中心とした関東地方における周知性の程度を前提としても、「天神」と「愛眼」の文字の大きさに大小等の区別をつけず、すべて同じ大きさの文字により「天神愛眼」と記載した場合は、東京都を中心とした関東地方においては、「愛眼」だけを切り離して理解されることはなく、「天神愛眼」の全体で一まとまりとして、特定の観念を生じさせない造語と理解されるものと認められる。 したがって、原告の上記主張は、採用することができない。 (イ) 原告登録商標1と被告標章2の類否東京都を中心とした関東地方においては、被告標章2の要部は、その全体(「天神愛眼」)であり、「てんじんあいがん」という称呼を生ずる。これに対し、原告登録商標1の要部は、「愛眼」という部分であり、「あいがん」という称呼を生じるから、被告標章2と原告登録商標1は、要部において、外観、称呼が異なる。また、原告登録商標1は、その全体についてみても、外観は被告標章2と異なるし、「めがねのあいがん」という称呼を生ずるから、称呼も被告標章2と異なる。 したがって、被告標章2は、原告登録商標1と類似しないものと認められる。 イ請求原因(6)イ(イ)(原告登録商標2と被告標章2の類否)について東京都を中心とした関東地方においては、被告標章2の要部は、その全体(「天神愛眼」)であり、「てんじんあいがん」という称呼を生ずるのに対し、原告登録商標2は、「AIGAN」とい いて東京都を中心とした関東地方においては、被告標章2の要部は、その全体(「天神愛眼」)であり、「てんじんあいがん」という称呼を生ずるのに対し、原告登録商標2は、「AIGAN」という文字(アルファベット)をゴシック体で横書きにしたものであり、「あいがん」という称呼を生ずる。したがって、被告標章2と原告登録商標2は、外観、称呼が異なり、類似しないものと認められる。 ウ請求原因(6)イ(ウ)(原告登録商標3と被告標章2の類否)について東京都を中心とした関東地方においては、被告標章2の要部は、その全体(「天神愛眼」)であり、「てんじんあいがん」という称呼を生ずるのに対し、原告登録商標3は、「愛眼」という文字を縦書きにしたものであり、「あいがん」という称呼を生じる。したがって、被告標章2と原告登録商標3は、外観、称呼が異なり、類似しないものと認められる。 (3)ア請求原因(6)ウ(原告登録商標1ないし3と被告標章3の類否)(ア)(原告登録商標1と被告標章3の類否)について(ア) 被告標章3a 被告標章3は、「愛眼ビル」という文字を大きく横書きにし、その左横に「天神」の文字を小さく縦書きにしたものである。 b 被告標章3を、建物としてのビルを指し示す表示としてではなく使用した場合(例えば、眼鏡に使用した場合)には、「愛眼ビル」という文字が大きいことから、「愛眼ビル」という部分が需要者の注意を引き、要部と認められる。そうだとすると、被告標章3は、建物としてのビルを指し示す表示としてではなく使用された場合には、その全体により「てんじんあいがんびる」という称呼を生じ、又は要部により「あいがんびる」という称呼を生ずるものと認められる。 c ところが、 示す表示としてではなく使用された場合には、その全体により「てんじんあいがんびる」という称呼を生じ、又は要部により「あいがんびる」という称呼を生ずるものと認められる。 c ところが、被告標章3のうち「ビル」という部分は、ビルディング(建物)を意味する「ビル」という語として理解されるものと認められるところ、被告標章3が、被告標章3-表示態様①、②のように建物としてのビルを指し示す表示として用いられる場合は、被告標章3のうちの「ビル」という部分は、指し示す対象の一般名称を普通に用いられる方法により表示したにすぎないから、自他識別機能は弱く、大きな文字で書かれた「愛眼ビル」という部分のうち、「愛眼」という部分が要部と認められるというべきである。その場合は、被告標章3は、全体により「てんじんあいがんびる」という称呼を生じるほか、要部により「あいがん」という称呼をも生じるものと認められる。 (イ) 原告登録商標1と被告標章3の類否a 被告標章3を、建物としてのビルを指し示す表示としてではなく使用した場合、その要部は、「愛眼ビル」という部分であり、要部から「あいがんびる」、全体から「てんじんあいがんびる」という称呼を生じる。他方、原告登録商標1は、要部は「愛眼」という部分であって、要部から「あいがん」、全体から「めがねのあいがん」という称呼を生じるから、両者から生じる称呼は異なる。また、被告標章3と原告登録商標1は、外観も観念も異なる。 したがって、被告標章3は、建物としてのビルを指し示す表示としてではなく使用した場合、原告登録商標1と類似しないものと認められる。 b ところが、被告標章3が、被告標章3-表示態様①、②のように建物としてのビルを指し示す表示として用いられ としてではなく使用した場合、原告登録商標1と類似しないものと認められる。 b ところが、被告標章3が、被告標章3-表示態様①、②のように建物としてのビルを指し示す表示として用いられる場合、被告標章3の要部は、「愛眼」という部分であり、「あいがん」という称呼を生じる。他方、原告登録商標1の要部は、「愛眼」であり、「あいがん」という称呼を生ずるから、被告標章3は、原告登録商標1と、要部の外観と称呼を共通にする。 被告標章3と原告登録商標1の全体をみると、両者は異っているが、前示のとおり、被告標章3のうち、「天神」という部分は、文字が小さく、「ビル」という部分は、指し示す対象の一般名称を普通に用いられる方法により表示したにすぎないから、いずれも自他識別機能は弱く、原告登録商標1のうち、「メガネの」という部分は、指定商品又は商品等表示の付される営業ないし商品を普通に用いられる方法で表示している部分であり、自他識別機能の弱い部分である。そうであるとすれば、被告標章3及び原告登録商標1のいずれについても、要部以外の点は、自他識別機能が弱いのであるから、要部以外の点における相違は、要部の外観、称呼が共通することによって生じる類似の印象を超えることはないと認められる。 したがって、被告標章3が、被告標章3-表示態様①、②のように建物としてのビルを指し示す表示として用いられる場合は、被告標章3は、原告登録商標1と類似するものと認められる。 イ請求原因(6)ウ(イ)(原告登録商標2と被告標章3の類否)について(ア) 被告標章3を、建物としてのビルを指し示す表示としてではなく使用した場合、被告標章3の要部は、「愛眼ビル」という部分であり、「あいがんびる」という称呼を生ずるの の類否)について(ア) 被告標章3を、建物としてのビルを指し示す表示としてではなく使用した場合、被告標章3の要部は、「愛眼ビル」という部分であり、「あいがんびる」という称呼を生ずるのに対し、原告登録商標2は、「AIGAN」という文字(アルファベット)をゴシック体で横書きにしたものであり、「あいがん」という称呼を生ずる。したがって、この場合、被告標章3の要部と原告登録商標2は、外観、称呼が異なる。また、被告標章3は、全体として「てんじんあいがんびる」という称呼を生ずるところ、被告標章3の全体と被告登録商標2を対比しても、外観が異なり、称呼も異なる。したがって、被告標章3を、建物としてのビルを指し示す表示としてではなく使用した場合、原告登録商標2と類似しないものと認められる。 (イ) ところが、被告標章3が、被告標章3-表示態様①、②のように建物としてのビルを指し示す表示として用いられる場合、被告標章3の要部は、「愛眼」という部分であり、「あいがん」という称呼を生じることは前示のとおりである。そして、原告登録商標2は、「あいがん」という称呼を生ずるから、被告標章3の要部は、原告登録商標2と称呼を共通にする。 被告標章3と原告登録商標2の全体をみると、外観が異なり、称呼も、被告標章3が「てんじんあいがんびる」であるのに対し、原告登録商標2は「あいがん」であり、異なっている。しかし、被告標章3のうち、「天神」及び「ビル」の部分が自他識別機能は弱いことは前示のとおりであって、要部以外の点における相違による印象は、要部の称呼が共通することによって生じる類似の印象を超えることはないと認められる。 したがって、被告標章3が、被告標章3-表示態様①、②のように建物としてのビルを指し示す表示 は、要部の称呼が共通することによって生じる類似の印象を超えることはないと認められる。 したがって、被告標章3が、被告標章3-表示態様①、②のように建物としてのビルを指し示す表示として用いられる場合は、被告標章3は、原告登録商標2と類似するものと認められる。 ウ請求原因(6)ウ(ウ)(原告登録商標3と被告標章3の類否)について(ア) 被告標章3を、建物としてのビルを指し示す表示としてではなく使用した場合、被告標章3の要部は、「愛眼ビル」という部分であり、「あいがんびる」という称呼を生ずるのに対し、原告登録商標3は、「愛眼」という文字を縦書きにしたものであり、「あいがん」という称呼を生ずるから、被告標章3の要部と原告登録商標3は、外観、称呼が異なる。また、被告標章3は、全体として「てんじんあいがんびる」という称呼を生ずるところ、被告標章3の全体と原告登録商標3を対比しても、外観が異なり、称呼も異なる。したがって、この場合、被告標章3は、原告登録商標3と類似しないものと認められる。 (イ) ところが、被告標章3が、被告標章3-表示態様①、②のように建物としてのビルを指し示す表示として用いられる場合、被告標章3の要部は、「愛眼」という部分であり、「あいがん」という称呼を生ずる。他方、原告登録商標3は、「愛眼」という文字を縦書きにしたものであり、「あいがん」という称呼を生ずるから、被告標章3の要部は、原告登録商標3と、外観は類似しており、称呼も共通する。 被告標章3と原告登録商標3全体をみると、外観が異なり、称呼も、被告標章3が「てんじんあいがんびる」であるのに対し、原告登録商標3は「あいがん」であり、異なっている。しかし、被告標章3のうち、「天神」及び「ビル」の部分が自 全体をみると、外観が異なり、称呼も、被告標章3が「てんじんあいがんびる」であるのに対し、原告登録商標3は「あいがん」であり、異なっている。しかし、被告標章3のうち、「天神」及び「ビル」の部分が自他識別機能が弱いことは前示のとおりであるから、要部以外の点における相違による印象は、要部の外観、称呼が共通することによって生じる類似の印象を超えることはないものと認められる。 したがって、被告標章3が、被告標章3-表示態様①、②のように建物としてのビルを指し示す表示として用いられる場合は、被告標章3は、原告登録商標3と類似するものと認められる。 エ以上をまとめると、次のとおりである。 (ア) 被告標章1は、原告登録商標1ないし3と類似する。 (イ) 被告標章2は、原告登録商標1ないし3のいずれとも類似しない。 (ウ) 被告標章3は、建物としてのビルを指し示す表示としてではなく使用した場合には原告登録商標1ないし3のいずれとも類似しないが、被告標章3-表示態様①、②のように建物としてのビルを指し示す表示として用いられる場合は、原告登録商標1ないし3と類似する。 6 請求原因(7)(混同)について検討する。 (1)ア被告標章1-表示態様①において、被告標章1は、眼鏡又はコンタクトレンズの広告に付されている。そして、その場合、被告標章1は、被告光正の商品表示及び営業表示として用いられているものと認められる。 イ被告標章1は、原告登録商標1及び3に類似するから、被告光正は、被告標章1を被告標章1-表示態様①のように使用することにより、需要者をして被告店舗1における被告光正の商品、営業を原告の商品、営業と誤信させ、又は原告と被告店舗1の間に、親会社、子会社の関係や系列関係などの緊密な 標章1-表示態様①のように使用することにより、需要者をして被告店舗1における被告光正の商品、営業を原告の商品、営業と誤信させ、又は原告と被告店舗1の間に、親会社、子会社の関係や系列関係などの緊密な営業上の関係、又は同一の表示を使用して商品化事業を営むグループに属する関係が存在すると誤信させ、混同を生じさせているものと認められる。 (2)ア被告標章3-表示態様①、②において、被告標章3は、眼鏡又はコンタクトレンズの広告に付されているものではなく、建物としてのビルを指し示す表示として用いられているものである。そして、その場合、被告標章3は、そのビルで事業を営んでいる被告光正の営業表示として使用されているものと認められる。 イ被告標章3は、建物としてのビルを指し示す表示として用いられる場合は、原告登録商標1及び3と類似するから、被告光正は、被告標章3を被告標章3-表示態様①、②のように使用することにより、需要者をして被告店舗1における被告光正の営業を原告の営業と誤信させ、又は原告と被告店舗1の間に、親会社、子会社の関係や系列関係などの緊密な営業上の関係、又は同一の表示を使用して商品化事業を営むグループに属する関係が存在すると誤信させ、混同を生じさせているものと認められる。 (3)ア被告は、眼鏡の購入者は、販売店の営業表示だけではなく、店舗の立地、店舗の内外装から生じるイメージ、品揃え、販売価格等によって眼鏡店を選択すること、被告店舗1、2は、店舗の内外装や営業スタイルが原告の店舗を模倣するものでないこと、被告らを含む天神愛眼グループは、長年にわたり、原告とは独立した企業体として周知性を獲得していることなどから、被告店舗1、2において被告標章1及び3を使用しても、原告と誤認、混同を生ずることはない旨主張する。 イも プは、長年にわたり、原告とは独立した企業体として周知性を獲得していることなどから、被告店舗1、2において被告標章1及び3を使用しても、原告と誤認、混同を生ずることはない旨主張する。 イもとより、商品等表示の類否、混同の有無の判断に当たっては、取引の実情を考慮すべきであるが、それとともに、需要者の一般的な注意力をも考慮すべきである。弁論の全趣旨によれば、眼鏡の需要者は一般消費者であることが認められ、商品表示や営業表示の区別を特に注意深く行うとは認められない。そして、甲第7号証、第9号証、第62号証、第65号証、乙第11号証、第18号証、第84号証及び弁論の全趣旨によれば、原告の店舗と被告らの店舗を比較した場合、全体として、店舗外装の基調色が、原告は白色、被告らは黄色であるなどの点に違いがあることは認められるが、少なくとも被告店舗1については、看板、内外装、ちらしともに、一般の眼鏡店とそれ程異なるとは認められず、需要者である一般消費者の注意力を基準としたときに、原告の商品等表示である原告登録商標1及び3と類似の商品等表示である被告標章1及び3が付されているにもかからわず、なお原告と混同を生じさせないといえるような特徴は認められない。 甲第63号証は、K16が作成したアンケート調査の結果報告であり、そこには、「天神愛眼」(被告ら)と「メガネの愛眼」(原告)が違う会社であることを知っている者は約3分の2、知らない者は約3分の1であることが記載されている。甲第63号証のアンケート調査は、調査場所が福岡市天神3丁目であること、調査日時が昭和63年11月18日とかなり前であること、調査対象者の範囲及び数が限られていることから、その結果は、必ずしも正確であるかどうか明らかでなく、それをもって、被告店舗1における被告標章1及び3 日時が昭和63年11月18日とかなり前であること、調査対象者の範囲及び数が限られていることから、その結果は、必ずしも正確であるかどうか明らかでなく、それをもって、被告店舗1における被告標章1及び3の使用に関する混同の有無の判断に直ちに用いることはできない。しかし、甲第63号証の調査結果によれば、原告と被告らを混同していた者が少なからず存在したことは認められ、少なくとも混同のおそれが存在することは認められるというべきである。 乙第28、第29号証によれば、「眼鏡白書」(株式会社サクスィード平成14年(2002年)10月1日発行)、「眼鏡小売市場の戦略と展望」(株式会社矢野経済研究所平成15年(2003年)10月10日発刊)において、原告と天神愛眼グループ、被告天神愛眼が区別されていることが認められる。しかし、これらは眼鏡市場に関する専門誌であり、眼鏡の製造販売にかかわる事業者を対象とするものであるから、そこにおいて原告と天神愛眼グループ、被告天神愛眼が区別されていたとしても、それによって、眼鏡の需要者である一般消費者において、原告と天神愛眼グループ又は天神愛眼グループに属する会社が区別されているものとは認められない。 したがって、被告らの主張(前記ア)は、採用することはできない。 7 請求原因(8)(商標権侵害)について(1) 被告標章1-使用態様①の場合、被告標章1は、原告登録商標1ないし3の指定商品である眼鏡の広告に付されている。 また、被告標章1は、原告登録商標1ないし3と類似する。 後記9のとおり、被告標章1の使用が被告商標権1、2の通常使用権の行使に該当するという抗弁は認められないから、被告標章1-表示態様①の使用は、商標法2条3項8号、37条1号により、原告商標権1な 後記9のとおり、被告標章1の使用が被告商標権1、2の通常使用権の行使に該当するという抗弁は認められないから、被告標章1-表示態様①の使用は、商標法2条3項8号、37条1号により、原告商標権1ないし3を侵害するものというべきである。 (2) 被告標章3-表示態様①、②の場合、被告標章3は、建物としてのビルを指し示す表示として用いられており、原告登録商標1ないし3の指定商品である眼鏡の広告に付されているものではなく、その他、これらの指定商品について使用されていることを認めるに足りる証拠はないから、被告標章3-表示態様①、②の使用は、原告商標権1ないし3を侵害するものとは認められない。 (3) なお、被告光正は、被告店舗1の看板に被告標章2を付して展示し、ちらしに被告標章2を付して頒布しており、また、被告店舗2の看板に被告標章2を付して展示しているが、被告標章2は、原告登録商標1ないし3とは類似しないから、被告標章2の使用によって原告商標権1ないし3が侵害されるものとは認められない。 8 請求原因(9)(不正競争)について(1) 以上の認定、判断によれば、被告標章1の被告標章1-表示態様①の使用、被告標章3の被告標章3-表示態様①、②の使用は、不正競争防止法2条1項1号の不正競争の定義に該当するものと認められる(抗弁については、後に判断する。)。 (2)ア被告らは、別紙「取引の経緯(被告ら主張)」「第2 取引の経緯等」のとおり、被告らが「メガネの愛眼」という標章を先使用してきたことの経緯、被告標章1ないし3が周知性を獲得していること、更には被告ら天神愛眼グループが、これまで前件和解の趣旨に則り、営業主体が異なることを明瞭ならしめるよう努力してきたことに鑑みれば、被告標章1ないし3の使用について、被告らに不正競争目的は存 こと、更には被告ら天神愛眼グループが、これまで前件和解の趣旨に則り、営業主体が異なることを明瞭ならしめるよう努力してきたことに鑑みれば、被告標章1ないし3の使用について、被告らに不正競争目的は存在しない旨主張する。 イしかし、不正競争防止法2条1項1号による民事上の請求をするために、混同行為をしている者が不正競争目的を有していることを必要とするものではない。 ウのみならず、被告らの上記主張について検討すると、別紙「取引の経緯(原告主張)」のうち当事者間に争いのない事実(別紙「取引の経緯(被告主張)」において被告らが認めている事実)と後掲各証拠により認められる事実を合わせて総合すると、次のとおりと認められる(証拠を摘示しない部分は、当事者間に争いのない事実である。)。 (ア) 原告の前身は、P5の個人企業であるP5商店であったが(甲第50号証)、P5商店は、昭和26年ごろから、P7の個人企業であるP6時計店に対し、眼鏡の卸売りをしていた。 (イ) 昭和36年1月、P5商店が法人成りしてP5を代表取締役として原告が設立され(甲第50号証)、P5商店とP7との取引は、原告とP7との間に引き継がれた。 (ウ) P1は、昭和42年11月、被告有限会社メガネの愛眼を設立し、原告は、被告有限会社メガネの愛眼にも眼鏡の卸売りを行うようになった。 (エ) P7は、昭和43年9月、P6時計店を法人成りさせて株式会社オガタを設立し、原告とP6時計店との取引は、原告と株式会社オガタとの間に引き継がれた。 (オ) 昭和45年ごろ、株式会社ダイエーの福岡ショッパーズプラザに、原告が店舗を賃借し、眼鏡店として出店することとなり、当初は原告が直営店を出店する予定であったが、後に、株式会社オガタ (オ) 昭和45年ごろ、株式会社ダイエーの福岡ショッパーズプラザに、原告が店舗を賃借し、眼鏡店として出店することとなり、当初は原告が直営店を出店する予定であったが、後に、株式会社オガタが原告のフランチャイジーとして出店することとなった。(甲第50、第51、第55号証)(カ) 原告は、昭和46年6月1日、株式会社オガタが福岡ショッパーズプラザ店を出店するに際し、株式会社オガタとの間で、次の内容を含む「メガネの愛眼チェーン加入契約」を締結した。 a 株式会社オガタは、原告登録商標1及び2を使用して眼鏡光学製品の小売業を営むことができる(第1条)。 b 株式会社オガタが原告登録商標1及び2の下で販売する商品は、すべて原告の供給するものでなければならない(第4条)。 c 株式会社オガタは、前記aの商標使用権を、原告の承諾なしに他の者に譲渡し又は貸与することはできない(第10条)。 d 契約不履行により契約を解除する場合は、150日以上前に通知しなければならない(第12条)。 e 契約が解除されたときは、株式会社オガタは、2か月以内に契約に基づく営業を停止し、契約に基づき使用した商標、広告、看板などを撤去しなければならない(第12条)。 (キ) 原告は、昭和48年12月30日、被告有限会社メガネの愛眼との間においても、前記(カ)と同様の内容の「メガネの愛眼チェーン加入契約」を締結した。 (ク) しかし、株式会社オガタ及び被告有限会社メガネの愛眼は、福岡ショッパーズプラザ店において、原告登録商標1及び2を使用して原告の供給した商品以外の商品を販売し、前記(カ)bの条項(第4条)に違反するなどした(甲第50、第51、第55号証) ガネの愛眼は、福岡ショッパーズプラザ店において、原告登録商標1及び2を使用して原告の供給した商品以外の商品を販売し、前記(カ)bの条項(第4条)に違反するなどした(甲第50、第51、第55号証)。そこで、原告は、株式会社オガタ及び被告有限会社メガネの愛眼に対し、書面により、昭和51年11月末日をもって前記(カ)、(キ)の契約を解除する旨を通知するとともに、昭和52年1月末日までに原告登録商標1及び2の使用を中止し、福岡ショッパーズプラザ店を明け渡すよう催告し、同書面は、昭和51年6月8日、株式会社オガタ及び被告有限会社メガネの愛眼に到達した。 (ケ) ところが、株式会社オガタ及び被告有限会社メガネの愛眼は、福岡ショッパーズプラザ店における営業を中止しなかった(甲第50、第51号証、第55号証)。そこで、原告は、株式会社オガタ及び被告有限会社メガネの愛眼を被告として、福岡ショッパーズプラザ店の明渡しを求める訴えを提起し(大阪地方裁判所昭和52年(ワ)第991号)、原告勝訴の判決を得、控訴審(大阪高等裁判所昭和53年(ネ)第1756号)において、昭和55年4月23日、株式会社オガタ及び被告有限会社メガネの愛眼が福岡ショッパーズプラザ店を明け渡すことなどを内容とする裁判上の和解が成立した。 (コ) 上記和解には、次のような条項が定められていた(和解条項中の「控訴人ら」とは、株式会社オガタ及び被告有限会社メガネの愛眼を指し、「被控訴人」とは、原告のことを指す。乙第26号証)。 「一控訴人らと被控訴人は、控訴人らが被控訴人に対し別紙物件目録記載の建物(以下「本件建物」という)につき控訴人らの施工した内装等の造作を撤去して右建物を明渡すことを本日合意した。 二被控訴人は控訴人らに対し、 が被控訴人に対し別紙物件目録記載の建物(以下「本件建物」という)につき控訴人らの施工した内装等の造作を撤去して右建物を明渡すことを本日合意した。 二被控訴人は控訴人らに対し、前項の造作撤去並びに本件建物の明渡期限を昭和五五年一〇月三一日まで猶予し、控訴人らは被控訴人に対し、右同日限り、右建物に控訴人らが施工した内装等の造作を撤去して右建物を明渡す。 三被控訴人は控訴人株式会社オガタに対し、前項の撤去並びに明渡完了後、直ちに、控訴人株式会社オガタより保証金および協力金名下に預かり中の金二八一二万二一〇〇円を控訴代理人弁護士P8の法律事務所(大阪市)へ持参又は送金して返還すると共に、舶来フレーム、レンズ等の割戻金残額金として金二五一万〇四七〇円を前同様の方法により支払う。 但し、控訴人らのいずれか一方でも、前項の撤去又は明渡を遅滞したときは、被控訴人は、右割戻金残額金二五一万〇四七〇円の支払義務を当然に免れる。 四控訴人らおよび被控訴人の双方は、いずれも、それぞれの経営する店舗(被控訴人にあっては、その主宰する「メガネの愛眼チェーン」加盟店の店舗を含む)に於て加工・調整・販売する商品につき、一般公衆(消費者・顧客)をして彼此混同誤認せしめないよう努める。 五控訴人らと被控訴人とは、相互に、相手方を誹謗中傷する等不当な手段により相手方の営業上の信用を害するような行為を為さないことを確約すると共に、今後の営業活動に関し、それぞれの相手方の顧客との間において営業主体が異なることを明瞭にするよう相互に配慮することを確認する。」以上の事実が認められる。 エ(ア) 前記ウ(ア)ないし(コ)の認定事実によれば、株式会社 客との間において営業主体が異なることを明瞭にするよう相互に配慮することを確認する。」以上の事実が認められる。 エ(ア) 前記ウ(ア)ないし(コ)の認定事実によれば、株式会社オガタ及び被告有限会社メガネの愛眼は、「メガネの愛眼チェーン加入契約」により、原告登録商標1及び2について使用許諾を受けていたが、同契約の解除によって使用の権原を失ったというべきである。 (イ) 被告らは、和解条項(前記ウ(コ))第五項の趣旨について、「控訴人ら」(株式会社オガタ及び被告有限会社メガネの愛眼)において、「メガネの愛眼」という標章を使用することがあった場合に、営業主体が異なることを明瞭ならしめなければならないという意味でしかなく、「メガネの愛眼」、「天神愛眼」等の使用禁止をうたったものではない旨主張する。 しかし、上記和解条項第五項は、その文言からして、「メガネの愛眼」、「天神愛眼」等の使用を黙認する趣旨であるとは認められない。また、上記和解は、そもそも福岡ショッパーズプラザ店の建物明渡請求訴訟の和解であり、和解条項第一、第二項において、同店の明渡しについて定められているから、それによって、明渡し後は同店における株式会社オガタ及び被告有限会社メガネの愛眼による商標使用の可能性はなくなったものと認められる。そうであるとすると、それ以上に商標の使用を禁止する条項がなかったとしても、それによって、原告が株式会社オガタ及び被告有限会社メガネの愛眼に対して「メガネの愛眼」、「天神愛眼」等の使用を認めたと解することはできないというべきである。前記認定のとおり、株式会社オガタ及び被告有限会社メガネの愛眼は、「メガネの愛眼チェーン加入契約」の解除によって原告登録商標1、2の使用権原を失ったものであるから、上記和解 きないというべきである。前記認定のとおり、株式会社オガタ及び被告有限会社メガネの愛眼は、「メガネの愛眼チェーン加入契約」の解除によって原告登録商標1、2の使用権原を失ったものであるから、上記和解は、株式会社オガタ及び被告有限会社メガネの愛眼が、原告登録商標1、2又はそれらに類似した標章を使用できないことを前提としていたものというべきである。 (ウ) 甲第78号証の1・2・5・29・31、乙第3号証の1によれば、前記原告と株式会社オガタ及び被告有限会社メガネの愛眼との訴訟が控訴審係属中の昭和54年11月に、被告天神愛眼(当時の商号はP6商事株式会社)は被告登録商標1の出願を行ったこと、そして、和解成立後1年余を経過した昭和56年10月に被告登録商標1の出願公告がされ、同年12月には、これを知った原告が商標登録異議申立てを行ったこと、上記登録異議手続の中で、原告は、昭和56年12月4日付の朝日新聞に天神愛眼グループがした広告(甲第78号証の29)を提出して、「申立人会社の組織する『メガネの愛眼チェーン』に属しない出願人会社の系列会社が、無断で「メガネの愛眼」、「愛眼」を使用し、本願商標(中略)の出願が、不正競争の目的を有するものであることを立証する。」としたのに対し、被告天神愛眼は、「本願出願人は知らないし、(中略)出願が不正競争の目的を有するという主張は否認する。」と主張したが、前件和解については何ら触れていないことが認められる。 上記事実は、前件和解では、株式会社オガタ及び被告有限会社メガネの愛眼が、原告登録商標1、2又はそれらに類似した標章を使用できないことを前提としており、だからこそ、被告登録商標1の出願を知った原告が商標登録異議申立てをし、被告天神愛眼も、「メガネの愛眼」と「天神愛眼」の類否について 1、2又はそれらに類似した標章を使用できないことを前提としており、だからこそ、被告登録商標1の出願を知った原告が商標登録異議申立てをし、被告天神愛眼も、「メガネの愛眼」と「天神愛眼」の類否については主張するものの、前件和解については触れていないと考えると、理解しやすいところである。したがって、上記事実も、前記認定を裏付けるものということができる。 (エ) その他、原告登録商標1、2の出願前に「メガネの愛眼」又は「愛眼」という標章が被告らの商標として周知であったことを認めるに足りる証拠はない。また、被告標章1ないし3が福岡市周辺である程度知られており、被告らが、店舗外装の基調色を原告の店舗と変えるなどしているとしても、被告らが、原告登録商標1ないし3と類似する被告標章1、3を使用していることからすれば、被告光正は、原告の商品又は営業との混同を生じさせているというべきであり、被告らの前記アの主張は、採用することができない。 9 抗弁(1)(通常使用権の行使)について(1) 被告商標権被告天神愛眼が、被告商標権1、2を有していることは、当事者間に争いがない。 (2) 通常使用権の許諾被告光正が、被告天神愛眼から被告商標権1、2につき、通常使用権の許諾を受けていることは、当事者間に争いがない。 (3) 通常使用権の行使ア被告天神愛眼は、被告商標権1、2を有しており、被告光正は、被告商標権1、2につき通常使用権を許諾されているから、被告光正の被告標章1の使用、被告標章3の被告標章3-表示態様①、②の使用が上記通常使用権の行使であるとすれば、それらの使用は、商標権侵害又は不正競争とはならないものというべきである。もっとも、被告天神愛眼は、被告商標権1、2に基づき、その指定商品について被告 ②の使用が上記通常使用権の行使であるとすれば、それらの使用は、商標権侵害又は不正競争とはならないものというべきである。もっとも、被告天神愛眼は、被告商標権1、2に基づき、その指定商品について被告登録商標1、2と同一の商標を使用することについて使用権を専有するにとどまるから、被告光正の通常使用権もその範囲内において認められるにとどまり、被告登録商標1、2と類似するとしても同一でない標章の使用、又は指定商品についての使用とはいえない標章の使用は、通常使用権の行使に該当しないというべきである。 イそこで、被告標章1の使用、被告標章3の被告標章3-表示態様①、②の使用が、被告登録商標1、2と同一の標章の使用、又はその指定商品についての使用と認められるかについて検討する。 (ア) 被告登録商標1は、「天神愛眼」という文字をすべて同じ大きさの文字により横書きにしたものであり、その全体が要部であると認められ、「てんじんあいがん」という称呼を生ずるものと認められる。 これに対し、被告標章1は、「愛眼」という文字を大きく横書きにし、その左横に「天神」という文字を小さく縦書きにしたものであり、「愛眼」という部分が要部と認められ、その全体により「てんじんあいがん」と称呼され、又はその要部により「あいがん」と称呼されるものと認められる。したがって、被告標章1は、被告登録商標1と外観が異なり、その要部の称呼が被告登録商標1と異なるから、被告登録商標1と同一であるとは認められない。 また、被告登録商標2は、「愛眼ビル」という文字を大きく横書きにし、その左横に「天神」という文字を小さく縦書きにしたものであり、「愛眼ビル」という文字が大きいことから、「愛眼ビル」という部分が要部と認められ、その全体により「て ビル」という文字を大きく横書きにし、その左横に「天神」という文字を小さく縦書きにしたものであり、「愛眼ビル」という文字が大きいことから、「愛眼ビル」という部分が要部と認められ、その全体により「てんじんあいがんびる」という称呼を生じ、又はその要部により「あいがんびる」という称呼を生じるものと認められる。したがって、被告標章1は、被告登録商標2と外観、称呼が異なるから、被告登録商標2と同一であるとは認められない。 そうであるとすれば、被告標章1は被告登録商標1、2と同一とは認められず、被告光正による被告標章1の使用は、被告光正の通常使用権の行使に該当するものとは認められない。 (イ) 被告商標権1、2の通常使用権の行使というためには、その指定商品についての行使でなければならないところ、被告標章3-表示態様①、②の使用の場合、被告標章3は、建物としてのビルを指し示す表示として用いられており、眼鏡の広告に付されているものではなく、その他、被告登録商標1、2の指定商品について使用されていることを認めるに足りる証拠はない。 したがって、被告標章3-表示態様①、②の場合、被告標章3は被告登録商標1、2の指定商品について使用されておらず、被告光正の通常使用権の行使に該当するとは認められない。 ウ以上によれば、被告標章1の使用、被告標章3の被告標章3-表示態様①、②の使用が、被告光正による被告商標権1、2の通常使用権の行使に該当するという抗弁は、採用することができない。 抗弁(2)(権利濫用及び信義則違反)について被告らは、前件和解において、原告が、被告らにおいて「メガネの愛眼」や「愛眼」という語を含む文字標章の使用を継続することを容認した旨主張するが、これを認めるに足りる証拠は 義則違反)について被告らは、前件和解において、原告が、被告らにおいて「メガネの愛眼」や「愛眼」という語を含む文字標章の使用を継続することを容認した旨主張するが、これを認めるに足りる証拠はなく、かえって、前件和解においては、株式会社オガタ及び被告有限会社メガネの愛眼が、原告登録商標1、2又はそれらに類似した標章を使用できないことを前提としていたことは、前認定のとおりである。 また、商標法及び不正競争防止法においては、商標権者又は周知商品等表示の保有者以外の者が従来築いてきた信用については、先使用権等の制度による実定法の規定に基づく保護が存在するのであって、これに該当しないものについて、長年特定の地方で使用してきた事実が存在するからといって、そのことから、直ちに商標権や不正競争防止法に基づく請求が、権利濫用や信義則違反となるものではない。 被告らの、権利濫用及び信義則違反の主張は採用することができない。 11 請求原因(10)(営業上の利益の侵害)について弁論の全趣旨によれば、被告光正による不正競争により、原告の営業上の利益が侵害されたことが認められる。 12 請求原因(11)(故意過失)について前記8(2)ウ(ア)ないし(コ)認定のとおり、原告と株式会社オガタ及び被告有限会社メガネの愛眼との間には、従前、取引関係や原告登録商標1及び2の使用許諾をめぐる関係が存在していたものであり、原告と被告らは、互いに相手方の商標権、使用標章及びその周知性等について関心をもっていたものと推認され、被告光正は、遅くとも被告店舗1において被告標章1、3の使用を開始した平成15年10月4日までには、原告登録商標1ないし3の存在及び原告登録商標1、3の周知性を認識していたものと推認されるから、商標権侵害及び不正競争を行うについ において被告標章1、3の使用を開始した平成15年10月4日までには、原告登録商標1ないし3の存在及び原告登録商標1、3の周知性を認識していたものと推認されるから、商標権侵害及び不正競争を行うについて、被告光正には故意又は少なくとも過失があったものと認められる。 13 請求原因(12)(共同不法行為)について被告店舗1、2においてメガネの販売を行っているのは被告光正のみであり、商標権侵害及び不正競争を行ったのは被告光正のみであると認められるから、原告による共同不法行為の主張は、採用することができない。 14 請求原因(13)(損害)について(1)ア被告標章1の被告標章1-表示態様①の使用は、商標法2条3項8号、37条1号に基づく原告商標権1ないし3の侵害及び不正競争防止法2条1項1号の不正競争に該当し、被告標章3の被告標章3-表示態様①、②の使用は、不正競争防止法2条1項1号の不正競争に該当する。 イ被告標章1の被告標章1-表示態様①の使用は、平成15年10月ごろに作成された被告店舗1のちらし(甲第9号証)についてのものであり、被告標章3の被告標章3-表示態様②の使用は、同年11月に作成された被告店舗1のちらし(乙第84号証)についてのものである。 乙第102号証の2によれば、被告店舗1の平成15年10月の売上げは506万8006円、同年11月の売上げは276万4085円であることが認められる。 被告標章1、3の上記使用についての原告登録商標1ないし3の使用料相当額(被告標章1-表示態様①の使用による商標権侵害についての原告登録商標1ないし3の使用料相当額、被告標章1-表示態様①、被告標章3-表示態様②の使用による不正競争についての原告登録商標1及び3の使用料相当額)は、売上げの 使用による商標権侵害についての原告登録商標1ないし3の使用料相当額、被告標章1-表示態様①、被告標章3-表示態様②の使用による不正競争についての原告登録商標1及び3の使用料相当額)は、売上げの2%をもって相当と認められるから、上記被告標章1-表示態様①についての使用料相当額は10万1360円(506万8006円×0.02=10万1360円)、被告標章3-表示態様②についての使用料相当額は5万5281円(276万4085円×0.02=5万5281円)であると認められる。 ウ(ア) 被告標章3の被告標章3-表示態様①の使用は、被告店舗1の看板についてのものであるところ、甲第7号証、第9号証、乙第11号証によれば、同看板は、平成15年10月4日の被告店舗1の開店当初から現在まで設置されているものと認められる。 (イ) 原告は、平成15年10月18日から本件口頭弁論終結時(平成17年4月19日)までの間(18.06か月)の損害を請求する趣旨と解される。 (ウ) 甲第9号証によれば、被告店舗1は、平成15年10月4日開店したことが認められ、乙第102号証の2によれば、同日から平成16年1月31日までの間(3.9か月)の被告店舗1の売上げは1386万5354円であることが認められる。また、乙第103号証の2によれば、同年2月1日から同年11月30日までの間(10か月)の被告店舗1の売上げは1599万1144円であることが認められる。そうであるとすると、被告店舗1の売上げは、13.9月間(3.9か月+10か月=13.9か月)で2985万6498円(1386万5354円+1599万1144円=2985万6498円)であり、1か月の平均の売上げは214万7949円(2985万6498円÷13.9か月=214万7949円)で 985万6498円(1386万5354円+1599万1144円=2985万6498円)であり、1か月の平均の売上げは214万7949円(2985万6498円÷13.9か月=214万7949円)であることが認められる。 したがって、前記(イ)の18.06か月間の売上げは、4087万5469円(214万7949円×18.06か月=3879万1958円)であると認められる。 (エ) 被告標章3の上記使用についての原告登録商標1及び3の使用料相当額は、売上げの2%をもって相当と認められるから、上記被告標章3-表示態様①についての使用料相当額は77万5839円(3879万1958円×0.02=77万5839円)と認められる。 エ前記イ、ウ(エ)の損害の合計は、93万2480円(10万1360円+5万5281円+77万5839円=93万2480円)であると認められる。 オ原告は、被告らが、平成15年10月18日以降、被告標章1ないし3の使用により得た利益が800万円を下らない旨主張する。しかし、被告標章1及び3の使用の程度、状況からみて、本件全証拠によっても、被告光正が被告標章1及び3の使用により、上記エ認定の額を超える利益を得たと認めることはできない(被告標章2の使用が商標権侵害及び不正競争に該当しないことは前示のとおりである。)。 (2) 原告は、本件訴訟の追行を弁護士に委任せざるを得なかったものであり、本件の事案の性質、審理の経過、前記(1)オ認定の損害額等諸般の事情を考慮すると、被告光正による商標権侵害の不法行為及び不正競争と相当因果関係にある損害としての弁護士費用は、15万円と認めるのが相当である。 (3) したがって、損害の合計は108万2480円(93万2480円+15万円=1 標権侵害の不法行為及び不正競争と相当因果関係にある損害としての弁護士費用は、15万円と認めるのが相当である。 (3) したがって、損害の合計は108万2480円(93万2480円+15万円=108万2480円)と認められる。 差止めの必要性について被告光正は、被告店舗のちらしに被告標章1を付して頒布しているところ、これが商標権侵害及び不正競争であることを争っており、今後も被告標章1を付したちらしを頒布するおそれがあるから、その差止めとちらしの廃棄を命ずる必要がある。 被告標章3は、被告標章3-表示態様①、②のように建物としてのビルを指し示す表示として用いられる場合は、不正競争に該当するが、そうでない場合には、不正競争に該当しないこともあり得る。しかし、被告光正は、被告標章3を被告標章3-表示態様①、②のように使用していたものであって、本訴においてそれが不正競争であることを争っており、今後もそのような態様で使用するおそれが認められるから、不正競争を停止又は予防するためには、被告標章3を被告店舗1の看板に付して展示すること及び被告店舗1のちらしに付して頒布することを差止めるとともに、被告店舗1の看板からの被告標章3の抹消、被告標章3を付した被告店舗1のちらしの廃棄の請求を命ずる必要があるものと認められる。 16 よって、原告の請求は、被告光正に対し、不正競争防止法2条1項1号、3条1項に基づき、被告店舗1の看板に被告標章3を付して展示すること、商標法2条3項8号、37条1号、36条1項又は不正競争防止法2条1項1号、3条1項に基づき、被告店舗1のちらしに被告標章1又は3を付して頒布することの差止めを求め、不正競争防止法2条1項1号、3条2項に基づき、被告店舗1の看板から被告標章3を抹消すること、商標法2条3項8号、 に基づき、被告店舗1のちらしに被告標章1又は3を付して頒布することの差止めを求め、不正競争防止法2条1項1号、3条2項に基づき、被告店舗1の看板から被告標章3を抹消すること、商標法2条3項8号、37条1号、36条2項又は不正競争防止法2条1項1号、3条2項に基づき、被告標章1又は3を付した被告店舗1のちらしを廃棄することを求め、民法709条、商標法2条3項8号、37条1号、38条3項又は不正競争防止法2条1項1号、4条、5条3項1号に基づき原告登録商標1ないし3の使用料相当額93万2480円及び弁護士費用15万円の合計108万2480円の支払を求める限度で理由があるからこれを認容し、その余はいずれも理由がないから棄却することとし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法61条、64条本文、65条1項ただし書を、仮執行宣言につき同法259条1項をそれぞれ適用して、主文のとおり判決する。 大阪地方裁判所第26民事部裁判長裁判官山田知司 裁判官髙松宏之 裁判官守山修生(別紙)被告店舗目録 1 東京都中野区所在の店舗 2 東京都新宿区所在の店舗被告標章目録原告商標目録被告商標目録(別紙)取引の経緯(原告主張) 1 原告の前身は、P5の個人企業であるP5商店であったが、P5商店は、昭和26年ごろから、P7の個人企業であるP6時計店に対し、眼鏡の卸売りをしていた。 2 昭和36年1月、P5商店が法人成り ) 1 原告の前身は、P5の個人企業であるP5商店であったが、P5商店は、昭和26年ごろから、P7の個人企業であるP6時計店に対し、眼鏡の卸売りをしていた。 2 昭和36年1月、P5商店が法人成りしてP5を代表取締役として原告が設立され、P5商店とP7との取引は、原告とP7のと間に引き継がれた。 3 P7は、昭和40年ごろ、原告が主宰する、原告の卸売先の眼鏡小売店からなるボランタリーチェーンに加盟した。 4 原告は、昭和40年4月、P7の依頼により、同人の子であるP1を原告に入社させた。P1は、昭和41年3月まで原告に勤務し、眼鏡小売業について学んだ。 5 原告は、昭和42年ごろ、P1に対し、同人が眼鏡小売店を開店するに際し、原告と円満な取引関係が継続することを前提として、原告登録商標1(ただし、当時、原告登録商標1は未だ商標登録出願されていなかった。)の使用を許諾した。 6 P1は、昭和42年11月、被告有限会社メガネの愛眼を設立し、原告は、被告有限会社メガネの愛眼に眼鏡の卸売りを行い、原告登録商標1についての使用許諾は、原告と被告有限会社メガネの愛眼の間に引き継がれた。 7 P7は、昭和43年9月、P6時計店を法人成りさせて株式会社オガタを設立し、原告とP6時計店との取引は、原告と株式会社オガタとの間に引き継がれた。 8 昭和45年ごろ、株式会社ダイエーの福岡ショッパーズプラザに、原告が店舗を賃借し、眼鏡店として出店することとなった。当初、原告が直営店として出店する予定であったが、そのころ、原告は、フランチャイズチェーンである愛眼チェーンを企画していたことから、原告の主宰するボランタリーチェーン加盟店である株式会社武田眼鏡店に原告のフランチャイジーとして出店させることとした。 しかし、株式会社武田眼鏡店がフランチャイジーとして出店す ていたことから、原告の主宰するボランタリーチェーン加盟店である株式会社武田眼鏡店に原告のフランチャイジーとして出店させることとした。 しかし、株式会社武田眼鏡店がフランチャイジーとして出店することが、資金的、人的に不可能となり、株式会社武田眼鏡店と株式会社オガタが協議し、原告に対し、株式会社オガタに原告のフランチャイジーとして出店させてほしいと依頼し、株式会社オガタが原告のフランチャイジーとして出店することとなった。 9 原告は、昭和46年6月1日、株式会社オガタが原告のフランチャイジーとして福岡ショッパーズプラザに出店するに際し(以下、この店舗を「福岡ショッパーズプラザ店」という。)、株式会社オガタとの間で、次の内容を含む「メガネの愛眼チェーン加入契約」を締結した。 ア株式会社オガタは、原告登録商標1及び2を使用して眼鏡光学製品の小売業を営むことができる(第1条)。 イ株式会社オガタが原告登録商標1及び2の下で販売する商品は、すべて原告の供給するものでなければならない(第4条)。 ウ株式会社オガタは、前記アの商標使用権を、原告の承諾なしに他の者に譲渡し又は貸与することはできない(第10条)。 エ契約不履行により契約を解除する場合は、150日以上前に通知しなければならない(第12条)。 オ契約が解除されたときは、株式会社オガタは、2か月以内に契約に基づく営業を停止し、契約に基づき使用した商標、広告、看板などを撤去しなければならない(第12条)。 原告は、昭和48年12月30日、被告有限会社メガネの愛眼との間においても、前記9と同様の内容の「メガネの愛眼チェーン加入契約」を締結した。 前記5の原告登録商標1の使用許諾は、この「メガネの愛眼チェーン加入契約」に変更的・発展的に吸収され、終了した。 おいても、前記9と同様の内容の「メガネの愛眼チェーン加入契約」を締結した。 前記5の原告登録商標1の使用許諾は、この「メガネの愛眼チェーン加入契約」に変更的・発展的に吸収され、終了した。 11 しかし、株式会社オガタ及び被告有限会社メガネの愛眼は、福岡ショッパーズプラザ店において、原告登録商標1及び2を使用して原告の供給した商品以外の商品を販売し、前記9イの条項(第4条)に違反するなどした。そこで、原告は、株式会社オガタ及び被告有限会社メガネの愛眼に対し、書面により、昭和51年11月末日をもって前記9、10の契約を解除する旨を通知するとともに、昭和52年1月末日までに原告登録商標1及び2の使用を中止し、福岡ショッパーズプラザ店を明け渡すよう催告し、同書面は、昭和51年6月8日、株式会社オガタ及び被告有限会社メガネの愛眼に到達した。 12 ところが、株式会社オガタ及び被告有限会社メガネの愛眼は、福岡ショッパーズプラザ店における営業を中止しなかった。そこで、原告は、株式会社オガタ及び被告有限会社メガネの愛眼を被告として、福岡ショッパーズプラザ店の明渡しを求める訴えを提起し(大阪地方裁判所昭和52年(ワ)第991号)、原告勝訴の判決を得、控訴審(大阪高等裁判所昭和53年(ネ)第1756号)において、昭和55年4月23日、株式会社オガタ及び被告有限会社メガネの愛眼が福岡ショッパーズプラザ店を明け渡すことなどを内容とする裁判上の和解が成立した(和解調書は乙第26号証)。 13 上記和解においては、「控訴人らと被控訴人とは、相互に、相手方を誹謗中傷する等不当な手段により相手方の営業上の信用を害するような行為を為さないことを確約すると共に、今後の営業活動に関し、それぞれの相手方の顧客との間において営業主体が異なることを明瞭にするよう相互に配慮 する等不当な手段により相手方の営業上の信用を害するような行為を為さないことを確約すると共に、今後の営業活動に関し、それぞれの相手方の顧客との間において営業主体が異なることを明瞭にするよう相互に配慮することを確認する。」(和解条項第五項。「控訴人ら」とは、株式会社オガタ及び被告有限会社メガネの愛眼を指し、「被控訴人」とは、原告のことを指す。)という条項が定められていた。 この和解条項第五項の趣旨は、株式会社オガタ及び被告有限会社メガネの愛眼が原告登録商標1、2の使用を中止し、また、原告登録商標1、2と類似し、狭義又は広義の混同を生ずるおそれのある標章を使用しないことを約束するものであった。 取引の経緯(被告ら主張)第1 別紙「取引の経緯(原告主張)」に対する認否 1 取引の経緯(原告主張)1の事実のうち、P5商店が昭和26年ごろからP7の個人企業であるP6時計店に対し眼鏡の卸売りをしていたことは認め、その余は不知。 なお、P5商店は、九州地方に眼鏡等の卸業者として進出した後も、知名度を獲得しておらず、地元の眼鏡等優良小売店であるP6時計店へ商品売込みのため足繁く通っていたものであり、P6時計店にとっては、多数の出入卸売業者の一つにすぎなかった。 2 取引の経緯(原告主張)2の事実のうち、P5商店とP7との取引が原告とP7との間に引き継がれたことは認め、その余は不知。 3 取引の経緯(原告主張)3の事実は否認する。 4 取引の経緯(原告主張)4の事実のうち、P1が昭和40年4月から昭和41年3月まで原告に勤務したことは認め、その余は否認する。 5 取引の経緯(原告主張)5の事実は否認する。 6 取引の経緯(原告主張)6の事実のうち、P1が、昭和42年11月、 年4月から昭和41年3月まで原告に勤務したことは認め、その余は否認する。 5 取引の経緯(原告主張)5の事実は否認する。 6 取引の経緯(原告主張)6の事実のうち、P1が、昭和42年11月、被告有限会社メガネの愛眼を設立したこと、原告が被告有限会社メガネの愛眼に眼鏡の卸売りを行ったことは認め、その余は否認する。 7 取引の経緯(原告主張)7の事実は認める。 8 取引の経緯(原告主張)8の事実のうち、株式会社オガタが株式会社ダイエーの福岡ショッパーズプラザに出店したことは認め、その余は否認する。 9 取引の経緯(原告主張)9の事実のうち、原告が、昭和46年6月1日、株式会社オガタとの間で、同9アないしオ記載の内容を含む「メガネの愛眼チェーン加入契約」を締結したことは認め、その余は否認する。 上記契約は、福岡ショッパーズ店のみが対象であり、かつ、フランチャイズ契約の実質を伴うものではなく、記載条項どおりに株式会社オガタを拘束するものではなかった。 10 取引の経緯(原告主張)10の事実のうち、原告が、昭和48年12月30日、被告有限会社メガネの愛眼との間において、同9アないしオ記載の内容を含む「メガネの愛眼チェーン加入契約」を締結したことは認め、その余は否認する。 上記契約は、川端店のみが対象であり、かつ、フランチャイズ契約の実質を伴うものではなく、記載条項どおりに被告有限会社メガネの愛眼を拘束するものではなかった。 11 取引の経緯(原告主張)11の事実のうち、原告が、株式会社オガタ及び被告有限会社メガネの愛眼に対し、書面により、昭和51年11月末日をもって「メガネの愛眼チェーン加入契約」を解除する旨を通知するとともに、昭和52年1月末日までに原告登録商標1及び2の使用を中止し、福岡ショッパーズ ネの愛眼に対し、書面により、昭和51年11月末日をもって「メガネの愛眼チェーン加入契約」を解除する旨を通知するとともに、昭和52年1月末日までに原告登録商標1及び2の使用を中止し、福岡ショッパーズプラザ店を明け渡すよう催告し、同書面が、昭和51年6月8日、株式会社オガタ及び被告有限会社メガネの愛眼に到達したことは認め、その余は否認する。 12 取引の経緯(原告主張)12の事実のうち、原告が、株式会社オガタ及び被告有限会社メガネの愛眼を被告として、福岡ショッパーズプラザ店の明渡しを求める訴えを提起し(大阪地方裁判所昭和52年(ワ)第991号)、原告勝訴の判決を得、控訴審(大阪高等裁判所昭和53年(ネ)第1756号)において、昭和55年4月23日、株式会社オガタ及び被告有限会社メガネの愛眼が福岡ショッパーズプラザ店を明け渡すことなどを内容とする裁判上の和解が成立したことは認め、その余は否認する。 13 取引の経緯(原告主張)13の事実のうち、昭和55年4月23日の和解において、「控訴人らと被控訴人とは、相互に、相手方を誹謗中傷する等不当な手段により相手方の営業上の信用を害するような行為を為さないことを確約すると共に、今後の営業活動に関し、それぞれの相手方の顧客との間において営業主体が異なることを明瞭にするよう相互に配慮することを確認する。」という条項が定められていたことは認め、その余の事実は否認し、主張は争う。 上記和解条項の趣旨は、「控訴人ら」(株式会社オガタ及び被告有限会社メガネの愛眼)において、「メガネの愛眼」を使用することがあったとしても、営業主体が異なることを明瞭ならしめなければならないという意味でしかなく、その文言上から明らかなとおり、「メガネの愛眼」、「天神愛眼」等の使用禁止をうたったものでは決してない。 があったとしても、営業主体が異なることを明瞭ならしめなければならないという意味でしかなく、その文言上から明らかなとおり、「メガネの愛眼」、「天神愛眼」等の使用禁止をうたったものでは決してない。 第2 取引の経緯等 1 被告ら天神愛眼グループの前身は、明治12年に福岡県甘木市で創業したP6時計店に始まるが、同店は、設立当初から時計、眼鏡の小売や修理などを行い、戦前には九州の同業者中最高の所得税を納めた実績があった。 なお、当時、P5商店は、九州地方においては、知名度も獲得しておらず、P6時計店にとっては、多数の出入卸売業者の一つにすぎなかった。 2 原告は、前身のP5商店の時代から昭和30年代後半まで、眼鏡の卸売を主たる業としており、小売を業とするP6時計店に眼鏡を卸売りしていた。 3 P7は、昭和26年ころから、P5商店から眼鏡等を仕入れるようになり、P5商店が開催する仕入得意先や販売先としての小売業者との懇親会に度々参加するなどするうち、次第に、P5商店(又は瑞宝眼鏡光学株式会社)にとって最も優良な取引先となり、P5商店代表者であったP5個人にとっても「九州の親戚」と言わしめるほどに親戚同然の付き合いをする人物となった。そのような関係を前提として、P5とP1は、昭和42年10月ごろ、当時、まだ知名度も得ておらず、商標登録出願もしていない、独占的排他性のない「メガネの愛眼」という文字標章につき、包括的な相互使用の合意をし、互いに「メガネの愛眼」という名称を使用し、それぞれ独自の企業として企業活動をしていくことで、その名を広めて共栄していくこととした。 4 昭和42年11月26日、被告有限会社メガネの愛眼が設立されたが、その商号は、P6時計店の代表者であったP7が、原告代表者であったP5から、「メガネの愛眼」とい て共栄していくこととした。 4 昭和42年11月26日、被告有限会社メガネの愛眼が設立されたが、その商号は、P6時計店の代表者であったP7が、原告代表者であったP5から、「メガネの愛眼」という名称を商号に使用してその名称を広めてほしいと勧められたことにより、決められた。原告が昭和43年7月9日に「メガネの愛眼」(縦書き)という原告登録商標1を登録出願するに先立ち、被告有限会社メガネの愛眼は、昭和42年12月、福岡県筑紫野市に眼鏡小売店「メガネの愛眼」二日市店を開店して「メガネの愛眼」という標章の使用を開始し、その標章の下で、以後、原告とは全く別個に独立の営業体、企業体として、独自の立場で宣伝、広告等を企画、実行し、独自の商売上の信用と基板を獲得していった。被告有限会社メガネの愛眼は、昭和43年、福岡県職員互助会協力店に加盟するなど、業務展開を続け、福岡県下に「メガネの愛眼」の店名で、また、グループを形成していく過程では「天神愛眼」の店名で、店舗網を拡大していった。 5 原告は、昭和30年代後半以後、眼鏡の小売店を展開し、昭和40年代には、フランチャイズチェーン形式での店舗展開を始めた。 6 株式会社ダイエーの福岡ショッパーズプラザへの出店は、もともと、原告の斡旋により、株式会社オガタが直営店を出店するという話をきっかけとしたが、原告から、株式会社ダイエーとの関係では原告が借主となるので、原告と株式会社オガタの間でフランチャイズ契約の形式を採らなければならないなどと要請されたことから、原告と株式会社オガタは、昭和46年6月1日、フランチャイズ契約を締結することとなった。そして、これは、株式会社ダイエーとの関係で、フランチャイズ契約の形式を採ったにすぎず、株式会社オガタ及び原告とも、株式会社オガタが独自に福岡ショッパーズプラザ チャイズ契約を締結することとなった。そして、これは、株式会社ダイエーとの関係で、フランチャイズ契約の形式を採ったにすぎず、株式会社オガタ及び原告とも、株式会社オガタが独自に福岡ショッパーズプラザ店の営業方針を決定し、独立した立場で同店を経営することを当然の前提としていた。 7 天神愛眼グループが原告とフランチャイズチェーン契約を締結した店舗は、福岡ショッパーズプラザ店と川端店の2店のみであり、天神愛眼グループの他の店舗は、原告と被告有限会社メガネの愛眼との間でフランチャイズ契約が締結された昭和48年12月30日以後も原告と無関係に出店し、前記3のとおり使用の合意をした「メガネの愛眼」やその他の標章を使用しつつ、独自に発展し、昭和55年の時点までに九州地方に延べ17店舗を出店し、うち15店舗で営業を継続していた。 原告と被告有限会社メガネの愛眼の間で昭和48年12月30日に締結された「メガネの愛眼チェーン加入契約」に基づく原告登録商標1の使用許諾は、前記3の「メガネの愛眼」という名称の使用の合意とは別であり、後者が前者に変更的・発展的に吸収されたという関係にない。 8 福岡ショッパーズプラザ店については、前記6のいきさつを原因として、原告と株式会社オガタの間で店舗経営の方式等をめぐって紛争が生じ、原告は、原告自身が株式会社ダイエーから直接福岡ショッパーズプラザ店を賃借する形式を採っていることを殊更前面に押し出して、株式会社オガタ及び被告有限会社メガネの愛眼に対し、福岡ショッパーズプラザ店の明渡しを求める建物明渡訴訟を提起し(大阪地方裁判所昭和52年(ワ)第991号)、その控訴審(大阪高等裁判所昭和53年(ネ)第1756号)において、昭和55年4月23日、訴訟上の和解が成立した。 9 上記和解においては、「控訴人ら 阪地方裁判所昭和52年(ワ)第991号)、その控訴審(大阪高等裁判所昭和53年(ネ)第1756号)において、昭和55年4月23日、訴訟上の和解が成立した。 9 上記和解においては、「控訴人らと被控訴人とは、相互に、相手方を誹謗中傷する等不当な手段により相手方の営業上の信用を害するような行為を為さないことを確約するとともに、今後の営業活動に関し、それぞれの相手方の顧客との間において営業主体が異なることを明瞭にするよう相互に配慮することを確認する。」(和解条項第五項。「控訴人ら」とは、株式会社オガタ及び被告有限会社メガネの愛眼を指し、「被控訴人」とは、原告のことを指す。)という条項が定められていた。 この和解条項第五項は、その文理から素直に合理的に解釈すれば、株式会社オガタ及び被告有限会社メガネの愛眼が、「メガネの愛眼」という標章を使用することがあったとしても、営業主体が異なることを明瞭にしなければならない、という意味にしかとらえられない。その文言からして、「メガネの愛眼」、「天神愛眼」等の標章の使用禁止を定めたものではない。 上記和解の時点で、被告らは、既に独立の企業体として被告標章等を使用して長年活動し、九州地方に延べ17店舗を出店し、うち15店舗で営業を継続し、確固たる自社ブランドを築いていたのに対し、原告の福岡県における足がかりは、株式会社オガタの福岡ショッパーズプラザ店のみであったから、株式会社オガタ及び被告有限会社メガネの愛眼が、上記和解において、判決で全面敗訴するよりも不利益な、特定の標章を一切使用しないという約束をすることはあり得ない。 被告らは、前記3の相互使用の合意に基づき、九州地方において、原告に先んじて「メガネの愛眼」という標章の使用を開始し、原告及びそのフランチャイズ店とは という約束をすることはあり得ない。 被告らは、前記3の相互使用の合意に基づき、九州地方において、原告に先んじて「メガネの愛眼」という標章の使用を開始し、原告及びそのフランチャイズ店とは全く別個に独立の営業体、企業体として、「メガネの愛眼」など「愛眼」という語を含む標章の下、独自の営業、企業活動を続け、原告をはるかに凌駕する実績を上げてきたのである。「メガネの愛眼」など「愛眼」という語を含む文字標章が九州地方で確固たる周知性を獲得したのは、まさに被告らの企業活動、営業努力の賜物にほかならず、その事実を原告自身認めざるを得なかったからこそ、原告は、上記和解において、被告ら天神愛眼グループに「メガネの愛眼」又は「愛眼」という標章の不使用合意を求めたが、その旨和解条項に定めることができずに、被告ら側において「メガネの愛眼」や「愛眼」という語を含む標章を今後も使用することを前提として「営業主体が異なることを明瞭にする」という表現の和解条項を設定したのである。 さらに、被告有限会社メガネの愛眼らは、上記和解後、新規に出店した店舗の店舗名表示や天神愛眼グループの宣伝広告活動において、上記和解の趣旨に則り、営業主体が異なることを明瞭にさせる「天神愛眼」という標章の使用を徐々に広め、原告と被告らの営業主体が異なることを明瞭にすべく誠実に努力してきた。 10 被告有限会社メガネの愛眼らは、上記和解を受けて、昭和55年10月30日までに福岡ショッパーズプラザ店を原告に明け渡し、原告は、同年11月1日から、同店を九州地方で初めての直営店として経営するようになった。 しかし、被告有限会社メガネの愛眼らは、それ以外の15店舗において、その後も引き続き従前どおり「メガネの愛眼」等の店舗名で、「メガネの愛眼」等の標章を使用して眼鏡 経営するようになった。 しかし、被告有限会社メガネの愛眼らは、それ以外の15店舗において、その後も引き続き従前どおり「メガネの愛眼」等の店舗名で、「メガネの愛眼」等の標章を使用して眼鏡小売店の営業を続けていたほか、上記和解後、被告店舗1、2の出店までに合計43店もの新規店舗を出店し、これらの店舗においても「メガネの愛眼」、「天神愛眼」等の標章を用い、「天神愛眼グループ」として営業活動、企業活動を行ってきたが、これに対し、原告から、和解条項違反であるという抗議や標章の使用禁止要求などは全くなされていない。 11 上記和解成立直後の昭和55年11月1日ごろ、原告が、「本ものの『メガネの愛眼』がやってきた!」などと表示したため、被告有限会社メガネの愛眼らが抗議したところ、原告はすぐにこのような広告活動を取りやめたが、このような原告の行動は、「メガネの愛眼」という標章が被告らによって使用されることを前提としたものである。 12 現在、被告らを含む天神愛眼グループは、35店舗を擁し、九州地方において、眼鏡販売店の最大手として、知名度は原告を遙かに凌駕している。とりわけ、福岡市内の「天神愛眼ビル」、「天神愛眼コンタクトレンズビル」は、天神愛眼グループのシンボルとして、その知名度を高める役割を果たしている。 13 天神愛眼グループは、テレビ、ラジオ、新聞、電車の吊り広告、映画のスポット広告、大画面広告用テレビなどにより、従前から活発な宣伝広告を行っている。とりわけ、昭和54年ころより長年にわたって放映され続けている特徴的かつ個性的なテレビコマーシャルや、天神愛眼グループのシンボル的存在であり、福岡県下における最大の商業地域に立地して「黄色いビル」として需要者に親しまれている地上11階の本社ビル「天神愛眼ビル」及び「天神愛眼コンタ ビコマーシャルや、天神愛眼グループのシンボル的存在であり、福岡県下における最大の商業地域に立地して「黄色いビル」として需要者に親しまれている地上11階の本社ビル「天神愛眼ビル」及び「天神愛眼コンタクトレンズビル」は、全フロアが眼鏡等販売のため使用され、又は毎日、外観イルミネーションの色が変わるなど、極めてユニークなビルとして各種マスコミにも取り上げられ、消費者間において、極めて高い認知度を得ており、天神愛眼グループの知名度を高める役割を果たしてきた。天神愛眼グループの直近における広告関係経費の主なものは次のとおりである。 アテレビ広告九州朝日放送、アール・ケー・ビー毎日放送、テレビ西日本、福岡放送及びTVQ九州放送を使用している。 ① 平成15年度 6000万円② 平成14年度 7080万円③ 平成13年度 7080万円④ 平成12年度 7080万円⑤ 平成11年度 7080万円イちらし、新聞、雑誌広告関係① 平成16年度 258万0152円(年度途中までの文化印刷株式会社の広告経費)② 平成15年度 1015万2549円③ 平成14年度 2371万3721円④ 平成13年度 5545万4876円⑤ 平成12年度 3412万6844円⑥ 平成11年度 2459万3915円ウ映画館スポット広告① 平成14年度 100万8000円② 平成13年度 100万8000円③ 平成12年度 110万2500円④ 平成11年度 132万8250円エ JR駅広告① 平成15年度 平成13年度 100万8000円③ 平成12年度 110万2500円④ 平成11年度 132万8250円エ JR駅広告① 平成15年度 76万8000円② 平成14年度 136万6000円③ 平成13年度 137万6000円④ 平成12年度 138万6000円⑤ 平成11年度 138万6000円福岡県の情報誌が行った「好きな地場企業」の調査において、天神愛眼グループは、西日本鉄道に次いで第5位に選ばれた。 14 被告有限会社メガネの愛眼は、昭和63年4月26日、東京都目黒区に、平成8年5月21日、東京都渋谷区に、平成14年3月7日、東京都新宿区に事務所を設けた。天神愛眼グループは、平成15年、被告店舗1、2を開店した。 15 被告ら天神愛眼グループは、原告とは別個の独自の営業努力、宣伝広告企業活動を続けてきた結果、独自の商売上の信用と基礎を確立し、そのことが世界で最も著名なブランドの一つである「カルティエ」にも認められ、平成9年4月24日、同社との間で本邦初の眼鏡等正規販売専門代理店契約を締結するなどし、全国の眼鏡小売販売業界で上位の売上高を誇る規模にまで発展を遂げ、眼鏡の全国版専門誌や統計データ集において、天神愛眼グループは、原告と明確に区別され、ランキングの上位に掲載されるに至っている。 また、被告光正が、従前の眼鏡小売店と全く異なる新規なスタイルの被告店舗2を出店したところ、全国紙等において、同店及び天神愛眼グループが大きく取り上げられ、評判となった。したがって、被告標章1ないし3は、九州地方において極めて高い周知性を獲得しており、東京を含む全国においても周知性を獲得している。 同店及び天神愛眼グループが大きく取り上げられ、評判となった。したがって、被告標章1ないし3は、九州地方において極めて高い周知性を獲得しており、東京を含む全国においても周知性を獲得している。 16 被告天神愛眼は、不正競争の目的又は不正の目的で被告登録商標1、2の商標登録を受けたものではない。
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